あせらず、さわがず

アラフィフおばさんが脈絡なく書いてるブログ~あとは野となれ山となれ

子ども科学電話相談6/9 とりとめのない感想

6/9のジャンルは
 鳥  上田恵介先生
 恐竜 田中康平先生(初ご担当)

鳥は恐竜から進化した、恐竜は鳥の先祖というのを知ったのは、2017年末の「冬休み子ども科学電話相談」を聞き出してから。30年前で止まってた理科の知識が一気に新しくなって、そこからこの番組にハマっていった。

恐竜の質問を担当される先生が、この日は初登場。恐竜の分野がいつからあるのかは知らないけど、聞き始めてからのご担当は、ずっと小林快次先生お一人だった。他の分野は2~3名のところ、恐竜に関しては恐竜も小林先生も大好きな子ども達が、小林先生と話したいという気持ちもかなり入れ込んで質問してくる。質問者と先生のやり取りには夥しい数の恐竜の名前や専門用語もナチュラルに早口で飛び交う。他の分野に比べてレベルが高いというか…質問者への回答後に、一般向けに改めて解説することもあるくらいだ。今時の表現だと「ガチ勢」の集まる人気分野。
田中先生はその小林先生の教え子だそうで、恐竜の研究者になりたい(≒小林先生の弟子になりたい?)子ども達から見たら「自分がなりたい将来のモデル」だろうと思う。小林先生ご自身の負担軽減にもなるけど、子ども達には憧れの先輩が現れて良かったと思う。
田中先生「今日は小林先生も聞いてるかもしれないので、気合いを入れていきたいと思います。」聞いてるだけの気楽な外野は師弟間の心理を勝手に想像いたします。

田中先生の専門は恐竜の卵と赤ちゃんの化石。卵の温め方、孵化のさせ方、子育て方法を調べることで、爬虫類⇨恐竜⇨鳥類の中で子育て方法がどういうふうに進化していったのかを知ることができる。
上田先生が最近、鳥類学がどこまで進んでいるかをまとめた研究書にも、田中先生が執筆している部分があるそうだ。放送中の連携プレーも期待できそう?

上田先生「今の梅雨の時期は、鳥たちは大変そう。繁殖が一段落してヒナが巣立った時期だけど、雨宿りしながら自然界を生き抜かなきゃならない。特にツバメなんかは虫が雨の中では飛んでいないから捕まえるのが大変で、育てているヒナが死んじゃうこともある。」
同じ虫をエサとしてても飛んでる虫を捕まえるか、地面の虫を捕まえるかの違いがあるんだよね。

ちなみに、進行役が先週とは別のアナウンサーなので、「秘密の野望」の話は出ず。

Q1 鳥はなぜ動いているものに興味があるのです
  か?(小5男子)

家で飼っているニワトリ(6羽)にエサをやったときに、投げた方がエサに寄りつくのを見たそうだ。生きたバッタをあげたことも。観察から気づきを得た面白い質問。

上田先生「エサの中でもパン屑やご飯粒は動かない。動くエサはミミズとかバッタ等の虫。ニワトリは実は虫の方が好き。パン屑やご飯粒も食べるけど、動かないからいつでも食べられる。虫は動くから、うっかりしてたら逃げられる。だから、目の前にご飯粒があっても虫やミミズが出て来たらそっちをまずパクッと捕まえる。そうやって動くものに反応するように進化したんだと思う。
人間も動くものの方が美味しそうで逃げていきそうだったら、それをパッと押さえると思う。ま、人間が食べるものは逃げていかないけどね(笑)。」
狩りをする時の心理だろうか。

アナウンサーから「夏休み前に聞いておきたいことある?自由研究でニワトリのことを調べたいということを聞いたけど」と追加質問の誘導が。もう夏休みの自由研究が視野に入ってるのか…。スゴい。
「人間はまぶたが上から下に閉まるのに、何で鳥は下から上なのか?」

上田先生「その質問が来たか(笑)。鳥の先祖の先祖の先祖の…まぶたも下から上がっていたからだと思うけど、何故なのか分からない。まぶたがあるのは目の表面をきれいにするためだから、別に上からだろうが下からだろうが、右からだろうが左からだろうが、どっちでもいいと思うけども、何故かは分からない。生物学者でも分からない良い質問をありがとう。」
田中先生「恐竜のまぶたは化石に残っていないけど、恐竜のちょっと前のワニも下から上だったと思うので、ニワトリも昔の動物から受け継いでいるんじゃないかと思う。」

Q2 琥珀から恐竜の血を取り出して、本当に恐竜
  のクローンを作れるか?(小3男子)

ジュラシック・ワールド」でそんなシーンを見たから。琥珀から血を取り出して、その血からDNAを取り出して、そのDNAでクローンを作っていた。
人を攻撃しなければ恐竜ってカッコいいし、乗れたらいいなと思ったそうだ。

田中先生「DNAはその動物を作る設計図。最近面白い研究があって、DNAって化石になるとどんどん壊れていっちゃうんだって。700万年経つとDNAが壊れて設計図がバラバラになっちゃう。
てことは、恐竜が生きてたのって700万年前より新しい?古い?」 質問者「古い」 田中先生「そうだね。恐竜が誕生したのが2億3000万年前、絶滅したのが6600万年前って言われている。だから、恐竜のDNAが残っていないので、恐竜のクローンをDNAから作るのは難しいと思う。」

DNAが700万年そのままで…とアナウンサーが言いかけたけど、
田中先生「DNAは500年おきくらいにちょっとずつ壊れていって、完全に壊れるのが700万年。だから、新鮮なDNAじゃないと再生は難しい。」

DNA以外の方法があるような言い方気になる…と思ったら
田中先生「実は違う方法で恐竜を作り出そうとしている人はいる。ニワトリの卵を使って……鳥には尻尾も歯もなくて見た目が違うけど、元々恐竜から進化してきてるから、ニワトリの卵を操作して、尻尾を長くするとか歯を生やすとか、ちょっとずつ改良していくと恐竜を作り出せるんじゃないかと言っている人がいる。恐竜っぽい鳥というか、恐竜がもしかしたら作れるかもしれない。まさに羽毛恐竜。」

へえぇぇ…。遺伝子操作で品種改良ってことかな。
アナウンサーも言ってたけど、人間がそこまで手を入れていいのかと思いつつ、絶滅した生き物の姿を見てみたいという夢も分からなくはない。

田中先生「ただ、ニワトリは肉食恐竜から進化したので、もしかしたら凶暴になるかもしれない。」
そうか…。襲ってこなければとか乗ってみたいとか、人間の都合のいいようにはいかないかもしれない。人間よりずーっと古い遺伝子だもの。
4月に観に行った伊藤若冲の作品には、もはや恐竜じゃないかってオーラのオスのニワトリ(「雄鶏図」)もいたな。牙はなかったけど若冲さんは先祖の肉食恐竜っぽさもどこかで感じたんだろうか。


Q3 鳥のウンチは何で種類が違うんですか?
  (小1男子)

自己紹介の時から笑ってて、笑いながら質問。ウンチが面白い時期。見比べてみたら白や黒だった。質問者の周りは特にカラスが多いらしい。

上田先生「白と黒が多いけど…住んでるのが北海道なら、ハクチョウとかタンチョウヅルはいる?(質問者「いるよ」) ウンチは見たことある?(質問者「あー、ない」) 水草をいっぱい食べるから、緑っぽくなって、白と緑。シラサギとかカモメは知ってるかな?(質問者「知ってる」) 彼らは魚を食べる。魚を食べる鳥のウンチはウンチらしい形をしてなくて、白い水みたいな、ウンチかおしっこか判らないような液体。鳥によってウンチの種類も形も違うのは、食べるものが違うから。いろんな鳥のウンチを集めて調べてみる?(質問者「うん笑」)」
上田先生「食べ物の種類の他に、不消化物が多いかどうかも。魚を食べる鳥のウンチが白い液体状なのは、骨もきれいに消化してしまうから。
それから、鳥のおしっこって見たことないでしょ?
それは、鳥はおしっことウンチを一緒にするから。彼らのウンチの白いところが実はおしっこの成分。人間のおしっこの成分は尿素だけど、鳥は尿酸という、水に溶けないもので違う成分。だから鳥のウンチは、白がおしっこの部分、黒とか茶色の部分がウンチだと思って下さい。」

鳥が飛ぶために、体を軽量化するために、液体の排泄物を作らない、尿も糞も同じ所から一緒に排泄するというのは以前の放送で聞いたっけ。それにしても、魚を食べる鳥は骨も丸ごと消化するって、消化力が強いのかなあ。

Q4 化石から恐竜のオスとメスの違いが分かりま
  すか?(小1男子)

国立科学博物館で見た化石にはオスとかメスとかの記述はなかったそう。

田中先生「すごく…難しい質問。カブトムシのオスとメスはどういう所が違うかな?(質問者「ツノが生えてるとこ」) そうだね、じゃ、鳥だとクジャクはどう?(質問者「丸くなる羽根」) だけど、恐竜は、骨だけ見ても違いがほとんど判らない。ただ、珍しい場合には見分けられて、メスが卵を産む前の、お腹の中に卵がある状態で化石として残ったら、それはメス。それから、卵の殻は骨と同じカルシウムで出来ているんだけど、恐竜のお母さんは卵を作るときに自分の骨のカルシウムを使う。そうすると、お母さんは卵を産むときは骨がスカスカになっちゃう。だから、スカスカの骨(骨髄骨)が見つかるとそれはメスだと判る。」
田中先生は答えやすそうな質問をして本題に入っていくから、話に入り込みやすいなあ。骨でほとんど違いが判らない、メスの骨がスカスカになるってところで質問者、ちょっとショック受けたみたいだけど、「わかりました」って頑張って言ってるのがかわいい。
田中先生「国立科学博物館で卵を温めていたオビラプトル類の恐竜、シチパチを見たと思うけど、あれ実はオスが卵を温めている。(質問者「エッッ?」) お腹の中に卵の化石が見つからず、骨もスカスカになってないから、オスじゃないかと言われている。だから、シチパチはオスが卵を温めるという珍しい恐竜だった。」
抱卵した状態の化石だったのか?恐竜の卵を専門とする先生にピッタリの質問だったのかも。
田中先生「鳥だと骨だけでオスメスの見分けがつくんですか?」
上田先生「クジャクだと尻尾の骨の化石があれば判るかもしれないけど、スズメとかカラスなんかは全く同じ。だから多分判らないと思う。」

Q5 鳥は人間の顔が分かるのでしょうか?
  (小3女子)

家でオスの文鳥を飼っていて、家族を見分けているように思う。お母さんの手や肩に乗るのに、質問者には怒って乗らない…。

上田先生「文鳥が人の顔を見分けているかどうかは先生もわからないけど、カラスぐらいだとちゃんと見分けているというのが分かる。文鳥は見分けるというよりも、声を聞いていつもエサをくれるお母さんだなとか、見た目もちょっと足して人を識別していると思う。
それと、大人の文鳥はつがいを作ろうとするから、そのオスの文鳥はお母さんのことをつがいの相手だと思っているのかもしれない。
うちでもセキセイインコを飼っていたけど、僕には懐かないで娘にだけ懐いていた。メスだったけど、娘のことをつがい相手のオスだと思って接してるように見えた。」
懐かれない繋がりの質問者と先生であった。

Q6 恐竜の体温はどのくらいなんですか?
  (小6女子)

牧場で牛に触ったらすごく温かくて、体温が高いから冬でも平気だときいた時に、恐竜はどれぐらいか気になった。恐竜は「けっこう好き」。控えめなガチ?

田中先生「恐竜の歯を使った研究で、竜脚類(ブラキオサウルスアパトサウルス等の首が長くて大きな恐竜)は36℃~38℃位と言われている。オビラプトルという、卵を温める、オウムのような顔でダチョウみたいな体の恐竜は32℃位と言われている。鳥は40℃以上あったりする。」
質問者「恐竜が絶滅したのは体温が関係してるんですか?」
田中先生「僕は関係していると思う。隕石が落ちて気候が変わって寒冷化したと言われているけど、そういう時に体温を上げたりできる、体温調節ができる動物が有利だったと思う。ただ、体温だけでは説明できなくて、いろんな要因があって結果的に絶滅したと思う。」
田中先生「歯だけじゃなくて卵の殻を使った研究でも分かる。卵を作るときに、体内の水分が殻の中にちょっとだけ残されてて、その水には体温が残されている。同位体を分析すると割り出せる。」

小林先生の時のガチな質疑応答とは違って、田中先生だと恐竜のことそんなに詳しくなくても(恐竜大好きなのは同じだけど)質問しやすい雰囲気かもしれない。子ども達が熱心なだけで小林先生に罪はないのだけど。子どもだからと手加減しないで難しいこともどんどん説明しちゃう小林先生も素晴らしい。

11時台前半「先生に聞いちゃおう」
子どもがスタジオに入り、先生と直接お話できるコーナー。この日は恐竜の田中先生に、小3の女の子が質問をぶつけた…やっぱり恐竜のガチ勢だった。最初はNHKに来るまでの新幹線移動がヒマだったとか、スタジオ内の印象が機材ばかりとか、良い意味で子供っぽい反応をしてたんだけど…豹変した。
ご両親と小1の妹さんも一緒で、姉妹お揃いのワンピースだけど、お姉ちゃんは恐竜のワッペンをお母さんにつけてもらったそうな。こういうおしゃれが出来るのが女の子ならでは。恐竜女子のファッションチェックも兼ねて、来月の恐竜展に行ってみたい。

質問者は今年1/3の「冬休み子ども科学電話相談」で、「鳥には渡り鳥がいるけど、鳥の先祖の恐竜には渡りをする恐竜はいたのか?」という質問をし、恐竜担当の小林先生がカマラサウルスは渡りをしていたと回答。
恐竜が好きになったきっかけ…3才頃にお父さんの恐竜図鑑(昭和55年発行!)を見て好きになり、その後ちゃんとした図鑑を買って貰って、そこからハマっていった。この経緯をきちんと自分で説明したのもしっかりしてるなあと感じたけど、新旧の図鑑を見比べての感想を聞かれると、
パキケファロサウルスがイグアナドンと同じ所に入ってたり」 「ティラノがゴジラ立ちしてたり」 「スピノが二本立ちしてたり…スピノは今でも二本立ちだけど」 何言ってんのか分からないけど、サウルスを省略して恐竜名を言う時点でエンジンかかってきたって雰囲気。田中先生も「詳しいね」と言うしかなかった感じ。

で、聞く側もガチっぷりに慣れたところで
先生に聞いちゃおう①
古生物学会があると聞きましたが何をしますか?見学はできますか?

…初っ端からスゴいの聞いてきた。お母さんのスマホに恐竜に関する情報が入ってくるそうだけど、小3女子は学会に行く気満々だー!
田中先生「正しくは日本古生物学会といって、恐竜含めたいろんな化石(アンモナイト三葉虫、微生物等)に関する研究の発表会。毎年夏と冬の2回開催で、今年の夏は2週間後に静岡での予定。一般向けの普及講演会で最新の研究成果を分かり易く話してくれる。
古生物学は人類学や考古学とは別の分野で、人類に関わらない、純粋な生き物の進化や歴史を勉強する学問。」静岡だと質問者の家からも遠くないようだから、これは行くだろうな。2週間後とはまたタイムリーな宣伝にも貢献してるな。
質問者は古生物学に「すごく」興味があるそうで「今も分からないことが多いから、今から大人になってもけっこうイケるかなって。けっこう、けっこういろんなこと調べられるかなって」 自分が活躍できる場の広大さに惹かれてるのかなあ、「けっこう」にかなり力が入ってた。田中先生「ぜひ筑波大学へおいで」とご自分の職場にスカウト。小林先生もちょくちょく「北大に来て」って言ってる。

先生に聞いちゃおう②
恐竜は竜盤類と鳥盤類という大きく2つのグループに分けられるんですけど、どちらでもない恐竜が見つかる可能性はありますか? 三畳紀のことはよく分かってないらしいので、その頃にいたんじゃないかなと私は思います。

自分なりの仮説を立てて聞いてくる。しかも、鳥盤類にはどんなのがいる?と先生から聞かれて「いちばん有名なのでトリケラトプス、続いてイグアノドンやステゴサウルス、アンキロサウルス、それとパキケファロサウルスはそんなに…(聞き取れず)じゃないらしいけど」 竜盤類も「まず恐竜の王、ティラノサウルスがドデーンときて、ディプロドクスとかブラキオサウルスなど。鳥盤類に比べて少ない。」先生「スピノサウルスはどっち?」⇨「竜盤類で獣脚類」 先生「カマラサウルスは?」⇨「竜盤類の竜脚類」……繰り出される質問にスラスラ大正解していく。これがガチ勢。スタジオ内賞賛の拍手。

田中先生「恐竜ってのは竜盤類と鳥盤類の必ずどちらかに分けられる。逆に分けられないものは恐竜じゃないということになる。だから、竜盤類でも鳥盤類でもない恐竜は見つからないことになる。
ただ、最近、この2つに分ける方法は間違っているんじゃないかって言う人がいて、今話してたスピノサウルスなんかの獣脚類を竜脚類から追い出しちゃった。だから、その人達によると獣脚類は竜脚類でも鳥盤類でもないことになる。だけどこの考え方が正しいのかは証拠が足りなくてまだ分かってない。特に、さっき言ってた三畳紀の恐竜の証拠が全然足りてない。
だから、恐竜が竜脚類と鳥盤類だけだったのか、それとも違う分け方があったのか、それを調べるには恐竜の研究をもっとしていく必要がある。」

三畳紀とは中生代(三畳紀ジュラ紀白亜紀)のいちばん古い時代で、知られていないことがまだまだあるとのこと。恐竜の分類方法も他にも説があったりで説明しきれないようで、田中先生「この後ゆっくり話そうか(笑)」と誘う始末。これだけガチならお話のし甲斐もあるだろうね。

先生に聞いちゃおう③
小林先生はどういう先生なんですか?

小林先生ファンにしか出来ない質問だし、教え子にしか答えられない、めっちゃツボを押さえた質問ですな。小林先生が聞いてたらと思うと外野は楽しみでしかない。
ラジオで話したことのある質問者のイメージは「厳しいけど褒めてくれそうな先生」
田中先生「小林先生は全くラジオで話す時の感じのままで、優しいけど学生には厳しい先生でもあったりする。」ラジオで話すまんまって、やっぱり子ども相手でも手加減しないのか…。
田中先生「ただ、研究者としては、世界の研究者が認める、スゴい恐竜の博士。僕は先生と一緒にカナダやモンゴルに恐竜の化石を探しに行くけど、僕が先生の前を『何にも見つからなかったなあ』と思いながら歩いてると、小林先生は後ろから『あ、ここに骨の化石』『ここに歯の化石』ってどんどん見つけちゃう。すっごい化石ハンター。一緒に行くととても勉強になる。」
アナウンサーが言ったけど、見落とされがちな化石も発見する目をお持ちの小林先生。10連休中のご出演の時「楽しいから仕事と思ってない」みたいなこと言ってたっけ。

質問者も「視力には自信がある」、化石発掘も体験済み。修行は既に始まってる。
古生物学会では毎年10/15を化石の日と定めてて、全国で講演や発掘のイベントを開催してるそう。
どんな化石を見つけたい?とのアナウンサーの問いに「貝と植物しか見つけてないから、もう…何でもいいから動く化石を見つけたい。動いてたやつ見つけたい!」過去の発掘成果への不満が分かる気合の入ったコメント。

先生に聞いちゃおう④
どこまでが恐竜でどこまでが鳥なんですか?
鳥のご専門の上田先生もいるからとアナウンサーが促したけど鋭すぎる。渡り恐竜の質問するような子だもの。

上田先生「昔は恐竜が先でその後に鳥が進化したと考えられていたけど、今は鳥の先祖も恐竜のいた時代に、いろんな種類が一緒にいたと考えるようになった。どの恐竜が鳥にいちばん近いかは分からないし、鳥の化石はまだまだ少なくて、はっきり分からないことが多い。ただ、恐竜と鳥は非常に近い親類みたいなものだと、恐竜がいっぱいいた時代には鳥もいっぱいいたと考えるのが良いと思う。」

先生に聞いちゃおう⑤
恐鳥類っていう大昔の、恐竜が絶滅した後の王者がいたらしいですけど、それは現在生きてる鳥の中で近い種類はいますか?
上田先生「恐竜の絶滅で中生代が終わって、次の新生代になった最初の頃は恐竜のような大きな肉食動物がいなかったから、大きな恐鳥類が地球のあちこちで繁栄した。けど、恐鳥類は子孫を残してないというか、絶滅したから、現在の鳥たちは当時生き残っていた別の鳥から進化したと思われている。だから、恐鳥類はどの鳥と近縁なのかというのもまだ分かってない。最近は肉食と言われてた恐鳥類にも草食だったんじゃないかと言える証拠も現れてきて……うーん、分かってないばかりでごめんね。分かってないから研究が出来るんだよね。大きくなったらぜひ調べて下さい。」質問者含めた恐竜ファンの子供たちにはフロンティアが広がってるんだね。

質問者「友達に今恐竜って生きてるの?って聞かれた時に、いるよほら、今そこ飛んでったって答えるけど、ガッカリされて、大きいやついないの?とも聞かれる。」
小林先生もよく主張する「鳥は恐竜」を広める活動までしてるとは恐れ入る。
田中先生「恐鳥類のガストルニスは鴨に近いって言われてるらしい。鶴に近い仲間としてフォルスラコスという恐鳥類もいる。」

最後に感想を聞かれて、質問者「分かってないことがいろいろあるから、大人になって研究するにしてもけっこう出番はあるのかな。」
質問して「分からない」と言われて自分の出番だと考えるポジティブさも、自分の好きなものを隠さない堂々とした態度も、見習わないといけないな。

Q7 家の玄関の上にツバメの巣があります。毎年
  巣立っているんですけど、今年は孵ったばかり
  のヒナが玄関の下や、巣から離れた道路や庭に
  4匹落ちていました。どうして巣から落ちるの
  ですか?防ぐにはどうすればいいですか?
  (小4女子)
4羽とも死んじゃって1羽だけが巣に残ったそうだ。
上田先生「巣の真下に落ちてたら巣から身を乗り出して落ちてしまったと考えられるけど、道路とか庭とか巣から離れた場所に、まだヒナは飛んで行けない。そういう時は自分で落ちたというより落とされた。別の鳥か何かがヒナを咥えて落としてしまったということが考えられる。」
私は天敵にエサとして襲われたと思ったけど、獲物を落とすミスをそんなにするのか?、落としてもエサなら咥え直して連れ去るのでは?、ツバメは天敵が来ないように人間の近くに巣を作るはずだけど?と気になった。
上田先生「一体誰がそんな残酷なことをするかというと、カラスがツバメの巣を壊してヒナを食べることがあるけど、その時はヒナを落とさない。調べた人がいるんだけど、同じツバメが巣から引きずり出して落っことしてるみたい。ヒナのお父さんお母さん以外の第3のツバメ。オスのことが多い。つがいになれない、独身のオスのツバメが、隙を見てヒナを落っことしてしまう。」
ショッキングだ……。先生もちょっと迷いながら答えたような。質問者も泣きそうに「エェェェ…」。アナウンサーも時々唸りながら聞いてて。
上田先生「実はオスの独身のツバメにも理由がある。つがい相手がいないから、結婚したい、相手がいないかと探している。そこでヒナがいる巣を見つけてヒナを落としちゃうと、その巣のお父さんお母さんが離婚しちゃうことがある。そして全部ではないけど、その別れたお母さんが新しいオスとつがいになって新しい巣を作ることがある。
ヒナを落っことす独身のオスツバメは、つがいの仲を裂いて自分との再婚に持ち込もうとする…テレビドラマみたいなことが起こっているらしいということが分かってきた。かわいそうだけど、ツバメの世界ってなかなかきれいな世界じゃなくて、ドロドロしたものがある世界だね。」

ドロドロなのかサバサバなのか…。本能というかDNAに従ってるだけだと考えたら責められないよね。人間だって我が子ですら虐待して死なせちゃうこともあるし。人間はどうなんだろう。

落ちるのを防ぐ方法について
上田先生「落ちてても生きていたら巣に戻してあげるのがいいと思うけど、その独身のオスがまたやって来て落っことしてしまうことがある。でもとりあえずは巣に戻す。それと変なヤツがヒナを引きずり出そうとしてたら追っ払う。出来るかどうか分からないけど、それしか手がない。
あとは巣の下に板をつけて、たまたま落ちてしまってもヒナがケガしないようにするというのも良いかもしれないけど、落っことそうとする独身のオスツバメがいる限り、何度もやって来て襲うとは思う。」……救いのない残酷なお答えだけど、野生の生き物の現実をちゃんと説明された先生は凄い。

Q8 ティラノサウルスはどうして鳥に進化した
  の?(小1男子)
パソコンで恐竜が鳥に進化したのを知ったそうで、好きな恐竜はティラノサウルスと「日本最大の恐竜タンバリュウ」。小1にして修飾語をつけて紹介できるのは、やはりガチなのか?

田中先生「ティラノサウルスは鳥に進化しなかった。絶滅したんだけど、仲間の恐竜が鳥に進化した。ヴェロキラプトルとかデイノニクスとか、小さくて羽毛のある恐竜が、彼らが直接鳥に進化した訳ではないけど、かなり鳥に近いと言われている。小さな恐竜なグループがいちばん鳥に近いと言われてて、彼らに近い恐竜が最終的に鳥に進化したと考えられている。
鳥になるには翼が要るし、空を飛ぶには小さい恐竜でないとダメだから、ティラノサウルスは鳥になることは出来なかったけど、ティラノサウルスに近い空を飛ぶ小さな恐竜が鳥に進化した。」

質問者「タンバリュウはなぜ日本最大になったの?」
田中先生「タンバリュウは恐竜の中でいちばん体が大きいグループにいる。タンバリュウは15メートル位でグループの中では大きい方ではないけど、竜脚類と呼ばれるこのグループは、大きいのは30メートルを超える。日本では今のところタンバリュウが最大だけど、新たな化石が発見されたらもっと大きな恐竜が見つかるかもしれない。
そんなに大きくなったのは、もちろんエサもたくさん食べるけど、大きいと敵から襲われにくい。他の肉食恐竜も大きい相手に手が出せない。大きいだけで有利なので竜脚類は体がどんどん大きくなったと考えられている。」

あんまり知らないと言ってた質問者だけど、先生の話にはちゃんとついてって、「知らなかった」「確かに」なんて新しい知識を手に入れたような反応していた。

ガチガチなやり取りに衝撃の事実に、盛り沢山な回だった。

先生方の感想
上田先生「いつもだけど本当に手強い。ふだん見てるけどどう説明するのか意外に分からないことが多い。」
田中先生「恐竜が好きで詳しい子が多くて、鋭い質問だったけど、相手が詳しいから説明しやすくて助かった。」お師匠の小林先生のご指導の賜物だと思う。結果的に教え子に優しい小林先生。

次回のジャンルは昆虫と科学。昆虫の清水先生からのクイズがあり、科学は藤田先生。いろいろと楽しみでニヤニヤしちゃう。