あせらず、さわがず

アラフィフおばさんが脈絡なく書いてるブログ~あとは野となれ山となれ

子ども科学電話相談 春スペシャル3/22(昆虫、動物、心と体・哲学、ロボット・AI)12時台~13時台

3/22のジャンルは

 昆虫 久留飛克明先生

 動物 成島悦雄先生

 心と体・哲学 野矢茂樹先生

 ロボット・AI 坂本真樹先生

 

午後は0時15分から1時55分まで。日曜日のお昼の定番「のど自慢」も休止になる中、「子ども科学電話相談」は勢力を拡大。

 

Q9 何でチョウチョは鱗粉がないと生きられ

  なかったり飛べなかったりするんです

  か?(小4女子)

 

アナウンサー「チョウの羽に粉がついている、あれですかね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○ちゃんはそれをどこかで知ったんですか?」

質問者「前、本で読んだ時に、チョウチョは鱗粉が羽についてて、その鱗粉は雨のしずくを弾き飛ばしたり、飛んだりする役割があるって聞いたんです…読んだんですけど…。」

久留飛先生「チョウチョの鱗粉は見たことあるやんね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「チョウに触ったことある?」

質問者「はい。」

久留飛先生「どうでした? 手につきました?」

質問者「なんか気持ちかった。」

久留飛先生「ん?」

質問者「なんか気持ちかった。」

久留飛先生「気持ちかった…」

アナウンサー「気持ち良かった…かな?」

久留飛先生「(笑)まあ、手に粉みたいなのがついた?」

質問者「はい、つきました。」

久留飛先生「チョウの鱗粉は何であんねやろうって考えたことある?」

質問者「いえ、ないです。」

久留飛先生「チョウチョってわりときれいやんな? ということは、あの色の元は粉というか鱗粉がついてるからいろんな色に見えるわけや。」

質問者「はい。」

久留飛先生「そっちではオオゴマダラっておるか?」

質問者「はい。」

久留飛先生「あれは鱗粉がほとんどないやん?」

質問者「そうなんですか?」

久留飛先生「うん、見たことはないかな?」

質問者「あるけど…。」

久留飛先生「あるよね。羽に触る人は少ないかもしれないけど、チョウチョによっては鱗粉が少なかったり多かったり。ひょっとしたら取れるやつもいるかもしれんわね。

ただ、その鱗粉がなかったらもう生きられへんのんかって言うたら、そうでもないねん。」

質問者「そうなんですか?」

久留飛先生「うん。基本の役割としてはチョウの羽のきれいな模様を作る粉みたいなもんやから、オスとメスがお互いに出会う時に、おんなじ仲間だって分かるわけや。あとは水がかかっても羽が濡れない役割をしてることはあるやんね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「こっちの方やったら冬を成虫で越すのは珍しいんだけど、そういうチョウチョがいて、日なたぼっこをしてるんや。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「それは羽に太陽の光をいっぱい集めて、体を温める役割をしてんねん。という具合にチョウの羽はいろんな役割を持ってて、鱗粉が何の役割かって言うたら、相手と自分が同じ模様だから仲間だということを知らせたり、雨にかかった時に水に濡れない役割とか、そういうことをしていて、生きられないという極端なことは少ないと思うねん。そらぁ捕まえてきて鱗粉をぜーんぶ取り去ってしまうと困ったことになるかもしれんけど、鱗粉のおかげでいろんなことができてることもあるんや。」

質問者「ふううん。」

久留飛先生「例えばな、そっちやったらオオジョロウグモっておるやろ?」

質問者「はい。」

久留飛先生「大きな巣を張って、そこにチョウチョがかかったら、鱗粉のおかげでうまく逃げれたりもするみたいやねん。」

質問者「じゃあ鱗粉はクモの巣に残っちゃうんですか?」

質問者「そう、残るよな、取れるわけやから。その代わり本体というかチョウチョは飛んで逃げれるという。必ずしもそうでもないけど、逃げる確率が高くなるやん。だからいろんな役割をしてるんだけど、自然状態では全部を取ってしまうことはあんまり起こらないけど、起こったら生きられないんじゃないかという意味では、そういうクモの巣に捕まってしまったりとか、雨に濡れてしまって羽が重たくって体温というか下がってしまって飛びにくくなったり、羽が重たくなったりとか、そういうことも起こるわな。」

質問者「はい。」

久留飛先生「という具合に、あるものはあった方が良いわけや。」

アナウンサー「○○さん、どうでしょう、鱗粉の役割とか、こんなことに役立ってるというのは分かりましたか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「よかったです。○○さんは虫が好きなのね? いろいろ観察しているのかな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「沖縄でこんな虫を見つけたよ、とか、不思議に思うことがあったら、また電話をください。」

質問者「はい。」

過去に鱗粉がほとんどない、羽が透き通るチョウの話もあったな。血管のような筋にある突起で雨を弾いてるとか。鱗粉は取れた後に再生しない話も。

 

Q10 どうして馬はオレンジや赤が見えな

   のに、離れた所からでもニンジンだっ

   てすぐ分かるんですか? あと、同じ

   色なのにリンゴの嫌いな馬はいるの

   にンジンの嫌いな馬がいないのは

   不思議す。(小4女子)

 

アナウンサー「○○さんの近くには馬がいるの?」

質問者「乗馬習ってる。」

アナウンサー「乗馬クラブに行ってるのね? ということは、お馬さんにニンジンをあげている?」

質問者「はい。」

アナウンサー「馬はみんなニンジンが好きなのに、リンゴよりニンジンを選ぶ馬が多いぞと。」

質問者「うん。」

成島先生「○○さんは馬に乗ってるんだ?」

質問者「はい。」

成島先生「毎週行ってるの?」

質問者「毎週じゃないけど、1ヶ月に3回ぐらいは行ってます。」

成島先生「すごいね! けっこう乗れるんですか?」

質問者「はい。」

成島先生「素晴らしいですねえ。乗馬クラブに行って、お馬さんがニンジンは好きだけれども、どうもリンゴはあまり好きじゃなさそうだということと、赤い色が見えないはずなのに、どうして同じ赤い色をしているニンジンとリンゴを見比べることができるのでしょうかという質問ですね?」

質問者「はい。」

成島先生「馬が見てる世界というのは、○○さんが言うように、僕たちとは違うんだよね。僕たちは三原色と言って、赤、青、緑の色からなる色をいろいろ識別する、見極めることができますね?」

質問者「はい。」

成島先生「でもウマは、緑と青は見えるけれども、赤あるいは橙色は苦手らしいんだよ。だから赤や橙色を見ると、グレー、灰色に見えるらしいんだ。それは目のつくりがそうなっていて、色を感じる細胞がヒトには3つあるんだけど、ウマは緑と青を感じる細胞しか持ってないんだね。目のつくりが元々そうなってるから、これはもうしょうがないんだ。」

質問者「うん。」

成島先生「ニンジンもリンゴも、たぶん両方ともグレーに見えてると思うんだけど、どうしてニンジンの方を選ぶのかという質問にお答えしようと思います。○○さんはニンジンを見た時に、その食べ物がニンジンだってどうして分かる?」

質問者「色とか? 形とか?」

成島先生「色と形だね。そうするとウマは、どうも色では見極めてないようだよね?」

質問者「うん。」

成島先生「何で見極めてると思う?」

質問者「においかなあ…。」

成島先生「おお~、ピンポーンですねえ。そうなんだよ、においのことを臭覚とか嗅覚って言いますが、ウマのにおいを感じる力は人間の何百倍とか、あるいは1000倍と言う研究者もいるけど、ものすごくわずかなにおいでも嗅ぎ分けることができるらしいんですよ。だから、遠くからだとニンジンの形は見えないけど、においがするので、“おいしいニンジンがある”って、そばに寄ってくるんだ。だから見極めの1つはにおいなわけね。

そうすると、リンゴも同じようににおいを出してるわけだよね?」

質問者「うん。」

成島先生「ニンジンが嫌いな馬も中にはいるんだよ。」

質問者「(笑)ウフフフフ。」

成島先生「(笑)聞いたことない?」

質問者「あんまりない。」

成島先生「たいていの馬はニンジンが好きなの。何が好きかというと、ニンジンの中の甘味、甘い成分が好きらしいんだよ。ニンジンの甘さが好きで、ニンジンを食べるんだって。」

質問者「ふううん。」

成島先生「だから甘いニンジンが特に大好きみたいだよ。いろんなニンジンがあるけれども、甘いニンジンをやればますますニンジンが好きになると思うな。

リンゴはニンジンほど甘くないんだろうね。だからニンジンに比べたら食べないのかもしれない。ただ、中には甘いリンゴもあるので、リンゴが大好きな馬だっていますよ。人間だっていろんな好き嫌いがあるじゃない?」

質問者「うん。」

成島先生「○○さんだってニンジンは好きかもしれないけど、同じように甘いリンゴが嫌いかもしれないよね?」

質問者「うん。」

成島先生「お友だちにもいろいろいるじゃない? 私は甘くてもニンジンが嫌いっていうお友だちもいるかもしれない。

そういうふうに馬も1頭1頭によって好みがあるんだ。でも総じて馬は甘いものが好きで、ニンジンが好き。多くの馬はそうだね。そういう答えでよろしいでしょうか?」

質問者「はい。あと、離れた時に、切ってあって、袋に入れてあったりしても、馬はニンジンだって分かるんですけど、それはどうしてですか?」

成島先生「それはね、袋の中に入っていても、袋に小さな穴が空いていて、そこからニンジンのにおいが外に出てくるんだよ。僕たちはそこまで鼻が鋭くないから分からないけれども、馬の鼻は敏感なので、袋の中に入ってるものもにおいが分かるの。」

質問者「えええ!?」

成島先生「今度いろいろやってみて。馬にいじわるだけどさ、袋の中に甘いものとか苦いものとか入れて、どれが好きかってやってみたら面白いと思うよ。」

質問者「うん…。」

成島先生「そうするときっと甘いものに…特に食べ慣れたニンジンは隠してもすぐに見つけちゃうと思うな。」

質問者「(笑)フフフフフ!」

アナウンサー「そんなに賢いというか、嗅覚が鋭い動物なんですね?」

成島先生「ええ、ある研究者はヒトの1000倍ぐらい鋭いと言ってますから、1000倍ということは1000分の1に薄まってても嗅ぎ分けられるということですよね。」

アナウンサー「えええ!? そうなんですか…警察犬とかいますけど、警察馬なんてできるのかしら…(笑)想像ですよ。」

成島先生「(笑)イヌはもっと鋭いですよね。それから鼻の中にヤコブソン器というにおいを感じる特別な器官、場所があるんですね。鼻の中の粘膜についているにおいを感じるふつうの細胞と、ヤコブソン器という特別な組織を使って、嗅ぎ分けているらしいです。」

アナウンサー「ほおおお…すごい。○○さん馬はにおいを感じる力が優れているのだそうですよ。今度、乗馬クラブに行ったら、どんなものが好きかなって…クラブの了解を得ていろんなものをあげてみたらどうでしょうかね? 意外な好物があるかもしれませんよ?」

質問者「やってみます。」

馬がリンゴを食べないのはリンゴに酸味があるからなんじゃないか、ニンジンの甘みとリンゴの甘みは種類が違うのか、いろいろ思ったけど、そのうち他の質問で分かる日がくるかもしれない。

 

Q11 なぜ赤ちゃんとかのお尻は出して良い

  のに、大人のお尻は出しちゃいけない

  の?(小3女子)

 

アナウンサー「○○さんはどういうところからそう思いましたか? 何かきっかけがあったのかな?」

質問者「CMとか見てる時。」

アナウンサー「赤ちゃんのお尻は見たことがある、しかし、大人のお尻は出すと怒られるということかな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「うーんなるほど、これはですねぇ、心と体に関する質問ですよぉ、さあ野矢先生お願いします。」

野矢先生「こういう質問が来るからこの番組は怖いですねえ…。しかもこれを哲学者に答えさせるというのはもう…すごいですけれども。

テレビなんかで大人のお尻って…お尻は出しちゃいけないんですかね? お尻ぐらい出してもいいような気がしますけどね。」

先生方「(笑)」

野矢先生「お相撲さんはふつうにお尻を出してますよね(笑)。…だからテレビでは放送がどのくらい許されるのかということは措いといて、例えば大人の人が街なかでお尻を出してたら問題だけれども、赤ちゃんのお尻だったら、みんなニコニコして見てますよね? それはどうしてなのかなっていうことを考えるのでいいかな?」

質問者「…はい。」

野矢先生「ちょっと違っちゃうのかな? でも、それがいちばんの根本だから、そこから考えてみると、…“大人の”という言い方もあまり当たってないのかもしれないけれども、“ウチ”と“ソト”という感覚があるんですね。つまり身内、家の中、家の外、あるいは仲間の内、仲間の外というふうに、“ウチ”と“ソト”という感覚。これは何となく伝わりますか?」

質問者「はい。」

野矢先生「“ウチ”の中…身内、家族、あるいは仲間うち、友だちどうしでは許されるけれども、ソト側ではだめだよということがいろいろあるんですよね。

裸というのは、本っ当にウチ側の中で許される事柄なんじゃないかな。文化によりますよ、公共の場で裸で何の問題もない人たちもいます。でも、今の私たちの社会というのは、裸は本当にウチ側の、自分の身内、仲間うちでしか見せないもので、それをソト側、公共の場で見せることに対しては、それはいけないということになるんですね。」

質問者「はい。」

野矢先生「子どもの場合はウチもソトもあんまり気にしない、というところがあるから、ウチとかソトとかいう意識、けじめがなくていいやっていう場合には、別に裸でもそんなに問題がない。でも大人は、ウチ側でしか許されないことをソト側の公共の場でやっちゃいけない。… 裸以外にもいろいろありますけれどもね。そういうことがあるんだね。」

質問者「うん。」

野矢先生「あともう1つ、お尻関係だとありそうな話が…特に女の人のお尻ね。女の人のお尻を見ると、多くの男が興奮するんだね。街なかであまり多くの男を興奮させるのは社会的に良くない、興奮してるといろんなことがうまくいかなくなることがあって、例えばバスの運転手さんが通りの向こうに女の人のお尻を見て興奮して、運転を間違ったらまずいでしょ?」

質問者「はい。」

野矢先生「だからふつうに仕事したり生活している時には、あんまり興奮させないようにしよう、ということもあるんじゃないのかな。」

興奮の話はすごいな。ストレートに言いながらいかがわしさはなく。言語哲学を教えていらっしゃるだけのことはある…? 言語哲学が何かは知らんけど。

 

アナウンサー「成島先生、動物学的観点からはいかがでしょう? このお尻問題。」

成島先生「基本的に動物は服を着ませんよね?」

野矢先生「そう、お尻丸出しですよね。」

成島先生「全部が。だからやっぱり服を着るということがルーツにあるんだろうと思うんですね。何で服を着るようになったのかって考えると、たぶん先生が仰ったように恥ずかしいとか、要するにウチとソトで、ソト側の顔はちゃんとしてなきゃいけないということがあって…今でも世界にはお尻を出して生活してる人たちもいらっしゃるわけだから、文化の中で、服を着なきゃいけないという締めつけみたいなものがあったんだろうと思うんですね。」

野矢先生「でしょうねぇ…。」

アナウンサー「先生方どうでしょう、お尻問題で何か…(笑)。」

坂本先生「(笑)人間に限らず、アンドロイドとかがお尻を出してたらどうかとか…でもアンドロイドだと確かにちょっと…ちょっとドキドキしちゃう可能性がありますよね、人間のお尻の場合と同じように。」

質問者「うん。」

坂本先生「じゃあ、もうちょっと人間に近くないようなロボットがお尻を出してたら、別にドキドキしないと思うんですよね。同種のものの間だと、そういう特別な感情…ドキドキが生まれちゃって、違うものの場合は大丈夫っていう。その違いある気がするんですけど、どうでしょうか?」

久留飛先生「昆虫の場合やったら、例えばアゲハチョウの幼虫って知ってるやろ?」

質問者「はい。」

久留飛先生「アゲハチョウの幼虫が何するかいうたら、もう大きくなるだけの役割や。ところが成虫になった途端にな、やることが変わるわけや。オスはとにかくメスを追いかけ回して、相手を見つけて交尾をする。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ということは、アゲハチョウの縞模様というのは、人間で言うお尻の役割かもしれんやん。ということは、“オッケーですよ”、“交尾をして大丈夫だよ”ということを成虫になった途端に、昆虫たちは行動を変えていくわけや。」

質問者「うん。」

久留飛先生「けど人間は分かりにくいやん? 子どもなのか大人なのか、どうなんやろうって。でも大人どうしの合図としては、これは”ちゃんとした大人だよ”という合図。そう考えたら、“出したらちょっとやばいんちゃう?”って…思えへんか?」

質問者「うん。」

久留飛先生「という具合に昆虫で見るとすごく分かりやすいんや。成虫になったらとにかく相手を探して見つけて交尾をして…そういう役割に変わってしまう。それが人間は何となく成長してるから、線引き…“18才から”とか、そういう具合にはいかへんやん?」

質問者「うん。」

久留飛先生「パッと見、赤ちゃんのお尻やったら“かわいいね”と思うけど、それがいきなり女の人のお尻となったら、かわいいでは済まへんやん?」

質問者「うん。」

久留飛先生「その辺の感覚の違いがあるんじゃないか?」

アナウンサー「違うサインに受け止められちゃう…」

久留飛先生「そうですよね。」

坂本先生「うーん……女の人に限らず、逆に男の人のお尻を見たらどうか(笑)っていうのは…」

野矢先生「どうなんですか(笑)?」

坂本先生「どうなんですかね?」

野矢先生「いやいや、どうなんですか(笑)?」⇦笑いながら攻める野矢先生こわいかも。

坂本先生「(笑)ええー? うーんと、何だろう…ドキドキするというよりは、場合によっては困っちゃう感覚?の方が…」

野矢先生「見ちゃいけないものを見たっていう。」

坂本先生「うん…動揺…要は人が困ってしまう社会…そういう感情を生んでしまうからいけないんじゃないかな、という気はするんですよね。」

アナウンサー「うーん、いろんな問題が出てきましたね。文化人類学的には露出している民族もいるし、そこでは全然問題ないが、日本でやるとちょっと違和感を感じると…。」

坂本先生「何だろう、それこそ海外でみんなが服を着ない場所とか、先生も行ったことがあるんですけど、」

アナウンサー「海岸とか。」

坂本先生「海岸とか。みんなふつうに洋服を脱いじゃってるんですけど、先生はそういう文化じゃない所で育ったので、さすがに“じゃあ”ってすぐ脱ぐのはできなくて。でも逆に着ているのも恥ずかしいというか、1人だけ違うから? みんなと違うことに対する恥ずかしさもあったり…みなさんが服を着ている中でお尻を出すというのが“ちょっと違う”とか。」

アナウンサー「うーん……いろいろなお話が先生方から出ました。○○さん、いかがでしたか?」

質問者「うん…よく分かりました。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)よく分かったかな。先生方も悩みながら考えながら、言葉を選んで話してくれましたけど、すごく面白い質問だったと思います。素敵でしたよ。またいろいろな質問を送ってください。」

質問者「はい。」

先生方総出の奥深い質問だった。個人的には久留飛先生のチョウの模様はお尻と同じという話が斬新だった。

 

Q12 将来の夢が電車の運転士なんですけ

  ど、今モノレールは自動運転なので、電

  車の運転士はなくなりませんか?

  (小4男子)

 

アナウンサー「そうね、心配ですね。ちなみに○○君は運転士になるとしたら、どの電車の運転士になりたいですか」

質問者「……在来線です。」

野矢先生「(笑)在来線か、なかなか渋い。」

坂本先生「確かにモノレールとか、東京だとゆりかもめとか、自動運転の乗り物がありますよね。実際に車の自動運転に比べると、電車の方が線路がはっきりしていて、そこには人が入ってこないので、自動運転をやりやすいと言われてはいるんですけど、実はまだ大変な問題があって、例えばモノレールとかゆりかもめの場合は、元々自動運転のものを通そうということで作られているので、踏切がなかったり工夫がされているんですね。だけど、ふつうの…まさに○○君が仰った在来線だと踏切もそうですし、人が入ってくるような所が…線路の横にふつうにお家が建ってたり、猫も犬も入ってきちゃうかもしれないので、まずそこを入ってこれないように壁みたいなものを作っていかなきゃいけないとか、そういう大変さがあるんですね。

なので、絶対に人も何も入ってこないようにするのにお金がすごくかかっちゃうし、大変。そこまでして電車を自動運転にする必要があるのかどうかになるんですけど、例えば道路の場合は一般の人も運転しちゃう…高齢の人とか運転がだんだん難しくなってる人とかも運転しちゃうから、事故が起きちゃって危ないから、自動運転にした方が事故が起きないから良いよね、ということがあるんですけど、電車の場合は○○君も目指しているように、ちゃんと訓練を受けたプロの運転士さんが運転するので、安全なんですよね。なので自動運転にする必要性があまりなかったり。あるとすると、自動運転だったら今みたいに運転間隔を空けなくても、今よりもたくさん走らせることができるので、もしかしたら混雑を緩和できるメリットはあるかもしれないので、自動運転にする必要性と大変さでこれからどうなっていくか、というところなんですけど、先生は全部が自動運転に…新幹線は割と壁で囲まれていて、人とか猫とか犬とか入ってこないので、割とやりやすいかもしれないですけど、在来線はすぐには難しいんじゃないかなぁ…とも思っています。」

アナウンサー「ということは在来線の仕事は…大丈夫かしら。」

坂本先生「車掌さんとか人が完全に要らなくなることは、相当先までないんじゃないかなと思っていますけど、一部には今よりも自動運転の電車が走るようになるかなと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君が大人になるのは8年後や10年後ですね。その頃はまだ大丈夫…」

坂本先生「うーん…どうですかね、自動運転の車が街なかをグングン走るようになるのに比べると、電車の方が簡単は簡単なので、みなさんの自動運転にしてほしいという声が多くなると、そうなっていっちゃうかなとは思うんですけど。」

質問者「はい。」

アナウンサー「なるほど。個人的には○○君の夢を叶えてあげたいなと思いますよ。」

坂本先生「そうですね、全部はならないんじゃないかなって先生は思います。」

アナウンサー「○○君、電車はよく見に行くんですか?」

質問者「はい。…(聞き取れず)駅で新幹線を見たりしています。」

アナウンサー「そうですか。これからも電車を好きでいてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q13 私はマンションの7階に住んでいるので

  すが、ベランダにあるキク科の植物にア

  ブラムシがたくさんついています。その

  アブラムシはどうやって来ているのです

  か?(小4女子)

 

たくさんのアブラムシ。テントウムシがそばで仲間をボリボリ食ってるのに特に逃げもしないで、久留飛先生が前日「そんな生き方でええの?」って不思議がっていたあのアブラムシ。

 

アナウンサー「うーん確かに。7階なのに、どこからか来るんですね。キク科のお花を植えているんですね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「不思議やな。そういう所にいつの間にかアブラムシがたくさん出てきて、どうやって来たんやろうって思うよね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「アブラムシがどうやって増えてるかって考えたらヒントになるんだけれども、ふだんはメスが子どもを生んでそのまま増える、それでどんどん増えていく。増えすぎると今度は、“これは増えすぎた”って思うんやろうと思うけど、羽が生えたアリマキが出てくる。それが飛んでいって新しい所でまたどんどん増えていくという。」

質問者「ふううん。」

アブラムシは別名がアリマキで、数が増えすぎると羽のある個体が出てくるそうな。バッタの群生相みたいじゃないか。そんなやつがいるってこの番組で聞いたな。

 

久留飛先生「羽が生えないアブラムシと、羽が生えてくるやつがいる。秋になったらオスとメスが出てきて、交尾をして今度は卵を生むんや。たぶんそれが土の中にいて、春になったら孵化をして出てきたアブラムシという…。そういう具合にして、また新芽のところについたりするんやと思うで。」

質問者「はい。」

アナウンサー「アブラムシ、羽が生えて飛んでくるんですか?」

久留飛先生「そうですね。増えすぎてしまうと羽があるアブラムシが出てくるという…」

アナウンサー「厄介。これはどれぐらいの距離を飛ぶことができるんですか?」

久留飛先生「どうでしょうね、小さいよね? アブラムシを見たことあるやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「とても小っちゃいから、羽が生えて風に乗るというか…自分で羽ばたかずにピョーッと飛んでいくことができるんちゃうかな。」

質問者「へええ。」

アナウンサー「1階や2階だったらともかく、7階なのに、すごい上まで来るんですね。」

久留飛先生「すごいですよ。方法は2つで、土の中に卵がまぎれていたのかもしれないし、羽があるアブラムシが飛んで来たのかもしれない。…ということやけどな。」

アナウンサー「厄介ですね。」

久留飛先生「(笑)フフッ…」⇦2度も厄介呼ばわりされて…昆虫の先生としては苦笑い?

アナウンサー「○○さんはアブラムシ退治を頑張っているんですか?」

質問者「うーんと、前にお母さんが必死で取ったけど、すぐにたくさんついたので、それからは取っていません。」

アナウンサー「お母さんが力尽きてしまったんですね。」

質問者「(笑)はい。」

久留飛先生「まあ、あんまりたくさんついたら気持ち悪いかもしれんけど、あれってテントウムシのエサやんな? そやから、そういうところに意外とテントウムシが飛んで来て、アブラムシを食べてくれるわけやん。」

質問者「えええ…。」

久留飛先生「7階まで飛んで来るかは分からんけど、よく原っぱなんかに行ったら、アリマキを食べてるテントウムシって見たことないですか?」

質問者「ないです。」

久留飛先生「ないですか。今度ぜひ見てほしいんだけど、ナミテントウナナホシテントウというやつは成虫で冬を越えてるから、そういう所に飛んでいって、そこでムシャムシャ食べて、その辺に卵を生んだりするわけや。」

質問者「はい。」

久留飛先生「ということは、お母さんのテントウムシはエサがある所で卵を生もうと思ってんねんな。賢いなと思うけど、どう?」

アナウンサー「テントウムシの力を借りて、○○さんのところのアブラムシ対策ができると良いですけど…どうでしょうかね、リクルートして…」

久留飛先生「(笑)」

アナウンサー「転勤っていうんですか? スカウトっていうんですか?」

久留飛先生「まあでも、アリマキもかわいいと言う人もおるしな。…(笑)いきなり敵だと思わずに、今あなたが思った不思議なこと…“どうやって来んのやろう、どうやってここに来たんやろう”ということを考える材料にもなるやんか。」

質問者「はい。」

久留飛先生「いきなりそれをなくしてしまえというのはどうかなぁと。」

アナウンサー「という久留飛先生のご意見でした。○○さんに判断はおまかせしますよ。またお母さんとお話ししてみてくださいね。」

質問者「はい。」

飼ってる昆虫を心配する質問も、「虫で困ってます」的な質問も本当に多いよなあ。そして退治するにしても一旦は虫の生き方を(今回は天敵のテントウムシまで)考えさせようとする先生方の方針はブレないな。

 

Q14 カメは甲羅を脱いだらどうなるの?

  (5才女子)

 

アナウンサー「ちなみに○○さんはどうなると思いますか?」

質問者「………はだか。」

アナウンサー「(笑)裸だね、そうね。」

成島先生「○○さんはカメを飼ったことありますか?」

質問者「ある。」

成島先生「ある? 何ガメだった?」

質問者「……」

成島先生「何だっけ? クサガメ? イシガメ? ミドリガメ?」

質問者「ミドリガメ。」

成島先生「ミドリガメかあ。ミドリガメは、頭と前脚と後ろ脚と尻尾は外に出てるけど、体は甲羅で囲まれてますよね?」

質問者「うん。」

成島先生「結局それが本当のふつうの姿で、何か怖いことがあると脚も尻尾も頭も縮めて、甲羅の中に隠しちゃうでしょ?」

質問者「うん。」

成島先生「甲羅に触ったことありますか?」

質問者「ある。」

成島先生「どうだった?」

質問者「ちょっとだけ硬かった。」

成島先生「そう、硬いよね? だからカメを食べたい動物がやって来ても甲羅の中に体を隠しちゃえば、硬いから諦めて食べないでしょ?」

質問者「うん。」

成島先生「だから甲羅は、外敵から、自分をやっつけて食べようと思ってる他の動物から自分を守る、そういう役目があるんだよね。」

質問者「うん。」

成島先生「でも硬いから、人間と違って自由に動かないじゃない? だからけっこう動きが…あっち行ったりこっち行ったりするのが難しい。屈伸運動なんかできないじゃない?…屈伸というのは難しいね(笑)。」

質問者「うん。」

成島先生「○○さんは甲羅を脱いだらどうなると思う?」

質問者「………」

成島先生「さっき裸って言ってましたね。ごめんね、もう1回聞いちゃった。じゃあさ、○○さん、」

質問者「なに?」

成島先生「カメは甲羅を脱ぐことができると思う? 僕たちはお洋服を着てるじゃない? 毎朝着替えて、夜寝る時はパジャマを着たりしてるでしょう?」

質問者「うん。」

成島先生「カメは同じようなことをやるかな?」

質問者「うん…」

成島先生「やる? 夜寝る時に甲羅を抜いでパジャマを着てるかな?」

質問者「…うーん…わからん。」

成島先生「甲羅はね、脱ぐことができないんだよ。」

質問者「ふううん。」

成島先生「僕たちは体の表面が皮膚というもので覆われているのは知っていますか?」

質問者「………」

成島先生「○○さんの手は皮膚で覆われてるでしょう?」

質問者「うん。」

成島先生「足もそうでしょう? それからお腹も背中も皮膚で覆われてるでしょう?」

質問者「うん。」

成島先生「カメの甲羅というのは、お腹の皮膚が特別に変化して硬くなったものなんだよ。」

質問者「ふううん。」

成島先生「背中もそう。だから脱ぐことができないの。僕たちは皮膚を脱ぐことはできないじゃない? それと同じで、カメも甲羅を脱ぐことができないのよ。無理やり脱ごうとすると、首のところでハサミを入れてチョキチョキ切って、中を出さなきゃならないわけ。そうすると、中に入ってるいろんな腸とか肺とか…分かるかな?」

質問者「わかる。」

成島先生「分かる? あぁよかった、肺とかがそのまま外に出てきちゃうわけ。そうするとばい菌もいっぱいいるし、空気の中にいると乾いちゃって、生きていけなくなっちゃうわけね。」

質問者「うん。」

成島先生「皮膚で覆われてるからちゃんと生きていけるわけなんだよ。そういうわけで甲羅は皮膚と同じで、体と一体のものなの。脱ぐことができないので……脱いだ時はカメは死んじゃうっていうことだな。」

質問者「ああ…。」

成島先生「分かった?」

質問者「うん。」

成島先生「着物みたいに脱いだり着たりできれば、寒い時は暖かくして、暑くなれば脱げばいいけれども、そういうつくりになってないんだ。」

質問者「ふううううん。」

アナウンサー「○○さん、甲羅はとっても大事なんですって。お話、そのようにお考えください。○○さん、どうもありがとうね。さよなら。」

質問者「さよなら。」

成島先生「さよなら。」

午後1時の時報までニュースも交通情報もなくノンストップ。テレビの「のど自慢」をそのまま放送する時間だったもんなあ。変なところに感心する。

 

そして午後1時台。

アナウンサー「先ほど、5才の○○ちゃんから“カメが甲羅を脱いだらどうなるの?”という質問がありましたけど、野矢先生もカメの甲羅には興味津々だそうで。」

野矢先生「(笑)いろいろ聞きたくなりますね。」

アナウンサー「どんなことですか?」

野矢先生「私は、あれが脱げないことは知っていたんですけれどもね(笑)!」⇦わざわざ声を張り上げて言う。

野矢先生「それでふと疑問に思ったのはカタツムリなんですね。カタツムリが殻を脱いでナメクジになって這っていくというのは、何となく想像したくなるんだけれども、そんなことはあるんですかね?」

久留飛先生「基本的には無理ですよね。」

野矢先生「無理なんですか、殻がくっついちゃってるわけですか?」

久留飛先生「殻は体の一部になってるから、脱げないと言えば…でもエスカルゴなんか食べると言いますよね。」

野矢先生「エスカルゴなんかサザエの壺焼きみたいなのがクリクリッとしてて食べるような感じがありますね。」

久留飛先生「でも、そういうことは基本的にはできないですね。」

野矢先生「ふううううん。」

タツムリとナメクジは別種だったような。

 

アナウンサー「ちなみにカメが甲羅にケガをした時は手当てができるんですか?」

成島先生「できます。カメの甲羅は基本的にはカルシウムとかリンの骨、骨質なんですね。ですから折れちゃったというのは、言わば骨折と同じことになりますので、ジッとしておけばだんだんと細胞がそこを埋めていくんですね。」

アナウンサー「えっ、戻ってくるんですか?」

質問者「ええ。パックリ穴が空いちゃって中の臓器が見えるような時には、人工的に樹脂なんかで埋めるんです。そうすると埋めた下側で少しずつ再生してきて、いつかはちゃんと埋まって、樹脂が取れることもあります。」

アナウンサー「人間の骨折の治療と似てるような気もしましたけど…」

成島先生「うん、そうですね。」

アナウンサー「生えてくるんですね。」

成島先生「生えてくるというか再生してくる。」

 

Q15 どうして人間だけが言葉を喋れるのか

  です。(9才女子)

 

アナウンサー「○○さんはおしゃべりやお話しするのは好きですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「どんな人とお話しするの?」

質問者「友だちとか。」

野矢先生「言葉でおしゃべりするのは楽しいですよね。」

質問者「はい。」

野矢先生「でも言葉を話す、言葉を持っているというだけだったら、人間だけじゃないんですね。」

質問者「うん。」

野矢先生「それと同時に、人間の言葉というのは他の動物の言葉と、すごく大きな違いを持っていると思うんです。まず動物の言葉とか、あるいは虫も言葉を持つのか。そのあたりを成島先生に伺ってもいいですか?」

成島先生「はい。」

野矢先生「動物の言葉、あるいはイルカなんかも喋りますよね?」

成島先生「ええ、そうですね。動物が仲間どうしでコミュニケーションをするというか…3年生だとコミュニケーションって分かるかな?」

質問者「はい。」

成島先生「お話しをし合って、“自分はこう思うんだけど”という情報を伝達することは動物もやっているんですね。私たち人間は言葉を使うけれども、彼らは鳴き声とか、あるいはにおいとか、あるいは仕草を使って情報を伝達している。それもある意味、言葉になると思います。ただ人間ほど複雑なことは伝えられない。」

質問者「はい。」

成島先生「昆虫はどうですか?」

久留飛先生「昆虫なんて、ほら、夏になったらセミが鳴くやんか。あれ、鳴くのオスやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「何のために鳴いているか言うたら、“ここにいるよ”という合図や。これは言葉というものではないんだけど、合図としてメスにちゃんと届けてるやんな。」

質問者「うん。」

久留飛先生「だから大きく言えば、伝えるための何かということにはなると思うけどなあ。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ただ、あなたの思ってるような、“今日は楽しかったね”ということまで言えるのかどうかは難しいように思うなあ。」

野矢先生「雑談する動物というのはいないでしょうねえ。だから、これは人間にすごく特徴的なことだと思うんですよ。割と細かい合図は、ある種のサル…どのサルでしたっけ、“敵が来たぞ”っていう合図をするだけじゃなくて、敵の種類によって鳴き声を変えたりするんですよね?」

成島先生「ええ、あとプレーリードッグも同じようなことが言われてますね。リスの仲間で平原に住んでいるんですが、鳥が襲ってくるんですけど、それがワシなのか別の鳥なのかを鳴き声で分けているというのは聞いたことがあります。」

野矢先生「ああ…だからけっこう細かい言葉を持って…イルカなんかも相当複雑なコミュニケーションをするって聞きますよね。

でもね、今言ったように雑談するのはたぶん人間だけだと思うんですよ。」

質問者「はい。」

坂本先生「そうですね。雑談するAIとかロボットを作るって、けっこう大きな、ホットな話題で…」

野矢先生「(笑)」

坂本先生「情報を伝達することは割とできるようになってるんですけど、人間って仲良くするために、共感し合う目的でお話しをする。AIとかロボットはそれがまだ難しくて、それを一生懸命研究している人たちがいます。」

アナウンサー「聞いたことに答えるだけじゃなくて、とりとめのないお茶飲み話とか(笑)…AIとできると良いと思うんですよね。」

坂本先生「(笑)笑い合ったりとか。」

野矢先生「(笑)最初に成島先生が、動物も言葉を持つけれども人間ほど複雑な言葉じゃないだろうと仰っていて、その人間の言葉の複雑さというのはどこにあるのかな、というと、ちょっと難しい話になるんだけど、○○さん、いいかな?」

質問者「はい。」

野矢先生「人間の言葉は単語に分かれてますよね? いくつかの単語に分かれていて、その単語を組み合わせて文章を作っていきますよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「だから、そうだなあ…例えば、“鳥が飛んでいる”という言葉があれば、“犬が走っている”という言葉もある。それは“鳥”と“飛ぶ”と、“犬”と“走る”という単語からできていますよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「すると、単語に切り分けて組み合わせると、“犬が飛んでいる”という見たこともない文ができちゃうんですよ。」

質問者「はい。」

野矢先生「犬が飛んでるなんて誰も見たことがないけれども、単語に切り分けて、“鳥が飛ぶ”から“飛ぶ”をもらってきて、“犬が走る”から“犬”をもらってきて組み合わせると、“犬が飛ぶ”になっちゃうんですね。こんな言葉を言うのは人間だけですね。」

質問者「はい。」

野矢先生「つまり、文が単語に分かれていて、その単語を組み合わせて、いくらでも新しい文を作れるというのが、人間の言葉の複雑さなんです。そうすると“犬が飛んでるよ”みたいな、全然現実にないことを語れるようになる、つまり物語が作れるようになりますし、」

質問者「はい。」

野矢先生「良いことなのか悪いことなのか分からないけれども、嘘をつくこともできるようになりますよね? 間違ったことを言ったり、どうでもいいことを言ったり。だから雑談するためには、言葉が単語に分かれて、いくらでもたくさんの新しい文が作れるような複雑さ、豊かさを持っていなければできない。

人間がどうしてそういう能力を獲得したのかというのは、それは分からない。だんだんやってるうちに、人間が社会を作って情報を交換し合っているうちに、何かやり出したんだろうね。フィクション…お話を作ったり、作り話をしたり、嘘をついたりするようになって、それがどうして人間にとって良かったのか分からないですけどね。嘘をつくことで悪いこともたくさんあるから。どうしてそうなったのか分からないけれども、人間はそうやって…動物と同じ言葉を使うとしても…飛躍的にというのかな、動物とレベルの違う言葉の使い方になっていったんだね。」

質問者「はい。」

野矢先生「それはやっぱり人間どうしがたくさんコミュニケーションをする、情報を伝える以上の役割を言葉に持たせていったから。だから、今○○さんに言われて私たちも思ったけど、雑談というのはすごく人間的な活動なんだな、と思いました。」

質問者「はい。」

アナウンサー「私も先生の話を聞いて思ったんですが、最近ではパソコンやケータイで、文字だけでやりとりをすることもありますけど、やっぱり人と人が顔を合わせて話をするって、すごく良いですよね? 表情を見たり、言葉の感じをそこから読み取れるような感情もありますし、だから○○さんがお話しするのが好き、というのはとても良いと思いました。」

質問者「はい。」

アナウンサー「これからもおしゃべり大好きでいてください。」

質問者「はい。」

 

Q16 世界でいちばん最初のAIはいつでき

  て、どういう機能があったんですか?

  (小3男子)

 

アナウンサー「どうしてそういうことを疑問に思いましたか?」

質問者「今まで図鑑とかで見て、いろんな図鑑を見てきたけど、そのどれにも世界でいちばん最初のAIが載ってなかったから。」

坂本先生「AIって最近すごくよく聞くから、最近のものと思われるかもしれないですけれども、実はAI…人工知能のことですけど、この言葉が最初に使われたのは1956年だと言われています。

アメリカのダートマスという所があるんですけど、研究者がそこに集まった会議で、人間のように考えるコンピューターを人工知能、AIと呼びましょうということで、そこから使われるようになりました。」

質問者「はい。」

坂本先生「でも、実はもっと前からAIの基礎みたいなものがあって、それより10年ぐらい前に、巨大なコンピューターでエニアックという、すごくたくさんの計算をすごく速くできるものができていました。」

質問者「ああー!」

坂本先生「知ってました?」

質問者「はい。」

坂本先生「それ以外にも、計算するだけじゃなくて人間と同じような能力を持たせることを目指すとすると、結局、人間の脳って…神経細胞ニューロンって聞いたことありますか?」

質問者「はい。」

坂本先生「すごいね。それをコンピューターで作ろうということがされていて、1943年に人工ニューロンというものが作られて、人間の脳と同じようなものをコンピューターに持たせていくことがされるようになっていました。」

質問者「へえええ。」

坂本先生「じゃあ、いわゆる人工知能の最初として、どういう機能を持ったものができたのかというと、実はゲームみたいなものがあって、チェス…日本だと将棋に近いものでAIが使われるようになったのが最初だと言われてます。」

質問者「へえええ。」

坂本先生「何でチェスとかゲームだとAIになるのかというと、コンピューターのコンピュートは“計算する”なので、コンピューターは基本的には数を使った計算をするものでしかなかったんだけど、ところがチェスとか将棋だと数ではなくて、いわゆるボードの上でするゲームなので、それまでのコンピューターだとできなかったんですけど、AIだとできるようになったということで、それまでのコンピューターとは違う、もっと人間に近い知的な活動ができるようになったもの、そういうコンピューターのプログラムとして…実はチェッカーゲームというもので作られたんですけど、それが世界でいちばん最初と。」

質問者「なるほど。」

坂本先生チェッカーゲームとチェスのようなプログラムが1951年に作られていて、人工知能学会でも一応それがAIの最初なんじゃないか、と言っています。」

質問者「なるほど。」

坂本先生「(笑)なんか知識のお話だけになっちゃいましたけど、どうですか? ビックリした?」

質問者「うん、ビックリしました。案外古かった。」

坂本先生「(笑)そうそう、だから将棋とかチェスだと割と早くに人間を超えちゃって、プロの人たちが勝てなくなっちゃったと思うんですけど、最初のAIの研究がそこからスタートしていたので、それは得意中の得意。」

質問者「じゃあ、AIが一般的に使われるようになってきたのって、いつぐらいなんですか?」

坂本先生「“一般的に使われるようになる”というのはなかなか…研究者とか大学だと1960年代は研究が盛んにされていて、その後、医療とか病気を治すのにAIが使えないか、という期待が1960年代から70年代に入る頃に高まったんですけど、ボードゲームができるようなタイプのAIでは難しくて、…冬の時代と言うんですけど、みんなが“なんだ、AIは大したことないじゃん”ってブームが終わっちゃったことがあったんですね。」

質問者「へえええ。」

坂本先生「今は第3次AIブームと言っていて、1996年に検索エンジンが…インターネットとかをみなさんが使うようになって、そこで一般の人もふつうにAIの機能の一部を使うようになってきた、と言われてます。」

質問者「へえええ、なるほど」

坂本先生「ネットはもうなくてはならないでしょ? 毎日インターネットを使いますよね?」

質問者「はい。」

坂本先生「実はそこでも、背後でAIの技術が使われています。」

質問者「へえええ!」

アナウンサー「よかった。○○君、さっきから“へえええ”と言ってくれて、私たちも嬉しいです。」

坂本先生「(笑)はい、嬉しいです。」

 

Q17 何でハンミョウはきれいな色してる

  んですか?(小1女子)

 

アナウンサー「ハンミョウって何ですか?」

質問者「甲虫目で、肉食昆虫です。」

アナウンサー「肉食昆虫。(笑)く、詳しいね。」

久留飛先生「ハンミョウって見たことあるよね?」

質問者「ハンミョウはテレビとかでよく見るけど、本物は見たことないんだ。」

久留飛先生「ないんかぁ残念やな。きれいやで。どこで見れるか知ってる?」

質問者「日が当たってて草がない所。」

久留飛先生「そうそう。それって具体的に言うたら、お墓が建ってる所に意外といてるんや。お墓参りってこないだ春分の日とか…」

質問者「お墓参り?」

久留飛先生「お墓参りとかするやん?」

質問者「うん、するね。」

久留飛先生「そういう時に墓も参ったらいいんやけど、周りをキョロキョロ見てたらハンミョウがいるかもしれん。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「墓場でなければ、山登りをするような小さな低い山に登ってみて、地道の草の生えていない所に見つけることができるかもしれんで?」

質問者「へえええ。ウォーキングなら山によく行くけどね。」

久留飛先生「そうなんか。じゃ、そんな時でもひょっとしたら…成虫で冬を越えているから、こういうポカポカと良い時には出てきてるかもしれん。」

質問者「へえええ、行ってみたい。」

久留飛先生「どんな飛び方をしてるか知ってる?」

質問者「飛び方?」

久留飛先生「うん、どんな動きをしているかということやけど、」

質問者「私たちが動いたら、それでまた動いてく。道教えっていうやつ。」

久留飛先生「そうやん。そういう具合に見えてしまうだけで、本当は私たちに道を教えてるわけじゃないやんな? だってあなたがどっち行くかなんか、ハンミョウに分かるわけないねんから。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ただ、ついていくように見えるというか、近づくと逃げて、ちょっと先の所で止まったりするわけやな? それで“教えてくれてるのかな?”と思ってしまうだけで、本当はそんなことではないけど、昔の人はそういう具合に思って楽しんだんだと思うわ。」

質問者「ふううん?」

久留飛先生「んで本題の…きれいやんね? キラキラきれいな色をしてるよね?」

質問者「うん。」

久留飛先生「動いてるのはだいたい昼間やねん。夜は動きへん。ということは、昼間にキラキラしているのは、私たちの目ぇからしたら目立つように思うかな? “あそこにおるやん、すぐ分かるやん”って思うかな?」

質問者「思う。」

久留飛先生「思う…実際に自分で見たら良いんだけど、飛んでる時は“あ、いるいる”と思うけど、地面に止まるやん? 止まった時にはどこにいるか分からんわけよ。」

質問者「ふううん。」

久留飛先生「という具合に、光ってるんだけれどもそんなことも見えてしまうというか…昼間に太陽の当たる所でキラキラしているのは、そういう身を隠すという意味があると思うわ。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「だから実際に見んとな、話だけでは“へえええ”って思うだけで分かりにくいけど、一度見てみたら良いわ。」

アナウンサー「○○さん、ぜひ一度見てみてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「昆虫が好きと聞いているので、本物のハンミョウに会えたら確認してみてください。」

質問者「あと、何でハンミョウ…(切断音)ブツッ」

アナウンサー「あら? 切れちゃったかな? 確認しますので音楽をかけていこうと思います。」

ちょうど交通情報のお時間。

 

アナウンサー「先ほど○○さんから、ハンミョウについての質問の続きでした。久留飛先生、ちなみにハンミョウってどんな色と形ですか?」 

久留飛先生「どっちかというとタマムシと表現したら変ですけど、そのぐらいキラキラと輝いて見えますね。実物を見てもらうしかないけども、割ときれいですね。大きさは2センチちょっとぐらいありますかね、細長くって脚がとても長くて、地面をササササッと歩いてピュッと飛んで…そういう行動をしていますね。」

アナウンサー「○○さんがもう1つ聞きたいことがあるということでしたので、聞いてみましょう。○○さん?」

質問者「はい。」

アナウンサー「もう1つ聞きたいこと、何でしょうか?」

質問者「何でハンミョウの幼虫も成虫も肉食昆虫なんですか?」

久留飛先生「そうやな、何でって言われても困るけど、幼虫も見たことないよな?」

質問者「うん。」

久留飛先生「ハンミョウの成虫がいてる所の地面に穴ぽこ空けて、その中に潜んでるわけや。その中に住んでいて、頭だけチョロッと出していて、獲物が近づいたらバシッと顔を出して、牙で捕まえて引きずり込んで食べるという。まるでハンターやな。」

質問者「うん。」

久留飛先生「何で肉食か言われたらよう分からんわ。肉食というのは基本的に植物よりも栄養価が高いから、葉っぱ食べるより効率は良いんやと思うで。」

アナウンサー「子どもも大人も肉食?」

久留飛先生「そうなんです。」

アナウンサー「不思議ですね。」

久留飛先生「まあ、不思議と言われたら何とも答えられませんが(笑)、そういう生き方をしている昆虫やね。」

質問者「はい。ありがとうございました。」

 

Q18 絶滅危惧種はどれぐらいいるんです

  か?(8才男子)

 

アナウンサー「これは動物ですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「不思議に思ったのはどうしてですか?」

質問者「動物図鑑を見て、何でこんなにいるのかなって気になったからです。」

アナウンサー「動物図鑑を見て絶滅危惧種がこんなにいる、いっぱいいそうだというのが図鑑で分かったんですか?」

質問者「はい。」

成島先生「絶滅危惧の動物ってたくさんいるんだよね。世界と日本で分けて考えてみたいんですけど、まず日本ね。」

質問者「はい。」

成島先生「日本の場合は、環境省というお役所があるのは知ってますか?」

質問者「知りません。」

成島先生「環境省というお役所があって、そこが絶滅危惧の動物を…植物も含めてですけど調べています。調べたものを“レッドリスト”と言っているんですね。赤いリスト。絶滅してもらっちゃ困るじゃない?」

質問者「はい。」

成島先生「絶滅してもらっては困るので、まずどんなふうに生活しているのか、生息数はどのくらいなのかを調べて、調べたことを住んでいる場所を守ることに繋げていこうとして、環境省レッドリストというものを作っています。」

質問者「はい。」

成島先生「それは、例えば昆虫の専門家とかネコの専門家とか、お魚の専門家というように、いろんな専門家が分かれて、その専門家の人たちが調べた結果をまとめているんだね。それをレッドリストというんですけれども、例えば哺乳類…哺乳類は分かりますね?」

質問者「はい。」

成島先生「ミルクで子どもを育てる動物の仲間ですけれども、日本には160種類ぐらいいると言われています。そのうちの33種……20%ぐらいかな? 20%ぐらいが絶滅危惧種なんだね。」

質問者「はい。」

成島先生「鳥が98種。渡り鳥も含めて700種ぐらいいると言われてますけれども、そのうちの98種。それから爬虫類が38種。100種類ぐらいいると言われている中の38種。両生類、カエルの仲間ですね、両生類は76種いると言われていますが、そのうちの29種が絶滅危惧種と言われています。他の動物も含めて合計すると、1410ものたくさんの動物が絶滅のおそれがあると言われています。」

質問者「ふうううん!」

成島先生「すごいよね?」

質問者「うん。」

成島先生「世界に目を向けてみると、世界の方はIUCN、国際自然保護連合というところがあるんですけれども、そこが世界的な規模で、今言った哺乳類や鳥類や爬虫類や両生類や他の動物のグループも含めて、生息状況はどうかを調べているんだよね。」

質問者「うん。」

成島先生「それによると、哺乳類は、今、全世界に5000種類ぐらいいると言われていますが、そのうちの1219種。それから鳥が1万種いると言われていますけれども、そのうちの1492種。ということで哺乳類だと25%ぐらいかな? 鳥で15%ぐらいだね。」

質問者「うん。」

成島先生「爬虫類が1307種、両生類が2029種で、全部合わせて13482種の動物の仲間が絶滅のおそれがあると言われています。」

質問者「へえええー!」

成島先生「大変なことですよね?」

質問者「うん。」

成島先生「どうしてそんな状況になっちゃったのかというと、1つはやっぱり人間の働きなんだよね。地球温暖化って聞いたことありますか?」

質問者「はい。」

成島先生「どういうことだっけ?」

質問者「えっと、地球が熱くなって、北極とかの氷が割れ始めるっていう…」

成島先生「そうだね。氷が割れ始めると温度が上がるから、寒い場所に住んでた動物の住む場所がなくなっちゃうわけだよね? あと、今まで氷の上に住んでた動物も氷がなくなっちゃうと生活できなくなっちゃうから、そういう動物も残念ながら生きることができなくて絶滅していくわけでしょ?」

質問者「うん。」

成島先生「そういう地球温暖化を作ったのは私たち人間の活動なんですよね。僕たちの活動が二酸化炭素という特別な気体を地球に振りまいて、地球がどんどん暖かくなってるわけですね。」

質問者「うん。」

成島先生「僕たちの生活…とっても素敵な生活をさせてもらってるけれども、その代わりに、代償として動物のすみかを奪っているということがあるんだね。」

質問者「ふうううん。」

成島先生「もう1つはね、本来そこにいなかった動物を人間が持ち込むことによって、元々そこにいた動物がやっつけられちゃうことがあるんだよ。そういうことによって元々いた動物が減っていくことがあって、いろんな理由があるけれども、基本的には人間のいろんな活動が野生動物をいじめてることが大きいと思います。」

質問者「うん。」

成島先生「もちろんそれ以外にも、台風や洪水で動物がいなくなることもありますけれども、大きな原因は人間の活動だな。」

アナウンサー「○○君、いかがですか?」

質問者「よく分かりました。」

成島先生「ありがとうございます。僕たちが野生動物と一緒に生きていくために、なるべく野生動物の邪魔にならないような生き方を、これから君たち若い人が考えてくれるといいな。もちろん僕たち大人の責任でもあるけどね。」

アナウンサー「これからいろいろ考えてみてください。」

質問者「はい。」

 

Q19 気持ちは…あ、間違えました、心はど

  こにあるんですか? 私は胸にあると思

  います。どうしてかというと、心臓はハ

  ート型みたいに描くからです。(小1女子)

 

自分なりの仮説と根拠を持って質問してくるとは科学の心を持ったすごい1年生。

 

野矢先生「これはすごく難しい問題で、心臓にある、胸にあると考えられていた時もあるけれども、今は多くの人が脳にある、頭の中にあると答える人が多いんじゃないかと思うんですけれどもね、そんなのは聞いたことはありますか?」

質問者「ない。」

野矢先生「ないですか、そうですか。今は頭の中だ、脳みそだという答えをする人の方が多いと思う。私はどう思うかというと、“心が脳にある”と言うのを聞くと、“それは違う、そうじゃない、心は脳みそなんかにあるんじゃない”って思ってます。だから心は心臓にあるのでもないと先生は考えています。そのことをもう少し話してみますね。

話がずれる感じがするかもしれないけれども、○○さんは好きな食べ物はありますか?」

質問者「ミカン。」

野矢先生「ミカンが好き。いいですね。ミカンがあった時に脳みそだけ、あるいは心臓だけで“そのミカン、おいしそう”って思うわけがないですよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「ちょっと想像できないけれどもね(笑)、心臓とミカンが向かい合ってるとか、脳みそとミカンが向かい合ってるって(笑)。だって脳みそも心臓も口がないからミカンを食べられないでしょ? だから脳みそや心臓だけだったらおいしそうも何もなくて、ミカンがおいしそうと思えるのは体があって口があって、そのミカンを食べることができる。そういうふうに、ミカンと私たちの関わり方というのかな、そこからおいしそうと思うわけですよね? だからそこには私たちが心臓を持っている、脳みそを持っている、それから体を持っている、目の前にミカンがある、そうしたことの全てが“おいしそうなミカンがある”と思わせてくれている。分かります?」

質問者「はい。」

野矢先生「“ミカンがあるよ”というのはみんなが思うことだけれども、その時に“おいしそう”と思う人と“そうでもないな”と思う人と、あるいはミカンが嫌いな人もいるかもしれないですよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「ミカンだというのは同じだけれども、“おいしそう”というのは人によって違ってしまう。そうすると“おいしそう”というのは、その人の心のことなんだ、ということになるんですよ。ミカンは心の中ではなくて、“おいしそう”というのは人によって違うから、心の中のことかな、となる。

同じようにね…そうだな、○○さんは犬は好きですか?」

質問者「ふつう。」

野矢先生「ふつう? 犬を見た時にかわいいと思う人もいれば、怖いと思う人もいますよね? それも人によって違うから、かわいいとか怖いというのは心のことだ、と言われるし、何か大事なものが壊れちゃった時に悲しいと思う。でも、それが大事じゃない人にとっては悲しくも何ともない。それも人によって違いますよね? そういうのが全部心の中のこととされるんだけれども、じゃあ心はどこか心臓だけにあるのか、脳だけにあるのかといったらそうじゃなくて、そうやって自分が体を持って、そうした物事と関わりながら、その全体の中で“おいしそう”という気持ちが出てきたり、怖い、かわいいという気持ちが出てきたり、“大事なものがなくなっちゃった、悲しい”という気持ちが出てきたりするんですよね。

だから…そうだなあ、心はどこにあるの?と言ったら、どう答えればいいんだろう。……どう答えましょうかね? (笑)とにかく、そうしたことまるごと全部が心を作っている、としか言いようがない。どこか“ここにある”っていうふうに部分的にあるものじゃないと、先生は考えています。」

アナウンサー「だそうです。○○さん、今のお話はいかがでしたか?」

質問者「とても分かりやすかったです。」

野矢先生「(笑)わあああ、相当難しい話をしたつもりなんですけどね。」

アナウンサー「よかったあ~、嬉しいですね。先生もニッコリです。」

 

Q20 僕はロボットを買いたいです。ロボッ

  トを1~2万ぐらいで買いたいのですが、

  値段が高いです。なぜ高いんですか?

  (小3男子)

 

アナウンサー「(笑)なるほど。ロボットがほしいんですね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「でも値段が高いから困っている。ちなみにどんなロボットがほしいですか?」

質問者「会話ができるロボットとかです。」

坂本先生「ロボット…機能によって値段がすごく違うんですね。会話ができるロボットも1万円ぐらいでもあると思います。」

質問者「そうなんですか。」

坂本先生「はい。どこのって言えないですけど(笑)。安いものもあります。ただ、値段と機能というか会話できる能力は、比例というと難しいかもしれませんけど関係があって、安いものだとあらかじめ決まったパターンの会話しかできないことが多いと思います。」

質問者「そうなんですか。」

坂本先生「ロボットの中に仕込んでおいて、それだけをやりとりするものだと比較的安く作れるんですけど、ある程度自由に質問したら答えてくれるとなると、情報をネットと繋がって調べてみたり、あとは外のサービスを使いながら会話をするものになると、どうしてもサービス利用料とかがいろいろかかってしまうので、その分月々お金を払わなきゃいけなかったり、あらかじめ3年契約で3年分のお金を払わなきゃいけなかったり(笑)…しちゃうので、機能をいろんなことができるようにすると、お値段が高くなってしまうところがあるんですね。」

質問者「あぁそうなんですか。」

坂本先生「何をもってロボットと言うか、呼んだら来てくれればいいだけだったらいいんだけど、いろんなことをしてほしいとどうしても高くなっちゃうし、どうして高くなっちゃうのかというと、サービス利用料みたいなものがかかることもあるんですけど、そもそもいろんな高性能の機能を持ったロボットを作る時は、部品1個1個に値段があるし、情報を集めるセンサーがあって、さらにAIを搭載するとなると知能を持たせる部分があって、それに基づいて動かすことになると、動かす機能もあって、さらに外側が人間のような形をしているとか何か形があるとなると、外側の素材によっても値段がピンキリで、硬い金属みたいなものでいいのか、人間の皮膚に近いものにしたいのかによって、どんどん値段が上がっていくので、いろいろです。

だから○○君が、“これはできてほしい”、“これは絶対必要なもの”というところで考えてもらえればと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「絶対にほしい機能としては会話の部分かしら?」

質問者「はい。」

アナウンサー「なるほど、おしゃべりしたいんですね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「ちょっと元気がなくなってきた(笑)。」

坂本先生「どのぐらいの会話ができると○○君的に納得というか、いいのかというところで、あとは技術がどんどん進化していって、同じお値段でもいろんなことができるようになっていくので。もしプログラミングを頑張ろうと思えたら…実は自分で会話能力を高めることができるんですね。プログラミング環境が自由にやっていいものだと。」

質問者「そうなんですか。」

坂本先生「最初は大したことができないロボットでも、こんなことをさせたいと思ったら自分でプログラミングすればいいので、ぜひそういう方向で頑張ってみてはどうですか?」

質問者「分かりました、ありがとうございます。」

 

質問終わり~先生方から一言

久留飛先生「すごく良かったです。子どもたちの方が元気だなと…いろんなことに好奇心を持ってるなって、よく分かりました。未来は明るいような気がしますね。」

アナウンサー「昆虫を飼って観察してる子もいて、良いですね。」

久留飛先生「そうです。これを機会に観察しようと思ってくれると嬉しいですね。」

 

成島先生「今日は野矢先生に心と体の質問がたくさん来てましたけれども、翻ってみて、やっぱり人間というのは非常に特殊な動物なんだなと思いましたね。泣くとか、うらやましいと思うとか、あるいはお尻を出してどうのこうのって、動物だったら当たり前だったり、あるいは絶対できないことだったりするので、そういうことができている人間というのは、人間も動物ですけれども、非常に特殊だということで、それが今日は非常に際立ったと思って、大変勉強になりました。」

 

野矢先生「こちらこそお礼を言うべきところでね、ただ最後に全国の子どもたちに訴えたいんですけれども、私たちは高齢者も多いにもかかわらず、狭い部屋に3時間半も閉じ込められて頑張ってきましたので、どうぞその無事を、無事を祈ってあげてください!」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)皆さん、だ、大丈夫ですよ~。そこそこ広いスタジオなんですよ~。」

坂本先生「(笑)楽しいですよ~。」

アナウンサー「とっても広いスタジオなんですよお~ご心配なく~。先生もそれぞれ距離もとってますので安心してください。」

 

坂本先生「いつも思うんですけど、お子さんたちが夢を持っていて、電車の運転士になりたいとか、ドラえもんみたいなロボットとか、会話したいとか、思いをいろいろ持ってくださってるので、それに応えられるように、仕事を奪っちゃうAIやロボットではなくて、皆さんの夢を叶えていけるロボットができていくと良いなと思いました。」

 

哲学の質問に答えるために動物や昆虫やロボットがこんなに深く関わってくるとは予想外で面白かったな~。みんなで考えてくれる優しい先生方にもほんわかと感動した。