あせらず、さわがず

アラフィフおばさんが脈絡なく書いてるブログ~あとは野となれ山となれ

子ども科学電話相談春スペシャル3/21(昆虫、天文・宇宙、植物、科学)8時台~9時台

3/21のジャンルは

 昆虫 久留飛克明先生

 天文・宇宙 国司真先生

 植物 塚谷裕一先生

 科学 藤田貢崇先生

 

アナウンサー「学校が休校のところが多くなりまして、お家にいる子どもたちが多いんですよね。」

久留飛先生「親子ともにパニックじゃないですか。ウロウロウロウロ(笑)。こんだけ長いことおったらお互いに“どうするの”みたいな。」

アナウンサー「(笑)そこを何とか楽しく…」

久留飛先生「過ごしてほしいですよね。子どもたちの生活を見てますとYouTubeとかテレビというか、わりとそういうところで遊んでる感じがしますけど、もっと外に出てほしいなと。ただ、あんまり出ると危ないとこは親がついていかなあかんとか…すごく難しいですよね…。天気もこんな良くなってきたら家の周りをグルグルしたら、きっと何かが落ちてたり見つかったりするんですけどね(笑)。」

アナウンサー「お散歩に行った時とか、お家の周りで発見があったら…」

久留飛先生「あると思います。こないだも近くの公園に行って花を…いろいろ咲いてますから、匂いがする花を探そうとか、クローバーの四つ葉を探そうとか、けっこう夢中になりますね。」

 

アナウンサー「着実に春が来ておりますが、最近、春を感じたことはありますか?」

国司先生「やっぱり星空に春を感じるんですよね。春の星座がよく見えてきたり。実は昨日、夕方に一番星の金星を望遠鏡で見るとどんな形っていう質問があって、そういうお話をしたら僕も…と思って、望遠鏡を引っぱり出して夕方に金星を見たんです。なかなか良い形してました。答えは言いませんから皆さん見てください。」

アナウンサー「(笑)皆さんも。」

国司先生「今日は早起きをして、4時半に起きたら、木星と、それから火星がすぐ近くにポツッと見えるんですよ。それが4時半くらいで、家を出る5時半くらいは細ーい月が見えて。その月と木星の間に土星も見えたんです。」

アナウンサー「へええ~。」

国司先生「曜日で言うと、お日様の日曜日でしょ、それで月、火…水だけ見えない。木、金、土は全部見えたの。じゃあ水曜日の水星はというと、この3月の末から4月の頭に、明け方に見られるチャンスなんですよ。だからこの月末に関しては、私は水星をぜひどこかで見たいと思ってます。」

アナウンサー「お空を見上げてみたいですね。」

国司先生「星を見るとホッとしますから。」

 

アナウンサー「やっぱり植物園にお勤めだと、塚谷先生も春の兆しには敏感ですよね?」

塚谷先生「まあ、子どもの頃から植物が好きなので、ずっと見ているんですけど、今年は本当に早いですね。」

アナウンサー「春が早いですね。」

塚谷先生「早いです。いろんなものがあっという間に…花が咲いてるだけでなくて芽が吹いてますからね。」

 

アナウンサー「藤田先生の周りの春はいかがですか?」

藤田先生「大学の構内に桜が咲いているのを昨日、このシーズン初めて見ましたが、最近は健康のためですかね、よく歩くようにしてるんですけど、あちこち…最近はスマートフォンに地図が入ってますもんね、それで“こんな建物あったんだ”とか、あちこちキョロキョロしながら、変な人に見えないように気をつけながら(笑)見てますけど、いろんな所に花が咲いてたりして、きれいな所もありますよね。」

アナウンサー「自分の足で歩くとまた発見が増えますよね?」

藤田先生「車ですぐ通り過ぎるのとは全然違いますよね。」

 

Q1 なんでカブトムシは体が硬くて、クモは

  柔らかいの?(6才男子)

 

アナウンサー「○○君は触ったことがあるんですか?」

質問者「あります。」

アナウンサー「おおー、カブトムシはわりと硬かったかな?」

質問者「硬い。」

アナウンサー「クモはフニフニしてましたか?」

質問者「うん。」

久留飛先生「カブトムシは虫の仲間というのは知ってるやんな?」

質問者「うん、知ってます。」

久留飛先生「カブトムシ以外にも昆虫の仲間はいっぱいいるやろう?」

質問者「うん。」

久留飛先生「例えば、もうすぐ春になったらチョウが飛んできたりするわね? チョウの成虫の体って触ったらプニュプニュしてるかな? 硬いかな?」

お母さんらしき声「触ったことある?」

質問者「ない。」

久留飛先生「(笑)昆虫はいろんな種類がいてるのは知ってるやろう?」

質問者「知ってる。」

久留飛先生「カブトムシもあればチョウもあればトンボもあれば、いろんな種類がいてるやんな?」

質問者「うん。」

久留飛先生「ところがな、クモというのは誰が見てもクモって分かるやん? 脚が8本で糸を出します…これクモやんって分かるよね?」

質問者「うん。」

久留飛先生「ということはな、カブトムシというか昆虫の仲間は、いろーんな所でいろんな形に変わって生き続けてるわけよ。ところがクモはな、昔からあの体で、8本脚で糸を出すという頑固な生き物や。形をあまり変えずに生き続けてんのよ。すごいと思うんやけどな。

そのクモは、糸を出すというのがとても大事や。糸で何でもするわけよ。自分の巣を作ったり、網を作って獲物を捕まえたり。そやからあの糸のおかげで、あの体を変えなくて済んだのかもしれないんや。」

質問者「へえ。」

久留飛先生「そのぐらい糸というのは生きるために大事な役割をしてるわけや。ということはな、体をあまり変えずに、糸のおかげでいろんな生き方をしてきたのがクモかもしれんねん。」

質問者「うーん。」

久留飛先生「な? そう思ったらクモというのが…もちろんプニュプニュしたクモもいれば、もう少し硬い体のクモもいてるわけよ。でも、どのクモを見ても、ほとんどは同じように“あ、クモ”ってあなたも分かるやろう?」 

質問者「うん。」

久留飛先生「な、そこがクモのすごさや。形を変えずにずーっと生き続けてきてる。潰れるというのは、そういうプニュプニュしたやつは、たぶんもう少ししたら…家の周りに巣を張るクモって知ってるやんな? 見たことあるか?」

質問者「いや。」

久留飛先生「ないか。これから見たらいいけど、網を張る真ん中に巣を持っていて、そこで獲物を捕まえるアシダカグモっていうのがいちばん多いと思うけど、触ってみるとお腹のとこがプリンプリンしてるわな。今度触ってみぃ。」

お母さんらしき声「わかった。」

質問者「わかった。」

久留飛先生「(笑)触ってみたらいいと思うけど、見た目と実際が違う時もあるから…まあ触ってみぃ。」

アナウンサー「久留飛先生、柔らかいというのは糸を吐くのに大事なことなんですか?」

久留飛先生「全然大事じゃないです。」

アナウンサー「(笑)大事じゃないですか。」

久留飛先生「自分の体をあまり変えずに、糸に頼ってうまく生きてきたという。カブトムシが硬い体をしているというのは、土の中にも潜れるし、羽を守ってるやん。前の羽は飛ばない羽やけど、それを開けて後ろの飛ぶ羽で飛んでいくという…潜る体にもなってるし飛べるわけや。すごい能力持ってるわけよ、潜りつつ出てきたらピョーンと羽を広げて飛ぶなんて。そんなすごい羽を持ってるのは昆虫だけやねんけど、クモはそんなことをしなくても、自分の体を変えなくても糸のおかげで生き伸びてきたと。」

アナウンサー「硬くならなくてもいい。」

久留飛先生「ならなくてもよかった。ある意味、硬くなるのは無駄かもしれんねぇ(笑)。できるだけ効率良く生きようとすると、硬い体を作るよりも生きる方にエネルギーを注いだ、ということかもしれないですよ。」

アナウンサー「なるほど、カブトムシは自分の体を守ったり暮らしのために硬くなったけど、クモは柔らかいままでいい生活が綿々と続いてきたのですかねえ…。」

久留飛先生「すごいですよね、昔から。」

アナウンサー「○○君、そうなんだそうです。」

お母さんらしき声「はい。」

質問者「はい。」

先生方「(笑)」

6才のお子さんにとっては電話で知らない大人と話すのも大きな体験だよね。

 

Q2 宇宙の果ては何色なんですか?

  (6才男子)

 

アナウンサー「宇宙の果ては何色ですか…ということは○○君は宇宙が好きなのかな?」

質問者「うん、宇宙好き。」

アナウンサー「将来は宇宙飛行士になりたいですか?」

質問者「うん、そう!」

国司先生「そうか○○君は6才なんだぁ。ということは、この4月から1年生になるの?」

質問者「うん、そうです。」

国司先生「おめでとう、お友だちたくさんできると良いねえ。○○君が宇宙の“果て”っていう言葉を…小学校に入る前のお友だちが言うのはすごいと思ったけどさ、」

質問者「△△君に教えてもらった。」

国司先生「ん? お友だちに教えてもらったの?」

質問者「お兄ちゃんに教えてもらった。」

国司先生「お兄ちゃんが知ってたんだあ。すごい、お兄ちゃんも宇宙の果てを考えてたんだね。ということは、宇宙飛行士になって宇宙の果てを見てみたいなと思ってるんだ?」

質問者「うん。」

国司先生「そうかあ。宇宙の果ての色っていうとさ、まず○○君が…今日は三重県は天気が良いかな? お空は何色かな?」

質問者「えっとね、明るい色。」

国司先生「明るい色だね。晴れてると青空だし、夕焼けは赤くなるよね? そういう色で宇宙の色を調べてみようとすると、大きな望遠鏡で遠い遠いいろいろな天体の写真を撮ってみると分かるかもしれないんだよ。

この地球上には大きな望遠鏡がたくさんあるんだ。すばる望遠鏡とかね。それから宇宙にはハッブル宇宙望遠鏡なんていう望遠鏡もあるよ。そういった大きな望遠鏡で遠い遠い天体、銀河って言うんだけど」

質問者「うん、知ってるそれ。」

国司先生「銀河を知ってる?」

質問者「うん、図鑑で見た。」

国司先生「見た? 渦巻きになってるやつね?」

質問者「うん。」

国司先生「その遠い銀河がどれくらい離れてるって、その本には書いてあった?」

質問者「うーん、それは読んでない。」

国司先生「そうか、今度調べると…おじさんこの前ね、そういうのを聞いたことがあるの。そしたらいちばん遠い銀河は、だいたい134億光年離れてるんだって。」

質問者「へえ、そうなんだ。」

国司先生「そう。これはどういうことかというと、光が届くのに134億年もかかるの。」

質問者「ぃいいー、そうなんだ。」

国司先生「恐竜が生きてたのが何億年だから、それよりももっともっと昔なんだよね。そういう遠い所から来る光になっちゃうの。時間と遠い距離って、何となく似てるんだよね。

じゃあ宇宙はいつ頃でき上がったかというと、…もう1度遠い年数を言うよ、138億年前に…ビッグバンって図鑑に書いてあった?」

質問者「うーん、それは書いてなかった。」

国司先生「宇宙が爆発してでき上がったのが138億年前。そうすると、134億光年先の銀河は、宇宙が生まれた後の、4億年くらい経った頃の光が見えてることになってくるわけ。」

質問者「うん。」

国司先生「そこで色の問題なんだけど、宇宙は大昔に爆発して誕生して、今でもずーっと広がってるの。膨らんでるんだって。膨らんでるってことは、○○君が住んでる地球とか、地球が入ってる太陽系とか、太陽系が入ってる天の川銀河天の川銀河って聞いたことある?」

質問者「うん、聞いたことある。」

国司先生「そういった銀河と、その遠い銀河もだんだん離れてるんだって。」

質問者「へえ、そうなんだ。」 

国司先生「そう。宇宙の中の銀河と銀河が離れて、宇宙が広がってるらしいの。そうするとね、ここが重要なの。そういった星や銀河からの光は遠ざかると、色で言うと赤い色に変わってしまうんだって。」

質問者「えええ、僕、白色だと思ってた。」⇦ちゃんと考えてたんだー偉い!

国司先生「そうなんだよね。小学校に入る前のお友だちは白い画用紙に絵を描くと思うんだけど、白という色はね、青い光も赤い光も黄色い光もぜーんぶ合わさると白くなっちゃうんだよ。」

質問者「あぁ、分かった。」

国司先生「分かった? 色というのは波の性質があって、その銀河がずーっと遠ざかっていくと、波がヒューッて引き伸ばされちゃうの。」

質問者「へえええ。」

国司先生「波が引き伸ばされると、赤い光に寄ってっちゃうんだって。」

質問者「そうなんだ。」

国司先生「そうなの。それで遠い遠い遠い銀河を望遠鏡で調べていくと、その赤い光に間延びしてるから、宇宙の果てに近い銀河は赤っぽく見えちゃうの。ということは、宇宙の果ては何色ですかという○○君の問いは、赤っぽく見えるらしいと。

ここで問題。それは天の川銀河の中の地球からだと赤く見えるのであって、遠い遠い宇宙の果てに近い天体から私たちの地球を見ると、天の川銀河も何となく赤く見えちゃうわけ。」

質問者「ああそうなんだ。」

国司先生「そうするとどっちが果てだか分かんなくなっちゃうんだよ。」

質問者「ふうううん。」

国司先生「宇宙の果てを観察すると、宇宙の果てよりも宇宙が生まれた頃の様子が分かってくるんだな、っていうことになるんだって。」

質問者「へえええ、そうなんだ。」

国司先生「ぜひ宇宙飛行士にもなってほしいし天文学者にもなってほしいな。そうすると遠い遠い銀河の真ん中にブラックホールが見つかったり、天の川銀河の中にもブラックホールがあるらしいんだけど、そういったことも研究していくと宇宙は不思議だらけだよ。」

アナウンサー「宇宙って色がある…んですね、見え方というか。バラのような色の星雲を図鑑で見たことがあるんです。」

国司先生「バラ星雲! 図鑑にバラ星雲ってあった?」

質問者「うん、あった。」

国司先生「赤かったよね?」

質問者「うん。」

国司先生「あれは遠ざかるからじゃなくて、バラ星雲には水素というガスがあって、その水素が赤い光を出すんだよね。そこで写真に撮ると赤く写るんだよ。」

質問者「えっそうなんだ。」

国司先生「色って面白いよねえ。自分で見た色をぜひ大切にして、例えば今日の夕方の一番星の金星は金色に見えるかもしれないよ。今度クレヨンで星や天体のスケッチをして、絵に描いてみると良いかもしれないね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君、いかがですか?」

質問者「…めっちゃ感動して、なんかすごいなと思った。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「よかったあ…嬉しいいい(笑)。めっちゃ感動してくれたのね。ぜひ宇宙飛行士、もしくは天文を研究する人になってほしいとお姉さんは思いました。」

お子さんが想像力をフル回転させて聞いてるのが伝わって楽しかった。宇宙のいろんな色は結局、地球の大気を通して見える色と考えていいのだろうか…よく分からん。

 

Q3 どうして植物は毒持ってるがあるもの

  と、毒持ってるがないものがあるんで

  すか?(5才女子)

 

「毒持ってるがある」、「毒持ってるがない」はお子さんのそのままの言い回し。

アナウンサー「○○さんはどうしてそれを不思議に思いましたか?」

質問者「図鑑を見ました。」

塚谷先生「○○さん、苦手な野菜はないですか?」

質問者「ナス。」

久留飛先生「(笑)」

塚谷先生「ナス苦手なんだ。なるほど。あとは?」

質問者「あとはなぁい。」

塚谷先生「あとはない! 素晴らしいですね。ナスは何で苦手なんですか?」

質問者「…ちょっと甘いからかな?」

塚谷先生「甘いから? そうなんだ。ふうううん…キュウリとかホウレンソウとかも好き? 大丈夫なんですか?」

質問者「はい。」

塚谷先生「おぉ素晴らしいですね。野菜苦手なお友だちいないですか?」

お母さんらしき声「いないよ。」

質問者「いないよぉ。」

塚谷先生「いないんだ、みんな健康優良児だね(笑)。そうかあ。」

今のお子さんたちはえらいなあ。教育が行き届いてるのか、甘い野菜が増えてるからなのか分からんけど。

 

塚谷先生「時々、“この野菜苦手”っていう人がいるじゃないですか。あれは味とかにおいが嫌いなんだと思いますけど、ああいうのは実は、ある意味毒なんですよね。」

質問者「うん…針に毒ある。」

塚谷先生「例えばショウガの辛いのは平気?」

質問者「へーき。」

塚谷先生「おぉすごいな! ワサビの辛いのも平気?」

質問者「わさびはきらい。」

塚谷先生「嫌いなんだね(笑)。ワサビは辛いじゃないですか? あの辛いのも毒なんですよ。」

質問者「毒なの?」

塚谷先生「人間には大したことないので、おいしいなと思って食べる人もいるけど、あれは虫にとってはけっこう毒なわけですよ。」

質問者「ふうううん。」

塚谷先生「どうして毒を持ってるかというと、花の方も虫に食べてほしくないわけじゃないですか? だから毒を作るんですね。」

質問者「うん。」

塚谷先生「その毒が生き物ぜーんぶに毒とは限らなくて、自分を食べるような虫とか、かじってくるやつに対して毒があればいいわけね。」

質問者「うん。」

塚谷先生「人間は体が割と大きいし、いろんなもの食べたがるから(笑)、ちょっとぐらいの毒があっても食べちゃうから、毒があるものとないものがあると思ってるけど、大概のものはある意味毒があるんですよ。」

質問者「うん。」

塚谷先生「ワサビなんかもそうですけど、ワサビを食べる虫にとってはあの辛いのが毒なので、ワサビはあまり虫に食われないで済む。ということで、生きていく上で毒があるものが生まれてきたわけなんです。なので、多くの植物は毒を持ってるけど、人間にとっては必ずしもそれが毒じゃないので、毒があるのとないのとがあるように見える、ということが1つ。」

質問者「うん。」

塚谷先生「もう1つは虫に食われたくないだけなので、毒を作るんじゃなくて、トゲとかを作ってトゲトゲにして食われないようにするものもいるんですね。バラの花はトゲがあるでしょう?」

質問者「うん。」

塚谷先生「ああいうトゲもそうです。あれは毒を作る代わりにトゲトゲにして、あまり食われないようにしてるわけです。」

質問者「はあい。」

塚谷先生「だから毒があるのとないのがあるのはなぜかというと、1つは人間にとっては毒じゃないけど虫にとっては毒があることもある、もう1つは毒の代わりにトゲみたいなもので体を守ってるものもいる。ということであるのとないのがあるように見える。」

質問者「はあい。」

アナウンサー「先生、逆に花に蜜があったり、おいしい果物や実をつけたりするのは、虫に来てくださいというサインなんですかね?」

塚谷先生「そうですね。虫とか動物に食べてほしい場合はわざわざ甘くしたりするんですね。」

アナウンサー「逆のパターンもあるんですね。なるほど。○○さん、いかがですか? 虫とか動物に食べられたくないから毒やトゲを持っている植物もあるんだよ、ということです。」

お母さんらしき声「わかった。」

質問者「わかった。」

アナウンサー「(笑)良かったわ。質問ありがとうございました。」

質問者「はあい。ありがとうございました。」

アナウンサー「久留飛先生、虫にも毒があるもの、ないものがありますよね?」

久留飛先生「ありますよね。やっぱり同じですよね。食べられたくないと思えば毒を持ってる方が有利だし、そういうことをあまり気にしないやつであれば、わざわざ毒を作る必要がない。例えば春になるとカラスノエンドウがすごく芽吹いてきて、その新芽にアブラムシがいっぱいつきますよね? あれなんて“この生き方で良いのかな?”って私いっつも嫌になるんですけど、そばにテントウムシが来て、ムシャムシャとアブラムシを食べてますよね。アブラムシも毒を持ってたら食べられなくて済んだはずなのに、敢えてそんなことをしない生き方をしているなんて…どう思うのかな?」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)なぜでしょう?」

久留飛先生「(笑)隣で仲間がボリボリ食べられてるのに、そんなこと無関心のようにチュッチュと汁を吸ってるアブラムシ……これはすごいなあっていうか、悟りの境地ですよね(笑)。」

アナウンサー「今、みんなが思わずアブラムシの生き様に思いを寄せて、スタジオがシーンとなってしまいましたけれども(笑)。」

久留飛先生「繁殖というか次に世代を残すために毒を作った方が良いやつと、そんな手間をかけずに、とにかくたくさん増える方を優先しようというやつ。ということは生き方がどうこうじゃなくて、次の世代にどう繋がるかが、今の生き物なんでしょうね。」

アナウンサー「ああ、あの手この手の作戦で。ある者は毒を使い、ある者は大量に仲間を増やして生き延びる……奥が深いですねえ。」

久留飛先生「(笑)面白いですよね。」

植物の生き方には賢さとか精密さを感じるのに、昆虫だとなぜか、わけの分からなさや可笑しみになってしまう。人間の狭い価値観の上から目線でそう見てしまうのと、先生の語り口にもよるんだろうけど。

 

Q4 食べ物を食べて血を作るなら、血を飲ん

  で人は生きられますか?(4才男子)

 

アナウンサー「なるほど! 食べ物を食べて人間の体に血が作られるなら、血を飲めば生きていけるんじゃないかという…ちなみに4才の○○君は、ドラキュラという言葉を知っていますか?」

質問者「知りません。」

アナウンサー「知りませんね? ちなみに好きな食べ物は何ですか?」

質問者「うーん…目玉焼き。」

吸血鬼を知らずに思いついたアイディアだとしたら本当にすごいかも。 

 

藤田先生「確かに人間の血って、食べたものが血になる。そういうことをちゃんと知ってるということですね。」

質問者「うん。」

藤田先生「○○君の好きな目玉焼きは、何から作るの?」

質問者「たまご。」

藤田先生「卵から作りますよね。卵って何の動物の卵か知ってる?」

質問者「知ってる。えっと、ニワトリ。」

藤田先生「ニワトリですよね。ニワトリの卵は将来何になるの?」

質問者「……ヒヨコ。」

藤田先生「ヒヨコになりますよね。ということは、卵というのは、中にヒヨコになるための栄養がとてもたくさん入ってる、ということですよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「それで無事にヒヨコに…まぁ野生だったら、人間が飼ってるんじゃなくて普通にしていればヒヨコになるはずだけれども、それを人間が頂いているということですよね。すごーく栄養があるということなんですね。卵はすごく健康に良いと言いますけど、そういういろんなものを食べて○○君はどんどん大きくなっていきますよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「じゃあ血だけで生きていこうとした場合、ちょっと困ることもあるんじゃないかなと思うんですよ。いろいろ難しいこともありますけど、まず1つは、血だけで生きていくと、水が絶対的に足りないと思うんですね。○○君もお水を飲みますよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「どれぐらい血を飲むかという問題もあるけれど、そう簡単には水を補給…血を飲むだけで十分な量の水を体に入れることはできないんじゃないかなと思います。…そこまでは大丈夫ですか?」

質問者「うん、だいじょうぶ。」

藤田先生「もう1つ、難しいことを言うと、○○君は献血って知ってます?」

質問者「………」

藤田先生「お父さんお母さんが献血したことがあるかもしれないですね。献血というのは…」

質問者「しらない。」

藤田先生「病気で血液が必要な人に…血液って血のことですね。血が足りない人のために、健康な人から血をもらって、その病気の人にあげることを献血というんですよ。」

質問者「ふううん。」

藤田先生「その献血をした時に、結局体の中の血液を外に出しちゃうことになるんだけど、その分がすぐ…400ミリリットルという量…ペットボトル2本分ぐらいかな、…あ、2本もないか。ペットボトルはだいたい500ミリリットルぐらいですかね。」

アナウンサー「最近の献血は200とか400とかいろいろバリエーションが。」⇦バリエーションというより献血する人の体重で決まるんだよ。

藤田先生「だいたいペットボトル1本ぐらいの血液を採られちゃうんだけど、1回採られて、すぐその血を飲んだらまた元気になれるかというと、実はなれないんですよ。どうしてかというと、血は何色をしてます?」

質問者「赤。」

藤田先生「赤い色してますよね。どうして赤いかというと、血の中に赤血球というものが入ってるんだけど、その赤血球は体の中で栄養から作り出すために2週間かかるんですよ。だから、飲んだだけだとそれがすぐ赤血球になってくれるわけじゃないから、どうしても時間がかかるんですね。なので、血液だけを飲んでいると2週間はその赤血球が足りない状態になっちゃいますよね? だからそんなに健康に良いというわけではない、それだけでは生きていけないということですね。」

質問者「ふうううん…。」

お子さんのイメージは飲んだ血液がそのまま血管に入っていく感じなのかな? 実際はお腹で消化されてイチから作り直しだけど。

 

藤田先生「○○君はきっと“いろんなものを食べなさい”ってお母さんやお父さんに言われてますよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「人間はそうやっていろんな栄養を取り入れて、血だけじゃなくて筋肉とか脂肪とかも作っていかないといけない、ということなんですね。

でも、○○君の質問を、さっきスタジオの先生方といろいろ話をしたんですけど、“きっと人間は血だけでは生きていけないでしょうね”という話ではまとまったんですけど、血だけで生きている生き物もいるんですよね。それで久留飛先生にちょっと聞いてみましょうね。」

久留飛先生「そうですよね、コウモリって知ってる?」⇦昆虫じゃないのか。

質問者「知ってる。」

久留飛先生「知ってるよね、コウモリってふつうは夕方に飛んでて虫を食べたりしてるんだけど、血を吸うコウモリというのもいてるやん?」

質問者「うん。」

久留飛先生「それって血ぃだけでええんやろうかね? …(笑)。」

藤田先生「(笑)」

久留飛先生「テレビで見たことあるけど、牛とか馬が寝てるところにソーッと忍び込んで、傷つけて血をチュッチュ吸うねんて。そういうコウモリおんの知ってた?」

質問者「知らなかった。」

久留飛先生「すごいなと思うけど、何でそれだけでいいとコウモリが思ったんやろうって不思議やな? いろんなものがある中で、そのコウモリは血を選んだという。」

アナウンサー「久留飛先生、蚊はどうですか?」

久留飛先生「蚊もそうですよね。ブーンと飛んでくる蚊、知ってるやろう?」

質問者「うん。」

久留飛先生「でも刺すのはメスだけやねん。オスは血ぃ吸えへん。だから外でウロウロしてんねんて。わざわざ家の中に入ってきて血を吸うのは、卵を生むための栄養をつけることやねんて。血はけっこう栄養があるんやな。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ただそれだけでは生きていかれへんと思うわ。血を利用する生き物はけっこういるんだろうと思う。ヒルというのも知ってるやろ? …知らんか。山に行った時にピッととりついて…」

質問者「知らない。」

アナウンサー「ル、ヒ?」⇦アクセントが気になりだすアナウンサー。久留飛先生は大阪のお人や。

久留飛先生「ル? ヒ…(笑)そういうやつは血を吸って生きてるやん。」

アナウンサー「4才だからちょっと難しいかな。」

久留飛先生「難しいか。ほんなら話変えるけどダニって知ってるか? マダニという血を吸うだけで生きてるダニがいてんねんけど。という具合に、他の生き物でも血を利用するやつがいるということや。」

アナウンサー「とりあえず人間については血だけで生きていくのは難しいですが、生物全般に広げると、そういう血に頼って生きてるものもいるんですって。○○君、いかがでしたか?」

質問者「たのしかった。」

アナウンサー「よかったあ(笑)。これからも目玉焼きをたっぷり食べながら、いろいろな生き物の食べ物のことを調べてみてくださいね。」

質問者「わかりました。ありがとうございました。」

藤田先生「よかった…。」

4人の先生方それぞれの第1問はみんな未就学のお子さんからだった。

 

Q5 ゴキブリはなぜ速く動けるんでしょう

  か?(小1男子)

 

アナウンサー「○○君はそれがシャカシャカ動いてるのを見たことがあるんですか?」⇦「それ」と明言しないのはなぜ。

質問者「ない。」

アナウンサー「どこかで速く動けることを知ったんですね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「どんなゴキブリかという種類もあるんだけど、家の中に出てくるゴキブリのことでいいのかな?」⇦人間が家で見るゴキブリはゴキブリ族のほんの一部。ほとんどは森とか人間から離れた場所でひっそり生きてるそうな。この番組で知ったけど。

質問者「………」

久留飛先生「ゴキブリってどこで見ると思う?」

質問者「………」

アナウンサー「たぶんお家でお母さんかお父さんが見たのかな?」

質問者「はい。」

久留飛先生「そうか、○○君はまだ遭遇したことがないんや。1度会ってみたら面白いと思うけど、ゴキブリはとっても速く走るよね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「私もいろんな所で見たことあるけど、夕方に薄暗くなった公園で見たこともあって、落ち葉が風に吹かれてヒョヒョヒョヒョ…歩いてるみたいやってん。で、パッと立ち止まって、また次にシュシュシュシュ、サッと行くねん。まるで落ち葉が風に吹かれているような動きをしてたわ。すごいなぁ、家の中だけじゃなくて外でも元気に走り回ってるなぁと思ってんねんけどな。

なぜあんなに速く動けるかのヒントは、クロゴキブリという種類が家の中に出没するんだけど、どのくらいの重さか知ってる?」

質問者「知らない。」

久留飛先生「知らんよね。そういう小さい重さでも測れる体重計で見ると、クロゴキブリのオスって1グラムぐらいや。1グラムってどんだけかって言ったら、1円玉と同じぐらいの重さ。軽いと思う? 重いと思う?」

質問者「重くないと思う。」

久留飛先生「重くないわな、軽いよね。そういう具合に、とても軽い体で素早く動ける仕組み、これは考えてほしいんだけど、そういう生き方をするというのはゴキブリにとっては大事や。ダンゴムシみたいにゆっくり歩いてたら捕まってしまうわな。」

質問者「はい。」

久留飛先生「そうやろう? ダンゴムシみたいにゆっくり歩くゴキブリはおるんやで。おるんやけど家の中ではそれは無理や。すぐ相手に捕まっちゃうから。という具合に速く走るゴキブリが家の中に入ってきたということなんだけど、どうやって速く動くかの仕組みが分かってきて、それは例えばな、捕まえたことがある人の話を聞かな分からんけど、新聞を丸めて叩こうとしてもピョッと逃げてしまうねん。そのぐらい素早いねん。もちろん手掴みしようというのも難しいやん?」

質問者「はい。」

久留飛先生「したことはあるけどな(笑)。あんねんけど非常に難しいわけよ。あんまりパッと掴んでしまうとブチュッと潰れるし。そうかというて体が残るように柔らかく掴もうとしたらツルッと逃げるし。もちろんどっちに動くかなんか分からへん。」

こういう話でオノマトペの伝わりやすさを良くも悪くも感じるのである。

 

久留飛先生「という具合に家の中で上手く生きているクロゴキブリなんだけど、頭と胸とお腹と別々に神経があって…1年生やから分かるか? 私たちは脳みそを持ってるやん? ○○君も頭の中に脳みそあるやん。」

質問者「はい。」

久留飛先生「ところが昆虫は胸にも脳の塊、神経の塊があんのや。」

質問者「へええ。」

久留飛先生「脚は胸の神経の塊で動かしてんねん。だから昆虫は体の作りが違うということが1つあるねん。」

質問者「はい。」

久留飛先生「体中に毛がたくさん生えてんねんな。毛。顕微鏡で見たら分かるけど、その毛がセンサーの役割をしてる。ていう具合に周りの動きを速く感じるセンサーと、素早く動ける体を持ってるということやねん。」

質問者「はい。」

久留飛先生「おおざっぱに言うたらそういう感じでいいでしょうか。」

アナウンサー「なるほど、ゴキブリは体の仕組み…毛の状態であったり、素早く察知してシャカシャカ速く動けるんだそうです。きっとお母さんがたちやっつけようと思って新聞を振り上げる時の殺気を感じるのかなと思ってたんですけど(笑)。」

久留飛先生「そういうセンサーはないですね。」

アナウンサー「そういうセンサーはないそうですよ。ゴキブリ自体が危険を察知する力、速く走る力がすごいんですって。○○君、万が一お家に出没したら観察してみてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q6 北極星はなぜ動かないのですか?

  (小4女子)

 

アナウンサー「これはなぜ聞いてみたいと思いましたか?」

質問者「学校の理科の勉強で動かないからって言われて、なぜかなと思ったからです。」

国司先生「そうか、北極星は動かないって教わったんだ。じゃ、北極星を見つけたことはある?」

質問者「あります。」

国司先生「見た? ずーっと見てたらやっぱり動かなかった?」

質問者「はい。」

国司先生「なるほどねえ、それはすごい。実はずいぶん前に同じような質問が科学館に来たんです。小学校4年生の教科書にそう書いてあったんだけど、中学校のお兄ちゃんの参考書には北極星が少し動くって書いてあったんだって。」

質問者「へええ。」

国司先生「それでその4年生と中学生のお兄さんでどっちが正しいんだってケンカになっちゃったの。それでお母さんが科学館に電話をかけてきて、“お母さんじゃなくて当人がいいな”と言ったら、みんな遊びに行っちゃったり塾に行っちゃったりで、どうにかおじさんが考えたんだけど。」

国司先生は学年ごとに理科で何を教わるかをよくご存じで、ご自身でも調べているんだろうけど、こういう問い合わせも対応してたのか。

 

国司先生「まず最初にお話しします。この自然というのは、動く・動かない、マルかバツかで決まらないことがほとんどなんですよ。その理由を考えなくてはいけないのが大切なのね。

○○さんは北極星が時間が経っても動かないと思ったんだよね?」

質問者「はい。」

国司先生「そういう観察をした、それは事実。いいんです。でもね、おじさんは前に本当に動かないかなと思って、北極星の方にカメラを向けて、1時間以上ずーっとシャッターを開けて、星の動きの写真を撮ったんです。そしたら、やっぱりちょっと動いてるんです。」

質問者「そうなの?」

国司先生「そうなの。それはどうしてかということになるんだよね。

ところで、東から上った星は南を通って西に沈むって4年生でやったよね?」

質問者「はい。」

国司先生「他の星は動いたり、月も太陽も動くんだけど、その動きの理由、原因は何だか知ってるよね?」

質問者「……何だっけ?」

国司先生「(笑)何だっけ? ○○さんはどの星に住んでるんだっけ?」

質問者「地球。」

国司先生「地球はずーっと同じ状態でいるのかな?」

質問者「いや、回る。」

国司先生「そうなの! 自転と言ってコマのように回っています。その自転している地球の上に○○さんは住んでるので、太陽は東から上って西に沈むんだよね?」

質問者「はい。」

国司先生「でも北極星がほとんど動かないのはどうしてかというと、その地球の自転軸です。」

質問者「あっ……。」

国司先生「“あっ”、分かってきた?」

質問者「うん。」

国司先生「地球の自転軸というのは、地球の北極と南極を貫いた1本の棒みたいになっています。そんな棒は突き刺さってないけれど、そこを軸にクルッと1回転すると…太陽に対して1回転すれば昼と夜が巡って、それが1日、24時間ということにして我々は生活をしています。

では北極星はどの位置にあるかというと、北極星は“北”って書くから、北の方だよね?」

質問者「うん。」

国司先生「地球の自転軸を北極からずーっと空に伸ばしていった、その先の近くに北極星があるんですよ。」

質問者「はあああ。」

国司先生「よく傘をコマみたいにクルクル回した時に、傘の中心は回転するけど動かないでしょ? それとよく似てるの。」

質問者「ああ…。」

国司先生「じゃあ、回転のズバリ中心に北極星はあるかというと、これがちょっとずれてるの。角度で言うと…分度器は分かるよね?」

質問者「うん。」

国司先生「分度器の角度で言うと1度くらい。月の見かけの大きさの2つ分ぐらい、地球の自転軸が向いてる先と北極星の位置はずれているんです。そうすると、長い時間を望遠鏡で観察したり写真を撮ると、わずかに北極星は動くんですよ。」

質問者「…へえええ。」

国司先生「“昔の旅人は、北極星は動かないので、方角の見当がついて、道に迷わないで帰ることができました”と言ったら“動かない”と書いた方がいい。でも写真を撮ったり中学校のお兄さんが望遠鏡で調べたりすると、ほんのちょっと動くの。そしたら“動く”と書いた方がいいでしょう?」

質問者「はい。」

国司先生「これは“行間”なの。」

質問者「ああ……。」

国司先生「理科はマルかバツかで決まらないということを大切に覚えておいてください。かつ自分の観察はとっても重要です。

これから宿題を出しちゃうけど、北極星はずーっとそんなふうにわずかに動くかというと、そうでもなくて、ピラミッドが作られた頃は北極星はずっと動いていたの。」

質問者「ええっ(笑)? 他の星と一緒にですか?」

国司先生「うん。違う所が回転の中心になってたの。」

質問者「へえええ!」

国司先生「それからあと1万2千年すると…4年生だから夏の大三角は習った?」

質問者「習いました。」

国司先生「織り姫星はこと座のベガって言うよね? 1万2千年経つとこと座のベガが北極星に近くなるの。」

質問者「えっ!」

国司先生「これは言い方が難しいな。北極星と同じような役割をする。」

質問者「じゃあ、ちょっとしか動かない。」

国司先生「ちょっとしか動かない。どうしてかというのはぜひ調べてみてください。

それからもう1つ。地球の自転軸は1本しかないけど、北は北極星の方を向いてるでしょう? 反対の南の方をずっと伸ばしてそこに明るい星があったら…南極星という名前の星は聞いたことある?」

質問者「…あります。」

国司先生「ある!? よし、それも調べてほしいなあ。それは6等星くらいかもしれないけど。そんなふうにして○○さんの疑問からいろんなことが分かってくるの。今度5年生になるから、4年生で教わったことをもう1度確かめながらもう1歩先に進んでみると良いかもしれないね。」

質問者「はい。」

 

Q7 なぜウメや八重咲きのサクラには雌しべ

  が2~3本あるものがあるんですか? 

  (小4女子)

 

アナウンサー「○○さんはお庭かどこかでウメやサクラを観察して、それを見つけたんですか?」

質問者「去年は家の近くのベニシダレザクラを見て、今年はおじいちゃん家の近くで八重咲きのカンヒザクラが、雌しべが2本あるものがありました。ウメは去年、実が2つくっついたものを見たので、雌しべが2つあったんだと思いました。ふつうのサクラには2本ありませんでした。」

塚谷先生「おお…」

アナウンサー「なるほど、じっくり観察してる! すごいですね!」

塚谷先生「よく観察してますよね。ちょうどウメとかサクラのシーズンにいろいろ見比べていくと、確かに雌しべの数が違ってますよね。他の花でそういうのに気づいたことあります?」

質問者「うーん……それはそんなにないかな。」

塚谷先生「うんうん。サクラでもウメでも、特に雌しべの数が多いやつは花びらの数も多くないですか?」

質問者「多いです。」

塚谷先生「ですよね? ふつうのウメとかサクラは、野生種と言うんですけど自然界に元々いる種類だと、雌しべが1本ですよね? 野生株だと花びらの数は何枚あるんでしたっけ?」

質問者「ワカリマセン。」

塚谷先生「ウメもサクラも5枚が基本で、それが正しいというか自然の状態ですよね。ソメイヨシノは花びらが5枚のが多いけど、庭とかに植えるウメとかサクラは割と八重咲きと言って花びらの数が多いものが多いですよね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「その方が華やかに見えるし、遠くからもたっぷり花があるように見えるから、園芸品種に選ばれたやつは八重咲きがけっこう多いですね。」

質問者「なるほど。」

塚谷先生「八重咲きになる時に何が起きてるかというと、花びらの数が増えてるんですけど、一緒に雄しべと雌しべも増えてることがあるんですね。」

質問者「ふううん、そうなんですか。」

塚谷先生「花びらの数が増える時にいろんなやり方があって、雄しべの数を減らして花びらにして花びらを増やしてるケースもあるし、花びらと一緒に雄しべと雌しべも増やしちゃってることもあって、いろんなケースがあるんです。」

質問者「そうなんですか。」

塚谷先生「ちょうどサクラがこれからシーズンになるので、公園とか植物園とかいろんなサクラを植えてる所で見比べてもらうと、花びらの数が多くて雌しべの数も一緒に増えてるやつもあれば、花びらの数だけ増えて雌しべの数が増えてないやつもあるんですよ。いろんなやり方があるんですけれども、園芸品種だと花びらとか雌しべの数を全部増やして八重咲きになってるタイプが多いのかな。それが目立つんじゃないですかね。」

質問者「はい。」

八重咲きは自然状態では変わり者なのね。バラも野生種は花びらが5枚だったような。それだけ人間が手を加えてきたというわけか。

 

塚谷先生「世の中には変わったのがいて、ウメもサクラも同じバラ科ですけど、“八つ房の梅”があるのは知ってます?」

質問者「ん? 聞いたことありません。」

塚谷先生「八つ房の梅というのがあって、梅をすごく集めてる所とか、元々新潟の方で親鸞上人と関係があるという伝説があって植えられてる所があるんですけど、○○さんは実が2つくっついてるのを見つけたって言ってましたけど、1つ花から8つつくの(笑)。」

質問者「え…ええっ!」

塚谷先生「すごく不思議だっていうので昔から増やされて、いろんな所にあるんですけど、それも雌しべの数がたくさんあるんです。雌しべが6個も8個もあって、うまくいくと1つの花から実が8つもつくの。」

質問者「見てみたいなあ…。」

塚谷先生「(笑)でしょう? 面白いのはね、

1つの花にそんなにつくと窮屈じゃないですか?」

質問者「確かに。」

塚谷先生「だから若いうちはいっぱいついてるんだけど、押し合いへし合いしてくうちに元気に育った実だけがだんだん太っていって、残りがポロポロ落ちていくので、最後は1個や2つに減っちゃうんですけど。そういうものがあります。」

質問者「なんかかわいそうだ。」

塚谷先生「(笑)うん。そういうのを突然変異と言って、変わり者が出てくるんですけど、その時に花びらの数が増えたり、ついでに雌しべも増えたりすることがけっこうある、ということですね。」

質問者「はい。」

塚谷先生「ちなみに、雌しべの数は増やしてないんだけど根元だけ増やすというケースもあるんですよ。雌しべは先っぽがひもみたいに伸びてるけど根元が膨らんでて、そこが実になるじゃないですか。○○さん、トマトは好き?」

質問者「トマト。好きです。」

塚谷先生「そしたらミニトマトを横に切って断面を見てみてください。たぶんミニトマトは部屋が2つか3つだと思います。」

質問者「はい、ありました。」⇦即答!いろいろ観察してるのか。

塚谷先生「お! (笑)ミニトマトはトマトの野生種に近い形なので、雌しべを作ってる単位が2つなんですよ。なので切ると部屋が2つあるの。だけど、ふだん食べてる大きいトマトを横に切ってみると、たくさん部屋があると思います。」

質問者「そうなんですか!」

塚谷先生「あれはやっぱり雌しべが増えてるんだけど、1つのまとまりとして単位が増えてるだけで、断面にしてみるとたくさんあることが発覚する例。」

質問者「そうなんですか。」

塚谷先生「先っぽは分かれてないけど根元はたくさんに分かれてるんです。」

アナウンサー「○○さん、いろいろなお話がありましたよ。今、サクラの時期ですし、トマトも改めてじっくりと観察してみてください。」

質問者「はい。…あ、塚谷先生、2年生の時も質問に答えてくださってありがとうございました。」

塚谷先生「そうですか!ありがとうございます(笑)! ご贔屓頂き…」

質問者「植物が大好きです!」

塚谷先生「ありがとうございます(笑)。」

植物ガチのお子さんだった。聞いてる側もこういう会話にジーンときちゃう。

 

Q8 炭酸水は元々アワアワなのに、振ると

  おいしくなくなるのは何でですか?

  (小2女子)

 

アナウンサー「振るとおいしくなくなっちゃったんですか? やってみたのかな?」

質問者「はい。」

藤田先生「炭酸水って振るとおいしくなくなっちゃいますよね? 炭酸水はどうしておいしいのかなって考えたことあります?」

質問者「ありません。」

藤田先生「ふつうの炭酸水と振っちゃった後の炭酸水って、味がどんなふうに違います?」

質問者「ふつうの炭酸水はシュワシュワしてて、味がしなくて、振っちゃった後の炭酸水は、お水みたいにアワアワさがなくなっちゃったっていう…」

藤田先生「はい、分かりました。シュワシュワした感じが舌とか口の中のいろんな所に感じられて、たぶんそれが“おいしい”と人間は感じてるということですよね。そのシュワシュワしたものがなくなるとおいしくなくなっちゃう、と思っているということですが、そのシュワシュワする原因は何かというと、○○さん、二酸化炭素って聞いたことありますか?」

質問者「あります。」

藤田先生「炭酸水というのは、実は二酸化炭素が溶けているということは知ってました?」

質問者「知りませんでした。」

藤田先生「炭酸水というのは二酸化炭素という気体が溶けてるものなんですよ。ふつうに溶かすぐらいではあんなにシュワシュワしないんですね。私たちが二酸化炭素を作って一生懸命溶かしたって、あんなふうには溶けなくて、炭酸水を作る工場ではものすごく力をかけて、温度を引くして溶かすんですよ。」

質問者「へえええ。」

藤田先生「つまり無理やり溶かしてるんですね…言い方が大ざっぱですけど(笑)。無理やり溶かしちゃってるんですけど、よく炭酸水のペットボトルを振った後、蓋を開けたら溢れてきますよね? やったことあります?」

質問者「はい。」

藤田先生「せっかく飲みたいのに、それやったら勿体ないけど、振ってる最中に何が起きてるかというと…実は水というのは目には見えないけれども、ものすごく小さい粒でできてるんですよ。」

質問者「へえええ。」

藤田先生「二酸化炭素も空気みたいな気体ではあるけど、ものすごく小さく見ていくと、やっぱり粒でできてるんですね。でも目には見えないんだよね。

それで一生懸命振っちゃうと、その粒と粒とがぶつかり合ってしまって、水の中から無理やり溶かされてた分の二酸化炭素が追い出されちゃうんですね。それで二酸化炭素がなくなって、人間が味わうとおいしくなくなっちゃうと。よく“気が抜ける”という言い方をしますかね。」

質問者「はい。」

藤田先生「そういうふうに二酸化炭素が逃げちゃうから、ということになるわけです。」

質問者「はい。」

炭酸がなければただの水か砂糖水だもんな。「おいしい」と感じるためにはいろんな要素が絡んでいるのね。このあたりもまた食べ物スペシャルで深掘りしてほしい。

 

Q9 昆虫はどれがいちばん頭が良いですか?

  (小1男子)

 

アナウンサー「○○君はどれがいちばん頭が良いと思いますか?」

質問者「アリ。」

アナウンサー「へえええ。なぜアリがいちばん頭が良いと思いましたか?」

質問者「えっと、冬の支度をちゃんとしてるから。」

久留飛先生「○○君が考えてる“頭が良い”というのは、先を読んで寒くなった冬にもちゃんと食糧を蓄えるから、アリがいちばん頭が良いんじゃないかと思ったわけやんな?」

質問者「はい。」

久留飛先生「ということは、先のことをちゃんと分かる能力があるやつが頭が良いということかな?」

質問者「そう思います。」

久留飛先生「そうやんかなあ…この質問の答えは難しいな。先のことを考えて行動している昆虫っていっぱいいてるわけよ。」

質問者「ああああ…。」

久留飛先生「例えばね、アゲハチョウって知ってる?」

質問者「アゲハ? 知ってる。」

久留飛先生「アゲハチョウが冬を越す形は蛹やん? 蛹の形で冬を越すよね?」

質問者「うん。」

久留飛先生「ということはな、蛹になったやつが冬を越えることができるわけや。もっと考えてみると、蛹にならないと冬を越えれないわけや。幼虫やったら冬の寒さに耐えれなくなって死んでしまうやろ?」

質問者「はい。」

久留飛先生「蛹になったアゲハだけが冬を越えれるということは、早く蛹になれへんと死んでしまうって秋のアゲハチョウの幼虫はみんな考えてるんじゃない?」

質問者「はい。」

久留飛先生「なら先のことを考えて、体が小っちゃくても早く蛹になろうという。それは先を読む力、賢いと言うことができへんか?」

質問者「確かに。」

久留飛先生「という具合に、図鑑で見たら分かるけど、春に出てくるアゲハと夏に出てくるアゲハは大きさが違うやろ?」

質問者「うーん……」

久留飛先生「そう図鑑に書いてあんねんけどな。分からんでいいんやけど図鑑を読むとそう書いてあるわ。春に出てくるアゲハはちょっと小ぶりや。夏によく見るアゲハは大っきいわけや。それって秋に急いで蛹になったアゲハかなあと思ったりすんのや。そうせえへんと冬を越えられへんわけやから。」

質問者「うん、確かに。」

久留飛先生「という具合に、先のことを考えて昆虫たちはそれぞれが生きてるわけや。アリだけが、というのは絵本とかで、夏の間にせっせと働いて、その食糧を元に寒い冬を乗り越えていこうというのはすごいやんって思うかもしれないけど…ファーブルという人知ってる?」

質問者「うん、知ってる。」

久留飛先生「あの人の本を読んだら面白いと思うけど、いろんなところで“昆虫ってすごいな”と思う。いろんな昆虫を紹介してあるわ。○○君が思ってる“頭が良い”というのを、先のことを考えて生き延びていくやつと思うのか、それとも仲間どうしコミュニケーションする方と思ってるのか、自分の行動の次に“これをして、あれをして”とちゃーんと動いていけることなのか…カリバチの仲間って知ってる?」

質問者「知らない。」

久留飛先生「これからファーブルを読んでみたら良いと思うけど、いろんな昆虫の能力というのが、すごくたくさん紹介してあるわ。そうすると、どれが頭が良いのかなっていう○○君の考えが変わるかもしれない。“いや、こっちの方が頭良いんちゃう?”とか、“本当はどれが頭が良いんだろう”とか考えていくようになったら良いと思うねん。」

質問者「はい。」

久留飛先生「いちばんの問題は何かというと、昆虫たちは次に世代を残すことや。アリでもアゲハでもそうだけど、次に世代を残すからその性質が繋がってるわけよ。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ということは、いくら賢くても繋がっていかへんことにはどうしようもないやろ?」

質問者「うん。」

久留飛先生「“僕はいちばん頭が良いです”と言うても、次の世代が生まれなければ、その頭の良い昆虫も繋がれへんやんな?」

質問者「うん。」

久留飛先生「という具合に、いろんな面からいろんな考え方をしてみると面白いと思うんだけど、どうでしょう?」

質問者「はい。」

 

Q10 銀河はどうして速いスピードで動くん

  ですか?(6才男子)

 

アナウンサー「○○君はこれを本か何かで知ったのかな?」

質問者「うん。」

国司先生「○○君も6才だから今度小学校だね?」

質問者「うん。」

国司先生「おめでとう。小学校に入る時に、電車に乗ってどこかにお買い物とか行った?」

質問者「バス。」

国司先生「バスだね。バスって歩くより速いよね?」

質問者「うん。」

国司先生「○○君は“とても速いスピード”って言ったでしょう? 銀河というのは…アンドロメダ銀河っていう銀河の名前は聞いたことある?」

質問者「うん!」

国司先生「そうかあ、秋の空にあるんだよ。おじさんも見て…望遠鏡とか双眼鏡が要るんだけど、ぼんやり見えるのね。

それから○○君が住んでいるのは何ていう銀河だっけ?」

質問者「天の川銀河。」

国司先生「それも知ってるんだあ、すごいすごい! 我々は天の川銀河の中に住んでるんだけど、その天の川銀河アンドロメダ銀河は今どうしてるかというと、互いに近づいてるんだって。どのくらいのスピードで近づいてるかというと、時速40万キロメーター。」

質問者「よんじゅうまんきろぉ?」

国司先生「ふつうのバスは時速40キロぐらいだよね? その1万倍ぐらい速いんだって。」

質問者「ええええ!」

国司先生「すっごいよね、そういうスピードで速く動くんだよね。

ところがね…○○君は今度1年生になるから、“例外”っていうの知ってる?」

質問者「知らない。」

国司先生「例外というのは、いつもはこうなるけど、これだけは違うんだよ、ということなの。アンドロメダ銀河と天の川銀河は近づいていて…これもすごいんだよ、40億年後ぐらいにぶつかっちゃうというんだけど、それは例外なの。どうしてかというと…」

質問者「あ、それ何かで見たことある!」

国司先生「見たことある? NASAという所で“これおかしいぞ、ぶつかっちゃうぞ”っていう発表がこの前あったんだよ。」

質問者「おお!」

国司先生「それが例外なの。他の銀河がまだいっぱいあるのは写真とかで見たことある?」

質問者「ん-、うん。」

国司先生「銀河は数えきれないほどたくさんあるのね。そのほとんどの銀河は我々の天の川銀河から遠くに離れてるんだって。」

質問者「ええ!? そうなのぉ!?」

国司先生「そうなの。ということはさ、宇宙が膨らんで…ビッグバンって聞いたことあると思うんだ。」

質問者「あぁあぁ、何かで見たことある。」

国司先生「見たことあるの? すごいな、おじさんは見たことないんだけど(笑)。それがビッグバンの爆発みたいなもので広がってるの。だから、どうして速いスピードで広がってるかというと、そのビッグバンのエネルギーがあって広がってるの。

だけど広がったらまた縮んじゃうはずなんだけど、ずっと広がり続けているの。」

質問者「ええー、そうなのかあ。」

国司先生「じゃあ何でそうやって広がるのか、という理由はまだよく分かってないんだけど、ここはおじさんも見たことがないし、よく分かんないけど、ダークエネルギーって聞いたことある?」

質問者「うん、何かで見たことあるよ。」

国司先生「見たことある? おじさんは見られなかったけど、そのダークエネルギーというのがどうやらあって、宇宙が広がり続けているんだって。だから、○○君の“どうして銀河は速いスピードで動くのか”というのは、宇宙が広がった最初のビッグバンのエネルギーと、目に見えないエネルギーがどんどん膨らませているらしいんだって。」

質問者「おぅおぅおぅ、そうなのかあ…。」

国司先生「そうなんだけど、おじさんはそれ以上分からないんだよ。これは○○君が大きくなってから勉強して研究すると、その頃にはきっと分かってくるかもしれないよ。」

質問者「うん。」

アナウンサー「○○君は宇宙のこと好きなのね?」

質問者「うん!」

アナウンサー「とっても詳しいから、宇宙の本とか図鑑とかいっぱい見てるのかな?」

質問者「うん!」

アナウンサー「いいですねえ。将来、宇宙のことをいろいろ調べてみて、分かったことをまた私たちに教えてください。」

質問者「うん。」

アナウンサー「よろしくお願いします。楽しみにしてますよ。」

質問者「うん、分かったよお。」

またも想像力全開のお子さんで反応が楽しかった。宇宙の話はスケールが壮大すぎるから、図鑑や映像で予備知識を持ってるお子さんの方が先生のお話も入ってきやすいかもしれない。

 

Q11 シランっていう花を育ててるんですけ

  ど、シランは球根が増える植物で、鉢の

  外側ばっかりに球根が増えて、ちっとも

  内側に球根が生えないんですけど、それ

  は何ででしょうか?(小5女子)

 

塚谷先生「シラン、もう少しすると蕾が出てきますよね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「鉢に植えてるんですかね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「いつもいつも外に出てきてしまって困るってことかしら?」

質問者「えっと、鉢の縁の、コンパスで言うと針の方じゃなくて鉛筆の線の方にきてるんです。」

塚谷先生「コンパスで言うところの…? ああ、外側に外側に作るということですね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「それは仕方ないですね。今、ちょうど新芽が出てきてると思うので、球根の根元のところを見てもらうと…球根て言うけど、どっちかというと鱗茎(りんけい)と言って、茎が玉になっているんですけど…」

質問者「ああ……。」

塚谷先生「茎の部分ですね。専門的に言うと偽物の鱗茎で偽鱗茎(ぎりんけい)というものなんですけれども、茎の根元が玉になってるんですね。その玉になってるところの次に新芽が出るところがどこなのかを見てもらうと、偽鱗茎が玉ねぎ型をしてるじゃないですか。」

質問者「はい。」

塚谷先生「玉ねぎ型をしてるところの必ず脇っちょに芽ができるんですよね。」

質問者「ああああ…。」

塚谷先生「チューリップとかの球根だと、玉ねぎ型してるところの真ん中から芽が出てくるけど、シランはそうじゃなくて偽鱗茎なので、新しい芽がどうしても横から出るんです。そうすると毎年毎年、隣に隣に芽が出てくるので、どう頑張っても縁にいっちゃいますよね。」

質問者「ああああ…。」

塚谷先生「芽が増える時も、1つの偽鱗茎の玉のところから2つ以上芽が出るんだけど、それも同じ場所じゃなくて必ず違う脇っちょに出てくるので、去年いたところが真ん中だとすると、どうしても円周にあたるところに芽が出ちゃうんですよね。」

質問者「ああああ…。」

塚谷先生「ふつうのクロッカスとかチューリップの球根の場合は真上に芽が出て、増える場合でもせいぜい隣にいく程度だから、何年も植えておいてもそんなに外に広がらないですけど、シランの場合は元にいたところは使い捨てで、必ず隣に隣に新しい偽鱗茎を作っていくので、どうしても外に外にいっちゃうわけです。」

質問者「ううーん…。」

塚谷先生「だから、鉢で植えてるとすると、平べったくて広がりがある所に植えておくか、毎年植え替えて、新しい芽を真ん中に戻すとかするしかないですかね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「このシランというお花は、そもそもどんな見てくれと言いますか、特徴なんですか? 最初に聞くべきでした。」

塚谷先生「名前の通り蘭なんですよ。日本に元々いる野生のランですけど、日本にあるランの中で、たぶんいちばん育てやすい。よく育ちますよね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○さんはシランを育ててどれぐらいになるんですか?」

質問者「……10年か、もうちょっとぐらいです。」⇦小学5年生で10年の歴史ってすごい。家族みんなで育ててるのか?

塚谷先生「他の野生ランは日本にすっごいたくさんあるんですけど、育てるのが難しいのがほとんどなんですけど、シランは植えさえすれば育つ。…(笑)なので、ランを身近に育てたい場合はいちばんおすすめですね。名前の“シ”は“紫”なんですよ。もう少しすると赤紫の花が咲き出しますよね。真紫じゃなくて、花の芯のところに白いところがありますよね?」

アナウンサー「偽鱗茎とか難しい言葉も出てきましたが、どんどん広がっていっちゃうということは、狭いベランダだと、あまり大きくなったら困るようですけど…」

塚谷先生「小さい鉢じゃなくて、プランターみたいな広がりがある所に植えると楽ですよね。あと狭い鉢に植えとくと…しばらくやってみると分かるかもしれない、鉢の底から新しい偽鱗茎を出して…(笑)」

質問者「えっ。」

塚谷先生「あまり窮屈になってくると鉢の底から出てきて顔を出したり、いろんなことをします。」

アナウンサー「(笑)そういう時は引っ越し…植え替えですか?」

塚谷先生「そうですね、植え替えてあげないとどんどん狭くなってきますからね。元々、日本だと河原とかの岩の割れ目にへばりつきながら生えているので、狭い所が得意なランなんですよ。」

アナウンサー「へえええ…だそうですよ、○○さん、いかがですか?」

質問者「どうしてシランって名前がついたのかなとも思ってたし、よく分かりました。」

塚谷先生「よかったです。兵庫県だと、うまくすると野生のシランもまだ見られる所もあると思うので、機会があったらぜひ見てみてください。」

質問者「へええ…はい。」

 

          ~8時台、9時台終了