あせらず、さわがず

アラフィフおばさんが脈絡なく書いてるブログ~あとは野となれ山となれ

子ども科学電話相談9/1 とりとめのない感想

9/1のジャンルは
 昆虫 久留飛克明先生
 動物 小菅正夫先生
 恐竜 小林快次先生

アナウンサー「皆さん、どんな夏休みでしたか? 私はこの番組で行った恐竜博も楽しかったですし、その後は沖縄の美ら海水族館に行って、大きなジンベエザメやマンタに出会ったのもこの夏の思い出です。」

先生方にも聞いていくこの夏の思い出。
久留飛先生「私は滅多に外に出ないんですけれど、今年は群馬県立自然史博物館という所で昆虫の企画展がありまして、そこに呼ばれて話をしに行ったんです。どうしようかな~と思ったけど、思い切って車で行くことにしました。」
アナウンサー「大阪から。」
久留飛先生「大阪から群馬まで500㎞ぐらい…。」
アナウンサー「何時間くらいかかるんですか。」
久留飛先生「直接行くと遠いので、途中、岐阜県で泊まってですね、もう贅沢旅行というか岐阜で泊まって、向こう(群馬)に行って、向こうで3泊して、岐阜でまた同じ宿に泊まって帰ってくるという…。」
アナウンサー「いいですね。お一人で運転されてたんですか?」
久留飛先生「そうなんですけどね。ばあちゃんが一緒だったんですけど、“ヒマだから運転させろ”って言うから、しょうないなあ……と。あんまり運転させたくなかったんですけど(笑)。でもまあ、こういう長旅は初めてだったので、とても楽しかったですねえ。
向こうの博物館ですごいなあと思ったのは、あそこも恐竜常設展なんですね。」
小林先生「ああ…そうですね。」
久留飛先生「すごい大っきな恐竜、私初めて見て、…ちょっとバカにしてたんですけどね…“恐竜の魅力?何だ?”みたいに思ってましたけど(笑)、あれはやっぱり、すごい魅力ですね。」
アナウンサー「(笑)あらら。」
小林先生「(笑)ハハハハ」
久留飛先生「あのサイズ感っていうのはずば抜けて……すごいです。昆虫と比べたら……なあ?って。昆虫もあんだけ大きかったら、あんだけブームになるのになあ(笑)。そのぐらい恐竜は魅力たっぷりですね。」
小林先生「(笑)フフフフ」⇦余裕の笑み?
夏休みの番組で昆虫スペシャルもあったし、恐竜よりも古い時代から生きていたらしいし、昆虫ガチのお子さんもたくさんいるし、昆虫の魅力も十分あると思うけど…。番組的にも昆虫の先生が3人もいるし。それにしてもご高齢夫婦(“ばあちゃん”て奥様ですよね?)のドライブ旅をご無事で終われたようで何より。

小菅先生「札幌市の博物館が、セミの抜け殻調査員というのを募集しまして、いろんな所でセミの抜け殻を見つけて報告しなさいということなんですけど、私は子どもの時からずっとセミ大好きでね、親虫もそうだけど穴から出てきたところを捕まえて、羽化するところを見ていたんで、もう、これは俺がやるしかないだろうと思って、“私やります”って言ったんですよ。
その気になって見ると、子どもの頃あれだけたくさん、街の中にも私の家の庭にもセミがいましたし、植物園にもいましたし、いろーんな所でセミを見てたのに、さあ探そうと思うと、今年…だけかもしれないけれど、いないんですよねえ。」
アナウンサー「そうですか。札幌では…」
小菅先生「抜け殻も見つからない、穴も見つからないんです。木の根元を見てたらよく見つかるんですよ。」
アナウンサー「ありますよね、私も近くの公園でよく見ます。」
小菅先生「そうでしょ? 円山公園っていう自然公園があるけど、そこでも見つからない。鳴き声すらあんまり聞こえないですよ。本州に来ると、東京ばかりでなくて名古屋でも九州でも、とにかくうるさいぐらい鳴いている。街の中でも。札幌は昔はいたけど、今はもしかしたら減っちゃったんじゃないかなと思って。どうしてなんですか…。」
アナウンサー「どうしてなんですか?久留飛先生?」
久留飛先生「いや、全然分かりませんよこんなん。」
先生方&アナウンサー「……(笑)アハハハハ」⇦一瞬凍りつくスタジオ。
小菅先生「それちょっと冷たい言い方(笑)。」
久留飛先生「確かにこういう自然の中で生きてて、いろんな生き物との関係もあって、“天気がこうだから”だけでは一直線に繋がらないと思うんですわ。」
小菅先生「うんうん。」
久留飛先生「というのは、モグラが食べたりとか。」
小菅先生「あああ…」
久留飛先生「土の中は安全と言えば安全なんですけども、やっぱりいろんな関係の中で、多い年もあれば少ない年もありながらという…」
小菅先生「北海道はモグラいないんですよね。」
久留飛先生「いないんですか!」
小菅先生「トガリネズミぐらい。小っちゃいですよ。」
久留飛先生「ほんなら土の中は安全ですよね。」
小菅先生「安全だと思うんですけどねえ。」
久留飛先生「ならヌクヌクと育ってるはずです。」
小菅先生「けどいないんですよ。」
アナウンサー「これは北海道の謎ということで解明しないと…」
小菅先生「まあ、今年だけかもしれないんでね、また来年も継続してやろうと思うので。そうすると、その年によって違いとかね…」
アナウンサー「見えてくるかもしれませんね。」
小菅先生「何か、子どもの時に比べたら全っ然少ないですよ。」
久留飛先生「逆のこともよくあって、クマゼミが大阪ですごく増えた時に“何で今年多いんですか”って言われて、“それ分かりませんよ”って。だから何で増えたり減ったりするのかが…土の中で5年も6年もいますからね、その間にどんなうまいこと生きてんのやろって…」
小菅先生「不安なのはこのままいって、札幌からセミがいなくなったらどうしようかと思って。」
アナウンサー「今日、北海道のお友だちも聞いていたら、何か気づいたことがあったら…」
小菅先生「教えてほしいですね。」
アナウンサー「ご連絡下さい。」
贅沢旅行のおかげか、久留飛先生、恐竜をバカにしてたとか突き放した回答とか、冒頭からグサグサ刺してくる発言が絶好調。

アナウンサー「(小林先生に)チコちゃん…にも先日出ていらっしゃいましたね(笑)。」
小林先生「一昨日ですかね(笑)、何かちょっと出てましたね。(笑)ハハ。」⇦職場でついてたテレビでたまたま見てしまって、ついつい仕事をサボってしまった。
アナウンサー「恐竜博もあって本当にお忙しいと思いますが、今年の夏の思い出と言えば…」
小林先生「7月にアラスカに行って、つい最近までモンゴルも行って、なかなか面白い発見もあったんですけど、僕の中でこの夏の思い出、と言いますか、やっぱり「恐竜博2019」でデイノケイルスとかむかわ竜がああいう形になって。僕は研究ずっとやってて分かってるつもりだったんですけど、ああやって(骨格標本が)組み上がってみると、あの迫力っていうのがまた実感できたというか、ふつうに驚きましたね。すごいですね、やっぱり恐竜って…(笑)って久留飛先生じゃないんですけど、私も改めて恐竜の凄さを実感しました(笑)。」
久留飛先生「(笑)フッフッフッフッ…」

先生方の夏の思い出話だけでも面白くて満足したんだけど、まだお友だちからの質問が始まってなかった。

Q1 ある日ね、福岡県におばあちゃん家に行った
  んですけど、実は歯磨きしようかと思ったら
  ね、ゴキブリが現れて、おばあちゃんがティッ
  シュで取り上げて殺したんですよ。それでちょ
  っとかわいそうだなあって思って…。(小1男子)

おばあちゃん強い。
アナウンサー「うーん、そっかあ。ゴキブリをおばあちゃんが殺しちゃったのを見て、かわいそうだなあと思ったのね?」
質問者「そう。」
アナウンサー「で、先生に聞いてみたい質問はどんなことかな?」
質問者「うーん………何で殺すの?っていう問題ですかね。」
アナウンサー「そっかあ。○○君はゴキブリってどんなふうに思ってる?」
質問者「角がないカブトムシみたいな昆虫のイメージ。」
アナウンサー「あっ、そうだよね、黒くてピカピカしてね。○○君はゴキブリ好きなのかな?」⇦質問者に合わせてゴキブリを肯定的に描写。さすがだ。
質問者「まあ……ふつうってところ。」
久留飛先生かな?「(笑)フッフッフ…」
質問者「でもヨロヨロ歩いてるやつ。」
アナウンサー「そうなのね。でも殺さなくてもいいのになあ、かわいそうだなあと思ってるのかな?」
質問者「雑草とかねえ、生きてるのに。」
声はめちゃくちゃかわいいんだけど、よどみなく自由に話せる1年生…恐るべし。

久留飛先生「おばあちゃんがゴキブリを捕まえたって、すごいおばあちゃんやな。ゴキブリって大きかった? 小っちゃかった?」
質問者「えー、中くらい。」⇦いちばん困る返事。
久留飛先生「(小声で)中くらい。難しいなぁ。」⇦お察しします。
小菅先生か?「(笑)フッフッフッフッフッフッ…」
久留飛先生「多分、お家の中で、あなたが歯磨きしてるというのは、水の周りというか、ゴキブリが住みやすい所やねんね。住みやすい所にいて、おばあちゃんがそれを見てバシッ……。ふつうは捕まえること自体が難しいんやけど、それをあなたが見て、それはアカンやろって思ったんやろ?」
質問者「はい。あとクモもいたんですよ。」
久留飛先生「クモもいたのか。すごいなあ……三すくみみたいな話やな…。」⇦おばあちゃんはクモは見逃したんだろうか。だとしたら余計に殺されたゴキブリが哀れに感じるのかな…。
久留飛先生「ゴキブリ自体、私たちがすごく嫌なイメージを持ってるけど、あなたが言うように、同じ生き物の中でちょっと変わってるなというところは…私、ゴキブリを飼育したことあるけど、ちょっと独特のにおいがするんやわ。においってかいだことあるかな?」
質問者「んー、ないです。」
久留飛先生「ないよね。たくさん、例えば1000匹ぐらい飼ってるとね、やっぱりにおいがしてきて、何となく油ぎったような生臭いようなにおいがするんです。あのにおいは馴染まないかなって感じもするけど、まあ別にゴキブリが悪いことしてるかどうか、前も調べたことがあるけど、それほど悪いことはしてないんや。」
質問者「はい。」
久留飛先生「悪いことはしてないけど、悪いことだけを言えば、あんまり集まって増えてくると、硬くなった皮膚をかじったりする例もあったり。そういう悪さをする時もあるけど、ほとんどは隅っこに隠れて暮らしてるよね?」
質問者「うん、そうですね。」
久留飛先生「だから、あえて危険を冒して出てこないんや。そら、向こうかて生きていかなアカンから。」
質問者「なるほど。」
久留飛先生「なるほどなんよ。行動からすると隠れ隠れして移動してるのがよく分かるわ。ただな、前にも見たことあるねんけども、広い所を横切ろうとしたら、枯れ葉が風に吹かれたような行動するの見たことあんねん。シュシュシュシュって走って止まって、またシュシュシュシュって走って止まる。」
質問者「なるほど。」
久留飛先生「向こうかて、敵に見つからないような行動もしてるし、体もとても平べったくて、隅っこに入りやすい形をしてる。」
質問者「腐ったベーコンとか?」
久留飛先生「(笑)腐ったベーコンって…それは食べるかどうかということ? においか?」
質問者「うん、そうです。あとは賞味期限が切れたソーセージ。」
久留飛先生「…んーまた違うなあ。1度捕まえてにおいをかいだ方がええと思うけど、それは自分で体験する方がいいわな。私はちょっと生臭いなと思ったけど、君は“あ、このにおいイケるやん”って思うかもしれんやん。」
質問者「うん。」
久留飛先生「みんなの多数の意見としては、汚いとかヌルヌルして嫌だとか、向かってくるとか、そういう悪いイメージがたくさんあるけど、自分で確かめる方がいいと思うねん。ゴキブリって聞いた途端に嫌なイメージがワッと湧いてきて嫌だなと思うかもしれないし、あなたはあなたのゴキブリとのつきあいをしたらいいと思うねん。」
質問者「ありがとうございます。」
久留飛先生「えっ!もういいか?」
スタジオ内「(笑)アハハハハ」
アナウンサー「(笑)確かに、嫌われ者になりがちなゴキブリですけれども…」
質問者「はい、ほうきで叩かれてかわいそうだったり。」
久留飛先生「うーん…まあ、叩かれるゴキブリも鈍い奴やなあと思うけど(笑)、でもそこまでする必要ないよな。」
質問者「うん。そうですねっ。」
久留飛先生「私も保健所(勤務)の時に思ってたのは、ゴキブリはそんな悪くなくて、ただ、増えてくると、家の中が片付いていない証拠やから、片付けたら?と。家の掃除をちゃんとしたらどうですか?という言い方をしててん。」
質問者「はい。じゃ、知らせてくれてるんですね。」
久留飛先生「あっ、そうやな。もうちょっときれいに生きろと。」
小菅先生「…んー…。」
アナウンサー「ああ…なるほど。やはり不衛生にしていると…」
久留飛先生「んー、その不衛生というのも変な話で、そういう住み処、隅っこがたくさんあったり、エサがポロポロ落ちてたり、ゴキブリにとって住みやすい場所は、私たちから見ると不衛生だというイメージになるけど、ゴキブリはゴキブリの生き方があるから、住みにくいようにしてあげるとあんまり増えないよと…。そういうことやんな。」
質問者「なるほど。」
久留飛先生「増やしてから駆除するのは変な話やんな? 最初から増えないように…おばあちゃんみたいに嫌いな人がおんのやったら、増えないようにしてあげればいいわけやんな。」
質問者「はい!」
アナウンサー「仮にいたとしても、必ずしも害が…」
久留飛先生「またその話をすると長くなるけど、害っていうのは例えば病原菌を運ぶとか、囓り回る実害とかを考えたら、病原菌って昔はあったんよ。感染症とか伝染病が流行った時代であればゴキブリも持ってたと。捕まえて菌を調べたら持ってることもあんねや。」
質問者「ああなるほど。」
久留飛先生「逆に考えたらゴキブリは被害者や。」
小菅先生「うん。」⇦聞き入っている。
質問者「なるほどね。」
久留飛先生「たまたまつまみ食いした結果、病原菌を持ってしまったという…濡れ衣やんかって思ってるかもしれん。ただ(菌の)運び役にはなるから、病原菌がたくさんいる所にゴキブリがいるのはちょっと困るわな。」
質問者「ああ、そうですよ。」
久留飛先生「せやけど今はそういうことってあんまりないんや。感染症がたくさん発生してる状況にないから、そういう意味の危なさは少ないと思うで。」
アナウンサー「なるほど…分かりました。」
久留飛先生「もっといろんなこと学んだらいいと思うなあ。」⇦これは子どもたちだけに言ってないよね。
アナウンサー「○○君、先生のお話を聞いてどうですか?」
質問者「すっごく嬉しいアドバイスでした。」
先生方「(笑)ハハハハ」
久留飛先生「(笑)ありがとう。」
アナウンサー「(笑)そうか、良かった。」

世間の価値観に染まってないお子さんの考え方はすごいなあ。その考え方を先生に後押しされた感じだったんだろうな。先生からしても意気投合してくれるお子さんで嬉しかったかも。それにしても保健所とは言え、ゴキブリを1000匹飼育する仕事も衝撃だった。


Q2 どうしてワニの歯はギザギザなんですか?
  (6才女子)

アナウンサー「ワニの歯ね? どこかで見たの?」
質問者「動物園で見て…昔。で、何か食べてたような気がして、その時、歯がギジャギジャで、何でギジャギジャなんだろうって思いました。」
このお子さんもスラスラお話ができてすごい~。ギジャギジャもかわいい~。けど6才のお子さんの「昔」とはいつだ?

小菅先生「大きいワニだったかい?」
質問者「…はい。」
小菅先生「そうか。歯がギザギザしてたって、もうちょっと詳しく説明して。」⇦6才には難しい注文ではないでしょうかね?
質問者「動物園で見て、……何か食べてて、……何か、歯がギジャギジャで、何でギジャギジャなんだろうって思いました。」⇦やっぱり。
小菅先生「歯がギザギザって、歯そのものがギザギザ? それともギザギザみたく歯が生えてたってこと?」
質問者「……そうです。」
小菅先生「あ、ギザギザのように見えた?」
質問者「はい。」
小菅先生「そうか。○○ちゃんはギザギザの歯でない、先は尖ってないもんね。そういうことかな?」
質問者「はい。」
小菅先生「ワニの歯って、みんな同じ形してるの。」
質問者「えっ?」
質問者「先はみんな尖ってるの。上から見るとまん丸で、…そうか、円錐って言っても分かんないよね。まん丸で先が尖ってるの。」
質問者「みんな同じなんだ。」
小菅先生「うん、みんな同じ歯の形なの。人間だと前歯の形と奥歯の形が違うでしょ?」
質問者「うん、違った。」
小菅先生「ワニはそうじゃなくて、歯はみんな円錐で同じ形してるの。だから横から見るとギザギザになって見えるんだよ。」
質問者「そうなんだ。」
小菅先生「うん。もう1つ(人間と)違うのはね、…○○ちゃんは自分の歯が抜けたことある?」
質問者「ある。1回。」
小菅先生「そうか。その歯の根元を見たらどうなってた?」
質問者「何か尖ってたような……」
小菅先生「尖ってた?」
質問者「うーん何か、まん丸っぽい形してた。」
小菅先生「そう、それと同じ形なんだよ。永久歯…○○ちゃんにこれから生えてくる歯は下に根っこがあるの。だから簡単に取れないんだけど、乳歯の時にはその根っこがないの。ワニの歯はみんなそんな形してるの。」
質問者「根っこがない? そうなんだ。」
小菅先生「だからポロッて、よく抜けるんだ。」
質問者「ええ…」
小菅先生「抜けたらその下にちゃんと次の歯が出てきてるんだよ。」
質問者「うん、ちょっと今、大人の歯が出てきてる。」⇦育ち盛りなんだなあ。聞いてて嬉しくなる。
小菅先生「○○ちゃんの歯か。それがね、ワニは何回もあるの。」
質問者「ええ…」
小菅先生「○○ちゃんは1回しかないからね。1本の歯が抜けて下から1本出てきたらそれで終わりだから。だから大事にしなきゃならない。もちろんワニも大事にしてるんだけど、ワニはどんどんどんどん生え変わっていくんだよ。」
質問者「そうなんだ。」
小菅先生「うん。しかも歯の数はめちゃくちゃ多い。おじさん数えたことないけど60本以上あるなあ。」
質問者「ええっ!?」
小菅先生「おじさん、動物園でワニ飼ってた時もあったんだ。掃除してたら、歯が抜けてるんだよ。しょっちゅう抜けてんの。だけどワニさんがカッと口を開けた時には、別に抜けた跡なんて見えないんだよ。」
質問者「そうなんだ…。」
小菅先生「うん。○○ちゃんとは違う歯のでき方をしてるということと、全部が同じ形で先が尖ってるの。だから横から見るとギザギザに見えたんだね。歯が違うっていうことが分かりました?」
質問者「分かった。」
小菅先生「だけど歯自体にはギザギザはないからね。割とツルッとしてるんだよ。そんなに刺さりやすい歯にも見えないんだけどね。」
アナウンサー「へええ~。尖った形をして、それがズラーッと並んでいるという…」
小菅先生「そうです。その形しかないので。横から見ると三角形なのでギザギザに見えるということなんですよ。」
アナウンサー「先が尖っているというのは、肉食で肉を食べる…獲物をとる…」
小菅先生「いやいや、刺さりやすいですよね。噛み潰すということがないですよね。○○ちゃん、ワニは咬みついて、ひきちぎって、丸飲みするだけなの。」⇦マジか…急にすごいことを話し出す。
質問者「ええ!?」
小菅先生「○○ちゃんは口に入れてからよーく噛むでしょ? そういうことしないの。ガブッて咬んでクルクルってやって、ちぎったやつをそのままゴックンと飲んでおしまい。」
質問者「えええっ!?」
小菅先生「すり潰すための歯がいらないんだ。噛みついた時にグサッと全部刺さる歯が必要なんだよね。」
質問者「そうなんだ。」
小菅先生「(動物園では)エサ食べてるところを見たの?」
質問者「うん。」
小菅先生「そしたら噛まないで丸飲みしてたでしょ?」
質問者「うん。」
動物園ではさすがに生きたままのエサはやらないから、襲って噛みついて引きちぎるシーンは省略されてるもんね。そりゃ小菅先生のお話にビックリするよね。
ワニの歯の生え変わり話も面白かったけど(根っこが無いとか知らなかった)、ギザギザの理由は噛みちぎって丸飲みする食事スタイルに合わせて、刺さりやすくなってるからなのか。

Q3 肉食恐竜は草は食べないのですか?(小1男子)

アナウンサー「○○君は恐竜が好きなのかな?」
質問者「はい。」
アナウンサー「どんな恐竜知ってる?」
質問者「デイノニクスやトロオドンや……フクイラプトルです。」
アナウンサー「いろいろ名前が出てくるね。今年の夏休みは恐竜に関するものを見に行ったりしました?」
質問者「10月に「恐竜博2019」に行きます。」
小林先生「○○君は肉食ですか? 草食ですか?」
質問者「…んー雑食です。」
スタジオ内「(笑)ハハハハ」
小林先生「(笑)雑食、そうだね。どちらかというとどっちだろう?」
質問者「うーん、肉食?」
小林先生「肉食なんだ。で、たまに草…植物も食べるんだ。」
質問者「はい。」
小林先生「で、肉食恐竜って種類で言うとどんなのがいる?」
質問者「…うーん…」
小林先生「さっきデイノニクス、トロオドン、フクイラプトルってあったけど、デイノニクスって肉食?」
質問者「肉食。」
小林先生「トロオドンは?」
質問者「肉食です。」
小林先生「フクイラプトルは?」
質問者「肉食。」
すごい…先生からの逆質問に即答。そして他の先生の時にはない緊張感。

小林先生「トロオドンは実は肉食かどうかの議論があるんだけど、よく肉食恐竜っていうと獣脚類の恐竜ってね…分かる?獣脚類。」
質問者「はい。」
小林先生「恐竜っていろんな種類があって、その中で獣脚類は肉食、それ以外の恐竜はみんな植物食でしょ?」
質問者「はい。」
小林先生「獣脚類の中でもいろんな恐竜がいるんだけど、…恐竜の図鑑とか持ってるかな?」
質問者「はい。」 
小林先生「例えば、肉食の恐竜と言えばティラノサウルスなんか有名だけど、…○○君の質問をちょっと変えると、鋭い歯を持った、ステーキナイフみたいな歯をもった肉食恐竜が草を食べたかっていう質問と考えてもいいかな?」
質問者「は…はい。」
小林先生「獣脚類の中でも植物を食べてる恐竜はいっぱいいるので、ティラノサウルスは植物を食べたのか、そういう話でもいいのかな?」
質問者「はい。」
小林先生「答えとしては、ティラノサウルスは基本的には肉ばっかり食べてたと思います。ただ、たまに植物を食べててもおかしくないかなって先生は思ってます。というのは、ワニなんかも…ワニって肉食でしょう? だけどたまにフルーツを食べたりするって事例があるんだよね。」
質問者「はい。」
小林先生「だから、化石の記録としてはティラノサウルスがバリバリ植物を食べてたっていう証拠はないんだけど、多分、必要に応じて食べてたんじゃないかなって思います。ただ、化石って記録が残らないので、かなり想像で、先生は今ワニの例を挙げたけど、今生きている動物をけっこう参考にしてるのよ。
ということで、小菅先生(笑)、今生きている肉食…哺乳類でも何でもいいんですけど、例えばライオンは草を食べるものなんですか?」
小菅先生「ライオンは間違いなく食べますね。」
小林先生「ああ~。そうですか。」
小菅先生「これは恐竜も同じだと思うんだけど、ライオンがシマウマを襲って食べる時に、真っ先に食べるのは内臓なんですよ。内臓の中には植物がたくさんあるので、結果的に植物をたくさん食べてる、ということになるんですけどね。
それから、よくイエネコが外に出ていって草を食べるというのも見られますしね。」
小林先生「確かに、肉食の恐竜化石の中に胃石っていう石が含まれていて、それも植物食恐竜の胃を食べたから、胃石ごと丸飲みして残ったんじゃないか、なんていう…。だから間接的にそういうこともあるかもしれないですね。」
質問者「ああ…はい。」⇦大人の先生どうしの話(しかも早口)にも頑張ってついてきている。文字に起こしてないけど「はい」「はい」って細かい相槌が聞こえるもん。頑張ってるなあ。

小林先生「今は脊椎動物だけの話をしてるけど、久留飛先生、昆虫なんかも、肉食の昆虫はいろいろ多様性があるというか…」
久留飛先生「ありますよね。私たちが草食って決めつけてるけど、まあ、ちょっと違うものも食べてみたいやんってやつもおんねんな。最近の発見では、ハエトリグモは肉食やって言われてたけど、植物も食べるという報告が出たり…ていう具合に、私らが知らんだけで、どこかでつまみ食いしてるかもしれへんよ、ということはあると思うよ。」
小林先生「うん…」
質問者「(笑)ヘヘッ。」
小林先生「だから恐竜も多分、主に食べてるのは肉なんだけども、今、久留飛先生がつまみ食いっていう言い方したんだけど、そういう意味では恐竜も、必要に応じて植物を…好んで食べたか、しょうがなく食べたかは別にして、食べてたことはあったんじゃないかな、と思います。」
アナウンサー「ほおおー…これは、お肉ばっかり食べていると胃や腸が疲れちゃう(笑)みたいな感じのことって…」⇦これは年齢とか現代人の問題?
小林先生「(笑)そこはちょっと分からないですけど…」
小菅先生「犬とか猫を見てると、偶然じゃなくて、嫌々じゃなくて植物を食べに行ってますよね。やっぱり体が必要としてるんじゃないですかね。」
小林先生「ああ、そうなんですねえ…んー…」⇦回答する立場ながら、他の先生方の意見に聞き入ってる感じ。今の動物を参考にするやり方を見せて(聞かせて)いるのかもしれないけど。

小林先生「○○君、恐竜の疑問を持った時って、実は僕らも今生きている動物をすごく参考にするんだよね。だから恐竜の質問があった時に、動物園に行ったり、身の回りの昆虫を見たり、いろんな動物を見ながら恐竜を想像するといいかなと思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君はどう思う? 肉食恐竜も草を食べてたんじゃないかと思う?」
質問者「んー、少しは食べていたと思います。」
アナウンサー「そっかぁ。じゃ、肉食の動物のことも研究してみるといいかもしれないね。」
恐竜学者になるには今の動物のことを知っていないといけないって、以前にも言ってたもんな。化石発掘だけじゃない恐竜研究の一面を教えてもらった質問だった。

Q4 家にジャバラの木を植えているのですが、近
  くにいろんな木があるのに毎日のようにアゲハ
  がやって来て卵を生みに来ます。どうやってジ
  ャバラとかの柑橘類の木とそうでない木を見
  分けているのでしょうか?(中1男子)

ジャバラって初めて聞いた。かなり珍しい柑橘類らしい。
アナウンサー「○○君はどうしてかなって考えてみたりする?」
質問者「えーと……においとかそういうものかなぁと。」
久留飛先生「アゲハチョウがいつも来てるのを見てたのかな? いっぱいいろんな植物の葉っぱがあるのに、何でその柑橘類(の葉っぱ)を選べるんやなと思ったんやろね。」
質問者「はい。」
久留飛先生「基本的に言えば、触角ってあるやろ? そこでにおいを感じて近くまで行くらしいわ。ま、ふだんからウロウロしてんねんけどな。ここに行けばミカンの木がある、ということが分かってるんやな。それは触角でにおいを感じてると言われてんねん。」
質問者「なるほど。」
久留飛先生「ところが、ここがホンマにミカンの葉っぱかどうかを確認するには、近くに行ったらミカンの葉っぱと他の葉っぱが重なってることもあるやろ? なのに何でそっちの方がOKってなるかと言ったら、どうも脚の先ににおいを感じるセンサーがついてると言われてる。やからそこで“これは確かにミカンの葉っぱだ”っていう具合に感じることができる。メスはそれを感じてそこに卵を生む。オッケーって合図をするみたいよ。」
質問者「なるほど。」
久留飛先生「昆虫というのは基本的に体の中でいろんなセンサーを分け分けしてんのや。触角がにおいを感じたり、脚の先は最後の確認のためのセンサーがあったり。交尾をする時や卵を生む時はお尻にも光を感じるセンサーがあったり、体のいろんなところを上手いこと使い分けて、最適な行動ができるような仕組みがある。」
人間のセンサーは顔というか頭部に集中してるけど、昆虫は分散してるんだ。「分け分け」って言い方かわいいな。

質問者「なるほど。」
久留飛先生「という具合に、私たちは全てを頭の中で考えてるように思うけど、昆虫たちはいろんな部分でも感じてるという…ちょっと世界が違うような気もするけどな。何でそこにたどり着けるかというのは逆やねん。たどり着いたから卵を生めたわけよ。やから、そういう能力があるからミカンにたどり着いた、そこにたどり着いたメスは卵を生んだ、で、そこで育って成虫に育つという……そういう性質を持ってるやつが今、繋がっているということやんな。」
質問者「……ふん…」
久留飛先生「進化の話をすると、そういうことができたからじゃなくて、そういうことができるやつが生き残ったという考えやな。よくあるやん、そんな思いがあったからといって形が変わるわけじゃないやん、そういう形が先にあるから、そういう能力を持ったから、そこに行けるやつが残ったわけやん。どう?」⇦「思いを形に」って生きてるのは人間ぐらい? 進化の話はいつも発想の転換を迫られるような感じ。

質問者「……それやったら、他のチョウとか虫とかも同じようなことしているのかなあと…」
久留飛先生「そうやろ? アゲハはミカンの葉っぱやろ? だけどアオスジアゲハはクスの葉っぱやんか。全然においが違うと思えへん?」
質問者「ああ…。」
久留飛先生「なあ。でも、そういうことは結果的に良かったやん。クスの木の葉っぱを独占できるやん。」
質問者「なるほど、確かに。」
久留飛先生「結果として、そういう具合に好みが変わるということは、生き延びるにはすごく良かったわな。みんなで同じようにミカンの葉っぱばかり食べてたら無くなるやろ? だからそれぞれが違うものを上手く、自分の世界を築いたわけやん。」
アナウンサー「久留飛先生、触角でにおいを感じるというのは離れた所からでも…」
久留飛先生「割と遠くから感じるみたいですよ。それはファーブルという人が、ヤママユというガのメスを虫かごに閉じ込めておいてたら、すごく遠くからオスが飛んできたという…本当に微量のにおいで飛んでくる能力を持っている。オスの触角はほうき状にバッと広がってて、メス(の触角)はムチ状というか、あまり広がってない。ということはオスはそのにおいを頼りにメスの所に行くという能力に長けている。ホンマにすごい微量の濃度やと言われてますね。」
アナウンサー「そうですか…。○○君、聞いてみてどうですか?」
質問者「何か、全てのことが全て計算されてるような感じです。」
久留飛先生「ああ…、計算されてるんじゃないねん。それも進化論の話をすると、そういう能力を持ってるから今生き延びてる、という言い方をせなあかん。計算して動いてるように見えるやんな。」
質問者「ああ…はい。」
アナウンサー「そういう能力を備えているからこそ生き抜いていると…改めて生き物ってすごいですね。」
久留飛先生「逆なんですよ。そういう能力を持ってるから生き延びてるだけで、そういうやつしか生き延びれないという……言い方がもどかしいですけどね。」
アナウンサー「そうですね、なるほど。今度ぜひ触角とかセンサーが…脚のセンサーなんて見て分かるものではない…」
久留飛先生「それはネットによく、脚の跗節(ふせつ)の先に“ここだ!”っていうような写真が出てますね。」
調べてみたら“ここだ!”みたいな図説があった。においじゃなくて味を感じるらしい。脚で掴まるから脚にセンサーがついたのなら、すごい合理的。間違えたらせっかく卵を生んでも幼虫が育たないもんね。自分のエサのためじゃなくて、幼虫のエサになる葉っぱかどうかを確かめる能力を持ってるってすごいな。それがあるから世代を繋いで生き続けている。

Q5 4本脚で歩く動物でいちばん頭がいいのは何で
  すか?(5才男子)

アナウンサー「○○君はどんな動物が頭がいいと思う?」
質問者「うん……ライオンは狩りが、他の動物に比べて上手だから、ライオンが頭がいいって思ってる。」
小菅先生「○○君はライオンは頭がいいと思う。何で?」
質問者「狩りにも失敗することはあるけど、ほぼ完全に他の動物より狩りが上手だから。」
小菅先生「そうかあ…。おじさんはね、ライオンは狩りが下手でねえかと思うんだよな。」
質問者「…ハッ」⇦早々に反論されてびっくり?
小菅先生「何でかというと、ライオンの仲間のヒョウにしてもトラにしても、1頭で獲物をとっているんだよね。だけどライオンは集団でなきゃ獲れない。だから、1頭でちゃんと獲れる動物と、何頭かで協力しなきゃ獲れない動物とで、どっちが頭がいいかを考えた時に、どういう判断をするかだよね。○○君はみんなと協力して1つのことができるから頭がいいと考えてるんだね?」
質問者「うん。」
小菅先生「でもさぁ、おじさんは1頭で全てやりきれる方が頭がいいと思うんだけど、そこはどうだ?」
質問者「うーん、……集団の方が。」⇦自分の考えを貫けるのすごいな。
小菅先生「そういうふうに考えて、狩りをする時にいろんな人と情報交換しながら仕留めることができる、そういう能力を頭がいいと、○○君は思うわけだね?」
質問者「うん。」
小菅先生「それはどういうことを頭がいいと判断するかなんだよ。みんなでいろんな話し合いをしながらちゃんとやっていけるのを頭がいいと規定すれば、それは1頭で暮らして1頭でしか(狩りが)できない方が頭が良くない、という判断になるけど、1頭で全てをやりきれる能力を持っている方が頭がいいと、おじさんみたく考えるんであれば、ライオンはそんなに頭が良くないんじゃないかと思うわけだから。そこが問題なんだけど、○○君、何をもって頭がいい動物かっていうのを一概に…○○君が考えてる“これが頭がいいんだ”ということを決めつけることって、なかなかできないんじゃないか?」
アナウンサー「んー…小菅先生がお考えになる、いちばん賢い4本脚の動物というと…」
小菅先生「みーんなそれぞれめちゃくちゃ賢いよ。」
アナウンサー「(笑)難しい…」
小菅先生「うん。さっき久留飛先生がいろんな話をしたでしょ。同じチョウチョでもいろんな生き方があるよって。それはそれぞれ、その生き方をするには最善で最良で最強の能力を持っていると思うんだ。」
質問者「うん。」
小菅先生「それぞれみんな、肉体もそうだけど頭(の良さ)もみんな、それに合った頭をしてるんだよ。そういうふうに考えると、どれがいちばん頭がいいかを比較するのは、とっっても難しい。いちばん重たい動物だったら量ればいいだけでしょ? それはできる。いちばん小さな動物だったら、それも測ればできるでしょ? だけど、頭がいいか悪いかっていうのは測りようがない。」
アナウンサー「そうですね。例えば、小菅先生がご覧になってて賢いと思う瞬間って、具体例を挙げるとどんな動物のどんなところですか?」
小菅先生「例えばね、1頭で暮らしているヒョウなんか見ても、この時間帯にここへ行けば狩りが成功する可能性がいちばん高いということを、ちゃんと環境を見て時間を見て判断してること。さらに大きなライオンが近くにいるかどうかっていうことをちゃんと見極めなきゃならないし、(獲物が)来たら一気にそれを捕まえて、木の上に駆け上らなきゃならない、ということまで全部想定して、狩りを始めているの。」
アナウンサー「あああ…なるほどね。」
小菅先生「ところがライオンを見ると、自分より強いのがいないから、もうわがまま放題。自分で何でもできる。だから、どちらが考えているかっていうと、どんな生き物もみんなそうで…今はヒョウのこと言ったけど、全ての動物の生き方を見ると、みんなが頭いいんじゃないかとおじさんは思うんだけどね。」
アナウンサー「○○君、これからいろんな動物がどんな点で賢いのかなっていうのを、比べてみたり調べてみるといいかもしれないね。」
質問者「はい。」

お子さんの考えは否定せずに答えは1つじゃないよって教えていた小菅先生。今日は考えさせられる質問が多いな。

Q6 アルゼンチノサウルスなどの大型竜脚類は長
  生きできたんですか?(小5男子)

アナウンサー「アルゼンチノサウルスは大型の竜脚類ということですが、どんな恐竜かちょっと説明してもらえますか?」
質問者「全長が35メートルぐらいで、史上最大級の恐竜って、図鑑で見ました。」
アナウンサー「そうなのね。どうして長生きできるかどうかを疑問に思ったの?」
質問者「大型動物って何となく長生きする印象があるんですけど、アルゼンチノサウルスなどの大型の竜脚類は体が茹だってしまうと本で見て、あと、あの体を動かすのにエネルギーを大量に使ってしまうんではないかと思ってしまって、長生きできたのかと思いました。」
茹だってしまうってどういうことだろう。恐竜が分からないことだらけっていう分野だからなのか、恐竜の質問をするお子さんはみんな自分なりに考えてくるからすごいよね。

小林先生「アルゼンチノサウルスの寿命って何才ぐらいだと思う?」
質問者「うーん……30才超えてるぐらい。」
小林先生「人間の寿命ってどのぐらい?」
質問者「80才ぐらい。」
小林先生「じゃあ30才ってずい分短いね。不思議じゃない?」
質問者「はい。」
小林先生「これは動物全般に言える話で…○○君いいですか? 大きい動物の方が長生きする傾向にあります。これは恐竜だからとか関係ないんです。あらゆる動物。」⇦質問者が何となく思ってたことは当たってた。
小林先生「僕ら恐竜(研究者)は、これまた今生きてる動物を参考にするんだけど、例えば動物園に行って寿命を測るのは大変じゃん。その動物が死ぬまで待ってると時間が足りないから、例えばどのぐらいの呼吸数、1分間にどのぐらい呼吸してるかっていうのを測ってみるといいと思います。実は体重ってすごく大事で、今言ったみたいに体が重ければ寿命が長いとか、あと大きくなると呼吸の数は少なくなります。あと心拍数…心臓がドキドキするのも大きい動物の方がゆっくりになったりするんだよね。○○君はペットとか飼ってないのかな? 猫とか犬とか。」
質問者「魚しか…。」
小林先生「魚か。魚の心臓音を聞くのは大変だね。だから友だちの家に行って、ペットの心臓のドキドキする数を聞いて、自分の心拍数と比較してみるといいと思うんだけど、体重が重い方が長生きする傾向があります。なので恐竜もおそらくそうなんだけど、何才まで長生きしたのかって分かりづらい。アルゼンチノサウルスは分かってないんですが、その仲間は40何才まで生きていたんじゃないか、なんて話はあります。」
質問者「あっ……」
小林先生「小菅先生、そうですよね? ゾウなんてやっぱり長生きする傾向…」
小菅先生「うん、長生きですね。60才を超えて生きているのはけっこういますからね。」
小林先生「動物園で飼育してても、やっぱり体の大きさと寿命って何となく…」
小菅先生「大体…今仰ったように、大きい方が寿命が長いですよね。カバは大きいでしょ? カバは50才ぐらいで厳しいかなって僕は思ってたんだけど、円山動物園のカバが今回それを突破したので、やっぱり50才以上いくんだから、大した寿命だなと思うんですよね。」
小林先生「ほおお…。今、円山動物園の中でいちばん長生きしてる動物って何才ぐらいなんですか?」
小菅先生「今ですか? 今言ったカバですね。ただ、旭山動物園で私が飼ってたゾウは66で確か亡くなったはず。」
小林先生「そうなんですね、んんーなるほど…」
まだ分かってない部分の質問だからなのか、今日の小林先生は他の先生を巻き込んで自らも考えながら回答してる。今の生き物を参考にするのも当然ながら、分からないことはみんなで考えるやり方なのかしら。

小林先生「○○君がした質問はアルゼンチノサウルスっていう質問からスタートしてるんだけど、実はすごく壮大…大きいテーマの質問なんだよ。」
質問者「はあ……。」
小林先生「恐竜にとどまらない質問なので、そういう目線で見てみると面白いと思う。なので長生きだけじゃなくて、呼吸の数だったり心拍数だったり、代謝率って言うのも、いろんなものが体重または体の大きさに関係してるから、そういうのに注目して動物園に行くと面白いかもしれない。」
質問者「はい。」
アナウンサー「小林先生、先ほど○○君が言ってくれたのは、大きな体を動かすためにエネルギーがたくさん必要だから消耗してしまうんではないか、ということだったと思うんですが、そうではないと…」
小林先生「久留飛先生がさっきチラッと言ったんですけど、大きい体を維持できなかったら生き延びれなかったんですよ。進化できなかったので。そういうデカいアルゼンチノサウルスが存在できたということは、食べ物を獲得する問題もちゃんと解決して生きていたので。おそらくそれだけの大きい体を維持するのは、大量の食糧を食べていたと思うので、そのために長い首とかを生かして食べていたので…ま、その辺の発想ですよね。確かに○○君の質問はすごく面白いんだけど、でも自然界というのはそういうふうに成り立っていると考えてもらうと、進化がさらに面白くなると思いますね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「なるほど…。○○君、先生のお答えを聞いてみてどうですか?」
質問者「分かりました!」
アナウンサー「ちなみに久留飛先生、昆虫は体の大きさと寿命というのは…」
久留飛先生「逆ですね。大きさとは関係なく、とにかく短命というか、早く寿命を終える方に進化をしたように思いますね。長生きをする意味が…例えば交尾をして卵を生む…赤ちゃんを生めることが長生きをする1つの条件になってるから、今のカバちゃんが60まで生きるなんて、60までうまいこと赤ちゃん作れるんかみたいな…。」
小菅先生「それはもちろんあって。人はいわゆる老後ってあるでしょ? 子どもを作れなくても長生きはする。そういう動物はあんまりいないんですよ。」
久留飛先生「ですよね。」
小菅先生「ギリギリまで繁殖能力はあるんです。」
久留飛先生「だからその巨大恐竜も、40年生きたとしたら、繁殖能力を維持していたんじゃないかという…」
小林先生「ああ、そうかもしれませんね。」
アナウンサー「そう考えると面白いですよね。恐竜ってまだまだ分からないことがたくさんあると、いつも先生も仰って下さっていますが、○○君もぜひ、いろいろ調べてみると面白いかもしれないね。」
質問者「はい。」

繁殖能力がなくなっても長く生きられる人間を基準にして、他の生き物のことを考えるとわけが分からなくなるな。

Q7 アゲハチョウが卵が生まれた所に戻ってくる
  のか、サナギで生まれた所に戻ってくるのか、
  どっちですか?(小2男子)

アナウンサー「卵があった場所に最終的にチョウになったアゲハチョウが戻ってくるのか、それともサナギから羽化した所に戻ってくるのか、どっちかなっていうこと?」
質問者「うん。そうです。」
アナウンサー「これはどうして疑問に思ったの?」
質問者「ベランダにアゲハがいっぱい来て、そのアゲハを羽化しそうになってる時に旅行に行って、伊勢志摩のところで放したから。何か心配だから。戻ってくるか戻ってこないか。」
アナウンサー「なるほど、○○君のお家のベランダにあった卵を羽化しそうな時に、旅行先に持って行ったのね?」
質問者「うん。」
アナウンサー「そのチョウチョが○○君のお家に戻ってくるのかどうかってことなのかな?」
質問者「うん、そうです。」
サナギ同行で旅行とは、よほど心配だったのか。車で行ったのか、どうやって持って行ったのか、羽化したところは観察できたのか、いろいろ気になる。結果的に壮大な実験をしたような。

アナウンサー「戻って来てほしいなって思ってる?」
質問者「うん。」
久留飛先生「すごいねえ。そうやって戻って来たらいいなあって思ったんやな?」
質問者「うん、そうです。」
久留飛先生「答えから言うとね、戻らないと思うわ。何でか言うたら、誘惑が多いから。」
質問者「ん…ん?」⇦分からないだろうなあ、「誘惑」が含むあれやこれやを。
久留飛先生「あなたがどこかに行った時に、羽化したそれを放したんやろ? ということはその周りにも…その場はうまいこと“ここはどこや”って分かってるのか分かってないのか難しいんやけど、温室の中で外から採ってきたチョウを飛ばすと、うまく飛ばないことが多いねん。というのはガラスの明るい方に向かって飛んでいってしまって、ぶつかったりすんねん。やけど、ずっと温室で飼育していたチョウは“なんだ、こんだけの広さやな”って分かってるみたいで、うまく飛んでくれたりすることが多いのや。
だからあなたが旅行先で放したアゲハちゃんが、ピョーとどこかへ飛んでいった時に、“ここはどこやねん”と、きっとビックリして、でももといた所に戻ろうという考えよりも、成虫になった時の役割を優先すると思うねん。というのはな、成虫の役割というのは、相手を見つけて交尾をして卵を生むというのが最優先や。相手を探すためには、さっきの質問にもあったけど、アゲハが卵を生んでいい場所、ミカンの木をまず見つけることをまず最優先すると思うねん。」
質問者「うん。」
久留飛先生「何でそんなことをするかというと、メスやったらそうしたいし、オスならば卵を生まへんやろ? 生まへんからそこ(ミカンの木)に行く必要ないと思うかもしれへんけど、行くのや。それは何でかって言うたら、きっとそこの方がメスがいる確率が高いんじゃないかと考えた方が理屈に合うやろ?」⇦成虫の最優先ミッションは誘惑に負けることなのか?
質問者「うん。」
久留飛先生「あっちこっちに無鉄砲に飛んでも同じ仲間を見つけにくいやん。だけどミカンのところで育ったということは、ミカンのところにメスが卵を生みに来るだろう…ということがきっと、オスも分かってると思うねん。で、そこに向かって“ミカンの木はないか”と思って飛んでいって、ひょっとしたらうまいことそこにメスがおるかもしれへん。メスにしたらオスを見つける確率が高いかもしれへんと思ったら、多分、成虫の役割の最大限の目的というのは、次に世代を残すということやから、自分の育った所が懐かしいから行ってみたいなって思わないんじゃないかなと、思ったりすんねんけど、どう思う? 君やったら帰りたいか?」
質問者「わかんない。」
久留飛先生「分かんないよなあ……。多分、昆虫というのは、最大限生き残るためのいろんなことをやろうとするから、成虫はそういう目的で動くと思うで。」
この番組で昆虫のいろんな話を聞いてると、昆虫はとにかく特化して生きてるんだなと感じる。前の質問で久留飛先生が言ってた昆虫の寿命の短さも、最優先の繁殖をした後まで生きてる必要がないという超合理性に通じるし。

質問者「うん。」
アナウンサー「そのアゲハチョウは、ふるさとやお家に帰るというよりは、新たに卵を生んで子どもを残すことをどこかでしているんじゃないかということですね。○○君のベランダには戻ってこないかもしれないけれども、どこかで次の子どもを生んでいるのかなって想像すると…楽しいですよね。」
昆虫スペシャルの時だったか、ジョロウグモのジョロ子の質問に通じるような切なさを感じる。

久留飛先生「そうやな、面白いよね。確かにチョウの仲間で旅をするチョウってのもいるんやで。アサギマダラって聞いたことあると思うけど、春は南から北に向かって、そこで卵を生んで育ったやつがまた北に向かうんや。同じチョウが行ったり来たりじゃなくて、次の世代がそっちに飛んで行くという、何とも不思議な。逆に寒くなって北から南に下るのも同じチョウじゃないねん。ていう具合に、何でそれが分かんのやろな。やからもう世代を超えて渡りをしてるわけや。……難しいな(笑)、ま、それは置いとこ。」⇦自分で話を広げたのに上手くまとまらなかった?
アナウンサー「○○君どうですか、分かりましたか?」
質問者「うん。」
アナウンサー「大丈夫ですか?」
質問者「……ぁぃにゃ?」
アナウンサー「ん? 大丈夫かな?」
久留飛先生「(笑)フッフッフッフッ…」
質問者「だいじょぶ? ぁぃ?……(聞き取れず)」
久留飛先生「まあな、んー難しかったかな。」
アナウンサー「また、新しいチョウもベランダで育ててみるといいかもしれませんね。」
久留飛先生「そうですね。」
アナウンサー「今日はどうもありがとう。さようなら。」
質問者「さようなら…。」
難しい話だったかもしれないけど、最後にちゃんと挨拶ができて良かった。

Q8 カメは血が出るんですか?(4才女子)

アナウンサー「これはどうしてそう思ったの?」
質問者「遊んでる時に皮膚が取れそうだったんです。」
アナウンサー「○○ちゃんはカメを飼ってるの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「そうなんだ。皮膚が取れそうになったので心配になったということかな?」
質問者「はい。」
小菅先生「カメ、どのぐらい飼ってるの?」
質問者「…うーーんと、生まれる前から。」
小菅先生「そっかあ、ずっとお家にいるんだ。今、大きさどのぐらい?」
質問者「中くらい。」⇦またいちばん困るお返事が。
小菅先生「…中くらいか。(笑)うん。でも元気にしてるんだね?」
質問者「うん、元気。」
小菅先生「エサもたくさん食べてる?」
質問者「食べてる。」
小菅先生「ああ…。まず質問の、カメは血が出るかっていうのだけど、ケガをしたら血は出ますよ。それは僕たちと一緒だから。例えば皮膚を切っちゃったとか、それは血が出るんだけど、そんな状況じゃないんでしょ?」
質問者「うん。」
小菅先生「皮膚が取れそうになっちゃったの?」
質問者「うん、取れそうになった。」
小菅先生「そこは血が出てないよね?」
質問者「うん。」
小菅先生「あのね、…アレ、ムズカシイナ……取れそうになってるのは、薄ーい皮でしょ?」⇦心の声が混じってる。今日の小菅先生は未就学児から小林先生からの突然の振りまで対応が幅広い。
質問者「うん。」
小菅先生「あのね、脱皮っていうんだけど、成長していく時に外側の皮を脱いでいくの。ヘビとかワニとかトカゲとか、カメとかの生き物は、…僕とか○○ちゃんだと成長していくのに皮はむけないよね?」
質問者「うん。」
小菅先生「でも垢は出るんだよね。……あ、それもちょっと分かんないな。」⇦今時のお子さんはなかなか垢を見ることないだろうなあ。
小菅先生「だけど爬虫類の仲間は薄い皮がはがれていくの。これは大きくなるしるしなんだ。だから健康でちゃんとエサを食べてて、きちんと生きているカメは、ポロポロと薄ーい皮がむけるんだよ。」
質問者「うん。」
小菅先生「たまに甲羅まで、甲羅の硬いものまではがれる時があるから。でも、それは血が出ない。ふつうのことだから。だから、全然ケガしてるわけでもないし、全然心配いらないんだよ。脱皮してるということは、カメが元気に暮らしてるということだから。
だから今度そういう状態になって皮が取れてしまったら、またしばらくしたら頭ばかりじゃなくてリクガメだったら腕とかも少しむけてくる時があるから、注意して見てたら気がつくよ。見てみてね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「どうですか、○○ちゃん、分かりました?」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「成長して大きくなっていく中で皮を1枚脱いで、また新しい皮ができて、ということを繰り返しているということなんだね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「そのカメには名前をつけたりして、○○ちゃんもお世話してるの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「何ていう名前?」
質問者「かりちゃん。」
アナウンサー「(笑)かりちゃんていうんだ。そっかあ。」
小菅先生「おじさんもカメ大好きでね、子どもの時からずーっと飼ってるんだよ。今もおじさんはカメと一緒に暮らしているんだよ。クサガメ君なんだけどね。おじさんのカメの名前は“たいよう”っていうの。日光浴が大好きだからね。」
アナウンサー「へえええ。素敵ですねえ。」
質問者「うん。」
考えさせられる質問が多い中、脱皮するかりちゃんと日光浴をするたいよう君を想像して和んだ質問だった。

11時台後半にお知らせが。恐竜スペシャルの第2弾、「恐竜博リターンズ」! 9/15(日)は番組がお休みで、9/16(月)8:05~11:50。ほぼ4時間…。前回の8/4のスペシャルで答えられなかった質問がいっぱいあったそうで、どんだけ人気なんだ。回答するのは田中先生と初登場の藤原慎一先生。そして、
アナウンサー「小林快次先生も、ある所から参加して下さるんですよね。」
小林先生「9月8日から28日までモンゴルのゴビ砂漠に行っちゃってるんですけど、調査をしてるんですね。そこから衛星電話で参加する予定ではあるんですけれども(笑)。」
アナウンサー「これは要するに、発掘調査の最前線から…」
小林先生「そうですね。まさに、発掘中のところから皆さんの質問に答えられたらいいかなと思ってます。まぁ衛星電話の状態がどうなるか分からないですけど(笑)。」
アナウンサー「ちなみに、今回の現場は何を発掘することが目的なんですか?」
小林先生「去年発掘した大きい恐竜の骨があるんですけど、その続きを発掘する予定なので…大きなミッションがあります。」
何かを含んだ「ミッション」だな。またすごい発見になるのかな。

Q9 小林先生はアラスカで恐竜たちが定住してい
  たということを調べられていましたが、最新の
  研究成果にはどのようなものがありますか
  ?(中2男子)

声変わりした中学生から久しぶりだ~と思ったら…。会見場の記者のように研究成果まで問うてくるお子さんがいる「子ども科学電話相談」。
アナウンサー「○○君は恐竜は、かなり、詳しい、んですか?」⇦アナウンサーも腰が引け気味。
質問者「まあ、詳しいかどうかは他人の目で見ないと分かりませんけど。」
スタジオ内「(笑)ハッハッハッハッ」
アナウンサー「(笑)そうですね。でも好きなのね?」
質問者「はい。」
小林先生「恐竜がアラスカというか極圏というすごく厳しい環境で生活できた、越冬できたんじゃないか、という話をいろんな所でしてるんだけど、今までは恐竜の化石の方から恐竜が越冬できた、と断言してました。今でもしてます。で、越冬はしてたんだけど、どうやって越冬してたか分からないんですよね…で終わってました。
ただ、この4年間の調査で、実はちょっと面白いことが分かってきて、アラスカだと厳しい環境なので、寒かったり、食べ物が無いんじゃないか、みたいなのがあったんだけど、僕らの研究でアラスカって意外に暖かかったということが分かってきました。」
質問者「ああ~。」
小林先生「例えば、(恐竜時代の)アラスカの年間平均気温が13℃。」
質問者「あっ、日本にも意外と近い感じ。」
小林先生「例えば東京なんか17℃ぐらいなのよ。札幌が9℃ぐらい。ちょうど仙台とかあの辺が年間平均気温が13℃なんだよね。
だから意外に暖かいっていうのと、あと最低月間平均気温、いちばん寒い月の平均気温が、4℃とかなんだよね。だから意外に暖かかったの。」
質問者「ああ~。」
小林先生「さらに驚いてるのが、年間降水量も僕らの研究で分かってきて、…化石で分かるんだよ、年間の降水量とか温度とかが。当時の降水量が、…今の広島ってどのぐらいか分からないけど、東京なんかだと年間降水量が1500ミリぐらいなんだよ。ふつう1000ミリとか1500ミリが多いんだけど、(当時の)アラスカは2500ミリとか。」
質問者「あっ! けっこう雨が降ってた。」
小林先生「日本だと鹿児島とか沖縄とか高知とか。何であの辺が降水量が多いと思う?」
質問者「えっと、南の方に近いっていうのが…」
小林先生「あと秋になると台風が出るでしょ? アメリカの方でも2000ミリを超える場所っていうとフロリダとかなんだよね。あそこハリケーンの通り道なのよ。」
質問者「ああ…。」
小林先生「だからアラスカって、今は寒いんだけど、意外に温度が高くて、いちばん寒い月も実は暖かくて、1年を通して意外にマイルドな気候だったというのが分かってきてます。僕らの研究で。
さらに植物もたくさん生えていて、水も豊富にあると。」
質問者「ああ!」
小林先生「けっこう厳しい環境だと思っていたのが、意外に厳しくなかったっていうか(笑)。」
質問者「(笑)ハハハッ」
小林先生「なので、越冬は十分にできたんじゃないかなあって…実は今話したのは未公表のデータなんでアレなんだけど(笑)。今、こういうのも論文にまとめていて、意外にアラスカも過ごしやすかったんじゃないかなあと思ってるので…」
化石から当時の気温や降水量が調べられるのもすごいし、まだ論文にまとまってない発見だの未公表データだのが語られる子ども番組もすごすぎる…。質問者が聞きたかった本当の「最新」じゃないか。

アナウンサー「これはいつの時代…何年ぐらい前の…」
小林先生「今の(話)は、むかわ竜が生きていた7000万年ぐらい前の、ティラノサウルスとかが生きていた時代の、白亜紀の終わり頃ですね。これはアラスカの一部ではなくて、アラスカ全土。北の方から南の方までデータを集めてみると、年中けっこうマイルドで、いちばん寒い月が4℃って言ったんですけど、いちばん暖かい月で12℃ぐらいで、年間通して涼しい感じがずっと続いてるっていうのが分かってきたので、涼しい、寒いんじゃなくて涼しい環境で生活できた恐竜は、多分年間通して生活できたと思います。」
質問者「ああ。」
小林先生「恐竜研究って別に恐竜そのものの研究だけじゃなくて、僕らも今やってるんだけど、植物の化石とか、いろんなサンプルをとって分析をすると、恐竜の周りの環境の研究なんかをしていくと全体像が見えてくるというか。
○○君が恐竜に興味あるかどうか分かんないけど、研究ってそういうものだから。僕らは恐竜そのものも研究してるけど、モンゴルだったら恐竜の骨格を発掘に行くんだけど、アラスカだと当時の環境を復元して、その中で恐竜がどう生活して進化していったかなんてのをやってるんだけど、今けっこう面白い成果が出てきてます。」
質問者「はああ…。で、肉食恐竜は北アメリカの方からアジアの方へ、草食恐竜を追いかけて移動していったんじゃないのかっていう話が、昔は持ち上がってましたけど、となると、アラスカの辺りで肉食恐竜も定住できたんじゃないのか、みたいなことも考えられると思うんですけど…」
小林先生「うん、できたと思います。アラスカだとナヌークサウルスというティラノサウルスの仲間が出てるんだけど、あとドロマエオサウルスの仲間もトロオドンの仲間も出てるし、いろんなのが出てるんだけど、おそらく食糧のある所には動物ってどんどん移動できて、さっき言ったみたいにある程度許せる範囲で生活できれば、多分どんどん移動できたと思います。特に肉食恐竜は繁殖できるかどうかっていうのがすごく大事で、恐竜の場合は卵を生んで生みっ放しなのか温めるかという違いがあるんだけど、少なくとも肉食恐竜の進化したやつは温めていた痕跡があるので、そういう肉食恐竜は寒い所でもどんどん生息範囲を広げることができたので、植物食恐竜を追いかけて北極圏またはアジアまで渡ってきた、というのはあると思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○さん、聞いてみていかがですか?」⇦レベル高すぎる議論に圧されたか、質問者に敬語で話しかける。回答じゃなくて議論だもん。
質問者「ああ…自分も北極圏なんかはすごい寒い所で、定住なんかできないだろうなって思ったんですけど、意外とそんな寒くなかったんだなというのが驚きでした。」
アナウンサー「ねえ。これから論文としても発表されるというお話でしたので、またいろいろ調べてみて下さいね。」
質問者「はい。で、1つ小林先生に…僕は恐竜の研究者になりたいんですけれども、具体的な進路について、何かアドバイスとかを…」
小林先生「ああ具体的な進路、だから北大に来たら簡単です(笑)。」⇦「だから」に何度も言わせるな感が。実際言ってるけど。
小菅先生「(笑)ハッハッハッハッ」
小林先生「それか今は筑波大の田中さん…さっき紹介あったけど田中先生とか、名古屋大学の藤原先生とか、岡山理科大にも僕の教え子が何人か教員でいるので、横のネットワークも作っているので、どこかに入れば恐竜研究ができると思います。頑張って下さい。」
質問者「はい。で、今すべきこととか、あったりしますか?」
小林先生「今中学生か。難しいと思うんだけど今から受験勉強で、勉強が嫌になっちゃうかもしれないんだけど…」
質問者「あ、中学受験して、高校(受験)はないんです。」
小林先生「おっ! じゃあ簡単だよ。勉強を楽しんで下さい。これは楽しむことがいちばん大事なんだよね。勉強が目的になっちゃダメで、恐竜研究を目的にして、勉強ってただの手段だからさ、その目的のために勉強をしっかり楽しむっていうのが大事だと思います。」
質問者「ありがとうございます。」
恐竜スペシャルでも「楽しむ」って話をたくさんされてたな。こんな話をしてくれる先生に会いたかった。

Q10 家の近所にある公園にはカブトムシがいま
  す。そのカブトムシは去年と今年に見た限りで
  は、メスばっかりしかいないのです。それはな
  ぜでしょうか?(小4男子)

残り時間が少なくなったのですぐに先生にパス。
久留飛先生「東京でもカブトムシおんねやね。良かったやんか。カブトムシのメスしかおらへんって今言ったけど、夜中じゅう見てたん?」
質問者「えーっと…」
久留飛先生「難しいか。大体夜の8時ぐらいから朝の5時ぐらいまでおったらいいねんけど…」
質問者「あのー、3日限りでは、今年は6時ぐらいにカブトムシを捕まえに行って、その時にメスばっかり…だった。」
久留飛先生「なるほど。夕方の6時ぐらいに行ったけども、メスばっかりやったということでいいか?」
質問者「あ、違う、朝の6時です。」
久留飛先生「朝の6時か。朝の6時にはメスしかおらんかったよと。オスはおらへんのちゃうかと思ったわけやんな。」
質問者「はい。」
久留飛先生「私も朝の6時にカブトムシ採りに行ったことないから分からんけどな、いつも活動する時間というのは夜の8時前後がいいって言われてんのよ。夜は真っ暗やから、親が行ったらアカンて言うてるんかもしれんけど、あなたが行ったのは樹液とかそんな所か?」
質問者「はい。」
久留飛先生「そこに行ったらメスだけいて、オスは見なかったよということでいいやんね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「何で樹液のところに行くかっていうのは、メスは卵を生まなあかんから、樹液をいっぱい吸った方がいいやん。オスは樹液よりもまずは相手を見つけなあかんから、うまいこと効率良くそういう所を回ってメスを見つけたいわけやん。」
質問者「は、はい。」
久留飛先生「たまたまあなたが行った所にはオスはおらんかったというのは、多分メスはもう交尾を終えてお腹いっぱいになって、卵を生みに飛んで行きたいな、そろそろ隠れようかという時間帯やったかもしれんなと思ってるん。」
質問者「はい。」
久留飛先生「で、オスがいないのに卵を生めるか言うたらそれは無理やから、そのうまいことやってんのや。あなたがいない時に。観察していない時には
ちゃんと上手くオスとメスが出会う場面があったと思うけど。」
子どもが寝てる間に大人のカブトムシは最優先ミッションを遂行してたわけか。久留飛先生がよく言う「うまいこと」がここでは効いてるな…。まあ、カブトムシは夜行性だし、質問者が出かけた朝6時ではカブトムシを捕まえるには明るすぎるということか。

質問者「はい。」
久留飛先生「それは実験でも何でもそうやけど、朝方もいいけども、それならば違う時間帯はどうやねんと、もう少し突っ込んでみるとオスを捕まえられるかもしれんで。」
質問者「あ、はい。」
久留飛先生「小学校4年生やから、あんまり夜にウロウロ出歩いたらアカンって言われるかもしれへんから、親と一緒に行くのがいちばんいいと思うけど、お父さんかお母さんが、あなたがそんな研究やりたいって言うたら、“よし、一緒にお父さん行ってあげるわ”、“お母さんも行くわ”っていう協力者を見つけるのがいいのかもしれんな。」
質問者「あ、はい。」
久留飛先生「そうすると、あなたの疑問がもうちょっと分かってくるかもしれへん。」
アナウンサー「○○君は朝の6時頃に観察したということでしたけれども、夜の8時頃から見ると、また違う世界が見られる…カブトムシは夜行性ですからね。ちょっとお父さんかお母さんと相談して、夜の時間帯で見てみるのもいいかもしれませんね。」
質問者「はい。」

質問終わり~時間が残り少ないので先生方からの感想はなかったけど、先生方の今年の夏の思い出話が面白かったからまぁいいか。

子ども科学電話相談8/25 とりとめのない感想

全国からのお友だちの質問・疑問に先生が全力で答える、生放送の「子ども科学電話相談」。高校野球の期間に夏休み(?)をとってた日曜日のレギュラー放送もこの日から再開。
8/25のジャンルは
 天文・宇宙 永田美絵先生
 鳥 上田恵介先生
 科学 藤田貢崇先生

アナウンサー「宿題の残りが気になってくる頃でもありますけれども、元気な質問、たくさん寄せて下さい。」
8月20日を過ぎると宿題の存在感が増してきたっけ。

アナウンサー「先生は、宿題で苦労したことはありますか?」
永田先生「(笑)フフフ、私はですねえ…こんなことを言っていいのか分からないんですけれども、自由研究は毎年毎年、そうっと同じ宿題を…自分で洋裁をしまして、同じ作品を、布を変えたりして(笑)、ちょっとカスタマイズして出しておりました。(笑)ハハハ…」
アナウンサー「(笑)それも作戦ですね。大丈夫だったんですか?」
永田先生「私の学生時代はクラスが多かったので、毎年毎年クラス替えで生徒も先生も大きく変わるので……何とか(笑)ウフフ。最初の頃は作るのにとっても時間がかかったんですけども、だんだん上手くなっていって、最終的には数時間で……チャチャッと作っておりました(笑)。ダメですよぉ、こんなことしちゃ。(笑)アハハハハ」⇦絶対悪いと思ってないでしょ。賢い!
アナウンサー「いや、“その手があったか!”ってお友だちがみんな思ってるかもしれません(笑)。」
科学の藤田先生の口を開けない(?)「フッフッフッフッ…」が聞こえる。

上田先生「うーん、僕ね、大阪の小学校やったから、あんまり宿題なかったんちゃうかなと、今思い出してるんですけど。」
アナウンサー「(笑)大阪だからなかったということは…」
上田先生「あまり苦労した覚えはございません。」
アナウンサー「わぁうらやましいですねえ。聞いてる方の中にも、そういうお子さんもいらっしゃるかもしれません。」

藤田先生「北海道って夏休みと冬休みの長さが同じなんですよね。冬休みが長い。そうすると、宿題って夏休みも冬休みもほぼ同じ量が出て、「夏休みの友」だったかな……そんな冊子があって、冬休みにもあって、それが大変だったなって…思い出しました。」
アナウンサー「ああ…ドリル系…」
藤田先生「ドリル系なんですね。国語数学理科社会って全部入ってて、…あれは何だったんでしょうね(笑)。大変でしたね。読書感想文なんか、何の本を選ぶかで相当苦労した記憶が、おぼろげにありますが。(笑)フッフッフッフッ…」
何とも苦しげに語る藤田先生。

Q1 星座はどれぐらい前からあるの?(小5男子)

アナウンサー「○○君の予想ではどのくらいだと思う?」
質問者「んー、だいたい……2万年…いや、それ~(聞き取れず)かな…まあ、大体そのぐらいやと思います。」
永田先生「○○君、星座は好きなんですか?」
質問者「んー………」
永田先生「(笑)あ、ちょっと言い澱んでしまいました。じゃ、これから好きになってほしいなっていうことでお答えしますね。
実ははっきり何年前とは分かっていないんですけど、今から5000年以上前ぐらいとも言われてます。私がプラネタリウムで言う時には数千年前からと言ってるんですけども、今のイラクの辺りにメソポタミア文明っていうのが栄えて、その辺りでできたのでは、と言われているんです。」
質問者「はい。」
懐かしやメソポタミア文明…何十年ぶりかで聞いたけど、星座が作られたなんて教わったかな? 

永田先生「星座って、もともと作られた理由があるんですよ。何かというと、これはとっても重要なんですけど、カレンダーを作るためだったんです。」
質問者「ああ、はい。」
永田先生「私たちが今使っているカレンダーって、太陽の動きをもとにした星を観測して出来上がってきたんですね。カレンダーが無いと、いつ頃…例えば果物を作ったり畑を作ったりする時に、いつ頃雨が降るかな、いつ種まきをしようかな、いつ刈り入れをしようって分からないと困るよね?」
質問者「はい。」
永田先生「空を見ていると、太陽が星空の中を動いていくことが分かったんです。その太陽が、同じ星からスタートすると、ちょっとずつその星から離れて見えるんだけども、またその星にたどり着くまでを1年と決めたんですね。この太陽の通り道を黄色い道と書いて“黄道”って呼んでます。実はこの黄道の星座っていうのが、○○君も知っているお誕生日の12星座なんです。だから、いちばん最初にできた星座は、この12星座なんですよ。」
質問者「はい。」
太陽の通り道…今の知識だとそんなものはないわけだけど、昔は地球にいる自分を基準にして時間の流れを区切ったのか。

永田先生「12星座ができて、“そろそろ太陽があの星の辺りに行くから雨が降ってくるな”とか、“そろそろあの星の辺りに来るから季節が変わっていくな”とか、そういうことが分かったんですね。
だから、星座ってひとつひとつにいろんな意味があるんですけれども、例えばみずがめ座とかうお座とか、水に関係した星座が、実は横並びに並んでいるんですね。昔々、太陽がその辺りにくると雨が降ってくることが分かって、敢えて水に関係した星座を作ったと言われているんです。」
質問者「はい。」
永田先生「だから、星座っていうのは昔からできたんですけれども、やがてギリシャへ伝えられて、ギリシャの神話と一緒になって、神話に登場する星座もどんどんできてきたんですね。オリオン座とかアンドロメダ座とかペルセウス座とか、神話に出てくる人の名前なんですね。そういった星座がどんどんできてきて、大航海時代になると、多くの船乗りが南へ南へと航海をして、今度は南半球にも星座を作ったんですよ。
で、いろーんな星座ができたのを、1928年に世界の天文学者が集まって、世界共通で星座は88に決めましょう、ということになったんです。だから、星座って本当に長い歴史があるんですね。私、いつもすごいなって思うんだけれども、そんな昔の人が見ていた星、星座を、○○君が見ようと思えば今日にでも同じように見えるんですよ。」
質問者「はい。」
永田先生「これね、当たり前と思うかもしれないんだけれども、人間が作ったものって…彫刻とか建物とか絵とかは、当時のままじゃないよね? ちょっとずつ古くなって風化しているじゃない?」
質問者「はい。」
永田先生「でも、星座って当時のままの姿なんです。だから今日、○○君が夏の大三角…こと座とかわし座とかを見上げると、それって大昔の人もやっぱり見上げていた同じ星座なんです。そう考えると、時代を超えて、大昔同じ所で同じ星座を見ていた人がいたんじゃないかなあ…なんて考えると、とっても面白いよね?」
質問者「はい。」
永田先生「ぜひ○○君もそういった思いで…今頃だと夏の星座がいろいろと見えてます。はくちょう座なんかもちゃんと、きれいな白鳥の形に見えるんですよ。北十字星という星の並びなんだけれどもね。あと、さそり座なんか蠍っぽく見えるの。だからこういうのをぜひ、まず図鑑でどんな形なのかを調べて、星座早見盤とか、最近は星座をすぐに教えてくれるアプリもあるので、そういうものを活用して、夜空の星を見上げて…1つでいいからね、星座探しをしてみて下さい。」
質問者「はい。」
空は数千年前から変わっていない。何ともロマンを感じるお話。とは言え、時間が数千万とか数億になると星も爆発したり、新たな星が生まれたりして、星空の様子も変わっていくんだろうな。宇宙から見たら人間の数千年などほんの一瞬だったりする。

アナウンサー「○○君の小学校は9月から始まるの?」
質問者「えーっと、8月29日からです。」
アナウンサー「そうなんだ。もう宿題はみんな終わった?」⇦ロマンあふれる星空から一気に現実に引き戻される…。
質問者「読書感想文と自由研究がまだでぇす。」
永田先生「(笑)フフフ…」
アナウンサー「(笑)やっぱり、大物が残ってるんだ。そうなの…あとちょっと頑張ってね。」
質問者「はぁい。」
永田先生「頑張ってね。」

Q2 ペンギンはどうして飛べないんですか?
  (5才女子)

アナウンサー「○○ちゃんはどうしてそれを不思議に思ったのかな?」
質問者「鳥の仲間なのに海しか泳げないから。」⇦ちょっと辛辣というかストレートな表現…。
アナウンサー「○○ちゃんはどこかでペンギンを見たことある?」
質問者「ある。」
アナウンサー「どこで見た?」
質問者「水族館。」
アナウンサー「そう、その時ペンギンはどうしてた?」
質問者「うーん、王様ペンギンは食べないんだけど、いろんなペンギンは泳いで食べてた。だから不思議に思った。」
上田先生「○○ちゃん、ペンギン好きなの?」
質問者「好き!」
上田先生「そうか、かわいいもんね。」
質問者「うん、かわいいよぉ。かわいいもん。」
お子さんがかわいすぎ。表現は辛辣でもペンギンを愛でている様子。

上田先生「何でかわいいのかな?」
質問者「うーん、小っちゃい頃もかわいかったから。」
上田先生「ペンギンって陸の上を歩いていたら、ヨチヨチヨチ…って歩き方がかわいいでしょう?」
質問者「かわいい。(笑)ンフッ。」
上田先生「それで、水の中に入ると…」
質問者「スイスイ泳ぐ。」
上田先生「スイスイ泳ぐね。それで、なぜ飛べないのか?っていうのが○○ちゃんの質問ですね。」
質問者「うん。」
上田先生「ペンギンはね、水の中で飛んでるんです。」
質問者「……えっ? 飛んでるの?」
上田先生「うん。泳いでるって思ってるけど、泳いでるというのはウソで、ペンギンは水の中を飛んでいます。」
質問者「え? どうして?」
上田先生「スズメとかハトとか分かる? あれ翼があるよね?」
質問者「うん。」
上田先生「翼で空を飛んでますね。パタパタって。ペンギンは水の中で、翼をパタパタさせて、飛んでるのと同じことをしています。だからペンギンは泳いでいるんじゃなくて、水の中を飛んでる、という方が本当は正しい。」
質問者「はい。」
上田先生「実はペンギンも、ずっとずっと昔は空を飛んでました。」
質問者「え? 知らなかった。」
上田先生「昔ね、ペンギンのおじいちゃんのおじいちゃんの、そのまたおじいちゃんの、もっともっとおじいちゃんのペンギンは、ちゃんと空を飛んでたの。」
アナウンサー「(笑)フフッ」
質問者「知らなかった。」
上田先生「面白いでしょう?」
質問者「おもしろぉい。」
上田先生「だけど、空飛ぶのってねえ、…しんどいのよ。疲れる。」⇦日本野鳥の会の会長さんは鳥のしんどさも代弁してくれる。川上先生もよく言うけど、重力に逆らうのはそれだけ大変なことなんだな。

質問者「しんどい。あ、疲れる。」
上田先生「うん、だからスズメとかハトなんかは多分大変だなって先生は思うんやけど。で、水の中でペンギンは魚食べるでしょう? (プツッと切断音)で、空からボチャーンって水の中へ飛び込んで……(プープー)…切れた?」
アナウンサー「今ちょっと…電話が切れちゃったかな? 今つなぎ直してます。何かでボタンを押しちゃったのかもしれません。……5才のお友だちからね…」
上田先生「しっかりしてますね。」
アナウンサー「(ペンギンは)大昔は飛んでたんですね。」
上田先生「そう。ペンギンは多分先祖は、アホウドリとかミズナギドリっていう鳥で、飛んでたらしいです。」
アナウンサー「ああ~、大型の…」
上田先生「だけどやっぱり、空を飛ぶよりは翼を小さくして、水の中を飛べるように進化したんですよね。」
アナウンサー「なるほどね。……大昔というと、それこそ何万年前とか…」⇦スタジオ外の様子を窺いながら言葉を繋いでる。
上田先生「何百万年、数千万年ぐらいかもしれない。」
アナウンサー「今お電話をかけていますけれども……どうかな?」
ちょっと時間がかかってる様子。
アナウンサー「ペンギンがお魚を食べるから、別に空は飛ばなくていいですよね、お魚を食べるんだったらね。」
上田先生「おそらくね、水の中を深く潜って、潜るとそこに捕まえやすい魚とか、オキアミっていうエビみたいなのがいっぱいいたから。」
アナウンサー「ああ~、はい…電話が繋がったみたいで…○○ちゃん、上田先生に続きをお話ししてもらいますね。」
上田先生「はい、続きです。ペンギンは水の中の深い所のお魚をいっぱい食べたいなと思って、一生懸命潜ろうとしたのね。潜る時に空を飛ぶような翼だと潜りにくいから、ちょっと翼を短くして、筋肉をつけて、しっかり素早く潜れるようになっていったんです。
だからペンギンが飛べなくなったのは…というか水の中を飛ぶようになったのは、お魚をしっかり捕まるためです。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○ちゃん、先生のお話聞いて、どう思ったかな?」
質問者「ペンギンは、泳いでるんじゃないんだなあと思った。」
アナウンサー「そう思って、また水族館で見ると、翼をどういうふうに動かしているかとか、どんなに速いかとかが分かってくるかもしれないね。」
質問者「はい。」
まだ小学生じゃないお子さんなので、アナウンサーも宿題のことは聞けず。

Q3 なぜ空気には重さがあるのですか?(小4男子)

アナウンサー「それをどうして○○君は不思議に思ったの?」
質問者「前に理科の本で読んだので、急に不思議に思ったからです。」
アナウンサー「ふだん生活していて空気の重さって感じることある?」
質問者「ないんですけど、本に、新聞紙に糸をつけてそれを引っ張って持ち上げる実験があって、やってみたら重さがなかったので、これが空気の重さなのかなって思いました。」
アナウンサー「あ、自分で実験もしてみたんだね?」
質問者「はい。」
藤田先生「例えば紙とか鉛筆とか、ラジオそのものとかを手で持つと、確かに重さを感じますよね。でも空気って重さは感じないですよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「それでも空気には重さがあると言われるけれども、どうして重さができるのか、ということですよね。」
質問者「はい、そうです。」
藤田先生「重さって何なんだろうって考えたことあります?」
質問者「ないです。」
藤田先生「重さって何かなって考えると、実は力の大きさなんですよ。」
質問者「そうなんですか?」
藤田先生「そうなんですよ。地球がその物を引っ張っている力の大きさのことを、私たちは重さと呼んでいるんですね。鉛筆とか紙とかは、地球がその紙とか鉛筆を引っ張っていますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「それで物の重さを私たちは感じてるということなんですね。地球が物を引っ張ってるというのは○○君は知ってますよ…ね?」⇦質問者の知識を探りながら回答する藤田先生、聞いてる側も毎回、大丈夫かなって気になる。
質問者「はい、知ってます。」
藤田先生「どんな物だったら地球が引っ張ることができるかというと、…またちょっと難しくなるんですけど、地球って何でもとにかく引っ張るんですけども、ただ条件があって、質量というものがないと引っ張れないんですよ。」
質問者「はい。」
藤田先生「質量っていうのは…えー…例えばね…物の性質なんですね。単位で言うとキログラムとかグラムは質量の単位なんですけど、質量がある物を引っ張ることができるんですね。」
質問者「そうなんですね。」
アナウンサー「地球が、地球の真ん中に向かって引っ張るということですね?」
藤田先生「そうです。そこは大丈夫ですか?」
質問者「大丈夫です。」
藤田先生「そうすると、空気って何が集まってるのかというと、…空気って何からできているか知ってます?」
質問者「酸素ですか?」
藤田先生「酸素とか。他に…いちばん多い成分は何か知ってるかな?」
質問者「…分かりません。」
藤田先生「いちばん多いのは、実は窒素なんですよ。窒素が8割、…8割とか分かるかな…」⇦半分独り言。それだけに先生のプレッシャーが分かる…。
質問者「分かります。」
藤田先生「分かる、よかった…。窒素が8割で、○○君が言ってくれた酸素は2割入ってるんですね。そういう窒素とか酸素は質量があるので、それを地球が引っ張ってるわけです。それで重さがあるんですね。」
質問者「…なるほど。ということです。」⇦すごい。理解した。
藤田先生「そうなんです。私たちの身の周りで、質量がないっていうものは何かっていうと、光なんですね。光は質量がないんですよ。」
質問者「そうなんですか!?」⇦全く同感。そうなの?
藤田先生「そうなんです、光は質量がないの。それで、光は重力に縛られず…縛られるというのもアレですけど、地球に引っ張られてるわけではないんですね。」
アナウンサー「じゃ、光以外はみんな、地球の中心に向かって引っ張られていると…」
藤田先生「そうですね。○○君への答えで言うと、空気には窒素とか酸素とか、二酸化炭素も、いわゆる“物”が含まれているので、その物を地球が引っ張っているから、ということになりますかね。」
質問者「はい。」
光に質量が無いなんて初めて知った…。確かに光は真っ直ぐ進むけど、地球に引っ張られていないからなのか…。でもブラックホールに吸い込まれたら光も出てこれないらしいけど、それだけ重力が大きいのか? また分からないことが増える。

Q4 土星の輪の上でスケートをすることができま
  すか?(小4女子)

夢のある質問久しぶりじゃないか? 聞いた瞬間キュンキュンした!
アナウンサー「○○ちゃん、どうしてそれを質問してみようと思ったの?」
質問者「土星の輪は氷の粒でできているから、スケートは氷の上でやるから、できるんじゃないかなと思いました。」
アナウンサー「ああ!そうか! なるほど。○○ちゃんはスケートは上手ですか?」
質問者「…いえ。」
アナウンサー「そうなんだ。でも、ちょっとやってみたいよね、あそこでシャーッと滑ったら気持ち良さそうよね?」
質問者「はい。」
永田先生「私、○○さんが土星の輪が何でできているのかを、知らないのかなって思ってたんだけれども、○○さんはとってもよく知っていたんですね。私もそういうことで考えてみようかな。
土星の輪っていうのは、○○さんが言う通り、たくさんの氷、水の氷の粒が集まって、本体の周りを回っているんですね。私が思うには、まず、土星の近くってマイナス180℃くらいなんですよ。そこでスケート…うーん、まず、氷の粒ってそんなに大きなものじゃなさそうなので、ひょっとしたら大きな粒の上だとできるのかもしれないんですけれども、1つ1つがけっこう小っちゃな粒なので、小っちゃな粒になると…例えば小さな星って、前に小惑星探査機はやぶさ2小惑星リュウグウタッチダウンしましたけれども、ああいう小さな天体って、地球のように立っているのが難しいんですよ。引っ張る力が割と小さいので、すぐに浮き上がってしまうんですね。そう考えると土星の輪の粒々って、大きいのもあるんですけれども、割と小さなものも多いので、スケートをするのはかなり大変なんじゃないかなあ…」
天体が引っ張る力=重力。さっきの質問にも通じる話。重力が小さければ小さいゆえの問題があるのか。

質問者「ああ…」
永田先生「って思ったりするんだけど、○○ちゃんはどう思う?」
質問者「確かにちょっと難しいかも。」
永田先生「うーん、そうかもしれないね。最近の研究結果だと、土星の輪って本体の方にどんどん落ち込んでる、そういう観測結果も出ているんです。だから、今は土星の周りに輪っかがあるんですけれども、ひょっとしたら土星の長い歴史の中で、土星の周りに輪がこういうふうにある時代は今だけなのかもしれない、というんですね。あと何億年も経つと土星には輪がなくなっちゃうかもしれない。」
質問者「ああ…」
永田先生「そう考えると、輪って、割と速く回っていそうな気もするし、動いていそうな気もするので、…うん、スケートをやるには、かなり難しいかもしれません。」
夢のある質問だったけど、すごく現実的な回答だった。

質問者「はい。」
アナウンサー「先生、粒と粒の間は、けっこう離れてるんですか?」
永田先生「離れてるのももちろんありますし、あんまり近いとぶつかったりしますので、ある程度は離れてるかと思うんですけれども、遠くで見てると確かに、土星の輪っかって、私も小っちゃな頃に、滑り台にしたら気持ち良さそうだなあとか…」
アナウンサー「スベスベに見えますよね?」
永田先生「そう、見えますよね。輪っかが1つの板のように見えるので、繋がってて、そこでツーッとスケートができそうな感じはするんですけれども、近くまで行ってみると、たくさんの氷が浮かんでるイメージですよね。」
アナウンサー「なるほどねえ…。スケートは難しくても、ジャンプして(笑)、氷の上をポンポンポンっていうのも…」
永田先生「ジャンプも……そんなに近く…それもなかなか難しいかもしれませんね。SFの映画とか見てると、星から星にジャンプしてるんですけど、けっこう大変かと思いますね。(笑)」⇦いつもロマンあふれるお話をする永田先生だけど、今回はシビアだわ。
アナウンサー「○○ちゃん、永田先生のお答え聞いてどう思いました?」
質問者「ちょっと難しそうだけど、もうちょっと太かったらやれそうだったなあって思いました。」
永田先生「太かったら、なるほどね。土星まで行くと、土星の衛星がいろいろあるんだけれども、その衛星って氷衛星と言われていて、表面がほとんど氷なんですよ。だから、ひょっとしたら将来、氷衛星に行ってスケートができたりすると、楽しいかもねぇ…。」
質問者「ああ…」
永田先生「将来、オリンピックで氷衛星の上でスケート、なんていうと素敵かもね。(笑)ウフフフ。」
質問者「はい。」
アナウンサー「(笑)フフフフ、なるほど。」
輪がだめでも氷衛星で夢を繋いだ。

質問者「あともう1つ聞いていいですか? 地球に隕石がぶつかると、ぶつかった部分が壊れちゃうんですけど、木星に隕石がぶつかっても木星は壊れませんでした。それはどうしてですか?」
永田先生「それは木星がとっても大きいからなんですよ。」
質問者「あああ~!」
永田先生「木星って直径が地球の11倍ある、とっても大きな惑星なんですね。しかも、地球のように地面はないんですよ。大きなガスの塊の星。でも昔、シューメーカーレビー第9彗星という彗星が、木星にぶつかったことがあるんです。その時の木星の表面を見ると、ぶつかった跡が点々とついたんですね。だから何も起こらないのではなく、多少変化があるんだけれども、大きいので大丈夫なんですね。
で、実は木星があるおかげで、地球はけっこう守られてるんですよ。つい先日、小天体が地球の近くまで来たというニュースがあったんですけれども、太陽系のいろんな小天体が、木星という大きな惑星にぶつかってくれるんですよ。木星が受け止めてくれるおかげで、地球にぶつからないで、地球は割と守られているんです。」
質問者「はい。」
永田先生「すごいよねえ。」
質問者のお子さん、けっこう星のことに詳しかった。

Q5 スズメはどうやったら捕まえれるんですか?
  (小1女子)

川上先生の時にハトを捕まえようとしていたお子さんから質問あったな。
アナウンサー「○○ちゃんはスズメを捕まえたいの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「やってみたことある?」
質問者「あります。」
アナウンサー「どうやって捕まえようとしたの?」
質問者「手を長くして、それで走ってみたら、スズメが逃げてしまったので、どうやって捕まえたらいいのか~(聞き取れず)ので。」
アナウンサー「そうか。それじゃ上田先生に相談してみましょう。」

上田先生「スズメ捕まえたいのね。スズメ好き?」
質問者「好きです。」
上田先生「うん、かわいいもんね。先生も実はスズメが鳥の中でいちばん好き。」
アナウンサー「へええー。」
質問者「そうなんですか。」
上田先生「何でか言うたらね、別に、赤とか黄色とか緑とか青とかできれいじゃないでしょ? だけどジーッと見てると、いろんなことして、面白いなあって思うの。」⇦日本野鳥の会の会長さんはスズメ好きなのか。日本の風景の原点のような鳥に魅力をお感じとは。

上田先生「先生も実は子どもの頃、スズメを捕まえたいなって思いました。でもスズメは鳥だから、翼があって飛んで逃げちゃうよね。」
質問者「はい。」
上田先生「追っかけても無理だよね。先生は子どもの頃、昆虫採集の網、捕虫網を持って、スズメの子を追っかけたことがあります。」
質問者「はい。」
アナウンサー「(笑)フフフ、はい。」
上田先生「スズメって、巣から出て、巣立ちって言うんだけど、スズメの子どもたちは大きくなったら独立するのね。巣から出た頃はまだあまり飛べないの。先生は悪い男の子だったから、その巣から出たスズメの子どもたちを、昆虫採集の網で追っかけて捕まえました。だから、頑張ってやれば捕まえられないことはないけども、ただ、今はね、捕まえたらだめなの。」⇦捕獲しやすい時期を狙う賢いお子さんだった。夏休みの宿題に苦労した記憶が無いのも分かるような…。

質問者「はい。」
上田先生「どうしてかというと、野鳥は自然の中で生きていくのがふつうなので、…昔は飼ってもよかったんだけど、今日本では法律があって、野鳥は飼えないことになっています。」
アナウンサー「野鳥というのは野原とか街とか林とか、自然にいる鳥ですね?」
上田先生「自然に飛んでる鳥。スズメも野鳥なのね。せやから、かわいいから捕まえて飼いたいなっていう気持ちは分かるけども、飼ってはいけないことになっています。」⇦会長さんだけにしっかりと諭す。
質問者「はい。」
上田先生「ただ、スズメだとかキジとかカモの仲間は、狩猟鳥と言って、狩猟期間中に銃で撃ったり捕まえても構わないっていう、そういうことも許されています。だからスズメは狩猟期間中に、網でバサッと捕まえるとか…は構わないんです。法律的には構わない。だけど冬はスズメはもう大人になってますから、捕まえられません。素早いからね。」
質問者「あっ…」
上田先生「スズメ捕まえたいなっていう気持ちは先生もすごく分かる。分かるんだけども、……捕まえてはいけないから、やめた方がいいのかなと思うし、それから巣立ったヒナとか、巣立ちにはちょっと早そうなヒナが落っこちたりしてることがあるんですね。周りにちゃんと親がいるから、ヒナを見つけても拾ったり、拾って家に持って帰っちゃうと、スズメの親たちにしたら子どもが誘拐されたということになりますから、ヒナを見つけても、そのままそっとしておいてあげるのがいいと思います。」
アナウンサー「捕まえるんじゃなくて、そうーっと近寄っていけば、スズメってけっこう近くまで行けますよね? 最近はあまり警戒して逃げたりしないような…」
上田先生「いけます。近寄り方はね、スズメの目を見ちゃいけないの。相手は自分が見られてると思ったら警戒するので、知らないふりをして目をそらしながらそっと近づくと、いつもよりは近づけます。」
質問者「はい。」
アナウンサー「へええー、なるほど。○○ちゃん、今は法律で決まっていて、残念ながら捕まえることはできないけれども、目を見ないで“♪フンフンフーン”ってよそを見ながら近寄っていけば、けっこう近寄れるかもね? そうやってよく観察してみることで我慢できるかな?」
質問者「はい。」
昆虫の先生がいたら「昆虫は禁止されてないから昆虫を捕まえたらいい」とか言いそう。

Q6 どうしてふつうの電車の切符は小さいのに、
  何で新幹線の切符は大きいんですか? という
  質問です。(5才男子)

アナウンサー「それをどんな時に気がついたの?」
質問者「ちょっと前に新幹線を降りた時に、そのことを気がついたんです。」
アナウンサー「そうかぁ。○○君は電車好き?」
質問者「好きです。」
アナウンサー「本当。切符も好き?」
質問者「においが大好きです。」
藤田先生「ぁぁ…ん…」⇦お分かりのもよう。
アナウンサー「におい! どんなにおいがするのかなあ?……藤田先生が頷いていらっしゃる。じゃ藤田先生がその辺のこと分かるかもしれない(笑)。」
藤田先生「(笑)ンフフフフッフッフッ…」⇦めっちゃ嬉しそう。

藤田先生「切符って確かににおいがしますよね。確かにあのにおいは良いにおい…人の好き好きがあるかもしれないけど、僕も好きですね。あれは何のにおいなんでしょうかねぇ?……似たにおいってあんまり無いですよね。」
上田先生「印刷インクの?……うーん…」
藤田先生「印刷インクの…あれはちょっと特殊なインクなので、そのにおいかもしれないですね。……○○君の質問は、ふつうの切符は小さいけれども新幹線の切符は大きいのはどうしてだろう?という質問ですよね。」
質問者「はい!」
藤田先生「私が思うに、小さい切符って、例えば“渋谷から何円の範囲”というのだけが確か書いてあると思うんですよ。見たことある? “△△から~円区間”と切符が出された日付が載ってますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「じゃ、新幹線の切符って他にどんなことが書いてありました?」
質問者「……」
アナウンサー「5才のお友だちなので…」
藤田先生「あ、5才だから…そうでしたね、それで疑問に思うんですね。」
質問者「値段とか。」
藤田先生「あ、値段が書いてありましたよね。それから……新幹線、何に乗ったの?」
質問者「700系新幹線です。」
藤田先生「700系新幹線。ていうことは、のぞみ…」
質問者「ひかりです。」
藤田先生「のぞみじゃないんだね。そうすると指定席に乗りました? ……あっ、指定席…」
質問者「自由席です。」
藤田先生の慌てぶりをよそに淡々と答えていくお子さん。

藤田先生「そしたら“自由席特急券”って書いてあったと思うんですね。新幹線に乗る場合は特急…特急って知ってる?」
質問者「知ってます。」
藤田先生「特急って“どこからどこまで”がはっきり書いてますよね? あと指定席に乗ると、“何号車の何番何席”だとか、いろんなこと書かなきゃいけないですよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「そうした時に、やっぱり大きい紙じゃないと情報…“あなたはどこの席ですよ”とか“あなたが乗るのは何時何分発の電車ですよ”っていうのを書いてなきゃいけないから、(紙を)大きくしなきゃいけないということだと思うんですよ。」
質問者「はい。」
藤田先生「ここまでだと科学じゃないような気がするんですけど、実はこの先がちょっと科学の関係があってですね、大きい切符と小さい切符って手元にあります? ○○君、今持ってるの?」
質問者「持ってません。」
藤田先生「切符って回収されちゃうもんね。駅の改札口で会社に取られる…取られるってのも変だけど(笑)、回収されちゃうから、手に入らないけど…」
「取られる」…分からなくはないかな。機械にシュッと吸い込まれる時の機械の力加減が「取られる」感じにはなるよね。駅員さんに手渡ししていた時代を知ってると余計に…。

藤田先生「あっ、ありました。今スタッフの方が(切符を)持ってきてくれました。」⇦なぜ切符があるのか。
アナウンサー「それは新幹線の切符ですか?」
藤田先生「新幹線の切符です。えーと、指定席(特急券)なので改札口から出てくるんですよね。もし、両方(の切符が)手に入るチャンスがあったら見てくれたらいいですけど、小さい切符の長い方と、大きい切符の短い方って、同じ長さなんですよ。どうしてここが科学かというと、効率……効率…んん、小学校5年生だね…」⇦先生のお悩みぶりが伝わってきてツラい。
アナウンサー「5才。」
藤田先生「5才、ごめんなさい。これは、1つの紙を用意しておいて、その紙でうまく両方に使えますよね。同じ幅に切っておけば、小さい切符も出せるし、大きい切符にもなるでしょ?」
質問者「はい。」
藤田先生「そうすると便利じゃないですか。機械を作る時にも……JRとか私鉄の切符って、裏に目には見えないけれども磁石の力で情報が入っているんですね。そういう特殊な紙だと作るのが大変ですから、同じ幅の規格を…同じサイズにしておいた方が作りやすいとか、使いやすい、無駄がないということでしょうかね。というふうに、人間はいろいろ工夫して、機械を用意する時とか特別な紙を用意する時に、どうやったらいちばん上手く作れるかな、ということを考えるんですよね。」
質問者「はい。」
藤田先生「そういうところがいろんな工夫になって世の中ができていることを、ぜひ伝えたいなと思って、この質問はいいかなと思ったんですね。」⇦まるで社会科のようなお話。藤田先生の守備範囲広すぎないか。

藤田先生「○○君の最初の質問(への答え)は、新幹線の切符はいろいろなことが書かれていなきゃいけない…今、私の手元にあるのを見たら、どこから乗ってどこで降りて、何月何日の何時発の新幹線でとか、いろいろ書かれています。金額も書いてました。“11,290円”って書いてあるんですけどね(笑)。あと、この切符をどこで出しましたというのも書いてありますもんね。そういうふうにいっぱい情報を書かなきゃいけないから、紙が大きくなるのかなと思いました。」
質問者「はい。」
アナウンサー「今度、ふつうの切符と特急の切符と、もしお父さんお母さんが使って、手元にあるようだったら、お家に持ってきてもらって、大きな切符の短い方の長さと、小さな切符の長い方の長さを…」
藤田先生「比べてみたらいいかもしれないですね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「ピタッと合うということですね。」
藤田先生「…と、思うんですけどね。」
アナウンサー「○○君はどんな電車が好きなの?」
質問者「全部大好きです。」
藤田先生「路面電車とか乗ったことあります?」
質問者「ありません。」
藤田先生「東京も早稲田の方で走ってたり、私の出身地の函館にも路面電車がありますけど、ああいうのもいいですよね。」
アナウンサー「○○君、夏休みもうちょっとだけど、また電車に乗る機会に、先生のお話を思い出して切符をよく見てみてね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「電車が大好き、切符のにおいが大好き(笑)という○○君からの質問でした。」
藤田先生「…かすかにしますね。(笑)ンッフッフッフッフッフッフッフッフッ…」⇦クンクンしたのかー!しかもかなり嬉しそう。
アナウンサー「(笑)どんなにおいかな? 私も放送の後かいでみます。」
ちょうど良く10時台の質問が終わって、ニュースとかで10分お休みできるからアナウンサーもクンクンしたかな? と思ったけど、その後も切符の話は全く無し。スタジオに届いた切符の出どころ気になる。
ちなみに、この回の文字起こししてる間に新幹線で出かけることがあったので、切符のにおいをかいでみたけど、特に好きとは感じなかった。クレカの利用明細に切符と同じ紙を使ってる方が個人的には面白い。

Q7 ボイジャー2号はどこまで行ったんですか?
  (小2男子)

アナウンサー「ボイジャー2号! どこでボイジャー2号を知ったの?」
質問者「図鑑で知りました。」
アナウンサー「本当。○○君が知ってるのはどんなことかな? ボイジャー2号がいつ頃打ち上げられたとか知ってる?」
質問者「はい。」
アナウンサー「いつだ?」
質問者「せん…1977年。」
アナウンサー「そうね、すごい古いこと…もう40年以上前なんだ。そのボイジャー2号が今頃どこにいるのかな、っていうことが気になるのかな?」
質問者「はい。」
永田先生「ボイジャー号のこと、質問してくれてありがとう(笑)。」
上田先生「(笑)フフ。」
永田先生「私ね、ボイジャー号大好きなんですよ。今、どの辺りにいるのかなって調べてみたら、今年の1月で、地球から180億㎞ぐらい彼方にいて、今もどんどん地球から遠ざかってます。」
質問者「はい。」
永田先生「で、太陽圏っていう所は抜けて、でもまだ…太陽系というのは太陽の力を及ぼす範囲のことなので、まだ太陽系を抜けてないんだけれども…」
太陽圏は太陽風の届く範囲、太陽系は太陽の重力が及ぶ範囲らしいけど、太陽風とは…って調べていくとどんどん分からない言葉にぶち当たる…。

永田先生「ボイジャー号ってすごい探査機で、よく、“太陽系グランドツアーしたよ”って言われるんだけれども、木星とか土星とか天王星とか海王星とか、今図鑑に載ってる画像…迫力の惑星の画像を最初に撮ってくれたのがボイジャー号なんだよね。」
昔、学習机のマットに挟まっていた惑星の図説を思い出す。画像だったのか絵だったのか分からないけど、元になったのはボイジャー号が撮った画像かもしれない。1度見出すとずーっと見てしまってた。

永田先生「ボイジャー号は今もどんどん飛び続けてます。私がボイジャー号でいちばん感動したのが、1990年にちょうど60億㎞ぐらい彼方にいた時に、地球を振り返って撮ってくれている画像があるんです。もし○○君が調べられたら、後で見てほしいなって思うんだけれども、“ペイルブルードット”っていう名前がつけられている青い小さな点みたいな画像。これが地球の画像なんですよ。」
上田先生「ふうううん。」
永田先生「遥か彼方からボイジャー号が振り返って、地球をちょっと見て、今も飛び続けてるんだけれども、その小さな地球の中に私たちが住んでいて、毎日笑ったり泣いたりしながらみんなが生きている小っちゃな星、それを撮ってくれたのね。」
質問者「はい。」
永田先生「ボイジャー号ってまだまだ飛び続けて、残念ながら地球との交信はもうできないんだけれども、いちばん近い星まで行くには、まだ数万年もかかるんですって。宇宙ってそれぐらい広いっていうことなんですよ。」
上田先生「ふーん。」
質問者「はい。」
180億㎞も遠いけど、1光年が9兆4600億㎞なのを考えると、まだまだ進んでないんだな。

永田先生「○○君も図鑑で見たかもしれないけど、ボイジャー号って、ゴールデンレコードというものが積まれているの。」
質問者「あ、知っています。」
永田先生「知ってます? 良かった。当時ボイジャー号を作るのに担当したいろいろな科学者の皆さんが、地球の画像とか、世界中の挨拶とか、音楽とか、いろいろなものをこのゴールデンレコードに詰め込んで、ボイジャー号に載せたんです。だから、あと数万年経った後に、どこかの宇宙人が拾って、地球のことを“あ、こんな星があるんだ”っていうのを…宇宙にはこんな星があって、こんな素敵な人間がいたり動物がいたりする星があるんだ、というのを知ってほしいという願いを込めて、載っけたんです。」
質問者「はい」
永田先生「地球があと50億年ぐらいすると、太陽もだんだんと大きく膨らんだりして、地球の環境も大きく変わって、地球も大ピンチになってくると思うんですけれども、地球がたとえ無くなったとしても、ボイジャー号はあるんです。だから地球のいろんなことを詰め込んで、今も宇宙を飛んでるのね。
私たちが打ち上げた探査機の中で、最も遠くを飛んでいるボイジャー号、そんな探査機があるんだなっていうのを○○君が見つけてくれて、とっても嬉しいと思います。」
質問者「はい。」
永田先生「私、このペイルブルードットを見た時に、こんな小っちゃな星の中で戦争したり、地球を壊したりするのって、こんな小っちゃな中で何てことやってるんだろうって思ったの。探査機がいろんなものを撮ってくれて、私たちに宇宙のことを教えてくれるんだけれども、地球のことを遠く遠く、宇宙に行って振り返って撮ってくれて、私たちの地球が私たちが住めるたった1つの星で、どんなに遠くに行っても私たちが帰れる場所は地球だけなんだよ、ということをボイジャー号は教えてくれた探査機かなって、私は思っています。」
質問者「はい。」
永田先生「これからもボイジャー号、地球からどんどん離れていってるけれども、応援していこうね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君の質問のおかげで、私も久しぶりにボイジャー2号を思い出しました。」
永田先生「ねー、私とっても大好きな探査機で、ボイジャー号が撮ってくれた土星とか海王星とか、いろーんな画像にワクワクしたし、すごいなって思いました。」
アナウンサー「今も飛び続けて頑張ってるんですね。」
永田先生「頑張ってるんですよ。」
地球との交信は途絶えてるし、ボイジャー号を作った人たちもだんだんいなくなるし、地球もいずれなくなるのに飛び続けるなんて…切なくなるお話だった。

Q8 白いカラスはいますか?(小3女子)

アナウンサー「なぜこれを質問したの?」
質問者「白いカラスもいたらいいなと思いました。」
アナウンサー「そうか、他に何か白いもの知ってる?」
質問者「……アヒルとか?」
アナウンサー「そう、時々白い動物、ライオンとかが見つかったってニュースになってるもんね。カラスは好きなの?」
質問者「カラスは……うーん…」
アナウンサー「ふつうかな?(笑)」
質問者「はい。」
上田先生「白いカラスは時々います。」
質問者「そうなんですか?」
上田先生「滅多にいないけどね、1万匹に1匹とか、そんな感じで生まれることがあります。それから、白いツバメとか、白いスズメが見つかることもあるよ。知ってた?」
質問者「知らなかった。」
上田先生「時々新聞の隅っこの方に小さなニュースで載ってることがあります。そりゃ、ツバメはみんな黒いし、スズメは茶色だし、カラスは黒いから、やっぱり白かったら珍しいのね。多分、何千匹か1万匹に1匹ぐらいの確率で現れることがあります。」
質問者「はい。」
上田先生「先生の家の近くに公園があるんですけど、今年、そこでハシボソガラスが巣を作ったのね。雛が3羽生まれたんです。そのうち雛が大きくなって巣立ったんですけども、最初に巣立ったのは真っ黒でした。けど、2番目が翼がちょっと白くて、3番目の子は翼がかなり白かった。真っ黒な体の中に羽だけ白い、そんなカラスが生まれていました。」⇦しっかり観察されている。さすがだ。
アナウンサー「へええ~。」
上田先生「だから、時々そういった白いカラスも生まれることがあるんだなあって、先生も思いました。とても珍しいけども、ゼロじゃないということですね。」
アナウンサー「それはどこに行けば見られるというようなものではない…ですかね?」
上田先生「うん、いれば見てみたいってみんな思うでしょ? だけど、……うーん、その家の近くのちょっと白かったカラスも、猫に襲われて死んじゃったの。」
質問者「ああ…」
アナウンサー「あらま。」
上田先生「自然界で白いカラスとか白いスズメがいたら、目立つでしょ? 目立つというのは生きていくのにはすごく不利なの。どうしてかというと、タカとかの天敵にすぐ見つかって襲われてしまいます。だから白いカラスやスズメは見つかっても、あまり長生きできないんだろうなと思う。かわいそうだけどね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「仲間と違うっていうことは、やっぱり危険ということでもあるんですね。目立っちゃって。」
上田先生「そういうことですね。やっぱり自然界、野生の世界は厳しいからね。」
アナウンサー「なるほどね。でも1万羽に1羽くらいは自然に生まれてくる、ということで。」
上田先生「はい、そうですね。」
厳しい現実もしっかり伝えてくれるお話だった。

Q9 虹をきれいに作るにはどうしたらいいの?
  (小2女子)

アナウンサー「○○ちゃんは虹を作ろうと思ったことがあるの?」
質問者「ないけど、おばあちゃん家のお庭の水やりをホースでしてると、たまーに虹が見られることがあるから、やってみようかなって…」
藤田先生「水の他にも何か虹のようなものを作ったことはありますか?」
質問者「水じゃなくてですか? CDで作ったことは…」
藤田先生「CDでもできますよね。CDでは一生懸命やってみたの?」
質問者「うん、自由研究で。」
藤田先生「自由研究で。…ん? 2年生ですよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「2年生からレベルの高い研究をすると、将来、どんどん難しい研究になっていくけど…(笑)」⇦質問者のレベルの高さに驚かれる。
藤田先生「虹って空に見える虹と、CDで作ることができる虹と2通りありますよね。○○さんが作りたいのはどっちなの?」
質問者「1回作ったのはCDだから、1回、ペットボトルに水を入れてやったことがあって、うまくできなかったから、水で作る方できれいにできるようになりたい。」
藤田先生「なるほど。きれいにできるというのは、多分○○さんが言うのは、はっきり見えるということでいいのかな?」
質問者「うん。」
藤田先生「そうですよね。CDで作る時にどうやって作りました?」
質問者「CDに、斜めぐらいの角度から懐中電灯を当てて、奥の壁に虹ができるっていう仕組み。」
藤田先生「なるほど。いろんなやり方があると思うんですけど、はっきり見るためには、やっぱり周りを暗くしたらいいですよ。」
質問者「うん。」
藤田先生「夜にやるのがいいと思うんですけど、真っ暗い部屋でCDのキラキラしてる面に、懐中電灯の光を当てるんですよね? 当てて、その光が進んでる方向と反対側に壁を用意しておいて、……逆か。壁がある所と反対側にCDを置いて光を反射させるといいんですよね。そうすると、きっと壁にきれいな虹が見えるんじゃないかなと思うんですよ。だから、周りをうんと暗くして見るというのが1つですよね。」
質問者「うん。」
藤田先生「あとは、CDって実は何種類かあるんですよ。知ってました?」
質問者「それは知らなかった。」
藤田先生「ふつうのCDとか、CD-Rとか、CD-RWとか、規格というんですけど、いろんな種類が売っているんですよね。○○さんが確認したのが1種類のCDだけだったら、何種類か違うCDで試してみたらいいですよ。よりきれいな虹ができるのはどの種類かな、というのを調べることもできますよね。」
質問者「うん。」
藤田先生「あとは懐中電灯の種類を変えちゃうっていう手があります。ふつうの懐中電灯じゃなくて、LEDって知ってますか?」
質問者「うん。」
藤田先生「LEDを当ててみたら、どんなふうに変わるかなっていうのを調べたらいいかな。ここで答えを言うと自由研究にならなくなるので、(笑)あまり細かく言わないけど、そういうやり方でいろいろやってみたらいいんじゃないですかね。」

藤田先生「あと、本物の虹を作りたいというのであれば、本物の虹は…やったことがあるんでしたっけ。」
アナウンサー「ペットボトルのお水でやってみたけど、うまくいかなかったんだっけ?」
質問者「うん。」
藤田先生「ペットボトルは多分、CDに比べるとあまりはっきりと見えないと思うんですね。そういう点を考えれば、CDの方がはっきり見えるかな。
空に見える虹を作りたいというのであれば、…虹は見たことありますよね?」
質問者「うん。」
藤田先生「あれと同じような虹を好きな時に…太陽が出てないと困るんですけどね、太陽が出ている時に霧吹きを噴いたりして作ることができますね。それは知ってました?」
質問者「知らなかった。」
藤田先生「虹って太陽が出ていないと出ないですよね。曇りの日に虹を見たことはないですよね?」
質問者「うん。」
藤田先生「天気の良い日に外で……霧吹きは知ってますか? よくお母さんがアイロンをかける時に使いますかね、お料理でも使うことあるかもしれませんけど、霧吹きを空に向かって噴いてみて、どっちの方向にやったら(虹が)見えるかな、というのを試してみたらいいかもしれないですね。」
アナウンサー「それは言わないんですね?」
藤田先生「言っちゃうと…ね。天気の良い日はこれからも続くでしょうから、夏休みの自由研究だけじゃなくても、身の周りのいつも疑問に思うことで試してみてもいいかな。」
アナウンサー「スプレーみたいなものでもいいですか? 今はスプレーの方が手に入りやすいかもしれないですね。」
藤田先生「そうですね、そういうものでやってみたらいいかなと思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「太陽はどの角度に出ていても別にいいですか? お昼とか夕方とか朝とか。」
藤田先生「どの角度に出ていてもいいんですけど、本当は…」
アナウンサー「それも言わない方がいいですか?」
藤田先生「いや、言ってもいいかな(笑)。どの方向にあっても見ようと思えば見られるんですけど、真上にあると虹が見にくくなるので、少し低い方がいいですね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「なるほど。○○ちゃんは自由研究で虹のことを研究したの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「○○ちゃんはCDをやってみたんだ。CDはうまくできたの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「それで水でやってみようと思ったら、それはうまくできなかったんだ。」
質問者「はい。」
アナウンサー「じゃ、夏休みの自由研究としては、まだやること残ってるのかな?」
質問者「もう完成はしたけど、まだ時間が残ってるから、やってみてもいいかな…」
藤田先生「おお、すごい…。向上心あふれる(笑)。CDの種類を変えるのが面白いかなと思うんですよね。真っ暗な部屋でCDに懐中電灯を当てて、その反射した光は、けっこうはっきりときれいに見えるので、大人でも“こんなに見えるんだ”って実感するというか、楽しいかもしれないですよね。」
アナウンサー「○○ちゃん、それをやって、自由研究をさらに磨きをかけて提出するといいですね。」
藤田先生「いいですね。」
以前に未就学のお子さんから「虹は誰が描いたの?」という質問に、藤田先生が「太陽と雨が描くんです」と答えていたのを思い出した。

Q10 カラスは喋れないのに、オウムやインコは
  なぜ喋れるんですか?(小5男子)

アナウンサー「○○君はどうしてこれを疑問に思ったんですか?」
質問者「友だちの家でインコを見て、それで“おはよう”とか喋っていたからです。」
アナウンサー「お友だちの家で飼っていたのはインコ?」
質問者「はい。」
アナウンサー「どんなことを喋ってました? “おはよう”の他にも何か言ってた?」
質問者「“おやすみなさい”とか言ってました。」
アナウンサー「どんな時に“おやすみなさい”って言ってた? 夜に言ってた?」
質問者「いや、僕が遊びに行った時に“こんばんは”って言ってました。」
アナウンサー「(笑)いろんなご挨拶ができるんだね。」
上田先生「カラスは話せないのにオウムやインコは話せる。そう思った? 実はカラスも話せるの。」
質問者「そうなんですか?」
上田先生「カラスを飼っている人ほとんどいないと思うけど、きちんと言葉を教えると、おはようとかこんにちはとか、それぐらいは喋れます。」
アナウンサー「カラスがですか!」
上田先生「うん。カラスって賢い鳥だって言われてるでしょ? 賢いから喋れるのかなって思ってしまうけど、どうもそうではないみたい。オウム、インコ、カラスともう1つ、教えるとよく喋る鳥で、九官鳥って聞いたことない?」
質問者「あ、聞いたことあります。」
質問者「九官鳥ってね、黒いけどムクドリとかちょっと小さめの小鳥の仲間なんです。だから、人の言葉を喋れる…喋れるって言ってしまうけども、みんな考えて喋ってるんじゃないのね。真似してるだけ。」
質問者「はい。」
上田先生「だからオウム、インコも人の言葉を真似してるから、朝でも“こんばんは”とか、夜になっても“おはよう”とか、分からないから言ってしまうのね。カラスも賢いけどそれは多分できないね。」
質問者「はい。」
上田先生「やっぱり不思議でしょう? 鳥が人の言葉を真似するって。何でそんなことできると思う?」
質問者「うーん、ちょっと分からない。」
上田先生「うーん、あまり分からないけど、ただある程度分かってるのは、オウムとかインコ、カラスもそうですけど、カラスどうし、インコどうしですごくコミュニケーション…お互いに声で伝え合うことが非常に得意な鳥たちなんですね。カラスっていつもカーカー言ってるでしょう?」
質問者「うん。」
上田先生「“バーカ”とか“アホー”とかも言うけどね。」⇦そうなの? アナウンサー噴き出してるけど。
上田先生「そういうふうに、いつもコミュニケーションしている鳥は、お互いにとって声がすごく大事です。インコたちは人間が小さい頃から育てるでしょ? そうすると実は、インコにとって人間は自分の仲間だと思ってしまうの。僕らから見たら人とインコは全然違うけど、インコから見たら小さい時から人間しか見てないから、“人間も自分の仲間だ、自分の家族だ”って思ってしまうの。」
質問者「はい。」
上田先生「だから、家族が喋ってることをそっくりそのまま真似て、“おはよう”と言ったら“おはよう”と返す、“こんにちは”って言ったら“こんにちは”って返してくれる。彼らはそんなふうにして仲間どうしで連絡を取り合っている、コミュニケーションしているつもりでいるんだと思います。」
質問者「はい。」
上田先生「真似ようと思ってるんじゃないのね。意味が分かってやってるんじゃなくて、仲間が声を出すと自分も同じ声を出さねばならないって思っているんだと思う。そういうふうにしてお互いの絆を強めていくっていうかな、仲良くなっていく。やっぱり同じ声で鳴いてくれたら嬉しいでしょ?」
質問者「うん。」
上田先生「だから、お互いが仲良くするために相手の声を真似る。インコやオウムはどうも、そういうことをしているみたいです。」
質問者「はい。」
アナウンサー「先生、けっこう複雑なことも覚えられるんですよね?」
上田先生「かなり長い文章も覚えられるし、歌も覚えられるね。セキセイインコはあんなに小さいけどもね。大きいインコにも賢いのはいて、複雑なことも覚えますね。アフリカにいてるヨウムという種類は、アメリカで研究した人がいるんですけども、ヨウムは頭も良くて、真似るだけじゃなくて意味まである程度分かるみたい。リンゴとかミカンとかバナナとか教えるでしょ、人間が“リンゴはどれ?”って聞くと、ちゃんとリンゴをくちばしでつついたりできます。それから、2つの言葉を繋げることもできるみたい。“赤いリンゴ”とか“青いリンゴ”とか。青と赤って違うでしょ? “赤いリンゴを取って”って言うと赤いリンゴの方を取れるとか、それぐらいの知能はあるみたいですね。オウムやインコって本当に不思議というか、かわいらしいし、素晴らしい鳥たちだなって思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君、先生のお答え聞いてどう思いました?」
質問者「インコやオウム以外にも喋ることができるんだなあって思って、鳥はすごいなあと思いました。」
上田先生「うん、本当にすごいと思う。九官鳥なんかは先生はそんなにすごくないの。真似してるだけ。カラスぐらいになるともうちょっと何か考えてるかもしれない。オウムやインコもそうですけどね。だからやっぱり、すごいところはすごいと思います。」
アナウンサー「人間を仲間だと思うから、人間の言葉も覚えるということですね?」
上田先生「人間が飼うと自分が仲間だと思ってしまうんですね。」
仲間だと思うから、人間を自分のつがい相手だと思ってしまって、つがい相手以外には攻撃的になる…なんてことも以前に上田先生が話していたっけ。

Q11 お星様は、流れ星はどうして宇宙を飛んでる
  の?(4才女子)

アナウンサーに「お名前は?」と聞かれて「○○ちゃん」と答える4才。かわいいわ…。
アナウンサー「○○ちゃんはどうしてそれを不思議に思ったのかな?」
質問者「お月様を見たから。」
アナウンサー「お月様を見たから? お月様は飛ばないのに、どうして流れ星は飛ぶのかなって思ったのかな?」
質問者「だってさ、望遠鏡を使って見えたから。」⇦いまいちかみあわず。
アナウンサー「望遠鏡を使って見えたんだ。○○ちゃんはお星様やお月様は好きなのかな?」
質問者「うん。」
永田先生「お星様が好きなんだね。私も大好きなんです。○○ちゃんはお月様を望遠鏡で見たことあるんだよね?」
質問者「うん。」
永田先生「お月様は宇宙の中をポカッと浮かんでいるんだけれども、実は流れ星って地球の中で輝くものなんです。お星様の中に流れ星がピューンと飛んでくように見えるんだけれども、実は飛んでるのは地球の中なんです。けっこう近いところで輝いてるのね。」
酸素がある大気圏に入って初めて光るってこと? 初めて知った…。

質問者「うん。」
永田先生「昔の人は○○ちゃんみたいに、流れ星って宇宙で飛んでるのかな、宇宙にあるお星様が落っこちてくるのかなって思ってたみたいなんだけれども、そうじゃなくて、流れ星って何なのかなっていうと、宇宙には小っちゃな塵がいっぱいあるんです。小っちゃな塵の粒。これが地球の空気にすっごい速さでピュンと飛び込んでくるんです。ちょっと難しいかもしれないけど、○○ちゃんが“あっ!”っていう間に大体60㎞くらい。もうすごい速さでビューンって飛んでくるんですね。」
質問者「うん。」
永田先生「で、地球の空気の中を小っちゃな塵がビューンと通って行くの。その時に輝くのが流れ星なんです。」
質問者「うん。」
永田先生「その小っちゃな塵の粒はどこから来るのかなっていうと、小っちゃな塵の粒は宇宙からやって来るんですね。流れ星の小っちゃな塵の粒を運んでくれるのは、彗星っていうお星様なんです。彗星って言葉だけで聞くと実は2つあって、惑星の彗星と、ほうき星とも言われる彗星があるんだけれども、○○ちゃん知ってるかな?」
質問者「知らなあい。」
永田先生「知らないよねぇ。今度図鑑とかで探してみて。何でほうき星っていう名前がついてるのかなっていうと、ほうきみたいにお星様から塵やガスがビュンと出てくるような不思議なお星様なんですよ。」
アナウンサー「○○ちゃんはほうきって知ってる?」
質問者「ううん。」
永田先生「そうか、そうだよね(笑)。今は掃除機とかね、ほうきが分からないか。無いもんね。そしたら…この彗星っていうお星様はよく、“汚れた雪だるま”って言われるんだけど、○○ちゃん、雪だるまは知ってるよね?」
質問者「うん。」
永田先生「知ってるよね。雪だるまって氷でできてるから、暖かい所に置いとくと解けちゃうよね?」
質問者「うん。」
永田先生「この彗星っていうお星様も太陽に近づくと解けちゃうんだ。解けちゃうと、お星様の氷から塵やガスがビャビャビャって出てくるの。そういう素敵な不思議なお星様なんですね。この彗星が落とした塵が、地球にぶつかって輝くのが流れ星なんです。ちょっとメカニズムは難しいんだけれども、流れ星って地球の空気の中で輝いているんだよ、っていうのを覚えておいてね。」
質問者「うん。」
ほうきを知る人もだんだん少なくなっていくんだな…。

永田先生「○○ちゃんは流れ星を、まだ見たことない?」
質問者「うん。」
永田先生「流れ星を見るのにいい日があるの。これが流星群っていう日なんです。ちょっと前にペルセウス座流星群っていう流れ星がいっぱい飛ぶ日があったの。これが8月12日頃だったんだけど、今度はちょっと寒い日になるんだけれども、12月14日頃がいいかなぁ、ふたご座流星群っていうんだけれども、流れ星がいっぱい飛ぶ日があるんだよ。そういう流れ星がいっぱい飛ぶ日に、ご家族の皆さんと一緒にお空を根気よく見上げてると、流れ星が見られるかもしれないです。
あと、私は流れ星をけっこう見るんだけれども、○○ちゃんは星とか月とか好きなんだよね? じや、お空を見るのが好きかな?」
質問者「うん。」
永田先生「よかった。そうすると○○ちゃんは、これから流れ星を絶対に見ることができると思います。お空をたくさん見てる人が流れ星をよく見られるの。だから流れ星もね、○○ちゃんが見てくれてるなって思うと、ビューンと飛んでくれると思うんだ。」⇦話し方が国司先生ぽくなっている。
質問者「うん。」
永田先生「お星様ってね、いっぱいお空を見てる子が大好きです。いっぱい見てくれる人には、きれいな流れ星とかお月様とか、いろんな星座を見せてくれます。だから、○○ちゃんもこれからお空をいっぱい見上げてみてね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「○○ちゃん、質問してくれてありがとう。」
質問者「ありがとうございました。」
アナウンサー「はぁい、さようなら。」
質問者「…うん。」⇦この「うん」はこの日いちばんかわいかった「うん」だなあ。お別れするの寂しかったのかな?
永田先生「(笑)ウフフフ、うん、さよなら。」


質問終わり~先生方から一言
永田先生「今日はいろんな質問ありましたけれども、本当に星のこと、宇宙のこと、謎がいっぱいなので、これからもそんな謎を解き明かすように、いっぱいお空を見てほしいなと思いました。」

上田先生「今日も面白かったです。白いカラスとか、ペンギンとか、インコやオウムとか、自分も小学生の頃、同じようなこと考えてたなって思いました。スズメを捕まえるのも悪いことしたな(笑)って思い出しました。」

藤田先生「お子さんたちは自由研究の追い込み期間になっているんでしょうかね、いろんな自由研究のテーマみたいな話がありましたけど。夏休みの自由研究だけじゃなくて、毎日の生活の中でもいろんな疑問って出てくると思うので、もちろんまとまった時間があればやりやすいでしょうけど、ふだんも疑問に思ったことを書き溜めておいたら、“こんなこと疑問に思ったな”って、後で解決策が見つかるはずなので、考えてくれたらいいなと思いました。」

夏休み子ども科学電話相談8/4 とりとめのない感想

恐竜の鳴き声(?)からいつもの軽快な番組の音楽につながる「夏休み子ども科学電話相談」。15日連続放送の最終日は「恐竜スペシャル」。回答する先生は
 東京(国立科学博物館)から 真鍋 真先生
 北海道むかわ町から 小林快次先生
「恐竜博2019」の会場、東京の国立科学博物館と、むかわ竜の化石が発掘された北海道むかわ町から二元中継。それぞれの会場に来た子どもたちからの質問に先生方が答える、いつものスタジオからではない、そして電話相談ではない放送。
アナウンサー「いつもと違って、電話での質問の受付はありません。ラジオで聞いているお友だち、よろしくお願いします。」

アナウンサー「目の前にはたくさんのお友だちです。みんな恐竜は大好きですか?」
子どもたち「「はああああい!」」
アナウンサー「恐竜について知りたいこと、たくさんありますか?」
子どもたち「「はああああい!」」
真鍋先生「(笑)ハハハハ」
恐竜好きのお子さんばかり。

アナウンサー「真鍋先生は、「恐竜博2019」の監修者でもいらっしゃいます。ふだんはどんなお仕事をされているんですか?」
真鍋先生「博物館は東京の上野にあるんですけれども、僕の研究室はつくばにあって、博物館の標本を研究したり、実際に調査に行って標本を集めたり、それからこうやって展覧会を作ったり、いろんなことやってます。」
アナウンサー「恐竜博では音声ガイドで解説もなさっています。声を聞いたよっていうお友だちもいるかな? 手が上がりました。先生どうですか、子どもたちの今日の熱気は。」
真鍋先生「すごいですねえ。だから、たくさんのいい質問お待ちしています。」
私も音声ガイドで真鍋先生のお声を覚えた一人。

アナウンサー「今日はもう1ヶ所、むかわ竜が発掘された北海道むかわ町にもお友だちが集まっています。」
キャスター「むかわ町にあります四季の館・たんぽぽホールからお伝えします。こちらにはおよそ300人の恐竜ファンがお越し下さいました。こんにちは!」
お友だち「「こんにちはー!」」
キャスター「いやあ、皆さん元気いっぱいです。皆さん、恐竜好きですか?」
お友だち「「はああああい!」」 「大好き!」
大人の声も混じってるけど恐竜“ファン”だからいいのか。地元の方もいるだろうし。

キャスター「むかわ町と言えば、むかわ竜が発掘された場所ですが、その指揮をお執りになった小林快次先生にお越し頂きました。先生は発掘で長い間むかわ町に滞在されたと思いますが、むかわ町にはどんな印象をお持ちですか?」
小林先生「むかわ町は何度も来てるんですけど、まず食べ物がおいしいですね。景色もきれいですし、町民の方々もすごく温かくて、めっっっちゃくちゃ良い所です。もちろん恐竜もいいんですけども、町自体が素晴らしい所なので、ぜひ来て頂いて恐竜も楽しんでもらえればいいかな。」
アナウンサー「小林先生、こちら真鍋先生がいらっしゃるんですけれども、真鍋先生とはおなじみでいらっしゃいますよね?」
小林先生「もちろん非常にいつもお世話になっております(笑)。」
真鍋先生「(笑)こちらこそお世話になってます。」
小林先生「真鍋先生と最初に会ったのは高校1年ですかね、僕がまだ学生の時からいろいろお世話になっている先生です。」
真鍋先生「こちらこそ。小林君、ついこないだまでアラスカに行ってたんですよね?」
小林先生「そうです、8月1日に帰って来て、3日目になります。」
真鍋先生「(笑)東京に来たり、むかわ(町)に行ったり、大変ですね。」
アナウンサー「大忙しです。」
むかわ町にいる小林先生は何だか生き生きしてるし、真鍋先生に君づけで呼ばれるし、ふだんのスタジオで回答してる時とは違う面も感じられて楽しいねえ。

Q1 (東京)いちばん強い恐竜はどれですか?
  (小2女子)

アナウンサー「○○ちゃんはどうしてそれを知りたいと思ったの?」
質問者「……」
アナウンサー「強い恐竜が好きなのかな?」
質問者「うん…」⇦大勢の前で緊張ぎみ。
真鍋先生「○○さんがいちばん強いんじゃないかなって思う恐竜はどんな恐竜ですか?」
質問者「ティラノサウルス。」
真鍋先生「じゃ、肉食恐竜系なんだね。当然、肉食恐竜はエサを求めて、いろんな恐竜を食べたいと思うので攻撃してくると思うんですけど、アルゼンチノサウルスみたいな大きな恐竜なんかも、食べようと向かっては来ないけど、すごく体が大きいから怖かったりすると思うんですよね。
強いと言った時にどんなことで強さを測るかっていうのがあると思うんですけれども、○○さんの大好きなティラノサウルスっていうと、肉食恐竜の中では咬む力がすごく強いんですよね。そういった意味で、咬む力比べをしたらティラノサウルスがいちばん強いと言われています。
だけど、ガラパゴスに今いるフィンチっていう小さな鳥が、すごい小さいんだけど、咬む力がすごい強いので、ティラノサウルスみたいに大きな体になったら、ティラノサウルスよりも強いんじゃないかと言われてたりするので面白いですよね。」
アナウンサー「○○ちゃんはアルゼンチノサウルスって知ってますか?」
質問者「知りません。」
真鍋先生「首が長くて尻尾の長い、竜脚類の恐竜で、アパトサウルスとかディプロドクスとかカマラサウルスとか、いろんなやつがいるんですけど、基本的には植物を食べる恐竜なので、全長で言うと30メートル以上、いちばん大きいやつで今38メートルとかね、体重も40トンぐらいあるんじゃないかと言われているんですけど、そういう恐竜たちが食べられないようにと暴れたら相当怖いんじゃないかなと思うんですよね。」
アナウンサー「そのアルゼンチノサウルスとティラノサウルスって同じ時代にいたんですか?」
真鍋先生「ティラノサウルスと一緒にいたのはアラモサウルスっていう別の種類の恐竜ですね。そういった意味では、同じ時代の同じ空間で食った食われたとか、出会う可能性がある恐竜の中では、ティラノサウルスに対してはアラモサウルスとかの恐竜なんですけど、アルゼンチノサウルスってよく図鑑などで体がいちばん大きいとか長いとか、そういう恐竜の中で名前が出てきたので、例として出してみました。」
アナウンサー「小林先生のご意見も聞いてみましょうか。」
小林先生「今の動物に置き換えてみると面白いと思うんですけれども、例えばゾウとライオンどっちが強いかなとか、カバとワニとどっちが強いかなって考えると、一見ライオンの方が強いとか、ワニの方が強いと思いがちなんですけど、本当に戦わせると、おそらくゾウの方が勝ってしまうし、カバなんかもワニを真っ二つにしちゃうぐらい、強い咬む力を持ってるんですよね。だから大きくて優しい恐竜もめちゃくちゃ強いので、まぁ強いという定義をどうするかはあると思うんですけど、私はどちらかというと、アルゼンチノサウルスがいちばん強かったんじゃないかな、なんて思ったりしますね(笑)。」
真鍋先生「(笑)」
アナウンサー「なるほど~。攻撃力という意味ではティラノサウルス、でも、それに負けない…」
小林先生「本当の強さっていうとどうなんですかね、やっぱり優しくて大きい恐竜の方が、もしかしたらいちばん怖いかもしれないですね。」
真鍋先生「うん、ねえ。」
アナウンサー「なるほど~。○○ちゃん、どう思いましたか?」
質問者「初めて知って良かったです。」
アナウンサー「強いっていうのをどう捉えるかで、答えも違ってくるんだね。会場のお友だちにも聞いてみましょうか。“やっぱり攻撃力がいちばんでしょ、ティラノサウルスでしょ”って思う人?……おっ、三分の一ぐらい? “はい”って声を出して。」
お友だち「はい」「はい」……
アナウンサー「あ、拍手にしましょう。じゃあ、大きくて優しい恐竜がいちばんだと思う人、拍手して下さい。」⇦ラジオ番組なのを考慮して伝え方を変えてくれる。ありがたい。
お友だち「(拍手)パチパチパチパチパチパチパチパチ」……
アナウンサー「じゃ、もう1回、ティラノサウルスだって思う人、拍手。」
お友だち「(拍手)パチパチパチパチパチ」……
アナウンサー「(笑)どうでしょうね先生。」
小林先生「(笑)こっちの方が少ないですね。」
アナウンサー「ちょっとアルゼンチノサウルスの方が勝ってるかな?っていう感じですかね。」
小林先生「いや、私たちがタイムマシンで恐竜時代に行った時に、いちばん嫌なのはティラノサウルスだと思いますけどね。ものすごく怖いと思います。」⇦混ぜ返してむかわ町から東京の会場を盛り上げる。
お友だち&真鍋先生「(笑)ハハハハ」
アナウンサー「(笑)そうか、いちばん怖いという意味ではね、ティラノサウルスかもしれません。」

ちょっと前にあった、動物・植物・昆虫のどれが最強かという質問では、植物が死なないから最強との結論で終わったけど、最強の昆虫としてノミネートされながら、ヒグマに食べられて呆気なく負けたオオスズメバチを思い出す。攻撃性とか割と身近にいる点ではやっぱり怖い存在だよなぁ。先生どうしでムキになって言い合ってた質問も、この「夏休み子ども科学電話相談」の初めの方にあったんだよね。

Q2 (むかわ町)化石が発見されている恐竜は何種類
  いるんですか?(小5男子)

キャスター「○○君は何種類だと思う?」
質問者「うーん、1万種類ぐらい。」
小林先生「じゃあ、会場の人にも聞いてみますかね。クイズ形式で。①1000種類 ②1万種類 ③10万種類で、みんな手を挙げて。じゃあ1000種類だと思う人。……こっちは半分以上ですねぇ。1万種類だと思う人。……あ、こっちも多いですねぇ。」
キャスター「同じぐらいでしょうか。」
小林先生「10万種類。……あっ(笑)みんなけっこう多いですね。」
仕切りと実況をお一人で進める小林先生。やっぱり生き生きしてる。

小林先生「正解は、今、名前がつけられている恐竜の数でいうと、1000種類を超えてますが、1万種類までいってないですね。」
キャスター「へえー。」
小林先生「だから実は、そんなに見つかってないんです。思っている以上に。で、日本からいくつ恐竜が名前をつけられてるか知ってる? 日本の恐竜で知ってるのいる?」
質問者「………」
小林先生「知らない?」
質問者「……はい。」
小林先生「そうか、じゃ図書館に行って図鑑とかで調べてみるといいんだけど、日本からも恐竜が見つかってます。例えば、兵庫県竜脚類、タンバティタニスっていうのが出ていたり、石川県からアルバロフォサウルスっていう恐竜がいたり、福井県からはフクイラプトル、フクイサウルス、フクイベナートル、フクイティタン、あとコシサウルスなんていうのが発見されてます。」
日本からもずい分見つかっているんだなぁと思いながら、耳と頭は恐竜名のマシンガンを浴びせる小林先生についていくのが大変…。

質問者「へえええええ…」
小林先生「日本もけっこう捨てたものじゃないんだよね。で、今はこのむかわ竜もすごく注目されてるんだけど、真鍋先生が甑島(こしきじま)って…鹿児島県ですよね? 鹿児島県に島があって、あそこもすごい良い化石が出ていて、真鍋先生もどんどん発掘して名前をつける作業をしているところなんだよね。だから日本ってまだたくさん出るんだけど、世界的に見ても、まだ実は1000種類ちょっとしか見つかってないんです。」
質問者「そうなんですか。」
小林先生「なので……○○君、恐竜好きでしょ?」
質問者「はい。」
小林先生「もし恐竜研究者になったら、まだまだ、見つかってない恐竜が世界中にいっぱいあるから、研究者になって恐竜を見つけてくれたらいいなと思います。」
質問者「はい。」
小林先生「せっかくだし、真鍋先生の甑島の話をしてもらえますか?」
真鍋先生「甑島でも新しい化石がどんどん見つかってるんですけど、まだ断片的なものが多くて、むかわ竜みたいに全身が復元できるところまでは、まだいってないんですよね。今のご質問で僕も面白いなと思ったんですけど、今、生物多様性がすごく少なくなっている現代なんですけれども、鳥だけで1万種類ぐらいいたり、哺乳類だけで6000種類いたりするんですよ。そうすると、三畳紀ジュラ紀白亜紀で繁栄した恐竜が1000種類なんて、全然少ないですよね? もちろん学名がついて、ちゃんと分類されている恐竜の総数が1000種類ちょっとということなんですけど、おそらく…小林先生はどんなご意見かわからないですけど、何十万種って恐竜がいたはずなので…」
アナウンサー「そんなですか? 何十万…うわあ…」
真鍋先生「うん、だから、僕なんか恐竜のことを知ったかぶっていろいろ喋っているんですけど、世界中の恐竜の専門家が分かってる恐竜なんて、本当に氷山の一角で、これからどんどん新しい恐竜が出てくると思うんです。そういった意味では、先ほど(クイズで)こちらの会場でもみんな10万種類って言ってたんですけど、10万種類って意外に少なすぎるかもしれないので、何十万種類を目指して、みんなで恐竜のこと面白いと思って調べていくと、どんどん増えていくんじゃないかなと思うんですよね。」
アナウンサー「そうすると、今ここにいるお友だちがだんだん大きくなっても、恐竜のこと全部分かっちゃったよという世の中ではないだろうと、いうことですね?」
真鍋先生「そうですね。よく“恐竜学者になるにはどうすればいいですか?”って小学生のご質問があるじゃないですか。15年ぐらい前から日本全国どこへ行っても、“自分が夢を叶えて恐竜学者になった時に、やること残ってるんですか?”っていう、余計な心配をする(笑)子どもたちが出てきて、世の中変わったなって思ったんですけど、今申し上げたように、恐竜学者として世界の第一線で活躍してる人も、恐竜のことを分かってると言っても、氷山の一角しか分かってない。何十万種って僕ら人類が知るためには、あとどのぐらいかかるか分からないんですけど、世界のみんなで一生懸命調べて研究して、どんどん恐竜の全貌が見えるようになるといいなぁと思うんですけどね。」
アナウンサー「小林先生に一昨日の放送で“秘密の野望”を伺った時に、南半球で発掘したいって仰っていましたよね? あっちもやっぱりまだ、可能性がありますか?」
小林先生「全く調査されてないんですよね。僕は今アラスカに行ってますけど、アラスカも本当にまだちょっとしか行ってないし、南半球なんてまだまだ行くところがあるんですよ。そうするともう、いくらでも恐竜出てくるので、みんなで一緒に探しに行きたいですね。本当に。これからどんどんいろんなことが分かってくるので、まだまだ終わりなんてものじゃなくて、始まったばかりだと思ってますね。」
アナウンサー「なるほど。会場のみんなはお話を聞いてどう思ったかな? ちょっと聞いてみて頂けますか?」
キャスター「まず○○君、今の先生のお話を聞いてどう思いましたか?」
質問者「恐竜は、本当にたくさんいるんだなあって思いました。」
小林先生「○○君だったらどこ行きたい? 恐竜の調査に行けるとなったら。」
質問者「んー、南極とか…」
小林先生「おおー!いいねえー、先生も行きたいんです。一緒に行きたいねえ。連れてって下さい(笑)。」
真鍋先生「(笑)ハハハハ」
アナウンサー「東京の会場でも、手を挙げて下さってるお友だちがいるので、聞いてみましょうか。……あ、いっぱいいるね。お話聞いてどう思った?」
お友だち「そんなにいっぱい恐竜がいるんだなって思いました。」
アナウンサー「うん、探しに行きたい?」
お友だち「はい。」
アナウンサー「じゃ、後ろのお友だちは?」
後ろのお友だち「恐竜は、いつになっても研究が終わらないんだなと思いました。」
アナウンサー「君は恐竜学者になりたいの?」
後ろのお友だち「なりたいです。」
アナウンサー「ああ~じゃ、テーマはいっぱいありますね。」
真鍋先生「もういくらでもありますので、心配しなくていいですよ(笑)。」
アナウンサー「横の女の子に聞いてみましょうか。」
横の女の子「まだまだ恐竜はいっぱいいるんだなって思いました。」
アナウンサー「そうね。何才ですか?」
横の女の子「7才です。」
アナウンサー「7才、2年生。そうなんだ、ありがとう。…ということで、子どもたちの夢が広がるお答えを頂きました。本当に本当に、発掘されたのがほんのちょっとっていうことですね。」
真鍋先生「そうですね、世界中の博物館にも、まだ分類されてなかったり、一応この種類だと分類されているんだけど、もしかしたら新種かもしれないとか、発掘されてるのに研究が進んでなくて、分かってない恐竜もたくさんあります。」
アナウンサー「楽しみですね。」


Q3 (むかわ町)むかわ竜の全身骨格の化石が良い
  状態で見つかったことで、今までに分からな
  かった新たな発見はありましたか? あと、む
  かわ竜はハドロサウルス亜科のエドモントサウ
  ルス類だと読んだのですが、決め手は何です
  か?(小4男子)

会場がザワザワ…ラジオの番組を聞いてると「あ、ガチ勢来たな」ってそんなに驚かないんだけど。驚かないけど、話についていけるか緊張する。

キャスター「詳しそうだね、○○君。」
小林先生「では、お答えします。実はこの会場に、目の前にむかわ竜の頭のレプリカがあります。あと本物の骨も実はあったりします。で、その隣に、むかわ竜じゃないんだけど、すごく近い恐竜の太ももの骨、大腿骨があるんで、せっかくなんで、壇上に上がって話をしようか。○○君、ちょっと上がって来て。」⇦何てうらやましい展開。
小林先生「これ大腿骨ね。大腿骨から分かることっていっぱいあります。その1つに、体重とか、年齢なんかが分かります。(質問者は)けっこう勉強してるみたいだから、むかわ竜の体重ってどのぐらいか知ってる?」
質問者「………」
小林先生「何トンぐらいだと思う? 大きさが8メートル。」
質問者「………4~5トンぐらい。」
小林先生「おおー!すごいね! 正解です。ズバリ。」
会場「おおおお~」
小林先生「今、僕らの研究で、この太ももの円周…太さで計算できるんだけど、4トンから5トンぐらいということでズバリ正解です。
次にですね、分からなかったことというか、今私たちの目の前にむかわ竜の頭があるんですけど、これでいろんなことが分かってきて、当然、この恐竜が他の恐竜とは全然違う恐竜であるということがあります。目の前にむかわ竜の本物の骨があります。(質問者に)これ持っていいよ。」
会場「おお~」⇦またザワザワ。発掘したご本人から本物の化石を持たせてもらえるなんて…会場とラジオの前のお友だちが興奮してそう。
キャスター「うわ…すごい!」
小林先生「すごく貴重な体験です。みんなうらやましいでしょう。」⇦先生自ら全国のお友だちをあおる。
小林先生「これを持って、頭のどの骨か分かる?ちょっとこっち来てみる?」⇦先生と質問者、マイクが要らない近さで話してるんだろうな。見えないけど。
質問者「ここら辺…」
小林先生「そうなんです。これ、むかわ竜の頭の後ろの骨なんですけど、こういうのを見ていくと、むかわ竜が他の恐竜とは違う、つまりは新しい恐竜の可能性が高いんです。いろんな特徴を言うといっぱいあるんだけど、○○君が言った、エドモントサウルス類に決定的に似ているところは、実はこの頭の(骨の)中にはないんです。(決め手は)歯なんだけど歯が全部抜けちゃってるのね。歯を見ると、縁に細かくポツポツポツとイボ状のものがあって、それがエドモントサウルス類の仲間に見られる特徴だというので、このむかわ竜がエドモントサウルス類だっていうことが分かりました。細かいところまで保存されている素晴らしい標本なので、このむかわ竜は本当に日本を代表する…もし、恐竜時代にオリンピックがあったら間違いなく日本代表の恐竜だということですね。」
会場「(笑)」
真鍋先生「(笑)ハハハハ」
小林先生「(質問者に)いいかな?」
質問者「うん。」
小林先生「よかったね、触れて。」
キャスター「○○君、今(本当の骨を)触ってみてどうだった?」
質問者「少し重くて、ゴツゴツした感じがありました。」
小林先生「恐竜の本当の色ってこんなだったと思う? 目の前にあったこの骨、何色だった?」
質問者「……少し黒っぽい感じの…」
小林先生「黒っぽい灰色というか。むかわ竜が死んだ時の骨の色は、私たちと一緒で白というか、ちょっとクリーム色がかった骨だったと思います。これが化石になるにしたがって、こういうような…」
キャスター「もともとの色とは違うんですね?」
小林先生「そうですね。本当はもっと軽いんだけど、石になっちゃったから重いんだよね。良かったね、体験できてね。」
キャスター「いやぁ、○○君、なかなかないことだよね。今、お話聞いてみてどうだった?」
質問者「……何か…」
小林先生「今ガッツポーズしたけど(笑)。」
キャスター「(笑)“分かった!”って顔してるね。」
小林先生「だって地元の恐竜だものね。」
キャスター「○○君は今日はどこから来てくれたんですか?」
質問者「むかわ町穂別から来ました。」
小林先生「う~ん。」
キャスター「ああ、本当に地元からむかわ竜の…」
小林先生「もう町民を代表して。」
キャスター「そうですね。今日は質問してくれてありがとうございました。」
質問者「ありがとうございました。」
恐竜キッズと小林先生ファンとむかわ町民を代表して、いい経験ができてよかったなあ。小林先生もお子さんと地元が喜ぶことをガンガンしてくれる。

Q4 (むかわ町)むかわ竜の鳴き声はどんな声です
  か? また化石から体の色はどうやって分かる
  のか……。(小1男子)

大勢の前で緊張して、鼻息とため息がマイクを「ボホー」と直撃。
キャスター「じゃ、むかわ竜の鳴き声、○○君はどんな声だと思う?」
質問者「……(鼻息ブフー)……」
会場&小林先生「(笑)フフフフ」
キャスター「(笑)どんなイメージかなぁ?」
質問者「………」
キャスター「恐竜の鳴き声って、皆さんもいろいろイメージしてるのかなって思ったんですが…」
小林先生「みんな興味がありますよね。じゃ、むかわ竜の鳴き声って、○○君、ライオンみたいに“ガオー”なのか、牛みたいに“モー”なのか、どっちだと思う?」
質問者「モー?」
小林先生「(笑)もしかしたらそうかもしれないけど、○○君、むかわ竜の鳴き声は先生も分かりません。(笑)アハハハハハハ…でも“ガオー”か“モー”だったら、“モー”だったと思うんだけど、“モー”とは言わなかったと思うんだよね。
恐竜の鳴き声って分かってない方が多いんだよね。分かってるもので、例えば、むかわ竜の親戚で…知ってる? こんな鳴き声してたんじゃないかって分かってる恐竜がいるの。」
質問者「………」
小林先生「パラ…パラサウ…」⇦ヒントも出していく。やっぱり絶好調だなあ。
質問者「ロロフス。」
小林先生「そうだね。パラサウロロフスってどんな恐竜だったっけ? どんな特徴があったっけ?」
質問者「………知らない。」
小林先生「知らない? 頭にこんな…」
質問者「あ、知ってる。」
小林先生「頭に長ーいトサカがついてるんだよね。あそこの中が空洞になっていて、音を共鳴させて鳴らす、なんていうのがあります。でもそれ以外って分かっていないというのが本当のところなんだよね。恐竜全体でほとんど分かっていません。これからの研究だと思うんだけど、多分、むかわ竜とかこういう恐竜は、仲間どうしで連絡するためとか、自分のパートナーを見つける時、繁殖期に音を出すので、そんなに相手を威嚇するような鳴き声ではなかったとは思うんだよね。だからそういう意味で、今生きている動物、ワニとかカメとか、鳥もそうなんだけど、どんな鳴き方してるかな、むかわ竜はどれに近いんだろうなんて想像してみるといいかな、と思います。
もう1つ、色の件は、……分かりません。(笑)ハハハハ。どっちも分かりませんで申し訳ないんだけど。恐竜の中で色が分かっているものもあります。それはすごく保存がいい恐竜で、メラノゾームっていう、色が分かるような構造が残っていたりするのもあるんだけど、むかわ竜の色はどうかというと…2つも質問してくれたんだけどどっちも分からないっていう、非常に申し訳ない答えになっちゃってるんだよね。」
キャスター「真鍋先生はいかがですか?」
真鍋先生「多分、○○君は図鑑とかをいろいろ読んでても、色とか鳴き声のことが出てこないので、それで今日、質問してくれたんだと思うんですね。小林先生のご説明にあったように、色なんかは、メラノゾームという構造が羽毛の表面なんかに残っていると、それを電子顕微鏡で見て、その形、密度から色が分かったりすることがあるんです。
それで、むかわ竜の表面がウロコのようなものだったんじゃないかなと思うんですけど、もし、そういったものが今後むかわ町で見つかってきて、…メラノゾームってけっこう深い所にあるので、羽毛よりは(ウロコの)色を推定するのが難しいんじゃないかと思うんですけど、もしかしたら分かることがあるかもしれないですよね?」
小林先生「そうですね、今は分からなくても、これからの研究でどんどん分かってくることがあると思うので、これからの研究に期待したいですね。」
キャスター「○○君、今のお話聞いてみてどうだった?」
小林先生「ガックリ?(笑)」
質問者「……」
小林先生「こっちでガックリしてます(笑)。」
真鍋先生「(笑)せっかく勇気を振り絞って質問したらねぇ…」
小林先生「まあでも、恐竜の研究って分からないこともまだまだたくさんあるってことだから、これからの研究で頑張ってもらったらいいなと思いますね。」
キャスター「そうですね。○○君、大丈夫かな?……頷いてくれましたね。」
小林先生「(笑)ハハハハ、納得してくれてよかったです。」
質問者のお子さんの様子も実況してくれるし、笑い声もNHKのスタジオの時より豪快だし。スタジオで回答してる時も、あまり笑い声を抑えてる感じはしないけど、小林先生の笑い声は明るいので好きだなあ。

Q5 (東京)隕石が地球に落っこちなかったら、恐竜
  はどのように進化していったのでしょうか?
  (小6男子)

アナウンサー「○○君自身は、どんなふうになっていたかな?って想像することある?」
質問者「はい。」
アナウンサー「どんな?」
質問者「海とか空に生活していたと思います。」
真鍋先生「ああ…。首長竜とかモササウルスみたいなものは、中生代の恐竜時代に海を泳いでいたり、翼竜プテラノドンとかも空を飛んでるけど、実は同じ爬虫類ですけど、厳密な意味では恐竜じゃないんですよね。だから、もし隕石がぶつからなくて恐竜時代が続いてたら、恐竜がどんどん海とか空に進出していたんじゃないか、そんな仮説ですよね。」
質問者「はい。」
真鍋先生「素晴らしいです。今度の「恐竜博2019」で(展示されているディノサウロイドは)、想像の生物なので実際に化石で見つかったわけじゃないんですけど、カナダで活躍されていたデイル・ラッセル先生が…1982年だったかな、恐竜の一部は鳥になって現在も進出を続けていると考えられているんですけど、それ以外の恐竜も絶滅しなかったとしたら、トロオドンみたいな脳が大きな恐竜がどんどん繁栄していって……脳が大きくなっていくと人間みたいに直立二足歩行でスクッと立った方が重い脳を支えやすいじゃないですか。だからそんなふうに進化するようなこともあったんじゃないか、と想像していて。その先生は、今まで見過ごされてきた化石とか、哺乳類と間違えられていた化石が見つかるんじゃないか、ということで、みんなへの問題提起として、そんなものを想像したんですけど、今のところはまだ、そういう“変な”恐竜は見つかっていないんです。でも、いろんな進化があったと思うんですね。
だから、もしあのまま恐竜が繁栄していたら、まず間違いないのは、人間は出る幕なかったですよね(笑)。」
アナウンサー「あ、やっぱり(笑)。」
真鍋先生「哺乳類は、恐竜とか爬虫類とか鳥類の足元で小さく進化するしかなかったんじゃないかな…って想像します。
いろんな計算があるんですけど、隕石は地球めがけて飛んでくるわけじゃないので、たまたまぶつかっちゃったわけじゃないですか。あれ、20分遅かったら、スッとそのままぶつからずに済んじゃったっていう説もあったりして、ほんのちょっとのことですごく運命が変わっちゃいましたよね。私たち哺乳類的には隕石が当たってくれて良かったこともあるんじゃないかなと思うんですけど、当時の恐竜たちにとっては迷惑な話ですよね(笑)。」
アナウンサー「もしそのまま隕石が落ちなかったら、やっぱり、その学者が仰っていたように、二足歩行してたと、真鍋先生もお思いになりますか?」
真鍋先生「難しいですね。ティラノサウルスは大きな頭と尻尾があったりするじゃない? やじろべえみたいにバランスを取って歩いているような形が、定番的な二足歩行の恐竜のイメージなんですけど、尻尾をやめて頭を体の真上にもってくるというのも1つの選択肢だと思うんですけども、鳥なんかを見てると尻尾をやめてそこは尾羽にして、空を飛ぶということを彼らはやっているので、きっといろいろなパターンがあると思うんですね。尻尾を持ち続けたものもいれば、もしかすると人みたいに直立二足歩行をするものも出てきたかもしれないよね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「なるほど。小林先生のご意見も聞いてみましょうか。小林先生、どうですか?」
小林先生「真鍋先生が仰ったように全く違う世界ですし、人間もおそらく存在していなかったと思いますね。じゃあ(恐竜が)絶滅しなかったらどんな世界だったかというと、おそらく…どの時代にもティラノサウルスとかアロサウルスとかシアツとかの大きい肉食恐竜がいたので、ティラノサウルスの時代が終わって、また違う巨大な肉食恐竜が生まれて、また違う竜脚類の巨大なものが生まれる中で、トロオドンのような変わった頭脳派の恐竜が出てきて、さらに面白い恐竜の世界があったんじゃないかな…って思いますね。いろんな想像が膨らみますね。」
アナウンサー「………はい。」⇦熱く語る小林先生に圧倒された感ありあり。
アナウンサー「優しい世界になっていたか…(笑)、戦いばかりの世界になっていたか。どうだろう、○○君はそんなこと考えることもある?」
質問者「んー、たまにあります。」
アナウンサー「どんなふうに考える?」
質問者「…やっぱり、…平和的かなあ。」
真鍋先生「(笑)ああ―。僕ら哺乳類的に考えると、爬虫類とか鳥類がすごく勢力があると、なかなか活躍の場所がなかったり、狙われちゃったりするかもしれないけど、そんな哺乳類たちにも繁栄のチャンスがあるような世界が広がっていると面白いですよね。」
アナウンサー「いろんな想像ができるよというお話があったけど、○○君は先生たちのお話を聞いてどう思いましたか?」
質問者「……」
アナウンサー「時間が20分違っていたら隕石が素通りしてたかもしれないっていうお話も聞きましたね(笑)。」
質問者「やっぱり、この地球に隕石が落っこちたおかげで人類が誕生したので、良かったと思います。」
真鍋先生「うん、人類代表としてはね。(笑)」

Q6 (東京)胃石でお腹が痛くなったりはしません
  か?(小3男子)

アナウンサー「胃石…胃の中にある石ころってこと?」
質問者「はい。」
アナウンサー「どうしてそれ、心配になったの?」
質問者「石は消化もできないし、外にも出せなさそうなので、そう思いました。」
アナウンサー「○○君が見た胃石って、どこで見たの?」
質問者「本物は見たことありません。」
アナウンサー「じゃあ図鑑とか本で知ったんだね?」
質問者「うん。」
真鍋先生「お腹が痛くなったりとか、困ることはなさそうだと思います。というのは、たくさんの鳥も石を飲み込んだりしてるし、マッコウクジラとかワニとか、(石を)飲んでる動物も多いので、困ることはなさそうです。だから安心して下さい。「恐竜博2019」では、ゴビ砂漠で見つかったデイノケイルスのお腹に石がたくさん見つかって、それをクリーニングと言って、バラバラにして、こんな形のこのぐらいの大きさの石がこんなに入っていたというのをお見せしてるので、ぜひその展示を見て下さい。」
質問者「はい。」
アナウンサー「すごくいっぱい入ってました?」
真鍋先生「そうですね、(直径)20~30センチぐらいの所にこんもりと、山盛りになるぐらい見つかったので、その胃石を(展示で)見て頂いているんですけど、胃石って、実は消化を助けるという可能性もあったり、海に住んでるような動物の場合には、体を重くして水の中に潜んでいられるようにするとか、泳いでいる時に体を安定させるみたいな意味もあるんじゃないかとか、様々な可能性があるんです。
実は○○君にズバリの答えがあって、最初に言うと笑われるかと思って、言おうか言うまいか迷ってたんですけど、僕の大学時代の後輩の男の子が、ワニとかが石を飲んでいるので自分も飲んでみようって、実際に飲んだんですって。」
アナウンサー「えええ~(笑)。」
真鍋先生「そしたら、人間の胃腸だと石がそのまま出てきちゃうんですって。」
会場「えええ~……」
真鍋先生「だから、逆に石をお腹の中に溜めておけないことに、その人は気がついたということなんですけど、ちょうど僕の後輩で小林先生の先輩にあたるぐらいの学年の子なんですけど、そういう変な人がいました。その1人の変な体験なんですけど、真似しないでね。(笑)」
人間は石を体内に溜めておけないのか! 貴重な発見。ということは、人間にとって石は不要だし、不要なものを外に出す仕組みがちゃんと働いているということか。

会場「(笑)」
アナウンサー「(笑)小林先生、その変な先輩は知ってますか?」⇦ストレートな聞き方。
小林先生「名前、何となく想像つきます。あの先輩だなっていうのが(笑)。多分、僕正解だと思います。」
アナウンサー「(笑)それじゃ、逆に恐竜たちは飲み込んだ胃石が外に出ちゃわない、出ないで済むっていう…」
真鍋先生「そうですね。鳥なんかの砂嚢(さのう)とか砂肝とか言われる所って、すごく筋肉質なので、逆にそれでしっかりと石をくるんであげてる、というところがあるので、そんなに簡単に出てこない。○○君が最初に石が体の外に出せなくなっちゃうんじゃないかなって心配していたんですけど、消化を助けることに使っていると、石と石を揉んで、一緒に食べた硬い食物繊維を細かくしていくんですけど、石と石がぶつかり合って、だんだん小さくなっちゃうんですね。だから、定期的に新しい石を飲み込んでいないといけないんで、そういった意味ではお腹に詰まって困るようなことはなさそうですね。よかったですね(笑)。」
自然界にあるものをそのまま食べるのって、石に助けてもらわないといけないくらい消化が大変なんだな。

アナウンサー「○○君、先生のお答え聞いてどう思いました?」
質問者「これでもう安心できます。」
真鍋先生「(笑)アハハハハハハ」
アナウンサー「(笑)安心できた。そうだね。○○君は実験で石ころを飲み込んだりしないようにね。恐竜は好きなんですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「Tシャツはカブトムシなので、カブトムシの方が好きなのかなって思ったけど、どっちが好き?」⇦ファッションチェック厳しい…
質問者「(笑)両方とも同じくらい。」
真鍋先生「夏休みですからね、夏に出会える昆虫たち…恐竜展も夏が多いので夏のイメージがあるかもしれないですけど、北半球の場合は夏休みにいちばん出会えると思うので、いろんな不思議な生き物たちと出会って、いろいろ調べてあげて下さい。」


Q7 (むかわ町)テリジノサウルスは草を食べていた
  という説があると聞いていますが、魚を食べて
  いたという説もあるので、先生はどちらを食べ
  ていたと思いますか? 僕はどちらも食べてい
  たと思います。(小2男子)

小林先生「ふーん…」
キャスター「テリジノサウルスって確か、爪が長い恐竜でしたよね?…でしたっけ? ○○君、合ってる?」
小林先生「どんな恐竜だっけ?」
質問者「爪が長くて……」
小林先生「大きい恐竜? 小っちゃい恐竜?」
質問者「大体けっこう大きい…けっこう大きい方の…」
小林先生「大体けっこう大きいんだ!(笑)ハハハハ! どのぐらいの大きさ?」
質問者「ティラノサウルスよりも少し…一回り小さいぐらい…。」
小林先生「おお~なるほど~。」
キャスター「テリジノサウルスは好きなのかな?」
質問者「はい。」
キャスター「植物も魚も両方食べていたと○○君は思ったということでしたけど、どうしてそう思ったのかな?」
質問者「デイノケイルスとさっきも仰ってたんですけど、その恐竜は草を食べていたけど、長い腕と爪で……魚を打ち上げて食べていたということも知っているので、(テリジノサウルスの)爪も同じように長いので、そうだと思った。」⇦敬語も使って自分の仮説も述べられて…2年生でここまでできるとはすごい。
キャスター「ああ、そうなのね。じゃあ会場のお友だちにも聞いてみましょう。テリジノサウルスが植物を食べていたと思うお友だち、拍手して下さい。」
お友だち「(拍手)パチパチパチパチパチパチ…」
キャスター「じゃあ魚を食べていたと思うお友だちは?」
お友だち「(拍手)パチパチパチパチパチパチ…」
キャスター「両方食べていた、○○君と同じ考えだよというお友だち、拍手して下さい。」
お友だち「(拍手)パチパチパチパチパチパチ…」
キャスター「うーん、同じくらいでしょうか。先生、お願いします。」
小林先生「答えから先に言います。先生は植物だったと思います。」
質問者「はい。」
小林先生「というのも、確かに長い爪を使って魚を獲るなんていう説もあるんだけど、正直ちょっと難しいかなあって…魚って速いからね。手づかみできる? できないでしょ?」
質問者「手づかみじゃなくて、手でバシャーン!って…」⇦小林先生の反論にも自分のイメージを具体的に話していく強さ。
小林先生「できる!? やったことあるの!? じゃあできるかもしれないね。(笑)ハッハッハッハッ…すごいな○○君、すごいね。」
会場「(笑)」
質問者「テレビで見た。デイノケイルスがやってて…」
小林先生「クマなんかもバシャッ!てやるもんね。同じ感じでできるかもしれない。テリジノサウルスの爪って見たことある?」
質問者「本とかで見た。」
小林先生「本か。レプリカでいいから(実際に)見てほしいんだけど…」
質問者「んーと、あと、前の小林先生の講演会のプロジェクターとか…」⇦講演会まで網羅していた。やっぱりガチ勢だ。恐竜にも詳しいけど「小林先生の」っていうのが大事なんだよね。

会場「(笑)」
小林先生「ああ~そっかそっか。爪ってすごく大きいの。あんまりカーブしてなくて長いんだよね。その先に爪もついているから、けっこう大きいの。長~いんだよ。それを振り回すなんてけっこう大変なんだよね。」
質問者「重すぎて…」
小林先生「重いしねえ…。1回やってみたらいい。自分の手で水をこうやって一緒に魚を獲ろうなんて、なかなか難しいと思う。で、よく見てみると爪の形も、そんなに力が入らないんだよね。力の入る爪ってギュッと曲がってるんだよ。長ーくて細ーい爪ってそんなに力もなくて、だから…熊手って分かる? 落ち葉とか集めるような。ああいう感じで周りにある木とか植物を自分の手前に引き寄せて、そこに生えてる葉っぱを食べられるんだよね。だから爪って実はすごく便利な道具なの。
で、テリジノサウルス自身が、実は優しい恐竜なんだよね。」
質問者「うん、それは知ってる。大体…」
会場「おお~」
小林先生「知ってた? 歯を見たら植物を食べる恐竜だし、顎の構造を見てもそんなに噛む力もないし、くちばしも持ってたりするんだよね。だから、どっちかというとデイノケイルスのタイプ。大きさも、デイノケイルスの腕ってすごく大きいって言うんだけど、テリジノサウルスの腕も同じぐらいの大きさがあります。ただ、全身(の化石)が見つかってないので大きさは分からないんだけど、もし全身が見つかったらどのぐらいの大きさかというと、○○君が言ったのが正解だと僕も思います。タルボサウルスとかティラノサウルスと同じぐらいか、ちょっと大きいぐらい。まあ、デイノケイルスと同じぐらいの10メートル前後の恐竜だったかなと思うんだよね。
あと、お腹がボテッと大きかったの。だからちょっとね……あんまりカッコよくない恐竜なんだよね(笑)。だから動きもあまり速くないし、周りにある植物をかき集めてムシャムシャ食べてるような優しい恐竜だったかなぁと思います。
でも、もしかしたらたま~に魚を食べてたかもしれないけど、基本的にはベジタリアンだったと思うな。」
質問者「はい。」
キャスター「○○君、今お話聞いてみてどうだった?」
質問者「………分からないことがけっこうありました。」⇦素直さも素晴らしい。
キャスター「でも今日、詳しくなれたね。」⇦ポジティブ!
質問者「はい。」
小林先生「真鍋先生はどうですかね?」
真鍋先生「テリジノサウルスが今いちばん謎ですよね。むかわ会場の皆さんが恐竜博に実際に来られるか分からないんですけども、デイノケイルスが展示してある隣に、まだ名前がついてないんですけど研究中のテリジノサウルス類の標本があって…それはそんなに大きくないんですけど、かぎ爪のところがすごく大きいんですね。それでもしかすると、獣脚類恐竜は3本指が基本だと思うんですけど、2本指になっているかもしれない。2本指というとティラノサウルスが有名ですけど、手が短くなって指が2本しか入らなくなって、かぎ爪も小さいというイメージはあるんですけど、その(展示中の)新種かもしれないモンゴルのテリジノサウルス類は2本指なんだけど、かぎ爪が大きかったりする。僕らは何となく歯を見て植物食だね、もともと肉食恐竜だったから、ああいう大きな爪を持ってるけど、それを植物を集めたりするのに使ってるんじゃないかなっていうふうに推定していて…それがまあいちばん確実な推定だと思うんですけど、そんな変な恐竜も今まさに見つかっているので、どんどん研究されるようになると、テリジノサウルス類も全く違う食べ方とか使い方をしていたかもしれないみたいなものが出てくるかもしれないので、楽しみですね。」
キャスター「面白いですね。○○君、大丈夫かな?」
質問者「あと、ちょっと聞きたくなったことがあるんですけど…テリジノサウルスとかは、本では羽毛が生えてる感じで見たんですけど、ウロコが生えてるものもいるんですか?」
小林先生「テリジノサウルスの仲間でベイピアオサウルスっていうのがいて、それに羽毛がたくさん生えているんだよね。なのでテリジノサウルスもおそらく羽毛が生えていたと思います。」
質問者「はい。」
小林先生「まだ全身骨格が見つかってないから、分からないことがいっぱいあるので…」
質問者「一部がウロコだったりしたかもしれない…」
小林先生「もしかしたらそうかもしれないから、○○君が将来調査して、デイノケイルスだけじゃなくてテリジノサウルスの謎も解いてくれるといいなと思いますね。」
質問者「はい。」
先生方の解説の合間に自分の言葉を挟みながら先生方についていこうとする、強気というか一生懸命なお子さんだった。


Q8 (東京)日本でモササウルスの化石を見つけたい
  んですけど、どうすれば見つかりますか?
  (小2男子)

疲れてしまったのか、何か嫌なことでもあったのか、不機嫌そう。
アナウンサー「日本で。モササウルスっていうのはどんなものだっけ?」
質問者「こうなって……グワァーってクァーって…」
アナウンサー「今ジェスチャーをしてくれてます。両手を広げてパタパタやって、口をバクバク開けている。おっかなくて大きいのよね? 海の中に住んでいて。それが好きなの?」
質問者「うん。」
真鍋先生「恐竜博はもうご覧になりましたか?」
質問者「うん…」
真鍋先生「和歌山から見つかったモササウルス類の大きな骨格とか、それからむかわ町から見つかったモササウルス類の骨格とか、実物化石は見ました?」
質問者「…はい」
真鍋先生「あれすごいよね。中生代はまだ日本海がなかったので、大陸と陸続きなので、恐竜たちもアジア大陸の一部としているし、海側の方はアンモナイトの化石が出てきたり、モササウルス類の化石がたくさん出てくるので、そういった意味では海の化石はすごくいいものが出ているところなんですけれども、化石を探すためには岩石をできるだけ多く見て、それで注意深く見て。よく、いきなり割っちゃうお友だちが多いんですけど、割る前にね。先生もよく叱られるんですけど、割る前によーく表面を見て、表面に何もないな、どんな化石の痕跡もないなと思ったら割ってみるようにして。とにかく表面をじっくり観察してみることが、化石と出会う第一歩なんじゃないかと思います。
僕は大した化石を見つけたことないんですけど、すごい化石をいっぱい発見していらっしゃる小林先生に極意を、ちょっと教えて頂きたいですね。」
小林先生「え!モササウルス…(笑)モササウルス…恐竜の探し方ならアレなんですけど、モササウルス…かな?」⇦急に専門外の質問を振られてちょっと焦ったような。
真鍋先生「モササウルス類を特に探したいの? それとも恐竜を含めて中生代脊椎動物の化石を探してみたい? どっちが今…」
質問者「モササウルス。」
小林先生「(笑)モササウルス! あんまりヘルプにならないかもしれないんですけど、いちばん大事なのは、推理することと一緒だから、なるべく確率を上げるために、あらゆる情報を集めた方がいいと思います。例えば、モササウルスが出そうな地層、環境、時代というのを、できるなら近くの博物館の先生に話を聞いて、あらゆる情報を集めて自分なりに推理して、誰も入ってないような所を狙っていくと、意外に見つかる可能性は高くなると思います。
あとは、地道に努力をするという、それしかないですね。片っ端から探して、諦めないというか楽しんで、見つからなくても楽しいなあって探し続けると、いつか見つかると思うので、頑張って探してみたらどうかな…っていうのはいかがですか(笑)?」
手当たり次第よりは情報集めと準備が大事って、どんなことにも言えるのでは。

真鍋先生「諦めないで…なかなか難しいんですけど、何でもそうだと思うんですけど、一生懸命探して見つかったらすごく嬉しいじゃないですか。簡単に誰でも採れちゃったら、そんなに有り難みがないかもしれなくて、化石がすごいってみんなが喜んでくれるのはなかなか見つからないから、簡単に見つからないからというところもあって、それを辛抱強く、諦めないで頑張ると、もしかするといい化石が見つかるかもしれないのでね、…」
小林先生「コツとしては見つからない時の楽しみ方っていうのを見つけるといいんですけど、見つかるから面白いんじゃなくて、見つからないから楽しいみたいな。それで見つかると、もっと楽しいですから。そういうコツを自分で見つけるといいかもしれないですね。」⇦化石探しを一年中やっていたい野望をお持ちの小林先生。向き合い方がすごい…。
真鍋先生「おお!おお~(笑)。」⇦真鍋先生も嬉しそう。
アナウンサー「なるほどね。○○君は化石って探してみたことあるの?」
質問者「ある。福井県で。」
アナウンサー「何を探したの? 何か見つかった?」
質問者「木の化石とかしか見つからなかった。」
真鍋先生「ああ、そうねえ…」
小林先生「“しか”じゃなくて、そういう木を恐竜たちは食べてたわけよ。だから恐竜のエサを見つけたって思うとすごくない? 恐竜と一緒に住んでた植物だよ。それを自分の手で見つけられたっていう感動を、もう1度チャレンジしてみよう(笑)。」
これはすごい大事なアドバイス発想の転換とかポジティブ発想っていうんだろうけど、本当に好きになっちゃうと、好きな対象が見たもの触れたものにまでときめいちゃうことに通じるかも。不機嫌な質問者は受け入れられるか?

アナウンサー「そっか。辛抱強くやる自信はあるかな?」
小林先生「辛抱強くじゃなくて、楽しんだ方がいいですね! あんまり我慢ではなくて、“面白いなあ、こんな植物出たんだ”って、そういうところを楽しんでもらうといいかなと思いますね。」
アナウンサー「そうか、そうですね。」
質問者「ぅん………」
アナウンサー「引き続きやってみたい?」
質問者「…やってみます。」⇦前向きになった。
小林先生「だめだよ、ちゃんと楽しまないと。」
アナウンサー「じゃ、何かまた見つけたら教えて。」
質問者「うん……。」
アナウンサー「いいかな?見つけたら「子ども科学電話相談」に教えて?」
質問者「んん……」
小林先生「(笑)ハハハ、あまり納得してないですね!」⇦先生ハッキリ言っちゃう。聞いてても分かるけど。
真鍋先生「(笑)ハハハハ」
アナウンサー「(笑)はぁい、これでいいですか?」
質問者「……ンアア…」
小林先生「(笑)ンハッハッハッハ」⇦不機嫌な質問者も楽しんじゃう…というか懐の深さだな。
アナウンサー「はい、質問してくれてありがとう。○○君でした。」
会場「(拍手)」


Q9 (東京)どうして肉食恐竜は角とかスパイクが
  ないのに、どうして草食恐竜はスパイクとか角
  があるんですか?(5才男子)

アナウンサー「草食恐竜でスパイクや角があるって、どんな恐竜を知ってる?」
質問者「アンキロサウルスとかステゴサウルスとか知ってます。」
アナウンサー「なのに肉食恐竜はどうしてそういうのがないのかな?ってことかな?」
質問者「……」⇦無言で頷いたもよう。
真鍋先生「確かに肉食恐竜はティラノサウルスを見ても、外に尖った(もの)とか角とかそんなになかったんですけれども、カルノタウルスって知ってる? 南米にいる肉食恐竜は…角と言えるかどうか分からないけど、こぶみたいに頭の上にちょっと飛び出しているところがあるものもいます。あと、○○君の言っている角とは違うと思うんだけど、スピノサウルスとかは背中に大きな帆みたいな突起があるから、肉食恐竜もいろいろ体の外に飛び出している部分を持っている種類がいることはいるんですけど、他のステゴサウルスとかアンキロサウルスの仲間とかに比べると、ちょっと突出部分が少ないかもしれないですね。
それは、今までにそういうやつが見つかっていないというのがまず1つあって、もしかするとこれから見つかって、派手な角みたいなものを持った肉食恐竜がいたと分かる時が来るかもしれないので、今のところそういうのが見つかっていない、というのが(答えとしては)正しいと思います。この後もそうあり続けるかっていうと分からないんですけれども。真鍋先生が想像するのは、やっぱり肉食恐竜って大きな顎でバクッと噛みついたりするじゃない? その時に角みたいなものが頭の顎の先についていると、それを武器に使えるかもしれないけど、噛みついたりする時に邪魔になったりするかもしれない。噛みつく時に自分の顎がいちばん有効に使えるようにするには、あんまり前に飛び出していない方が顎を使いやすいのかなって想像しているんですけれども、小林先生いかがですかね?」
小林先生「先生が仰ったように、肉食恐竜は咬むのがいちばんの攻撃方法なので、頭がすごく大事なんですよね。そこに余計な角って言ったらアレですけど、トリケラトプスみたいに長い角がついたティラノサウルスなんて、カッコいいかもしれないけど…カッコいいね。(笑)」
会場「(笑)」
小林先生「カッコいいかもしれないけど、邪魔でしょうがないですよね? だからやっぱり最小限、もし何か装飾というか突起をつけるにしても最小限にして、でもトリケラトプスとかはそういう意味ではとにかく守りたいから、フリルをつけたり角をつけたり派手なことしてるけど、肉食恐竜があまりしなかったのはそういう理由だと思うので、真鍋先生と同じだと思います。」
アナウンサー「そうか、ティラノサウルスに角がつくと、なお強そうに思えるよね? だけど、邪魔だということですかね?」
真鍋先生「重くなっちゃうので、大きな顎でガッと噛みついたりするのに邪魔になるんじゃないかなって想像してるんですけど、先ほども申し上げた通り、まだ見つかってない恐竜の方がたくさんいますから、そういう変な恐竜も出てくるかもしれないので、今のところはそういう説明にしといて。でも、これから化石が見つかるかもしれないぞ、そうしたらどういうふうに考えようかな、どういう意味があるのかな、ということも今後、考えていくといいんじゃないかなと思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「今日は恐竜のTシャツかな? 着て来てくれました。どうもありがとう。」⇦ファッションにこだわるアナウンサー。
質問者「ありがとうございました。」

アナウンサー「東京会場、もうちょっとだけ時間があります。どうしても質問したい人?」
会場「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」

Q10 (東京)むかわ竜の天敵はどの恐竜だと考えら
  れていますか?(小4男子)

小林先生「むかわ竜の時代って、アジアにはタルボサウルスという恐竜が…今回の展示でもあるけど、モンゴルに住んでました。多分、ティラノサウルスの仲間も日本にもいたので、おそらくああいうティラノサウルスか、大きな肉食恐竜が天敵だったんじゃないかなと思いますね。…真鍋先生どうなんですかね(笑)?」
真鍋先生「今回、4Kのシアターでむかわ竜の世界というのをご覧頂いているんですけど、(日本が)アジア大陸と陸続きだったということで、先ほどのタルボサウルスみたいなものも当然いたんじゃないかなと思います。それから、時代はちょっと違うんですけど、北海道でも芦別という所でティラノサウルス類の化石が出てきているので、どのぐらいの大きさのティラノサウルス類がむかわ竜の時にいたかは、まだ正確に把握できてないんだけど、ティラノサウルスは間違いなくいたと思うので、そうするとむかわ竜たちも対抗しなくちゃいけなかったはずだから、あの映像のような世界がもしかするとあったかもしれないですよね。」
小林先生「今、むかわ町の野望として、むかわ竜が見つかったので次はティラノサウルスを見つけるという野望がありますので(笑)、見つかったらまた連絡します。」
アナウンサー「○○君どうだった? 自分はどう思ってたの?」
質問者「やっぱりティラノサウルス類だと自分でも思ってたので…」
小林先生「じゃあ正解だ。」

アナウンサー「さあ…それでは次が最後の質問に…」
会場「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」
アナウンサー「ごめん! 次はむかわ町のお友だちに聞きます! ごめんね!」
真鍋先生&小林先生「(笑)ハッハッハッハッハッハ」
「次が最後の質問」ってラジオでもいつも言ってるけど、東京会場のお友だちが素直に反応しちゃった。みんなすごい…。

Q11 (むかわ町)どうしたら化石を発掘する学者に
   なれますか?(4才男子)

恥ずかしがって泣いている様子でお母さんが代わりに自己紹介と質問。
アナウンサー「今お母さんに抱っこされてますね。」
大きな会場でみんなの前で話すなんて、4才ではやっぱり大変すぎるんだな。番組も終盤で、早起きして会場に来ていたら疲れちゃっただろうし。ラジオ番組に電話で質問できるお子さんが当たり前じゃないって改めて思う。

キャスター「じゃあ○○君は恐竜博士になりたいということだったんですね。それで今日来てくれたんだね。」
小林先生「冒頭で話したんですけど、僕も高校生の時に恐竜というか、そういう道も考えてて、その時に実は真鍋先生に相談してですね、真鍋先生からもらった言葉…先生は多分覚えていらっしゃらないと思うんですけど、」
真鍋先生「(笑)ハハッ」
小林先生「何でも無駄なことはないから、とにかくいろんなこと学んだ方がいいし、僕がアメリカに行くかどうかで迷った時も、真鍋先生も、とりあえずアメリカに行って、とにかくいろんなこと吸収して、その上でうまくいけば恐竜もいいんじゃないのかなって。恐竜研究者になるのもいいんですけど、やっぱりいろんなことを学びながらっていうのがあるので、いろんなことを学ぶのを楽しむのがすごい大事なんだよね。だから…○○君はまだ幼稚園ですね。これから小学校に入ったらやっぱり大事なのは、恐竜を好きでいることなので、もし恐竜を好きでいればチャンスはあると思います。
あと、学校っていうのは、学ぶ所というよりも楽しむ所なんですよね。恐竜が好きっていう目的があれば、手段としていろんな勉強がついてくるので、とにかく好きでいて、学校で楽しんでいろんなことを学ぶ。で、いっぱいお友だちを作って、いっぱい運動していっぱい食べて…っていうのがすごく大事だと思うんですよ。その中で可能性がどんどん広がっていくので、小学校に上がった後は、小学校の生活というか、お友だちと一緒に存分に楽しんでもらうってのが…で、“恐竜大好き!”っていう気持ちを忘れないでいることが大事かなと思いますね。」
お母さん「ありがとうございます。」
小林先生「いえ。真鍋先生からもどうですかね?」
アナウンサー「小林先生にアドバイスをしたこと、覚えていらっしゃいますか?」
真鍋先生「(笑)アハハハ、すいません、ロクなアドバイスをしてなくて。(笑)ハハハハ。今質問して下さったお子さんは小さいので、まだ幼稚園とか学校に行くのが嫌だとは思ってないと思います。だけどやっぱりね、学校へ行って勉強したいと思うことはなかなか大変だと思うんですけど、やっぱり自分の好きなことがあるってすごい強みだと思います。お友だちもたくさんできて、みんなと一緒にお勉強するとか、もっと知りたい、もっと分かりたいことがあるとすごい良いと思うので、そういうものをどんどん見つけて、博物館、動物園、水族館、それから北海道だと雄大な自然があるので、そういう所へ出かけていくだけでもいろんな発見があると思うので、いろんな経験をしてもらいたいと思います。
それで、恐竜を研究するというと、大学院で博士号を取って論文書いて…みたいなオーソドックスなパターンがあるんですけども、発掘をするとか、岩石の中から化石をクリーニングするとか、それから図鑑を作るとか、恐竜の本を書くとか、恐竜との関わり方にもいろんなものがあると思うので…。まだ幼稚園だと、選択肢が(いろいろ)出てきても困惑するだけだと思うんですけど、いろんな道があると思うのでね、今自分が面白いと思うものをどんどん調べて、いろんな所に出かけて行ったり、本とか図鑑を見てみる、そんな時間を過ごしてほしいと思います。」
質問した親子にとどまらないお話だった。

キャスター「では、(むかわ町の)会場のお友だちにも1人だけ聞いてみたいと思います。」
会場「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」
むかわ町でもお友だちは熱心。

Q12 (むかわ町)マンモスは象みたいなんですけど
  恐竜なんですか?(5才男子)

この5才のお友だちは自己紹介も質問も自分でしっかり言えた。さっきの4才のお友だちの様子も自然だと思うと、やっぱりすごい。そしてこういう初歩的な質問を聞くとホッとする。

小林先生「マンモスは恐竜かどうか。答えを先に言っちゃっていいかな?」
質問者「いいよ。」⇦かわいい。
小林先生「マンモスは恐竜ではありません。」
質問者「なんで?」⇦率直。
小林先生「マンモスは、私たち人間の仲間で、哺乳類と言います。恐竜は、哺乳類では……ない、ですね。なので、マンモスは恐竜では………」
質問者「………」⇦先生の意図までは汲み取れず。
小林先生「ない。(笑)ハハハハ、その一言を待ってたんだけど、なかなか出てこなくてね。マンモスは象の仲間だから、象って恐竜じゃないでしょ?」
質問者「うん。」
小林先生「だから、間違ってる人いるんだけど、マンモスは恐竜じゃないんだよね。」
キャスター「○○君、分かったかな?」
質問者「うん。」
キャスター「元気よく質問してくれてありがとう。」

キャスター「じゃもう1人だけ聞きます。」
会場「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」
ラジオ番組に電話をかけてくるお子さんたちも、こういう気持ちでかけてるんだろうな。

Q13 (むかわ町)どうやれば化石がいっぱい見つか
  るんですか?(7才男子)

明らかに北海道のお友だちとは違うイントネーション。
キャスター「どこから来てくれたんですか?」
質問者「和歌山県ですぅ。」
小林先生「おお~…」 
東京の真鍋先生も「へええ~!」
この日に合わせて家族で来たのか。熱意がすごい。

小林先生「やっぱり、とにかくたくさん(化石が)出る所に行って、たくさん割るっていうのがいちばん簡単なんだけど、例えば先生なんかはモンゴルに行くでしょう? するといっっぱい骨が出てくるのよ。いっぱい落ちてるし、割ると出てきちゃうから、そういう所に行けば簡単に見つかります。
問題なのはたくさん見つけることじゃなくて、いい化石を見つけることが大事なのね。だから、なかなか見つからないかもしれないけど、狙いを絞ってめちゃくちゃいい化石を見つけるっていうことがすごく大事なので、そういう勉強というか、いろんなこと調べて、あと直感でやるんです。だからね、とにかく…○○君も化石掘ったことある?」
質問者「ある。」
小林先生「それをどんどん続けよう。そしたら、どの石に化石が出てくるかっていうのが、何となく分かってきたりもするのよ。先生なんかも、割る前から“これ出そうだな”っていう…“おいしそうな石”とか言うんだけど、それを割ると出てきたりします。それはけっこう、経験が大事なので、○○君もこれからどんどん外に出て化石を掘ってみよう。そしたらそれが恐竜になるから、そうやったら恐竜も見つかると思うよ。」
事前の下調べも当然ながら、現場での経験と勘がものを言う世界なのか。21世紀の令和にもこんな世界があって、しかもまだ始まったばかりと先生方は仰る。子どもたちが目指したがるのも分かるような気がする。

キャスター「○○君、おいしそうな石を見つけていこうということでしたけど、今のお話聞いてどうだった?」
質問者「いっぱい石を掘ったら、いい化石が出てくるんだなあと思いました。」
キャスター「うん、やっぱりいろいろやってみるっていうのが、まずは大事ですかね?」
小林先生「そうですね、さっきも言いましたけど、楽しみながら割るっていうのが1つのコツだと思いますね。」

質問終わり~全13問。
アナウンサー「小さなお友だちが2時間、集中して聞いて下さいましたね。」
真鍋先生「すごいですねえ。僕が子どもの頃だったら考えられないような集中力で、立派です。(笑)アハハハハ…」
アナウンサー「難しい質問にも言葉にもちゃんとついてきて下さいました。」
本当に。

先生方から感想と一言
真鍋先生「皆さんからの面白い質問をたくさん頂いて、ちゃんとお答えできたかどうか分からないんですけど、僕はこういうふうに皆さんとお話するのがすごい好きで、というのはやっぱり、意外な質問とか、僕ら研究者が頭が固くなって出てこない質問を素朴な疑問で皆さんして下さるので、そういう質問とたくさん出会えて、僕も勉強になりました。」

小林先生「やっぱりみんなと顔を合わせて、質問に答えられるのは最高でしたね。短かったんですけど、本当はもっといっぱい質問を受けたかったんですけど、今顔を見て質問(に回答)できたことと、真鍋先生と一緒に仕事できたのが、すごく嬉しく思っています。」
小林先生は本当に生き生きしてた。先生方がこの日の回答で何度も仰った「楽しむ」ことを身を以て示してくれたので、会場の熱気は最後まで続くし、ラジオで聞いてる側にも伝わったし、やっぱり「楽しかった」の一言だな。この記事を読み返して、もう一回恐竜博を見に行きたいな。

15日間続いた「夏休み子ども科学電話相談」の文字起こしがやっっっと終わった。日曜日のレギュラー放送はとっくに再開してるし、夏休みもとっくに終わって9月だし、むかわ竜には「カムイサウルス」というカッコいい学名がついたし、「恐竜スペシャル」の第二弾「恐竜博リターンズ」の放送(しかも4時間)も決まってるし。何でこんなこと始めてしまったのか…。でも聞き流して忘れちゃったことを文字に残すと、学べることいっぱいあるんだよね。

夏休み子ども科学電話相談8/3 とりとめのない感想

8/3のジャンルは
 昆虫 丸山宗利先生
 鳥  川上和人先生
 水中の生き物 林公義先生

丸山先生と川上先生は前日から続けてご出演、アナウンサーも前日と同じなので「今日もよろしくお願いします」でご挨拶は終了。前日語った「秘密の野望」、ヘラクレスオオカブトを木から手づかみ捕獲&映画と漫画で堕落生活も林先生に漏れなく伝えられ。

そして林先生にも聞かれる「秘密の野望」。以前にも聞かれて水墨画のお話をされていたけど…
林先生「前にもお子さんの質問でもあったですよね、魚とか生き物とお話できたらいいなっていう。僕も魚が好きで、ていうか専門だったんで、水中に潜った時に魚と会話ができないかなと思って…。まさに“会話ができたらいいな”って思いますね。」
アナウンサー「野望っていうかドリームかもしれません(笑)。何か聞いてみたいことあるんですか?」
林先生「ありますね。ハリセンボンなんて、何でそういうトゲトゲの針を持つ必要あるの?って、ちょっと理由を聞いてみたいですよね。子どもさんから質問を受けると(自分が)答えてるんですけど、本当にそれが合ってるかどうか確かめたいですよね(笑)。」
2度目の野望の質問にも楽しく答えて下さる。魚に自分の回答の確認をしたいって謙虚でもいらっしゃる。

Q1 先日、猛毒のクワガタが大阪にいるかもしれ
  ないので気をつけるように言われました。外国
  からどうやって来たのですか?(小3男子)

名前を聞かれて「○○と申します」と丁寧な自己紹介。前日の未就学児「○○くんでーす」ともども面白い。

アナウンサー「猛毒のクワガタが外国から来たって聞いたの? どんなクワガタだって聞いた?」
質問者「赤いクワガタです。」
アナウンサー「○○君はクワガタは好きですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「猛毒のクワガタは?」
質問者「…うーん…嫌いです。」⇦悩みどころだね。
丸山先生「(笑)フッフッ…」
アナウンサー「ちょっと困っちゃうよねえ、毒があったら(笑)。」
丸山先生「それは実はクワガタじゃなくて、ツチハンミョウ科という仲間のヒラズゲンセイっていう虫なんだよね。オスとメスで形が違っていて、クワガタと同じで、オスは長ーい大アゴを持っていて、それでちょっと見たところクワガタに見えます。それで体が本当に真っ赤なんだよね。」
質問者「はい。」
丸山先生「毒はカンタリジンという毒で、捕まえて体の汁が手についたりすると、水ぶくれができたりすることがあるんだよね。だから最近ニュースになったりしています。」
質問者「はい。ありがとうございます。」⇦やっぱり礼儀正しい。
丸山先生「でも少し触るぐらいなら問題はないぐらいなので、触らない方がいいけれども、そっと見守った方がいいくらいで、そんなに騒ぐほど危ない虫ではありません。」
質問者「あ、ありがとうございます。」
丸山先生「見た感じ本当に真っ赤で毒々しいんだけど、実際に捕まえてにおいをかいでみると、トウガラシみたいなにおいがするんだよね(笑)フフフフ。」
先生方「(笑)フフフフ…」
丸山先生「もし機会があったら、手袋か何かで触ってみて、においをかいでみると面白いかもしれません。」
質問者「はい、ありがとうございます。」
丸山先生「それでね、外国から来たという話なんだけれども、確かに元々大阪では見られなかった虫なんだよね。でも外国から来たわけじゃないんだよ。」
質問者「えっ?」⇦礼儀正しいお子さんの素がちょっと出たような。
丸山先生「元々、四国の南とか九州とか沖縄にいた虫で、温暖化って分かるかな?」
質問者「はい分かります。」
丸山先生「暖かくなってきて、最近大阪を中心に近畿地方で広がっているということが分かっています。この虫、面白くてね、幼虫がクマバチの巣に寄生するんだよね。クマバチの巣の中にある花粉とかのエサを食べて、成長して出てきます。クマバチの巣って木の柱に穴を空けて作るんだけれども、クマバチの巣の周りに、このヒラズゲンセイが留まっているところがよく見られると言われています。」
質問者「ふうん。」
丸山先生「僕はヒラズゲンセイを見るとすごくカッコよく思えるので、いつか見たいなと思っていて、そんな怖がるよりも自分は見たいなって思っています(笑)。」⇦さすが虫屋さん。
先生方「(笑)フフフフ」
アナウンサー「大きいんですか?」
丸山先生「そうですね、3センチ近くありますね。けっこう赤くてそれぐらいあるので、すごく目立つ虫ですね。」
アナウンサー「へええー。赤というのは鮮やかな赤…」
丸山先生「鮮やかな赤ですね。本当にもう…ペンキで塗ったような。」
アナウンサー「へええー…で、トウガラシのにおいがすると(笑)。○○君、クワガタじゃないんですって。ヒラズゲンセイ。」
質問者「ヒラズゲンセイ…」
アナウンサー「ちょっと見てみたくない?」
質問者「見てみたいです。」
丸山先生「最近大阪で増えてるっていうから、公園にもいるようなので、ぜひ探してみて下さい。できるだけ触らないようにした方がいいかもしれません。」
アナウンサー「手袋で触ると安心…かもね。」
質問者「はい、ありがとうございます。」
最後まで礼儀正しいお子さんだった。ヒラズゲンセイなんて初めて知った。人の名前みたい。日本の中でも温暖化で生き物が生息範囲を広げてるんだな。その分、逆に狭められてる生き物もいるんだろうな。

Q2 ダチョウとかヒクイドリは同じ鳥類なのに、
  何で飛ばなくて足が速いんですか?(小4男子)

アナウンサー「そのダチョウやヒクイドリは足が速いというのはどこで知ったの?」
質問者「テレビとか本とか。」
アナウンサー「○○君としては足を速くするよりもビュッと飛んじゃえばいいじゃないっていう感じ?」
質問者「うん。」
川上先生「はーい、どーもこんにちは川上でーす。そうだね、飛ぶのと足の速さだと…飛ぶのにはどこの道具を使うか分かりますか?」
質問者「足とか羽とか。」
川上先生「うん、飛ぶ時は足よりも、どっちかというと翼だよね。で、走る時は足だよね。」
質問者「うん。」
川上先生「というわけで、鳥というのは脚と翼と、2つの動くための道具を持ってるわけですよね。で、どっちを選ぶかなんだけれども、飛んだ方がいいというのは確かに、何かから逃げるために…例えば地上で襲われた時には飛んじゃった方が何だかラクチンていうか、地上から襲われなくなるからいいような気がするよね。」
質問者「うん。」
川上先生「ただし、○○君、空を飛んだことありますか?」
林先生「(笑)ンフッ」⇦川上先生の意表をつく質問て思わず笑ってしまうよね。林先生のお気持ちよく分かる。
質問者「ない。」
川上先生「ない。何で?」
質問者「いや、だって飛べないから。」
先生方「(笑)フフフフ」
川上先生「そう、飛ぶのは大変なんだよね。その通りだと思います。飛ぶっていうのは、地面を歩くのよりも何倍も何十倍もエネルギーが必要なことなんですよ。」
質問者「はい。」
川上先生「そのためにはどうすればいいですか?」
質問者「…走ったりして逃げる。」
川上先生「ああ、走ったり逃げたりする方が。だから、何となく飛んだ方が上手に逃げられるような気はするけれども、実はラクチンなのはもしかしたら、走って逃げる場合の方かもしれないんだよね。」
質問者「はい。」
この番組を聞き始めた頃に、川上先生が「鳥もそんなに飛びたくない、しんどいから」って話してるのを聞いてホントに目からウロコになったっけ。

川上先生「じゃ、何でみんな走らないのかっていうと、飛んだ方が命が助かる場合があるからだよね。だから、昔、一体どういうことがあったのか、実は分からないです。でも、多分、どこかの時点で、飛んで逃げるよりも走って逃げることの方で、ちゃんと逃げ切れた鳥たちがいたんだと思うんですよ。もしかしたらその時には地上で襲ってくる動物がいなかったのかもしれないです。そしたら、飛ぶのはエネルギーをすごく使って大変だから、だんだん飛ばないように進化してしまって、そうすると飛ばないように進化しちゃったら、もう走って逃げるしかなくなるよね。」
質問者「はい。」
川上先生「それで走るようになったんだと思うんだけれども、じゃ、○○君、今度はダチョウとかヒクイドリが走る時に何でそんなに速く走れるかっていうのかっていうのを考えてみようか。」
質問者「はい。」
川上先生「○○君さ、走る時って脚はどうやって使うか分かる? 足の裏かな。」
質問者「うーん…」
川上先生「歩く時と走る時の違い。」
質問者「………走る時は速く動かしたり。」
川上先生「速く動かすよね。それだけ力が必要なのと、あと、かかとをどう使うかなんだけど、歩く時って、かかとをつけてる? つけてない?」
質問者「つけてる。」
川上先生「つけてる。走る時は?」
質問者「あんまつけない。」
川上先生「あんまりつけないよね、爪先で走るよね。実は鳥っていうのは、みんないつも爪先立ちをしています。」
質問者「はい。」
川上先生「鳥の脚って長く見えるけど、どこが長いかというと…例えば人間だったら長いのは太ももと脛だよね? 膝の下と膝の上。」
質問者「うん。」
川上先生「ところが鳥の脚をよーく見てみると、どこが長いか知ってますか?」
質問者「かかと?」
川上先生「かかとから下なんだよね。膝からかかとまでの脛の部分と、かかとから先の部分が長くて、かかとから先の部分って筋肉があまりついていないっていうのを知っていますか?」
質問者「知らない。」
川上先生「鳥の脚を今度見てほしいんだけど、すごく細いんだよね。そこには筋肉じゃなくて、筋肉が細くなった腱というバネみたいなものが入っているんです。そこがバネになってて、その部分が長いから、実は速く走ることができます。」
筋肉じゃなくて腱なのも、体を軽くして飛翔に適応させているためって、川上先生の著書で読んだ。ダチョウの脚も筋肉はないけど骨太な感じ。やっぱり走るためかなぁ。

質問者「はい。」
川上先生「いつも人間が走る時に爪先立ちしている、足の甲の部分がすごく伸びていて、そこがバネみたいになってるから速く走ることができるようになっているんだよね。」
質問者「はい。」
川上先生「もう1つ、ついでに教えておくと、ダチョウの足の指って何本か知ってますか?」
質問者「…2本ぐらい?」
川上先生「そう!正解!よく知ってるよね。速く走る動物は、足の指の本数が減っていくというのがあって、実はダチョウは足の指が2本しかなくて…ウマなんかも速く走るよね? ウマなんかも指がくっついて1本になっちゃってるんだけれども、数が少なくなってると、しっかりとするから、走る時にすごく安定して走りやすくなるの。」
質問者「はい。」
川上先生「だから、ダチョウやヒクイドリは、今は敵がいて、その敵から逃げなきゃいけない状態になったから、でも飛ぶ力は失ってしまったから、どんどん速いスピードで走れるように進化してきたんだと思うんだけども、その進化する過程で今言ったような体の構造が、走るのに適した構造がどんどんできてきたんだと思います。大体分かりました?」
質問者「はい、分かりました。」
アナウンサー「体のつくりも長ーい年月の間にだんだん変わってきたということですね。」

Q3 魚のことなんですけど、ネンブツダイって知
  ってますか? ネンブツダイって、お口の中で
  卵を育てるんですけど、何でお口の中で卵を育
  てるんですか?(小2男子)

質問のしかたにもいろいろあるけど、問いかけから始めるのは初めて聞いたかも。
アナウンサー「ネンブツダイ、聞いたことはあるなあ。どんな姿かは分かんないな。でも聞いたことありますよ。お口の中に卵を入れて育てるの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「ふ~ん、すごいねえ、○○君はそれ、どこで知ったの?」
質問者「本で見て。」
林先生「とってもいい質問くれてありがとう(笑)。○○君は魚のこと、いっぱい知ってそうなんだけれども、魚ってたくさん卵を生みますよね? どんな方法で卵を生むか、○○君はいくつか知ってますか?」
質問者「他の魚の…」
林先生「ネンブツダイ以外の他のお魚って、どんな方法で卵を生んでるかな?」
質問者「…お尻からですか?」
林先生「(笑)ああ、そうか。生む方法はね。じゃ、ちょっとお話しましょうね。」⇦先生が意図した答えじゃなくても優しく受け止める。素敵だ。

林先生「魚が住んでる所は…今日は海のお魚のお話ですけども、ものすごくスピードを出して泳いでいるお魚、それは海の表面の方を泳いでるよね。こういうお魚は、泳ぎながら卵を生むから、お腹の中から卵をばらまいちゃうの。」
質問者「うん。」
林先生「もう1つは海底、海の底の方ね。こういう所にいる魚は、岩とか海草とかがいっぱいあるから、岩に卵をくっつけて生んだり、海草に卵を絡みつけたりして生んでいる魚が多いんだよね。」
質問者「うん。」
林先生「で、いちばん魚がたくさんいる所、これは表層…表面の方と底の方の、ちょうど中間。ここに実はいっぱい、いろんな種類の魚がいるんだよね。こういういろんな種類の魚がたくさんいる所は、エサをとるのも競争しなきゃいけないし、隠れ場所を探すのにも競争しなきゃいけないし、実は卵を生む時も、どういう卵を安全に生めば自分の子孫を残せるかっていう、これもやっぱり競争に勝たなきゃいけないわけだ。」
質問者「うん。」
林先生「そこでね、いろんな方法を生み出したんだけど、その中でネンブツダイ…このネンブツダイっていうのは、テンジクダイという魚の種類の1つなんだよね。」
質問者「うん!」⇦知ってることには元気に答える。
林先生「テンジクダイの仲間ってたくさんいるんだ。○○君知ってるかな?」
質問者「うん!」
林先生「そのネンブツダイを含めたテンジクダイの仲間はね、全て、お口の中で卵を育てるんです。なぜかというと、卵を生んで子孫をきちんと残す競争に勝つためなの。」
質問者「うん。」
林先生「なぜお口の中に卵を生めば競争に勝てるのかというと、例えばバラバラってたくさん卵を生むと、もう待ってましたと言って他の動物、魚を含めて、みんな食べに来ちゃうよね。それから、岩の下に生んだり海草に隠れて生みつけたりするものは、親が一生懸命守ったりするものもあるんだけど、生みっ放しになってるものは、狙われて食べられちゃうことも多いよね。」
質問者「うん。」
林先生「だから、そういう卵の生み方をするのは、とにかくたくさん生んでその中の何%かが残ってくれれば、子孫が残せるということなんだよね。」
質問者「うん。」
林先生「テンジクダイの仲間は、もう少し賢い子孫の残し方をする。それは口の中に入れて、子どもが孵化して一人前に泳げるようになるまで口の中で育ててあげれば、確率良く残せる。そのために卵の数は…確かに多いんですけれども、いっぱいばらまく魚の卵に比べたら全然少ないわけね。」
質問者「うん。」
林先生「これ、実はオスだけが卵をくわえるっていうの知ってた?」
質問者「うん!」
林先生「そうだ。よく知ってるな(笑)。メスのお腹から卵がニュッと出てくると、それをオスがパクッと口にくわえるのね。その前にオスが精子をかけて、まず受精させるんだよね。くわえた卵をお口の中でコロコロ転がしながら受精を完全にさせて、あとは汚れがつかないように、丈夫に育つまで口の中で卵を一生懸命守る。」
なるほど~、親が守れば安全なのは確かだな。口の中で受精を完全にするのも確実に孵化させるのに役立ちそう。

アナウンサー「食べ物と一緒にならないんですか?」
林先生「ならない。卵1つ1つは細ーい糸を持っててね、お互いに卵がくっついているから、ちょうどボールのようになってバラバラにならないのね。あのボールは一気に飲み込めないから、オスが間違えてそれを飲み込んじゃうこともないし。ところがオスはその間じゅう、ずーっとエサを食べないで、お腹を空かせてるんだよ。大変でしょう?」
質問者「うん。」
林先生「だから、卵が無事に孵って、オスはすぐエサを食べて、また次の子育てに…頑張るんだな。」
質問者「ふうううん。」
力尽きて死ぬわけではないみたいで、しぶといような逞しいような。

林先生「○○君の質問で、何で口内保育をするの?っていうことなんだけれども、いちばんには安全に子どもを育てて確率良く子孫を残すため、って考えてもらえばいいかと思います。」
質問者「うん。」
アナウンサー「○○君、それでいいかな?」
質問者「はーい。」
アナウンサー「今日は質問ありがとう。さようなら。」
質問者「さよなら~、あぃがとうございました~。」

Q4 何でダンゴムシは丸まるのに何でワラジムシ
  は丸まらないんですか?(5才男子)

未就学児~、舌足らずで「まうまうのに」とか「まうまあない」とかかわいいなぁ。
アナウンサー「○○君はどうしてこれを不思議に思ったの?」
質問者「だって、ほとんど形が同じなのにワラジムシは丸まらないから何でかと思ったから…。」 
丸山先生「うんうん。」
アナウンサー「○○君のお家の近くにはダンゴムシもワラジムシも両方いるの?」
質問者「うーん、ダンゴムシとワラジムシどっちか分からないけどさ、おじいちゃんの畑に何か…何かいる。」
丸山先生「(笑)フフ。まず、何でダンゴムシが丸まるんだと思う?」
質問者「だって、ダンゴムシは△*●□%(聞きとれず)…だってダンゴムシは…あ、だってワラジムシは…」⇦一生懸命話しているのはすごく伝わる。
質問者「ワラジムシは△*●(聞きとれず)脚が長いけど、ダンゴムシはちょっと脚が長くないから。」
丸山先生「ああ~、そっかそっか。それもあるね。じゃあダンゴムシの敵って何だと思う?」
質問者「…敵は……分かんないです。」
丸山先生「そうか。何でダンゴムシが丸まるかっていうと、ダンゴムシがいちばん怖がってるのは実はアリなんだよね。」
質問者「アリ。」
丸山先生「アリンコ。アリって他の昆虫を襲って食べることがあって、ダンゴムシもアリによく狙われるんだよね。それでダンゴムシはアリが襲ってきた時に、丸まるんだよね。」
質問者「うん。」
丸山先生「ダンゴムシって土の中にいるでしょう? で、大体近くにアリが住んでるでしょう? アリがエサを探そうと思うと、ダンゴムシを襲って食べることがあるの。そういう時にダンゴムシはクルッと丸まって、硬いからアリ襲われないようにするんだけれども、じゃあ何でワラジムシは丸まらないかっていうと、ワラジムシは急いで逃げるんだよね。」
質問者「あっ…」
丸山先生「だから、さっき○○君が言ったことは合っていて、ダンゴムシは脚が短くてゆっくり歩くけれども、ワラジムシは脚が長くて速く歩けるんだよね。」
質問者「ああ、はい。」
丸山先生「それと脚が長いと丸まりにくいでしょう?だから、敵から逃げる方法がダンゴムシとワラジムシで違うってことなんだよね。」
質問者「うん。」
丸山先生「ダンゴムシってまん丸になっちゃうから、小石がゴロゴロした所とか落ち葉がいっぱいある所は歩きにくいんだよね。ワラジムシは丸まらない代わりに体が柔らかいから、それで脚も長いから、いろんな所を素早く歩くことができるの。」
質問者「ああ…。」
丸山先生「だから、敵から逃げる方法が違うというのが、丸まる理由と丸まらない理由としてあるんじゃないかなと思います。」
アナウンサー「なるほど。丸山先生、ワラジムシもやっぱりアリが怖いんですか?」
丸山先生「怖いと思います。ワラジムシは逃げ足で勝負っていうところですね。」
アナウンサー「アリよりも速いんですね?」
丸山先生「いや、やっぱりアリに捕まってしまうものはいるんですね。ダンゴムシも丸まるタイミング悪かったりするとやっぱり食べられてしまうので、自然は厳しいですね。」⇦厳しいからこその天敵。
アナウンサー「○○君、分かったかな?」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「○○君はダンゴムシとワラジムシはどっちが好きなの?」
質問者「ダンゴムシの方が好き。」
丸山先生「うーん、そうだよねえ。」
アナウンサー「ダンゴムシ人気ありますよね。」
丸山先生「そうですね、かわいらしいからね。」
アナウンサー「見たところ同じようだけど、ダンゴムシはクルクルッと丸まって、ワラジムシ長い脚でサササササッて逃げて、アリに食べられないようにする、ということで作戦が違うってことかな。」
質問者「はい。」
アナウンサー「お電話どうもありがとう。」
質問者「ありがとう。」

Q5 メジロはどこに行ったんですか?(小1男子)

すごくシンプルな質問。
アナウンサー「メジロは前はいたの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「どこにいたの? お家の近くにいたの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「今はいないの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「そうなんだ。前にいたっていうのはいつ頃?」
質問者「……秋とか冬とかに。」
アナウンサー「秋とか冬とかにいたんだ。メジロかわいいよね。今いないと、○○君は寂しい?」
質問者「はい。」
川上先生「はいどーもこんにちは川上です。○○君はメジロをお家の近くで見たんですか?」
質問者「はい。」
川上先生「お家の近くでメジロを見た時、メジロは何をしてました?」
質問者「…んー…空を、飛んでたり…してた。」
川上先生「たくさんいました? 1羽だけ?」
質問者「……たくさんいました。」
川上先生「群れになってたんですね。メジロってかわいいから見ると嬉しいよね。」
質問者「うん。」
川上先生「○○君はさ、話は変わるんだけど、夏と言えばバーベキューとかするの好き?」
質問者「はい。」
川上先生「お肉好き?」
質問者「はい。」
川上先生「お肉食べるとおいしいよね。野菜は好き?」
質問者「うん。」
川上先生「あ、野菜も好き!それは良かった。バランス良く食べるのは大切なことだよね。」
アナウンサー「(笑)ウフッ」
川上先生「さてメジロなんだけれども、メジロって何を食べてるか知ってますか?」
質問者「……ミカン。」
川上先生「あ!ミカン食べるよね。そう、ミカンとか植物のフルーツも好きだし、花の蜜とかも好きなんだよね。冬になると花の蜜を吸いにツバキに来たりするんだよね。」
質問者「ふうん。」
川上先生「でも、それだけじゃなくて、実はお肉も好きです。と言っても人間が食べるようなお肉じゃなくて、昆虫ね。虫を食べることもよくあるんですよ。」
質問者「はい。」
川上先生「さて、冬の時期と今の時期で何が違うかっていうと…今の時期は鳥にとってどういう時期か分かりますか?」
質問者「……」
川上先生「今だけじゃなくて春ぐらいかな。春から夏にかけてはどういう時期かっていうと、子育ての時期なんだよね。分かる?」
質問者「うん。」
川上先生「子育ての時期ということは、子どもたちはフルーツばかりじゃなくて昆虫とかお肉を食べて、体を作る栄養分をとらなきゃいけないんです。人間にとってのお肉を食べるわけだね。だから食べ物が変わるんだけども、そういうものを食べる時ってさ、例えばバーベキューとか焼き肉をする時に、人数が多いとどうなると思う?」⇦バーベキューの話はここに効いてるのか!
質問者「うーん…分けれなくなる。」
川上先生「ね、大変だよね。お肉をめぐってみんなでケンカになっちゃうわけだよね。だからみんなで群れになるっていうのは大変なんです。虫を探すのってなかなか大変だから、繁殖…巣を作って子育てする時って、なわばりというのを持つんですよ。ある範囲に1つのつがいだけが住んで、そこは自分たちの場所として守っちゃう。あまり群れにならなくなっちゃうんだよね。
でも、冬場になると群れになるから、みんなでいろんな所に移動して花の蜜を吸ったり、探しに行くことができるんだけれども、だから生活のしかたがガラッと変わっちゃうんです。冬の間は群れになって動くから見やすいんだけども、春から夏にかけては巣を作って子育てをするから、虫が多い所でなわばりを持って、見られる数が少なくなっちゃうんです。全然いなくなるわけじゃないんだけどね。」
質問者「うん。」
同じ鳥でも季節によって行動を変えているとは知らなかった。

川上先生「そしてね、メジロは一年中同じ所にいますって図鑑に書いてあるよね? 見たことある?」
質問者「うん。」
川上先生「でも、絶対そうかというとそうじゃなくて、山の上の方とかの寒い所って冬にどうなると思う?」
質問者「………」
川上先生「食べ物が多くなると思う? 少なくなると思う?」
質問者「少なくなる。」
川上先生「そう、当たり。山の上の方は昆虫も減っちゃって食べるものが少なくなって、お花もなくなっちゃうから…(メジロは)日本全体では確かにずっといるんだけれども、山の高い所の(メジロ)が低い所に下りて来たりするの。冬になると街の近くにはメジロの数が多くなるんだよね。あと、北の方にいるメジロは、南の方に渡り鳥みたいに渡ったりすることもあるし、みんながみんな、一年中ずっと同じ所にいるわけじゃないんだよね。○○君は東京の街に住んでるみたいだから、そういう所には冬の方が数が増えるから見やすくなるというのもあると思います。大体分かった?」
質問者「うん。」
アナウンサー「じゃ、○○君は今メジロが見られなくて、寂しいなって思うかもしれないけど、夏が終わって秋・冬になったらきっと見ることできますね?」
川上先生「そうですね、きっとまた、群れになってやってくると思うので、その時はもしかしたら去年見たのと同じメジロがやってくるかもしれないから、またぜひ観察してみて下さい。」
質問者「はい。川上先生、僕が大きくなったら、鳥の博士に、鳥の研究者になります。」
先生方「おおお~(笑)」「すご~い(笑)」
川上先生「お!それは楽しみだなあ~。じゃあ○○君が大きくなるまで、僕も頑張って鳥の研究を続けるから、ぜひ頑張って鳥の研究者になって…」
質問者「~~(聞きとれず)キツツキを探しに…」
川上先生「ん? キツツキ?の確認をする?」
質問者「(聞きとれず)キツツキ(聞きとれず)………」
川上先生「を、探しに行くの?」
質問者「よろしくお願いします。」
川上先生「お!分かりました。待ってるから、ぜひ、僕のところにも会いに来て下さいね。楽しみにしてます!」
質問者「はい。」
竜人気に押され気味の鳥の分野に現れた頼もしいお子さん、川上先生と探したいものがあるんだろうか。

Q6 オタマジャクシのほっぺみたいなところがふ
  くれています。心配です。(小2女子)

アナウンサー「オタマジャクシは…どっかで見たのかな?」
質問者「オタマジャクシを飼っていて、6月の終わりか7月の始めぐらいに田んぼから採ってきて、飼っています。」
アナウンサー「その子のほっぺがふくれてる? プクッとなってるの?」
質問者「えっと、何か…ほっぺみたいなところが大きく膨らんでて、破裂しちゃいそうなくらい大きくなっています。」
アナウンサー「そうなの、それは両方のほっぺた? 片っぽ?」
質問者「片方のほっぺです。」
林先生「今お話を聞いてて、ちょっと疑問に思ったんだけど、とってもいいところに気がついたと思うんだけれども、○○ちゃんはオタマジャクシを捕まえてきて、それをお家で飼ってるんだよね? 捕まえてきた時はどのくらいの大きさ?」
質問者「まだ…生まれて2ヶ月か3ヶ月ぐらいやったと思う。」
林先生「あ、そうか、まだ小さい時だよね。それからしばらく飼っていて、形が少しずつ変わってきてるよね?」
質問者「うん。」
林先生「それでほっぺの膨らんでるオタマジャクシは1匹だけ?」
質問者「1匹だけです。1匹しか飼ってないので。」
林先生「そうかそうか。今○○ちゃんが飼っている1匹だけのオタマジャクシって、後ろの脚ってもう出てる?」
質問者「出ていません。手も足も生えていません。」
林先生「ああそうか。カエルの種類にもよるんだけれども、おじさんは○○ちゃんの質問を聞いて最初に思ったのは、片方だけってことなので…実はオタマジャクシは生まれて間もない時は水の中で生活してるでしょう? だからエラで呼吸してるんだよね、魚と一緒で。空気中の酸素をとれないから水に溶けてる酸素をとってるわけで、その時にエラが左右に生えてるんですけど、だんだん大きくなると右側のエラはどんどんなくなってしまって、左側のほっぺのところにあるエラだけが、頭の奥の方に残るんです。そこはポコッと小さな穴が空いていて、その片方で水を取り込みながらエラ呼吸してるんだよね。」⇦エラが片方無くなるなんて知らなかった…。
質問者「……」
林先生「水の中で生活している間はエラ呼吸だから、エラが重要な役割を果たしているんだけど、日本のオタマジャクシ…エラが左右にあるカエルもちゃんといるんだけど、日本のオタマジャクシだけはなぜか、左側にエラが残って左側だけが穴が空いている。」⇦さらにびっくり。
アナウンサー「へええ~。」
林先生「ちょっとした管みたいな形になってるから、そこがちょっとポコッと出っぱってるような状況があるんだけれども、おじさんはそのことを言ってるのかなと思ったんだけど、今の○○ちゃんの話だと、そのふくらみが、ずい分大きくなっちゃってるっていうことだよね?」
質問者「うん…。右側が膨らんでる。」
林先生「あっ、右側が膨らんでる。うう~ん、じゃあ、これは片方だけでも右側だと、オタマジャクシにどういう病気があるかっていうのは、ちょっと僕には分からないんだけど、ひょっとすると、寄生虫が中にいたか、またはカエルやオタマジャクシに特有の病気かもしれないなあ。」
質問者「うん……。えと、川で採ってきたタニシも5匹ぐらい一緒にしてるんだけど…」
林先生「一緒に飼ってるのね? そうかあ…おじさん、○○ちゃんが飼ってるオタマジャクシを見ることもできないので、今膨らんでるっていう状況から考えると、病気かなあとも思うんだけどね。場合によっては寄生虫が体の中に入り込んで、特にエラには寄生虫がつきやすいものもあるんですよね。でも○○ちゃんが飼ってるオタマジャクシは左側だけエラがあると思うので、右側にそれ(ふくらみ)があるっていうのは何か病気か、寄生虫がついてるか、ちょっと判断がここではできないんだなあ。ごめんね。」
アナウンサー「心配だけど、じゃあ○○ちゃんがやってあげることって…」
林先生「それで、エサは食べることはできてるの?」
質問者「えーと、エサは…ちょっと忙しくてあんまりあげてないんだけど…」⇦原因はそこにあるのでは…。
丸山先生「(笑)ンフフフ」
林先生「(笑)アハッ、○○ちゃんが忙しくてエサあげられないのか。オタマジャクシだったら、かつお節なんかも食べるし、それから野菜、レタスとかほうれん草とかもけっこう食べるよ?」
質問者「ふーん。」
林先生「だから入れといてあげれば、食べるとは思うけどね。そういうのが食べられない状態だとすると、ちょっとやっぱり具合が悪いかな、病気か何かかなって感じがするんだけど。」
アナウンサー「エサもあげてみて、体力をつけさせてみるっていう…」
林先生「そうだねえ、獣医さんのところにオタマジャクシを持っていっても、なかなか、獣医さんがそれを見て頂けるかどうか分かんないんだけども、難しいかなあ。とにかくエサをあげてみて、食べるかどうか、元気かどうかを見守って頂けるかなあ?」
質問者「はい。」
林先生「ごめんね。ちょっと様子が分からないから正しい答えができなくて。」
アナウンサー「変わったりしたらまた知らせて下さい。」
質問者「はい。」
アナウンサー「お電話どうもありがとう。さよなら。」
林先生「じゃ、大切にね。」
質問者「さよなら。虫も恐竜も大好きです。」⇦番組のファン、もしくは生き物好きのアピールかな? なら、オタマジャクシにせめてかつお節を…。
先生方&アナウンサー「(笑)フフフフ」
林先生「おおー、恐竜ね! 今、博物館にすごい展示やってるから見に…」
5分番組に切り替わってしまった。でも先生とお子さんは電話だから最後まで話したろうな。恐竜博の宣伝までする懐の深い林先生。

Q7 どうして昆虫は完全変態と不完全変態がある
  んですか?(小3女子)

アナウンサー「どうして○○ちゃんはそれを不思議に思いましたか?」
質問者「学校の授業で先生に教えてもらった時に、どうしてかなって思ったからです。」
今の小学校ではそんなことを教えているのか…。

アナウンサー「それは、どうして2つに分かれてるかなってこと?」
質問者「はい。」
アナウンサー「完全変態する昆虫はどんなのがあるか知ってる?」
質問者「テントウムシとかチョウとか…」
丸山先生「ウンウン。」
アナウンサー「不完全変態は?」
質問者「バッタとかトンボとか…」
丸山先生「ウンウン。」
アナウンサー「なるほど、よく知ってるね。」
丸山先生「まず、完全変態と不完全変態の違いって何か知ってるかな?」
質問者「知らない。」
丸山先生「あ、知らない!? (笑)えっとね、完全変態はサナギがあるっていうのが大事なんだよね。幼虫から成虫になる間にサナギという段階があるの。サナギは知ってるよね?」
質問者「はい。」
丸山先生「不完全変態は、サナギという段階がないんだよね。」
質問者「はい。」
丸山先生「あともう1つ大事な違いが、完全変態はサナギがある以外に、幼虫と成虫で形が全然違うんだよね。想像してみて。チョウチョって幼虫は芋虫でしょう? で、成虫はチョウチョでしょう? 全然形が違うでしょう?」
質問者「はい。」
丸山先生「今度は不完全変態ね。バッタは幼虫と成虫であまり形が変わらないの分かる?」
質問者「はい。」
丸山先生「そうなんだよね。そこが大事なところ。サナギがあるっていうことと、幼虫と成虫で形が全然違うっていうことなんだよね。」
質問者「はい。」
丸山先生「それで何で完全変態と不完全変態があるかっていうと、まず完全変態の昆虫は、不完全変態の昆虫の中から…進化したんだよね。進化って分かるかな?」
質問者「はい。」
丸山先生「だから、完全変態の昆虫の方が、サナギがある昆虫の方が、より進化しているというわけ。何でそうなっているかっていうと、さっき完全変態の昆虫は幼虫と成虫で形が全然違うって言ったけれども、幼虫がエサを食べるためにすごく特化した…特化って分かるかな? エサにすごく馴染むように形ができてるんだよね。例えば芋虫は葉っぱを食べるためにすごく適した形をしています。他には…ハエの幼虫って知ってる?」
質問者「知らない。」
丸山先生「ハエの幼虫はウジ虫って言って、腐った食べ物を食べるものがいるんだけれども、ハエの幼虫は脚も目もなくて、腐ったものに潜り込むために形ができてるの。だから完全変態の昆虫は、幼虫が形を変えて、いろんなエサを食べるために特化することができてるんだよね。」
質問者「はい。」
ハエの幼虫…あまり想像したくないけどそこまで特化してるとは恐れ入る。頭に触れたものをひたすら食べれば、体が勝手にエサの中に食い込んでいくから脚すら必要ないのか…勝手な想像だけど貪欲。

丸山先生「その結果、…昆虫ってたくさんの種類があるの知ってる?」
質問者「はい。」
丸山先生「昆虫って、あらゆる生き物の中でいちばん種の数が多いと言われているの。その昆虫の中でも90%ぐらい、ほとんどが完全変態なんだよね。ほとんどがチョウとかハチとかハエとか甲虫なんだよ。」
質問者「はい。」
丸山先生「それはやっぱり理由があって、幼虫がエサを食べるために特化して、その結果、いろんなエサにそれぞれの虫が特化することによって、いろんな環境に住めるようになったんだよね。」
質問者「はい。」
丸山先生「さっき言ったように芋虫が葉っぱ、ハエが腐ったものとか、ハチは…他の昆虫に寄生するものが多いんだけど、昆虫の中で暮らすとか、そういうふうにいろんなエサに特化できるようになったわけ。
だからちょっと難しい話なんだけれども、幼虫が特殊な形になることによって、いろんな環境に広がることができた、ということが言えると思います。」
質問者「はい。」
丸山先生「ちょっと難しいよね?」
質問者「うん。」
丸山先生「途中にサナギがないと、芋虫からチョウチョにいきなりはなれないでしょ?」
質問者「はい。」
丸山先生「だからそのステップとして、サナギが必要というわけなんだよね。そのために完全変態という形になっているということです。」
質問者「はい。」
アナウンサー「なるほど、サナギの中で体を変えているっていう状態がサナギなんですね。」
丸山先生「はい。ちょっと難しいんだけどね。とにかく幼虫と成虫で住み処とエサが違ってて、幼虫から成虫になるためにサナギというステップが必要で、そういうものが完全変態と呼ばれている、ということですね。」
幼虫はエサを取り込むためだけの形、成虫は移動と繁殖に適した形。前に聞いた他の先生の説明とも合わせて、ちょっとずつ理解してきているけど、この丸山先生のお話だと、自然界のあらゆるものが昆虫のエサになり得るように思える。

Q8 どうして鳥は低い声で鳴かないんですか?
  (小4女子)

アナウンサー「○○ちゃんはどうしてこれを不思議に思ったんですか?」
質問者「家の前によく来る鳥が、いつも高い声で鳴いているからです。」
アナウンサー「お家の周りにいる鳥は高い声ばっかりなんだ。低い声って聞いたことないの?」
質問者「はい。」
川上先生「はい、どうもこんにちは川上でーす。○○さんの住んでるお家の周りはどんな所ですか?」
質問者「えっとぉ、家が多いけど、草とか木が多い。」
川上先生「うんうん、じゃあ、所々に林とかもあるのかな。」
質問者「……うん…。」⇦自信なさげ。
川上先生「分かりました。鳥のことはおいといて、○○さんもおしゃべりすることってあるよね?」
質問者「はい。」
川上先生「じゃ、何のためにおしゃべりしますか?」
質問者「一緒にいられたり、一緒に会話して仲良くなれたりするため。」
川上先生「そうだよね、お友だちとお話したり、お父さんお母さん、いろんな人とおしゃべりして仲良くしたり、自分の思ったことを伝えたりするためだよね。鳥が鳴くのも多分一緒で、独り言を言ってる時もあるかもしれないけれども、大体誰かに伝えるために声を出していると思います。」
質問者「はい。」
川上先生「その時に高い声と低い声だと、どちらがいいのかというところだと思うんですよ。高い声と低い声の違いっていうのが実はあるんですけれども、高い声の方がいいことって何があるか、知ってますか? ちょっと考えてみようか。」
質問者「…うーん…遠くに聞こえる。」
川上先生「そう、遠くに聞こえる場合があるんです。それはどういう時かっていうと、周りがうるさい時です。」
質問者「あああ。」
川上先生「家の周りって、鳥が鳴いているだけじゃなくて、いろんな音がすると思うんですよ。どんな音がすると思う?」
質問者「犬の鳴き声とか…。」
川上先生「そう。他の動物の鳴き声もあるし、風が吹いたりすると?」
質問者「何か、ドアの音とか…」
川上先生「うん、ドアのバターンっていう音もするし、風がビュービューする音もするし、あともしかしたら車なんかも通ったりするかな?」⇦お子さんの考えも取り込みながら説明していくの上手いなあ。
質問者「はい。」
川上先生「うん。そういう音っていうのは騒音という言葉で言うけれども、そういう音って高い音と低い音、どっちが多いと思います?」
質問者「低い音?」
川上先生「そうです。実は、そういう騒音になる音っていうのは低い音が多くて、そういう所で低い声は聞こえにくくなっちゃうんですよ。」
質問者「…はあ!」
川上先生「だから、実は騒音の多い所では鳥は高く鳴くことが多い、ということが言われています。だから同じ種類の鳥でも、騒音が少ないような所だとちょっと低めに鳴いて、騒音が大きい所だと高めに鳴いたりすることがあります。」
質問者「ああ…。」
川上先生「それは森の中でも、川の近くとかだと川がサラサラサラって流れている音がうるさかったりするから、高い声で鳴いたりするんですよ。」
質問者「あああ―。」
川上先生「まず、そういうことで、高い声の方が騒音に強いといういいことがあります。でもね、実は世の中には低い声で鳴く鳥もいます。○○さん、フクロウって聞いたことある?」
質問者「はい。」
川上先生「フクロウの鳴き声って知ってますか?」
質問者「うん。」
川上先生「ちょっと、やってみれる?」⇦声のトーンを落としてムチャぶり。
丸山先生「(笑)フフ」
質問者「うん。えっと、ホオー、ホオー…」⇦めっっちゃかわいいー! 息を多めにしてやってみちゃう素直なお子さん!2回目のホオーはさらにトーンを下げてるし。
川上先生「そうそうそう!大正解です!」
先生方「(笑)ンフフフフフフ」「(笑)う~ん」⇦スタジオ内和んでる。
川上先生「ホー、ホーって鳴くよね。あれって高い声だと思う? 低い声だと思う?」
質問者「低め?」
川上先生「そうだよね、低めです。実は森の中にいると、周りにいっぱい葉っぱとかがあって、邪魔なものがいっぱいあるんだよね。そういう所では高い声が聞こえにくくなることがあるので、低い声の方が…低くて単純な声の方が多いと言われています。」
質問者「あああ―。」
川上先生「だから遠くまで聞かせるためには低い声で大きく鳴くっていうことが多いんだよね。だから、周りにどんな音があるかとか、周りがどういう環境なのかで、鳥も高い声とか低い声とか、いろんな声を使っているんだ、ということを覚えてもらえればと思います。大体分かりました?」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○ちゃん、先生のお答え聞いてどう思った?」
質問者「すごいよく分かるんだなって…」⇦環境に合わせて鳴いてる鳥のことだと思うけど、その鳥のことをこんなに説明できる川上先生のことのようにも思える。
川上先生「うん、だからいろんな所に行って、いろんな鳥の声を聞いてみてほしいんですよ。そうすると、同じ種類なのにもしかしたら違う鳴き方をしてるかもしれないし、地域とか環境によって声の高さが違うんだなってことが自分で分かるかもしれないです。」
質問者「ああ…。」
アナウンサー「先生、真夏でセミがミンミン鳴いてる時は、鳥も大変ですね。」
川上先生「そうですね、セミの鳴き声がうるさ過ぎて、やっぱり鳥が邪魔されちゃう時もあるので、そういう時は時間をずらして、セミが鳴く前の早朝に鳴いたりする時もあると思うんですよね。時間をずらすっていうのも、鳥の鳴き方の大切なところですね。」
丸山先生「ふううううん」⇦セミがうるさ過ぎとの苦情にもかかわらず感心頻り。まあ、セミは鳴いて繁殖したら終わりだし、鳥に食べられちゃうのもいるし、鳥の方で時間をずらせば済むなら、それはそれで賢い生き方だし。
アナウンサー「ああ、なるほど、鳥もいろいろ大変なんですね(笑)。」
鳥が低い声で鳴かない理由、オス・メス間のやりとりに関係するのかと思ったら、環境によるものだというのは意外だった。

Q9 何で魚にはウロコがある魚とない魚があるん
  ですか?(小1男子)

アナウンサー「○○君はどうしてこれを不思議に思いましたか?」
質問者「魚釣りから帰ってきた時、ウロコ取りをしてたら……ある魚とない魚があったからです。」
林先生かな?ため息の「ほおおおお」
アナウンサー「え!○○君がお魚釣ったの?」
質問者「はい。」
釣ったどころか、ウロコ取りまでするとは…小1で家族の食卓に貢献するすごいお子さん。

アナウンサー「すごいね。どんなお魚が釣れたの?」
質問者「クロとタイです。」
アナウンサー「クロ…クロとタイ…」
林先生「クロダイと、タイ。(笑)フフフフ」
アナウンサー「クロダイとタイ。えええ…」
丸山先生「いや、九州ではメジナのことをクロって言うんで…」⇦熊本のお子さんの釣果、九州大学の丸山先生がフォロー。昆虫だけでなく魚も知ってる…。
林先生「ああ、そうか、グレのことね。」
アナウンサー「(笑)ええ、あ、そう。それで、○○君が釣ったクロやタイにはウロコがあった?」
質問者「はい。」
アナウンサー「ウロコがないお魚もあったの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「それはどんなお魚?」
質問者「サヨリです。」
丸山先生「ふうううん…」
アナウンサー「サヨリも○○君が捕まえたの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「すごいねえ、魚取り名人ですね。それで自分の目で確かめたんだ。」
質問者「はい。」
林先生「すごいねえ、いろいろ釣れて魚釣り名人だね。ウロコのない魚で、今サヨリっていうお話が出たでしょう? 実はサヨリ、ウロコあるんですよ。(笑)ウフフ、それからサンマとか、ウロコがちょっと見でなさそうな魚でも、薄くてすごくはがれやすいウロコを持ってます。だから、釣って手で握っちゃったりすると、そのウロコが手についちゃうこともあると思うのね。」
質問者「はい。」
林先生「サンマなんかはたくさん獲れるから、網でザーッと揚げるでしょ? 網から船に揚げる時に、ウロコがすごく取れてしまって、スーパーに並んでる時にはもう、ほとんどウロコがない状態になっちゃうんだけど、ウロコは実際にはあるんです。」
質問者「はい。」
林先生「でね、ない魚って確かにいるんだよね。これは全くウロコがないか、それともウロコがあるんだけれども隠れていて見えないか。そのどっちかなんです。」
質問者「はい。」
林先生「○○君は魚のことよく知ってるから、おじさんちょっと質問してみようかな。どうしてウロコは魚にあるんだと思う?」
質問者「敵から身を守るため。」
林先生「その通りー! そうだねえ。たくさん理由はあるけど、今○○君が言ってくれた敵から身を守るためっていうのは、1番か2番に相当する大事なことだよね。だから、ウロコというのはあったりなかったりするんだけれども、元々あるウロコの役割っていうのは、自分の体を守るため。その体を守るための理由がいくつかあるんだけれども、1つは○○君が言ったように、敵から襲われる時に硬いウロコを持っていれば、ちょっとぐらい咬まれたって平気だよね。それから意外なことなんだけど、柔らかいウロコをたくさん持ってると、噛みつかれた時にウロコがスルッと抜けて、体がうまく逃げられる場合があるんですよ。」
質問者「はい。」
林先生「それからね、海の中に住んでる魚も、真水に住んでる魚も、ウロコを持ってないとそれぞれ住んでる所の水が体の中にたくさん入ってきてしまったり、逆に自分の体の中にある水分が外に逃げ出しちゃったりすることがあるのね。そういうのを防ぐためにウロコがついている、ということも、ウロコの大事な役目なのね。」
質問者「はい。」
林先生「だから、本来はウロコがある方が魚にとって都合がいい。だけど、例えばウツボって知ってるよね?」
質問者「はい!」
林先生「うん、ナダボとも言うんだけど、あのウツボなんかはウロコがほとんどないでしょう?」
質問者「はい。」
林先生「それからウナギはどうですか?」
質問者「ヌルヌルしてる。」
林先生「ヌルヌルしてる。ウツボもヌルヌルしてるよね? それで、ウロコを持ってる魚って、体があまりグニュグニュ曲がったりすることないでしょう?」
質問者「はい。」
林先生「ところがウツボとかウナギとか、ドジョウなんかもそうかな、割と体がクネクネ動くタイプはウロコがない。ないように見えるけど、実際には皮膚の下に埋まってるんだよね。じゃあウロコの代わりに何があるかというと…捕まえようとするとヌルッとしてすぐ逃げちゃうじゃない?」
質問者「はい。」
林先生「その代わり、体の周りに粘液というネバネバの液を持ってる。あれがウロコの代わりをしてるんだ。だからウロコがない、またはないように見える魚は、たくさん粘液を持っていて、ウロコのある魚と同じ形には実際にはなってるんだよね。」
質問者「はい。」
皮膚の下にウロコがあるとは知らなかった。皮膚の下じゃ意味がないように思ったけど、水分量の調整という役割もあるのか…知らないことばかり。

林先生「体が柔らかければ、隠れ場所もクネクネ入っていったり、泥の中にスルッと潜ってしまったりすることが自由にできるよね。だけど、ふつう水の中でスイスイ泳いでいる魚は、あまり隠れたりする必要はないんだけども、逆に隠れようとするとウロコが邪魔になっちゃう場合もあるけど。でも、ふつう泳いで生活してることが多いので、敵に襲われないように、ああいう立派なウロコを持ってるのかなって思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君は海に出かけて行って釣りをするの?」
質問者「はい!」
アナウンサー「すごいねえ、誰が連れて行ってくれるの?」
質問者「おじいちゃんとお父さんです。」
林先生「ああ、すごい~(笑)フッフッフッフ」
アナウンサー「そうなんだ~。」
林先生「3人のうちで誰がいちばん釣り名人なの?」
質問者「じいちゃん!」⇦この一言でおじいちゃんとの関わりが分かるようで感動しちゃう。
林先生「ああ~やっぱりね(笑)、じいちゃん経験が豊富なんだよ。」
丸山先生「(笑)うん…」
アナウンサー「夏休みはいっぱい釣りに行けていいね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「そうかあ、釣った魚をお家で食べたらおいしいですよね。」
林先生「そうですね。今おじさんが話したこと、きっとおじいちゃんもお父さんも知ってるかもしれないから、ちょっと聞いてごらん。」
質問者「はい!」

Q10 どうして人はチャドクガに刺されるとかゆ
  くなるのに、ハチは触ってもかゆくならないん
  ですか?(小1女子)

アナウンサー「ハチが触ってかゆくならないっていうのは、○○ちゃんはそれをどこかで見たり聞いたりしたんですか?」
質問者「うちで見た。」
アナウンサー「お家で見たの? お家でどんなだったの? ハチがいて…」
質問者「家にツバキを木があって、チャドクガがつかないように薬を撒いています。心配しているからです。」
丸山先生「(笑)うん。」
アナウンサー「そうだね。でもハチはそのチャドクガの所に行ってた?」
質問者「うん。」
アナウンサー「ああ、で、大丈夫そうだった。」
質問者「うん。」
丸山先生「すごいいいところを見たね。それはすごいよ。それで、何で人間がチャドクガに触るとかゆくなるんだと思う?」
質問者「分かんない。」
丸山先生「チャドクガって毛虫でしょう? チャドクガの場合は毛が毒針毛(どくしんもう)って言って、毛にみんな毒が入ってるの。毒のある注射器みたいになってるの。」
質問者「ふうーん。」
丸山先生「それが人につくと、かぶれちゃったりするんだよね。それで元々何のためにあるかっていうと、毛虫の天敵って何だか分かる?」
質問者「……ハチ?」
丸山先生「そう、ハチも大事な天敵。あと小鳥とかも食べるんだよね。チャドクガの毒のある毛は、小鳥が食べた時に苦しんで、それで二度と食べないようにするためなんだよね。それがたまたま人につくと、人もかぶれてしまうということなんです。
それで、○○ちゃんが見たように、ハチも毛虫の大事な天敵です。でも、チャドクガの毒のある毛は、ハチには効かないんだよね。」
質問者「ふうーん。」
丸山先生「小鳥に対して効くようにできてるので、ハチに効くようにはできていないんだよね。だからハチが触っても平気なんだよね。ハチは毛ごと肉団子にして巣に持ち帰って、幼虫にあげたりして食べてしまいます。」
先生方&アナウンサー「ええ……」「そうなの…」
質問者「…えっ…」
丸山先生「だからチャドクガの毛の毒はハチには効かないようにできてるっていうことですね。分かったかな?」
質問者「………」⇦絶句。
アナウンサー「じゃ、チャドクガはハチに対して何か武器みたいなのは持ってないんですか?」
丸山先生「持ってないんです。ハチって本当に毛虫とか芋虫には有力な天敵…いちばん強敵で、もうどんな芋虫・毛虫も狩って食べてしまいますね。」
アナウンサー「へええええー。○○ちゃん、そういうことですって。分かりました?」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「そうか、○○ちゃんのお家にツバキの木があるのね? ツバキはチャドクガがつきやすいですよね?」
丸山先生「そう、つきやすいんですよね。触らないように気をつけてね。」
質問者「はぁい。」
ハチが強すぎる。

Q11 犬は耳がもともと見えるけど、鳥は毛で耳を
  ~(聞き取れず)するのはなぜですか?(小2男子)

アナウンサー「○○君はどうしてこれを不思議に思ったんですか?」
質問者「お家で犬と鳥を飼っているからです。」
アナウンサー「そうなんだ、犬はどんな犬を飼っているの?」
質問者「イタリアングレイハウンドです。」
アナウンサー「大きな犬かな?」
質問者「小さい犬です。」
アナウンサー「鳥はどんな鳥を飼っているの?」
質問者「オカメインコ2匹と、セキセイインコです。」
アナウンサー「たくさん飼ってるんだね。」
川上先生「はあい、どうもこんにちは、川上でーす。○○君は家で飼ってるインコの耳を見たことあります?」
質問者「はい、僕が触った時に、耳が見えたので、疑問に思いました。」
川上先生「あ!うんうん、ちゃんと耳の穴はあるのに、人間とか犬みたいに外についた大きな耳がないのは何でだろうって思ったんだね。」
質問者「はい。」
耳介という専門用語は使えないだろうな。
川上先生「○○君、哺乳類って分かる?」
質問者「はい。」
川上先生「哺乳類って大体耳があるよね? 外から見える耳。じゃあ外から見えるこういう耳がない哺乳類って、何か思いつきますか?」
質問者「………」
川上先生「さあ、頭の中でいろんな哺乳類の姿を思い浮かべてほしいんですよ。」
質問者「ヘビです!」
川上先生「ヘビ! ヘビはねえ、哺乳類じゃなくて爬虫類って言って、ウロコがあるトカゲの仲間なんだけども、まず爬虫類に耳はない。これも正解。」
先生方「(笑)フフフフ」
質問者「(笑)クフッ」
川上先生「じゃ、他に何か(外から見える耳が)ない種類っているかな?」
質問者「………」
川上先生「ちょっと難しいよ、ヒントあげようか。」
質問者「うん。」
川上先生「哺乳類の中でもちょっと変わっていて、水の中に住んでいるものです。」
質問者「アザラシです!」
川上先生「うーん、アザラシは小さい耳があるんだけれども、イルカとかクジラとかって分かる?」
質問者「はい。」
川上先生「イルカとかクジラも哺乳類なんだよね。知ってた?」
質問者「知りませんでした。」
川上先生「イルカとかクジラって哺乳類の仲間で魚の仲間じゃないんだけども、耳がないんだよね。外側に大きな出っ張りの耳がないんです。穴だけは空いてるんだけども。じゃあ、耳の出っ張りが彼らはないんだけども、耳の出っ張りがあった方がいい理由と、ない方がいい理由って、何か思いつきますか? イルカには何で大きな耳がないんだろうっていうことなんだけども。」
質問者「………」
川上先生「思いつく?」
質問者「………」
川上先生「ちょっと言っちゃおうかな。水の中を泳ぐ時って、水がすごく邪魔になるんだよね。だから、もし出っ張りがあると、それが邪魔になって、泳ぐのが大変になっちゃうの。だから出っ張りはない方がいいんだよね。」
質問者「はい。」
川上先生「じゃ、鳥の生活を考えてみるとどうかなあ、空を飛ぶよね?」
質問者「はい。」
川上先生「空を飛ぶ時に、頭に耳みたいな出っ張りがあったらどう思う?」
質問者「じゃまです!」⇦答え方がいちいちかわいい。
川上先生「そうだよねえ、風の抵抗って聞いたことあるかもしれないけれども、そこが邪魔になっちゃって、飛ぶスピードが多分落ちちゃうんだよね。だから、多分、大きな外側の耳がないんだと思います。
でも、実はもう1つ理由があります。さっき、いいこと言ってくれたんだけれども、ヘビに耳がないって言ってたよね?」
質問者「はい。」
川上先生「鳥って何の仲間から進化してきたか知ってますか? 鳥の祖先が何だったか。」
質問者「………」
川上先生「鳥にいちばん近い仲間が、今生きている動物の中で何か分かります?」⇦恐竜は除外。
質問者「分かりません。」
川上先生「それはワニなんです。ワニってヘビとかと同じ爬虫類の仲間だよね。その仲間には実は出っ張りの耳がないんだよね。」
質問者「はい。」
川上先生「だから、祖先がそういう大きな耳を持ってなかったから、そのまま鳥も進化してきた、というのも答えだと思います。もともとないから鳥にもないんですっていうことです。大体分かった?」
質問者「はい!」
アナウンサー「飼っているオカメインコセキセイインコ、かわいい?」
質問者「はい!」
アナウンサー「お名前あるの?」
質問者「オカメインコの1匹はスミレで、もう1匹はマシュマロで、セキセイインコはサイダーです!」
先生方「(笑)ンハハハ」「(笑)ぁぁ~」
アナウンサー「(笑)スミレちゃん、マシュマロちゃん、サイダーちゃんか。うわぁ、かわいいでしょうねえ。大事に育ててあげてね。」
質問者「はい。」
羽の色でつけた名前かな、パステルカラーのインコが3羽が並んでたらかわいいよね。

Q12 イソギンチャクのことです。イソギンチャク
  はどうして急いでいるんですか?(4才男子)

アナウンサー「急いでいるっていうのは、○○君、どうしてそう思ったのかな?」
質問者「~(聞き取れず)のお隣のお薬屋さんで、急いでるみたいだったので。」
アナウンサー「お薬屋さん? ○○君は本か何かで見たの? テレビで見た?」
質問者「水槽の中で。」
アナウンサー「あ、実際のイソギンチャクを見たんだね? そしたら急いでるようにウニョウニョしていたってことかな?」
質問者「そうです。」
林先生「あ~、ものすごく楽しい質問でね、待ってました(笑)というような感じだね。○○君は水槽の中のイソギンチャクを見て、急いでるって感じを受けたんだよね。イソギンチャクってどんな格好してた?」
質問者「むらさきみたいなかっこうしてた。」
林先生「あー、紫色したやつね。何か、上の方にほうきの柄みたいな感じでゴニョゴニョ、長いのがいっぱい出てたでしょう?」
質問者「…うん。」
ほうきがないお宅も最近あるらしいから、質問者も分かってるかどうか。

林先生「それがフラフラ動いているんだよね。それがあんまり忙しく動くので、急いでいるのかなって○○君は思ったのかな?」
質問者「そうです。」
林先生「そうだね。あのね、決して急いでません。(笑)フッフッフッフッ。イソギンチャクのあのゴニョゴニョ動いてるのはね、難しい言葉で言うと触手って言うんだけど、腕だと思っていいですよ。○○君の手。手の代わりをしてるものだと思って下さい。
イソギンチャクはお口は持ってるんだけど、お口の中にエサを取り込む時に、そのゴニョゴニョ動いてるたくさんの腕でエサを捕まえて、自分のお口に取り込むんですよ。」
質問者「へええええー。」
林先生「だけどイソギンチャクって、ほら、石にくっついたまま、体はそこにジッとしていて、腕だけが動くでしょ。例えば○○君が何か物を買いたいなと思った時に、早足でパッパッとお店に行って買うこともできるけど、イソギンチャクはあの大きな体をズーッと動かしながら、腕を振り回しながら動くことってなかなかできない。だから、ジッとしているイソギンチャクは、あの腕を長く伸ばして、エサの方からやって来るのを待っていて、腕にエサがくっつくと“待ってました”って毒針をそのエサにピッと刺すんだよ。それでクルクルクルってあの腕で自分のお口の方にエサを運ぶの。
だから、○○君が急いでいるように見えたっていうのはね、ある意味では正解かもしれない。急いで振り回さないと、なかなかエサがうまく捕まらないかもしれない。潮が動いている時はエサの方から潮の流れに乗っかって腕の方に来てくれるかもしれないけど、潮が止まってる時は自分で腕をあっちこっち振り回さなきゃいけないから、刀振り回してエイヤエイヤやってるような、そんな忙しさに見えたのかな? どうだろう?」
質問者「……はい。」⇦時代劇の描写は理解できただろうか?
林先生「(笑)フフフフ、○○君、水族館に行くと、イソギンチャクが小さな水槽の中でいっぱい飼ってる水族館もあるんですよ。するとね、イソギンチャクの腕の方じゃなくて体の方がガラスにピタッとくっついている時があるの。その時は頑張って他の水槽を見ないで、そのイソギンチャクの水槽だけ見ててごらん。その胴体がゆっっくりゆっっくり動くから。腕を動かすだけじゃなくて、胴体も実は動くの。だけど自然の状態だと、ガラスのように滑りやすい場所ってないんですよね。だからあまり動かないの。だから腕を忙しそうに動かして、エサを一生懸命捕まえてるの。面白いねえ、急いでいるっていう表現、おじさんすごく気に入っちゃった(笑)。」
アナウンサー「先生ニコニコしながら答えてくれました。○○君これでいいかな?」
質問者「うん。」
林先生、よほどお気に入りだったみたいで、いつもより楽しそうに話していたなぁ。

質問終わり~先生方から一言…は翌日の「恐竜スペシャル」の告知のためか無し。未就学から小学校低学年のお子さんが多くて、聞くだけで和める回だった。

夏休み子ども科学電話相談8/2 とりとめのない感想

8/2のジャンルは
 昆虫 丸山宗利先生
 鳥  川上和人先生
 恐竜 小林快次先生

この日の進行役は先生方に「秘密の野望」を尋ねているアナウンサー。
丸山先生「子どもの時から昆虫図鑑を眺めていたんですけれども、世界の甲虫とか、外国の虫を扱った本があって、いつか絶対捕りたいと思っている虫がいくつかあったんですよ。それで今年、ナミビアの砂漠に行って、砂漠に住むゴミムシダマシを捕るという夢を叶えたんです。次、最後の最後はヘラクレスオオカブト。有名な虫なんですけど、それを自分の手で、木についているのを捕まえるというのが夢です。」

川上先生「できれば1ヶ月ぐらい仕事を休んで、コンピューターとかは触らずに、漫画と映画に囲まれて、他のこと何もしないでダラダラと過ごしたいですね。」
アナウンサー「(笑)それが野望。」
川上先生「ええ、1ヶ月と言わず1年でもいいです。許されるなら本当にそういうことしたいですねぇ。」
アナウンサー「(笑)ちょっと鳥のことは忘れて。」
川上先生「そうですね、そういうことは一切考えないで、堕落した生活を送るというのが僕の夢ですね。」

小林先生「昨日の夜、アラスカから帰って来ました。今、僕は北半球に調査に行ってるんですけど、大体6月から9月いっぱいとか10月ぐらいまで調査行ってて、野望としては、南半球の大陸をどんどん調査したいですよね。そうすると一年中調査になっちゃうので、そうするとクビになっちゃうので(笑)それは無理なんですけど、できれば一年中恐竜にまみれたいですね。」
アナウンサー「(笑)まみれて過ごしたい。今日も恐竜まみれの子どもさんたちから質問が来ると思います。」

好きなことにまみれる生活なら堕落でも何でもいいなあ。

Q1 この前、アオスジアゲハやヤマトシジミを採
  集して標本にしました。昆虫採集している時に
  疑問に思ったのですが、バッタやカマキリやア
  リや甲虫はほとんど色が決まっているのに、チ
  ョウはなぜ色とりどりの色をしているのです
  か? その中で結婚相手をどうやって見つける
  のですか? 教えて下さい丸山先生。
  (小3女子)

最後のお願いかわいいー!昆虫女子からのラブコール!
アナウンサー「○○ちゃんはずいぶん昆虫が好きそうね。他は色が決まっているって、例えばバッタは何色で決まっているの?」
質問者「緑や茶色。」
アナウンサー「テントウムシなんかは?」
質問者「赤や黒。」
アナウンサー「チョウチョはどんな色がある?」
質問者「青や黄色や白。」
丸山先生「いい質問だねぇ。それで結論から言うとね、実はすごく難しい疑問で、昆虫っていろんな姿形があるけれども、その理由がこうだと分かっているのがほとんどなくて、いろんな意味が含まれていることが多いです。
チョウの場合は、第一に考えられるのが、隠蔽擬態、カモフラージュって言うんだけれども、羽の裏とかが落ち葉みたいになってるチョウチョがいるでしょ? 」
質問者「はい。」
丸山先生「タテハチョウとか。ああいうのは羽をたたんでいる時に目立たないようにするという意味があると思うんだよね。」
質問者「うん。」
周りの風景に溶け込むという意味では、緑とか茶色の昆虫と戦略が同じっぽい。

丸山先生「あと、同じ種でオスとメスが違う場合があるでしょ。大体、オスの方がきれいで明るめの色をしていることが多いと思うんだけれども、そういうのはオスとメスがそれぞれ、異性と同性を見分けるために使っていると思われています。」
質問者「うん。」
丸山先生「あと、チョウチョの中には毒があるやつがいるんだよね。それは知ってる?」
質問者「知りません。」
丸山先生「例えば福岡にふつうにいるチョウチョだったら、アサギマダラとか。九州の南の方に行くとツマベニチョウという、それも毒があることで有名なんだけれども、そういう毒を持っているチョウは小鳥とかの天敵に、毒を持ってるんだよと、派手な色で示すということもあります。」
質問者「はい。」
丸山先生「あと、もうちょっと複雑なんだけれども、毒を持っているチョウに姿を似せて敵に襲われないようにしていることもあるんだよね。それも擬態という現象の1つなんだけれども、そういうのもいます。」
質問者「はい。」
丸山先生「それでどうやって結婚相手を見つけるかって言うと、まずチョウって目がよく見えるんだよね。昼間に飛んで、卵を生むための植物を目で探したりもするんだけれども、それで目で見て結婚相手を探すということがあります。
あとは見た目がそっくりなチョウもいるでしょ? 例えばモンシロチョウとスジグロシロチョウみたいな。そういうやつは目だけでは同じ仲間のチョウだと分からないので、フェロモンっていうの分かる?」
質問者「はい、分かります。」
丸山先生「そっか。フェロモンっていう化学物質、匂いのようなものを使って、メスに対してオスがそういう匂いを出して結婚相手を見つけることもあります。
あと人間の目には見えないんだけれども、チョウって…紫外線って分かるかな?」
質問者「はい、分かります。」⇦フェロモンも紫外線も知ってるのすごいな。
丸山先生「分かる? 太陽に含まれている光の種類なんだけれども、紫外線をよく見ることができて…チョウって紫外線だけを当てたカメラで撮影すると、オスとメスで全然違う色に見えるんだよね。」
質問者「ふーん。」
丸山先生「だから、チョウは実は人間とは違う色で物を見ていて、それでハッキリとオスとメスを見分けるということも分かっています。
結局、色にいろんな意味があって、いろんな意味のいろんな組み合わせによってチョウの色はできているんじゃないかなと思います。だから1つの意味で“このチョウはこの意味でこの色”っていうことはなくて、複雑な意味の組み合わせでチョウの色は成り立っているんじゃないかと思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「人間の目には同じように見えても、紫外線を当ててみるとオスとメスで全然違って見えたり…毒のあるチョウに似せて、本当は毒はないのに危険そうに見せかけるというのもあるんですね。すごいですね。○○ちゃん、先生のいろんなわけがあるんだよっていうお話聞いて、どう思った?」
質問者「えっと、知らなかったことが…たくさん知れて、嬉しい。」⇦教えてくれたのが丸山先生なのも嬉しかったんだろうなぁ。
丸山先生「よかったよかった。(笑)フフ。」⇦ラブコールに応えられて先生もご満悦。いい雰囲気の会話。
アナウンサー「よかったあ。○○ちゃんは標本を趣味で作ってるの?」
質問者「そうです。」
アナウンサー「標本どのくらい集まった?」
質問者「えっと……7個。」
丸山先生「ふうーん。」
アナウンサー「本当、すごいね。じゃ、またチョウのこといろいろ考えてみてね。それでまた質問して下さい。」
質問者「はい。」
自分で作った標本が7個。始めたばかりで気づきがあったり、新しい知識を吸収できるのが楽しいのかもしれない。

Q2 どうして、ハトは、後ろから、人間が、近づ
  いても、気づいて逃げるんですか?(6才男子)

久しぶりの未就学のお子さん。名前を聞かれて「○○くんでーす。」って自己紹介した時点で面白い。
アナウンサー「○○君はハトを捕まえようとしたことがあるの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「その時○○君は後ろからそーっと近づいていったの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「それでハトはどうした?」
質問者「逃げた。」
アナウンサー「飛んで逃げちゃった?」
質問者「うん。けど、顔から捕まえると何か逃げちゃうじゃん、サッと。」
アナウンサー「うん…前の顔がある方から近づくと…」
質問者「後ろからでも逃げちゃうの。」
自由に喋りながら状況説明がしっかりできている。

アナウンサー「そうなんだ、見えないように後ろからそーっと近づいていったのに、見えないはずなのに逃げちゃったってこと? それがどうしてかってこと?」
質問者「うん。」
川上先生「はいどうもこんにちはー川上でーす。」
質問者「こんにちはあ。」
川上先生「○○君は、ハトは家の近くで見たんですか?」
質問者「公園で。」
川上先生「飛んでた? お家の近くにハトいるんですか?」
質問者「うん。」
川上先生「じゃ、ハトの顔見たことある? あるよね。」
質問者「うん、口が!何か、三角みたいな…口だった。」
川上先生「ああ、口ね。くちばしのところが三角になってるよね。で、目がどこにあるかは見た?」
質問者「……ここぉ…」⇦自分の顔に指さしてるのかな、かわいい。
川上先生「そこ。」⇦先生ちゃんと受け止めてる。
質問者「えっと何か、……何か羽の近くぅ?…」
川上先生「ああ、羽毛が生えてて、羽毛の中に目があったよね。その目の場所を、今度ハトを見た時にぜひじっくり見てほしいんだけども、例えば人間の顔、○○君の顔…」
アナウンサー「先生ちょっとお待ち下さいね。○○君ちょっと待っててね、ごめんねニュースが入りました。このまま待っててね。」
質問者「いいよ。」⇦優しい&かわいい。
アナウンサー「ありがとう!」

ニュース後に再開。
川上先生「はーい、続きでーす。ハトの目のある場所をちょっと考えたいんだけれども、例えば人間の頭で言うと、ハトの目ってどこら辺についてると思う?」
質問者「何か……耳?」
川上先生「耳の辺り。正解。大正解です。横についてるんだよね。だからハトの絵を描く時には、目を前に描くんじゃなくて、横に描くとハトらしくなるんだけれども、じゃ、横についているということはどういうことかっていうと、後ろの方まで見えちゃうっていうことなんだよね。」
質問者「うーん。」
川上先生「例えば、○○君もお友だちの後ろから近づいていった時に、耳の場所って見えるよね?」
質問者「ん!?」
川上先生「○○君が、お友だちの後ろの方から近づいていった時に、友だちの耳を見ることってできるよね?」
質問者「うん。」
川上先生「耳が見えるっていうことは、もし耳の所に目があったら、そこの目から後ろが見えちゃうってことなんだよね。」
質問者「ハトが?」⇦理解が早い!
川上先生「そう!ハトが。分かっちゃった?」
小林先生かな?吹き出してる声が。
質問者「うん。」
川上先生「だからハトって本当の真後ろ、全くの真後ろは見えないんだけれども、そこからちょっとずれてると、もう後ろが見えちゃうんだよね。
あと、ハトの頭を、今度チャンスがあったら上からも見てみてほしいんだけれども、上から見ても目がある場所が見えるの。だからハトって、多分真上も見えているんだよ。」
質問者「じゃあ、…ゾンビみたいな生き物?」⇦どこからこんな発想が。
アナウンサー「(笑)フフフフフフフフ」
川上先生「ゾンビ!ゾンビの目の場所がどこにあるか、僕ゾンビに会ったことないんだけど、今ゾンビって言った? ま、ハトもゾンビだったら多分、同じ場所に目がついてると思うから、やっぱりそういうものだな。」⇦うまくまとめてるのすごい。
川上先生「じゃ、何で目が横についてて、上が見えたり後ろが見えたりするんだと思う?」
質問者「だって何か、敵とか…出てきたら、食べられちゃうからかなあ…」
川上先生「正解!その通りだと思います。いやよく分かったね。えらい! やっぱりハトってね…おいしそうだなって思ったことありますか?」⇦先生も飛ばし気味。
質問者「………」
川上先生「ないかな?」
質問者「うん。」
川上先生「ないか。ハトってね、タカに襲われたりキツネに襲われたり、いろんな動物に襲われるんですよ。だから、いつも身を守ってないと食べられちゃうの。でも食べられるのって嫌だよね? だから彼らはいつも周りのことを気にしていて、どこから来ても敵に気づけるように、そういう体の形をしているんです。だから、○○君が後ろから近づいてもすぐに気づいちゃったんだね。」
質問者「うん。」
川上先生「ところで、何で捕まえたいって思ったの?」
質問者「だって何か、……えっと、飼って、エサあげてみたいの。」
川上先生「あー、鳥をね。日本にはいろいろ法律とかがあって、そういう問題があって、捕まえていいかどうかはとりあえず置いておくけども、鳥を捕まえたいって思う気持ちはよく分かります。僕もそう思うし、昔から人間はいろんな鳥を捕まえてきたんだけども、やっぱりね、手づかみっていうのはなかなか難しくて、それで昔から人間は知恵を絞って、いろんな罠とかで捕まえてきたんだと思うんですよ。そうしなきゃいけなかったのは、それだけハトとかの鳥が周りにどういう敵がいるかっていうのを気にして、そういう世界の中で進化してきたからだと思います。」
質問者「ふううううん…」
川上先生「大体、分かった?」
質問者「うん。」
川上先生「今度ぜひね、家の近くにハトがいたら、目の位置がどの辺なのかなって、後ろから近づいた時に、こっちから見て目が見えるってことは向こうからも見えているっていうことだから、どの角度ぐらいまで見えてるのかなっていうのを、確かめてみてもらえればと思います。」
質問者「分かった。」
川上先生「はーい頑張ってね。」
質問者「バイバーイ。」⇦解決したらあっさり引き下がる。
アナウンサー「鳥の目って引っ込んでないっていうか…」
川上先生「そうですね、ちょっとドームみたいになって外側に出っぱっているので、そのおかげで、けっこう広い範囲を見ることができます。」
アナウンサー「そうすると前から近づいてもダメだし、後ろから近づいてもやっぱり見えちゃうし、上から近づいても見えますか?」
川上先生「そうですね、やっぱり見えますね。」
アナウンサー「下から…」
川上先生「下からだと多分、見つかりにくいので、下から頑張って近づいてもらえればと思います。どうやるのか分かんないけど。」
アナウンサー「(笑)○○君、分かりましたか?」
質問者「はーい。」
アナウンサー「お家の周りにハトいっぱいいるの?」
質問者「ううん。うちの近くに公園があって、ハトがいて、捕まえようとしてんの。」
アナウンサー「公園に行けばハトをいっぱい観察できるんだね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「じゃ、今度公園に行った時に、よーくハトのお顔を、目がどうなって、どこにあって、どういうふうに見えるかなって、また確かめてみてね。」
質問者「はーい。」
アナウンサー「今日はお電話どうもありがとう。さようなら。」
質問者「さよにゃら~」
先生方「(笑)フフフフフフフフ」⇦笑いを一生懸命堪えてる。
自由に楽しく会話ができるって素晴らしいなぁ。

Q3 むかわ竜はその後どうなりましたかという質
  問です。(小3男子)

アナウンサー「その後っていうのは何?」
質問者「去年むかわ竜のことを聞いた時、まだお話しできないと言われて、だから、もう1回、今年かけ直してみました。」
アナウンサー「あっ!去年お電話くれたのね? 小林先生、2年越しの質問です。」
小林先生「(笑)ハハハハ。○○君、質問ありがとうございます。去年のちょうど今頃だよね。その時先生何て言ったんだっけ、何も言えないって言ったんだっけ?」
質問者「何もではないけど、正式な名前とか…。」
小林先生「ああ……。今、国立科学博物館でやってる「恐竜博2019」って行った?」
質問者「まだ行ってません。」
小林先生「行くのかな?」
質問者「行く予定です。」
小林先生「いつ行くの?」⇦ちょっと圧力が。
質問者「えっと、旅行から帰ってきた後です。」
小林先生「じゃ、夏休み中に行くの?」
質問者「はい。」
小林先生「実は、先生の思ってる研究はひと段落つきました。むかわ竜がどういう恐竜で、どういう所に住んでいて、どんな進化をしてきたかっていうのも分かっています。」
質問者「はい。」
小林先生「ただ、論文がね(笑)、論文が出るまでは種明かしができないっていう非常にツラい感じがあってですね、全部は言えないんだけど、実は6月に日本古生物学会が静岡県であって、そこで発表した内容は記者発表っていうか一般公開してるので、その内容までなら言えます。」
質問者「ほおー。」
静岡の古生物学会、恐竜ガチの女の子が行ったと、お便りが読まれたことがあったな。小林先生の発表も聞いてきたとか…。

小林先生「で、何知りたい?むかわ竜について。」
質問者「できれば、正式な名前とかです。」⇦「できれば」ってクッション言葉を挿める、ツラい状況を理解した大人の対応だ。
小林先生「(笑)正式な名前はねえ、あともうちょっと待ってくれたら…あと1ヶ月ぐらいかなあ…って感じなんだよね。だから、名前を知りたいんであれば、もうちょっと待って下さい。ホント近いうち、先生が思うには2ヶ月は経たないと思うので、1ヶ月ちょいぐらいで多分、つくんじゃないかなあと思ってます。なので名前以外で質問ある? 何か知りたいこと。」
質問者「えっと、むかわ竜はどの辺にいたかとか。」
小林先生「どの辺にいたかってのでは、前から僕らが言ってたんですけど、海岸の近くに住んでたんじゃないかなとは思っています。」
質問者「はい。」
小林先生「もうちょっと話を広げて、どこからやってきたかというと、むかわ竜のご先祖様は北米から来たっていうふうに、アメリカの方からベーリング…アラスカとか、あの辺を渡ってアジアにやってきたっていうのが分かってきました。
で、アジアにやってきたむかわ竜の仲間たちというのも分かってきたの。むかわ竜と近い親戚関係にある恐竜が中国とロシアから見つかっていて、それと姉妹関係というか兄弟関係というか、近い恐竜というのが分かってきました。」
質問者「へええー。」
小林先生「その恐竜の名前を言うと、ロシアのケルベロサウルス、あと中国のライアンゴサウルスっていうのがむかわ竜と近い関係だったのが分かっています。」
質問者「へええー。」
小林先生「だから、アジアで独自の進化って僕らは言うんだけど、(独自の進化を)したものが極東地域…アジア大陸の北海道の近くで、むかわ竜とその仲間たちが住んでいたというのが分かっています。」
質問者「へええー。」
小林先生「だからすごくいろんなことが分かってきてますよ。あとは(むかわ竜が)新しい恐竜かどうかも、まだはっきりとは言えないんだけれども、どの恐竜とも違うっていう特徴がいっぱい出てきたので、新属新種とは論文が出るまで言えないんだけど、ただ他の恐竜とは違うことは断言できるので、…いい恐竜です(笑)。」
いい恐竜…学問的価値の高さとか、先生がワクワクできたとか、いろいろひっくるめて「いい恐竜」でしょうかね。
小林先生「あといろんなこと分かってきた。年齢とか体重とかも分かってます。」
質問者「ええっ。」
小林先生「年齢は9才以上。以上っていうのは、実は脚の骨に木の年輪みたいな…木の年輪分かるよね?」
質問者「へええー。」⇦時間差があるのか、頭がいっぱいで聞こえてないのか。小林先生はどんどん話していっちゃうから…。
アナウンサー「○○君、年輪って分かる? 木を切った時に…」
小林先生「輪っかがいっぱいあるんだけど…」
質問者「見たことあります。」
小林先生「ある。OK。むかわ竜の脚の骨を切ると木の年輪みたいな跡があって、それを数えると9本の線が入っているのね。だから最低でも9才で…なくなっちゃってる所もあるので12~13才ぐらいかもしれないですけど9才以上。しかも大人っていうのも分かってます。」
質問者「へええー。」
小林先生「大きさは8メートルって前から言ってるんだけど、体重は何トンぐらいだと思う?」
質問者「20トンくらい。」
小林先生「20トンか、20トンていったらすげぇ重いよ(笑)。僕らの研究の中では二足歩行、2本脚で歩いてるバージョンだと体重が4トンぐらい。もし4本脚で歩いていたら、5.3トンって計算で出てきました。だから4~5トンが重いかどうかだよね。例えばゾウって何トンか分かる?」
質問者「1トンくらい?」
小林先生「先生もよく知らないんだけど(笑)、確か7トンぐらいだったと思うんだけど、ま、ゾウと同じぐらいか、ちょっと軽いぐらいの体重だと思ってくれたらいいと思う。……というのを頭に入れながら「恐竜博2019」を見に行って下さい。そうすると、むかわ竜がより楽しく見れるので。さっきの年輪、成長のやつも展示してるし、むかわ竜の全身骨格、本物の骨も来てるし、それが組み上がった形でむかわ竜が展示されているので、今の話を聞きながら見に行ってくれるといいかなと思います。論文が出たらもっと面白いこと言えるんだけど、それはまた来年聞いて下さい(笑)。ごめんね引き伸ばしちゃって。論文出るのがもうちょいなんだよ。今かなり、いろんな情報が分かったと思うけど、論文が出たら、さらに面白い話ができると思います。」
質問者「はい。」
お子さんの期待に応えられなくて申し訳ないやらもどかしいやら、先生も切なそう。

アナウンサー「論文の結果を知りたかったらまた来年と…」
小林先生「論文が出版されれば記者発表するので、そこで解説はするんですけど、難しいと思うので、また来年…ていうか、いつでもラジオで聞いてもらえれば分かりやすく説明できると思うんですね。」
アナウンサー「○○君、じゃあ恐竜博に行った時に、むかわ竜がものすごい迫力で展示されてるから、復元骨格も含めてよーく見てみてね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「また、もう1回先生に質問する?」
質問者「はい。」
小林先生「(笑)じゃ、また来年ね。待ってるね。」
来年と言わずレギュラーの「子ども科学電話相談」でも冬休みでも質問してきてほしい。先生の研究の進捗状況が質問になるなんて、すごい番組だわ。

【追記】
9/6にむかわ竜が新属新種として、正式な名前も発表されました。「カムイサウルス・ジャポニクス」!小林先生が言ってた通り、この質問から1ヶ月ちょっと。今までの「むかわ竜」もかわいいし、「カムイサウルス」はアイヌ語由来でカッコいいし、本当に「いい恐竜」なんだなぁ。また恐竜博見に行こうかな。

Q4 昆虫の進化の謎を解きたいです。デボン紀
  トビムシになるまでの過程が鍵になるかなと思
  っています。昆虫の祖先はまだ見つかっていな
  い化石なんだと思います。僕が見つけたいで
  す。どの深さにありますか? でも化石になれ
  なかった生き物だったら僕はどうやって見つけ
  たらいいですか?(小2男子)

目標と仮説を立てて質問してくるのすごい…。
アナウンサー「デボン紀トビムシになるまでの過程が鍵…どうしてそう思うの?」
質問者「いちばん昔にいた昆虫だから。」
アナウンサー「デボン紀って、いつ頃だっけ? ○○君知ってる?」
質問者「はい、知ってます。デボン紀は、古生代の……4番目の…紀、紀と言ったらどうかな(笑)ウフフッ」
アナウンサー「古生代の4番目の紀なんだ…分かりました、じゃあこれは…」
丸山先生「まず、じゃあ私が…」⇦コラボ回答前提。
丸山先生「そう、昆虫の初期の進化って本当によく分かってなくて面白いんだよね。昆虫って今の生き物で何に近いか知ってる?」
質問者「甲殻類…じゃなくて節足動物。」
丸山先生「それも全部含めて節足動物なんだけど、そのいちばん近いって今のところ言われてるのがムカデエビっていう、洞窟に住んでる、すごく細長いエビみたいな形の生き物なんだけれども、それが一応(最も近い)って言われているんだけれども、それもはっきりしてないし、昆虫の本当の原始的な…元々の祖先は脚が多い生き物だったと思うんだけれども、その中間も全然分かってないしね、何も分かってないのが本当のところなんだよね。」
分からないことだらけの世界に行こうと思ってる質問者ってすごい。

丸山先生「さっき、いちばん古い化石がトビムシって言ったけれども、その他にこれが古いんじゃないかと言われているものがあります。スコットランドの4億年前の地層から出てきた、リニオグナータっていう化石なんだよね。」
質問者「リニオ…何?」
丸山先生「リニオグナータ。」
アナウンサー「リニオグナータだって。」
質問者「リニオぐじゃーた?」
丸山先生「えっとね、リ・ニ・オ・グ・ナータ。」
質問者「リニオグだータ。」⇦惜しい。
アナウンサー「グ、グナータ?」
丸山先生「はい。アゴっていう意味なんですけどね。」
質問者「グナータ。」⇦一生懸命だなぁ。
丸山先生「そう。その化石って、大アゴと口ひげしか見つかってないの。大アゴって分かるよね?」
質問者「はい。」
丸山先生「いちばん古いと言われている昆虫のリニオグナータはね、大アゴとその周辺の化石しか見つかってないんだよね。」⇦これだけ聞いてるといつもの昆虫の質問とは全然違う内容だなぁ。
丸山先生「何で大アゴで昆虫と分かったかって、分かる?」
質問者「んー…クフッ(笑)」
丸山先生「難しいよね。」
質問者「教えて下さぁい。」⇦かわいい。
丸山先生「昆虫のいちばん大事な特徴の1つに、大アゴ…大アゴって根元に筋肉がついてて、それで開いたり閉じたりするの知ってる?」
質問者「うん。」
丸山先生「その大アゴの筋肉がくっついている所が、昆虫は2ヶ所あって、それで大アゴを自由に動かせるようになっているの。それが昆虫の進化にすごい大切な役割を果たしたと言われていて、リニオグナータはその特徴を持ってるんだよね。だから大アゴだけでも昆虫じゃないかって言われているの。」
質問者「うん。」
丸山先生「ただ、リニオグナータの化石を詳しく調べると、研究者にもよるけれども、実はこの時代から羽を持ってたんじゃないかと言われているんだよね。さっき○○君が言ったトビムシの化石が見つかった4億年前、デボン紀の頃から実は羽を持ってたんじゃないかと。だから、昆虫が出たのはもっとずっと前なんじゃないかと言われているの。
最近の研究ではDNA…DNAって分かるかな?遺伝子。」
質問者「……」
丸山先生「体の中にある遺伝子…細かいいろんな情報を合わせて、昆虫の本当の起源は4億8000万年前ぐらいなんじゃないかと言われてるんだけど…」
質問者「うはあー!」⇦楽しそう。
アナウンサー「4億8000…そうするとデボン紀よりももっと前なんですか?」
丸山先生「そうです、オルドビス紀とかシルル紀とか、その辺りなんじゃないかと言われているんですね。」
質問者「シルル紀オルドビス紀…」⇦昆虫進化の謎を解くために必死。
丸山先生「そう。だからその頃の地層を一生懸命調べて…昆虫ってすごく小っちゃいから化石に残りにくいってのがあるんだけれども、その頃の地層を一生懸命調べたら、その時代の発見ができるかもしれない。ということで、…ちょっと小林先生にどうしたらいいかを聞いてみましょう(笑)。」
質問者「(笑)アハハハ」
小林先生「(笑)いやあ、恐竜が生まれるずっと前の話なんで(笑)。でも化石見つけたいんだよね?」
質問者「はい。」
小林先生「いちばん古い昆虫の化石。そしたら、丸山先生が言ったオルドビス紀の石を叩かなきゃいけないね。割らないと。日本にもオルドビス紀の地層があるので、そこへ行って叩いたら出るかもしれないですけど、でも昆虫がちゃんと化石となるには、ちゃんと密封されないとだめなの。条件…僕らは堆積環境って言うんだけど、それがちゃんと揃ってないと、なかなか出ないというのがあるので難しいかもしれないけど、もし、いちばん最初の昆虫化石という野望があるなら、岐阜県にあるんだけど、そこに行って掘るしかないね。(笑)ンハハハ」
掘って叩いて、化石を見つけるのって肉体労働なんだな。昆虫の起源が恐竜よりも古いって初めて知った。天文・宇宙の質問では生命そのものの起源から宇宙の誕生まで話されることもあるし、この番組を聞いてると「昔」の範囲が途方もなく広がって、わけが分からなくなる。

アナウンサー「岐阜県に、そのオルドビス紀の地層があるんですね?」
小林先生「日本で最も古い化石が岐阜県にあるんですけど、そこに行けば、もしかしたら出るかもしれない。………いいかな?(笑)かなり無責任な答えかもしれないですけど。」
質問者「今、僕ができる研究はありますか?」
小林先生「昆虫化石は日本のいろんな所から出てるんだよね。だから最古と言わず、まずは自分で見つけられる昆虫化石から見つけて、あとは丸山先生が言ったみたいに…」
丸山先生「いちばん古い化石を最初から探すんじゃなくて、ちょっと古い化石から研究をしていって…あと、今生きている昆虫の体の仕組みをよく知っていないと化石の研究もできないので、死んじゃった虫をバラして詳しく見てみるとか、そういうことから始めるのもいいかもしれないね。」
前日の昆虫スペシャルでも、昆虫の特徴は6本脚だけじゃないって話があったな。化石を掘り出す体力と現生生物に対する理解、古生物学は総合的な力が必要なんだな。

小林先生「岩手県の久慈って場所があるんだけど、そこは琥珀の中に恐竜時代の昆虫が残っていたりするから、お父さんお母さんに頼んで久慈まで行くといいかもしれないね。」
アナウンサー「久慈からそういうのが掘り出されているんですか。」
小林先生「琥珀の中に昆虫もたくさん出てますし、実は恐竜か鳥かの羽も入ってたりもするので、かなり世界的にも稀な化石…(聞きとれず)。」
質問者「ええー!」
アナウンサー「琥珀って、○○君知ってる?」
質問者「はい、知ってます。」
アナウンサー「そこに閉じ込められた…」
丸山先生「昆虫琥珀。宝石の中に昆虫の化石が入ったやつがあるんですよね。」
アナウンサー「○○君、お二人の先生からいろんなお話、ヒントももらったけれども、お話聞いてどうだった?」
質問者「うーん……」
アナウンサー「やっぱり昆虫の研究したり、化石を見つける腕を磨いたりして、やがて掘り出してみたいかな?」
質問者「はい。」
アナウンサー「デボン紀トビムシになる過程が鍵になっていると思うって言ってたけど、それよりももっと古いということが分かったね。そして岐阜県とか久慈とか、先生からヒントをもらったけれども、そこに行ってみたいかな?」
小林先生「岩手が遠かったら、そこで恐竜も発掘されてるんですけど、早稲田大学の平山廉先生が中心にやってるので、もしよかったら早稲田大学に問い合わせて、平山先生に会っていろいろ話を聞いてもらうといいと思う。」
質問者「…(聞きとれず)」
アナウンサー「(笑)なるほど。やろうと思ったらいろんなことができそうだね。じゃ、頑張ってみるか。」
質問者「はい。」
丸山先生「あと僕の教え子でやまもと君ていうのがいてですね、彼は今、日本でいちばん昆虫化石で活躍して研究してるんで、彼に昆虫化石の研究のやり方を聞くのもいいかもしれません。」
アナウンサー「(笑)やまもと君はどこにいるんですか?」
丸山先生「やまもとしゅうへい君は今アメリカに留学しているんです。もうすぐ帰ってくるので…また紹介します。」
古生物学へ囲い込む思惑もあったのか、ヒント盛りだくさんだった。解説を聞くとデボン紀トビムシが最古というわけではなさそうだけど、未知の世界だけに、研究したら何か重大な発見があるかもしれないよね。

Q5 アヒルはなぜ水に浮かぶことができるのか?
  です。(小4男子)

アナウンサー「どうしてそれを不思議に思ったの?」
質問者「池で浮かんでいるアヒルを見て、不思議だなと思ったからです。」⇦すごいな、水に浮かんでる鳥のことを不思議に思ったことなんてなかった。
アナウンサー「どうして沈んじゃわないのかってこと?」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君は泳ぎは得意ですか?」
質問者「泳ぎ? けっこう下手っぴです。」
アナウンサー「けっこう下手っぴか(笑)。浮かんでいるの難しいかな?」
質問者「けっこう大変。」
アナウンサー「うん。でもアヒルは楽々浮かんでるように見えるもんね。」
川上先生「はい、どーもこんにちは、川上でーす。」
質問者「こんにちは。」
川上先生「何でアヒルが浮かんだままでいられるか、ということなんですけれども、じゃ、鳥の特徴って一体何だと思いますか?」
質問者「…分かりません。」
川上先生「空を飛ぶっていうのがいちばん大きな特徴だと思います。」
質問者「はい。」
川上先生「空を飛ぶということはどういうことか、どういう体をしていなきゃいけないか、分かりますか?」
質問者「えっと、胸に筋肉がなきゃいけない。」
川上先生「あ!筋肉ないといけないよねえ。筋肉があって空を飛ぶわけだけれども、そのためには体が重いか軽いかっていったら分かる?」
質問者「…けっこう重い。」
川上先生「あー、確かに筋肉がいっぱいついているっていうことは重いように思うかもしれないけれども、確かにその筋肉のところはとても重いんだけれども、体全体としてはとても軽くなってます。軽くないとやっぱり空を飛べないんだよね。」
質問者「はい。」
川上先生「体の中を見てみるとどうなっているかというと、たくさん浮き袋みたいな、空気の入った袋があるんです。これね、気囊(きのう)って言うんですけれども、気囊って聞いたことある?」
質問者「ありません。」
川上先生「これは肺から繋がっている袋で、人間も呼吸すると肺に空気が入ってくるんだけれども、その空気が入っていく肺以外の袋が、体のいろんな所にあります。それのおかげで呼吸がしやすくなったりしているんだけれども、それがいっぱい入っているということは、言ってみれば体の中に浮き袋がちゃんと先に入っているような状態だと思って下さい。」
質問者「はい。」
川上先生「ていうことは、鳥にとっては浮くことよりも潜ることの方が大変なんです。ていうぐらい、実は鳥は軽いんです。例えば○○君が水に浮かべるとして、ずっとアヒルみたいに浮かんでいられるかどうかって考えてみたいんだけれども、浮き輪を使ってもいいから、○○君が水の中でずっと浮かんでいたらどうなりますか?」
質問者「……うーん…」
川上先生「ちょっと考えてみよう。」
質問者「どうかなあ…」 
川上先生「どうなるかな?」
質問者「……」
川上先生「もういっそのことお風呂でもいいや。ずっとお風呂に浸かっていたらどうなるか?」⇦川上先生は質問者に考えさせる時に、すごく身近な例を出してくれるので、聞いてる大人も想像しやすい。
質問者「……どうなるかなあ。」
川上先生「例えばお風呂の水が冷えてくると、だんだん温度が下がってきて、寒くなっちゃう、とかね、だんだん皮膚がふやけてくるとか、あとずっといるとお腹が空いてくるとかいろいろあると思うんですよ。」
質問者「はい。」
川上先生「それはアヒルにとっても多分、同じ条件だったら同じはずなんだけれども、鳥の特徴のもう1つ、鳥にはたくさん羽毛が生えているっていうのがあります。生えてるよね。」
質問者「うん…」
川上先生「見たことある?鳥。」
質問者「鳥? よく見たことがある…」
川上先生「ある? よかったよかった。アヒルもさ、お腹の方にもたくさん羽毛が生えているの分かる? 羽が生えているよね?」
質問者「羽が生えてるのは見たことがあります。」
川上先生「うん、体にも白い羽毛がいっぱい生えているんだけれども、あれのおかげで皮膚が直接水につかないようになってるんだよね。皮膚と羽毛の間に実は空気がたまってて、そのおかげで水は直接つきません。」
質問者「ふーん、当たらないんだ。」
川上先生「うん、そうすると皮膚がふやけたりもしないし、そこの間に空気が入っているから寒くなったりもしにくいんだよね。」
質問者「はい。」
川上先生「あと、アヒルってどういう所で食べ物を食べているか知ってますか?」
質問者「えー、虫を食べたりしてる?」
川上先生「あー虫も食べるね。その虫が…多分地面の上でも食べるんだけども、実は水の中にいる虫とか、水の中にある草とか、水の中のプランクトンとか、そういうものを食べるんだよね。だから水に浮いてると、お腹が空いてもすぐに食べ物が食べられます。だからずっと浮かんでいても大丈夫。」
質問者「ふうーん。」
川上先生「で、じゃあ、何で水に浮いてると思いますか? 理由。何のためにそんな所にいるのか。」
質問者「何でだろう。」
川上先生「1つは食べ物があるっていうことと、あとそこでゆっくり休憩できるんだけれども、何で休憩できるかっていうと、そこにいれば、例えばキツネとかイタチとかの動物に襲われにくいというのがあると思います。水の上にいると、多分襲われにくいよね。」
質問者「多分、襲われにくい。」
川上先生「だから水の上っていうのは安全だし、鳥は体が軽いから浮いていられるし、アヒルの場合は食べ物もあるので、ゆっくりと浮かんでいられるんだと思います。」
アナウンサー「○○君、これで疑問は解決したかな?」
質問者「はい。よく分かりました。」
アナウンサー「よかったぁ。じゃ、元気に夏休みを過ごしてね。プールにはたくさん行くのかな?」
質問者「プールには行くか分かんない。でも水泳は一応習ってる。」⇦下手っぴだけど習って頑張っているのか、謙遜の下手っぴだったのか。
アナウンサー「そう。じゃ水泳も頑張ってね。」
質問者「はい。」


Q6 恐竜も悲しくて泣きましたか? 楽しいとか
  怒るとか感情がありましたか?(小3男子)

住んでる所を聞かれて「浜松と東京、どっちともあります。あ、でも浜松はやっぱりおばあちゃん家かなあ。」⇦おばあちゃんの家に来ているのか、夏休みならではの答え方だなぁ。

アナウンサー「どうしてこれを不思議に思ったのかな?」
質問者「NHKスペシャルでデイノケイルスが子どもを守っていて、必死で、あれも守りたいっていう感情だったのかなあって思いました。」
アナウンサー「ああ!そうだ、肉食…何か大きな恐竜と戦っていたところがありましたよね。あれも子どもを守りたいっていう、お母さんの感情があるように見えたと…。」
質問者「はい。」
小林先生が監修に入ってて、出演もされていた。

小林先生「えーと、Nスペを見てそう思ったって言ってたんだけど、あの中で泣いてるような恐竜いた? 悲しそうな恐竜。」
質問者「……んー、あんまりいなかった。」
小林先生「じゃ楽しそうな恐竜いた?」
質問者「……何…か」
小林先生「あと怒ってた恐竜いた?」
質問者「…ニコ。」
小林先生「ニコ怒ってたか。それどんな時に怒ってた?」
質問者「何か、ニコの子どもたちがまだ卵の中で生まれる前の時に、肉食恐竜が卵を狙ってて、それで守るために、すごく…頭の上の羽毛を立てて怒ってた。」
小林先生「うん。それがやっぱり、自分の子孫を残すために、卵が食べられないようにとか、あとタルボサウルスが襲うシーンもあるよね?」
質問者「あ、はい。」
小林先生「あの時も立ち向かっていくニコがいたり…」
アナウンサー「ニコって先生、あの…」
小林先生「あっ、ごめんなさい。NHKスペシャルのデイノケイルスの主人公がニコって名前がつけられていて、ちょっとストーリーがあるんですけど。
そういう意味で怒ってる感情かどうかっていうのは、先生ちょっと分かんないけど、やっぱり自分の子孫を守るためとか、そういう時は威嚇というか、そういうのはしていたかもしれないね。」
質問者「ああ、んー。」
小林先生「自分のDNAを残すために、どういう手段を使ってでも、というので“ガオー”じゃないけども、翼を広げて威嚇をしたりというのもあると思います。一方でタルボサウルスが襲うシーンで“ガオー”っていうのなかった?」
質問者「はい。」
小林先生「あれも怒ってるように見えるよね?」
質問者「何かすごく、手を構えて、口を開けて大声出して、威嚇して、戦ってた。」
小林先生「でも本当に襲いたかったら、あんな威嚇したら逃げちゃうんだよね(笑)。何も言わないでガブッて咬むのがいちばんいいと思うんだけど、まあ、そういう演出も(笑)あると思うんですけど。」
質問者「ああ。」
生物の現実というか先生の本音というか。時代劇とか戦隊ものでは戦う前に名乗ったり、雄叫びをあげながら襲ってたりするけど、その流れなのかな。でもサスペンスドラマで本当に殺意がある時は無言で襲いかかるし。どれもこれも演出込み込みの番組だけど。

小林先生「でも、感情っていうと、恐竜は先生は、“ん?”と思うんだけど、どうですか川上先生、鳥は(笑)……どうなんですかね?」
川上先生「あ、どーもこんにちは川上ですー。」
質問者「川上先生~。」⇦嬉しそう。
川上先生「僕はね、恐竜も感情があったんじゃないかなって思います。」⇦鳥類学者、恐竜を語り出す。
小林先生「(笑)フフフフ」
川上先生「ていうのはね、自分の卵を生んで守っている時に、卵を他の動物に食べられてしまう、そういう時に、全然それで構わないなって思う親と、あ、これは悲しいなって思う親がいた時に、その後、悲しいなって思う親の方が、より卵を守ると思うんだよね。」
質問者「ああー。」
川上先生「そうすると、子どもをたくさん守れて、子どもがたくさん残って、そういう感情を持った子どもが出てくるんだと思うんだよね。」
質問者「ああ、はい。」
川上先生「怒るっていうのも、例えば自分の食べ物を他の個体に取られた時に、怒る個体と怒らない個体がいた時、どっちの方が得だと思う?」
質問者「怒……らない。」
川上先生「えええ、マジですか!」
質問者「あっ、怒る?」
川上先生「僕はね、怒る方だと思うんですよ。怒らなかったら、どんどん取られちゃって、自分の食べる分が減っちゃって、自分の食べ物がなくなると死んじゃうかもしれないけども、怒って自分のものを守ろうとすると、その個体はたくさん食べられて、生き残りやすくなるんじゃないかなって思うんです。
だから、恐竜なんかもそうやって、感情がもし生まれたら、感情があった個体の方が生き残りやすくなって、そういうのが進化してくるんじゃないかなって思いました。」
小林先生「でも川上先生、そうすると、昆虫なんかもそういう防御っていうか、そういう行動してそうなんですけど、どうなんですかね?」
丸山先生「あ、はい、丸山です。昆虫もですね、…感情って何かという問題があるんですけれども、悲しいはないような気もするんですけれども、怒るっていうのはすると思います。例えばハチの巣をつついたら、ワッて怒って出てくるのもいますし、クモを飼って土に埋めて卵を生むベッコウバチっていうハチがいるんですけれども、クモを奪ったりすると怒って刺してきたりするんですね。だから怒るっていう感情は昆虫にもあるんじゃないかなって僕は思っているんですけれども。」
小林先生「ま、その…(笑)」⇦ちょっと分が悪い。
小林先生「僕はないような気がするんですけど、何を感情とするかは多分問題はあるんですよね…」
丸山先生「(笑)そう、何を感情とするかですよね。反射と言われてしまえばそうなのかもしれないですけども、そういう意味では高等な動物の怒りも反射的な部分もあるでしょうし…。」
小林先生「まぁそうでしょうね。まあ、○○君、いろいろ先生から答えはあったんだけど、小林先生の答えとしては、感情はなかったかなと正直思います(笑)。」⇦あくまで感情無し派。
スタジオ内「(笑)アハハハハハ」
小林先生「やっぱり生き延びるためにやるべきことを、さっき反射って言葉があったけど、それに近いのかなって思うんですけど、川上先生は違うみたいですよね。」
生き延びるための反射に怒りが上乗せされたらより生き延びられて、上乗せする個体が増えて多数派になった…怒った時ってすごくエネルギー使うけど、それが生き延びることに有利に働くなら、怒ってエネルギーを出す仕組みを作っちゃった、なんていう進化もあるのかなあ。

質問者「ふうう~ん。」
アナウンサー「いろんな意見が、3人の先生の中でも分かれているようだけれども、○○君は自分ではどう思ってるかな?」
質問者「まあ、……何かすごく嫌な時があったら、怒るけど、食べ物がいっぱいある所に行ったりしたら、何か嬉しいと思ったり、するかなあと今は思って、一応ちょっとは感情があると思う。」
小林先生「じゃあ、そういうことにしておこう。(笑)ハハハ、恐竜にも感情があったということで。」
アナウンサー「これだっていう結論はまだないみたいな感じね。感情とは何か、怒りとは何かということをどう思うかっていうことにもよるし、いろんな考え方があるということかな?」
質問者「ああ…。」
アナウンサー「自分はこう思っているけど、それが変わるかもしれないし、そのまま思い続けるかもしれないし、そんなところを時々確かめながら考えてみるといいかもね。ということでいいかな?」
質問者「はい。ありがとうございました!」
小林先生「(笑)ハハハハ。」
アナウンサー「質問してくれてありがとう。」
質問者「僕、これで2回目になりました。」
小林先生「そうだね、うん。何回もありがとうね。」
先生方みんなで議論を始める面白い質問だった。

Q7 昨日、公園に行った時、頭を下にして、ほと
  んど垂直に留まっているトンボを見ました。珍
  しかったので近寄っても逃げませんでした。図
  鑑で調べたらウチワトンボかなと思うのです
  が、どうしてそんな留まり方をしていたのでし
  ょうか?(小4男子)

アナウンサー「公園で、どこに留まってた?」
質問者「植物。」
アナウンサー「葉っぱの上か何か?」
質問者「はい。」
アナウンサー「頭を下にして、じゃ、尻尾の方をピーンと立ててたんだ。垂直なほどね。」
質問者「はい。」
丸山先生「昨日見たの?」
質問者「はい。」
丸山先生「ああそうか。どの辺で見た?」
質問者「池の近くで。」
丸山先生「あ~そうか。昨日はどんな日だった?」
質問者「暑~い。」⇦暑い中、観察してたんだな。
丸山先生「う~ん…○○君は何でそうなったと思った?」
質問者「う~ん…暑さをしのぐため?」
丸山先生「あ! もう分かってるじゃない。(笑)ウフッ、そうなんだよね実は。トンボの仲間は、池とか草むらとか開けた所にいるでしょ?」
質問者「はい。」
丸山先生「日陰がないでしょ、そういう所って。だから、暑い日に…暑い日って太陽が熱いでしょう? だから、逆立ちをして、真上から当たる太陽の…面積って分かるかな?」
質問者「分かります。」
丸山先生「当たる面積を小っちゃくするために逆立ちしてるんだよね。答えもう分かっちゃったね。(笑)フフフ。
昆虫は暑い時はいろんな対策…最近は東京も暑くて大変なんだけれども、いろんなことをして暑さをしのいでいます。カブトムシなんかは昼間は土に潜ったりするでしょう? セミなんかも本当に暑い日は木陰に隠れてジッとしてるし、いろんなことしてるのね。ただ、トンボは開けた池の上とかじゃないと、そこにいないと意味がないんだよね。そこにエサがあるし、結婚相手もいるし、そこで卵も生む。だからどっかへ行って隠れるわけにはいかないのね。だから池の周りにいるんだけれども、そういう所は暑い。だから逆立ちをして、暑さ対策をしているというわけです。」
質問者「はい。」
アナウンサー「そうするとウチワトンボだからそういう格好をしていたわけではないんですね?」
丸山先生「はい。正確にはウチワヤンマだと思うんですけれども。ウチワヤンマ以外のトンボも、いくつかそうやって逆立ちをするものがいます。ショウジョウトンボとか。ま、全部のトンボがするわけじゃなくて、一部のトンボはそういう本当に暑い時には木陰に隠れてジッとしているものもいます。でも昼間に活動するトンボは、大体逆立ちをしていますね。」
逆立ちなのは頭とか眼を保護するためか、姿勢を維持しやすいのか。

アナウンサー「へえー。じゃ、今日なんかも暑いから(公園に)行くと、また見られるかもしれないね。」
質問者「あとすいませーん、もう1個聞いていいですか? ウチワヤンマがさっき言ったように、お腹のところがパタパタ動いていたんですけど、それは何ですか?」
丸山先生「いやぁ、ウチワヤンマって確かにお腹の先端が膨れて、…そこのことでしょ?」
質問者「はい。」
丸山先生「それがうちわみたいになっているんだけれども、何でウチワヤンマのお腹の先がそうなっているかって、まだ誰も分かってないんだよね。だから、それちょっと面白いから、○○君、よく観察して、お腹の先端で何をしているかって見てみるといいかもしれないね。そしたらまた新しいことが分かるかもしれない。」
質問者「はい。」
丸山先生「あと、どんなトンボが逆立ちしてるかっていうのを、暑いから体に気をつけて、観察してみるといいかもしれません。夕方になったら違うトンボが出てくるかもしれないから。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君は夏休みの宿題は自由研究もあるの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「自由研究は何してるの?」
質問者「石を(研究)しようと思っています。」
丸山先生「ふーん(笑)。」
アナウンサー「石か。もう決まってるんだったら、じゃあそれで(笑)。」
丸山先生「(笑)今からでもトンボに変えてもいいかもしれないよ。」
先生方「(笑)フッフッフッフ」
来年にとっておいてもいいかもしれない。

Q8 カッコウは他の鳥の巣に卵を生んで、その巣
  の鳥に育てさせると聞いたけど、何でその鳥は
  自分の卵じゃないって分からへんのですか?
  (小5女子)

アナウンサー「どうしてこのことを知ったの?」
質問者「音楽の授業で「カッコウ」っていう歌があって、どんな鳥か聞いてみたら、卵を他の鳥の巣に生みつけるって教えてもらって、それで知りました。」⇦「生みつける」という表現に何か怖さを感じる。
川上先生「はいどーもこんにちは川上でーす。○○さんが聞いた、カッコウは他の鳥の巣に卵を生んでしまうっていう話なんですけれども、実は生まれちゃった方も、気づくことがあります。」
質問者「うんうん。」
川上先生「だからね、気づかれないように頑張ってます。」
質問者「えっ、気づかれないようにできるんですか?」
川上先生「うん、気づかれないようにするために、例えば○○さんが生みつけられる側だとするよね。カッコウホオジロなんかに卵を生みつけるんだけれども、ホオジロの親の気分になってみよう。」
質問者「はい。」
川上先生「で、そこに卵を生みつけられたら、自分が卵を抱いているところに生みつけられたら気づくよね?」
質問者「はい。」
川上先生「何で気づくと思う?」
質問者「……卵が増えてるし。」
川上先生「そう。だからね、カッコウは卵を生みつける時に、1個捨てちゃうの。」
質問者「…捨てるんですか?」
川上先生「そう。だから卵の数を合わせたりするの。そうすると気づかれにくくなるよね。」
質問者「うん。」
川上先生「あと卵にさ、模様があるの知ってる?」
質問者「あ、見たことあります。」
川上先生「種類によっては模様があって、その模様が似てれば大丈夫だけども、似てないとやっぱり気づくことがあります。」
質問者「うん。」
川上先生「でも、もちろん気づかない親もいるんだよね。だから気づかない親がいると、その親の子どもは残らなくて、カッコウの子どもばっかりになっちゃうよね?」
質問者「うん。」
川上先生「そしたら、そういう親はだんだんいなくなって、気づく親はちゃんと気づいて、“あ、これ自分のじゃないな”って分かっちゃうと、もう巣ごと全部、繁殖をやめちゃうことがあります。」
質問者「えっ! 全部?」
川上先生「そう全部。それで新しい巣を作り直したりすることがあるんだよね。」
質問者「ふーん。」
川上先生「そうすると、そういう親は賢い、見分けられる親だから、今後は見分けられる性質が残って、みんな見分けちゃって、みーんなカッコウを追い出しちゃうことがあります。」
質問者「う~ん。」
川上先生「だからカッコウっていうのはね、1種類の鳥じゃなくて、実はいろんな鳥に卵を生みつけたりするんです。」
質問者「えっ、そうなんですか!」
川上先生「そう。相手がホオジロだったりモズだったりオオヨシキリだったり、いろんな鳥にやるんですよ。これは長野県の方である先生が研究した例なんですけれども、ある時、オナガっていう鳥に托卵をし始めたんだって。」
アナウンサー「托卵っていうのは…」
川上先生「托卵っていうのは卵を生みつけることなんだけれども、それまではやってなかったんだって。で、オナガが現れたからオナガの巣に生みつけるようになったけれども、それもだんだん、相手に見つけられるようになったりするんだよね。」
質問者「はぁ…」
川上先生「だから、もしかすると次々に相手を変えていくようなことをやっていたりするのかもしれないです。」
質問者「ああ~!」
川上先生「ただし、カッコウの仲間でホトトギスって聞いたことありますか?」
質問者「ホトトギス…は雑誌でちょっと見ました。」
川上先生「ホトトギスっていうのも、やっぱり他の鳥…これはウグイスによく卵を生みつけるんですよ。」
質問者「はあ。」
川上先生「ウグイスの卵ってすごくチョコレートみたいな色をしてて、すごく分かりやすい特別な色をしているんだけれども、ホトトギスも生みつける卵の色がチョコレートみたいな色をしてるんです。」
質問者「はあああ。」
川上先生「だから、いかに相手に気づかれないような卵を生めるかっていうのが、カッコウとかホトトギスのテクニックで、それができた鳥だけが生き残ってきたということだと思います。」
質問者「わああ。」
川上先生「それがうまくいかなかった鳥たちは、多分絶滅していったんだと思います。」
質問者「うん…。」
川上先生「だから今生き残っている鳥たちは、すごいんだって思って下さい。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○ちゃん、先生のお答え聞いてどう思った?」
質問者「1種類とか2種類とかちょっとだけかなと思ってたら、いろんな種類が生みつけられるっていうのを聞いて、びっくりして、すごい納得できました。」
アナウンサー「ねえ、すごい知恵比べみたいだね。」
質問者「はい。」
聞いた話への反応をいろんな言葉で返せる、聞いてて楽しいお子さんだった。今生き残っている生き物がすごいっていう意味が、こういう話を聞くとより深く分かる。

Q9 最近の研究で、恐竜には毛が生えていたと言
  われているけど、テレビで見たのは毛がカラフ
  ルだったので、目立ちすぎて捕まりやすかった
  り、逆に獲物に逃げられたりしないかなと、気
  になりました。どうして毛がカラフルなんです
  か?(小4女子)

これもNHKスペシャルの恐竜番組を見ての質問。というか異議申し立て?
アナウンサー「テレビで見たカラフルって、どんな色だった?」
質問者「ピンクとか黄色とか…。」
アナウンサー「そうだったね。水色っぽいものもあって、けっこう色とりどりでしたよねぇ。」
小林先生「まず、色の前に、今回のデイノケイルス…見たかな?」
質問者「見ました。」
小林先生「あれで主人公のデイノケイルスが毛が生えていたんだけど、デイノケイルスっていう恐竜の化石には、毛の跡があったわけではないんです。」
質問者「はい。」
小林先生「だけど、何であの恐竜に毛を生やしたかというと、デイノケイルスの親戚のオルニトミムスというカナダの恐竜がいるんだけど、その恐竜に毛が生えた状態で、毛が残った状態の化石が見つかったんだよね。」
質問者「へえ。」
小林先生「なので、親戚のオルニトミムスに毛が生えているんであればデイノケイルスにも生やしていいかなっていうことで生やしました。」
質問者「え、そうなんですか。」
小林先生「うん。そのオルニトミムスの体に、いわゆる、○○さんの頭に生えてる毛のような羽毛が生えていて、あと手に羽軸(うじく)って…鳥の、何て言うか…えー……」
アナウンサー「羽軸?」
小林先生「…どうやって説明したらいいですかね、川上先生?(笑)」
川上先生「そうですね、羽毛の真ん中に支えるための柱みたいな…部分があって、その横に平らな羽が生えている、鳥の羽毛の形なんだけども、その真ん中の棒のところですね。」
小林先生「いわゆる鳥の羽って言ったら想像(する形が)ありますよね。真ん中に芯みたいなのがあって…」
質問者「あ、はい。」
アナウンサー「あ、スーッとこう…笹の葉みたいな…それが羽軸。」
小林先生「ええ、それが前脚に生えていたっていうのが化石で残ってます。」
質問者「ふうーん。」
小林先生「だからそれを基にして、デイノケイルスの体に毛のようなものを生やして、腕のところに羽軸のあるものを生やした、というのがあります。
あと尻尾を見ると、尻尾にも長めのフワフワっていうのが生えてるんだけど、それもデイノケイルスの尻尾の先に骨が…癒合(ゆごう)って言うんだけど、いくつかひっついた塊があって、それは尾端骨(びたんこつ)って言うのね。そういうものがあると、そこにも毛が生えていたみたいなのが分かるんだけど、だからそれを基にして毛を生やします。
で、頭にトサカみたいなのがあったんだけど、あれは何の根拠もないです。」
質問者「(笑)あ、そうなんですか?」
小林先生「あった方がカッコいいよね? (笑)アハハハ」
恐竜というよりは監修の意図とか裏話を暴露していく流れになってる。

小林先生「(笑)…だから、どこまでが実際の化石に基づいた復元で、どこが想像で作ったかというので言うと、大体分かったよね?」
質問者「はい。」
小林先生「そういうのが化石として残ってます。
さあ、今度は色なんだけど、○○さん、」
質問者「はい。」
小林先生「大正解です。」
質問者「あはっ。」
小林先生「仰る通りで、だってあんなにカラフルだったらさぁ、すぐ襲われるし、全然良くないよね。」
質問者「うん。」
小林先生「うん。でも、見てどうだった?」
質問者「何か…」
小林先生「嫌だった? 良かった?」
質問者「…めっちゃ襲われてた。」⇦襲われてたから余計に目立つ色が気になったのかも。
小林先生「(笑)めっちゃ襲われてた!そうか。じゃ、デイノケイルスがもっと地味な色だったら、あの番組無かったかもしれないね。(笑)ハッハッハッ」
質問者「(笑)アハハハ」
小林先生「だから、本当はあれだけ大きい動物…そもそも大きい存在があるので、なるべく馴染んだ方が、先生もいいと思います。」
質問者「うん。」
小林先生「ただまあ…いいよね、ああいうのも。(笑)ハハハハハ!」⇦ご自分に言ってる? 
小林先生「…ていうのを思いながら、ちょっとピンクっぽい色でデイノケイルスをやったんですけど、」
質問者「はいはい。」
小林先生「そうするとですね、川上先生からお叱りを受けまして、どうでしたっけ?(笑)」
アナウンサー「どのような。」
川上先生「はい。川上でーす、こんにちは。」
質問者「こんにちは。」
川上先生「僕も○○さんの意見と同じで、あの色を見た時に、これはないなと思いました。」
質問者「はい。」
アナウンサー「え、そうなんですか。」
川上先生「基本的にはやっぱり、保護色で目立たない色っていうのが多分いちばん得なんですよね。それでいいと思うんですけれども、やっぱり、風景が、地面が茶色で、木の幹が茶色で、そこに茶色い恐竜がいたら目立たなくて、まあ映像的には寂しいかなっていうのがあったのかなって思うんですけども、あの色になっちゃってたんですよね。」
質問者「はい。」
川上先生「だから本当は僕も保護色だと思います。ただ、これも想像なんです。」
質問者「はい。」
川上先生「実は色はよく分からないのが本当のところで、保護色だったら納得がいくと思うんですけれども、逆にね、本当にあんなに派手な色だったとしたら、何で、どういう条件があったらそうなれたのかを考えてみると面白いかもしれないです。」
質問者「はい。」
川上先生「例えば、周りに襲ってくるような捕食者が全然いなかったとか、オスとメスで結婚するためにすごく競争があって、少しでも派手にしないと結婚できないとか、どういう条件があったらそんなふうになるのかなって考えてみると、あれが本当におかしいのか、それとも、ある条件が揃えばあの色でもいいのか、ということが分かってくるんじゃないかと思います。」
これはナシと思っても、視点を変えればカラフル恐竜もアリだと考えられる。見方を教えてくれる、さすがバード川上先生。

質問者「はい。」
アナウンサー「なるほど。」
小林先生「で、言い訳のようなんですけど(笑)、今、「恐竜博2019」で、デイノケイルスとタルボサウルスが対面している展示があるんですけど、デイノケイルスってめちゃくちゃ大きいんですよ。11~12メートルっていう…。」
質問者「え、そんな…」
小林先生「だから、今、川上先生がチラッと言った、もしかしたらすごく大きくて、敵がいなかったとか、あとデイノケイルスの化石ってほとんど見つかってこないですよね。タルボサウルスとか他の恐竜はたくさんあるんですけど。だからもしかしたら襲われなかったかもしれないですけど、まあでも、……あの色で番組は楽しかったよね。(笑)」
スタジオ内「(笑)あ~」「(笑)ハハハハ」
質問者「(笑)フフ」
小林先生「ね。」
質問者「はい(笑)。」
小林先生「かわいくなかった?」
質問者「何かかわいかった。」
小林先生「ピンクじゃなかったら何色が良かった?」
質問者「えー私、青。」
小林先生「青か、青もいいねえ~。先生も青だと思ったんだけど、青は前回のティラノサウルスで使っちゃったからやめたんだよね。」
スタジオ内「(笑)アハハハハハ」
アナウンサー「(笑)そういうことですか…」
科学電話相談じゃなくなってきた。でも小林先生の監修のお仕事の中身を知れて楽しいのは間違いない。お子さんもスタジオ内の大人たちと一緒に笑ってて、質問できて良かったなあと思う。

小林先生「(笑)ハッハッハッハッ…まぁいろいろ想像を膨らませて…でも、さっき川上先生が仰ったように、せっかく色を自分で想像するなら、何で必要なんだ?って、あれはいいコメントだなと思いましたね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「私が子どもの頃は、恐竜ってゴツゴツでヌメヌメで、ワニっぽいっていう…何かヌラヌラ(笑)みたいな感じしかなかったんですけど、(今は)けっこうモフモフ系に…(笑)なってきたというか…」
小林先生「そう、モフモフ系なのはいいんですけど、モフモフにすると鳥を参考にしなきゃいけないんですけど、鳥の方はド素人なので、そういうのでやっちゃうと川上先生みたいなのにお叱りを受けるっていうのが大体のパターン…(笑)」⇦素人目線で突っ走って玄人からツッコまれるのが常態化してるらしい。
川上先生「(笑)ンフフフフフフ」
小林先生「すいませんって言ってまた直すっていうのが大体…。」
川上先生「ええ、早い段階で聞いて頂けると。」
小林先生「でも確か、川上先生も監修で入ってませんでしたっけ?(笑)」
川上先生「いや、それでも最初じゃないんですよ。あ、言っちゃっていいのかな。」⇦NHKスペシャルの裏側がどんどん暴露されていく。
スタジオ内「(笑)アハハハハハ」
アナウンサー「最初の段階からではなかったと。(笑)……でも川上先生、一方、鳥は鳥でとってもきれいな、鮮やかな鳥もいますけど、あれはあれで、その色の理由があると、いうことですね?」
川上先生「はい。○○さん、鳥はきれいでいられるけれど、それは何でだと思いますか?」
質問者「…えー、ええ?」
川上先生「ね、恐竜だとちょっと不自然かなと思うんだけども、鳥だったらそういう目立つ色の鳥もけっこういるよね?」
質問者「はい。」
川上先生「それはね、多分、鳥は、何かに襲われる時に、飛んで逃げることができるから、というのがあると思います。」
質問者「ああー…。」
川上先生「恐竜は飛んで逃げることができないから、襲われた時に走って逃げるしかできないよね。でも鳥はいろんな方向に飛んで逃げることができるので多分、恐竜よりはきれいな色になりやすかったんじゃないかなって思います。」
小林先生「じゃ、デイノケイルスは足が遅かったので、地味な色ですね。」
川上先生「アウトですね。」
スタジオ内&質問者「(笑)フフフフフ」
カラフルでも生きていける鳥の優位性を鮮やかにアピールしてくる、バード川上先生のしたたかさよ。
最初の質問のチョウのカラフルな理由も、飛べることと関係してるのかなぁ、チョウだと裏表の両面で模様も色も変えられる優位性もありそう。鱗粉を少なくして透明にする戦略まであるし。

アナウンサー「本当に色ひとつでいろんなことを考えて、いろんなことが分かりますよね。○○ちゃんは今日の先生のお話を聞いてどうでしたか?」
質問者「すごく分かりやすくて、あと、何か予想外のこととかあって、面白かったです。」⇦「予想外」の一言でまとめてるの上手い!
アナウンサー「よかった。恐竜のこと好きなの?」
質問者「うん、まあまあ。」
アナウンサー「まあまあ? 好きな恐竜とかいますか?」
質問者「好きな恐竜はティラノサウルス。」
小林先生「ティラノサウルス、まぁうん、カッコいいけど、怖いよあれは。すぐ食べられちゃうよ○○さん。」
質問者「うん、怖い。大きいから。」
小林先生「でも食べられるから、気をつけてね。」
質問者「うん…。」

質問終わり~先生方から一言
丸山先生「今日も面白い質問ばっかりで、こちらも勉強になりました。」

川上先生「今日は時間も短いので、3問ぐらいしか答えられていないんですけども、その後ろにはすごい量の質問が来てるんですよね。その中には僕も答えたいような質問がたくさんあるので、またたくさん紹介できればなあと思います。時間が短くてもったいないぐらいですね。」

小林先生「まだ時差ボケの状態なんですけど、川上先生、丸山先生と放送以外にもいろいろお話をして、ふつうに楽しく時間を過ごさせて頂きました。」

色に始まり色で終わった。

夏休み子ども科学電話相談8/1 とりとめのない感想

この日は昆虫の質問にたっぷりお答えする「昆虫スペシャル」。先生は全員昆虫の専門家(当たり前)。
 久留飛克明先生
 清水聡司先生
 丸山宗利先生
5月の天文・宇宙スペシャルも楽しかったけど、昆虫は先生が面白いんだなぁ。いろいろと。
アナウンサー「今日は昆虫おまかせ、どんと来い!という先生お三方がいらっしゃってますので」
アナウンサーも敬語を使いながらパワフルな紹介。

久留飛先生「(質問は)たくさん来ますよね。夏休みと言えば虫、ぐらいの勢いが子どもたちにはありますから。夏だけではないんですけど、夏休みの自由研究には取っつきやすいかなぁとは思いますね。」
静かに気合が入ってる感じがする。

清水先生「先日来さしてもらった時に比べると、もうミンミンゼミがふつうに鳴きまくってますね。NHKまで歩いている間に、すごくよくセミの声が聞こえてたんで、ああホンマに真夏やなあって感じですよね。東京の方、鳴かない鳴かないって言うてはったんで、ホッとしてるんじゃないかと思います。」

丸山先生「4月以来、忙しくてなかなか(番組に)出られずに、今日が久しぶりで、それでいきなりこれ(スペシャル)なので、ちょっと緊張しています。でも先生どうしでいろいろと、分からない部分も補足し合って、いい回答ができるように頑張りたいと思います。」

Q1 家のベランダにアシナガバチの巣がありま
  す。お父さんは大丈夫だと言うんですが、私
  は怖いです。刺されることはないんですか?
  (小5女子)

アナウンサー「アシナガバチってけっこう大きいんですか?」
質問者「えっと…ちょっと小っちゃめの…」
アナウンサー「心配ですよね。先生方に聞いてみましょう。どなたか答えて下さる方…」
久留飛先生「じゃあ私…○○さん、おはようございます。」
質問者「おはようございます。」
久留飛先生「私は子どもの時によく刺されました。」
質問者「ぇっ。」
久留飛先生「刺されるよ。」⇦回答終了。
アナウンサー「えっ!」
質問者「ダイジョウブナンデスカ…」⇦声出なくなって怯えてない?
久留飛先生「刺されんねんけどな、意地悪したからやねん…。昔、子どもの時には竿とか竹で、その巣をちょっかい出して落として遊ぼうと思って…蜂の子って知ってる?」
質問者「…はい。」
久留飛先生「あれがおいしいと私は思ってて、アシナガバチの巣を落として、その幼虫を食べてたわ…。」
質問者「……ヒッ」⇦息を呑んでるような…ただのイタズラを上回った話がいきなり。大丈夫だろうか。
久留飛先生「その時に、向こうからハチが飛んできて、プチッて刺されたこと何回もあったよ。」
質問者「………」
アナウンサー「○○ちゃん絶句してますよ先生!(笑)幼虫食べちゃったんですか?」
先生方「(笑)」
久留飛先生「まあそれは余計として…。そういう具合に意地悪をすると、“こいつだな、悪いことしてんのは”って、ある程度近づくとハチにも分かってしまって、飛んできて刺すねん。
けど、今、私も家の庭にアシナガバチの巣があって、周りの者に触るなよって言ってたら、何も刺さないよ。」
質問者「ア、ソウナンデスカ?」
久留飛先生「うん。1メートルもないぐらいに近づいても、向こうは警戒して、こっちの方に顔を近づけて、“何か来てるな”っていうのは感じてるけど、実際に飛んできて刺すということは、今ないねん。」
質問者「…ヘエエ…」
久留飛先生「悪さをする、ちょっかいを出さなければ、傍に来ても“あ、安全やな、安心な人やな”ってハチの方が思ってたら、そんなに攻撃するということはないと思うわ。」
質問者「……アリガトウゴザイマス…」⇦声が震えてるような気もするけど大丈夫かなぁ。もう電話を切りたいんじゃなかろうか。
久留飛先生「ハチだから攻撃するんじゃないねん。ハチも賢いから、やっぱり状況を見ていて、これはヤバいなって思うと刺しにくる時もあるけど、そうじゃなければ、あえてそういうことはしないと思うで。」
質問者「…ウン、アリガトウゴザイマス。」⇦終わりたそう。
アナウンサー「だから、○○ちゃんのお父さんが大丈夫だよと言ってたのはその通りで、○○ちゃんが意地悪とかしなければ、ハチもきっと○○ちゃんを攻撃してくることはなさそうですよ。」
質問者「ありがとうございます。」⇦声にちょっと力が戻ったかも。

アナウンサー「でも私も心配なのは、スズメバチが怖いんですよ。ワイドショーの見すぎなのかもしれないんですけれども、スズメバチの退治とかニュースで見てると、ああいうハチは悪さをしそうな気がすると、私は思うんですけれど、他のハチについてはどうですか?」
丸山先生「あ、えーっとですね、○○ちゃん、こんにちは。」
質問者「こんにちは。」
丸山先生「○○ちゃんの家って、もっと小さい子とかおばあちゃんとかいる?」
質問者「いえ、いません。」
丸山先生「あと、ベランダの周りって、すごく広くて、他の家が近かったりする?」
質問者「…(近かったり)しません。」
丸山先生「そう。ただね、久留飛先生の仰る通りに、何もしなければ基本的には刺さないんだけれども、アシナガバチがたまたま飛んできて、服に留まってるのをちょっと触っちゃったりすると、刺してくることがあるんだよね。」
質問者「ハアアアッ」⇦ため息なのかまた心配になってしまったのか…頭の中が大変そう。でも現実にあることだからなぁ、ベランダだと洗濯物についちゃうこともあるし。

丸山先生「アシナガバチは周りの芋虫を食べてくれたり、自然にはすごく大事な存在なんだけれども、刺されないようにすごく気をつける必要はあるかなと思います。」
質問者「ウン。」
アナウンサー「そうですね、うっかり服についたのをパッと触っちゃったら、アシナガバチがビックリしてブスッと。」
丸山先生「そうなんです、気まぐれに刺してくることもたまにあるんですよね。」
アナウンサー「あらららら。」
久留飛先生「そう、服の中に潜り込んだりして、払いのけようとした時に刺されるとかありますね。」
清水先生「僕やられました。(笑)ハハハハハハ…」
久留飛先生「(笑)ハハハハ、そうやんな。」
明るく話せるのが「昆虫おまかせ、どんと来い!」の証しか。

アナウンサー「あ、清水先生も刺されたことがあるんですか?」
清水先生「ありますよ。そういうちょっとした事故とか、あとはね、今からどんどん巣が…あ、○○ちゃんこんにちは(笑)。」
質問者「(笑)ハイ、コンニチハ。」⇦知らないおじさんたちからハチを食べたの刺されたのって語られて…健気に振る舞ってるなぁ。

清水先生「どんどん巣が大きくなってくるよね。秋にかけて最大になってくるんで、敵…スズメバチの攻撃とかに備えて気が立ってくるタイミングもあるんで、そういう時にあまり近づきすぎるとやっぱり警戒してくるんで…。
一緒に共存したらいいと思うんやけれども、それはやっぱり、しっかりと頭に置いて。今、丸山先生が仰ったみたいに、ご近所さんとか小さい子どもさんとかがいるとね、やっぱり危ない“ことも”あるのでね…。」
優しく話しても危ないものは危ない。ハチが悪いんじゃないけど。
清水先生「あんまり変な所に巣を作られたら、春先だと女王バチがまだ1匹じゃない? 巣を作り始める時だったら、もうその巣を取っちゃうの。ハチは殺さずに取っちゃうのね。そしたら違う場所に移動して(巣を)作ってくれることがあるんで。
で、取る時に気をつけなきゃいけないのは、根っこ部分ね。土台部分を残しておくとまたそこから作り始めちゃうことがあるんで…」
アナウンサー「おおお。新しくまた、巣を作ることも…」
清水先生「最初だったら作り直しがいくらでもできるんで、なるべく殺さないでおきたいんだったら、そういう引っ越してもらう方法もあるんで。」
質問者「蜂の巣ってどうやって取るんですか?」
怖いのを多少なりとも乗り越えて質問してくる。本当に健気だ。

清水先生「あっ、そうか。ごめんね。(笑)ヘヘッそこやな。まず、その女王バチが1匹の時にうまく見つけれたら…いつも巣にいるわけじゃないんで、大体の間隔を見といて、いなくなった時に大人の人に取ってもらったらいいよ。おじさんたちはね、もう扱い慣れてるんで、女王バチを一旦網に入れておいて、落ち着いて巣を取ります。(笑)フフッ。それからそっと網を開けておいたら、あえて危険を冒して人間の方に近づいて来ないんで、どこかに飛んで行ってくれる。」
質問者「…うん。」
扱い慣れてるおじさんたちはすごいけど、「女王バチ」「1匹」「見つける」のどれもが難しいよ…。

清水先生「ただ、女王バチってあまり攻撃性が高くないけれども、やっぱり毒針は持ってるんで、それは気をつけて下さい。」
質問者「はい、分かりました。」
春先どころか真夏では、扱い慣れてるおじさんたちにお願いするしかないのでは。

アナウンサー「だそうです。基本的にはそんなに攻撃はしてこないけれども、何か巣に攻撃が加えられたり気が立っている時、ビックリした時には、刺されちゃうこともあるかもしれないので、気をつけて下さいね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「ちなみにお姉さんは、洗濯物の靴下の中にハチが入ってて、履いて刺されたことがありますよ(笑)。」
先生方「あ~(笑)ハハハ」「(笑)ンフフフ」
アナウンサー「向こうもビックリしたと思うんですけれどね。お互い、ハチも人間も気をつけていけるといいですよね。」
質問者「お姉ちゃんも同じことでやられたことが。」
アナウンサー「そうなんだ、ハチもビックリしたと思うんですよ。いきなり靴下の中に足が入ってきて(笑)。」
清水先生「それはな。(笑)ハハハハ」
意外にハチに刺された人が多くてビックリした。刺されたことはないけど、取り込んだ洗濯物にハチが留まってた時は、心臓バクバクしながらおそるおそる洗濯物を振った記憶があるなぁ。

アナウンサー「今の話を聞いて思ったんですけれども、ハチに良いハチ・悪いハチってあるんですかね?」
清水先生「いや、良いハチ・悪いハチってのは人間が勝手にね、決めてるんで。」⇦ピシャリと指摘。ちょっと怒気をはらんだ声色で、お子さんに対する時と変わってビックリした。

清水先生「まぁ都合の悪い所に巣を作ったり、攻撃性の高いスズメバチなんかだと、近寄れる範囲もアシナガバチに比べると(離れてても)、近づくと威嚇してくるんで。あとは街の中にスズメバチが人間の生活を利用して入り込み始めた、そういう問題もあるんでしょうね。それは逆に人間が、ハチのテリトリーにどんどん家を作っちゃったというのもあると思うんですけれども…。」
昆虫のジャンルには虫で困ってる系の質問もけっこう来る。虫=悪者のイメージを残さないように回答して、虫によっては「飼ってみたら」「観察してみたら」と勧めたり。先生方の苦労というか気遣いも、この番組を聞いてて何となく思う。

Q2 去年の12月、家のマンションの3階のベランダ
  の、大きい窓一面にジョロウグモの巣ができて
  いました。かわいそうなので巣を10日間ぐら
  いはそのままにして、毎日観察していました
  。名前は「ジョロ子」です。小さい蚊みたいな虫
  が巣にかかっても、ジョロ子は気づいてなさそ
  うで、何も食べてない感じでした。3階だし、
  冬だと獲物がかからないかもと、お母さんがマ
  ンションの前の草むらの方にジョロ子を逃がし
  ました。ジョロ子は今もどこかで元気に生きて
  いますか?(小4男子)

ジョロ子…。名前を聞いた瞬間、笑いながら胸がジーンときた。放送から3週間以上過ぎた今も、文字に起こしながら目がウルウルしてくる。

アナウンサー「うーん、ジョロ子。どうしてるだろうか。気になりますねえ。このジョロ子の行方を含めて、ぜひ先生に聞いてみましょう。あ、丸山先生が手を挙げてくれました。」
丸山先生「おそらくジョロ子って、その名前の通りでメスだと思うんだよね。ジョロウグモってオスはすごく小っちゃいので、ふつうに目につく大きいジョロウグモはメスです。」
質問者「はい。」
メスって分かってて名付けたんだろうな、質問者すごい。
丸山先生「それで、その時期は実はジョロウグモが産卵する時期なんだよね。もう積極的にエサをいっぱい食べるような時期でもなくて、だからお母さんが草むらに逃がしてから、すぐ卵を生んで、それで死んじゃったと思うんだよね。」
質問者「…ハイ。」
淡々と話す丸山先生は悪くないけど、Q1と同様、質問への回答があっさり示されちゃった。小さく返事したのが切ない…。

丸山先生「ただ、その卵から幼虫…幼体、子どもがいっぱい出てきて、それがきっと周りで巣を作っているところだと思います。ちょうどこれからの時期ね、あちこちでジョロウグモのメスが巣を張っていて、目立つ時期になってきますので、その草むらの辺りを探してみて下さい。もしかしたら見つけたジョロウグモがジョロ子の子どもかもしれません。」
質問者「はい。」
アナウンサー「ああ…。ジョロウグモのメスは大きさはどれぐらいなんですか?」
丸山先生「ジョロウグモのメス…んー…」
久留飛先生「胴、数センチあるんよね。」
丸山先生「胴体が2センチとかですかねぇ。けっこう大きいです。」
アナウンサー「うーん、そうかぁ。○○君、ジョロ子はその後、自分の子どもを生んだかもしれないというですが、どうですか? その後、見かけたりしました? 草むらとかに行ってみました?」
質問者「…うーん、そこからはあまり見なくなりました。」
アナウンサー「そっかぁ。じゃ、もしかしたら子どもたちが孵って、ジョロ子の…」
久留飛先生「そうですよね、あのね、私の家の庭に、ジョロウグモの小っちゃいのがたくさん、巣を作ってるわ。だからきっと去年生まれた卵から孵ったやつが、周りじゅうに巣を作ってるんかなあと、思っています。」
質問者「はい。」
久留飛先生「あなたが見つけたそのジョロウグモは、どこかに卵を生んで、たぶん冬の寒さの間に…私も冬の間に見てたら、もう力尽きて死にそうなジョロウグモのメスってあちこちに見かけたから、たぶん、その次の世代が、うまいこと今、出てると思うで。」
質問者「…はい。」
先生が見たジョロウグモにすり替わっちゃったけど、ジョロ子の死は類推できる。上手い伝え方だなぁ。既に丸山先生が言っちゃったけど。
久留飛先生「ただ、あなたのお家がマンションの3階やから、そこまで幼虫…というか幼体が来てるかなっていうのは、ちょっと心配やけど、多分1階のどこかの植木の間では、(巣を)作ってるのかなあと思っています。」
クモは昆虫に非ずなので、幼虫ではなく幼体って言うのか。先生方は言葉にも細かく気を配る。

アナウンサー「○○君が気になるのは、ジョロ子は今もどこかで元気に生きていますか?という最後の1行がね…」
清水先生「あっ(笑)」
久留飛先生「あ、それはもう、それはどうぞ。」
ジョロ子の安否を明言することなくバトンタッチした久留飛先生。年長者だけに老獪である。夏休みの宿題をうやむやにして逃げ切っただけのことはある。

清水先生「そ、それはねぇ○○君、こんにちは。」
質問者「こんにちは。」
清水先生「うん…残念ながらそこまでの寿命がないと思うんで、その後冬の間に、ひっそりと死んじゃったと思うのね。」⇦実質3度目。
質問者「…ハイ。」
アナウンサー「あぁ悲しそう…」
清水先生「うん。けどね、そうやって次の世代、ジョロ子の子どもに命がつながっていくのね。」
質問者「はい。」
清水先生「だからね、ジョロ子の生きてた証しというのは、その次に…○○君の家の近所でジョロ子の子どもがいないかなって探してもらったらいいと思うけれども、その子どもたちに受け継がれてるの。」
質問者「はいっ。」⇦しっかりした返事でまたウルッとくる。
清水先生「ね。…もっとたくさんになって受け継がれてるの。1匹のジョロ子が。(笑)アハッ」⇦照れてる?
アナウンサー「ジョロ子ジュニアがね。子どもたちが…きょうだい、あるいは親戚筋も、もしかしたらいるかもしれません。」
清水先生「あ、親戚筋もいるでしょうね。」
ジョロ子の生きてた証しは、厳しい自然界ながら賑やかに受け継がれていそうである。

アナウンサー「ちなみに○○君の質問で、ジョロ子は蚊みたいな虫が(巣に)かかっても何も食べていない感じだったとありますけど、ジョロウグモは何を食べるのでしょうか?」
久留飛先生「基本的にそういう巣にかかった虫を食べてるんだけど、最初に丸山先生が仰ったように、時期が時期なので、12月ということやから、もうそういう時期は終わってて、次は産卵してっていうタイミングやから、もうエサは獲れないでしょうね。12月で寒いし動けないし。」
丸山先生「そうですね。」清水先生「んー…」
アナウンサー「なるほど、自分の子どもを残すことに集中しているんですよね。○○君、ジョロ子の子どもたちがもし、○○君のベランダに巣を作ったら、また観察してみて下さい。」
質問者「はい。」
3階のベランダにそのままいたら産卵できずに凍死したかもしれないから、お母さんが地上に逃がしてあげて、ジョロ子は最後まで役目を全うできたのかもしれない。質問者が「ジョロ子」なんて名付けなかったらこんなに切なくならなかったのに…ちょっと前に植物の田中修先生が、植物に心があると思って植物に接することは素晴らしいことだから、これからもそう思い続けて下さいと話したことに通じるような気もする。

アナウンサー「本当に身近な所でも、虫の観察ってできるんですね。遠くに行かなくても、自分の家のベランダとか、庭とか。」
清水先生「興味があったら、一度ジョロウグモ飼ってみたらいいんですよ。」
アナウンサー「えっ、そういうことできるんですか?」
清水先生「おそらく、こっちのジョロウグモだと完全な巣を張らせようとすると、1メートルとか2メートルとかデカいケースが要るんですけれども、僕らはふだん、展示…虫とか小さな生き物を見せるという仕事をしてるんで、去年、南西諸島のオオジョロウグモっていう…大人の手の平ぐらいある、日本最大のクモなんですけど、それを展示したことがあるんですね。」
手の平大の日本最大…それは小さな生き物なのか?

清水先生「で、オオジョロウグモの巣ってすーごいデカいんですよ。」
アナウンサー「どれぐらいになるんですか?」
清水先生「僕が採集したので直径1メートルぐらいの巣なんですけれども、とにかく大きいです。ただ、室内ではさすがに巣を張らすことができないんで(笑)、軽く足がかりを作ってそこに静止したものを見てもらうという程度なんですけれども、そういうのを毎日自分で世話して観察してると、こういうエサの取り方するんだなとか、口の動かし方とか、おしっこは液状のをプッと飛ばしますんでね…」
アナウンサー「あ、おしっこも…」
清水先生「エサをあげた次の日なんて、白いおしっこを壁にかけちゃうんで、ガラス磨くのが大変やったんですけれども(笑)。」
アナウンサー「へええー、クモはガラスに向かってヒュンッとおしっこを…」
清水先生「いや(笑)、ガラスに向かってするわけじゃないんですけど、狭い所で展示してるんでね。」
先生方「(笑)ハハハハ」
ガラスも磨くも人間の都合。

久留飛先生「沖縄のやつ(クモ)は鳥も捕まえるぐらい、網も丈夫で3重網っていう、本当の網と、こっちとこっち、両側に粗い網を作る…すごいんですよ。」
アナウンサー「えっっ! すごいですね、1重の網…クモの巣ではなくて…」
久留飛先生「前と後ろ…どっちが後ろか前かは別として3重の網を作ります。」
アナウンサー「うわー…、なかなか匠の技ですねえ。鳥も捕まっちゃうんですか?」
久留飛先生「そういう話がありますよ。」
アナウンサー「うわー…じゃ、けっこう丈夫な。」
久留飛先生「丈夫です。」
清水先生「丈夫です。手にくっついたら、もうー!って必死に外さなきゃいけないんで(笑)。」
アナウンサー「そんなに。」
久留飛先生「奈良県の先生がクモの糸でバイオリンの…弦って言うの? あれを作っていい音がしたというニュースがありましたね。」
アナウンサー「ええ! バイオリンが弾けるぐらいの強度がある。」
久留飛先生「まぁ集めるのが大変ですけど。」
アナウンサー「そうですか。芥川龍之介の『蜘蛛の糸』っていう話がありますけど、人間がクモの糸を伝って(笑)いくっていうのも、あながち…」
清水先生「そんな実験もありましたよね(笑)。」
丸山先生「本物のクモ糸を束ねて、ほんの数ミリだけど本当に、人間がぶら下がれるくらいの強さがあるみたいで、最近はクモの糸の構造を真似て繊維を作るような技術も、開発されようとしてますね。」
アナウンサー「クモってすごいですねえ。いやぁビックリしました。」
同じジャンルの先生が集まると話題が尽きない。次の質問までのつなぎもバッチリ。

Q3 ※聞きたいことは「カブトムシってどうすれば
  捕まえられますか?」
  前、家の周りにたくさん昆虫のトラップを作
  って、1つが焼酎で発酵させたバナナと、2つ目
  がふつうのバナナを入れたやつと、3つ目が
  昆虫ゼリーで4つ目が乳酸菌飲料を…つけた。
  (小4男子) 

質問を言っている間も、はっきりとは聞こえないけど「フンフン」「ウン…」と先生方が反応してるのが楽しげ。
アナウンサー「いろいろエサを置いてみたんですね? 何か捕まりましたか?」
質問者「いや、カナブンとハエとアリしか捕まらなかった。」
清水先生「(笑)フフフフ」
アナウンサー「ほおー。どうでしょう、カナブンとハエとアリ。」
質問者「カブトムシってどうすれば捕まえられますか?」
アナウンサー「なるほど。○○君はカブトムシを捕まえたいんですね。」
質問者「はい。」
清水先生「○○君ちは、どういう所にお家が建ってるの? 林の中? 住宅地の中?」
質問者「……うーん…」
清水先生「カブトムシが周りにいそうな場所に建ってる?」
質問者「……ちょっとだけ見たことはある。」
清水先生「お!ちょっとだけ見たことあるか。あんまり見ない?」
質問者「うーん、幼虫だったらたくさんいる。」
清水先生「あー幼虫はたくさんいるんや。」
質問者「落ち葉がたまってる所がある。」
清水先生「うん、掘って幼虫は探したことあるんや。」
質問者「うーん、小っちゃい頃。」
清水先生「うん、そうかそうか。1つはね、ある程度近くにカブトムシが住んでる所でないと、いないものは来ないじゃない?」
質問者「はい。」
清水先生「ね。そのカブトムシの発生してる場所というのも、いつも同じとは限らないんで、小っちゃい時に近くに発生場所があったけれども、じゃあ今はどうかなぁってすごく大事なんね。お家の周りを探してもらいたいんやけれども。あとは、例えば夜、街灯にカブトムシが飛んでくるような所だと、おそらくトラップの効果って上がると思うの。けど、カブトムシがいるかどうか分からない所っていうのは、いるかどうかを探す調査用のトラップにはなるかもしれへんけれども、たくさん集めるという分ではちょっとツラいんかなあと、おじさんは思うのね。」
質問者「うん。」
清水先生「だから、捕りたい虫があったら、それについて、いい場所かどうかをまず調べなきゃいけないのね。カブトムシのたくさんいそうな雑木林…分かる?」
質問者「…んー…林?」
清水先生「うん、いろんな木が植わってる、カブトムシのよく集まる木っていうと、コナラとかクヌギとかアベマキとかじゃない? そういうのから樹液が出てる木があるかとか。まず、そういう周辺調査をして、カブトムシがいそうな場所だなってことで、いちばん集まりそうな所に…自然に出てる樹液だけだと、なかなか思い通りに捕れないことがあるんで、おびき出す確率、カブトムシが来てくれる確率を、とにかく上げるためにトラップをかけるんで……まず、その下調べからかなぁと思うんやけれども。」
質問者「うん。」
清水先生「実験してくれたのは面白いよね。○○君はカナブンとハエとアリしか来てないって言ってたけど、じゃあ、どのトラップにいちばんよく来た?」
質問者「…発酵させたバナナがいちばんかかった。」
清水先生「お!素晴らしいやん。カブトムシなんかは最初は匂いを頼りに飛んでくるじゃない? だから発酵させたっていうのはアルコール…お酒に入ってる成分と、…酢酸て分かるかな?お酢。ちょっと酸っぱい匂いね。あと乳酸。このあたりの成分がすごく有効なのね。だからトラップの作り方は完璧や。」
質問者「はい。」
清水先生「あとはかける場所を考えてみたらいいと思うんやけれども、おそらく丸山先生がそういうの経験豊富かなと思うんで…振っちゃうね(笑)。」
スキルがあっても準備不足では成果が上がらない。虫取りでなくても大事なことだな。

丸山先生「そう、清水先生の言った通り、トラップはよくできてると思うんだけれども、いい場所にかけるというのも1つあるし、カブトムシって匂いにつられて飛んでくるので、匂いが行き渡りやすいような場所。お家の庭でも風がよく通るような場所にかけると、匂いが遠くまで広がるから、匂いが分かったカブトムシが遠くからでも飛んできてくれる可能性が、もしいたらあります。
逆にいい場所にトラップをかけても、樹液が周りにたくさんあったりすると、(カブトムシは)樹液の方が好きなので、トラップにあまり来なかったりすることもあります。トラップもけっこう奥が深くて難しいところもあるんだけれども、そうやっていろいろ試してみるのはすごく面白いと思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君、いかがですか?」
質問者「うーんと、今まで神社の奥とか、階段を上った、木がいっぱい生えてる所に置いてたから、今度はそういう所に行って、開けた場所にも(トラップを)かけてみようと思う。」
アナウンサー「雑木林とかカブトムシが好きそうな場所を見つけて、素敵なエサを(笑)仕掛けてみて、カブトムシさんとの出会いを期待してますよ。」
先生方「(笑)ハハハハ」
質問者「はい。」
清水先生「カナブンが来てるんやから間違ってはないと思うね。」
先生方「うんうん。」「そうですね。」先生方優しい。
アナウンサー「だそうです。励ましのお言葉もありますよ。」
質問者「うん。」
丸山先生「あと日が当たらないのも大事ですね。あんまり暑くなるとトラップも良くなくなってしまうし、日陰がいいですね。それと風通しがいい所。」
質問者「分かりました。」
虫が来て困ってる質問から、虫が来なくて困ってる質問まで。幅が広い。

Q4 なぜ昆虫は脚が6本でないと昆虫とは言えない
  んですか?という質問です。(小3男子)

昆虫の定義に関する質問、さすが昆虫スペシャル。
アナウンサー「脚が6本でないと昆虫と言えないのか…それは○○君はどこかで学んだのですか?」
質問者「学校の理科の授業で、先生に6本で昆虫だよって言われて、何で6本じゃないと昆虫じゃないのかなって僕も思って、クモとかは8本あるから違う動物だから、でも6本で昆虫だから、なぜ6本なら昆虫と言えるのかなって。」
アナウンサー「これは聞いてみなければなりません。さあお三方の中で…今、丸山先生がズバッと手が上がりましたよ。どうぞ。」
丸山先生「いい質問だと思う。」
質問者「ぉぉ…」
丸山先生「確かに教科書にはみんな、脚が6本だから昆虫って書いてあるかもしれない。でも、昆虫の特徴って実はそれだけじゃないんだよね。」
質問者「え? …そうなんだ。」
丸山先生「昔の人が体の細かいところもいっぱい、よーく見て、その結果、いちばん分かりやすい特徴として脚が6本というのがあって、それで教科書に書いてあるだけなんだよね。」
質問者「…そうなんだ…。」
丸山先生「例えば頭。昆虫の頭ってじっくり見たことある?」
質問者「…ちょっと昆虫苦手だから、あまり見たことないな。」⇦苦手なのに昆虫のスペシャルデーに質問してくるとは前向きだ。

丸山先生「(笑)そう。例えば昆虫は…大アゴって分かるかな?エサを噛み砕くようなところ…」
質問者「カマキリみたいな?」
丸山先生「うん。大アゴがあって、上に上唇(じょうしん)っていう唇がついていたりとか、口の細かい部分の、構造って言うんだけど、仕組みが、いろんな昆虫でみんな基本的には同じような形をしている。」
質問者「基本的には同じなんだ。」
丸山先生「あと、触覚が付く位置とか眼のある場所とか、昆虫っていろんな形をしているけれども、基本的な形はみんな同じなんだよね。」
質問者「へええー。」
丸山先生「他の体の細かいところも基本的なところは同じで、でも、その中でいちばん分かりやすいのが、脚が6本っていう共通し…」
質問者「やっぱりいちばん分かりやすいのが6本なんだ。」
丸山先生「うん。だから教科書には、脚が6本なのが昆虫ですって書いてあるんだよね。やっぱり細かい口のつくりとか、そこまで小学校の教科書には書くと分からなくなっちゃうから、」
質問者「分かりやすく説明しているの?」
丸山先生「そうそう、そういうことなんだよねぇ。」
アナウンサー「だそうですよ。いかがですか○○君?」
質問者「うーん、でも思ったんだけど、6本じゃない動物とかは何て言うのかなあ? 例えばクモとかサソリとか。」
先生方「ウンウン」「ぉぉ…」
アナウンサー「おおー。今、清水聡司先生が勢いよく(笑)手が上がってました。どうぞ。」
先生方「(笑)ンハハハ」
清水先生「いやいや(笑)、まだ話が続いてるんやったらそっちでいいんやけど、クモとかサソリは、頭と胸がくっついた頭胸部(とうきょうぶ)っていうのと腹部、お腹。2つに体が分かれているの。で、頭胸部の方から脚が6本…じゃない8本あるの。6本言うたらアカンな(笑)。あとは何が気になる? クモとかサソリは同じ仲間ね、鋏角(きょうかく)類っていう分け方されてるの。節足動物っていうの聞いたことある?」
質問者「節足動物は聞いたことある。」
清水先生「そのグループの中の…」
質問者「きょうかく類。」
清水先生「うん𨦇角類。あとはムカデとかゲジとか。」
質問者「脚がいっぱいあるやつ?」
清水先生「そうそう、頭と胴部に分かれてて脚がいっぱいある。それから甲殻類って聞いたことない?」
質問者「甲殻類カニみたいな?」⇦詳しい。
清水先生「そうそう、カニとかエビとか。陸上の生き物だと、丸山先生お得意のダンゴムシとかね。(笑)お得意って言ったらアカンか。」
質問者「おお~。」
清水先生「そういうふうに大きく分かれてるの。」
質問者「ほおー、いろいろな種類があるってわけ?」
清水先生「うん、そうそう。昔は小さい生き物はみんなひっくるめて虫って言ってたやんか。…ていうのは聞いたことある? 例えばヘビ(蛇)、漢字で書くと虫偏でしょう? タコ(蛸)なんかもそうやったかな。」⇦これは目からウロコ。虫偏なのに何も不思議に思わなかった…。
丸山先生「ウンウン。」
清水先生「漢字弱いんで、あんまり言わんとこかなと思うんやけれども(笑)…」
質問者「(笑)アハハッ」⇦自虐ネタを笑って返せるって大人だなぁ。
清水先生「(笑)それを何となくやってたのを、キッチリと学問的に分けましょうと言った時に、何か切れ目が要るわけ。」
質問者「…切れ目。」
清水先生「あぁ、えーっと、キッチリと分ける根拠が要るの。」
質問者「…こんきょ。」
丸山先生「(笑)アハハハ」
清水先生「あぁそうか、根拠…すいません、“根拠”お願いします(笑)。」⇦素直さにタジタジ。
久留飛先生「あのねえ○○君、きっと6本脚というのに引っかかってると思うけど、それがな、6本脚というグループで括ってしまうと昆虫って言うてるやろ?」
質問者「うん。」
久留飛先生「じゃあ4本脚の昆虫おるんか?とか、そういう疑問がいっぱい出てくるやんか。」
質問者「うん、いろいろな脚の昆虫がおるのかなって、どんどん気になってくる。」
久留飛先生「そやなぁ。見た目で4本脚っていうのはいるけども、基本的には6本脚のグループっていう具合に、グループを決めてしまったんや。」
質問者「へええー。」
久留飛先生「4本脚の甲殻類っていうのは、いるけども、最初6本だったのが4本に変化をしたとか、そういうのはいるんだけど、基本的にそういうのは見つからない。」
質問者「へええー。」
久留飛先生「そうやって進化の中で6本で落ち着いてしまったわけや。何でそうなったかっていう基本的な質問されたら、もうどうしようもないんやけど、そういう具合になってしまってるグループを昆虫という具合に、グループ分けをしましたという…。」
質問者「それじゃあさ、蚊とかハエはどうなの?」
清水先生「お、素晴らしいな(笑)」
久留飛先生「蚊とかハエ…小っちゃいから分かりにくいけど、成虫の脚の数は6本やねん。幼虫の時は脚が無いとか、いろんな形をとるけど、成虫になったら脚は6本です。」
質問者「やっぱり蚊とかは虫なの?」
久留飛先生「虫なんです。」
先生方「昆虫。」
質問者「へええーそうなんや。」
アナウンサー「脚というテーマだけでもお話がブワーッと、楽しく膨らみますよね。」
質問者「ねー。」⇦かわいい。本当に楽しいんだな。
アナウンサー「ね、面白いね○○君。」
質問者「ちょっとさ、昆虫ちょっと苦手やったけど、何か興味を持ってきたかもしれない。」
先生方「お!」「お!」「う~んいいじゃない」「うれしいなあ」⇦喜びもいつもの3倍。
アナウンサー「よかったああ、嬉しいぃ。これからも昆虫のこといろいろ調べて下さいね。」
質問者「はい。」
苦手・嫌いでも質問をするお子さんがいるのが昆虫ジャンルの面白さ。前日もミミズ嫌いのお子さんいたし。

Q5 チョウやガの幼虫の毛が成虫の鱗粉になるそ
  うですが、どのようにそのことが判明したので
  すか?(中1男子)

名前に聞き覚えがあるけど中学生になったのか。質問内容もだけど判明とかちょっと難しい言葉使ってて…大人だなぁ。

アナウンサー「ほお。幼虫の毛が成虫の鱗粉になるということで、何でそれが分かったのかと。」
先生方「(笑)アッハッハッ」
質問者「図鑑で読みました。」
久留飛先生「いやあ、難しいわそれ…あの、はい。」
アナウンサー「久留飛先生、どうぞ、口火を切って。」
久留飛先生「中学1年生やから、もう節足動物とかいっぱい習ってると思うけど、基本的には、チョウとガの幼虫がサナギになって成虫に変わっていく段階で、幼虫の時のトゲというのは、脱ぎ捨てたところにひっついてんねん。」
質問者「…はああ!」⇦分かったみたいだけど私は分かった理由が分からない。
久留飛先生「例えばチャドクガっていう…」
質問者「ああ、……(聞きとれず)やつ。」
久留飛先生「うん、それは毒針毛(どくしんもう)って言うんやけど、それは脱ぎ捨てたところに付いてるわけよ。だから、それが鱗粉になるというわけじゃないねん。」
質問者「はい。」
久留飛先生「鱗粉になるのは、体をサナギの中で変化させる時に、今まで要らない老廃物をその鱗粉の中に閉じ込めたんだろうと言われる。」
質問者「はい。」
久留飛先生「で、成虫の時に再利用というか、上手く活用して鱗粉になってるという具合にしたんちゃうかな。やから、毛の無い幼虫の鱗粉っていうのは、サナギの中の体の中で作られた、外にある毒針とかの毛じゃないよという…。」
質問者「はい。」
アナウンサー「鱗粉というのは羽についてる粉…」
久留飛先生「粉のように触ると付いてしまう、落ちやすいものですよね。」
アナウンサー「今のお話だと体内にあるものが後々そうなると…」
久留飛先生「そうですね。はい。」
丸山先生「鱗粉も実は毛なんです。鱗粉も顕微鏡で見ると、ちゃんと根元に毛穴がついていて、それがポツポツと羽にはまっているんですよね。抜けやすいので触ると手に付いちゃうんですけど、あれは幼虫時代の毛じゃなくて、久留飛先生が仰ったように新しく作られた毛なんですよね。」
鱗粉=毛。でも幼虫の毛とは別物。知らなかった。

アナウンサー「それを調べた方が、やっぱり研究者の中にいらっしゃった…」
丸山先生「そうなんでしょうね、まぁ観察してたら分かることもありますね。」
アナウンサー「そして清水先生も手を挙げて下さいました。」
清水先生「今の話の続きなんですけど、羽のもとというのは、幼虫の時からずっと作られてるんですね。サナギになった段階で、そこに細胞を並べ直して、新しく足りないものを作って、そこに鱗粉というものも羽の表面に生やしましょうと、一から再構築しているものなので、幼虫の毛のある・無しの問題じゃないんですよね。全く別のものだと思ってもらったらいい。毛の無い幼虫という表現もありましたけれど、よく見ると幼虫って毛が生えてます。毛が目立つか目立たないかだけで、本当にツルンとした幼虫…僕らがよく扱ってるタテハチョウ科マダラチョウ亜科のオオゴマダラっていう幼虫がいるんですけどね、…あ、ごめんなさい○○さん、一緒に話しよう(笑)。」
チョウがご専門の清水先生、「毛が無い幼虫」を補足しつつ話が加速。分類名まで細かに説明してたら質問者を置き去り気味に…。
質問者「はい。」
清水先生「よく観察すると毛がチョロッチョロッと生えてます。オオゴマダラ自体が鱗粉が少ないチョウではあるんやけれども、だからって、それ(毛)がそのまま鱗粉に変わるわけじゃないので、それとこれとは切り離して考えて下さい。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○さんはすごく昆虫に詳しそうですけど、ふだん観察とか飼育をしているんですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「へええー。どんな飼育や観察をしているんですか?」
質問者「水生昆虫を飼ったりとか…」
先生方「ほおー(笑)」「ふうーん」
アナウンサー「へええー、水生昆虫。どんな昆虫ですか?」
質問者「ガムシとかタガメとかゲンゴロウとかミズスマシとか…」⇦ガチ勢だった。
清水先生「その延長線でさ、ちょっと分類群が変わっちゃうけれども、トビケラって分かる?」
質問者「トビ…ああ、川の…」
清水先生「そうそう、トビケラの羽をよく見てもらったら毛がたくさん生えてるんやけど、チョウ目に近い仲間なんやけど、その羽に生えてる毛が、さっき丸山先生が仰った、チョウとガの鱗粉に変化した、進化したと言われてるの。そういうのも合わせて観察してもらったらいいかなと思うんですけどね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「幼虫から成虫に変化する時って、いろいろな変化が起きてくるんですね。私も勉強になりました。」
質問者「ちょっともう1ついいですか? 鱗粉って水を弾いたり、模様を見せて驚かせたりするじゃないですか? 大阪の昆虫展に行ったんですけど、鱗粉がついてないガとかチョウがいたので…どうしてなんですか?」
丸山先生「あ、ちょうど大阪の昆虫展の監修をしてたんですけれども、確かに、例えばヨナクニサンっていう大きなガの、真ん中に透明な窓があったり、スカシジャノメっていうチョウも体全体にほとんど鱗粉が無いのね。そういうのは確かにいます。
それで仰る通り、鱗粉は雨を弾いたり、模様以外の大切な効果もあるんだけれども、おそらくスカシジャノメの場合は、鱗粉を取っちゃうことによって、暗い森の中で敵に全然気づかれないっていう効果があって、雨を弾くのも生き残りに大事なんだけれども、それよりも透明になった方がより有利に生き残れた、そういう結果でそうなってると思います。」
質問者「はい。」
丸山先生「ヨナクニサンも、全体に鱗粉が無いわけじゃなくて一部に無いだけなんだけれども、鱗粉が無いことによって、森の中で枯れた葉っぱにうまく似せてる効果があるんじゃないかと思います。だから鱗粉があることと無いことを天秤にかけて、どっちがいいかを選んだ結果、ああいう微妙な体のつくりになったんじゃないかなと思います。」
質問者「はい。」
清水先生「続きをすいません(笑)。鱗粉が全く無かったら…もともと無い生き物っているじゃない? 有名なのがセミ、透明な羽のセミっていっぱいいるでしょう? あれはセミの羽を拡大すると、テゴボコの突起がいっぱいついてるんだって。そうすることで水も弾くし、抗菌作用があるって言われてるのね。鱗粉の無いチョウチョなんかでも、そのテゴボコ構造があれば、水は弾けるはずなの。だから、隠れることを優先して、さらに多少の防水は残ってると思う。○○君だったら身近なものでそういうのが観察できると思うんやけれども、アサギマダラっていうチョウチョ知ってる?」
質問者「あ、はい。」
質問者「あれも何か透けた感じになってるでしょ? あの部分を今度顕微鏡で覗いて下さい。」
質問者「顕微鏡…無い。」
清水先生「じゃあ拡大鏡で…(笑)何か、何かで頑張って拡大してみて。最近だとね、スマホで写真撮って拡大してもいけるかもしれない。」
先生方「お~」「それいいね。」
清水先生「お家の人が(スマホを)持ってたらそれでやってほしいんやけれども、透けて見える部分って、鱗粉が少なくなってるというのもあるんやけれども、鱗粉が細ーくなってます。鱗粉ってペタンとした板状の構造してるの分かる?」
質問者「はい。」
清水先生「それが、毛に戻ってるわけやないけど、スーッと細い鱗粉になってるのね。構造上の問題で余計な話やけど、よかったら見てみて下さい。」
質問者「はい。」
ちょい余計なことも話したくなるって先生も嬉しいだろうな。鱗粉…魚の鱗を思えば板状っていうのも分かりやすい。

前日に久留飛先生が答えた質問(ホタルの光る仕組み)について補足のお話。
久留飛先生「光っているところは、熱を持って熱いわけではなく、化学反応なんですね。ルシフェリンというものにルシフェラーゼという酵素がついて光を出す、そういう仕組みになってるんですね。私たちも身近な、熱を発しない光というのは、よく夜店の時に、何や知らんおもちゃで、プチンと折ったら光り出すとか、そんな具合に化学反応で光を出しているという、その仕組みをホタルのお尻にうまいこと応用してるんですね。」
清水先生「構造というかやり方を知りたいんやったら、難しい話をしていい?」
アナウンサー「仕組み。あの、小学校3年生に向けて、どうぞ。(笑)」
直接受けていない質問にも果敢に解説。けど自らハードル上げちゃったかも…。
先生方「(笑)アハハハ」
清水先生「あ(笑)、そうか3年生か。久留飛先生がもうお話してくれはりましたけど、材料として、ルシフェリンという物質。これが光るんですけど、これを光るように変化させるルシフェラーゼという酵素、大工さんみたいな、そういう酵素というのを持ってます。大工さんて言うたらおかしいか(笑)。」
小学校3年生を意識してか職人に例えようとするけど、んー、マジシャンでもいいかも。

清水先生「ルシフェリンを光る状態にもっていくためのルシフェラーゼという酵素。これが体のエネルギーと酸素、息するので酸素が入ります。それを使って、ルシフェリンを励起(れいき)状態…力を蓄えた状態のルシフェリンに持ち上げるんです。それが力をポンと離す時に光と熱が出るんです。」
アナウンサー「そういう物質がホタルの体の中に…」
清水先生「体の中に。そういう化学反応が起こってるんです。」
アナウンサー「ああ~…決して熱い、熱を持っているわけではなくて…」
清水先生「冷光、冷たい光って言われてますけれども、光の変換効率がすごく良くて。例えば蛍光灯の光を出す効率は20%ぐらいと言われてたんですけれども、LEDになってちょっと上がって30%とか、高いと50%というのもあるみたいなんですけど、ホタルの光変換効率が、以前に僕が調べものをした時は88%、9割ぐらいと昔は言われてみたい。最近は40%ぐらいじゃないかという話なんですけど、それでもかなり光に変わる確率が高いので、熱が出にくい、だから冷たい光、というふうに考えてもらったらいいと思うんです。」
全く熱が出ないわけではないのか。酸素とか励起とか%とかは小学校3年生には難しいと思うけど、面白い仕組みだな。

Q6 雌雄モザイクの昆虫を調べたら、体の真ん中
  でオスとメスがきれいに分かれてるのが多かっ
  たけど、何で真ん中で2つに分かれてるんです
  か? 体の中もオスとメスに分かれてて、1
  匹で卵が生めますか?(小3女子)

アナウンサー「おお~、なかなか専門的な質問が。これは疑問に思ったのは、何かきっかけがありますか?」
質問者「はい。群馬の昆虫館の雌雄モザイクのカブトムシのニュースを見て、不思議に思いました。」
小学生のきょうだいが家で育てていたカブトムシから、オスとメスの体が1個体に合わさったようなカブトムシが出てきて、昆虫館に寄贈したそうな。雌雄モザイクなんて初めて聞いた。

アナウンサー「ほおお~、お姉さんなんて雌雄モザイクって何じゃらホイというレベルなんですけれど、○○さん詳しいんですね。」
清水先生「ぁぁ…まず斬り込みましょか(笑)。ぐんま昆虫の森なんでね、僕が責任とります(笑)。」
清水先生は以前にぐんま昆虫の森にいたらしい。

清水先生「不思議やよね。これ、人間と違って…細胞って分かる?」⇦「細胞」のハードルを越えられるかどうか、ジャンル関係なく緊張する場面。
質問者「はい。」
清水先生「卵(らん)から細胞がどんどん増えていって、形を作っていくのね。その時に…男性ホルモンとか女性ホルモンって分かる?」
質問者「ありません。」
清水先生「男っぽくなる材料、成分と、女っぽくなる…そういう物質があるの。それで、男性の方に体を作っていって下さい、女性の方に体を作って下さいっていう命令を出すの。昆虫の場合はね、それが細胞ひとつひとつで男性になります・女性になりますっていうのを決めるようになってるのね。で、オスになる細胞がずーっと増えていくとオスになっちゃう。」
質問者「へええー。」
清水先生「メスになる細胞が増えるとメスになる。こういう器官を作りなさいって命令をどんどん出していくんで、メスの方になっちゃうんやけれども、それがうっかり、細胞が増えていく最初の段階で、本当は男の子の方にいかなきゃいけないのが、コピーで作ったはずのもう1個の細胞が女の子の方に切り替えられてしまうことがあるの。」
質問者「へええー。」
清水先生「それがお互いにどんどん増やしていくんで、男の子・女の子っていうふうに分かれちゃうみたいなの。」
質問者「へええーそうなんだ。」
清水先生「だから体を作っていく時の、発生していく時の仕組みが人間と違うっていうのを覚えていてほしいの。そこから先はすごく難しくって、おじさんも説明できる自信がない(笑)。」
アナウンサー「あ、じゃあ手を挙げてくれた丸山先生からです。」
丸山先生「テレビとか新聞で見るような雌雄モザイクは、体が真ん中から半分に分かれてるやつが多いんだけれども、他にも体の一部がメス…例えばチョウチョの右の羽の上の部分だけがメスとか、ほんの一部が混ざっているようなこともあります。それも清水先生が言ったように、細胞のある部分がメスになって、それが増えていったんだけれども、ごく一部だけ別の、オスなりメスなりのものが増えるということがたまにあるみたいです。」⇦一部だけなのもあるから「モザイク」なのか。
質問者「へええー、そうなんだ。」
丸山先生「でも、どうやってそれが起きるかというのは、実はまだよく分かっていません。本当に偶然に何かの間違いで起きてしまって、だから確率はすごく低くて、何万分の一、数万頭に1頭しかそういうのが生まれないって言われています。」⇦学問の世界では虫を「頭」で数えるらしい。
質問者「へええー。」
清水先生「難しい説明してもらったんで、もう1回もらっちゃいます(笑)。実は箕面公園昆虫館…おじさんのいる所にね、雌雄型の標本がいくらかあるんやけれども、そのうちのナガサキアゲハっていうチョウチョ、左側がオス、右側がメスやったかな。そういうのもおじさんたちがチョウチョを飼ってて出たことがあるんです。」
質問者「へええー。」
清水先生「その時に確率を計算したけどちょっと忘れちゃった、ごめんなさい。完全に分かってるわけやないんやけれども何万分の一で出ますよと言われているんやけれども、それぐらいで1つ、ポンと出ました。
で、そのナガサキアゲハは、羽は左右で分かれてるんやけど、体は見た感じオスみたいやね。体まではオスで出来てたんやけれども、羽が出来る時に何かしらのトラブルが起こって、片羽だけメスになっちゃったのかなって考えてるんやけれども…。
で、残念ながら、その時におじさん、標本にする方に持っていっちゃったんで、(笑)卵っていうか生殖能力があるかどうかって調べてないねん。残念なことした…。」
珍しい見た目のチョウを美しいままでとどめておくか、生き物として最期まで見届けるか。
数万分の一では難しい選択になりそう。

質問者「ええ…」
アナウンサー「なるほど、1匹でオスとメスに、体が分かれてても卵が生めるかどうかっていうのは…」
清水先生「あ、1匹では絶対生めないですね。」
丸山先生「多分、生めることはないでしょうね。」
質問の後半部分への回答はあっさり。ここも説明が難しくなりそうだけど。
アナウンサー「ああ…、ということなんですって。不思議な体の構造のある虫がいるんですねえ。○○さん、いかがですか、大丈夫ですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「よかったです。面白いテーマ(の質問)ありがとうございました。これからも虫への興味を持っていって下さいね。」
質問者「ありがとうございました。暑いけどお仕事頑張って下さい。」
先生方「(笑)ありがとう。」「(笑)ありがとうございまあす。」
何ていいお子さんだ。番組後半のおじさんたちに元気が注入されたぞ。

Q7 僕は毎年アゲハチョウの幼虫を育てているの
  ですが、今年見つけた子はとても成長が早く、
  あっという間にサナギになりました。でも羽化
  する前に寄生虫が2匹出てきました。ものすご
  く成長が早いことと、寄生虫が中にいることは
  関係がありますか?(小1男子)

1年生で「毎年」って言える飼育キャリアなのか…すごいな。幼虫を「見つけた子」って言うぐらいだから好きなんだなぁ。でもせっかく育てたのに別の虫が出てくるって悲しくないか。
アナウンサー「育つスピードの早さと、寄生虫がいる・いないは関係があるかという質問です。いかがでしょうか先生方。」
先生方「………」⇦この日初めて間が空いた。
清水先生「…これはおもしろい…」
「フーン」とため息らしいのも聞こえる…。専門家3名を黙らせた!
アナウンサー「これは面白い質問だとみんな唸っておりますよぉ。」⇦あおり実況。
先生方「(笑)フフフフ」
アナウンサー「どなたかお答え頂ける先生、いらっしゃいますか?」
清水先生「まず、まず想像しましょか(笑)。」
先生方「(笑)ハハハハ」
斬り込んだり責任とったり想像から始めてみたり。

清水先生「めっちゃめちゃ早かったん?」
質問者「はい、そうです。3日ぐらいで脱皮しました。」
清水先生「去年飼った分はいつぐらいに飼ってたの?」
質問者「去年の夏ぐらいです。」
清水先生「夏ぐらいに飼ってて、今年も夏ぐらいに飼ってた?」
質問者「5月ぐらいに飼ってました。」
清水先生「5月ぐらい、いちばん葉っぱのいい時期やなぁ。アゲハチョウの幼虫の育つスピードって、温度ももちろんなんやけれども、食べる葉っぱによってもスピード変わるねんやんか?」
質問者「そっかぁ。」
質問者「食べる葉っぱがすごく柔らかくて、栄養を一気に摂れたら早く大きく育つの。この先意識してやってほしいんやけれども、例えば何匹か飼って、それぞれのデータをとる。その中で寄生虫の出たやつが突出して…他のに比べてすごく成長が早いかどうかってのを調べてほしい。」
質問者「はい。」
清水先生「うん。……うーん、ちょっとこれはね、ごめんなさい、おじさん、早くなるんかどうかってのは正直分かんない。
あとはね、話が横道に逸れちゃうけど、例えばコマユバチとか中に入ってて、(寄生相手の)幼虫の間に、サナギになる前に幼虫の体から出なきゃいけないようなグループ、それは成長を止めちゃうみたいなのね。先へ進めないようにしちゃうっていうのがあるみたいなの。」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「うーん、去年と今年で(成長の)スピードが違うって、やっぱりその年によって違うことがあるんですかね?」
丸山先生「うん、ちょっと難しい質問ですね。僕も実際に見たことがないので…。もしかしたらエサの質が…いいエサを食べたっていうこともあるのかもしれないし、寄生する生き物っていうのは、大体、寄生している相手…例えばこれだったらハチが寄生していてアゲハチョウの幼虫が寄生される相手だったとすると、寄生する相手を寄生するものがコントロールすることがけっこうあるんですよ。」
アナウンサー「えええー!」
丸山先生「あっちに歩けとかあっちに行けとか、体の動きを操縦することがあるんですね。」
アナウンサー「乗っ取られちゃう…んですか?」
丸山先生「はい。そういうことで寄生しているハチが、よりたくさん栄養を摂れるように、もしかしたらエサをいっぱい食べるように、どんどんと指令を出したのかもしれないですね。」
アナウンサー「寄生虫のしわざかもしれない。」
丸山先生「はい。」
久留飛先生「これはそんな研究結果がなかなかないから、まぁ私たち困ってるんですけど、丸山先生の(説明の)ように、幼虫の成長速度を変えてしまうということがある。それは自分の寄生するエサ(相手)が早いとこ脱皮してサナギになる前に、幼虫の段階にゆっくりとどまらせておいて、一生懸命食べさせて、寄生したものが成長して出てくる。だから今の(質問の)ように早くなるという例はあまりないように思うよねぇ。清水先生が言ったみたいに「実験しろ!」て、1年生やから難しいとは思うけど…」
清水先生「いや、これからの子なんで大丈夫です(笑)。」⇦期待して強気に出る。
久留飛先生「(笑)そういう具合に注意をして別々に飼ってみると、すごくいいデータというか、自由研究にはなると思う。」
質問者「はい、分かりました。今年から背の高いマンションに住んでいるのですが、成長に影響はありますか?」
久留飛先生「これもまた難しすぎて、13階と1階で、どっちが早いとか遅いとか、そういうデータもないように思うなぁ。」
質問者「はい、分かりました。」
清水先生「寄生率が変わってくるかもしれないですね(笑)。」
アナウンサー「○○君、例えばマンションに住んでるお友だちどうしで比べてみるとか、そういう研究もしてみるといいかもしれないですよ。高い階に住んでいるお友だちのチョウと、低い方の階のお友だちと比べてみるとか。」
質問者「はい。楽しみです。」⇦前向きだ。
アナウンサー「うん!よかったあ(笑)。」
丸山先生「うんうん。」
アナウンサー「なかなか、すぐ答えが出る研究ではないのかもしれないけれど、やってみるのは…」
久留飛先生「生き物はねぇ、ワンチャンスというか、なかなかめぐってこないから難しいのは難しいですよね。」

Q8 ミイデラゴミムシがお腹の中に100℃の高温の
  ガスが入っているのに、自分はやけどしないの
  かっていうのが、気になり…(小5男子)

アナウンサー「気になりますね、心配ですね。聞いてみましょう、丸山先生が目を爛々と輝かせて、待っています。」
丸山先生「その話はどこで見たの?」
質問者「図鑑に載ってたから…。」
丸山先生「そう、ミイデラゴミムシは100℃のおならをすることでとても有名な虫だよね。それで、最初から100℃のおならがお腹の中に入ってるわけじゃないんだよね。」
質問者「へー。」
丸山先生「お腹の中に、2つ大きな袋があって、1つの袋にヒドロキノンっていうものが入ってるの。液体。もう1つの袋に過酸化水素っていう液体が入っているの。それで、敵に襲われた時、例えばカエルとかに襲われそうになった時に、一瞬でその袋から液体を出して、さらにお腹の先端に袋があって、そこに酵素って分かるかな?」
質問者「うん。」
丸山先生「2つの液体の反応を早めるような酵素というものがあって、それが一瞬で混じり合って100℃のガスになるんだよね。
だから、お腹の中にある時は、ミイデラゴミムシの体の温度と同じ(温度の)液体が入っていて、敵に襲われた時に瞬間的に、その2つの袋から出たものがお腹の先端で混じり合って、それで100℃のおならとして変化して出てくるわけです。」
質問者「はい。」
丸山先生「ちょっと難しいかな?」
アナウンサー「100℃ってすごいですねえ。」
丸山先生「そうなんですよ。人間が触っても、手の先を軽くやけどしてしまうぐらい、熱いって分かりますね。」
アナウンサー「はああ、で、質問にある、ミイデラゴミムシ自体がやけどしないかということは…」
丸山先生「ミイデラゴミムシ自体はお腹の先端で、100℃のガスを作って瞬間的に噴き出してしまうので、体には100℃の温度はなかなか行き渡らないのと、お腹の先端の袋自体がすごく丈夫なつくりになっていて、簡単に体に熱が伝わらないようになっているんですね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「面白い攻撃ですね。高温のおなら?で敵を撃退するという…」
丸山先生「はい、もう実際にプッて音がします。捕まえると。」
アナウンサー「えっ! プッと。」
丸山先生「はい。例えば背中の方を触ると、ちゃんと背中の方に向けてそのガスをプッて出すようにできているんです。方向も変えられるんです。」
アナウンサー「えええ! そんなふうにお尻の向きというんでしょうか、変えられるんですか。」
丸山先生「ええ。」
アナウンサー「ええー、○○君知ってた?」
質問者「いや、知りませんでした。」
丸山先生「すーごいよく出来てるんだよね。」
清水先生「色も変わっちゃうんですよね?」
丸山先生「手が茶色くなっちゃいますね。」
アナウンサー「え、色が変わるっていうのは?」
清水先生「タンパク変性しちゃうんで。人間の手ってタンパク質じゃないですか。色が変性するんです。…成分変わっちゃうというか…何て言ったらええねん(笑)。成分変わっちゃうっていうのは。」
丸山先生「うん…やけどみたいな…」
清水先生「化学的やけどですよね。ただ、表面だけで、中までは多分大丈夫だと思うね、一瞬なんで。」
アナウンサー「ええーっ。」
清水先生「カメムシの匂い成分でも変性するじゃないですか。僕、去年、チャリ…自転車こいでて、目に入って大変やったんですけれども、めっちゃめちゃ痛かったです。」
アナウンサー「ええっ! あ、そうなんですか、その物質で指が…」
丸山先生「茶色くなっちゃいます。」
アナウンサー「茶色くなっちゃう。あらま!」
丸山先生「(笑)1ヶ月ぐらい残っちゃいます。」
清水先生「(笑)ンフフフ、名誉の負傷ですよね(笑)。」
チャリをこいでて何の名誉なのか。
アナウンサー「そんなことがあるんですって○○君。」
質問者「はい。」
久留飛先生「体からそういう違うものを出す昆虫ってけっこう多いですよ。清水先生が言ったみたいにカメムシもお腹のところにそういう出す穴があるから、触るとプッと出て、くさいだけではなくて、それが炎症を起こして皮膚がただれるという…私もありました。」
清水先生「(笑)」
久留飛先生「下着の中にカメムシがいて、思わず履いてしまった時に、すごいにおいがして。カメムシのにおいだけなら良かったんですけど、その、股の辺りがすごく炎症起こして、これはやっぱりすごい威力があるなと。」
丸山先生「へえー。」
アナウンサー「あらっ!」
久留飛先生「ミイデラゴミムシほどではなかったですけども、体からそういうものを出す昆虫ってけっこういると思いますね。」
アナウンサー「すーごい体の守り方ですね。」
久留飛先生「すごいですね。」
アナウンサー「いやあ、でもとばっちりを受けた久留飛先生も災難でしたね。」
久留飛先生「いや、いい実験になりました。大丈夫です(笑)。」
先生方「(笑)フッフッフッフ」
ハチに刺されたりカメムシ攻撃まで受け(しかも割とデリケートな所に)たり、「昆虫スペシャル」だけにこの日は虫からのスペシャル報告も多いなぁ。
アナウンサー「(笑)そうでしたか。○○君、ミイデラゴミムシにはそういう体の仕組みがあって、虫自身は大丈夫なのだそうです。これで大丈夫でしょうか?」
質問者「はい。」

Q9 ふつうのカブトムシは卵から成虫になるのに1
  年くらいかかるのに、コカブトはどうして2~
  3ヵ月で成虫になるんですか? あと、どうし
  て肉食なんですか?(小2男子)

アナウンサー「○○君はコカブトを育てているのですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「そういう育てている経験があるんですね。カブトムシは成虫になるのに時間がかかるのに、なぜコカブトムシの方は成虫になるまでの期間が短いのか、何で肉食なのかという質問です。お答え下さる先生は、…あ、では清水先生がやる気満々でこっちを…」
清水先生「いえ(笑)。」
アナウンサー「どうぞ~。」
清水先生「コカブト育ててみた? 素晴らしいね。」
質問者「はい。」
清水先生「で、2~3ヵ月ぐらいで成虫になった。」
質問者「はい。」
清水先生「えーとね、それがコカブトムシのやり方や。…っていうふうにちょっと言ってみたかったんやけれども(笑)フッフッ」
丸山先生「(笑)アハハハハ」
久留飛先生「(笑)ンッフッフッフ」
言いたくて斬り込み隊長をかって出る。でも言うまでにちょっとタメているあたりに照れを感じますな。ご本人目の前だし。

清水先生「虫によって何がいちばん有利かっていう過程で得た形質かなぁと思うんやけれども、逆に日本のカブトムシが、1年で同じタイミングで出てくる時期が揃うでしょう?」
質問者「はい。」
清水先生「逆にあれはどうしてかって考えてみて。一斉に出てくるとどう? オスメスが出会いやすくない?」
質問者「うん。」
清水先生「カブトムシって日本では一年中出て来れるような、活動できるような虫じゃないんで、出てくる時期を揃えちゃう方が有利やと思うの。でね、コカブトムシの話に戻すけれども、コカブトムシの寿命って知ってる? 成虫になってからどれぐらい生きる?」
質問者「………」
清水先生「考えたことない? コカブトムシってね、うまく飼うと2年近く生きるの。すごく寿命が長いんです。それなら成虫になる時期を合わさなくても大丈夫やん。2年も寿命があるから、その間にオスメスが出会うチャンスって、カブトムシに比べるとあると思うやんか。」
質問者「はい。」
清水先生「そういうのがいろいろ組み合わさって…じゃないかなと思うの。1回出るよりも2回出る方が有利でしょう?」
質問者「はい。」
清水先生「じゃ、ここからは丸山先生の方に。」
言いたいセリフを言えたので程良い区切りでバトンタッチ。

丸山先生「あと、コカブトムシって、日本の寒い所でも冬を越せるけれども、実はほとんどのコカブトムシって世界的に熱帯にいるんだよね。南アメリカとか東南アジアとかの暖かい所で一年中繁殖しているんだけれども、日本に渡ってきたのが、何万年っていう話だけどそんなに大昔じゃなくて、熱帯で一年中繁殖していたような習性を、まだ日本でも残しているんじゃないかなって思っています。
東南アジアにいるようなコカブトムシと日本のコカブトムシって種類は違うけど、ほとんど形が変わらないんだよね。そういうことからも習性が残っているんじゃないかなと思います。」
質問者「うん。」
アナウンサー「カブトムシは成虫(になる)まで時間がかかる、コカブトムシは成虫になるまで短い、ごめんなさい、まとめると、一言で言うと…」
丸山先生「ひとこと…(笑)」
清水先生「一言…むしろ日本のふつうのカブトムシが進化している。」
丸山先生「日本のカブトムシは日本の四季に合わせてるんですね。それでいちばんいい時期に、活動しやすい時期に一斉に出てきて、オスメスが出会って繁殖するようにできているわけです。」
アナウンサー「だけどコカブトムシは暖かい所…」
丸山先生「熱帯から来て、一年中繁殖を繰り返すような生態があって、それが比較的新しい時代に日本に渡ってきて、その性質が残っていると。」
アナウンサー「ということなんですね。そして、もう一つの質問は、何で肉食なのですかという質問です。」⇦最後まで質問への回答を誘導。面白い反応しながら進行役をしっかり務める。

清水先生「これは難しいですね。けど、お肉を食べる方が栄養摂取の効率はいいと思うんで、……そういうとこなんかなあ。」
久留飛先生「チョウチョでも、アゲハチョウがミカンの葉っぱを食べて、ところがアオスジアゲハはクスの葉っぱって、えらい変わったことするやんかっていうようなことが平気で、進化の中で好みが変わってしまうという、そういうことが起こるので、肉食というのも清水先生が言ったみたいに、けっこう栄養も高いし、効率がいいっていうこともあるのかなぁっていう…だから気まぐれかなぁっていう感じもしますね。」
アナウンサー「気まぐれ(笑)。」
清水先生「そこでまとめちゃった。(笑)ハハハハ」
丸山先生「カブトムシはコガネムシの仲間なんですけれども、コガネムシってほとんどが葉っぱを食べたり枯れた木を食べたり…コカブトムシも枯れた木を食べるんですけれども、肉食ってすごく少ないんですね。そういう意味で例外的にポンと進化したんじゃないかなと思いますね。」
清水先生「けど、ふつうのカブトムシのメスも卵をたくさん生ますのに、肉食を若干させた方がいいとか、高タンパク質のエサをあげる方がよく生むんですね。」
アナウンサー「そうなんですか。ああ、肉食女子という…」
清水先生「(笑)そこまでではないかもしれないですけど…。」
アナウンサー「栄養をつけることができるということなんですね。なるほど。○○君、今までのところどうでしょうか?」
久留飛先生「基本的に、成虫になって何をするかということなんですね。だからカブトムシは夏に合わせてオスとメスが出てくると相手を見つけやすいっていう。大体、成虫の役割は、相手を見つけて交尾をして卵を生むというのが最大の目的なので、だから残したやつが今生きているわけで、それがうまくいけへんやつは今は生きてないわけですね。」
質問者「うん。」
久留飛先生「そういう意味で○○君が思う、3ヶ月で出てきて、その後どうやって出会うんのやろうっていうのが、清水先生の(言った)、寿命を長くして出会う確率を上げているという、そこにつながると思うんですね。」
アナウンサー「うーん、そういう生き物の仕組み…理由があるんですね。○○君、先生からいろいろなお話を伺いましたが、いかがでしたでしょうか?」
質問者「………」
話のボリュームと視点が2年生には多すぎて頭いっぱいになってるのでは…。

先生方「(笑)フフフフ」
アナウンサー「大丈夫でしたでしょうか。今、一生懸命考えてくれてるんですね、皆さんからの答えをね。」
質問者「………」
アナウンサー「うーん、ありがとうございました。」
質問者「ありがとうございました。」
アナウンサー「これからもコカブトムシとかの研究続けて下さいね。」
質問者「はい。」

質問終わり~全部で9問。1つの質問に先生3人がかりで「たっぷり」お答えしたスペシャルだった。

久留飛先生「いやいやぁ、楽でしたよ。(笑)いろんな知識が集まると、考え方を組み立てるのにすごく楽だったなぁという…。最初のスタートがいろんな質問があったとしても、分野が違う先生方なので、その後は質問者の方に、これだけのヒントがあんねんから考えてみて、みたいな、そういう具合にできたのは良かったのかなあ。分からんこともいっぱいありますもんね。」

清水先生「考えさせられるというか、エー!っていう質問が、かなりレベル高かったかなあと、僕的にはね(笑)思います。僕の夏休みの自由研究の課題ができたかなあっていう感じですね。」
アナウンサー「自由研究の課題、と言いますと。」
清水先生「いやいや、(笑)真剣にツッコまれると困るんですけど、いろいろ考えときます。」
アナウンサー「みんな昆虫への興味がたくさんあって、すごく高いレベルの質問もね。」
清水先生「そうですね、寄生バチの話なんてね、うわ、これは勉強しなきゃいけないなぁっていうのは痛感しました。」

丸山先生「やっぱり目から鱗みたいな、こういう疑問もあるんだっていうことで、こちらも勉強する機会になりまして、大変楽しかったです。」

お三方が集まるのは初めてらしいけど、話が次々出てきて密度が濃かった。久留飛先生も他の先生への言葉遣いが初めの「仰った」からだんだん「言った」に変わって、ほぐれていった感じがしたのも聞いてて良かったな。

夏休み子ども科学電話相談7/31 とりとめのない感想

7/31のジャンルは
 昆虫 来留飛克明先生
 天文・宇宙 国司真先生
 水中の生物 林公義先生

アナウンサー「私が小学生の時はまっっったく宿題をしなくて、8月31日に徹夜というのが私の子ども時代だったんですけれども(笑)…」
久留飛先生「私はもう、(宿題を)やるのが嫌なので、最後まで逃げ切りましたね(笑)。」
先生方「(笑)逃げ切った!」
久留飛先生「最後はうやむやみたいな(笑)。」
アナウンサー「充実した夏を。」
久留飛先生「そうです、自分優先でしたし、親も働いてましたから子どもの方にあまり向いてない。ちょうど1年生の時に弟が生まれたんです。きっと子育て真っ最中でお兄ちゃんのことなんか…病気さえならんかったらいいみたいな、そんな感じですよね。」
アナウンサー「自由にスクスクと育ったんですね?」
久留飛先生「いやぁちょっと、コソコソと育ってました(笑)。」
アナウンサー「(笑)コソコソと宿題を逃げ切ったという久留飛先生…」
久留飛先生「そうなんですよ、もう大変でした。」
コソコソ生きるのも逃げ切るのも、それなりに苦労はある。なぜか分かってしまうなぁ。

久留飛先生「夏休みの自由研究、何しようかなって、親の方も考えておられ…子どもが考えなあかんねんけど(笑)、周りのいろんなところに疑問って転がってるように思うんですね。例えばセミがたくさん出てきて、クマゼミアブラゼミは羽の色が違いますよね? クマゼミは透明な羽で、アブラゼミは茶色い色がついてます。ならなぜそうなったんやろ?っていう疑問を持てば、もうできたも同然と。疑問さえ自分が見つければ、何とでも考えをひっつけて、“~~だからクマゼミは透明の方がいいんじゃない?”みたいな、自分の考えを述べると科学になりますので、クマゼミアブラゼミの絵を描いて考えを述べると、“あ、これで科学OK”みたいな…(笑)。単にセミの絵を描くだけでは絵の作品だけになるんですけども、その一言があると…ちょっとレベルアップ。」
アナウンサー「深まるんですね?」
久留飛先生「80点取れるんじゃないかと思うんですけどね。」

アナウンサー「国司先生、夏は空を見るのにいい時期ですね?」
国司先生「そうなんですね。昨日も夜の一番星はどこかな?と思って見ていましたら、南と東の間の空に木星が、ちょうど一番星なんですよ。そして二番星が七夕の織姫星だったかな。私の勤務してる科学館は生田緑地という、多摩丘陵の中の公園にあるんですけれども、緑が濃くて、ちょうど天気の変わり際にヒグラシがカナカナカナ…って、蝉時雨が気持ち良くって、これで涼しい感じがしてくるんですよね。」
アナウンサー「いい時期ですねえ。」
国司先生「自然を感じるには、夏休みはとてもいいと思います。
その夏休みの宿題なんですが、私は8月31日に算数のドリルを丸ごと1冊残してたことがありました。遅くまでやったんですけど結局できなくて……(笑)後どうしたかは覚えてないんですよ(笑)。そんなことで泣き泣き宿題をやっていた覚えはあります。」
聞かれる前にご自分から夏休みの思い出を語られた国司先生、この日も素敵なお話から始めてくれた。

アナウンサー「林先生、やはり夏は水中の生き物もクローズアップされる季節ですね。」
林先生「7月はほとんどが梅雨…雨で、海に行ける機会が無かったと思うんですね。場所によっては防波堤にものすごい大波が押し寄せてきて、とても海なんかに行く雰囲気ではなかった気が…。やっと暑くなって海に行けるという感じですね。そうなると、一挙に、海のいろんな生き物が活動し始めるのを見る機会も多いと思うんですが、ひょっとするとクラゲなんかが来るのも早いのかなと思うんですよね。南の方から順番に来ますけども、クラゲはほとんどが毒を持ってますが、ちょっと触れると危ないクラゲも多いと思うので、観察しながらそういうのには注意しないといけないかもしれませんね。」

年齢高めのお三方、安定というかほのぼのした感じになりそうだな。
アナウンサーは前日と同じ方。どの先生にも同じ話題を振るのも、それぞれの反応の違いを楽しめるけど、相手に合わせて話題を変えるのも自然でまた良い。こういう方は自動音声化が進んでも、仕事が無くなることはないだろうなぁと、前日のロボットと人間の退化の話を思い出しながら感じる。あ、同じ話題を振るアナウンサーが仕事を無くすということではなく、この番組に限って言えば、年代も知識量も違う人どうしが、電話の声だけでやりとりするのを、生放送で、時間の締切にも合わせながら、間を取り持ったり繋いだりするのだから、いないと困るのは間違いないと思う。

Q1 天の川にお願いごとをしても本当にかなう
  の?(5才男子)

国司先生「ぉぉー(笑)」
アナウンサー「○○君はどうしてそんなふうに疑問に思ったのかな?」
質問者「だってドラえもんで出てきたんだもん。」
国司先生「(笑)そっか。」
かわいすぎる5才。先生方が目を細めて聞いてそう。お孫さんがいる先生もいるし。

国司先生「○○君は天の川って見たことあるかな?」
質問者「見たことない。」
国司先生「そっかあー、この夏休みに見られるといいねえ。でも7月7日の七夕って聞いたことあるよね?」
質問者「うん。」
国司先生「織姫さんと彦星さんが1年に1度会えるって言って、その織姫さんと彦星さんが、お空のどの辺に光ってるか聞いたことある?」
質問者「ううん(ない)。」
国司先生「天の川の両方の岸に光ってるんだって。そこで、今年の7月7日、○○君のお家の所はお天気どうだった?」
質問者「何だっけ。」
国司先生「七夕の日。おじさんもずっと見てたんだけど、あの日は雨が降っちゃったんだよ。ということは、織姫さんも彦星さんも天の川も見られなかったのね。そこで○○君、七夕の時に長ーい紙、短冊って言うんだけど、そこにお願いごと書いた?」
質問者「書いた。」
国司先生「書いた?よし! じゃあもう天の川にお願いしたんだよ。だって織姫さんと彦星さんは天の川の両岸に光ってるからね。そのお願いはかなったかな?」
質問者「まだ…」
国司先生「まだかぁ、そうなんだよね。」
アナウンサー「ちなみにお願いごとは何て書いたのかな?」
質問者「忘れちゃったあ。」⇦かわいすぎる。
国司先生「(笑)そうか、でも秘密なんだよね。
おじさんの科学館にも七夕の時に笹があって、みんなで短冊にいろんなお願いごとを書きました。あれは織姫さんと彦星さんと天の川に、きっとお願いごとをしてると思うんだ。そこでかなえてくれるかってことなんだけども、その七夕のお願いごとっていうのは、お願いをした後、ちゃんと練習しなくちゃいけないんだって。」
質問者「えーめんどくさぁい」⇦率直。
国司先生「例えばプールで、“この夏休みは10メートル泳げるようになりますように”って書いたとするよ? そしたらお願いだけじゃなくて一生懸命練習するんだって。それは昔々からなんだけれども、七夕のお願いは、自分の習っていることとか、字を書く時のその字がうまく書けますようにってお願いをして、その…技って言うのかな、それを磨くために自分でこれから一生懸命練習しますっていう、そういうお願いなの。だから、クリスマスのプレゼントはこれがほしいっていうお願いと、だいぶ違うの。ちょっとじゃなくてだいぶ違うの。
○○君はお願いごとしてかなえてくれるのかなって思ったら、そうなるように一生懸命に練習したり、お父さんやお母さんのお手伝いをしたりすると、かなうかもしれないよ。それでいいかな?」
質問者「うん。」
アナウンサー「ちなみに流れ星にお願いするという人もいますけど、流れ星のお願いはいかがですか?」
国司先生「それはとっても深いお話があって、実は星にお願いをするっていうのもいろんな所であるんですよ。流れ星が光ってるのはとっても短い時間なんです。0.2秒~0.3秒でね、その間にムニャムニャムニャムニャって3回言うのはとっても難しいの。だから、それを一生懸命そう願うことが…脳科学の先生に聞いたんですけれども、そう願うことがかなうことにつながることはあるんだそうです。やっぱり自分で一生懸命、それをかなえようとして練習したりするからかなと、思うんですけどね。」
脳科学の先生…篠原先生?
アナウンサー「○○君、今の先生のお話によると、強く願ったり、あるいはお願いごとを天の川にした後、一生懸命それがかなうように練習したり、お父さんお母さんのお手伝いをしたりとか頑張ると、かなうらしいよー。どうでしょうか?」
質問者「めんどくさい。」⇦素直だ!
国司先生「(笑)アハハハハハハハハ、そっか。」
アナウンサー「(笑)ンフフフフフ、めんどくさいのね。分かる。私も分かるわその気持ち。でもね、きっといいことあるよ。頑張って、お願い。」
質問者「…」⇦大人の誘導には従わないもよう。
アナウンサー「ウフフフ、でも面倒くさい時は、あまり無理しないで、別のお願いごとしてみるとかね。いろいろな方法を考えてみて下さい。」
国司先生「いろんなことをいろんな方面から考えるっていうのも、いいかもしれないね。」
アナウンサー「○○君どうでしょうか?」
質問者「……(聞きとれず)」⇦アナウンサーの声と被ってよく分からぬ。
アナウンサー「ん? どうぞ。」
質問者「……」
アナウンサー「もしもーし、ん? どうしましたか?元気ですか?」
質問者「……」
アナウンサー「…というわけで、いろいろな回答を先生から頂いたので、○○君も試してみて下さい。」
質問者「はあい。」
アナウンサー「ありがとうございました。ではでは、さようなら~、いい夏休みを過ごして下さい。お父さんお母さんにもよろしくお伝え下さい、さようなら。」
質問者「はい。さよならぁ。」
しっかり挨拶できる憎めない5才児だった。問いかけにちゃんと返せるのは話をちゃんと理解してるからだし、ちゃんと聞いてるからだもんな。

アナウンサー「素直なお答えを頂きました。」
国司先生「あ、七夕はね、今度8月7日が旧暦の七夕ですから、まだまだお願いできます。」
お願いできるけど頼みっぱなしとは違うという、大人にも刺さる国司先生のお話だった。

Q2 カブトムシの食べたゼリーなどが体のどこに
  入るんですか?(小3男子)

アナウンサー「○○君はカブトムシを飼っているのですか?」
質問者「はい。」
久留飛先生「カブトムシの口って見たことあるか?」
質問者「はい。」
久留飛先生「どんなんなってたかな?」
質問者「…」
久留飛先生「ムシャムシャかじる口なの? それとも、何や知らんスポンジみたいなフニョフニョしたもんやった?」
質問者「何か、ブラシみたいな感じの、毛が生えてるっていうか。」⇦ちゃんと分かってる。すごい。
久留飛先生「そやな。その毛のところにプチュッと液体を当てて、それでチュッチュと吸ってんねんやろな。せやから、私ら人間みたいな歯があって物を砕いてっていう口の形をしていないのが分かるやんな。カブトムシというのは液体を口の中に入れて体に運ぶということをしてるんやと思うけど、どこに行くねんやろと思うてんのか?」
質問者「はい。」
久留飛先生「カブトムシもそうやけど、(昆虫の)体って3つの部品に分かれているのは知ってるやろ?」
質問者「うん。」
久留飛先生「3年生やから多分習ったよね。頭、胸、お腹って。」
質問者「はい。」
久留飛先生「頭というのは目や触覚があって、キョロキョロ周りを見るためにセンサーの役割をしてるわけよ。胸というのは脚が6本ついていて羽があるから、動き回るための仕組みが胸や。お腹というのは、いよいよこの中で消化をする器官とか、呼吸するためのポンプやら、おしっこを作るための装置やら、いろんなものがお腹の中に詰まってんねや。」
こんなふうに昆虫の体の役割分担を考えたことなかった。すごく分かりやすい。

久留飛先生「なので、その吸った栄養分はお腹のところで消化をしていくという、そういう具合に、うまいこと分けてるんやな。頭、胸、腹というのは外から見て分かれているだけではなくて、中でやっていることも違うことしてるということや。」
質問者「ああ。」
久留飛先生「なので、食べたものはお腹の中で消化をして出ていくという体になってるんやな。…ていうようなふつうの答えやけど、どう? 分かったかな?」
質問者「はい。」
久留飛先生「もちろんね、カブトムシの幼虫…幼虫も知ってるやろ?」
質問者「はい。」
久留飛先生「芋虫の形をして、すごい牙を持ってるやん。腐葉土の中でムシャムシャと、お腹の中に入れて消化をするという、そこが不思議に思うんじゃないの? 幼虫の時はガシガシ食べてるのに、成虫になったらチュッチュと吸うだけやと。体の仕組みが全く違うということやんな。」
完全変態の昆虫の生き方だな。幼虫時代は成虫になること、成虫になったら繁殖することに特化して体の形もエサも食べ方も変えていると。全部この番組で聞いたことだけど。

久留飛先生「それを観察して、“何でそんな生き方をしてんのやろう?”ということを…これ、自由研究に使えるぞ。」
質問者「はい。」
久留飛先生「な。自分が観察したことやから絶対自信あるやんか。本を読んだ、テレビを見たじゃなくて自分が目の前で体験したこと、観察したことを細かく覚えてる範囲で書いて、分からんことは図鑑を見たりしたらいいんだけど、自分が体験したことがいちばん大事やから、それを書き留めて…例えばカブトムシの絵、描けるやろ?」
質問者「はい。」
久留飛先生「背中側とお腹側とを描けばいいんや。で、“この中にはこんなことをしている器官があります”って書いたら、ちょっと自慢できると思えへんか?」
質問者「はい。」
久留飛先生「な、良かったな、これで夏休み(の自由研究)OKや。」⇦先生的にも自由研究のヒントを示せてOKやな。
先生方「……(笑)フッフッフ」
久留飛先生「(笑)どうや、ちょっと頑張ってみる気になったか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君、カブトムシは何匹飼っているんですか?」
質問者「4匹。」
アナウンサー「4匹みんなゼリーをムシャムシャ食べてますか? みんな元気ですか?」
質問者「はあ、い。」
久留飛先生「疑問は疑問を呼ぶわけでな、4匹のカブトムシて夏の間にほぼ死ぬやろ?」⇦話が急転回。
久留飛先生「年を越えるカブトムシっておらへんやんか。最後まで飼ってあげなあかんけど、最後まで飼うやろ?」
質問者「はい。」
久留飛先生「そしたら途中でやっぱ死んでいくやん。」
質問者「うん。」
久留飛先生「なぁ。それってちょっと悲しいやろ?」
質問者「はい。」
久留飛先生「せやけどな、カブトムシはそういう生活をしているわけや。そうやって来年もカブトムシが出てくるやろ? この生き方はカブトムシにとってはいちばんいい生き方をしてると思うねんけどなぁ。…とりあえずは観察をして、4年生の来年の自由研究にしたらどうや?」
質問者「はい。」
久留飛先生「2年間大丈夫やで。“昆虫の寿命って何で短いの?”ということや。」⇦来年の自由研究まで道筋をつけてあげるって優しいのか生き急いでいるというか…久留飛先生、どうか来年の夏も出て下さい。
アナウンサー「カブトムシの寿命ってどれぐらいなんですか?」
久留飛先生「夏の間に卵を生んで、それが来年の夏に出てきて、秋には死ぬから、約1年と考えたらいいですけど。」
アナウンサー「あー…、大事にお世話しないとね。」
久留飛先生「それでいいんです。…(笑)それでいいというか、そういうものなので、何でそうやねん?ということを考えたらいいかなと思っています。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君、お家のカブトムシを大事に飼ってあげて、ゼリーを食べてるところを観察して、スケッチとか研究をしてみて下さいね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「お電話ありがとう。カブトムシたちによろしくお伝え下さぁい。」
先生方「(笑)フッフッフ」
何をお伝えすればいいのやら。質問者じゃなくてアナウンサーにウケてしまう先生方。

Q3 金魚を雑に扱うとフナになるって本当です
  か?(小3女子)

林先生「(笑)フフッ」
アナウンサー「金魚を飼ってるんですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「どんなふうに飼ってますか? お世話ちゃんとしてますか?」
質問者「はい。昔大きい金魚を飼ってたみたいで、その水槽があったから(それで)飼っています。」
アナウンサー「大きな水槽に金魚を入れているんですね。フナになってしまったら心配ですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「フナになってほしいですか?」
質問者「…ほしくないです(笑)。」
林先生「金魚がフナになったら嫌だっていうことだよね? 実は金魚の祖先というのは、人が作り出した魚なんだよね。」
質問者「えっ。」
林先生「そうなんだ。金魚の祖先は一体何であったかということを知る必要があるんじゃないかと思うんだけど、○○ちゃんは何だと思う?」
質問者「…フナ?」⇦知ってるからこそ余計に心配なのかもしれない。
林先生「お!そうなんだよ。その通り!大正解。フナなんですよ。フナの色って黒いよね。この野生のフナの中で時々、変わった色のフナが生まれるんです。それを昔の人が、赤っぽいフナが生まれることが多いので“ヒブナ”って…“ヒ(緋)”というのはオレンジ色とか赤っぽいという意味なんだけど、そう呼んでたの。当時は金魚とは呼んでいなかったんだよね。これはどうしてかというと、お母さんのお腹の中で、赤ちゃんのフナの色を決める細胞があるんだけども、その細胞が偶然、お母さんと違う組み合わせになってしまうことがあるんです。これは突然変異と言って、突然に形質…形とか色が変わってしまうことがあるんだよね。」
質問者「はい。」
林先生「そういう偶然に生まれたヒブナを…元々は中国の人が1500年から2000年くらい前に発見して、そのヒブナどうしをかけ合わせて作ったのが、金魚なんですよ。」
質問者「へえ。」
林先生「金魚というのは…今○○ちゃんが飼ってる金魚の尾びれは何枚に分かれてますか?」
質問者「えー、尾びれって尻尾だから…」
林先生「3つ? それともフナのような上と下に2つに分かれてるやつかな?」
質問者「んー、見てみます。」
林先生「(笑)そうか。」
アナウンサー「そばにいるのかな?」
質問者「はい。」
林先生「お腹の大きい、ヒレがふさふさした状態の金魚もいるんだけれども、○○ちゃんが飼ってるのは、フナみたいな形だけど色はきれいな金魚になってる?」
質問者「はい。」
林先生「分かりました。そういうのは和金って呼ばれている、日本で改良(された)品種として初めの頃に作られたと思うんですけど、中国の人が一生懸命ヒブナから観賞用…見て楽しむために、野鳥もけっこう品種改良して、セキセイインコもいろいろな色になったりするじゃない? ああいうのと同じで、ヒブナからいろんなきれいな金魚を作り出したのね。
日本には500年くらい前だから、室町時代の終わり頃に、その金魚が日本に入ってきたらしいんですよ。その頃は戦国時代だから、せっかく入ったんだけど、金魚を飼ったり楽しむなんて、そんな悠長なことは誰もしていられなかったんだね。金魚は一般の人たちに触れることがなかったんだけど、江戸時代になって、アサガオと同じでいろんな金魚ができて、一躍有名になった魚なんだよね。」
質問者「へえ。」
林先生「だから…“雑に扱う”ってどういう意味か、僕は分からなかったんだけど、丁寧に扱わないってことなのかな?」
質問者「…たぶん。」
林先生「たぶんそうだね。今○○ちゃんはけっこう水を替えたりして、丁寧に扱っているって書いてあるよね? だから、フナになることは多分ないと思う。」
質問者「よかったぁ。」⇦心の底から安心。
林先生「ところがね、ある実験というか観察によって分かった話があって、オーストラリアの先生で…オーストラリアには元々金魚はいないんだけど、金魚が好きな人が金魚を飼うだけじゃなくて、川に放してしまったらしいんだよね。その金魚がものすごく巨大化して、何と黒い色の、いわゆるフナの形になってしまったということがあるんです。だから、自然に戻すと、自然の川の水色に馴染んだ状態になって、フナに近い状態になるかもしれない。」
質問者「はい。」
林先生「もう1つは先祖返りということがあって、これは遠い祖先の性質が、ずっと後の子孫に出てくる場合がある。金魚はフナが祖先だから、元々のフナの色や形が戻ってくる場合がまれにある。その2つだね。」
質問者「へえ。」
林先生「今のところは雑に扱うということではなくて、遺伝的にそういうことも起きることがあるんだって覚えておいて頂ければいいんじゃないかな。」
質問者「はい、分かりました。」
林先生「ふつうに飼ってて大丈夫だと思うよ。」
質問者「はい。」
アナウンサー「ちゃんとお水を替えて、エサをあげて、ちゃんとお世話してると、○○ちゃんが恐れているようなフナにはなったりしないというお答えでした。」
質問者「よかったです。」
林先生「でもフナもかわいいよ。」
ちゃんとフナのフォローもしておく林先生。

アナウンサー「金魚の先祖はフナなんですねえ。いろいろな品種改良があって、今のようないろんな金魚が生きている…」
林先生「江戸時代は、アサガオにいろんな品種ができたのと同じで金魚もできたんです。ところが品種っていうのは途絶えてしまうことがあるんですね。今ではもう作れない、変わった金魚もアサガオもあるんですよね。絵でしか見ることができないという…。」
鑑賞目的の品種改良だと病気になりやすいとか、難しい問題がありそう。

Q4 去年、久留飛先生にクモをたくさん触ってね
  と言われて、たくさん触りたいけど、怖くてな
  かなか触れません。どうすればクモを触れるよ
  うになりますか?(小3女子)

自分から「あの後どうなった?」を報告して久留飛先生ご指名の質問だ。去年の質問は、「お父さんがクモどうしを戦わせたら2匹とも死んじゃって、人もクモに触ったら死んじゃいますか?」というものだったらしい。そこで先生からクモに触ってみてと言われたもよう。それをやってみたいと思ってること自体が素晴らしいな。
アナウンサー「これは久留飛先生に聞いてみなければなりません。」
久留飛先生「ぃゃぁ…」
国司先生&林先生「(笑)ハッハッハッハッ」
久留飛先生「クモを触ろうとしたわけ?」
質問者「はい。」
久留飛先生「ほんまに触ったことあるの?」
質問者「ありません。」
久留飛先生「せやなぁ、むつかしいよね。家の周りとか近くにクモいてる?」
質問者「ちょっといます。」
久留飛先生「巣を作って巣の中に張りついているのか、ピョンピョンと歩いてるクモと、大きく2つのグループだけど、両方とも見たことある?」
質問者「あります。」
久留飛先生「せやなぁ、触りにくいよね?」
質問者「うん。」
久留飛先生「それはええねんけど、好きになりたいの? それとも…どうしたい?」
質問者「ちょっと触ってみたい。」
国司先生かな、「ぅーん…」って聞き入ってるご様子。
久留飛先生「触るだけやったら触れるやろうなあ。巣を作って大きくなるクモいる? 今は夏で小さいけど、秋になったらだんだん大きくなったり…そんなクモ見たことないか。」⇦ジョロウグモ
質問者「んーないです。」
久留飛先生「身近な所のクモを触りたいって、触るのは簡単やねん。巣を作ってるクモであれば、下に何か受けておいて、上からポンポンとするとスッと下りてくるから、手の中にシュッと入ってくれんのや。で、クモというのは牙があるから、手を丸くして中に入れてやると咬まれることはないねん。ただそれを触るというのかはアレやけど、猫みたいに背中をナデナテしたいわけやないやろ?」
質問者「うん。」
久留飛先生「そんなんしたら向こうも嫌がるし、逃げるよね。」
国司先生?「(笑)フフ」
質問者「はい。」
久留飛先生「なので、触るというか、それをうまく捕まえて、入れ物に入れて、どんな形をしてるかなって観察は多分できると思うねん。」
質問者「はい。」
久留飛先生「好きになるのは非常に難しくて、どんな動きをするか分からんかったら、ちょっと苦手やんな?」
質問者「はい。」
久留飛先生「だからちょっかい出してみて、巣を作ってるクモであれば、そこを叩くとスッと糸を出して下りてくるっていうのが分かるし、植物の葉っぱの間に巣を作るクモとかいるやろ? それやったら巣の底をチョンチョンと触ったら、自分の逃げる所をこさえておいてトンネルのように巣を作って、その中にシュッと入ったりするやつおるやろ?」
質問者「うん。」
久留飛先生「だから、いろんなとこを少しずつ触ってみて、どんな動きをするかということを確かめたら面白いと思うねん。」
質問者「はい。」
久留飛先生「特に…ハエトリグモって知ってる?」
質問者「えー…分かりません。」
久留飛先生「葉っぱとか平らな所の上を動いている、巣を作らないというクモがおんねんけどな、それは、近寄って触ろうとしたらピョンと飛んだりする。そういう具合にしてクモによって動き方が違うのが分かるわ。」
質問者「へえ。」
久留飛先生「だからクモって一言で言うても、1000種類以上いてるから、いろんな行動したり、いろんな形のものがあんねん。歩くのが苦手なやつとか巣を作らないやつとか、巣を作るにも巣の形がちょっと中途半端なやつとか、3重の網を張るクモとか、いろんなタイプがいてるから、触ってみるというか、ちょっかい出してみて何をどうするかが見えてきた時に、ちょっと怖いのがなくなるかもしれんな。」
質問者「はい。」
久留飛先生「遠くから見てると分からんことが、ちょっと巣をつついてみるといろんな動きをするから、それがいいかもしれんな。」
質問者「はい。」
久留飛先生「クモを研究してる人は昆虫よりもずっと少ないから、ひょっとしたらいいかもしれんな。」
質問者「うん。」
久留飛先生「そら、人と違うことするのがいちばんええわ(笑)。」
アナウンサー「いきなりガバッと触るのは怖いかもしれないけど、じっくり観察して、近づいていって…触れるようになりたいというのは、きっと興味を持ってくれている○○ちゃんですから、将来クモのこと詳しくなるかもしれませんね。」
久留飛先生「何でもそうやけど、相手のことが分かると“何や大したことないやんか”って思うようになればしめたもんやな。」
質問者「はい。ありがとうございました。」
久留飛先生「また知らせてね。待ってまーす。」
無理に直接触らなくても、ちょっと距離をあけてお近づきになってみることから。次のご報告が楽しみだ。

Q5 月が無くなったらどうなりますか?(小1男子)

アナウンサー「ほう。それはなぜそんなふうに思いましたか?」
質問者「アニメを見たから。」
国司先生「そう、月が無くなったら大変だよねえ。まず近いところで言うと、9月13日のお月見ができなくなると思います。○○君お月見したことある?」
質問者「ない。」
国司先生「今度してね。今年は9月13日だよ。それからね、カレンダーで1か月っていうのは…月っていつもまん丸ではないでしょう? 半分になったり三日月になったりするよね?」
質問者「はい。」
国司先生「あれは満ち欠けって言うんだけど、その満ち欠けの長さが1か月という暦の長さになっているから、それも月が無くなっちゃったらカレンダーに根拠が無くなっちゃう…なんて気がします。それからもう1つ。○○君は海で泳いだことある?」
質問者「うん。」
国司先生「海の近くにずっといると、潮がだんだんと満ちてきたり引いてきたりっていうの、見たことあるかな?」
質問者「ない。」
国司先生「今度ずっと見ててごらん。砂浜が広ーくなったり狭ーくなったりするの。それは潮の満ち干と言って、海の高さが上がったり下がったりするんです。実はそれは、月の引力の影響があるので、月が無くなったら潮の満ち干もほとんど無くなってしまうんですよ。そうすると潮干狩りができなくなったり、海の生物もとっても困ってしまうと思います。
それからね、月ってさ、地球のお友だちみたいで、地球の周りを回っている星なんです。そういうのを衛星って言うんだけれども…」
質問者「えい…?」
国司先生「衛星って言うの。月のことを。聞いたことある?」
質問者「わかんない。」
国司先生「分かんないかぁ、覚えて(笑)。月は地球の衛星って言うんだよ。地球ってコマみたいに回ってるんだけども、その軸がふらついてしまったり、とっても不安定…不安定っていう言葉、1年生だけど聞いたことある?」
質問者「んー、たまに聞いたことある。」
国司先生「その地球の回転が不安定になっちゃうから、これも困ったことが起こります。
まだまだいっぱいあるよ。もう1つはね、この間、7月25日に地球と月の間に、小惑星っていう130メートルくらいの岩の塊が通過して行ったの。びっくりしちゃって、“こんなのが地球にぶつかったら大変なことになる”って…今回はぶつからなかったから大丈夫なんだけれども…」
質問者「え、じゃ、どこに行ったん?」
国司先生「それは太陽系の空間を過ぎ去って、もう遠い所に行っちゃったんだよ。そういう地球に近づく天体がいくつもいくつもあるんだけれども、月がそれを…ガードって分かる? 月にそれがぶつかって地球にぶつからないような役割を、月はけっこうしてくれるの。」
質問者「ふーん、だから月はへこんだりしてる所があるの?」
国司先生「あ!それ、よく知っ…おじさん今言おうと思ってたんだよ。そうなの。月にそういう天体がぶつかって穴が空いてるのは…クレーターって見たことある?」
質問者「クレーターって何?」
国司先生「クレーターっていうのはね、そういう小さな岩みたいなものがぶつかって、穴が空いちゃってるんだよ。それを地球にぶつかる前に月に当たって、地球が大丈夫だったということがけっこうあるの。そんなことで、月が無くなるといろーんな困ったことが起こっちゃうんだよね。
そこで夏休みだから、その月のクレーターを今度観察してほしいなぁ。近くにプラネタリウムとか博物館とか、公開してる天文台ってあるかな?」
質問者「伊丹にある。」
国司先生「あ、伊丹にあるんだ! そうしたらそこで天体観察会してるかどうか聞いてごらん。この夏休み、ぜひその月の穴、クレーターを見て下さい。」
質問者「はい。」
アナウンサー「アニメにあったように泥棒が月を盗んだとしたら、実際に起きたら大変なことになってしまうというのが、国司先生のお言葉で分かりました。」
どんなアニメだろう? スタジオとは別の場所で電話の受付をしているらしいけど、放送に繋ぐまでにいろんなことを質問者から聞き出しているんだな。

Q6 川で(捕まえた)ヨシノボリを持って帰って、で
  も何も食べてくれなかった。何をあげればいい
  のですか?(6才男子)

林先生「ヨシノボリって、これハゼだよね? どこでこの名前を覚えたの?」
質問者「……幼稚園。」
林先生「すごいなぁ。先生に教えてもらった?」
質問者「うん。」
林先生「よかったね。エサを食べてくれませんっていうのは、捕まえてから何かエサをあげたんですか?」
質問者「はい。」
林先生「どんなエサあげた?」
質問者「アカムシと金魚のエサ。」
林先生「アカムシ、すごい。金魚のエサは粒々のやつ?」
質問者「うん。」
林先生「下に沈むタイプかな、それとも上に浮かぶタイプかな?」
質問者「沈むタイプ。」
林先生「両方とも食べなかった?」
質問者「うん。」
林先生「確かヨシノボリ、いっぱい捕ったんだよね?」
質問者「1匹だけ。」
林先生「1匹だけ? そうか、その1匹が、○○ちゃんがエサをあげた時に全然関心を示さなかった?」
質問者「うん。」
林先生「それは捕まえてすぐにエサをあげたんだ?」
質問者「うん。」
林先生「だけど数日たっても食べなかった?」
質問者「うん。2週間。」
林先生「そうか…うん、このヨシノボリを水槽で飼ってたの? それともペットボトルみたいなのとかバケツとか、どういう…」
質問者「水槽で飼ってた。」
林先生「そう、それお水をたっぷり入れて…ブクブクはやってたかな?」
質問者「やってた。」
林先生「やってた。ほう…それはお水ごときれいになる装置で、ただ丸い石の玉からブクブク泡が出るだけのものじゃなくて? ちゃんとしっかりした…」
質問者「ちゃんとしっかりしてた。」
林先生「そうなんだ……。その水槽はどこに置いてありましたか?」
質問者「玄関。」
林先生「玄関は陽射しが、外の光が直接、そんなに強く入る場所ではないですよね。」
質問者「うん。」
林先生「うーん、玄関は…今の陽気だからどうでしょう、温度は昼間、高くなりそうですか?」
質問者「…なる。」
林先生「なる。じゃ、おじさんが今考えられるのを…。エサを食べないってのは、捕まえてきて1日目とか2日目くらいは、どうしても違った環境に閉じ込められちゃうんで、落ち着いてエサを食べる状況になかなかならないんだよね。これはヨシノボリに限らず、どんなお魚でも。だから2日目とか3日目くらいになると、少し落ち着いて食べるようになると思うんだけど、その時、○○ちゃんが作ってあげた水槽の水の温度が、この季節だと相当上がっちゃうんじゃないかと思うの。それで飼育水槽に慣れなかったので、エサを食べれなかった。
このアカムシなんてのは、ヨシノボリのエサとしては最高なんですよ。金魚のエサよりはアカムシの方が好きだと思う。だからアカムシを食べないっていうのは、ヨシノボリが全くその気にならなかったわけだから、ヨシノボリそのものの、体調があんまり良くなかったのか。それとも、飼っていた水槽の水温がちょっと高くてヨシノボリに都合が悪かったのか。その2つが考えられるんだよね。
じゃ、このヨシノボリが死んだ時に、体に何か異常が見られましたか? ヒレのところに白いものがくっついてたとか。」
質問を言った時にはエサを食べなかったヨシノボリがどうなったのかまでは言ってなかったけど、やっぱり死んじゃっていたのか。

質問者「白いのがくっついてた。」
林先生「あ、白いものがくっついてた、そうか。じゃね、○○ちゃんがこのヨシノボリを捕まえた時、どうやって捕まえた?」
質問者「タモですくった。」
林先生「そうか。それでおじさんが何となく理解できたことが1つあります。○○ちゃんは多分丁寧に捕ったんだろうけど、ヨシノボリの体やヒレに傷がついたんだね。その傷がつくと、今みたいな水温が高い状況だと、水槽の中だと傷口から水カビが生えてしまうんですよ。ひょっとすると原因はその水カビによって死んでしまったのかもしれない。」
質問者「うん。」
林先生「だから、今度ヨシノボリを捕まえて飼育しようと思った時は、今の季節だったら水温を20℃より下に保つようにしてあげていいと思う。水温計を必ず入れてあげてね、それで水温をチェックするわけ。もし水温が上がったら、冷蔵庫から氷を持ってきて、ビニール袋を入れて、その袋ごと水の中に入れてあげると水温が下がるから、そうしてあげてくれる?」
質問者「はい。」
林先生「捕まえる時は丁寧に。次の時はそうしてみて下さい。」
質問者「はい。」
林先生「水温が上がって酸素不足になったのと、傷がついて水カビ病になっちゃったのかもしれないですね。」
水の生き物の質問(特に飼っている場合)では、よく水カビの話が出る。でも電話での質問では様子が見えないので、先生は1個ずつ、逆に質問しながら飼育環境を探っていくしかない。林先生は今いる先生方の中ではいちばん長く出られてるって、前に話されてたっけ。15年ぐらいとか。すごい。

Q7 人間は何でミミズを嫌ってるんですか?
  (小2男子)

アナウンサー「○○君はミミズは嫌いなのですか?」
質問者「嫌いですっ。」⇦けっこう強め。
アナウンサー「うわぁ(笑)。」⇦キッパリ言われて気圧される。
アナウンサー「ミミズのどんなところが嫌ですか?」
質問者「ニュルニュル動いて気持ち悪いところが嫌いです。」
久留飛先生「触ったことありますか?」
質問者「ありません!」
先生方「(笑)ハハハハハハ」
アナウンサー「(笑)力強い。」林先生「すごく強い。」
久留飛先生「そうか…今後1度触ったらいいけど、本当に何かニュルニュルしてるよ。」
質問者「えっ。」
久留飛先生「(笑)ま、触るか触れへんかは別やけど、気持ち悪いからっていうのも、それはまぁそうかもしれんなと思うねん。そやけどミミズが何をしてるかって知ってる?」
質問者「知らない。」
久留飛先生「そやろ。だから相手を知れへんからな、ミミズちゃんなんて嫌だなぁ、ニュルニュルしてるし…と思ったんかな?」
質問者「うん。」
久留飛先生「そうやねん。だから相手を知ることがとっても大事やねん。おじさんがな、小学生の頃に、ミミズにおしっこかけたら、おちんちんが腫れるとよう言われたわ。」
林先生かな?「(笑)」
質問者「えっ。」
久留飛先生「その言葉知ってる?」
質問者「知らない。」
久留飛先生「そやなあ。ミミズなんか見ないかもしれへんもんな。それはな、何でそんなことを言ったのかをちょっと見たら、ミミズというのは、農家の人にとって土を耕してくれるという役割をしてんねんな。どういう意味か言うたら、土を口から入れてお尻から出すねんけど、その間に小っちゃな微生物をうまいこと漉し取って食べとるんや。だから土が豊かになっていくという役割を、農業をしてる人たちはよく知ってたんかなと思うねん。」
質問者「うん。」
久留飛先生「だからミミズをそんな扱いしたらアカン、大事にしなさいという、そういう意味で言ったのかもしれんなぁと思うねん。」
質問者「うん。」
久留飛先生「ミミズが土の中で何をしているかということが少し分かると、“あ、ミミズというのもいいことしてるやんか”って思うかもしれんで?」
質問者「うん。」
久留飛先生「だからな、野菜を育てたり花を育てたりしている所の土をほじくった時に、ミミズが出てくる時あるやろ? それはこの土はな、植物を育てるのにもすごくいい土だってことが分かんねん。見た目はカッコ悪くて気持ち悪いってあんたは思ってるか知らんけど、何をしてるかがちょっと分かると、“あれ、ミミズさんこんにちは、ここで頑張ってね”って思うかもしれんやん。」
質問者「うん。」
久留飛先生「そういうことやねん。いきなり触れと言われたらハードル高すぎるけど、まず相手が何をして、“何でミミズがここにおんねんな?”ということが分かることが大事やな。そのうちミミズが汚いな、グニュグニュして気持ち悪いなっていうのが、“まあ、いいんじゃない”って思うかもしれんぞ。」
質問者「うん(笑)。」⇦クスッと、ちょっと笑った!
久留飛先生「な。こんなん聞いたことないか? 夜にジーッと鳴いてる、何や知らん、何かが鳴いてるっていうのは、ミミズが鳴いてるっていう言い方を大人がしてること聞いたことない?」
質問者「ない。」
久留飛先生「ないのか。残念やな。それはミミズが鳴くんじゃなくてケラが鳴いてる場合が多い…ケラって知ってるやろ?」
質問者「……」
国司先生?「(コソッと)知らないかな…」
アナウンサー「小学校2年生の…」
久留飛先生「まぁいいわ、もう話を逸らさんとこ(笑)。それは別の機会にするけど、相手を少し知る、理解をするということが、ちょっと距離が近まる方法やで、ということやねん。」
質問者「うん。」
アナウンサー「どうでしょう○○君、見た目がニュルニュルしてるから苦手な人が、○○君含めて多いかもしれないけど、とっても人間の役に立ってるそうですよ。地球の大地のためにいいことしてくれてるそうです。まあ、いきなり好きにはなれないかもしれないんですけど…」
久留飛先生「ここがまたすごいポイントで、人間にとってどうかというのもな、上目線やからあまり好きじゃないけどな。」⇦鋭い。
久留飛先生「そやけど自然の中で生き物どうしがどんな繋がりを持っているかということを、知ることがとっても大事やねん。ミミズ嫌いやから、“もうお前なんかいれへんわ”じゃなくて、ミミズがどんな役割をしているかっていうことを知ると、“ミミズここにおってもいいんじゃない”じゃなくて“ここにおって下さい”って思うかもしれんやん。」
質問者「うん。」
質問者「まだ2年生やから、これからいっぱいいろんな生き物のことを勉強する中で、いろんな生き物がどんな役割をしているかということを知るとな、ちょっと気持ち優しくなんねん。そういうことや。いい?」
質問者「うん。」
アナウンサー「という先生からのお答えです。○○君、どうでしょうか?」
久留飛先生「別に“はい”とは言われへんけど、頑張れ頑張れ。」
質問者「ミミズがちょっとだけ……き、嫌いじゃないようにはなりました。」⇦うわーちょっと泣けた。
国司先生「ぉお~!すごぉい。」
林先生「んーすごい。」
アナウンサー「(小さく拍手)よかったああああ! よかったです。」
久留飛先生「そういうことや。食べず嫌いみたいなもんやな。うん、頑張れ頑張れ。」⇦優しい。
アナウンサー「○○君、今日はいい機会をありがとうございました。」⇦感動させてもらったことに感謝、すごく分かる。
カブトムシの幼虫だってミミズと似たようなことしてると思うけど、カブトムシの方は通販で売られるくらい人気だな。と思ってたら、ミミズも通販で売られていてビックリした。ガーデニングの土づくりとか、有機栽培に最適とか、釣りエサとか…知らなかった。

Q8 最近、隕石がこの地球に大接近しているとい
  うニュースを聞きました。それで、どうしてあ
  んなに近かったのに、立ってる所からは見えな
  いんですか?(小3男子)

アナウンサー「私たちの目からは見ることができないのかということですかね?」
質問者「はい、世界中の写真でも、いろいろな衝突する場所が写ってるのに、なぜ宇宙空間にあったら見えないのですか?」
国司先生「すごいこと気がついたね。そう、そのニュースおじさんも見ました。」
質問者「ああ…。」
国司先生「7月25日に7万㎞くらいまで接近したというね、隕石って言ったけど、これは大きさからすると、小惑星という仲間に入ると思います。」
質問者「小惑星…」
国司先生「小惑星。今、はやぶさ2リュウグウという小惑星に行って、いろいろ探査をしていますよね?」
質問者「はい。」
国司先生「その小惑星はもう数え切れないほど、番号がついてるだけでも10万以上あるんですよね。」
質問者「そんなに。」
国司先生「そういったものは直径が1000メートルくらい。地球から望遠鏡で見ると写真に撮ることができます。」
質問者「つまり、望遠鏡から見ると見えるというわけですか?」
国司先生「そう。ところが今回地球に急接近したというのはね、直径が100メートルちょっと、130メートルくらいだというんですよ。そうすると(宇宙空間が)とっても暗いので、なかなか望遠鏡のところで探査をしても見つからなかったんだと思います。」
質問者「そうなんや!」
国司先生「そういった、地球に衝突しそうな天体を今のうちに調べておこうという観測研究が、ずいぶん前からなされているんですよ。ところが、宇宙空間は広いので、今回の小惑星はその網にかからなかったというのかな、観察することができなかった。けっこうそういうのがあるんです。」
質問者「あー…」
国司先生「地球と小惑星がどう接近するかということなんですけれども、まず地球の通り道を考えてみて下さい。これ、軌道って言うのね。1周すると春・夏・秋・冬って1年かかります。小惑星の通り道というのは大体楕円軌道なんです。」
質問者「だえんきどう。」
国司先生「楕円軌道っていうのは丸を少しゆがめた形。」
質問者「丸をちょっとだけゆがめちゃったって感じか。」
国司先生「そうです。その楕円軌道で地球からどのくらい遠い所まで行くかというと、火星と木星の軌道の辺りからやってくるんですよね。」
質問者「火星と木星。」
国司先生「火星と木星の軌道の間にね、小惑星帯っていう、小惑星がたっくさんある所があるんですよ。」
質問者「あ、聞いたことある。」
国司先生「ある?よかった。そこから何かの拍子で、きっと小惑星小惑星がぶつかって、ボールが2つ当たるとボールの進む向きが変わるでしょう? それと同じようなことが起こって、地球の方に接近してしまうという小惑星がいくつもあるんです。」
質問者「昔の恐竜が絶滅したみたいなもの?」
国司先生「あぁよく知ってる。6500万年前に、地球に小惑星が衝突して、ユカタン半島にその跡があるんですけれども、恐竜が絶滅してしまったという説が有力になってますよね。そういった危険が、実は地球にはまだあるんですよ。」
質問者「えっ!嘘だ!」
国司先生「今から100年くらい前だけれども、シベリアに天体がぶつからなくて、どうやら通過しただけで森林がたくさん、何十㎞四方なぎ倒されたということが起きました。それから何年か前にロシアに隕石が落ちて、窓ガラスが割れて1000人以上の人がケガをしてしまったなんてこともあるんです。」
質問者「へえー。隕石によってつぶれちゃった惑星とかあるの?」
国司先生「あっ、それはねえ、けっこうあります。」
質問者「え、そうなの?」
国司先生「宇宙空間というのはね、衝突が起こることによっていろいろな天体が出来上がった、ということがあるんです。」
質問者「衝突によってどんどん大きくなって、この地球ができたっていう説もあるの?」
国司先生「そう、原始の地球というのは、いろいろ天体がぶつかってそれが結合して、また分裂をして…を繰り返しながらだんだん今の地球ができた。」
質問者「へえええー。」
国司先生「それから月も実はそうなんです。」
質問者「んっ?」
国司先生「月も今から40億年以上昔に、地球に大きな小惑星がぶつかったんです。」
質問者「何!」
国司先生「ぶつかったの。そして地球の岩石を剥ぎ取って、地球の周りを回るようになったんだって。それがだんだん集まってきて今の月になったの。」
質問者「ほおおお。」
国司先生「だから太陽系、今から50億年くらい昔に太陽が光り始めて46億年前に地球が誕生して、その間ずーっと現在まで、そういう衝突が繰り返されているっていうのが長い歴史の中に起こっています。」
質問者「それじゃそれがどんどんぶつかり合ったら、新しい惑星もできることはあるの?」
国司先生「そういうこともあるかもしれない。けれども太陽系は大体落ち着いて、惑星が8、それからほうき星とか小惑星とかいっぱいあるんだけれども、大体それはもう落ち着いているかな。」
質問者「へえええー。いやもう隕石が衝突したら、恐竜の絶滅みたいに、僕ら人類とかも、絶滅しちゃったらどうしようってめっちゃ怖かったですわぁ。」⇦小3なんだけど芸人のようなおばちゃんのようなしゃべり。
先生方「(笑)フッフッフッフッ」
国司先生「怖いね。でも、でもね、そういうことが起こらないように、スペースガードっていう皆さんたちは、その小惑星の軌道をちょっと変えて…ミサイルか何か作って…そうするとうまくいくんじゃないかっていう研究もしているから、そんなに怖がらなくてもいいと思う。恐竜が絶滅してしまうような小惑星は何百万年に1回ぐらいかな、…の割合で衝突する、そういう確率の計算はあるんだけどね。」
質問者「それじゃ昔、恐竜の時代では、6500万年前にユカタン半島に衝突したのは、運悪く地球の軌道に乗ってしまったから…」
国司先生「でもそれがね、自然の歴史なんだよね。そうやって人々も生物も生きてきたんだってことかな。」
質問者「へえ、でも、最近は隕石がどんどんどんどんさぁ、ぶつかってるのに、なぜ地球は無事だったの?」
国司先生「それはね、地球が壊れるほど大きな隕石とか小惑星がぶつからないからだと思うよ。いいかな?」
質問者「地球が壊れないほどの隕石だったっていう…」
国司先生「そうです。」
アナウンサー「話は尽きないですねえ。○○君、すごく分かります。恐竜が絶滅しちゃったような隕石がぶつからないということを、私たちは祈りながら暮らしていきましょう。」
質問者「はい。」
知ってることにも知らないことにも全力でボキャブラリー豊かに反応して、アナウンサーが入らなかったらどこまでも話を続けそうな、良い意味でよくしゃべるお子さんだった。

Q9 おばけエビのことです。7月13日におばけエビ
  を水槽に入れました。次の日見たら100匹孵っ
  てました。7月23日、東京の旅行から帰って 
  きて、見たら2匹になっていました。水槽の中
  で戦争をして死んだのですか? 今は1匹にな
  っています。これからどうしたらいいですか?
  (小3女子)

100匹は数えたんだろうか。
アナウンサー「何てことでしょう! 100匹孵ったエビが、東京に○○ちゃんが旅行に行っている間に激減…めちゃめちゃ減ってしまって、今1匹になってしまって、水槽の中で戦争したのではないかと○○ちゃんは考えている。なるほど、これは事件です!」
林先生「(笑)フフフ」
質問者「(笑)クフフフフ」
アナウンサー「(笑)事件ですよお…、林先生、何が起きたんでしょう?」
林先生「うーん、大変だね。100匹くらいいたのが、今1匹になっちゃったんだもんねぇ。○○ちゃんはこのおばけエビはどこで手に入れたのかな? 買ったのかな?」
質問者「買いました。」
林先生「ペットショップかどこかで?」
質問者「本屋さんのところで、あったので買いました。」
林先生「あぁそうかあ、今は本のおまけで付いてくることもあるんだよね。「おばけエビ飼育セット」とかってね。」
質問者「(笑)あー、そうです。」
林先生「そうですね、分かりました。いくつか考えられるんだけど、旅行に行ってる間はエビにエサも何もあげてないんだよね?」
質問者「はい。」
林先生「この100匹孵った時、どんな入れ物に入れてた?」
質問者「プラスチックのところに入れてやっていました。」
林先生「プラスチックというのは、バケツみたいなやつ? それとも水槽みたいなやつ?」
質問者「水槽で、透明です。」
林先生「そうですか。それで大きさはどれくらい?」
質問者「今の大きさですか?」
林先生「ペットボトルでお水を入れると何本分ぐらい入りそうですか?」⇦水の量を簡単に量れる、すごい身近で便利な量り方だ!すごい。
質問者「ああー……それはいまいち分かってません。」
林先生「(笑)そうか、分かった。でね、100匹ぐらい孵った時に、最初かなり小さいから、その入れ物の中では余裕があったでしょう?」
質問者「はい。」
林先生「それでエサは何かあげたの?」
質問者「ちょっとしかあげてません。」
林先生「エサは(買った時に)一緒についてきた?」
質問者「はい。」
林先生「そうなんだ。そのエサはどういうふうにあげてた?」
質問者「エサは…おばけエビ(聞きとれず)っていうのがあって、それの説明通りにして、やりました。」
林先生「そうなんだね。このホウネンエビを飼ってる人がたくさんいて、その人たちがいろんな情報を流してるサイトがあったんでね、おじさんがそれを見てみたら、やっぱりね、ホウネンエビにエサを与える時に…ホウネンエビって最初は小さく生まれるんだけど、脱皮をするんだよね何回か。脱皮をしていちばん大きくなると、2㎝ぐらいになる。」
質問者「あ、大きくなるんだ。」
林先生「(笑)知ってた?」
質問者「知らなかったです(笑)。」
林先生「だから、この100匹くらいっていうのは孵ったばかりだよね? (7月)14日に粉の卵を入れて15日に赤ちゃんが孵ったって…大体1日で孵るから…」
質問者「うん。」
林先生「そうだよね、この100匹がもし1㎝にも2㎝にも大きくなって、○○ちゃんが最初に用意した入れ物だったら、そのホウネンエビは…まあ、全滅しちゃっても仕方ないかもしれないけど、小さい時だったら、大きさにもよるんだけど、多分酸素が少なかったのかもしれない、ということと、エサのやり方がうまくなかったのかもしれない。
調べてみたら、いちばんいいエサのやり方は、大きな水槽にできるだけ数を少なく入れて、綿棒ってあるじゃない、耳なんかを掃除する、あの綿棒にエサをくっつけて、それを水面の上でパラパラパラッと動かしてあげるとパラパラ落ちるでしょう? そういうエサの与え方をすると良いっていう説明もありましたよ。」
質問者「はい。」
林先生「それと、まずいちばん心配なのは、この100匹を同じ水槽の中に入れて、旅行に行っちゃった間に、ひょっとすると水温が上がっちゃったのかもしれない。この夏の時期だから。」
質問者「はい。」
林先生「このホウネンエビの飼育に適した水温というのが、22℃~30℃ぐらいということだから、今の状態で家の中に入れっぱなしで置いて、水槽が置きっ放しだと、相当温度が上がって30℃以上になっちゃった可能性もあるんだよね。
だから、涼しい所に置いとくか、または日陰で風通しの良い所で外で飼ってれば、何とか保ったかもしれないけど。で、1匹死ぬと、エビの仲間だからね、どんどん腐っていって水が悪くなって、それでかなり全滅状態になったんじゃないかな、と思うんですけど。」
質問者「はい。」
林先生「死んだ時に水の色が白っぽくなってなかった?」
質問者「ああ、白っぽくなってました。」
林先生「ちょっと濁ってたよね。それは脱皮したものもいるんだろうし、死んだホウネンエビから体液が出ていったりして、余計に水の中に酸素が溶け込むことができなくなっている、そういう悪いコンディションになってしまったんだな。
もし、もう1回ホウネンエビを飼い(買い?)直して、どこかへ出かけたりっていう時は、そういうことに気をつけて。」
質問者「はい。」
林先生「数多く入れないで、分けて水槽の中に少なく入れる…2リットルくらいの大きなペットボトルあるでしょう? あれを半分に切って水槽代わりにして、その中に5匹ずつ入れたっていいんだよ。涼しい所で飼えば。」
質問者「ああ~。」
林先生「それで、水草あるでしょう? あの水草なんかも入れといてやると、水草から生えてくるコケなんかも食べるみたいだから。そういう飼い方に工夫してみたらどうかしら。」
質問者「はい。」
林先生「それで卵はね、乾燥してるから、1年間とか保つんだよね。乾燥してれば。でも1匹ではオスかメスか分からない。オスとメスがいて初めて卵が生まれるので、1匹だとちょっと無理なんだけれども、またどこかから卵を手に入れることを考えて、再チャレンジしてみて下さい。」
質問者「はい。」
事件でも戦争でも何でもなく、あまり良い飼育をしていなかっただけだった。外が猛暑になると、閉め切った家の中ってかなり熱がこもるもんな。人も死ぬぐらいだし、コンタクトレンズの洗浄液もボトルを持った瞬間、じんわりと手のひらがほぐれるような温かさになってるし。

Q10 どうやってホタルは光っているんですか?
  (小3男子)

アナウンサー「○○君はどこかでホタルを見たのですか?」
質問者「はい、高尾山で見ました。」
アナウンサー「その時はどんなふうに光ってましたか?」
質問者「チカチカ点滅して光ってた。」
久留飛先生「何で光るかって、いろんな答え方があるんねんけどな、あなたのいちばん疑問ていうか、知りたいのは、お尻が光ってる…どんな反応して光ってるかということか?」
質問者「…んー、どうやって光っているのか仕組みを知りたい。」
久留飛先生「仕組みを知りたいのか。仕組みだけを言えば…多分見たホタルというのはゲンジボタルだと思うねんけどな」
質問者「うん。」
久留飛先生「オスとメスで光る部分が違うっていうの知ってた?」
質問者「知らなかった。」
久留飛先生「オスの方が光る範囲が二節(ふたせつ)って、広いんですわ。ちょっと広くってメスの方は1つだけやから、ちょっと光る所の面積が狭い。オスの方はよう光ってんのや。メス方が少し弱い光、そんな感じで思ったらいいけど、それは化学反応という…触っても熱くないわけよ。そういう化学物質の反応によって、光を出してると。」
質問者「はい。」
久留飛先生「触って熱うないねんから、冷たい光というねんけどな、そのホタルが、何で光るようになったかということに興味あるやろ?」⇦先生が話したい方に誘導?
質問者「どうやって光ってるのかって…」
久留飛先生「んー、どうやってって、何で光るの? 光る理由や。わざわざ夜にピカピカ光ってな、○○君にすごいなと思わせるために光ってるわけじゃないやろ?」
質問者「はい。」
久留飛先生「だから何で、誰に合図してんの?」
質問者「メス。メスやオスに…結婚してって合図?」
久留飛先生「ぉぉよう知っとるやん…。」
スタジオ内「(笑)ウフフフフ」
久留飛先生「ということやねん。オスが飛びながら光ってるやろ? それは見たか? 飛びながらフワァ、フワァって、真っ暗な中で光が流れるようになってるわな。」
質問者「はい。」
久留飛先生「メスはそこ飛んでないんや。」
質問者「へええ。」
久留飛先生「その飛んでるオスを、メスが葉っぱの上で見てはるのや。」
質問者「はい。」
久留飛先生「“どいつにしようかな”って、あなたの言う通り、相手をどうやって選ぼうかってメスは葉っぱの上から見てるわけやな。」
アナウンサー「久留飛先生、改めて聞きますけど、光る仕組みというのは、メスを見つけてお尻がどういうふうに発光する仕組みになってるんですか?」
久留飛先生「これから話をしていく…」
先生方「(笑)ハハハハ」
アナウンサー「失礼いたしました。」
久留飛先生「すいません。(笑)そうやってメスを見つけるために、オスが光りながら飛んでいます。そこで“このオスがいいな”と思うと、同じようにメスも光るわけや。ポーッと光ってたのが相手のオスと同じぐらいのリズムで光り出すのや。」
質問者「はい。」
久留飛先生「だから“OK、OK。いいんじゃない?”みたいな、光と光で合図をしながら、うまく相手を選ぶという…選び方はもう、もう1度戻るけど、ルシフェリンという化学物質が、ルシフェラーゼというものと反応すんねんけどね、それは体の中の、お腹の中の話や。その光ることによって何を期待してるか言うたら、オスとメスが出会うための合図として使ってるということや。」
質問者「はい。」
久留飛先生「だから、昆虫って成虫になってからすることは1つよ。オスとメスが出会うためにどんだけうまいこと相手と合図をして出会って、次の子どもを残すか。ということがいちばん大事やねん。」
質問者「はい。」
久留飛先生「それは何でか言うたらな、あなたが高尾山で見たゲンジボタルというのは、去年のやで。去年、うまいことオスとメスが出会って卵を生んだ、その子どもたちやんか。」
質問者「うん。」
久留飛先生「だから成功したわけや。今見たホタルというのは成功した子どもたちが飛んでるということや。ということは、うまいこと次の世代に残せたやつだけが、今あなたが見ることができんねん。という具合に、いろんな生き物というのは、うまいこと成功したものが今、周りに、チョウであれば飛んでいたり、カブトムシであればそこの木に停まっていたり、全てがうまいこといったやつがおんねん。それすごいと思わへん?」
質問者「すごいと思う。」
久留飛先生「なあ。成功したやつだけがそこにおるし、今いてるやつは成功するかどうかまだ分からへんやん? うまいこといったらいいなと思う。そうすると、来年もホタルが見れるかもしれへん。」
質問者「はい。」
久留飛先生「そういうふうに見たら、“ホタル頑張れ”と思うやろ?」
先生方「(笑)ンフフフフ」
質問者「うん、思う。」
久留飛先生「そや。そういうことやねん。」
アナウンサー「○○君、ホタルは次の世代にホタルを残すために、体の中の化学物質を使ってメスを呼んでいる、ということだそうですよ。またホタルを見つけたら、今日のお話を思い出してみて下さい。」
質問者「はーい。」
アナウンサー「お電話ありがとう。」
質問者「ありがとうございました。」
久留飛先生「はーい、バイバーイ。またねえ。」
カブトムシも寿命が1年くらいって前の質問で話してたから、今見てるのは去年の親が途中で捕食者に食べられず、病気で死なずに全て成功させた証しなのか。なるほど。

質問終わり~先生方から一言
久留飛先生「私はできるだけ、すごく基本的な問題にしたいと思っているんですけど、変わった生き物がたくさんいる中で、生きるというのはどういうことやねんなという、そんな糸口が見つかればいいなと思っています。」

国司先生「僕ね、星じゃなくてミミズの質問がすごく嬉しくって、あのお友だちがミミズ嫌いだったのが、先生のお話で“ちょっと嫌いじゃなくなった”って、好きとは言わなかったけど、嫌いじゃなくなったと言ってくれたのがね、僕は何か、とっても嬉しかった。」
林先生も笑って、ニコニコして(見えないけど)聞いてましたな。お子さんの中で苦手なものへの見方が変わった瞬間に立ち会えたようで、こちらもジーンときました。

林先生「今日お答えした質問は3つとも、飼育したものの観察なんですよね。夏休みってやっぱり、部屋の中で実験とか飼育をして調べられるのが多いかもしれませんから、そういうのもまた楽しみにしています。」
3問中2問が死んじゃった系の質問で、水温もかなり関係してた。今の時代、特に夏は温度管理がどんな生物にも必要なんだなぁと改めて感じた。