あせらず、さわがず

アラフィフおばさんが脈絡なく書いてるブログ~あとは野となれ山となれ

子ども科学電話相談6/2 とりとめのない感想

6/2のジャンルは
 昆虫 久留飛克明先生
 植物 アキリ亘先生

先週もだったけど、「○○のことなら何でも答えてくれる△△先生」という紹介、先生方にはプレッシャーなのでは…。そして今週も秘密の野望を聞いている。

久留飛先生:映画のマトリックスでのプログラムを入れると運転できない乗り物もすぐ乗れる、ああいう体験をしたい。セミやチョウが羽化して練習なしですぐ飛べるというのは、そういうプログラムがきっとあるんでは。私もインプットされたら英語が喋れるとかジェット機を運転するとか。昆虫のスゴさ追体験というよりは練習しない方に動機があるような。

アキリ先生:見てもきれいな植物だけど、顕微鏡で覗くと植物ひとつひとつのつくりがキラキラしててミクロの世界もきれい。なので、植物の細胞の中に入って、内側から観察してみたい。

山田アナウンサーの秘密の野望も是非そのうち。

久留飛先生のムニャムニャとした関西弁を文字に起こすのは大変だ。あの口調が味なのだけど。

Q1 カブトムシやクワガタムシは何でなわばりを
  持っているのか?(小5男子) 木登りしようと
  したら、カブトムシとクワガタムシがケンカを
  していて疑問に思った。

久留飛先生「成虫になったカブトムシやクワガタムシが何をするか考えてみると分かるかもしれない。樹液のある所に集まっているのは、メスが来るのを待っている。成虫の役割は次の世代を残すことだから、オスとメスが出会える場所に陣取って、他のヤツに邪魔されたくない、ここにいたいんだと思ってる。出会う確率が高いのは夜みたいだけど、君が見たケンカというのは、次の世代を残そうと頑張ってる場面なのかもしれないよ。」

なわばりを持っているのはカブトムシやクワガタムシだけじゃないみたい…と、急にアキリ先生にバトンタッチ。「植物もなわばり争いをしている。タンポポが地面に葉っぱを広げているのは、太陽を浴びて栄養を作るだけでなくて、その葉っぱの下に他の植物が生えないようにもしている。木も自分より高い木があると日陰になりやすいから、周りに負けないように上に伸びている。植物は光を浴びるために、横にも上にもなわばりを広げていると言える。」

緊張してそうな内気そうな質問者だけど、「へぇー」「そうなんですか」と相槌がしっかりしていた。

Q2 トマトやパプリカのように、いろいろ色があ
  る野菜もあれば、ナスやダイコンやニンジンの
  ように一色しかない野菜もあるのはなぜです
  か?(小3女子) トマトが好きでスーパーで
  いろんな色のトマトを見て何でかなあと思っ
  た。

アキリ先生「ダイコンやニンジンも色んな色がある。ダイコンだと赤や紫、ニンジンも紫、ナスも白や黄色。野菜の(植物の実)の色の成分は大きく分けて2種類ある。
①カロテノイド(黄色やオレンジ色の素) ニンジンやトマトはカロテノイドの色。②アントシアニン(赤や紫) アサガオの色の素でもある。
どちらにも種類があって、それによって黄色になったりオレンジになったり、赤になったり紫になったりする。」
質問者、白いダイコンはどちらも含んでいないことに思い至る。1種類しかないと思うのは流通に乗ったのが1種類しかなかったってことかな。最近見かける紫のトマトは原産地の南米では昔からあったそう。見ていた範囲が狭かったとも言えるけど、質問者の世界が広がって良かったなと思う質問だった。

Q3 モンシロチョウの幼虫は生まれた時に自分の
  卵のカラを食べるけど、どうして卵のカラを食
  べていいと知ったんですか?(小1男子)
  ケータイで見た。

久留飛先生「何で食べるのか聞いてみんと分からへんと思うねんけど(本人に聞いて、みたいな感覚面白い)、タンパク質という栄養があるんやろな。それを食べる方がより元気に育つということを分かったヤツが代々そうしてるのかもしれない。
モンシロチョウの幼虫の隣で誰かが「それ食べたらいいよ」って言ってくれる訳でも、卵を産んだメスが「それ食べなさい」と言うわけでもない。ということは、卵のカラを食べる方がより元気に育つ⇨成虫になりやすい⇨次の世代に卵のカラを食べる性質が残りやすい。ってことで食べていると考えた方がいい。」

人間は「何でも食べなさい」と言われるけど、モンシロチョウの幼虫はキャベツしか食べない。食べないけどそれで大きくなる。「それ不思議やと思えへん?」「別の疑問が出てこない?」と聞かれて「出てこない」と正直な質問者。ケータイで見て卵のカラを食べることを疑問に思ったように、自分で疑問を見つけることの大事さを言いたかったみたいだ。

Q4 ふつうの植物は水をあげたり太陽を浴びたり
  して育つのに、どうして食虫植物は虫を捕っ
  て殺したりして生きているんですか?
  (小4女子)

アキリ先生「食虫植物は500~600種類あるけど、多くが栄養の不足してる所に住んでいるから。栄養が足りないから虫から栄養をもらおうと考えたのかもしれない。
植物にとって大切な栄養分は3つ。①チッ素(葉を大きくする) ②リン酸(実を大きくする) ③カリウム(根っこを丈夫にする) 他の植物はどれも根っこから吸収してて、それぞれの栄養に役割があるんだけど、食虫植物の環境はチッ素が不足している。チッ素はタンパク質に多く含まれてて、虫の体はタンパク質が多い。だから食虫植物は虫の体にあるタンパク質、そしてその中のチッ素を取り込んでいる。」

毎回思うけどアキリ先生の回答はスッキリしてて分かり易い。

アナウンサーから食虫植物をいい土に植えて育てても虫を獲るんですか?⇨虫がワナに触れたら自動的に葉が閉じるので、栄養が十分でも捕まえてしまう。これこそ久留飛先生がさっき言ってたインプットされたプログラムではないか。

生き物に関する質問は「ふつうは~」「ふつうの○○は~」と、つい言ってしまいがちな言葉に気づかせてくれる。この質問も食虫植物も水や太陽で生きたらいいのに…的な、虫を獲ることをネガティブに見る感じがないでも無い(質問者を責めるつもりはない)けど、それだと食虫植物という種はなくなる。おかれた環境と、どうしても変えられない性質とで折り合いをつけて生きてきた結果なのだ。

Q5 本で植物と動物は汗をかくと読んだのです
  が、虫は汗をかくんですか?(小3女子)

久留飛先生「汗はかかない。昆虫の体は暑くても寒くても、外気と同じ温度だから。」
汗をかくのは恒温動物ゆえの生理現象てことか。
「植物も汗をかく」と本にあったので、またまたアキリ先生登場。「見たことないと思うけど、葉っぱに気孔という小さな穴がいっぱいあって、そこから見えない形で水分を出している。アサガオにビニール袋をかぶせておくと水滴がつくので、そこで汗をかいてると分かると思う。」

これで10時台終わりだなーと思ったところで「もう一つ質問があるんですけど」。と追加質問。5分番組「らじるの時間」と時報後のニュースをはさんで11時台に改めて質問者登場。

*追加の質問:人間は風邪をひいた時に鼻水が出たり咳をするけど、虫も鼻水が出たり咳をしますか?

久留飛先生「病気かどうかの判断が難しい。バッタなんかは捕まえた時に口からゲロ…って、緑色の汁みたいなのが出ることもあるけど、病気で出してるかどうかは分からない。
自分で飼育して観察していれば「今日は調子が悪いかな」って時にそんなゲロみたいなのが出たら、「調子が悪いとこんなことをするのかも」と思える。だから、よく観察することにこの質問の答えがあると思う。」


てことで11時台前半のコーナー「あの後どうなった?」
以前の質問のその後を本人に聞くコーナー。
今回は去年の夏の質問。
「公園で弱ったチョウを拾って、エサをあげたけど次の日死んでしまいました。動物の病院はあるのにどうして虫の病院はないのですか?」(小?女子)
この時の久留飛先生の回答は…
「すぐ死んでしまうからやねん。もし助けられたとしてもそんなに長生きできないんよ。最後の羽化の時に羽がうまく伸びないことがあっても、そのグチャグチャの羽は元に戻らない。アゲハチョウが卵を100個生んでも、そのうち成虫になるのは1~2匹。他の生き物との関係とか、途中でエサとして食べられたりいろんなことが起こる。何でそんな失敗ばかりの生き方なのか不思議に思うだろうけど、かわいそうと思う私たちの感覚とは違うところで生きている。」

質問者は今もクワガタムシとかヤモリとかチョウの幼虫を飼っているそうで、夏休みの自由研究ではアゲハチョウの幼虫を30匹育てた。そのうち20匹ほどが羽化に成功(すごい!)。育ててみて思ったのは、「目の前で虫が死ぬのは悲しい、人間のせいで数が減る虫がいるなら何とかしたい。」虫のお医者さんへの夢は今もある様子。

久留飛先生「30匹から20匹が成虫になったのはすごいね。何でうまくいったとおもう?⇨質問者「敵がいない所で育てたから?」⇨それもあるし、きっとエサの葉っぱの状態が良かったのかもしれない。ということは、元気な幼虫を育てることが病気になりにくいということに繋がっている。
小学校の先生からアゲハチョウの幼虫がうまく育たないと相談を受けるけど、一番の原因はエサとなるミカンの葉っぱをええ加減に(しおれた状態とかで)入れている。ただ葉っぱを切って置いただけではすぐにしおれて食べにくくなる。だから、食べやすいエサを用意しておくのが大事やと思う。元気がなくならないように、予防する方向で「助ける」を考える方がいいのかなあと思う。」

質問者:外で生きてる虫が死んじゃうのも悲しいから、虫のお医者さんになりたいと思ってるんですが、どうしたらなれますか?

久留飛先生「虫のお医者さんは聞いたことないけど、昆虫館や動物園には「見せる」ために、元気に育てる仕事をしている人はたくさんいる。そういう中で、幼虫の元気がなくなった、病気になったというのは、においが違うってところで気づいて、それを他に伝染しないように除ける(隔離する?)というやり方をする。カマキリが脱皮の時に脚がうまく抜けなかった、曲がってしまったなんて時にはハサミでチョンと切ってあげるんだって。そうすると次の脱皮の時にちゃんとした脚が生えてくる。
目の前で虫が死んじゃうのは、そりゃイヤやけど、弱った虫が出ないようにするのが大事やと思えへん?昆虫によって育ち方が違うから、それを見つけて、より元気に育てる。それも弱った昆虫を見ないということになるよね。弱ったものを治療するというやり方は見たことがないけれど、弱らないようにと考えてる人はたくさんいる。
まずは昆虫の生き方、育ち方を学ぶ。現実では害虫を駆除するために、どうしたらダメージを与えられるかを考える方向にばかり目が向いてるけど、あなたのように助けたいという気持ちで学んだら、虫のお医者さんになれるんじゃないかと思うね。」

人間も子供が元気に育つように病気の予防とかを頑張った歴史があるし、今もそうしてる地域がある。でも、それって虫の駆除が大きな要因になっているのもあるのでは…。質問者が今後本当に虫を治療することを目指したとき、助ける虫と助けない虫との境界線なんて問題にもぶつかりそうである。

質問者から別の質問:今年の夏休みの自由研究で、ツマグロヒョウモンの幼虫を育てようと思っているけど、見つけた所の食草が食べ尽くされてて、お花屋さんでも「夏にスミレ科のお花は売ってないよ」と言われました。人工のエサがあればもっとたくさんの幼虫を育てられると思うのですが、人工のエサでチョウを育てられますか?

「食草」なる言葉を初めて知った。自分の興味のあることを掘り下げていくと、こんな専門用語も使えちゃうんだなあ。

久留飛先生「育てられる。カイコに桑の葉と似た成分を人工飼料に混ぜて与えるとか、実際にある。ただ、ツマグロヒョウモンが食べるスミレ科のパンジーとかビオラに模したエサは聞いたことがないな。けど、スミレを乾燥させて粉にして、人工飼料に混ぜてみたら、「あ、これはスミレとちゃうか?」と食べるかもしれない。難しいけどやってみる?」
質問者:やってみたい。

自由研究が「幼虫を育てる」から人工のエサで育てられるか、はたまたツマグロヒョウモン用の人工のエサが作れるか、テーマが大きくなりそうな予感。これも「あの後どうなった?」として興味深い。


Q6 何でタマネギは生で食べると辛くて、
  ゆでると甘くなるんですか?(小1女子)
  質問者は焼いて甘くするのが好き。

アキリ先生「ゆでたり焼いたりすると、タマネギの中の辛くなる成分ができなくなるから。元々タマネギには甘い成分も入っている。生で食べたときは辛い味に隠れちゃって甘く感じない。
タマネギは顕微鏡という虫眼鏡のすごいので見ると、小さい箱みたいなのがいっぱい繋がって体が出来ている。その箱ひとつひとつの中に、辛くなる成分と、もっと辛くする成分が入っている。箱の中に水風船を2つ入れた状態を考えてみてくれる?で、タマネギを切ると中の水風船が割れちゃって、2つの水が混ざっちゃうよね。それでタマネギの中に辛い味が出来てしまう。
だけど、焼いたりゆでたりすると、風船の中の水が熱くなるでしょう?そうすると辛くなる成分が壊れてしまう。だから、焼いたりゆでたりした後にタマネギを切って中の水が混ざっても辛くならない。辛くならないと、元々あった甘い成分が感じられるようになる。」

細胞を箱に置き換えて説明したのかな…。質問者がすごく腑に落ちたような反応してたけど、私もめっちゃくちゃ想像できて分かり易かった。

Q7 カブトムシの体が2つに分かれててノコギリク
  ワガタの体が3個。何でですか?(5才男子)

久留飛先生「カブトムシの体が2つって、どことどこに分かれてると思ったの?⇨質問者:頭とおなか
カブトムシの角は2個あるけど、最初の大きいのは頭の一部分で、小っちゃいのは胸のとこや。その後は…おなか側にしないと分かれへんけど、脚6本付いてるところが胸や。で、その後がお腹や。ノコギリクワガタも、あの牙は頭にひっついてて、で、また同じようにひっくり返してみると、脚が付いてるところが胸、その後がお腹。
背中側から見ると騙されんねや。お腹側から見た時に、脚が付いてるところが胸やでって分かると、そこから前にあるのが頭、脚より後ろにあるのがお腹や。あなたが2つ3つ言うてるのは騙されてるかもしれん。もうすぐ夏になるから、自分で捕まえてお腹側から観察してみたらいいと思う。同じ形になってるはずやねん。」

昆虫の基本構造だけど、確かにカブトムシは2つに分かれてるように見えそう。

Q8 木にぶら下がってるフルーツってなぜ丸いん
  ですか?どうしてバナナだけ細長いんですか?
  (小5男子)

アキリ先生「フルーツに限らず、野菜も果実なのでそれを僕らは食べてるけど、キュウリとかトウガラシとかは細長い。楕円形のアケビとかビワとか、まん丸でない植物もたくさんある。
丸に近い理由を考えてみると、実の中にある種を守るという役割も、果実は持っている。種は蒔くと次の芽が出て育つという大事なものだから、しっかりと守りたい気持ちが植物にはある。で、丸くすると何がいいかというと、中に水とか物をたくさん詰め込める。同じ長さでも細長いと水がそんなに入らない。なるべく水を多く含んで種を守ろうとすると、丸くなるのかなと思う。
細長い実の理由で考えられるのは…植物は種をいっぱい作りたいとも思ってる。種も水もたくさんとなると、果実が重くなる。種をたくさん作ってあまり重くなりたくないときは細長くするといいんじゃないかな。植物自身も倒れずに済む。
トウガラシは上に向かって実をつけているけど、あれは軽いから。木に生る果実は丸くても木が重さに耐えられるものが多いんじゃないかと考えられる。
他にも理由があると思うけど、実の形はそれぞれ違うから、それぞれ考えてメモしていったら面白い研究になると思いますよ。」

面白い質問だ。これも自由研究のテーマになりそうで、「あの後どうなった?」にぴったりかも。

ちなみにふだん食べているバナナには種がなくて、原種とか野生のバナナには小豆状の種が入っている。

来週は「鳥」と「恐竜」。恐竜の先生は今度が初登場。恐竜だと恐竜ファンの高レベルな質問ばかり。どうなることやら。