あせらず、さわがず

アラフィフおばさんが脈絡なく書いてるブログ~あとは野となれ山となれ

子ども科学電話相談 春スペシャル3/24(昆虫、鳥、恐竜、鉄道)10時台・11時台

3/24のジャンルは

 昆虫 清水聡司先生

 鳥 上田恵介先生

 恐竜 田中康平先生

 鉄道 梅原淳先生

 

Q9 昆虫はどうして蛹になるのとならないの

  があるんですか?(小3男子)

 

清水先生「それって不思議やよね?」

質問者「はい。」

清水先生「学校で習って、何でそんなんあるんかなって不思議に思うんやけれども、これ意外と説明しにくい話なんやけれども、頑張ってみるわ(笑)。

○○君と一緒に考えてみたいんやけれども、蛹にならない昆虫って何が思い浮かぶ?」

質問者「バッタ。」

清水先生「バッタ。もう1個ぐらいいこうか。」

質問者「………」

清水先生「近いところで? 鎌を持った昆虫は?」

質問者「……」

清水先生「…カマキリ?」

質問者「はい。」

清水先生「そういうのも不完全変態やよね。完全変態、蛹になる方は?」

質問者「…アゲハチョウ。」

清水先生「うん、チョウチョとか? ……大好きな虫、クワガタムシとか好きじゃない?」

質問者「カブトムシ。」

清水先生「そういうのが完全変態ってやつよね。これは育ち方で言うと、バッタとかカマキリは卵から生まれて幼虫になって、少しずつ大きくなるために脱皮って分かるかな?」

質問者「はい。」

清水先生「脱皮をしながら大きくなって、最後に羽が生えてくる羽化という段階で、成虫になるための脱皮をするのね。

完全変態の方は卵から幼虫になって、幼虫が何回か脱皮をして大きくなりながら蛹になって、成虫になるのね。何でその違いがあるかというと、1つはバッサリ言ってしまうと進化。最初に現れたのが無変態というものやけれども…羽の生えてこない昆虫ね。そこから羽の生えてくる昆虫になって…蛹をはさまないので不完全変態という言い方をするんやけれども、その後に現れたのが完全変態の昆虫になるのね。だから出てきた順番で言うと、完全変態のグループは新しいんです。」

質問者「へえええ。」

清水先生「だから、不完全変態よりも何か有利な要素を持っている。ということで蛹をはさむという方法を獲得したのが完全変態なの。

そこで考えていきたいんやけれども、じゃあ何が有利なの?っていう話なのね。はっきり言ってしまうと、不完全変態というのは幼虫になって食べながら、逃げながら、成虫と同じ形をしてるので動きながら、少しずつ大きくなっていきます。危険も大きいです。敵にも見つかりやすい。そういうリスクもある。

それから完全変態の昆虫というのは、例えばチョウチョの幼虫なんかを思い浮かべてみてください。あまり動き回りません。食べ物に囲まれて、葉っぱに囲まれて…同じように隠れなきゃいけないけれども、動いてるよりも隠れてジッとして、とにかくご飯に囲まれて、幼虫時代は食べることに集中するの。だから、そういう意味では効率が良い。」

質問者「うん。」

確かにー! 鳥の糞っぽかったり毒々しい色をしてるのは完全変態の幼虫だ。親と同じような姿である必要がないから、幼虫としてできるだけ食われない姿になることもできたのかな。

 

清水先生「次は形を見てください。完全変態の昆虫の幼虫って、シンプルな形のものが多いんですね。バッタとかカマキリは幼虫でも手脚がすごく長いでしょ?」

質問者「うん。」

清水先生「脱皮で皮を脱がなきゃいけないけれども、その時に失敗する確率も高くなる。芋虫型の方が脱ぎやすいよね?」

質問者「うん。」

清水先生「というのも関係あるかもしれない。」

質問者「ふううん。」

清水先生「完全変態の方は、成長する段階と、成虫になって子孫を残す段階を、大きく役割分担してるの。そのために途中で体を大きく変える必要があるのね。シンプルな体から複雑な体に。その間に蛹をはさんだんじゃないか、という話なの。

例外はすごくあるよ。けれども、バッタは幼虫と成虫で食べるものが同じでしょう?」

質問者「うん。」

清水先生「住んでる場所も同じでしょう? 羽があるので移動はできるけれども、どちらかというと同じような環境で育つものが多い。

チョウチョの場合は幼虫の時と成虫の時、食べ物はどう? 幼虫の時は何を食べてる?」

質問者「………」

清水先生「アゲハチョウの幼虫はミカンの葉っぱを食べるでしょう? 成虫になったら? 葉っぱを食べる?」

質問者「食べない。」

清水先生「食べないよね、花の蜜とか、種類によっては樹液とか、もっともっと栄養の摂りやすいもの、効率の良いものに変えることもできる。住みかや行動を大きく変えることができるの。遠くへも行けるし、軽い体で動き回りやすい。そういう意味で少し有利な進化と考えられてるの。

ただ、もちろん不完全変態の方もそれぞれ進化しています。だから今、身の周りにいる完全変態の昆虫と不完全変態の昆虫で、決して不完全変態が劣るということじゃないと思うんやけれども、完全変態の昆虫の方が種類が多いことも考えると、やっぱり有利な要素が多いんやなって考えられると思います。」

質問者「はい。」 

アナウンサー「そうしますと、完全変態の昆虫は、幼虫と成虫の間に蛹をはさむわけですよね。幼虫の頃はシンプルな形で、成虫になるとちょっと複雑な形で、蛹という段階をはさむことによって…何て言うんでしょうか、形を分けることができるというか。」

清水先生「行動や生活を大きく変化させることができる。ただ、その代わりに蛹という動けない時期をはさまなきゃいけないので、それはまた別の要素だと思うんですけど。」

アナウンサー「なるほど……。○○君、今の説明で分かりましたか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「私も初めて知りました。身近にいる昆虫や遠くに行って見つけた昆虫について疑問に思ったことがあったら、また教えてくださいね。どうもありがとうございました。」

質問者「はい。ありがとうございました。」

清水先生「さよなら。」

質問者「さよなら。」

アナウンサー「これ、質問で寄せられることが多いんですって?」

清水先生「そうなんです。けどその度にグダグダになる質問の1つです(笑)。」

私は今回の説明がイメージしやすくて分かりやすいと思ったけどな。質問内容は同じでも、聞いてくるお子さんの年齢とか知識を考慮しながら説明して、反応を感じながら次の説明をして…だと脳が疲れるだろうと思う。

 

Q10 鳥はどうして形を作って群れになって

  飛ぶのかと、鳥の先頭はどういう役割を

  しているのかです。(小3男子)

 

上田先生「まず、鳥は形を作って飛ぶ。どんな形かな?」

質問者「えーっと、三角みたいな感じに飛んでいくの。」

上田先生「そうだね、先頭が尖って三角というかVという字を斜めにしたみたいな飛び方だね。あれをV字編隊と言います。自衛隊の飛行機なんかもV字編隊飛行とかするよね?」

質問者「はい。」

上田先生「どんな鳥があんな飛び方してるか知ってる?」

質問者「ハト?」

上田先生「ハトもしないこともないけど、ハトはあまりしないのね。もっときれいなV字を作るやつがいる。」

質問者「分かりません。」

上田先生「わりと大きな鳥で、ゆっくり飛ぶ鳥。ツルとか、ガンとか、サギ。」

質問者「ああ……。」

上田先生「最近、多いと言われてるカワウというウがいるけど、ウもV字編隊を作ります。」

質問者「へえええ。」

上田先生「どうしてV字編隊を作るのかなって簡単に言うたら…簡単なことあらへんけど、しんどいから、後ろの鳥は前の鳥が作る風を利用して、楽に飛んでます。」

質問者「あああ…」

上田先生「先頭がいちばんしんどいの。空気の中をバタバタバターって羽ばたくわけね。で、後ろに風ができるわけ。後ろの鳥はその風の波にうまいこと乗って、ちょっとだけ楽して飛ぶんやね。そやから先頭はもうしんどいから、しばらく飛んだら“もうあかんわぁ”って言って、後ろへ後退します。んで次の鳥が先頭になって、一生懸命バタバタバタバタ…って行きます。」

質問者「あああ。」

上田先生「みんなで群れを作って飛んでる方が、タカに襲われたりしなくて安心でしょ? 群れを作りたいわけ。それも大事なんやけれども、ついでに非常にエネルギー、力を節約できて楽ができる。えらいでしょ?」

質問者「うん。」

アナウンサー「エネルギーを節約できるというのは先ほどおっしゃったように、疲れたら次の鳥が先頭に行ってくださいって感じで、交代していくことができるんですね?」

上田先生「そうです。よく、“先頭にいるやつはリーダーですか?”って質問されるんですけど、リーダーじゃないです。次々に交代していきます。」

アナウンサー「○○君の質問にあったように、先頭の鳥は決まった鳥ではないんですって。」

質問者「へえええ…。」

アナウンサー「いちばんしんどい仕事は交代でしましょうよ、という。」

上田先生「そう、みんなすごく平等で公平なんやね。民主主義っていうやつだね。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)○○君、民主主義…誰がしんどい思いをするかって考えた時に、決まった鳥ではなくて、みんながそれぞれ協力し合ってるんですって。」

質問者「あああ…。」

アナウンサー「V字の形をしてるのは何ででしたっけ?」

上田先生「先頭の鳥の斜め後ろに、ちょうど良い気流ができるわけですね。右側でも左側でもできるけど、右側にできた気流に右にいる鳥が乗って、左側にできた気流に左側にいる鳥が乗っていくから、だいたいV字になります。」

アナウンサー「なるほどねえ……。○○君、今のお話を聞いて、どんなことを感じましたか?」

質問者「えっと、前にいるのがリーダーっていうのじゃないことが分かりました。」

アナウンサー「そうですよね、いやあ何か、大切なことを鳥から学んだような気がします(笑)。」

上田先生「そうでしょ? 1人だけずるをしてとか、そういうのはいないわけ。みんなで公平にやろうぜっていう。」

アナウンサー「○○君、これからも気づいたことや不思議なことがあったら教えてくださいね。どうもありがとうございました。」

質問者「はい、ありがとうございました。」

上田先生「さよなら~。」

質問者「さよなら~。」

アナウンサー「みんなで協力し合ってるんですね~。私、知りませんでした。天敵がいつ来るか分からないですからね。」

上田先生「みんなで協力せずに、“自分だけ自分だけ”でやってたら、天敵にとってみれば“あいつら仲悪い、バラバラ!”やから襲いやすい。そういうことだと思います。」

 

Q11 今、恐竜がいないのに、どうして食べ

  ていたものが分かるんですか?(6才男子)

 

アナウンサー「そうですよねえ、恐竜が食べていたもので、何か知っているものはありますか?」

質問者「………何ですか?」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)そうですよね、そこも聞きたいですよね。」

田中先生「どうして化石から食べていたものが分かるのか、ということですね。○○君は肉食恐竜と植物食恐竜がいたのは知ってる?」

質問者「うん。」

田中先生「じゃあ肉食恐竜は何がいる?」

質問者「ティラノサウルスとかスピノサウルス。」

田中先生「いいねえ。どうしてティラノサウルスとかスピノサウルスは肉食だと思う? どこを見たら肉食だって分かると思う?」

質問者「うーん……」

田中先生「顔に何か特徴がないかな?」

質問者「あー……目が大きい?」

田中先生「そうだね、肉食動物は目が前を向けるようになって立体視ができるとか、ティラノサウルスがそう言われてるし、他にもまだあるよ。」

質問者「……うーん……」

田中先生「口は?」

質問者「ヘレラサウルス?」

田中先生「ヘレラサウルスもそうだね。ティラノサウルス、ヘレラサウルス、スピノサウルスはどういう歯をしてる?」

質問者「……ティラノサウルスがナイフのような歯をしてて、スピノサウルスが細長い歯をしてて、うーん……」

田中先生「良いよ!素晴らしい! ヘレラサウルスもナイフみたいな歯をしてるよね?」

質問者「うん。」

田中先生「素晴らしいですね。」

質問者「はい。」

田中先生「ナイフみたいな歯ということは、肉を食べる歯ということだよね。」

質問者「うん。」

田中先生「爪もそうなんだよね。どういう爪をしてるか知ってる?」

質問者「……うーん…うーん。」

田中先生「丸い爪? それとも尖った爪?」

質問者「曲がった爪。」

田中先生「そうだよね、曲がって尖ってるよね。ヴェロキラプトルとかデイノニクスは知ってる?」

質問者「知ってる。」

田中先生「すっごく大きく曲がった爪が足についてるよね?」

質問者「うん。」

田中先生「だから、ああいう恐竜は肉食恐竜の特徴を備えています。そういうところを見ると肉食かなって分かります。」

質問者「へええええ。」

田中先生「今度は植物食恐竜だけど、どういうのがいる?」

質問者「ステゴサウルス、チンタオサウルス、……うーんとあとは…」

田中先生「首が長いやつらは?」

質問者「首長竜?」

田中先生「アパトサウルスとかブラキオサウルスって聞いたことある?」

質問者「ああ、聞いたことある。」

田中先生「素晴らしい。そういう恐竜たちは植物を食べてたと言われてるよね? そういう恐竜は爪もまん丸だし、歯も尖ってはいないよね?」

質問者「うん。」

田中先生「今出てきたチンタオサウルスの歯を見ると、小っちゃい歯がたくさんついてるの。植物をすり潰して食べる歯や顎の構造を持ってます。

あと、実は歯が全くなくなっちゃう恐竜もいて、そういう恐竜も植物を食べていたと言われています。」

質問者「へええええ。」

田中先生「歯がない恐竜って知ってる?」

質問者「知らない。」

田中先生「今度、博物館がオープンになったら見に行ってほしいんだけど、ダチョウ型恐竜と言われているオルニトミムスという恐竜がいます。ガリミムスとか…」

質問者「あ、知ってる。」

田中先生「知ってる? ああいう恐竜は歯がないです。パクッて植物を飲み込んで、お腹の中で消化していたと言われています。だからお腹がちょっと大きかったりするんだよね。だから恐竜の骨格を見ると何を食べていたのかが想像できます。

ただ、実はけっこう難しくて、本当に食べたものの化石がお腹に残ってるとすぐ分かるけど、そういうのがなかなかないから、恐竜の研究者も何を食べてたかを考えるのはけっこう苦戦します。すごく難しいと思っています。」

アナウンサー「そうなんですね。でも、歯や爪を見ると、肉を食べてたのか植物を食べてたのかが…」

田中先生「だいたい分かるという感じですね。」

アナウンサー「○○君、どうですか? 分かりましたか?」

質問者「はい。」

 

Q12 阪神電車に2車線しかないのに、何で

  JRは4車線で走ってるんですか?

  (小2男子)

 

アナウンサー「いつも阪神電車に乗ってるんですね? それは2車線しかないのにJRは4車線、4本の線路で走っているということですね?」

質問者「はい。」

梅原先生「兵庫県にお住まいなので、近くの阪神電車ですね? 鉄道の世界では複線と呼びますけれども、2本の線路しかないのにJRは…東海道線ですね? 最近は神戸線とも呼んでますけど。」

質問者「はい。」

梅原先生「こちらは4本の線路があるのはどうしてか、ということですね。確かに自動車の道路みたいに片側2車線ずつになっていて、例えば大阪から神戸方面、三宮方面の列車が2本の線路を使っていて、逆に神戸方面から大阪方面の電車が2本の線路を走ってる。そういう線路ですね?」

質問者「はい。」

梅原先生「これを鉄道の世界では複々線と呼んでいます。どうしてJRは線路の数がそんなに多いのか、ということですね?」

質問者「うん。」

梅原先生「簡単に言うと、線路の数が多ければ多いほどたくさんの列車を走らせることができるので、」

質問者「えっ、そうなの!?」

梅原先生「そうなんです。昔の人が…JRの前の国鉄、国が運営していたんですけど、国が線路を増やしたんです。

じゃあ東海道線に今、どのぐらいの本数の電車が走ってるかというと、さっき数えてみたんですけど、片方で2本の線路を合わせて、1日に300本走ってますね。」

質問者「さんびゃっぽん!?」

梅原先生「はい。阪神電車はどれぐらいかというと、その半分の156本でした。なので、線路の本数が増えると単純に2倍になるんですけど、実は、線路を複線から複々線に増やすと、理論上はもっと増やせるんですね。」

質問者「(鼻息?ため息?)ブフフフ…ぅん?」

アナウンサー「どういうことですか?」

梅原先生「阪神電車もふだん乗っていると、特急電車…途中駅を通過していく電車と各駅に停車する電車がありますよね? 阪神ですと普通電車ですね。」

質問者「はい。」

梅原先生「普通電車って後からやって来る特急電車の待ち合わせをしたり、通過待ちをしますよね?」

質問者「しますします! します(笑)。」

スタジオ内「(笑)」

梅原先生「その度にけっこうな時間止まってて、普通電車に乗ってる人はちょっと嫌になっちゃいますよね?」

質問者「確かにねえ、…(聞き取れず)やったらねえ。」

スタジオ内「(笑)」

梅原先生「そうなんですよ。逆に特急電車は、前を走ってる普通電車に追いつきそうになって、スピードがちょっと落ちることがあるんですよ。特に朝だと電車がたくさん走っているのでノロノロになってしまったり。前を行く電車が待避線に入るまで少しゆっくり待ってなければいけないんですね。」

質問者「阪神電車やったらさぁ、西宮駅とかで、普通が7分止まって、特急がその真ん中を先に走る電車はあるけど。」

梅原先生「そうそう。そうなんです。複々線って、要するに線路を片側2車線に増やすと、途中駅で待っていなくても普通電車が走っている間に、速い電車が抜いていくんです。東海道線ですと新快速という電車がありますよね?」

質問者「あるある!」

梅原先生「その新快速をよーく見ていると、普通電車が走っている隣を追い抜いて行ったりしますよね?」

質問者「いきなり走られて怒ってた時ある。」

梅原先生「(笑)だから待ち合わせをしなくても追い抜いて行けるので、お互いに速く走ることもできますし、その分線路が空くので、たくさんの電車が走ることができるんですね。」

質問者「それやったら○○もずっと乗ってられるねえ。」

梅原先生「そうなんです。ただ複々線にするのはとっても大変で、お金も時間もかかるので…関西だと、あと京阪電車がそうなってますよね?」

質問者「通る通る通る通る。」

梅原先生「近くを走る阪急電車も、よく見ると大阪梅田駅と十三駅の間は、神戸線宝塚線京都線のそれぞれ別々に線路があって、6本の線路がありますよね?」

質問者「阪急電車の発車駅の所もねえ。」

梅原先生「(笑)そうです。あと南海もそうですね、難波駅から高野線南海本線が一緒に走って4本。そうやって電車をたくさん走らせたい時に線路を増やしていますし、しかも増やした以上に…2倍ではなくて理論上は5倍ぐらいに増やせると言われてるんですね。」

質問者「いいやん別にぃ~。」

梅原先生「駅と駅の間にも線路があるというのは、それほど電車を走らせられるということ。特にJRの場合は貨物列車とか長距離を走る特急列車も走ってますよね? 今はずいぶん減りましたけど。」

質問者「貨物列車はさぁ、新快速と同じ所を走って、普通と快速は違う所ですね。」

梅原先生「そうですね。あと、スーパーはくと号とか遠くに行く列車も走ってると思います。そういうものをたくさん走らせたいために線路を増やしたんですね。」

質問者「はいぃ…。」

アナウンサー「○○君、どうですか、分かりましたか?」

質問者「めっちゃ分かっていますう~!」

アナウンサー「(笑)○○君、受け答えがとってもかわいらしくて、本当に電車のことが好きなんだな、お話しすることもとっても好きなんだなということが分かりました。」

質問者「電車100パーセント好きなんですう~。」

アナウンサー「(笑)これからも電車100パーセント好きっていう気持ちで、分からないことがあったら質問してみてくださいね。」

質問者「………」

アナウンサー「(笑)どうもありがとうございました。さよなら。」

質問者「さよなら。」

梅原先生「さよなら~。」

 

Q13 なぜダニは生きているのですか?

  (小4男子)

 

またもや「虫」の質問だ!

清水先生「ウッ…(笑)」

アナウンサー「(笑)直球な質問。○○君はダニについてどう思ってるのかな?」

質問者「生きていても人に害しか及ぼさないのではないかと思ってます。」

清水先生「大きなテーマやなあ…(笑)。」

質問者「ありがとうございます。」

清水先生「まず、ダニは昆虫じゃなくって虫な(笑)。ダニは昆虫に入んないんやけれども、何の仲間かは分かる?」

質問者「……分かりません。」

清水先生「クモなんかに近い仲間ね。何の役に立ってるかって単刀直入ですごく分かりやすいけれども、逆に、○○君はヒトやよね?」 

質問者「はい。」

清水先生「ヒトって何の役に立ってる?」

質問者「ヒトは……他のヒトの役に立ってる。」

清水先生「うん、ヒトの役には立ってるかもしれへんよな。じゃあ、ダニは同じ種類のダニの役には立ってるかもしれへんな?」

質問者「あ、はい。」

清水先生「ね。いきなり重いことを聞いたのは、例えばヒトの活動で地球の環境どうなってる?」

質問者「悪化している…」

清水先生「悪化してるって言われてるよね? それは…役に立ってるんやろか?」

質問者「役に立っていない。」

清水先生「ね、ちょっと考えなあかんよな?」

質問者「はい。」

清水先生「というのを前提に考えようかと思うんやけれども、ヒトにとって役に立ってるかどうかを聞きたいと思うんやけど。」

質問者「はい。」

清水先生「よく、“こんな生き物は役に立ってるの?”と言われる代表が、ゴキブリです。」

質問者「ゴキブリなんですか。」

清水先生「“ゴキブリって役に立ってるの?”って、おじさんたちはよく聞かれるんやけれども、○○君、ゴキブリって何の役に立ってるか分かる?」

質問者「ゴキブリ………地面とかに落ちてるゴミを食べてくれる。」

清水先生「おおお、そうやなあ、そうやねん。実際には分解者と言って、地面に落ちてきた葉っぱを分解したり死骸を分解したりして、それを土に還してくれる。あとは他の生き物のエサになる。食物連鎖って分かるかな?」

質問者「はい。」

清水先生「食う食われるね。それの1つが欠けても自然のバランスが崩れちゃう。ヒトにとってはちょっと嫌な部分もあるけれども、地球、自然にとってはすごく大事な役をしてるのね。」

質問者「はい。」

清水先生「同じことがダニにも言えると思うのね。○○君の言うダニというのが、マダニとか…」

質問者「……(聞き取れず)ダニとかですか。」

清水先生「人の血を吸ったりするダニとか、お家の中に埃に紛れてアレルギーを起こすようなダニが、迷惑ばっかりかけてるやんって思うかもしれないよね?」

質問者「はい。」

清水先生「ヒトにとっては厄介な部分もあると思うんやけれども、ヒトがこの地球で主役ってわけじゃないのね。迷惑かかっちゃうこともあるし、例えば、本当に悲しいことなんやけれども、マダニにしても病気を…SFTSとかライム病とかの病気を伝播すると言われていて、人間にとったら困るんやけれども、病気にとったら乗っかっていける、ダニを利用できるという部分もあるやんか。」

質問者「はい。」

清水先生「あとは、春先によく出てくる小っちゃなタカラダニっていう、コンクリートの壁に赤い数ミリの…」

質問者「ああ。」

清水先生「ダニが動き回ってる。あれも何の役に立ってるのってよく聞かれるんやけれども、役にも立たんし害にもならんという表現しかできない。ほぼほぼ被害はないんやけど、ちょっと不快やから嫌かなと思うけれども、あれも花粉を食べてるとか、多すぎる余ったものを片づけてくれる分解者よね。」

質問者「へえええ。」

清水先生「あとはダニの天敵って…おじさんもあまり知らないんやけれども、カニムシっていう小っちゃなハサミを持った、おじさんにとったらカッコイイ土壌昆虫…どど土壌生物やね(笑)昆虫じゃないんで。」

カニムシ、調べてみたらサソリみたいな姿で見る人によってはカッコイイのかも。森に住むネズミと共生してて、ネズミに寄生するマダニを捕食するという発見を森林総合研究所がしたそうで…鳥の川上先生の職場ですな。

ちなみにカニ(蟹)もサソリ(蠍)も虫のつく漢字。

 

清水先生「そういうもののエサになったり、ダニがダニを食べたり。捕食性のダニもいるしね。そういうものを食物連鎖のさらに上位のものが食う。あとはさっきのゴキブリと一緒で、有機物を分解して土に返してくれる。

その役割を利用したのがチーズ。ダニに作らせるチーズがあるんやけれども…おじさんは食べたことないんやけどね(笑)。」

質問者「へええ。」

アナウンサー「へえええ、あるんですか?」

清水先生「(笑)それは人が上手ーく利用してる部分やけれどもね。まあ、地球上にいる生き物に役に立つ・立たないを簡単に当てはめたらあかんねんけれども、存在の意味のないものというのはないんじゃないかな、って思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君、今のお話を聞いてどんなことを感じましたか?」

質問者「うーん、自分が思っているところ以外で他のものの役に立ってるんだなって思いました。」

清水先生「○○君もそうやって周りのみんなの役に立ってるんやと思うよ。」⇦最後に救われる一言でよかった。

質問者「はい。」

アナウンサー「そうですね…深いお話を聞くことができました。」

 

Q14 鳥のハヤブサは何でそんなに速く狩り

  をするの?(5才男子)

 

ハヤブサ! 梅原先生が新幹線はやぶさ号がまだ追いついてないと言ってた本家のハヤブサ! 

 

上田先生「ハヤブサだね。速いスピードで何で狩りをするのかという質問ですね。ハヤブサのスピードはどれぐらい速いか知ってる?」

質問者「うん、時速300キロを超える。」

上田先生「そう。時速300キロを超えるのよ。新幹線より速い。すごいね。何ででしょうね? ○○君はハヤブサがどんなふうに狩りをするか知ってる?」

質問者「うん、上から狙って、ビューって急降下する。」

上田先生「そう。何を捕まえますか?」

質問者「ハトとか。」

上田先生「そう。ハトとかスズメとかヒヨドリの鳥を捕まえます。こうなると分かるでしょう? 鳥はハトだって何だってすごく速く飛ぶでしょう?」

質問者「………」

上田先生「速いでしょ?」

質問者「うん。」

上田先生「人間が捕まえようと思ってもバタバタって逃げてしまって、捕まえられないでしょ? いったん空に上がってしまうと人間は捕まえられないね。ハヤブサは空を飛んでいる鳥を捕まえます。だから速いスピードが要るんですね。」

質問者「うん。」

上田先生「実はハヤブサはね、追いかけて捕まえるんじゃなくて、上から急降下して、不意打ちというか、相手を上から襲います。その時のスピードが300キロを超える。360キロというのが今までの最高として記録されています。すごいでしょ?」

質問者「うん。」

上田先生「だからハヤブサはなぜ速いのかというたら、速く飛ぶ鳥を捕まえるため。そのためにそれだけスピードが速くなったということです。」

アナウンサー「上田先生、追いかけるのではなくて上から急降下してハトなどを捕まえるのはどうしてなんですか?」

上田先生「そうですね……それはハヤブサハヤブサだからなんでしょうねとしか言えないんですけど、一方でオオタカとかハイタカとかのいろんなタカがいます。そういうタカは上から急降下するんじゃなくて、森の中とかで鳥を追いかけて、鳥のスピードよりもちょっと速いぐらい…鳥もすぐ飛んでくれないから、ジグザグに飛ぶのをタカもジグザグに追いかけて、すごく上手に捕まえますね。だから狩りのしかたが違います。」

陸上のチーターのスピード勝負みたいなものだろうか。チーターも見晴らしが良いに住んでいたような。

 

アナウンサー「じゃあもしかしたら上から急降下することによって、ハヤブサはハトなどを捕まえやすいということですか?」

上田先生「元々住んでる場所が、ハヤブサが急降下しやすい場所。海辺の断崖絶壁の上に住んでいます。だから、すごいスピードを出してもぶつかるものがないから、一気にスピードを上げることができるんですね。森の中だと木の枝とかにぶつかって大変でしょ?」

アナウンサー「なるほど。」

上田先生「それからハヤブサは今、東京都内にも住んでます。」

アナウンサー「そうなんですか?」

田中先生「へえええ。」

上田先生「新宿とか渋谷の高層ビルがあるでしょ? その上に止まってるの。」

アナウンサー「○○君は神奈川県に住んでいるので…」

上田先生「見たかもしれない。見た?」

質問者「え? 1回、こうちのね、水族館で見た。」

上田先生「そう、水族館で見たの?」

アナウンサー「高知県ですか? “こうち”というのは高い所じゃなくて、高知県の水族館ですね?」

質問者「うん。」

アナウンサー「じゃあ神奈川県ではまだ見たことないですね?」

上田先生「神奈川県にも住んでると思います。崖のある海辺に行くといることがあるのと、さっき言ったみたいに東京都内でも高いビルがある所。ビルの上の方を見上げてごらん、ひょっとしたらハヤブサが止まってるかもしれないよ。」

質問者「あとはアメリカにいっぱいいるって聞いた。」

上田先生「そうなんです。ニューヨーク市なんかは、ハヤブサがいったん激減したから復活させようと保護の活動をしてまして、かなりいっぱいいて、マンハッタンのビルの上に巣を作ったりもしています。だからハヤブサにとっては高層ビルは断崖絶壁と同じことなんですね。」

アナウンサー「ということなんですね。○○君とハヤブサが何であんなに速いかというと、ハトとかスズメとか速く飛ぶものを、さらに速く飛ぶことによって確実に獲るためということと、遮るものがないのでスピードがより速くなるのではないかということでした。分かってくれましたか?」

質問者「はい。」

 

Q15 毒を持った恐竜がいたかどうかについ

  て質問したいです。(小4男子)

 

田中先生「毒を持つ恐竜がいたか。まず、今生きている動物で、毒を持ってる動物を何か知ってる?」

質問者「えっと鳥だと、カワリモリモズとか…(聞き取れず)いるんじゃないかなと思う。」

田中先生「鳥が好きなの?」

質問者「いや、鳥が恐竜の子孫って聞いたことあるから、それで関係してんじゃないのかなと思って…」

田中先生「なるほど素晴らしい、鋭いね。鳥のあたりは上田先生にこの後に質問してみようと思ってます。

鳥も毒を持ってるのが一部いるというお話だし、ヘビも毒ヘビがいるよね?」

質問者「はい。」

田中先生「それからトカゲも毒トカゲがいるし、魚では毒を持ってる有名な魚、知ってる?」

質問者「え? うーん………」

田中先生「食べたりするよ。」

質問者「食べ…あ、フグ?」

田中先生「うん、フグはすごい強い毒を持ってるよね。だから生き物たちは毒を持ってて、それを何のために使ってると思う?」

質問者「身を守るため?」

田中先生「いいね! 1つは身を守るため。もう1つはどう思う?」

質問者「獲物を捕らえるため。」

田中先生「素晴らしいですね。だから毒は、きっと身を守るという役割と、敵を倒すためという役割があるんだよね。

で、○○君、恐竜はどうだと思う? 毒恐竜がいたと思う?」

質問者「はい、たぶんいるとは思うけど…。」

田中先生「実は毒を持ってたんじゃないかと言われてる恐竜がいます。その恐竜がシノルニトサウルスという中国で見つかってる恐竜です。ヴェロキラプトルとかデイノニクスって知ってる?」

質問者「はい、知ってます。」

田中先生「その仲間にシノルニトサウルスという小型の肉食恐竜がいます。見た目はほんとにヴェロキラプトルみたいな感じなんだけど、この恐竜は上顎の歯がすごく長くて、そこに溝みたいなものがついてると言われているんですね。その溝から毒をうまく流して、それで毒の牙を持っていたと考えられています。」

質問者「知らなかったです。」

田中先生「すごいよね。違うんじゃないかと言う研究者もいるけど、一応、恐竜の中ではシノルニトサウルスが毒恐竜じゃないかと言われてます。

ちなみに、何でシノルニトサウルスは毒を持ってたと思う?」

質問者「えーっと小っちゃいから、身を守るため。」

田中先生「それもきっとあるよね。この恐竜は肉食でもあるんだよね。」

質問者「ああそっか。」

田中先生「ヴェロキラプトルとかデイノニクスの仲間だから…」

質問者「だから獲物を捕らえるためとか…」

田中先生「そうだよね、きっと獲物を倒すのにも使ってたんじゃないかなって考えられるよね?」

質問者「はい。」

田中先生「確かに毒を持ってる恐竜は今のところほとんど見つかってないんだけど、鳥もあまりいないのか、上田先生に聞いてみましょうか。」

上田先生「はい。毒を持ってる鳥はいます。ニューギニアで今から20年ぐらい前に見つかったズグロモリモズとか、さっき言ってくれたカワリモリモズ。それから最近になってアオチメドリとか。オーストラリアでも見つかってます。ニューギニアを中心に何種類か毒を持った鳥がいます。

けど牙じゃなくて皮膚と羽に毒があって、言ってみれば食べたら不味い、防御の毒ですね。」

田中先生「ふううううん…鳥は防御のために毒を持っていることが分かっていると。だから、もしかしたら恐竜の中にも防御のために毒を持ってたものがいたかもしれないですよね。ただ、そういう恐竜はまだ見つかってないです。」

質問者「へえええ、そうなんですね。」

 

Q16 なぜ電車は電気で走るんですか?

  (小1男子)

 

梅原先生「○○君は兵庫県にお住まいということですけど、いちばん近くを走っている鉄道は何で走っていますか?」

質問者「………」

梅原先生「何線の鉄道がありますか?」

質問者「………」

梅原先生「たぶんJRの山陽線とか、山陽新幹線もあるかもしれませんね。鉄道には大きく分けて電気で走っている鉄道と、ディーゼルという、トラックやバスみたいに車両にエンジンを積んでディーゼル軽油を動力にして走っている車両の2種類があります。あと蒸気機関車という、保存用に走ってるものもありますけど、だいたい電気とディーゼルの2つがあるんですけれども、今、電気で走ってる鉄道の方が、運ぶ人も貨物も多いんですね。」

質問者「…サンヨウホンセンダ。山陽本線。」

梅原先生「そうそう、山陽本線。そこを走ってる列車はたぶんほとんど電車だと思いますね。スーパーはくとという特急列車はディーゼルカーですけど、ほとんど電気で走ってるんですね。」

質問者「スーパーはくとは通過するんです。」

梅原先生「そうですね、通過しますね。」

何線が走ってるか聞かれて調べていたんだろうか。先生の話を聞けてないかもしれないけど、先生は相手が見えないし時間の都合上話さないといけない。なかなか大変。

 

梅原先生「もちろん電気で走るから電車って言うんですけど、電車はモーターを回して走るんですね。その電気を電池ではなくて、だいたいにおいて外から供給して走っているんですけど、架線という電線が屋根の上にありますよね? そこから電気をとって走っているんですけど、何で電車の方が世の中に多いのか。走ってる線路の長さはディーゼルカーの方が長いですけど、何で電車の方がたくさん走ってるかというと、実はエネルギーの効率がいちばん良いんですね。

電気を発電するのに同じ燃料を使うとしますね。例えば石油を使って発電するとします。100の量の石油があったとして、電車を走らせるのに使われるのはそのうちの70ですね。70あれば電車は走るんです。

ところが、ディーゼルカーは100のうち80ないと走ってくれないんです。ディーゼルカーの方がエネルギーの効率としてはあまり良くないんですね。

それからもう1つ、電車がなぜ優れているかというと、…エネルギーは食べ物だと思ったらいいですけど、その食べ物、燃料を持って走らなくていいんです。さっき、電車は架線から電気をとって走ると言いましたよね?」

質問者「………」

梅原先生「大丈夫ですか? もしもし?」

質問者「もしもし。」

梅原先生「そうすると、外から電気をあげれば走るので、車両自体がとっても軽くなるんです。ディーゼルカーって…お家にある車もそうですけどガソリンを入れないと走りませんよね? そのガソリンとか軽油はすごく重くて、1両で1000リットルぐらい持ってますから1トンぐらいあるんですね。その分だけ重くなって、重くなれば重いものを動かすのは大変なので、エネルギーがたくさん要るようになって効率があまり良くなくなる。あまりよく働かなくなってしまうんですね。なので電気で走ることが多いんですけど、どうでしょう?」

質問者「はい…もしもし。」

アナウンサー「1つはエネルギーの効率が良いということ。エネルギーは食べ物のようなもので、70食べれば電車は走るけれどもディーゼルは80食べなければ走らないという感じで、電車は少ないエネルギーで走ることができるということなんですね。そこは分かりますか?」

質問者「分かりました。」

アナウンサー「もう1つは、電車の電気は上の架線でもらえるので、重くないんですよね。ディーゼルだと軽油を積まなければいけなくて重いから、電気の方が走りやすいんですって。」

質問者「(鼻息)ブフウ…ブフウ…」

梅原先生「それから、ディーゼルカーだと自動車と同じで排気ガスを出すので、公害も出さないし…地下鉄でディーゼルカーを走らせたら大変なことになってしまうので、電気だととてもクリーンで、そこも昔から電車が多い理由ですね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「環境にも良いということですね。○○君どうでしょうか、分かりましたか?」

質問者「分かりました。」

 

Q17 私は動物のお医者さんになりたいんだ

  けど、虫のお医者さんはいないんです

  か? 虫が病気になったら治せないんで

  すか?(小3女子)

 

清水先生「虫のお医者さんがいてたら、おじさんたち苦労せえへんねんけどねえ(笑)。残念ながら虫のお医者さんというのはいないですね。」

質問者「うん。」

清水先生「何でいないかというと、まぁ需要がないのも1つあるのね。虫って、病気がよく研究されてない部分も多くて治らない。基本的に治しにくい…治らないと言った方がいいんかな。」

質問者「へえええ。」

清水先生「それで代わりを作っちゃう感じなのね。代わりを育てちゃう。そういうやり方をすることが多いので、やっぱり“お医者さん”にならないのね。」

質問者「うん。」 

清水先生「動物のお医者さんは、みんながペットとか飼ってるので、需要があるじゃない?」

質問者「うんうん。」

清水先生「虫のお医者さんはなかなか…お仕事にしても死んじゃうことも多いし、連れてきて“じゃあこれ、いくらです”って言いにくい部分もあってね…(笑)。それが現実の部分もあると思うねん。」

質問者「うん。」

清水先生「ただ病気に関しては、例えばカイコって分かる?」

質問者「うん。カイコ知ってる。」

清水先生「養蚕っていう、カイコを使って糸を取る産業があるでしょう?」

質問者「うん。」

清水先生「だからカイコに関してはすごく研究されてるんです。」

質問者「カイコ育てたことある。自由研究で育てた。」

清水先生「そうか、死んじゃったやついなかった?」

質問者「うーん、死んじゃったやつは、いた。繭から出れなくて…」

清水先生「ああ-、弱って蛹になると羽化できなかったり。それは途中で弱る原因を作ってるのね。だからおじさんたち、虫の飼育を仕事にしてる人間は、まず予防するんです。かからないように。」

質問者「へえええ。」

清水先生「かかった時に、その病気がどういう系統のものかなっていうのを判断します。」

質問者「へええええ!」

清水先生「だめな時は一緒に入ってるものもだめになっちゃうので、申し訳ないけど、そのケースのものは基本的に諦めます。良いものはうつらないように隔離したりして育てていくの。でないと飼ってるものが全部だめになっちゃうんでね。」

質問者「へええ、そうなんだ。」

清水先生「飼ってる容器ももちろん消毒します。そういうことはするのね。カイコを飼ってると、核多角体(かくたかくたい)病…言いにくい病気や(笑)。とか、腐蛆(ふそ)病、特に白殭(はっきょう)病、軟化病とか。ウイルス性の病気とか細菌に感染しちゃう病気とか、いろんなものが出てきます。

あとは養蜂。ハチをやってる人だと腐蛆病が有名かと思いますけれども、ダニがついたりする場合もあるし、そういう時にはダニ駆除剤を使います。そういう意味では治療しちゃうわけやね。」

質問者「へええ。」

清水先生「チョウチョも、抗生物質という細菌を殺す物質を試みで使ったりすることもありますけれども、ただ、あんまり無茶しすぎると耐性菌ていう薬の効かないものを不用意に増やしちゃったり、幼虫のお腹の中に必要な菌まで殺しちゃうことがあるのね。だからなかなかうまくいかないのね。」

質問者「ふうううん。」

清水先生「じゃあ、おじさんたちが実際にどういう予防をしてるか。予防の場合は湿度とか。あまり湿度が高いと…チョウチョの幼虫は特に湿度に弱いの。高音で多湿の状態にすごく弱いのでカラッとさせながら、ある程度、病気になりにくいほどほどの温度を使います。30℃で飼うと病気が出やすくても、20℃とか25℃ぐらいにちょっと低くすると出にくかったり。」

質問者「へえええ。」

清水先生「あとはエサに気をつけます。良いエサ、元気に育つように栄養たっぷりな葉っぱを作るようにするとか。最初っから気をつけてやるの。」

質問者「へえええ。」

ということは食草としての植物の栽培も頑張ってるの? こういう話を聞くとプロだなあと感動する。

 

清水先生「昆虫を飼ってる方で、“クワガタの脚が取れちゃったからクワガタの義足を作りました”とか、そういう方は時々聞きますよね。」

質問者「へええ。」

清水先生「そういうのもありかなと思いますし、あとはチョウチョの場合、例えばアゲハチョウが蛹になる時に糸をかけるでしょう? 帯蛹(たいよう)と言って胸の部分に帯がかかってるじゃない? ああいうのが切れちゃったりすると、それが原因で失敗しないようにお手伝いしたり、糸がなくても蛹になれるようなケースを作って入れたり。それから羽化の時に落っこちちゃうことがあるのね。上がれないものも時々いるの。だいたいは既に幼虫の時に状態が悪いことが多いのね。だから羽が伸びてもあまり長生きできないんやけれども、そういうものもできるだけ助けられそうなら延命します。そして」

アナウンサー「虫のお医者さんはいないかもしれないけれども、清水先生のように虫のために一生懸命頑張ってる先生がいるんですね。」

清水先生「もう1個だけいい?」

アナウンサー「あっ、ごめんなさい。」

清水先生「ごめんなさいね。おじさんたちは温室にチョウチョを飛ばすようなお仕事してるじゃない? やっぱり羽が変な形になっちゃったり、切れて飛べないものもいるのね。そういう時には実は、死んだ同じチョウチョの羽をそっとくっつけて飛べるようにしたり。そういう外科手術に近いようなことは時々やります。」

質問者「えええ!」

清水先生「あとは産婦人科さんて言うたら失礼かもしんないけど、どうしても卵が取れない時に人工的にペアリングをしたり、卵を生ませる処置をしたり。あとは絶滅危惧種保全ていうて、そういうものを人工的に増やして守る活動もしてます。」

質問者「へえええ。」

アナウンサー「○○さん、清水先生のような先生を目指してみるというのもいいですね。」

質問者「うん。」

清水先生「動物と昆虫も含めて、こっちも考えてみてください(笑)。」

質問者「はい。未来に虫のお医者さんってできるかもしれないんですか?」

清水先生「そうやね、○○ちゃんが初めての虫のお医者さんになってください。」

アナウンサー「そうですよ! 楽しみにしてますよ-。」

質問者「はい。」

見えないところでされているお仕事には無条件に感動してしまう。

 

Q18 幼稚園へ、行く時、カラスが、ゴミ

  を、食べてるんだけど、ゴミを、出し

  て、いる家が、いっぱいあるのに、その

  家を、選ぶのは、なぜですか?

  (6才男子)

 

アナウンサー「ゴミを出している家があって、そこにカラスが狙ってくるのはどうして?ということですか?」

質問者「はい。」

上田先生「カラスだね。カラスがゴミを狙ってくる。困ったね。」

質問者「はい。」

上田先生「うーん、何でかな? カラスが狙う家と狙わない家があるのね?」

質問者「はい。」

上田先生「うーん…それはね、…いろんな理由があるんだと思うけど、カラスは○○君の家のゴミをよく狙う?」

質問者「はい、そうです。」

上田先生「たぶんね、いちばんの原因は、○○君のお家のゴミに、カラスの好きなおいしいものがいっぱいあるって、カラスが知ってるから。」

質問者「ああ-…」

上田先生「せやからカラスがあまり食べたくないようなゴミ…って言っても分からないな。カラスは目がすごく良いから、ゴミ袋の中にお肉が入ってるとかソーセージがあるとか卵焼きがあるとか、そんなんが見えると、必ず破いて食べます。」

質問者「はい。」

上田先生「だから、生ゴミは新聞紙とかにちゃんとくるんで、外から見えないようにしてゴミに出すとカラスが分からないから、あまり来なくなると思います。」

質問者「はい。」

上田先生「いろんなことがあるのよ。例えば、○○君の家は犬か猫を飼ってる?」

質問者「飼ってません。」

上田先生「そうか。猫がいると猫が怖いからカラスが来ないとか、犬が近くでつながれてるとワンワン吠えられるから来ないというのもあります。だからカラスって、人の家のことをすごく見てるのね。この家は安全な家かどうか、自分たちが好きなおいしい生ゴミがいっぱい出るかなとか、きちんとチェックしてます。」

質問者「はい。」

上田先生「だからカラスが何を考えてるかをこっちも考えて、カラスに狙われないゴミの出し方が大事かな。」

質問者「はい。」

上田先生「それから、これは○○君は分からないと思うけど、カラスってハシブトガラスとホシボソガラスの2種類がいるのは知ってる?」

質問者「うーん、知らないです。」

上田先生「先生たちが見てても…くちばしが太いのがハシブトで細いのがハシボソだと言われても中間みたいな、どっちか分からないのもおるのね。そやけども、見てるとハシブトはわりと高い所にジッと止まってるの。高い所に止まってジーッと下を見て、エサがあるとバサッと飛び下りて、エサを食べます。ほんでハシボソはわりと地面が好きで、トコトコトコトコと歩いてゴミ袋とかエサに近づいてきます。」

質問者「はい。」

上田先生「だから、ハシブトガラスがいるならば、近くにカラスが止まりやすい所を作らないこと。そんなことも大事かなと思います。

お父さんお母さんに今日のお話をして、カラスがどうすれば来なくなるかなっていうのをみんなで話し合って、いろいろ工夫してみてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君はカラスに来てほしいと思ってるのかな? それとも来てほしくないなって思ってるの?」

質問者「あんまり来てほしくないと思っています。」

上田先生「うーん……」

アナウンサー「そうですか、だったらゴミを出す時においしいものがカラスに見られないように新聞紙でくるむということとか、猫や犬を飼うというのは…ちょっと唐突ですかね(笑)?」

上田先生「マイナスもあるのね。あのね…」

質問者「あともう1ついいですか?」

上田先生「どうぞ。」

質問者「田んぼの、土を、食べているみたいだけど、」

上田先生「カラスが?」

質問者「はい。何で、土を、食べるんですか?」

上田先生「うーん…土だけ…」

質問者「その、土が、好きなのか、虫が、好きなのか、どっちか知りたいです。」

上田先生「はい。たぶん土だけは食べないと思う。その中に虫が入ってたりミミズがいたりするので、一生懸命土を掘って…遠くから見てると土ごと食べてるように見えるんだと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「カラスは目が良いということですから、土の中の虫が見えてるんですか?」

上田先生「見えてるというのもあるし、くちばしを突っ込んで探って、触感も敏感だから、くちばしに触ったら虫だと思ってパクッとするとか。カラス以外にも何となく土にくちばしを突っ込んで虫を捕まえる鳥は何種類かいます。」

アナウンサー「○○君、カラスは頭でいろいろ考えてるんですね。」

質問者「はい。」

上田先生「相手も賢いから、人間もしっかり考えないとだめだよ。」

アナウンサー「そうですね、○○君もお父さんお母さんと一緒に考えて、行動してみてくださいね。」

質問者「はいっ。」

アナウンサー「どうもありがとうございました。」

質問者「ありがとうございました。」

アナウンサー「もちろんカラス単体で観察したいという子どももいるかもしれないんですけど…」

上田先生「本当はかわいいんですけどね、頭が良いから。予想外のことをするから、それが面白い。」

アナウンサー「例えばどのような?」

上田先生「すべり台ってあるでしょ? 遊園地のすべり台を滑るカラスがいる。」

アナウンサー「ええっ!?」

田中先生「へえええ。」

上田先生「何のためにしてるか分からないけど滑ってるのよ。」

アナウンサー「それ、先生が見られたんですか?」

上田先生「僕は見たことないの。僕は電線でクルッと後ろ回りしてるカラスを見たことある。あとビルの間で風の上昇気流があると、カラスが何羽もやって来て、風乗りを楽しむ。」

先生方「ふうううん…」「ふうううん…」

アナウンサー「じゃ、カラスは遊びたいっていうような欲求があるんですか?」

上田先生「そう、カラスは遊びたい鳥なんです。他の鳥はそんなに遊ばない…オウムとかインコは遊びますけど、カラスも遊びますね。非常に知能が高い鳥だと思います。」

アナウンサー「へえええ…清水先生、虫は遊びたい欲求はありますか?」

清水先生「ぃやあ、ないんじゃないかなあ…(笑)。」

上田先生「ないですかね、虫やから。」

清水先生「虫って表情が見えないから自由気ままにやってるように見えますけれども、ただ…楽しみで遊んでるっていうんじゃないと思いますね(笑)。」

カラス対策で犬や猫を飼うとマイナスになる面、聞きたかったなあ。

 

質問終わり~先生方から一言

清水先生「ふだん僕らが考えないようなことを、いろいろと質問にしてくれて、子どもの考えというのはすごく自由というか広いなあ、って思いましたよね。今日答えさせてもらった中で、しつこいほど“昆虫じゃないけど

な”って(笑)。」

アナウンサー「(笑)そうですね!」

清水先生「けど、僕らはどうしても狭い範囲でものを考えてしまうんで、こういう変化を持った質問を頂けて、すごく楽しかったです。」

アナウンサー「カタツムリから始まって…そうですよね、先生は昆虫のご専門ですけれども、“虫”全般のことをね…(笑)」

清水先生「逆に、ほんとに良い勉強になります。やっぱり考えないと、そのことについて理解できないので、すごく良い刺激になりました。」

 

上田先生「僕も清水先生と同じで、子どもの質問って、簡単なように思えるけど、答えようと思うと、“あれ、自分も考えたことがない”、ということがあります。例えば5才の○○君の“ハヤブサは何であんな速いスピードで狩りをするんですか?”という質問がありましたけども、“そんなんハヤブサやから速いから、速くて当たり前やんか”って思って(笑)、それ以上考えなかったですけど、“あれ?”と思ったのは、同じようにタカも狩りをする。けどあいつらは森の中…だからハヤブサほどのスピードを出せないんだな、ハヤブサが速いのは、“そうなんだ、開けた空間、当たるものが何もない所にいるから速くていいんだ!”って、初めて今回気がついて。で、ハヤブサはガーンと一直線と行くわけで、わりと鈍くさいから、ああいう狩りの仕方しかできないんだなって。みんなはハヤブサはカッコイイからそういうことをやってると思うけど、それ以外できないんだと思う。オオタカとかはもっと複雑なことができると思う。考えさせられたなあっていう質問でしたね。」

アナウンサー「先生ご自身が話されてて、“そうだったんだ”と逆に気づかされることがあるというのは面白いですねえ。」

上田先生「この電話相談、本当によくあります。それだけ僕は勉強不足だということだと思いますよ。」

率直だ。ハヤブサがわりと鈍くさいという物言いも含めて。

 

田中先生「今日はわりと最新の研究と言いますか、まだ図鑑にも載ってないような、ネットのニュースで見たという質問がけっこう来てたので、みんな最新の情報にも目を向けて勉強してるんだなと思いました。僕も…図鑑に載ってる恐竜たちって、お子さんはみんな詳しいですから、最新の恐竜が出ると、僕もノートにメモをして勉強してくるんですけど、まさかこんなにすぐに情報が活用されるとは思わなかったですね。」

アナウンサー「私が子どもの頃…今41才ですけれども、図鑑を大切に持っていて、開くと5年前の図鑑だったりして、まだインターネットがありませんでしたから、最新の情報を質問することはなかなかなかったんですが、今は、図鑑を持ってる子どもたちももちろん多いと思いますが、インターネットで仕入れるというか…ですから先生も大変ですね。」

田中先生「子どもたちに負けないように、僕も勉強したいなと思いました(笑)。」

アナウンサー「でも、世界中のことをすぐに知ることができることは、やはり良い部分もありますね。」

田中先生「はい、恐竜研究って目まぐるしく変わっていくし、今年に入ってからも13種類ぐらい、ほとんど1週間に1種のペースで新種の恐竜が発見されてるんですね。」

アナウンサー「えっ! 今年に入ってからって、今3月ですのに。」

田中先生「12週間あって13種。すごい勢いですから、みんな頑張ってついてきてほしいと思います。」

 

梅原先生「鉄道の、わりに根源的な質問と言いますか…特に、なぜこの手段、方法が選ばれているのかという質問が多かったなと思うんですね。例えば、“電車はどうして電気で走るのか”。もちろん電車がいかに電気で走っているかという説明はいつもやってるんですけど…そういうことが多いんですけど、やっぱり、いくつもあるエネルギーの中から、なぜ電気が選ばれたのかというのはなかなか…その説明がうまくできてないかなと思うんですけど、それってやっぱりすごく疑問に思われるのかなと思うんですね。

あと、すみません、9時台に“電車はどのぐらい使われるか”という質問で、好きな電車に南海電車の8300系と仰ったんですね。私、勘違いして古い電車と言ってしまったんですけど、5年前に出たばかりの新しい電車です。似たような番号の電車が古くからあって…8000系というのがあって私はそっちの方が好きだったんですけど。でも南海も良い電車を作る会社ですね。」

 

 

 

子ども科学電話相談 春スペシャル3/24(昆虫、鳥、恐竜、鉄道)8時台・9時台

 

3/24のジャンルは

 昆虫 清水聡司先生

 鳥 上田恵介先生

 恐竜 田中康平先生

 鉄道 梅原淳先生

 

アナウンサー「清水先生、学校が一斉休校になって、突然お休みに入ってしまった方も多くて、どう過ごしたらいいだろうと感じてるお子さんもいると思いますが、どう思いますか?」

清水先生「そうですよね、僕らも今、臨時休館になってましてね、」

アナウンサー「そうですよね、昆虫館も。」

清水先生「(入り口の)前まで来てガッカリして帰る子どもさんの姿を見て、申し訳なく思ってるんですけどね。けど、この季節、春に向かってかなり暖かくてポカポカした日も多いと思いますけど、せっかく外に出ちゃったんなら思いっきり春を感じたら良いと思うんですよ。身の周り、足元を見渡したり、上を見上げたりすると、少しずつ芽吹きというか、桜の花なんか咲いてる所もありますよね?」

アナウンサー「東京では満開ですね。」

清水先生「よく見ると昆虫もそこかしこで動き始めて…テントウムシなんかも草むらへ行くと動いてると思いますし、モンシロチョウとかベニシジミとか、いろんなものを周りで見ることができるんですよ。近くに緑の…河川敷とか公園がある人はラッキーなので、そういう所に行って春を感じてもらったら良いと思いますし、日当たりがある・ないでも暖かさとか風当たりが全然違うので、そういう微妙な空気を感じれるのもこの季節なので。そういう所がちょっと遠いという人は、お家の周り、玄関から外へ出るだけでも全く違う世界、家の隅々、塀の隅っことかで微妙な変化が起こってると思います。そういうふだん見ない所、ぜひじっくり観察してください。」

 

アナウンサー「上田先生、お子さんの中ではいつもと違う3月だなと感じてらっしゃる方もいると思いますが、どのように過ごしたら良いと思いますか?」

上田先生「今の3月、鳥がいちばん活発。春になると鳥たちは巣を作り始めるでしょ? そのためさえずる、いろんな声を聞かせてくれます。例えばウグイスなんかいっぱい鳴いてるでしょ? そうだ、今朝、このNHKに来る時に渋谷の駅から歩いてきたんですけど、ちょうどNHKのそばのツツジの茂みでウグイスが一声鳴いたんですよ。」

アナウンサー「鳴いてましたか! 気づきませんでした。」

上田先生「渋谷にもいるの。」

アナウンサー「耳を澄ましてみると聞こえるかもしれないですね。」

上田先生「そう。今年はちょっと暖かいのでツバメが来る時期が早いとかで、もうあちこち日本全国、ツバメが来てくれてると思いますので、やっぱり鳥たちの楽しい時期ですから、この時期こそ外へ出て鳥の声を聞いたり観察をしてもらいたいと思います。コロナウイルスは怖いですけど、自然の中に行くとウイルスは飛んでないですから大丈夫です。人混みとか電車の中はだめなんですよね。だからなるべく子どもたちは、お父さんお母さんと一緒に自然の中へ行くようなことが良いかなと思います。」

 

アナウンサー「田中先生はこの3月、子どもたちにどんなふうに過ごしてほしいと思ってますか?」

田中先生「せっかく春ですし、時間もあるし、何か新しい研究を始めてみたら良いんじゃないかなと思います。あまり外に出られない子も、例えば窓から見える野鳥を観察することもできますし、清水先生が仰ったみたいに庭で…植物とか昆虫がどんどん現れていますから、そういう生き物たちの写真を撮って、庭で見られる図鑑を作るとか、あと…そうですね、夜ご飯に出てくる魚とか鳥の骨格標本を作るのも面白いですよね。」

アナウンサー「おっ! (笑)骨格標本ですか…例えば鮭を食べたら…」

田中先生「骨を取っておいて…そういうところから恐竜の勉強にもつながると思いますよ。」

発掘される化石も最初は「何かの骨のどこか」だもんね。身のあるうちに骨を観察して体のつくりを学べるのか…なるほど。

 

アナウンサー「梅原先生は春スペシャルで既に2回目の出演なんですけれども、改めて子どもたちにどんなことを伝えたいですか?」

梅原先生「せっかく休みになって、電車に乗りたいとか見たいというお子さんも多いと思いますけど、いちばん感染の危険のある場所とも言われていますので、残念ながらなかなか乗ることができないのではないかと思うんですね。鉄道に関する本や映画をご覧になっていただければと思うんです。鉄道について書いた本や映画ではなくて、鉄道が出てくる本や映画は昔の名作に多いので、例えば鉄道の小説でしたら、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』もすごく有名ですし、鉄道が出てくる映画だと…物騒なパニックものが多いですけど、そうではなくて鉄道がちょこっと出てくる名作だと、例えば、本当に昔ですけどジェームス・ディーンの『エデンの東』とかですね。あの中で主人公のキャルが貨車に乗ったり、お兄さんが戦争に行くのに列車に乗ったり、そういったところをご覧になるといいのかなと思いますね。」

アナウンサー「お子さんもお父さんお母さんと一緒に観て、いろんな角度から鉄道を見ることができるかもしれませんね。」

昆虫や鳥と同じくらい身近なのに、鉄道には観察を憚られる雰囲気を感じなくもない…どっちもやり方次第だと思うけど。

 

アナウンサー「子どもたちの質問に行きましょう。まずは、“虫”の質問ですね。」

Q1 カタツムリには、なぜ右巻きと左巻き

  あって、左巻きの方が少ないんですか?

  (小1男子)

 

アナウンサー「そうなんですね、右巻きと左巻きがあるのは知っていたんですが、左巻きの方が少ないということなんですね。カタツムリは家とか学校で飼ってるんですか?」

質問者「学校で飼っています。」

アナウンサー「そうなんですか、それで興味を持ったんですね。それでは“虫”ということで、清水先生お願いします。」

清水先生「“虫”ね…(笑)。カタツムリは昆虫ではないというのは、○○君、そこは分かってる?」

質問者「はい。」

清水先生「大丈夫やな。何で虫の方にまわってきたかというと、こういう小っちゃな生き物、ヘビとかタコとかも含めて“虫”って昔から言われてたので、きっとおじさんのところにまわってきた質問やと思うんですけれども。」

アナウンサー「(笑)フフフッ」

だからあえて「虫」と言ったのね。前日もカタツムリの話が出て昆虫担当の先生が答えていたような。ヘビ(蛇)もタコ(蛸)も虫偏の漢字だよ~って清水先生が話したこともあったな。

 

清水先生「○○君はカタツムリを飼ってるん?」

質問者「はい。学校で飼ってます。」

清水先生「それはどっち巻きのカタツムリを飼ってるの?」

質問者「左巻きと右巻き両方飼ってる。」

清水先生「両方飼ってるんや! よく右巻き左巻きって言うけれども、どういう違いがあるか、何をもって右巻き左巻きって言うか、○○君は説明できる?」

質問者「はい。殻の穴が左巻きは左にあって、右巻きは右にある。」

清水先生「上から見た時…殻口(かくこう)を上にして置いた時に、殻の穴が右に開いてるか左に開いてるかで右巻き・左巻きだよね。

これ、実はすごく難しいお話で、一般的に右巻きがカタツムリの場合は標準なんよね。それは知ってるよね?」

質問者「はい。」

清水先生「なぜそこに左巻きが生じたかを考えた方が良いと思うのね。そもそも何で右巻きばかりかということも、まず考えていきたいけれども、カタツムリもやっぱり子孫を残さなきゃいけないよね?」

質問者「はい。」

清水先生「その時に右巻きと左巻きが混じってるとどうなのかなって、○○君、考えたことある?」

質問者「…ない。」

清水先生「ないわな(笑)。カタツムリは繁殖する時に、交接っていうの聞いたことあるかな?」

質問者「……はい。」

清水先生「雌雄同体、オスとメスが同じ体に入ってるのね。」

質問者「はい、知ってます。」

清水先生「だからオスの機能もあるしメスの機能もあるのね。2匹が交接といってお互いに交換し合って卵を受精させて2匹が卵を生むという繁殖の仕方やんか。」

質問者「はい。」

清水先生「その時に右巻きと左巻きはなかなか交接しにくいみたいなのね。だから右巻きだったら右巻きばかりの方が良い、というのが左巻きが生じにくい理由の1つなんかなと思うの。」

質問者「はい。」

清水先生「じゃあ次に、何で左巻きが生じたのかなって考えようか。生き物というのは進化していくために、必ずイレギュラーというか、少し変化のあるものを生じていくことが多いのね。

ちょっと飛んじゃうけど、例えば、おじさんがよく扱ってるシロオビアゲハというアゲハチョウがいます。真っ黒なアゲハチョウなんやけれども、後ろの羽に横に1本スーッと白い帯が入るのね。だからシロオビアゲハって言うんやけど。オスもメスもふつうは白い帯が入ってるんやけれども、メスには擬態型というものが生じます。擬態って分かるかな?」

質問者「分からない。」

清水先生「真似をすること。何で真似をするのかというと、毒のあるチョウにメスが真似をすることで、敵に狙われにくくするの。そういう擬態型というのがシロオビアゲハに生じることが分かってるの。子孫を残すために何かしらの変化を持つ個体が現れる、そういう型を持つのは有利と考えられるのね。」

質問者「はい。」

清水先生「じゃあ何で左巻きか。おじさんには専門外すぎて何ともなんですけど、東京にはたぶんいなかったと思うんやけれども、カタツムリの天敵でセダカヘビというのがいるの。それは聞いたことないかな?」

質問者「知っています。」

清水先生「そこまで知ってたら、セダカヘビが右巻きのカタツムリを食べやすい口の形をしてるけれども、左巻きはあまり得意じゃないという研究があるのは聞いたことない?」

質問者「それも知ってます。」

清水先生「おお…(笑)。」

私だったら「ならなぜ聞く?」って大人げなくツッコミ入れるところだ。擬態の他は全部「知ってます」だから、カタツムリについていろいろ調べたんだろうなあ。

 

アナウンサー「知ってるんですか…。すごいですね。」

清水先生「だから左巻きは、おそらくシロオビアゲハの擬態と同じで、右巻きばかりだとリスクというか不利なので、その遺伝子の中に左巻きが出る要素を組み込んでるかもしれない。それで左巻きが生じます。

けど、左巻きが生じたけれども、やっぱり子孫を残しにくい形質なのね。右と左では残しにくいので。だからふだんは隠れちゃってる。」

質問者「はい。」

清水先生「○○君が飼ってるのは左巻きばっかり出てくるヒダリマキマイマイっていうやつかな?」

質問者「右巻きが多い。」

清水先生「右巻きが多いの? たまたまそこに出たんかな。その中に種類としてヒダリマキマイマイというのも実はいるんよ。固定というか左巻きが標準になったのもいるんやけれども、それはおそらくそういったことから発生して、右巻きの中に左巻きが混じるよりは左巻きになった方が有利という進化を選んだのかなとも思います。ただごめんなさい、こうだって決めつけれないんやけれども、右巻き・左巻きがあるというのはそういう理由が考えられるんじゃないかなと思います。…ちょっとまとまりがなかったかもしれないけどね。」

アナウンサー「左巻きが生じるのは子孫を残すという点で考えると不利になるけれども、天敵であるヘビには食べられにくいので、左巻きが生じるのではないかという。」

清水先生「ただ、○○君がいる東京にはその天敵がいないと思うんやけれども、その名残というか、地球の歴史はすごく長いでしょ? その歴史の中でそういうものが有利な時期があったのかな…そういうふうに考えたいのかなぁと…田中先生(笑)。」

田中先生「………はい…」⇦完全に素だったかも。

アナウンサー「田中先生、急に振られましたけれども(笑)。」

清水先生「すいません、急に振っちゃったもんで(笑)。」

田中先生「いや、僕も全然知らなかったので、一緒になってビックリして“ほおー!”と聞いてました。」

アナウンサー「(笑)そうですか。○○君、分かりましたか?」

質問者「はい。あと学校に今ヘビがいます。」

田中先生「へえええ~」清水先生「(笑)ヘビがいる!」

アナウンサー「そうか、そうするともしかしたら左巻きのカタツムリはヘビに食べられにくいので、これからもカタツムリを…ヘビもそうですけど観察し続けて、また分からないことがあったら電話してくださいね。」

質問者「はい。」

ヘビも飼ってるのか、ヘビのエサをどうしてるのか、休校中のお世話は誰がやっているのか(学校の先生方だろうけど)、気になることだらけで終わっちゃった。

 

Q2 羽があるのに飛べない鳥と飛べる鳥はど

  うやって見分ければいいですか?

  (小3男子)

 

アナウンサー「この羽というのは翼のことでしょうかね?」

上田先生「そうですね、パタパタって空を飛ぶ翼のことかな?」

質問者「はい。」

上田先生「分かりました。うん、そうだね、羽があるのに飛べない鳥もいるし、上手に飛ぶ鳥もいるよね? スズメとかカラスとかツバメとか知ってるよね?」

質問者「はい。」

上田先生「あれは飛べるよね?」

質問者「飛べます。」

上田先生「羽があるのに飛べない鳥、何か知ってる?」

質問者「ヒヨコとかニワトリ。」

上田先生「うん、ヒヨコはまだ子どもだから、大人になると羽、翼がちゃんと生えてくるよね? それでニワトリになる。ニワトリは翼があるけれども飛べないかな?」

質問者「はい。」

上田先生「全然飛べないかな?」

質問者「たぶん飛べない。」

上田先生「そうかな? ブロイラーとかは狭い所にギュウギュウ押し込めて飼ってると全然飛ばないけど、庭とかで放し飼いにしておくと、飛べるものは100メートルぐらい飛べます。」

アナウンサー「そんなに飛べるんですか?」

上田先生「翼がちょっと小さくて体が重いから大変だけれども、一生懸命バタバタバタバタって…ちょっとは飛べます。」

質問者「へえええ。」

上田先生「そう。羽があるのに飛べないかな、飛べるかなっていうのは、見ただけでは難しいのね。」

質問者「ふうううん。」

上田先生「ニワトリの親戚のキジは知ってるかな?」

質問者「……うーん…」

上田先生「クジャクは知ってる?」

質問者「クジャクは知ってます。」

上田先生「動物園にいるよね? クジャクもニワトリの仲間です。」

質問者「へえええ。」

上田先生「クジャクは飛べると思う?」

質問者「……飛べない、と思います。」

上田先生「尾っぽの長いのを見ると飛べないように思っちゃうよね?」

質問者「はい。」

上田先生「そやけどもクジャクは飛べます。」

質問者「ええっ!?」

上田先生「先生はずっと前にインドに行った時、野生のクジャクを見ました。クジャクは地面からバタバタバタバターッて…ちょっと重たそうやったけども(笑)、200メートルぐらい飛んで木の上に止まりました。だから“クジャクは飛べるんだ”って思った。」

質問者「ふうううん…」

上田先生「だから見ただけで飛べるか飛べないかは、ちょっとだけ難しい。飛べそうで飛べない鳥もいるし、飛べなさそうで飛べる鳥もいますけど、翼がしっかりあると飛べると思った方がいいけども、あまり体が重たいと、いくらバタバタしても空に浮かばないから飛べなくなってしまうよね。」

質問者「ふうううん。」

上田先生「アヒルって知ってる?」

質問者「知ってます。」

上田先生「アヒルは飛べる?」

質問者「飛べない。」

上田先生「そう、飛べないよね。だけどアヒルはカモの仲間のマガモマガモを人間が品種改良してアヒルにしたのね。マガモは飛べます。」

質問者「えっ。」

上田先生「マガモは飛べるけどアヒルは飛べない。色も形もよく似てるけれども、よく見るとアヒルの方がちょっとでっかいのね。体重でマガモの2倍以上あります。だけど翼は同じぐらいでしょう? 体重が2倍だから、アヒルが飛ぼうとして羽ばたいても体が浮き上がりません。だからアヒルは飛べない、マガモは飛べる。」

質問者「へえええ…。」

上田先生「ちょっと難しいけど、じっくり見ると、この鳥は飛べそうかな、飛べなさそうかなっていうのが分かってくるかと思うけど、どうですか?」

質問者「なんか、飛べる鳥と飛べない鳥がいたけど、アヒルマガモから人間に作られたけど、体重は2倍ってことが…」

上田先生「そう、重たいとだめなんだ。」

ヒルもニワトリも飛べないのは人間が卵やお肉をたくさんとれるように品種改良した結果だよね。

 

アナウンサー「翼があっても体が重たいと飛べないのは何となく分かりますか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「これ、恐竜まで遡ると…田中先生、どうなんでしょうね?」

田中先生「恐竜の化石だとさらに難しくて、骨だけで飛べるか飛べないかを考えなきゃいけないんですよね。○○君、始祖鳥って知ってるよね?」

質問者「はい。」

田中先生「始祖鳥は飛べたと思う?」

質問者「夏休みに自由研究で調べて、昔、始祖鳥は飛べない鳥…(聞き取れず)いたけど、最近の研究では飛べたらしいよって、お母さんから聞いた。」⇦恐竜キッズなのかぁ~と思って聞いてたら、お母さんも最近の研究をチェックをしてるとは。

田中先生「実は始祖鳥は、いまだに研究者どうしが議論しています。学会に行くと毎回バトルしてます。」

上田先生「ほんと始祖鳥って難しいんですよね。うん…」

アナウンサー「そういう鳥もあるんですね。まだまだ研究中の鳥もあるということです。」

上田先生はまだ話したそうだったけどお天気と交通情報のお時間のため終了。

 

Q3 オーストラリアで見つかった恐竜化石が

  オパールみたいにキラキラしてるのは何

  で?(6才女子)

 

アナウンサー「これは何で知ったんですか?」

質問者「キラキラ化石はインターネットで見たよ。」

田中先生「○○さんって、もしかして去年、博物館で会ったことある?」

質問者「うん!」

田中先生「そうだよね、博物館のイベントに来てくれて、ちょっとお話ししたよね?」

質問者「うん!」

田中先生「また電話してくれてありがとうございます。」

質問者「ありがとうございます。」

田中先生「はぁーい。とっても面白い質問をありがとうございます。難しい質問だね。インターネットの記事で見たって言ってた?」

質問者「うん。」

田中先生「去年、2019年に発表された新種の恐竜で、オパールで保存された化石が見つかりました。○○さん、イグアノドンって知ってる?」

質問者「うん。」

田中先生「イグアノドンってどういう恐竜だっけ?」

質問者「……草食恐竜。」

田中先生「草食恐竜で、2本脚で歩いて…4本脚かもしれないけど。このイグアノドンの仲間の恐竜で、フォストリアという名前が決まった恐竜です。このフォストリアの化石がオパールで保存されてたと言われています。

オパールと言ってくれたけど、オパールって何か分かる?」

質問者「うん。」

田中先生「説明できる?」

質問者「持ってる。」

田中先生「持ってる? それはどういう石?」

質問者「…小っちゃくてまるの形。」

田中先生「色は?」

質問者「………」

アナウンサー「分かりにくいかな? どんな色をしてますか?」

質問者「………」

アナウンサー「白かな? どんな感じなんでしょう。」

田中先生「そうか、手元にないかな。」

質問者「…キンキラ。」

田中先生「キラキラ? 硬くてツルツルしてる?」

質問者「うん。」

田中先生「そうだよね、オパールはとっても硬くて、水晶という宝石とよく似た成分を持っています。水晶というのはガラスとよく似た成分なんですね。だからツルツルしててキラキラ光って見えます。成分によってちょっとずつ色が変わるんだけどオパールという宝石があります。」

質問者「うん。」

田中先生「このフォストリアという恐竜化石は、オパールが見つかるオパール鉱山から発見されました。だからこの場所では、恐竜とかいろんな動物の骨の化石が、長ーい時間地面の中にいるうちにオパールの成分が染み込んで、オパールに移り変わった、切り替わったと考えられます。」

質問者「(ため息)ふぉおおお! そうなんだ。」

田中先生「これを“オパール化”って言うんだけど、化石だとたまーにそういうのがあるんだよね。」

質問者「(息を飲んで)ファッ! …すごい……」

田中先生「(笑)すごい。アンモナイトの化石も、時々きれいにオパール化したものが見つかるんだけど、長い時間をかけて骨の成分が違う物質に置き換わった状態ですね。」

質問者「(息を飲んで)ヘェッ! すごーい、そうなんだ。」

田中先生「そんな感じでいいかな?」

質問者「うん!」

アナウンサー「骨自体は最初はオパールのようにキラキラしてないけれども、オパール鉱山の中で見つかったということで、骨がオパール化したということなんですか。」

田中先生「そこら辺の詳しいお話は鉱物の西本先生が…明日だったらきっとお答えしていたと思うんですよね。」

アナウンサー「じゃ、○○さん、明日も放送してますので、よかったら明日も聞いてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「どうもありがとうございました、さようなら。」

質問者「ありがとうございました、さようなら~。」

田中先生「さようなら~。」

アナウンサー「骨って何となく白というか無機質なイメージがありますけれども、それがキラキラしていたら、とても興味を惹かれるでしょうね。」

田中先生「そうなんです、ツルツルして青く光ってたりして、ほんとにきれいなんですね。骨の宝石と言いますか。」

アナウンサー「骨の宝石! そういうことだったんですねえ…。」

骨が石になる仕組みもよく知らないのにキンキラの宝石になる骨もあるのか~、太陽で水素がヘリウムになるのと同じくらい不思議。

 

Q4 車両の引退ニュースを聞いていて、車両

  はどのぐらい寿命があるのかなと思いま

  した。(小5男子)

 

梅原先生「○○さんがお住まいの近くを走ってる電車は何線ですか?」

質問者「JRの阪和線です。」

梅原先生「阪和線ですね、大阪と和歌山の間を結んでいる路線ですけれど、阪和線の電車ってどのぐらい使っているか分かりますか?」

質問者「…分かりません。」

梅原先生「JR西日本という会社が走らせているんですけど、けっこう長く使う所が多くて、50年ぐらい使ってるんですね。」

質問者「はい。」

梅原先生「最近、阪和線の電車は新しくなったと思いますけど、その前を走っていた電車は確か昭和38年製というのもあったと思うんですね。そのぐらい古いです。

実は電車の寿命にはいろんな考え方があって、いちばん短い寿命の電車は、要するにお客さんが“こんな古い電車に乗ってるの嫌だよ”ですね。やっぱり古くさいから、乗り心地も悪いし…っていうことだと20年ぐらいなんですね。」

質問者「はい。」

梅原先生「ところが機械としての車両というのはすごく長持ちして、今いちばん長く使われている電車は…やっぱり和歌山県の近くですけど、大阪と堺の間を走ってる阪堺電車という路面電車がありますよね?」

質問者「はい。」

梅原先生「そこでは90年以上使ってる電車があるんですね。」

田中先生「へええええ…」

アナウンサー「ふううん?」

梅原先生「本当に毎日走ってるんです。だけどこの電車は冷房がついていないので夏は走っていない…冷房がないとやっぱりみんな夏は乗りたくないですよね? でも機械としては使えるので走っているんです。

鉄道の車両ってものすごく大切に使われてて、下の機械はまだ使えるからずーっと100年近く使ってる電車もありますし、車体は先に寿命が来てしまうので新しいものに替えるということもあって、いろんな考え方があって一概には言えないんです。言えないけれども、だいたい50年くらい使うのが一般的なJRの在来線とか私鉄の電車は多いかなと思います。」

質問者「はい」

梅原先生「例外的に短いのは新幹線の電車です。この3月に東海道新幹線を走っていた700系という電車が引退しましたけど、あの電車は15年ぐらいしか走ってないんですね。

たった15年と言いますけど、新幹線の電車はすごくスピードが出るので、ものすごく長い距離を走るんですね。700系は1日に長くて3000キロぐらい走ってたことがあって、東京と博多の間を1往復半していたんですね。そうすると年間に20万キロぐらい走る時があって、それを15年も使うと300万キロぐらい走るんですね。」

質問者「はい。」

梅原先生「さっき言った阪堺電車だと路面電車だから、そんなに走らないんです。たぶん100万キロも走ってないと思うんですね。そもそも走ってる距離も短いし、スピードも出ないので、車体がそんなに傷まないんです。新幹線の車両はすごく速いスピードで走ってるので、トンネルに入った時に車体が押し潰されたりしますし、車輪にしてもモーターにしても電気部品の傷みもものすごく激しいので、どうしても短い年月で寿命になってしまう。その代わり走った距離は…同じくらいかどうか分からないですけど、新幹線の車両はとにかく極端に長く走っている。路面電車だと時速20キロぐらいで走ってますから長持ちするのかな、というところがありますね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君はどのような電車が好きですか?」

質問者「えっと、南海電車の8300系という電車が好きです。」

梅原先生「うんうんうん、はい。」

アナウンサー「それはどのような電車なんですか?」

梅原先生「8300系だと、南海本線の通勤電車ですね?」

質問者「はい、そうです。」

梅原先生「あれも…どうでしょう、登場してからどのぐらい経つかな、30年ぐらい? 20年から30年ぐらい…細かいことは分からないです。南海も電車をすごく大事に走らせる会社なんですよね。これも経済学とかの考え方で、一生懸命に整備して長ーく使うのと、頻繁に更新して整備にあまりお金をかけない…というか新しいものにどんどん替えた方が良い…性能の良い電車も走るしお客さんにも喜んでもらえるという考え方もあって、会社ごとに違うんですけど、南海の電車は比較的長く走ってますよね。整備がとっても上手な会社なので長ーく走ってますね。」

質問者「はい。」

番号最後に梅原先生から訂正があり、8300系は5年前に作られた新しい電車だそう。

 

Q5 フンコロガシはどうしていろいろな糞を

  集めて転がしているのですか?

  (1年生女子)

 

「1年生」としか言わなくて勝手に小学生だと思ったけど、声のトーンとか話し方から中学生かもしれない。

 

アナウンサー「○○さんはフンコロガシを見たことがありますか?」

質問者「見たことありません。」

清水先生「何で丸めてんのやと思う?…知ってたら聞かへんな(笑)。」

アナウンサー「でも想像してみて…」

清水先生「うん、ちょっと想像してみて。たぶん○○さんが言ってるのはスカラベ…タマオシコガネとかテレビでよくやってると思うんやけど、そういうものを見て何で転がしてるのかなって思ったんかなと思うんですけれども、その糞を転がしてどうするんかな?」

質問者「…食べるため?」

清水先生「お、そうやな。ウンチといっても、まだその中には栄養が残ってるのね。まだまだ使える栄養が残ってるので、それを食べます。自分も食べるけれども、幼虫のエサにします。そのために運んでるんです。

巣穴、卵を生む場所をウンチのすぐ周りにする種類もいるんやけれども、転がしていって別の場所で穴を掘って、その中で幼虫を育てる。その目的で転がしていくんです。あのまん丸の玉、上手いこと作ってるよね?」

質問者「うん。」

清水先生「糞虫ってよく見ると、あれを作りやすいような体をしてるんやけれども、ウンチの邪魔な部分を削り取ったり、ペタペタと押し固めて丸めたり、あとは転がしてる時はどう? ふつうに転がしてた?」

質問者「ううん、脚で転がしてた。」

清水先生「逆立ちしてたよね?」

アナウンサー「そうなんですか?」

清水先生「はい(笑)。上手にウンコを…ウンコって言ったらあかんな(笑)、糞を扱える体をしてるのね。それを転がして地中で巣穴を作って、そこに卵を生みつけて、次の世代につなぐのね。

面白いのはね、こういうの聞いたことあるかもしれないけれども、ボヤボヤっとしてると別の糞虫に玉を持っていかれたりするみたいなのね。」

質問者「ふうううん。」

清水先生「自分で作るよりも誰かが作ったものを持ってっちゃった方が楽ちんやもんね?」

質問者「うん。」

清水先生「そういう要領の良いものもいるし…おじさんも見たことないねやんか、見てみたいよねって思ってます。実は日本にもフンコロガシがいるんですけれども、どれぐらいの大きさか分かるかな?」

質問者「分からない。」

清水先生「分かんないな、急に言われても(笑)。2~3ミリ。マメダルマコガネという小っちゃーいフンコロガシがいます。それが…かなり前になると思いますけど、日本のフンコロガシはよく分かってなかったんですけれども、実は小っちゃいけど転がしてる糞虫がいるのが見つかったのね。」

質問者「ふうううん。」

清水先生「そんなに小っちゃいんで、転がしてる姿も意識してないとなかなか見えないじゃない? 2~3ミリの糞虫が玉を転がしてる…人間の1メーターとか1.5メーターの上から見下ろして、そういうのって見つけられないじゃない?」

質問者「うん。」

清水先生「そういうものも実は日本にいることが分かってるので、興味があったら探してみたら良いと思います。」

質問者「うん。」

清水先生「あとは糞虫と呼ばれる仲間はたくさんいるんですけれども、他のものは転がすんじゃなくて塊を引っ張っていったり。引っ張っていくところは見れると思うよ。」

アナウンサー「糞虫の中でも身近で見られそうなのはどのようなものが…」

清水先生「そっか、大きさ的に見やすいのは、おそらくセンチコガネの仲間かなと思いますけれども…えーっと○○さんは新潟県…山手の方に…おじさんたちは糞虫を観察したい時はウンチを持って行っちゃうんやけれどもね。」

アナウンサー「え、ウンチというのは?」

清水先生「あのぅ…まぁいろんなウンチがありますよね?」

アナウンサー「え、誰のウン…(笑)」

清水先生「中には自分のを使われる方もおられるんですけれども、おじさんは…例えば牛のウンチとかね、馬のウンチとかをちょっともらって行ったり。ただ、いろいろ問題があって、人工飼料というか、牛を飼ってる所はいろんな薬品を使ってることがあるんで、そういうものをむやみに野山に持って行くのはどうかという話もあるんで、最低限にしてほしいですけれども、そういうものを持って行って、お家の人に山手の林道…林道って分かる?」

質問者「分かりません。」

清水先生「お山の中に作業をするためとか、ドライブウェイでもいいけど道がついているのね。少し木漏れ日の入るような、風通しの良い、木に囲まれたような所に糞虫はよくいるので、そういう所にそっと置いとくの(笑)。すると集まってきて…糞虫自体を観察するのはすごく簡単です。あとは牧場、放し飼いにしてる牧場に行くと、たくさん見れると思うんでね。」

質問者「ふううん。」

アナウンサー「○○さん、ぜひその好奇心をこれからも持ち続けて、いろんなことに挑戦してみてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q6 ウ グ イ ス は 声 が 聞 こ え  る の に

  見 つ け ら れ な い…の は ど う し て

        で す か ? ど う し た ら 見 つ け ら

        れ る の ?(6才女子)

 

1音ずつ一生懸命に読み上げてる様子がかわいい。小学校に入ったら国語の時間はこんな感じかな。

 

アナウンサー「○○さんはウグイスの鳴き声が聞こえるけれども見つからないんですね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「上田先生、今朝も渋谷でウグイスの鳴き声を聞いたということですからね(笑)。」

上田先生「はい、聞きました。家の近くでウグイス鳴いてるの?」

質問者「うん。」

上田先生「どんな声?」

質問者「……ホーゥ、コケッキョー。」

スタジオ内「(笑)」「(笑)カワイイー!」

別の鳥もいるようだけどまぁいいか!

 

上田先生「(笑)上手上手。そう、ウグイスの声、本当に良い声だし、みんながすぐ気づくよね? いつも聞きますか?」

質問者「聞いてます。」

上田先生「近くにいるんだね。」

質問者「はい。」

上田先生「家の周りはどんな感じですか? 森とかあります?」

質問者「ないです。」

上田先生「うーん、そっかぁ…ウグイスはどこで鳴いてるのかな?」

質問者「木のらへんに聞こえます。」

上田先生「木のある所? 木はあるんだね。そう、ウグイスは木の中というか…大きな木じゃないのね、背の低い木がいっぱい茂っていたり、笹、笹藪って分かるかな?」

質問者「わかんない。」

上田先生「とにかく木があって、いっぱい草がや葉っぱがあって…なかなか見つけにくい所に住んでるの。だから先生も、ウグイスの声を10回聞いたら1回ぐらいしか姿を見れない。」

質問者「うん。」

上田先生「すごく難しいのよ。だけど見たいわけね?」

質問者「うん。」

上田先生「見れないことはないと思う。うん…」

アナウンサー「どうすればいいですか?」

上田先生「ウグイスの声の聞こえる方へ、そーっと近づいて行ってジッと待ってる。5分でも10分でもジーッと待ってる。そんならウグイスの方からたぶん出てきてくれます。

だけどウグイスもその時の気分次第やから、出てきてくれる時もあるけれども、遠くへ行ってしまう時もあって、その時はあきらめなくてはいけません。だからウグイス次第。」

質問者「うん…。」

アナウンサー「○○さん、お父さんとかお母さんと一緒に行って、そーっとそーっと近づいていったら、もしかしたら見られるかもしれませんよ。」

質問者「はああい。」

上田先生「そーっと行って静かにジッとしてる、これがいちばん。こっちから歩いてくとウグイスは人間が怖いから逃げてしまいます。」

質問者「はあい。」

上田先生「そーっとね。頑張って見てください。」

質問者「はい。」

 

Q7 ミャンマーで見つかって琥珀に入ってい

  た白亜紀の化石、オクルデンタビスは、

  なぜ恐竜と判断されたのですか? あと

  飛べたのですか? 飛べたとしたら飛び

  方は滑空なんですか?(小2男子)

 

田中先生「○○君は去年の9月にこのスタジオに遊びに来てくれたよね?」

質問者「はい。」

聞き覚えのある名前と思ったら、「恐竜スペシャルリターンズ」でスタジオに来たお子さん3人組の一人か! モンゴルにいる小林先生ともお話ししてラクダの群れに興奮してましたな。

 

田中先生「一緒にここでお話ししましたよね?」

質問者「はい。」

田中先生「また電話してくれてありがとうございます。そして最新の研究の話を持ってきてくれましたね。もう1回名前を言ってくれる?」

質問者「オクルデンタビス。」

田中先生「オクルデンタビスという動物の化石が琥珀の中から見つかったんだよね。写真見た?」

質問者「はい。」

田中先生「すごくなかった? 琥珀の中でそのままのような感じで…骨なんだけれども、きれいに化石が残ってたよね?」

質問者「はい。」

田中先生「あれを見て○○君はどう思った? 恐竜? 鳥?」

質問者「鳥。」

田中先生「鳥に似てると思った? ニュースでは恐竜って書いてあった?」

質問者「はい。」

田中先生「あれ、実は鳥です。ニュースで“世界でいちばん小さな恐竜発見”となってたけど、僕もその後に論文をよく見てみたら、はっきりと鳥と書いてありました。」

質問者「えっ?」

アナウンサー「鳥なんですか?」

田中先生「鳥です。○○君、じゃあ何で恐竜って発表されたか分かる?」

質問者「はい…(笑)。」

田中先生「何でだと思う?」

質問者「恐竜から鳥が進化したから。」

田中先生「素晴らしい! じゃあ鳥って恐竜?」

質問者「……うーん…まあ、うん。」

田中先生「そうです、鳥は恐竜です。」

電話の向こうのお子さんが言いよどむ一方、日本野鳥の会の会長さんもいるスタジオで言い切る田中先生。

 

田中先生「だから、鳥を含めて恐竜の中で、いちばん小さな化石なんですね。鳥でも恐竜でもいっちばん小さいのがオクルデンタビスということが分かりました。どれぐらい小さいと思う?」

質問者「……20センチ?」

田中先生「もっと小っちゃいね。」

質問者「(笑)フホホホ…10センチ?」

田中先生「10センチもないと思う。今、生きているいちばん小さな鳥って何か知ってる?」

質問者「マメハチドリ。」

田中先生「すごいね!」

他の先生方は静かに笑って「かなわん…」て空気出してますよ。

 

田中先生「ハチドリは小さいよね? 小さいやつだとだいたい6センチぐらいで、体重が2グラムぐらい。2グラムって1円玉2枚。めちゃくちゃ小っちゃいよね?」

質問者「はい。」

田中先生「頭も当然小さいんだけど、くちばしを除いた頭の長さが8.8ミリあるんだって。だから1センチよりも小っちゃい。」

質問者「ウワァ…」

田中先生「新しく見つかったオクルデンタビスの頭骨は、くちばしを除く長さが7.1ミリ。」

質問者「ウワ…」

田中先生「1ミリちょっとハチドリよりも短いということで、世界でいちばん小さな鳥であり恐竜であると言われました。だからニュースでは“世界でいちばん小さな恐竜”となってたんだよね。たぶん研究者が“いちばん小さな恐竜”って言いたかったんだと思う。」

アナウンサー「世界でいちばん小さい鳥と発表しても、事実関係としては合っているということなんですね。」

 

田中先生「もう1つの質問は飛べたのかどうかって言ってくれたよね?」

質問者「はい。」

田中先生「滑空していたんじゃないかって○○君は考えたわけね?」

質問者「はい。」

田中先生「これはすごく難しくて、というのは、体の化石は見つかってないの。頭しか見つかってなくて、どういう翼の形をしてたかは分かってないんですね。

それでオクルデンタビスにいちばん近い動物が、始祖鳥と…始祖鳥は分かる?」

質問者「はい。」

田中先生「あとジェホロルニスという中国で見つかっている鳥がいるんだけど、この2つで、始祖鳥はさっきの質問でも飛べたかもしれないし飛べなかったかもしれないと議論になっているとお話ししたけど、まだ曖昧なところがあります。ジェホロルニスはおそらく飛べたと思います。その間にいるのが今回見つかったオクルデンタビス。だから…飛べたとは思うけど、そんなに得意じゃなかったかもね。これはまだ化石が見つかってないから難しい。」

質問者「はぁ…。」

アナウンサー「頭だけしか今は見つかってないから、飛べたかどうかを断言するにまだは難しい、ということなんですか。」

田中先生「周りの鳥の化石を見ても、飛べたかどうかは、あやふやなところにいるので難しいですね。」

アナウンサー「○○君はどう思いますか?」

質問者「えー……小っちゃいから飛べたと思う。」

田中先生「うん、そうだよね、ある程度、何かしらの飛ぶ能力はあったかもしれないけど、今の鳥と比べたらどうかというのはまだ難しいかな。」

アナウンサー「○○君は小さい体だから飛べたのではないかな、ということでしたね。」

田中先生「十分あり得る話ですよね。だから○○君が大人になる頃にはもっといろんなことが分かっているかもしれないし、○○君が実際に調べてくれるかもしれないから期待しています。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君、将来の夢は何ですか?」

質問者「恐竜博士です。」

田中先生「素晴らしい。」

アナウンサー「頼もしい答えですね~。また疑問があったらぜひ番組に電話してくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q8 パンタグラフがいろいろな形があるのは

  なぜですか?(小1男子)

 

梅原先生「○○さんのいつも見ている電車のパンタグラフの形って何ですか? どんな格好してますか?」

質問者「だいたい菱形とシングルアーム型です。」

アナウンサー「…ん?」

梅原先生「…(笑)はい、パンタグラフは電車の屋根に乗っている部品で、上空にある架線という電線から電気をとるためのものなんですけれども、今○○さんが言ってたのは菱形のものと、それからシングルアーム型と言って、菱形を半分に切ったような、くの字型の、アメンボの脚みたいなものと2種類です。大きく分けると2種類あって、だんだん菱形のものが少数派になっているんですね。」

昆虫の脚にたとえて鉄道ジャンルを番組に馴染ませ、オタクのイメージを緩和しようとしてるんだろうか。ラテン語由来の種名をスラスラ言ってくる恐竜キッズといい勝負だと思って楽しんでるけどな。

 

梅原先生「どうしてこの2つの形があるのかということですけど、元々パンタグラフというのは、実は同じ形を同時に描けるようにするための製図の機械で、誰もあまり見たことがないものの代表的なものなんですけど、要するに菱形のものが元々はパンタグラフだったんですね。」

質問者「はい。」

鉄道用語じゃなかったのかパンタグラフは。集電装置の菱形のタイプか。本当のパンタグラフはもちろん見たことない。

 

梅原先生「それは電車が揺れても、バネや空気の力でずっと架線から離れないとか、高さが低くなっても高くなってもうまく伸び縮みするという、すごく良い発明だったんですね。

ところが、その菱形のパンタグラフにもいろいろ欠点があって、例えばやっぱり大きすぎるとか、低い所になかなか対応しづらいんですね。地下鉄のパンタグラフって見たことありますか?」

質問者「あんまりない。」

梅原先生「実は地下鉄はトンネルの高さがすごく低くて、レールに電気が流れていることが多いんですけど、ほとんどパンタグラフが…何て言うのかな、へこんで…平べったくなるぐらいに縮んでる時があるんですね。それは本当に特別な構造のパンタグラフですけど、それでももっと低くしたい時には難しくて、それで1本脚というかシングルアームパンタグラフが発明されたんですね。

これはくの字型で、しかも…菱形のパンタグラフは枠が伸び縮みするんですけど、シングルアームパンタグラフは本当に棒なので、すごく伸び縮みしやすいし、低くもなりやすい。あと、日本は雪がたくさん降りますよね?」

質問者「はい。」

梅原先生「雪がパンタグラフに積もって上がらなくなって電車が運休になることが、雪国ではけっこうあるんですね。でもシングルアームパンタグラフだと表面積が小さいし構成している部品も少ない。単に棒を上げてるだけなので、上げてる力も強いので、雪にも強い。そんなことでシングルアームパンタグラフが使われているんです。

あと、今いちばんシングルアームパンタグラフが使われているのは新幹線の電車だと思うんですね。新幹線の電車って見たことありますか?」

質問者「はい。」

梅原先生「例えばのぞみ号にしてもはやぶさ号にしても、もうシングルアームパンタグラフなんですね。もちろん電気を取り入れる性能に優れていることもありますけれども、もう1つは、新幹線はすごく速いスピードで走っているので騒音が問題になるんですね。特に騒音源になるのはパンタグラフなんです。それが風を切る音がものすごく大きいので、できるだけ表面積…前方に空気が当たる面積が少ないものにしましょうということで、やっぱり棒だけのパンタグラフに変わっていったと。菱形のパンタグラフはいろんな部品が風に当たって音がうるさいので、最近はシングルアームになりました。」

質問者「はい。」

アナウンサー「シングルアーム型というのは伸び縮みしやすい。それから雪にも強い。さらには新幹線などで音を小さくすることができる、ということなんですって。○○君、分かりましたか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「どうもありがとうございました。さよなら。」

質問者「ありがとうございました、さよなら。」

梅原先生「さよなら。」

アナウンサー「梅原先生、パンタグラフについての質問は、とにかく毎回寄せられて、興味を持ってる子どもたちが多いんですってね。」

梅原先生「そうですね、電車の絵を子どもたちが描きますと、私もそうでしたけど必ず電車の屋根の上に菱形とか、くの字型をちょこんと描く。やっぱり多いですね。やっぱりそれが電車と他の乗り物との違いなのかなぁと思いますけれども。」

         

          ~8時台・9時台終わり

 

 

子ども科学電話相談 春スペシャル3/22(昆虫、動物、心と体・哲学、ロボット・AI)12時台~13時台

3/22のジャンルは

 昆虫 久留飛克明先生

 動物 成島悦雄先生

 心と体・哲学 野矢茂樹先生

 ロボット・AI 坂本真樹先生

 

午後は0時15分から1時55分まで。日曜日のお昼の定番「のど自慢」も休止になる中、「子ども科学電話相談」は勢力を拡大。

 

Q9 何でチョウチョは鱗粉がないと生きられ

  なかったり飛べなかったりするんです

  か?(小4女子)

 

アナウンサー「チョウの羽に粉がついている、あれですかね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○ちゃんはそれをどこかで知ったんですか?」

質問者「前、本で読んだ時に、チョウチョは鱗粉が羽についてて、その鱗粉は雨のしずくを弾き飛ばしたり、飛んだりする役割があるって聞いたんです…読んだんですけど…。」

久留飛先生「チョウチョの鱗粉は見たことあるやんね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「チョウに触ったことある?」

質問者「はい。」

久留飛先生「どうでした? 手につきました?」

質問者「なんか気持ちかった。」

久留飛先生「ん?」

質問者「なんか気持ちかった。」

久留飛先生「気持ちかった…」

アナウンサー「気持ち良かった…かな?」

久留飛先生「(笑)まあ、手に粉みたいなのがついた?」

質問者「はい、つきました。」

久留飛先生「チョウの鱗粉は何であんねやろうって考えたことある?」

質問者「いえ、ないです。」

久留飛先生「チョウチョってわりときれいやんな? ということは、あの色の元は粉というか鱗粉がついてるからいろんな色に見えるわけや。」

質問者「はい。」

久留飛先生「そっちではオオゴマダラっておるか?」

質問者「はい。」

久留飛先生「あれは鱗粉がほとんどないやん?」

質問者「そうなんですか?」

久留飛先生「うん、見たことはないかな?」

質問者「あるけど…。」

久留飛先生「あるよね。羽に触る人は少ないかもしれないけど、チョウチョによっては鱗粉が少なかったり多かったり。ひょっとしたら取れるやつもいるかもしれんわね。

ただ、その鱗粉がなかったらもう生きられへんのんかって言うたら、そうでもないねん。」

質問者「そうなんですか?」

久留飛先生「うん。基本の役割としてはチョウの羽のきれいな模様を作る粉みたいなもんやから、オスとメスがお互いに出会う時に、おんなじ仲間だって分かるわけや。あとは水がかかっても羽が濡れない役割をしてることはあるやんね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「こっちの方やったら冬を成虫で越すのは珍しいんだけど、そういうチョウチョがいて、日なたぼっこをしてるんや。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「それは羽に太陽の光をいっぱい集めて、体を温める役割をしてんねん。という具合にチョウの羽はいろんな役割を持ってて、鱗粉が何の役割かって言うたら、相手と自分が同じ模様だから仲間だということを知らせたり、雨にかかった時に水に濡れない役割とか、そういうことをしていて、生きられないという極端なことは少ないと思うねん。そらぁ捕まえてきて鱗粉をぜーんぶ取り去ってしまうと困ったことになるかもしれんけど、鱗粉のおかげでいろんなことができてることもあるんや。」

質問者「ふううん。」

久留飛先生「例えばな、そっちやったらオオジョロウグモっておるやろ?」

質問者「はい。」

久留飛先生「大きな巣を張って、そこにチョウチョがかかったら、鱗粉のおかげでうまく逃げれたりもするみたいやねん。」

質問者「じゃあ鱗粉はクモの巣に残っちゃうんですか?」

質問者「そう、残るよな、取れるわけやから。その代わり本体というかチョウチョは飛んで逃げれるという。必ずしもそうでもないけど、逃げる確率が高くなるやん。だからいろんな役割をしてるんだけど、自然状態では全部を取ってしまうことはあんまり起こらないけど、起こったら生きられないんじゃないかという意味では、そういうクモの巣に捕まってしまったりとか、雨に濡れてしまって羽が重たくって体温というか下がってしまって飛びにくくなったり、羽が重たくなったりとか、そういうことも起こるわな。」

質問者「はい。」

久留飛先生「という具合に、あるものはあった方が良いわけや。」

アナウンサー「○○さん、どうでしょう、鱗粉の役割とか、こんなことに役立ってるというのは分かりましたか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「よかったです。○○さんは虫が好きなのね? いろいろ観察しているのかな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「沖縄でこんな虫を見つけたよ、とか、不思議に思うことがあったら、また電話をください。」

質問者「はい。」

過去に鱗粉がほとんどない、羽が透き通るチョウの話もあったな。血管のような筋にある突起で雨を弾いてるとか。鱗粉は取れた後に再生しない話も。

 

Q10 どうして馬はオレンジや赤が見えな

   のに、離れた所からでもニンジンだっ

   てすぐ分かるんですか? あと、同じ

   色なのにリンゴの嫌いな馬はいるの

   にンジンの嫌いな馬がいないのは

   不思議す。(小4女子)

 

アナウンサー「○○さんの近くには馬がいるの?」

質問者「乗馬習ってる。」

アナウンサー「乗馬クラブに行ってるのね? ということは、お馬さんにニンジンをあげている?」

質問者「はい。」

アナウンサー「馬はみんなニンジンが好きなのに、リンゴよりニンジンを選ぶ馬が多いぞと。」

質問者「うん。」

成島先生「○○さんは馬に乗ってるんだ?」

質問者「はい。」

成島先生「毎週行ってるの?」

質問者「毎週じゃないけど、1ヶ月に3回ぐらいは行ってます。」

成島先生「すごいね! けっこう乗れるんですか?」

質問者「はい。」

成島先生「素晴らしいですねえ。乗馬クラブに行って、お馬さんがニンジンは好きだけれども、どうもリンゴはあまり好きじゃなさそうだということと、赤い色が見えないはずなのに、どうして同じ赤い色をしているニンジンとリンゴを見比べることができるのでしょうかという質問ですね?」

質問者「はい。」

成島先生「馬が見てる世界というのは、○○さんが言うように、僕たちとは違うんだよね。僕たちは三原色と言って、赤、青、緑の色からなる色をいろいろ識別する、見極めることができますね?」

質問者「はい。」

成島先生「でもウマは、緑と青は見えるけれども、赤あるいは橙色は苦手らしいんだよ。だから赤や橙色を見ると、グレー、灰色に見えるらしいんだ。それは目のつくりがそうなっていて、色を感じる細胞がヒトには3つあるんだけど、ウマは緑と青を感じる細胞しか持ってないんだね。目のつくりが元々そうなってるから、これはもうしょうがないんだ。」

質問者「うん。」

成島先生「ニンジンもリンゴも、たぶん両方ともグレーに見えてると思うんだけど、どうしてニンジンの方を選ぶのかという質問にお答えしようと思います。○○さんはニンジンを見た時に、その食べ物がニンジンだってどうして分かる?」

質問者「色とか? 形とか?」

成島先生「色と形だね。そうするとウマは、どうも色では見極めてないようだよね?」

質問者「うん。」

成島先生「何で見極めてると思う?」

質問者「においかなあ…。」

成島先生「おお~、ピンポーンですねえ。そうなんだよ、においのことを臭覚とか嗅覚って言いますが、ウマのにおいを感じる力は人間の何百倍とか、あるいは1000倍と言う研究者もいるけど、ものすごくわずかなにおいでも嗅ぎ分けることができるらしいんですよ。だから、遠くからだとニンジンの形は見えないけど、においがするので、“おいしいニンジンがある”って、そばに寄ってくるんだ。だから見極めの1つはにおいなわけね。

そうすると、リンゴも同じようににおいを出してるわけだよね?」

質問者「うん。」

成島先生「ニンジンが嫌いな馬も中にはいるんだよ。」

質問者「(笑)ウフフフフ。」

成島先生「(笑)聞いたことない?」

質問者「あんまりない。」

成島先生「たいていの馬はニンジンが好きなの。何が好きかというと、ニンジンの中の甘味、甘い成分が好きらしいんだよ。ニンジンの甘さが好きで、ニンジンを食べるんだって。」

質問者「ふううん。」

成島先生「だから甘いニンジンが特に大好きみたいだよ。いろんなニンジンがあるけれども、甘いニンジンをやればますますニンジンが好きになると思うな。

リンゴはニンジンほど甘くないんだろうね。だからニンジンに比べたら食べないのかもしれない。ただ、中には甘いリンゴもあるので、リンゴが大好きな馬だっていますよ。人間だっていろんな好き嫌いがあるじゃない?」

質問者「うん。」

成島先生「○○さんだってニンジンは好きかもしれないけど、同じように甘いリンゴが嫌いかもしれないよね?」

質問者「うん。」

成島先生「お友だちにもいろいろいるじゃない? 私は甘くてもニンジンが嫌いっていうお友だちもいるかもしれない。

そういうふうに馬も1頭1頭によって好みがあるんだ。でも総じて馬は甘いものが好きで、ニンジンが好き。多くの馬はそうだね。そういう答えでよろしいでしょうか?」

質問者「はい。あと、離れた時に、切ってあって、袋に入れてあったりしても、馬はニンジンだって分かるんですけど、それはどうしてですか?」

成島先生「それはね、袋の中に入っていても、袋に小さな穴が空いていて、そこからニンジンのにおいが外に出てくるんだよ。僕たちはそこまで鼻が鋭くないから分からないけれども、馬の鼻は敏感なので、袋の中に入ってるものもにおいが分かるの。」

質問者「えええ!?」

成島先生「今度いろいろやってみて。馬にいじわるだけどさ、袋の中に甘いものとか苦いものとか入れて、どれが好きかってやってみたら面白いと思うよ。」

質問者「うん…。」

成島先生「そうするときっと甘いものに…特に食べ慣れたニンジンは隠してもすぐに見つけちゃうと思うな。」

質問者「(笑)フフフフフ!」

アナウンサー「そんなに賢いというか、嗅覚が鋭い動物なんですね?」

成島先生「ええ、ある研究者はヒトの1000倍ぐらい鋭いと言ってますから、1000倍ということは1000分の1に薄まってても嗅ぎ分けられるということですよね。」

アナウンサー「えええ!? そうなんですか…警察犬とかいますけど、警察馬なんてできるのかしら…(笑)想像ですよ。」

成島先生「(笑)イヌはもっと鋭いですよね。それから鼻の中にヤコブソン器というにおいを感じる特別な器官、場所があるんですね。鼻の中の粘膜についているにおいを感じるふつうの細胞と、ヤコブソン器という特別な組織を使って、嗅ぎ分けているらしいです。」

アナウンサー「ほおおお…すごい。○○さん馬はにおいを感じる力が優れているのだそうですよ。今度、乗馬クラブに行ったら、どんなものが好きかなって…クラブの了解を得ていろんなものをあげてみたらどうでしょうかね? 意外な好物があるかもしれませんよ?」

質問者「やってみます。」

馬がリンゴを食べないのはリンゴに酸味があるからなんじゃないか、ニンジンの甘みとリンゴの甘みは種類が違うのか、いろいろ思ったけど、そのうち他の質問で分かる日がくるかもしれない。

 

Q11 なぜ赤ちゃんとかのお尻は出して良い

  のに、大人のお尻は出しちゃいけない

  の?(小3女子)

 

アナウンサー「○○さんはどういうところからそう思いましたか? 何かきっかけがあったのかな?」

質問者「CMとか見てる時。」

アナウンサー「赤ちゃんのお尻は見たことがある、しかし、大人のお尻は出すと怒られるということかな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「うーんなるほど、これはですねぇ、心と体に関する質問ですよぉ、さあ野矢先生お願いします。」

野矢先生「こういう質問が来るからこの番組は怖いですねえ…。しかもこれを哲学者に答えさせるというのはもう…すごいですけれども。

テレビなんかで大人のお尻って…お尻は出しちゃいけないんですかね? お尻ぐらい出してもいいような気がしますけどね。」

先生方「(笑)」

野矢先生「お相撲さんはふつうにお尻を出してますよね(笑)。…だからテレビでは放送がどのくらい許されるのかということは措いといて、例えば大人の人が街なかでお尻を出してたら問題だけれども、赤ちゃんのお尻だったら、みんなニコニコして見てますよね? それはどうしてなのかなっていうことを考えるのでいいかな?」

質問者「…はい。」

野矢先生「ちょっと違っちゃうのかな? でも、それがいちばんの根本だから、そこから考えてみると、…“大人の”という言い方もあまり当たってないのかもしれないけれども、“ウチ”と“ソト”という感覚があるんですね。つまり身内、家の中、家の外、あるいは仲間の内、仲間の外というふうに、“ウチ”と“ソト”という感覚。これは何となく伝わりますか?」

質問者「はい。」

野矢先生「“ウチ”の中…身内、家族、あるいは仲間うち、友だちどうしでは許されるけれども、ソト側ではだめだよということがいろいろあるんですよね。

裸というのは、本っ当にウチ側の中で許される事柄なんじゃないかな。文化によりますよ、公共の場で裸で何の問題もない人たちもいます。でも、今の私たちの社会というのは、裸は本当にウチ側の、自分の身内、仲間うちでしか見せないもので、それをソト側、公共の場で見せることに対しては、それはいけないということになるんですね。」

質問者「はい。」

野矢先生「子どもの場合はウチもソトもあんまり気にしない、というところがあるから、ウチとかソトとかいう意識、けじめがなくていいやっていう場合には、別に裸でもそんなに問題がない。でも大人は、ウチ側でしか許されないことをソト側の公共の場でやっちゃいけない。… 裸以外にもいろいろありますけれどもね。そういうことがあるんだね。」

質問者「うん。」

野矢先生「あともう1つ、お尻関係だとありそうな話が…特に女の人のお尻ね。女の人のお尻を見ると、多くの男が興奮するんだね。街なかであまり多くの男を興奮させるのは社会的に良くない、興奮してるといろんなことがうまくいかなくなることがあって、例えばバスの運転手さんが通りの向こうに女の人のお尻を見て興奮して、運転を間違ったらまずいでしょ?」

質問者「はい。」

野矢先生「だからふつうに仕事したり生活している時には、あんまり興奮させないようにしよう、ということもあるんじゃないのかな。」

興奮の話はすごいな。ストレートに言いながらいかがわしさはなく。言語哲学を教えていらっしゃるだけのことはある…? 言語哲学が何かは知らんけど。

 

アナウンサー「成島先生、動物学的観点からはいかがでしょう? このお尻問題。」

成島先生「基本的に動物は服を着ませんよね?」

野矢先生「そう、お尻丸出しですよね。」

成島先生「全部が。だからやっぱり服を着るということがルーツにあるんだろうと思うんですね。何で服を着るようになったのかって考えると、たぶん先生が仰ったように恥ずかしいとか、要するにウチとソトで、ソト側の顔はちゃんとしてなきゃいけないということがあって…今でも世界にはお尻を出して生活してる人たちもいらっしゃるわけだから、文化の中で、服を着なきゃいけないという締めつけみたいなものがあったんだろうと思うんですね。」

野矢先生「でしょうねぇ…。」

アナウンサー「先生方どうでしょう、お尻問題で何か…(笑)。」

坂本先生「(笑)人間に限らず、アンドロイドとかがお尻を出してたらどうかとか…でもアンドロイドだと確かにちょっと…ちょっとドキドキしちゃう可能性がありますよね、人間のお尻の場合と同じように。」

質問者「うん。」

坂本先生「じゃあ、もうちょっと人間に近くないようなロボットがお尻を出してたら、別にドキドキしないと思うんですよね。同種のものの間だと、そういう特別な感情…ドキドキが生まれちゃって、違うものの場合は大丈夫っていう。その違いある気がするんですけど、どうでしょうか?」

久留飛先生「昆虫の場合やったら、例えばアゲハチョウの幼虫って知ってるやろ?」

質問者「はい。」

久留飛先生「アゲハチョウの幼虫が何するかいうたら、もう大きくなるだけの役割や。ところが成虫になった途端にな、やることが変わるわけや。オスはとにかくメスを追いかけ回して、相手を見つけて交尾をする。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ということは、アゲハチョウの縞模様というのは、人間で言うお尻の役割かもしれんやん。ということは、“オッケーですよ”、“交尾をして大丈夫だよ”ということを成虫になった途端に、昆虫たちは行動を変えていくわけや。」

質問者「うん。」

久留飛先生「けど人間は分かりにくいやん? 子どもなのか大人なのか、どうなんやろうって。でも大人どうしの合図としては、これは”ちゃんとした大人だよ”という合図。そう考えたら、“出したらちょっとやばいんちゃう?”って…思えへんか?」

質問者「うん。」

久留飛先生「という具合に昆虫で見るとすごく分かりやすいんや。成虫になったらとにかく相手を探して見つけて交尾をして…そういう役割に変わってしまう。それが人間は何となく成長してるから、線引き…“18才から”とか、そういう具合にはいかへんやん?」

質問者「うん。」

久留飛先生「パッと見、赤ちゃんのお尻やったら“かわいいね”と思うけど、それがいきなり女の人のお尻となったら、かわいいでは済まへんやん?」

質問者「うん。」

久留飛先生「その辺の感覚の違いがあるんじゃないか?」

アナウンサー「違うサインに受け止められちゃう…」

久留飛先生「そうですよね。」

坂本先生「うーん……女の人に限らず、逆に男の人のお尻を見たらどうか(笑)っていうのは…」

野矢先生「どうなんですか(笑)?」

坂本先生「どうなんですかね?」

野矢先生「いやいや、どうなんですか(笑)?」⇦笑いながら攻める野矢先生こわいかも。

坂本先生「(笑)ええー? うーんと、何だろう…ドキドキするというよりは、場合によっては困っちゃう感覚?の方が…」

野矢先生「見ちゃいけないものを見たっていう。」

坂本先生「うん…動揺…要は人が困ってしまう社会…そういう感情を生んでしまうからいけないんじゃないかな、という気はするんですよね。」

アナウンサー「うーん、いろんな問題が出てきましたね。文化人類学的には露出している民族もいるし、そこでは全然問題ないが、日本でやるとちょっと違和感を感じると…。」

坂本先生「何だろう、それこそ海外でみんなが服を着ない場所とか、先生も行ったことがあるんですけど、」

アナウンサー「海岸とか。」

坂本先生「海岸とか。みんなふつうに洋服を脱いじゃってるんですけど、先生はそういう文化じゃない所で育ったので、さすがに“じゃあ”ってすぐ脱ぐのはできなくて。でも逆に着ているのも恥ずかしいというか、1人だけ違うから? みんなと違うことに対する恥ずかしさもあったり…みなさんが服を着ている中でお尻を出すというのが“ちょっと違う”とか。」

アナウンサー「うーん……いろいろなお話が先生方から出ました。○○さん、いかがでしたか?」

質問者「うん…よく分かりました。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)よく分かったかな。先生方も悩みながら考えながら、言葉を選んで話してくれましたけど、すごく面白い質問だったと思います。素敵でしたよ。またいろいろな質問を送ってください。」

質問者「はい。」

先生方総出の奥深い質問だった。個人的には久留飛先生のチョウの模様はお尻と同じという話が斬新だった。

 

Q12 将来の夢が電車の運転士なんですけ

  ど、今モノレールは自動運転なので、電

  車の運転士はなくなりませんか?

  (小4男子)

 

アナウンサー「そうね、心配ですね。ちなみに○○君は運転士になるとしたら、どの電車の運転士になりたいですか」

質問者「……在来線です。」

野矢先生「(笑)在来線か、なかなか渋い。」

坂本先生「確かにモノレールとか、東京だとゆりかもめとか、自動運転の乗り物がありますよね。実際に車の自動運転に比べると、電車の方が線路がはっきりしていて、そこには人が入ってこないので、自動運転をやりやすいと言われてはいるんですけど、実はまだ大変な問題があって、例えばモノレールとかゆりかもめの場合は、元々自動運転のものを通そうということで作られているので、踏切がなかったり工夫がされているんですね。だけど、ふつうの…まさに○○君が仰った在来線だと踏切もそうですし、人が入ってくるような所が…線路の横にふつうにお家が建ってたり、猫も犬も入ってきちゃうかもしれないので、まずそこを入ってこれないように壁みたいなものを作っていかなきゃいけないとか、そういう大変さがあるんですね。

なので、絶対に人も何も入ってこないようにするのにお金がすごくかかっちゃうし、大変。そこまでして電車を自動運転にする必要があるのかどうかになるんですけど、例えば道路の場合は一般の人も運転しちゃう…高齢の人とか運転がだんだん難しくなってる人とかも運転しちゃうから、事故が起きちゃって危ないから、自動運転にした方が事故が起きないから良いよね、ということがあるんですけど、電車の場合は○○君も目指しているように、ちゃんと訓練を受けたプロの運転士さんが運転するので、安全なんですよね。なので自動運転にする必要性があまりなかったり。あるとすると、自動運転だったら今みたいに運転間隔を空けなくても、今よりもたくさん走らせることができるので、もしかしたら混雑を緩和できるメリットはあるかもしれないので、自動運転にする必要性と大変さでこれからどうなっていくか、というところなんですけど、先生は全部が自動運転に…新幹線は割と壁で囲まれていて、人とか猫とか犬とか入ってこないので、割とやりやすいかもしれないですけど、在来線はすぐには難しいんじゃないかなぁ…とも思っています。」

アナウンサー「ということは在来線の仕事は…大丈夫かしら。」

坂本先生「車掌さんとか人が完全に要らなくなることは、相当先までないんじゃないかなと思っていますけど、一部には今よりも自動運転の電車が走るようになるかなと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君が大人になるのは8年後や10年後ですね。その頃はまだ大丈夫…」

坂本先生「うーん…どうですかね、自動運転の車が街なかをグングン走るようになるのに比べると、電車の方が簡単は簡単なので、みなさんの自動運転にしてほしいという声が多くなると、そうなっていっちゃうかなとは思うんですけど。」

質問者「はい。」

アナウンサー「なるほど。個人的には○○君の夢を叶えてあげたいなと思いますよ。」

坂本先生「そうですね、全部はならないんじゃないかなって先生は思います。」

アナウンサー「○○君、電車はよく見に行くんですか?」

質問者「はい。…(聞き取れず)駅で新幹線を見たりしています。」

アナウンサー「そうですか。これからも電車を好きでいてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q13 私はマンションの7階に住んでいるので

  すが、ベランダにあるキク科の植物にア

  ブラムシがたくさんついています。その

  アブラムシはどうやって来ているのです

  か?(小4女子)

 

たくさんのアブラムシ。テントウムシがそばで仲間をボリボリ食ってるのに特に逃げもしないで、久留飛先生が前日「そんな生き方でええの?」って不思議がっていたあのアブラムシ。

 

アナウンサー「うーん確かに。7階なのに、どこからか来るんですね。キク科のお花を植えているんですね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「不思議やな。そういう所にいつの間にかアブラムシがたくさん出てきて、どうやって来たんやろうって思うよね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「アブラムシがどうやって増えてるかって考えたらヒントになるんだけれども、ふだんはメスが子どもを生んでそのまま増える、それでどんどん増えていく。増えすぎると今度は、“これは増えすぎた”って思うんやろうと思うけど、羽が生えたアリマキが出てくる。それが飛んでいって新しい所でまたどんどん増えていくという。」

質問者「ふううん。」

アブラムシは別名がアリマキで、数が増えすぎると羽のある個体が出てくるそうな。バッタの群生相みたいじゃないか。そんなやつがいるってこの番組で聞いたな。

 

久留飛先生「羽が生えないアブラムシと、羽が生えてくるやつがいる。秋になったらオスとメスが出てきて、交尾をして今度は卵を生むんや。たぶんそれが土の中にいて、春になったら孵化をして出てきたアブラムシという…。そういう具合にして、また新芽のところについたりするんやと思うで。」

質問者「はい。」

アナウンサー「アブラムシ、羽が生えて飛んでくるんですか?」

久留飛先生「そうですね。増えすぎてしまうと羽があるアブラムシが出てくるという…」

アナウンサー「厄介。これはどれぐらいの距離を飛ぶことができるんですか?」

久留飛先生「どうでしょうね、小さいよね? アブラムシを見たことあるやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「とても小っちゃいから、羽が生えて風に乗るというか…自分で羽ばたかずにピョーッと飛んでいくことができるんちゃうかな。」

質問者「へええ。」

アナウンサー「1階や2階だったらともかく、7階なのに、すごい上まで来るんですね。」

久留飛先生「すごいですよ。方法は2つで、土の中に卵がまぎれていたのかもしれないし、羽があるアブラムシが飛んで来たのかもしれない。…ということやけどな。」

アナウンサー「厄介ですね。」

久留飛先生「(笑)フフッ…」⇦2度も厄介呼ばわりされて…昆虫の先生としては苦笑い?

アナウンサー「○○さんはアブラムシ退治を頑張っているんですか?」

質問者「うーんと、前にお母さんが必死で取ったけど、すぐにたくさんついたので、それからは取っていません。」

アナウンサー「お母さんが力尽きてしまったんですね。」

質問者「(笑)はい。」

久留飛先生「まあ、あんまりたくさんついたら気持ち悪いかもしれんけど、あれってテントウムシのエサやんな? そやから、そういうところに意外とテントウムシが飛んで来て、アブラムシを食べてくれるわけやん。」

質問者「えええ…。」

久留飛先生「7階まで飛んで来るかは分からんけど、よく原っぱなんかに行ったら、アリマキを食べてるテントウムシって見たことないですか?」

質問者「ないです。」

久留飛先生「ないですか。今度ぜひ見てほしいんだけど、ナミテントウナナホシテントウというやつは成虫で冬を越えてるから、そういう所に飛んでいって、そこでムシャムシャ食べて、その辺に卵を生んだりするわけや。」

質問者「はい。」

久留飛先生「ということは、お母さんのテントウムシはエサがある所で卵を生もうと思ってんねんな。賢いなと思うけど、どう?」

アナウンサー「テントウムシの力を借りて、○○さんのところのアブラムシ対策ができると良いですけど…どうでしょうかね、リクルートして…」

久留飛先生「(笑)」

アナウンサー「転勤っていうんですか? スカウトっていうんですか?」

久留飛先生「まあでも、アリマキもかわいいと言う人もおるしな。…(笑)いきなり敵だと思わずに、今あなたが思った不思議なこと…“どうやって来んのやろう、どうやってここに来たんやろう”ということを考える材料にもなるやんか。」

質問者「はい。」

久留飛先生「いきなりそれをなくしてしまえというのはどうかなぁと。」

アナウンサー「という久留飛先生のご意見でした。○○さんに判断はおまかせしますよ。またお母さんとお話ししてみてくださいね。」

質問者「はい。」

飼ってる昆虫を心配する質問も、「虫で困ってます」的な質問も本当に多いよなあ。そして退治するにしても一旦は虫の生き方を(今回は天敵のテントウムシまで)考えさせようとする先生方の方針はブレないな。

 

Q14 カメは甲羅を脱いだらどうなるの?

  (5才女子)

 

アナウンサー「ちなみに○○さんはどうなると思いますか?」

質問者「………はだか。」

アナウンサー「(笑)裸だね、そうね。」

成島先生「○○さんはカメを飼ったことありますか?」

質問者「ある。」

成島先生「ある? 何ガメだった?」

質問者「……」

成島先生「何だっけ? クサガメ? イシガメ? ミドリガメ?」

質問者「ミドリガメ。」

成島先生「ミドリガメかあ。ミドリガメは、頭と前脚と後ろ脚と尻尾は外に出てるけど、体は甲羅で囲まれてますよね?」

質問者「うん。」

成島先生「結局それが本当のふつうの姿で、何か怖いことがあると脚も尻尾も頭も縮めて、甲羅の中に隠しちゃうでしょ?」

質問者「うん。」

成島先生「甲羅に触ったことありますか?」

質問者「ある。」

成島先生「どうだった?」

質問者「ちょっとだけ硬かった。」

成島先生「そう、硬いよね? だからカメを食べたい動物がやって来ても甲羅の中に体を隠しちゃえば、硬いから諦めて食べないでしょ?」

質問者「うん。」

成島先生「だから甲羅は、外敵から、自分をやっつけて食べようと思ってる他の動物から自分を守る、そういう役目があるんだよね。」

質問者「うん。」

成島先生「でも硬いから、人間と違って自由に動かないじゃない? だからけっこう動きが…あっち行ったりこっち行ったりするのが難しい。屈伸運動なんかできないじゃない?…屈伸というのは難しいね(笑)。」

質問者「うん。」

成島先生「○○さんは甲羅を脱いだらどうなると思う?」

質問者「………」

成島先生「さっき裸って言ってましたね。ごめんね、もう1回聞いちゃった。じゃあさ、○○さん、」

質問者「なに?」

成島先生「カメは甲羅を脱ぐことができると思う? 僕たちはお洋服を着てるじゃない? 毎朝着替えて、夜寝る時はパジャマを着たりしてるでしょう?」

質問者「うん。」

成島先生「カメは同じようなことをやるかな?」

質問者「うん…」

成島先生「やる? 夜寝る時に甲羅を抜いでパジャマを着てるかな?」

質問者「…うーん…わからん。」

成島先生「甲羅はね、脱ぐことができないんだよ。」

質問者「ふううん。」

成島先生「僕たちは体の表面が皮膚というもので覆われているのは知っていますか?」

質問者「………」

成島先生「○○さんの手は皮膚で覆われてるでしょう?」

質問者「うん。」

成島先生「足もそうでしょう? それからお腹も背中も皮膚で覆われてるでしょう?」

質問者「うん。」

成島先生「カメの甲羅というのは、お腹の皮膚が特別に変化して硬くなったものなんだよ。」

質問者「ふううん。」

成島先生「背中もそう。だから脱ぐことができないの。僕たちは皮膚を脱ぐことはできないじゃない? それと同じで、カメも甲羅を脱ぐことができないのよ。無理やり脱ごうとすると、首のところでハサミを入れてチョキチョキ切って、中を出さなきゃならないわけ。そうすると、中に入ってるいろんな腸とか肺とか…分かるかな?」

質問者「わかる。」

成島先生「分かる? あぁよかった、肺とかがそのまま外に出てきちゃうわけ。そうするとばい菌もいっぱいいるし、空気の中にいると乾いちゃって、生きていけなくなっちゃうわけね。」

質問者「うん。」

成島先生「皮膚で覆われてるからちゃんと生きていけるわけなんだよ。そういうわけで甲羅は皮膚と同じで、体と一体のものなの。脱ぐことができないので……脱いだ時はカメは死んじゃうっていうことだな。」

質問者「ああ…。」

成島先生「分かった?」

質問者「うん。」

成島先生「着物みたいに脱いだり着たりできれば、寒い時は暖かくして、暑くなれば脱げばいいけれども、そういうつくりになってないんだ。」

質問者「ふううううん。」

アナウンサー「○○さん、甲羅はとっても大事なんですって。お話、そのようにお考えください。○○さん、どうもありがとうね。さよなら。」

質問者「さよなら。」

成島先生「さよなら。」

午後1時の時報までニュースも交通情報もなくノンストップ。テレビの「のど自慢」をそのまま放送する時間だったもんなあ。変なところに感心する。

 

そして午後1時台。

アナウンサー「先ほど、5才の○○ちゃんから“カメが甲羅を脱いだらどうなるの?”という質問がありましたけど、野矢先生もカメの甲羅には興味津々だそうで。」

野矢先生「(笑)いろいろ聞きたくなりますね。」

アナウンサー「どんなことですか?」

野矢先生「私は、あれが脱げないことは知っていたんですけれどもね(笑)!」⇦わざわざ声を張り上げて言う。

野矢先生「それでふと疑問に思ったのはカタツムリなんですね。カタツムリが殻を脱いでナメクジになって這っていくというのは、何となく想像したくなるんだけれども、そんなことはあるんですかね?」

久留飛先生「基本的には無理ですよね。」

野矢先生「無理なんですか、殻がくっついちゃってるわけですか?」

久留飛先生「殻は体の一部になってるから、脱げないと言えば…でもエスカルゴなんか食べると言いますよね。」

野矢先生「エスカルゴなんかサザエの壺焼きみたいなのがクリクリッとしてて食べるような感じがありますね。」

久留飛先生「でも、そういうことは基本的にはできないですね。」

野矢先生「ふううううん。」

タツムリとナメクジは別種だったような。

 

アナウンサー「ちなみにカメが甲羅にケガをした時は手当てができるんですか?」

成島先生「できます。カメの甲羅は基本的にはカルシウムとかリンの骨、骨質なんですね。ですから折れちゃったというのは、言わば骨折と同じことになりますので、ジッとしておけばだんだんと細胞がそこを埋めていくんですね。」

アナウンサー「えっ、戻ってくるんですか?」

質問者「ええ。パックリ穴が空いちゃって中の臓器が見えるような時には、人工的に樹脂なんかで埋めるんです。そうすると埋めた下側で少しずつ再生してきて、いつかはちゃんと埋まって、樹脂が取れることもあります。」

アナウンサー「人間の骨折の治療と似てるような気もしましたけど…」

成島先生「うん、そうですね。」

アナウンサー「生えてくるんですね。」

成島先生「生えてくるというか再生してくる。」

 

Q15 どうして人間だけが言葉を喋れるのか

  です。(9才女子)

 

アナウンサー「○○さんはおしゃべりやお話しするのは好きですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「どんな人とお話しするの?」

質問者「友だちとか。」

野矢先生「言葉でおしゃべりするのは楽しいですよね。」

質問者「はい。」

野矢先生「でも言葉を話す、言葉を持っているというだけだったら、人間だけじゃないんですね。」

質問者「うん。」

野矢先生「それと同時に、人間の言葉というのは他の動物の言葉と、すごく大きな違いを持っていると思うんです。まず動物の言葉とか、あるいは虫も言葉を持つのか。そのあたりを成島先生に伺ってもいいですか?」

成島先生「はい。」

野矢先生「動物の言葉、あるいはイルカなんかも喋りますよね?」

成島先生「ええ、そうですね。動物が仲間どうしでコミュニケーションをするというか…3年生だとコミュニケーションって分かるかな?」

質問者「はい。」

成島先生「お話しをし合って、“自分はこう思うんだけど”という情報を伝達することは動物もやっているんですね。私たち人間は言葉を使うけれども、彼らは鳴き声とか、あるいはにおいとか、あるいは仕草を使って情報を伝達している。それもある意味、言葉になると思います。ただ人間ほど複雑なことは伝えられない。」

質問者「はい。」

成島先生「昆虫はどうですか?」

久留飛先生「昆虫なんて、ほら、夏になったらセミが鳴くやんか。あれ、鳴くのオスやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「何のために鳴いているか言うたら、“ここにいるよ”という合図や。これは言葉というものではないんだけど、合図としてメスにちゃんと届けてるやんな。」

質問者「うん。」

久留飛先生「だから大きく言えば、伝えるための何かということにはなると思うけどなあ。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ただ、あなたの思ってるような、“今日は楽しかったね”ということまで言えるのかどうかは難しいように思うなあ。」

野矢先生「雑談する動物というのはいないでしょうねえ。だから、これは人間にすごく特徴的なことだと思うんですよ。割と細かい合図は、ある種のサル…どのサルでしたっけ、“敵が来たぞ”っていう合図をするだけじゃなくて、敵の種類によって鳴き声を変えたりするんですよね?」

成島先生「ええ、あとプレーリードッグも同じようなことが言われてますね。リスの仲間で平原に住んでいるんですが、鳥が襲ってくるんですけど、それがワシなのか別の鳥なのかを鳴き声で分けているというのは聞いたことがあります。」

野矢先生「ああ…だからけっこう細かい言葉を持って…イルカなんかも相当複雑なコミュニケーションをするって聞きますよね。

でもね、今言ったように雑談するのはたぶん人間だけだと思うんですよ。」

質問者「はい。」

坂本先生「そうですね。雑談するAIとかロボットを作るって、けっこう大きな、ホットな話題で…」

野矢先生「(笑)」

坂本先生「情報を伝達することは割とできるようになってるんですけど、人間って仲良くするために、共感し合う目的でお話しをする。AIとかロボットはそれがまだ難しくて、それを一生懸命研究している人たちがいます。」

アナウンサー「聞いたことに答えるだけじゃなくて、とりとめのないお茶飲み話とか(笑)…AIとできると良いと思うんですよね。」

坂本先生「(笑)笑い合ったりとか。」

野矢先生「(笑)最初に成島先生が、動物も言葉を持つけれども人間ほど複雑な言葉じゃないだろうと仰っていて、その人間の言葉の複雑さというのはどこにあるのかな、というと、ちょっと難しい話になるんだけど、○○さん、いいかな?」

質問者「はい。」

野矢先生「人間の言葉は単語に分かれてますよね? いくつかの単語に分かれていて、その単語を組み合わせて文章を作っていきますよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「だから、そうだなあ…例えば、“鳥が飛んでいる”という言葉があれば、“犬が走っている”という言葉もある。それは“鳥”と“飛ぶ”と、“犬”と“走る”という単語からできていますよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「すると、単語に切り分けて組み合わせると、“犬が飛んでいる”という見たこともない文ができちゃうんですよ。」

質問者「はい。」

野矢先生「犬が飛んでるなんて誰も見たことがないけれども、単語に切り分けて、“鳥が飛ぶ”から“飛ぶ”をもらってきて、“犬が走る”から“犬”をもらってきて組み合わせると、“犬が飛ぶ”になっちゃうんですね。こんな言葉を言うのは人間だけですね。」

質問者「はい。」

野矢先生「つまり、文が単語に分かれていて、その単語を組み合わせて、いくらでも新しい文を作れるというのが、人間の言葉の複雑さなんです。そうすると“犬が飛んでるよ”みたいな、全然現実にないことを語れるようになる、つまり物語が作れるようになりますし、」

質問者「はい。」

野矢先生「良いことなのか悪いことなのか分からないけれども、嘘をつくこともできるようになりますよね? 間違ったことを言ったり、どうでもいいことを言ったり。だから雑談するためには、言葉が単語に分かれて、いくらでもたくさんの新しい文が作れるような複雑さ、豊かさを持っていなければできない。

人間がどうしてそういう能力を獲得したのかというのは、それは分からない。だんだんやってるうちに、人間が社会を作って情報を交換し合っているうちに、何かやり出したんだろうね。フィクション…お話を作ったり、作り話をしたり、嘘をついたりするようになって、それがどうして人間にとって良かったのか分からないですけどね。嘘をつくことで悪いこともたくさんあるから。どうしてそうなったのか分からないけれども、人間はそうやって…動物と同じ言葉を使うとしても…飛躍的にというのかな、動物とレベルの違う言葉の使い方になっていったんだね。」

質問者「はい。」

野矢先生「それはやっぱり人間どうしがたくさんコミュニケーションをする、情報を伝える以上の役割を言葉に持たせていったから。だから、今○○さんに言われて私たちも思ったけど、雑談というのはすごく人間的な活動なんだな、と思いました。」

質問者「はい。」

アナウンサー「私も先生の話を聞いて思ったんですが、最近ではパソコンやケータイで、文字だけでやりとりをすることもありますけど、やっぱり人と人が顔を合わせて話をするって、すごく良いですよね? 表情を見たり、言葉の感じをそこから読み取れるような感情もありますし、だから○○さんがお話しするのが好き、というのはとても良いと思いました。」

質問者「はい。」

アナウンサー「これからもおしゃべり大好きでいてください。」

質問者「はい。」

 

Q16 世界でいちばん最初のAIはいつでき

  て、どういう機能があったんですか?

  (小3男子)

 

アナウンサー「どうしてそういうことを疑問に思いましたか?」

質問者「今まで図鑑とかで見て、いろんな図鑑を見てきたけど、そのどれにも世界でいちばん最初のAIが載ってなかったから。」

坂本先生「AIって最近すごくよく聞くから、最近のものと思われるかもしれないですけれども、実はAI…人工知能のことですけど、この言葉が最初に使われたのは1956年だと言われています。

アメリカのダートマスという所があるんですけど、研究者がそこに集まった会議で、人間のように考えるコンピューターを人工知能、AIと呼びましょうということで、そこから使われるようになりました。」

質問者「はい。」

坂本先生「でも、実はもっと前からAIの基礎みたいなものがあって、それより10年ぐらい前に、巨大なコンピューターでエニアックという、すごくたくさんの計算をすごく速くできるものができていました。」

質問者「ああー!」

坂本先生「知ってました?」

質問者「はい。」

坂本先生「それ以外にも、計算するだけじゃなくて人間と同じような能力を持たせることを目指すとすると、結局、人間の脳って…神経細胞ニューロンって聞いたことありますか?」

質問者「はい。」

坂本先生「すごいね。それをコンピューターで作ろうということがされていて、1943年に人工ニューロンというものが作られて、人間の脳と同じようなものをコンピューターに持たせていくことがされるようになっていました。」

質問者「へえええ。」

坂本先生「じゃあ、いわゆる人工知能の最初として、どういう機能を持ったものができたのかというと、実はゲームみたいなものがあって、チェス…日本だと将棋に近いものでAIが使われるようになったのが最初だと言われてます。」

質問者「へえええ。」

坂本先生「何でチェスとかゲームだとAIになるのかというと、コンピューターのコンピュートは“計算する”なので、コンピューターは基本的には数を使った計算をするものでしかなかったんだけど、ところがチェスとか将棋だと数ではなくて、いわゆるボードの上でするゲームなので、それまでのコンピューターだとできなかったんですけど、AIだとできるようになったということで、それまでのコンピューターとは違う、もっと人間に近い知的な活動ができるようになったもの、そういうコンピューターのプログラムとして…実はチェッカーゲームというもので作られたんですけど、それが世界でいちばん最初と。」

質問者「なるほど。」

坂本先生チェッカーゲームとチェスのようなプログラムが1951年に作られていて、人工知能学会でも一応それがAIの最初なんじゃないか、と言っています。」

質問者「なるほど。」

坂本先生「(笑)なんか知識のお話だけになっちゃいましたけど、どうですか? ビックリした?」

質問者「うん、ビックリしました。案外古かった。」

坂本先生「(笑)そうそう、だから将棋とかチェスだと割と早くに人間を超えちゃって、プロの人たちが勝てなくなっちゃったと思うんですけど、最初のAIの研究がそこからスタートしていたので、それは得意中の得意。」

質問者「じゃあ、AIが一般的に使われるようになってきたのって、いつぐらいなんですか?」

坂本先生「“一般的に使われるようになる”というのはなかなか…研究者とか大学だと1960年代は研究が盛んにされていて、その後、医療とか病気を治すのにAIが使えないか、という期待が1960年代から70年代に入る頃に高まったんですけど、ボードゲームができるようなタイプのAIでは難しくて、…冬の時代と言うんですけど、みんなが“なんだ、AIは大したことないじゃん”ってブームが終わっちゃったことがあったんですね。」

質問者「へえええ。」

坂本先生「今は第3次AIブームと言っていて、1996年に検索エンジンが…インターネットとかをみなさんが使うようになって、そこで一般の人もふつうにAIの機能の一部を使うようになってきた、と言われてます。」

質問者「へえええ、なるほど」

坂本先生「ネットはもうなくてはならないでしょ? 毎日インターネットを使いますよね?」

質問者「はい。」

坂本先生「実はそこでも、背後でAIの技術が使われています。」

質問者「へえええ!」

アナウンサー「よかった。○○君、さっきから“へえええ”と言ってくれて、私たちも嬉しいです。」

坂本先生「(笑)はい、嬉しいです。」

 

Q17 何でハンミョウはきれいな色してる

  んですか?(小1女子)

 

アナウンサー「ハンミョウって何ですか?」

質問者「甲虫目で、肉食昆虫です。」

アナウンサー「肉食昆虫。(笑)く、詳しいね。」

久留飛先生「ハンミョウって見たことあるよね?」

質問者「ハンミョウはテレビとかでよく見るけど、本物は見たことないんだ。」

久留飛先生「ないんかぁ残念やな。きれいやで。どこで見れるか知ってる?」

質問者「日が当たってて草がない所。」

久留飛先生「そうそう。それって具体的に言うたら、お墓が建ってる所に意外といてるんや。お墓参りってこないだ春分の日とか…」

質問者「お墓参り?」

久留飛先生「お墓参りとかするやん?」

質問者「うん、するね。」

久留飛先生「そういう時に墓も参ったらいいんやけど、周りをキョロキョロ見てたらハンミョウがいるかもしれん。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「墓場でなければ、山登りをするような小さな低い山に登ってみて、地道の草の生えていない所に見つけることができるかもしれんで?」

質問者「へえええ。ウォーキングなら山によく行くけどね。」

久留飛先生「そうなんか。じゃ、そんな時でもひょっとしたら…成虫で冬を越えているから、こういうポカポカと良い時には出てきてるかもしれん。」

質問者「へえええ、行ってみたい。」

久留飛先生「どんな飛び方をしてるか知ってる?」

質問者「飛び方?」

久留飛先生「うん、どんな動きをしているかということやけど、」

質問者「私たちが動いたら、それでまた動いてく。道教えっていうやつ。」

久留飛先生「そうやん。そういう具合に見えてしまうだけで、本当は私たちに道を教えてるわけじゃないやんな? だってあなたがどっち行くかなんか、ハンミョウに分かるわけないねんから。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ただ、ついていくように見えるというか、近づくと逃げて、ちょっと先の所で止まったりするわけやな? それで“教えてくれてるのかな?”と思ってしまうだけで、本当はそんなことではないけど、昔の人はそういう具合に思って楽しんだんだと思うわ。」

質問者「ふううん?」

久留飛先生「んで本題の…きれいやんね? キラキラきれいな色をしてるよね?」

質問者「うん。」

久留飛先生「動いてるのはだいたい昼間やねん。夜は動きへん。ということは、昼間にキラキラしているのは、私たちの目ぇからしたら目立つように思うかな? “あそこにおるやん、すぐ分かるやん”って思うかな?」

質問者「思う。」

久留飛先生「思う…実際に自分で見たら良いんだけど、飛んでる時は“あ、いるいる”と思うけど、地面に止まるやん? 止まった時にはどこにいるか分からんわけよ。」

質問者「ふううん。」

久留飛先生「という具合に、光ってるんだけれどもそんなことも見えてしまうというか…昼間に太陽の当たる所でキラキラしているのは、そういう身を隠すという意味があると思うわ。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「だから実際に見んとな、話だけでは“へえええ”って思うだけで分かりにくいけど、一度見てみたら良いわ。」

アナウンサー「○○さん、ぜひ一度見てみてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「昆虫が好きと聞いているので、本物のハンミョウに会えたら確認してみてください。」

質問者「あと、何でハンミョウ…(切断音)ブツッ」

アナウンサー「あら? 切れちゃったかな? 確認しますので音楽をかけていこうと思います。」

ちょうど交通情報のお時間。

 

アナウンサー「先ほど○○さんから、ハンミョウについての質問の続きでした。久留飛先生、ちなみにハンミョウってどんな色と形ですか?」 

久留飛先生「どっちかというとタマムシと表現したら変ですけど、そのぐらいキラキラと輝いて見えますね。実物を見てもらうしかないけども、割ときれいですね。大きさは2センチちょっとぐらいありますかね、細長くって脚がとても長くて、地面をササササッと歩いてピュッと飛んで…そういう行動をしていますね。」

アナウンサー「○○さんがもう1つ聞きたいことがあるということでしたので、聞いてみましょう。○○さん?」

質問者「はい。」

アナウンサー「もう1つ聞きたいこと、何でしょうか?」

質問者「何でハンミョウの幼虫も成虫も肉食昆虫なんですか?」

久留飛先生「そうやな、何でって言われても困るけど、幼虫も見たことないよな?」

質問者「うん。」

久留飛先生「ハンミョウの成虫がいてる所の地面に穴ぽこ空けて、その中に潜んでるわけや。その中に住んでいて、頭だけチョロッと出していて、獲物が近づいたらバシッと顔を出して、牙で捕まえて引きずり込んで食べるという。まるでハンターやな。」

質問者「うん。」

久留飛先生「何で肉食か言われたらよう分からんわ。肉食というのは基本的に植物よりも栄養価が高いから、葉っぱ食べるより効率は良いんやと思うで。」

アナウンサー「子どもも大人も肉食?」

久留飛先生「そうなんです。」

アナウンサー「不思議ですね。」

久留飛先生「まあ、不思議と言われたら何とも答えられませんが(笑)、そういう生き方をしている昆虫やね。」

質問者「はい。ありがとうございました。」

 

Q18 絶滅危惧種はどれぐらいいるんです

  か?(8才男子)

 

アナウンサー「これは動物ですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「不思議に思ったのはどうしてですか?」

質問者「動物図鑑を見て、何でこんなにいるのかなって気になったからです。」

アナウンサー「動物図鑑を見て絶滅危惧種がこんなにいる、いっぱいいそうだというのが図鑑で分かったんですか?」

質問者「はい。」

成島先生「絶滅危惧の動物ってたくさんいるんだよね。世界と日本で分けて考えてみたいんですけど、まず日本ね。」

質問者「はい。」

成島先生「日本の場合は、環境省というお役所があるのは知ってますか?」

質問者「知りません。」

成島先生「環境省というお役所があって、そこが絶滅危惧の動物を…植物も含めてですけど調べています。調べたものを“レッドリスト”と言っているんですね。赤いリスト。絶滅してもらっちゃ困るじゃない?」

質問者「はい。」

成島先生「絶滅してもらっては困るので、まずどんなふうに生活しているのか、生息数はどのくらいなのかを調べて、調べたことを住んでいる場所を守ることに繋げていこうとして、環境省レッドリストというものを作っています。」

質問者「はい。」

成島先生「それは、例えば昆虫の専門家とかネコの専門家とか、お魚の専門家というように、いろんな専門家が分かれて、その専門家の人たちが調べた結果をまとめているんだね。それをレッドリストというんですけれども、例えば哺乳類…哺乳類は分かりますね?」

質問者「はい。」

成島先生「ミルクで子どもを育てる動物の仲間ですけれども、日本には160種類ぐらいいると言われています。そのうちの33種……20%ぐらいかな? 20%ぐらいが絶滅危惧種なんだね。」

質問者「はい。」

成島先生「鳥が98種。渡り鳥も含めて700種ぐらいいると言われてますけれども、そのうちの98種。それから爬虫類が38種。100種類ぐらいいると言われている中の38種。両生類、カエルの仲間ですね、両生類は76種いると言われていますが、そのうちの29種が絶滅危惧種と言われています。他の動物も含めて合計すると、1410ものたくさんの動物が絶滅のおそれがあると言われています。」

質問者「ふうううん!」

成島先生「すごいよね?」

質問者「うん。」

成島先生「世界に目を向けてみると、世界の方はIUCN、国際自然保護連合というところがあるんですけれども、そこが世界的な規模で、今言った哺乳類や鳥類や爬虫類や両生類や他の動物のグループも含めて、生息状況はどうかを調べているんだよね。」

質問者「うん。」

成島先生「それによると、哺乳類は、今、全世界に5000種類ぐらいいると言われていますが、そのうちの1219種。それから鳥が1万種いると言われていますけれども、そのうちの1492種。ということで哺乳類だと25%ぐらいかな? 鳥で15%ぐらいだね。」

質問者「うん。」

成島先生「爬虫類が1307種、両生類が2029種で、全部合わせて13482種の動物の仲間が絶滅のおそれがあると言われています。」

質問者「へえええー!」

成島先生「大変なことですよね?」

質問者「うん。」

成島先生「どうしてそんな状況になっちゃったのかというと、1つはやっぱり人間の働きなんだよね。地球温暖化って聞いたことありますか?」

質問者「はい。」

成島先生「どういうことだっけ?」

質問者「えっと、地球が熱くなって、北極とかの氷が割れ始めるっていう…」

成島先生「そうだね。氷が割れ始めると温度が上がるから、寒い場所に住んでた動物の住む場所がなくなっちゃうわけだよね? あと、今まで氷の上に住んでた動物も氷がなくなっちゃうと生活できなくなっちゃうから、そういう動物も残念ながら生きることができなくて絶滅していくわけでしょ?」

質問者「うん。」

成島先生「そういう地球温暖化を作ったのは私たち人間の活動なんですよね。僕たちの活動が二酸化炭素という特別な気体を地球に振りまいて、地球がどんどん暖かくなってるわけですね。」

質問者「うん。」

成島先生「僕たちの生活…とっても素敵な生活をさせてもらってるけれども、その代わりに、代償として動物のすみかを奪っているということがあるんだね。」

質問者「ふうううん。」

成島先生「もう1つはね、本来そこにいなかった動物を人間が持ち込むことによって、元々そこにいた動物がやっつけられちゃうことがあるんだよ。そういうことによって元々いた動物が減っていくことがあって、いろんな理由があるけれども、基本的には人間のいろんな活動が野生動物をいじめてることが大きいと思います。」

質問者「うん。」

成島先生「もちろんそれ以外にも、台風や洪水で動物がいなくなることもありますけれども、大きな原因は人間の活動だな。」

アナウンサー「○○君、いかがですか?」

質問者「よく分かりました。」

成島先生「ありがとうございます。僕たちが野生動物と一緒に生きていくために、なるべく野生動物の邪魔にならないような生き方を、これから君たち若い人が考えてくれるといいな。もちろん僕たち大人の責任でもあるけどね。」

アナウンサー「これからいろいろ考えてみてください。」

質問者「はい。」

 

Q19 気持ちは…あ、間違えました、心はど

  こにあるんですか? 私は胸にあると思

  います。どうしてかというと、心臓はハ

  ート型みたいに描くからです。(小1女子)

 

自分なりの仮説と根拠を持って質問してくるとは科学の心を持ったすごい1年生。

 

野矢先生「これはすごく難しい問題で、心臓にある、胸にあると考えられていた時もあるけれども、今は多くの人が脳にある、頭の中にあると答える人が多いんじゃないかと思うんですけれどもね、そんなのは聞いたことはありますか?」

質問者「ない。」

野矢先生「ないですか、そうですか。今は頭の中だ、脳みそだという答えをする人の方が多いと思う。私はどう思うかというと、“心が脳にある”と言うのを聞くと、“それは違う、そうじゃない、心は脳みそなんかにあるんじゃない”って思ってます。だから心は心臓にあるのでもないと先生は考えています。そのことをもう少し話してみますね。

話がずれる感じがするかもしれないけれども、○○さんは好きな食べ物はありますか?」

質問者「ミカン。」

野矢先生「ミカンが好き。いいですね。ミカンがあった時に脳みそだけ、あるいは心臓だけで“そのミカン、おいしそう”って思うわけがないですよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「ちょっと想像できないけれどもね(笑)、心臓とミカンが向かい合ってるとか、脳みそとミカンが向かい合ってるって(笑)。だって脳みそも心臓も口がないからミカンを食べられないでしょ? だから脳みそや心臓だけだったらおいしそうも何もなくて、ミカンがおいしそうと思えるのは体があって口があって、そのミカンを食べることができる。そういうふうに、ミカンと私たちの関わり方というのかな、そこからおいしそうと思うわけですよね? だからそこには私たちが心臓を持っている、脳みそを持っている、それから体を持っている、目の前にミカンがある、そうしたことの全てが“おいしそうなミカンがある”と思わせてくれている。分かります?」

質問者「はい。」

野矢先生「“ミカンがあるよ”というのはみんなが思うことだけれども、その時に“おいしそう”と思う人と“そうでもないな”と思う人と、あるいはミカンが嫌いな人もいるかもしれないですよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「ミカンだというのは同じだけれども、“おいしそう”というのは人によって違ってしまう。そうすると“おいしそう”というのは、その人の心のことなんだ、ということになるんですよ。ミカンは心の中ではなくて、“おいしそう”というのは人によって違うから、心の中のことかな、となる。

同じようにね…そうだな、○○さんは犬は好きですか?」

質問者「ふつう。」

野矢先生「ふつう? 犬を見た時にかわいいと思う人もいれば、怖いと思う人もいますよね? それも人によって違うから、かわいいとか怖いというのは心のことだ、と言われるし、何か大事なものが壊れちゃった時に悲しいと思う。でも、それが大事じゃない人にとっては悲しくも何ともない。それも人によって違いますよね? そういうのが全部心の中のこととされるんだけれども、じゃあ心はどこか心臓だけにあるのか、脳だけにあるのかといったらそうじゃなくて、そうやって自分が体を持って、そうした物事と関わりながら、その全体の中で“おいしそう”という気持ちが出てきたり、怖い、かわいいという気持ちが出てきたり、“大事なものがなくなっちゃった、悲しい”という気持ちが出てきたりするんですよね。

だから…そうだなあ、心はどこにあるの?と言ったら、どう答えればいいんだろう。……どう答えましょうかね? (笑)とにかく、そうしたことまるごと全部が心を作っている、としか言いようがない。どこか“ここにある”っていうふうに部分的にあるものじゃないと、先生は考えています。」

アナウンサー「だそうです。○○さん、今のお話はいかがでしたか?」

質問者「とても分かりやすかったです。」

野矢先生「(笑)わあああ、相当難しい話をしたつもりなんですけどね。」

アナウンサー「よかったあ~、嬉しいですね。先生もニッコリです。」

 

Q20 僕はロボットを買いたいです。ロボッ

  トを1~2万ぐらいで買いたいのですが、

  値段が高いです。なぜ高いんですか?

  (小3男子)

 

アナウンサー「(笑)なるほど。ロボットがほしいんですね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「でも値段が高いから困っている。ちなみにどんなロボットがほしいですか?」

質問者「会話ができるロボットとかです。」

坂本先生「ロボット…機能によって値段がすごく違うんですね。会話ができるロボットも1万円ぐらいでもあると思います。」

質問者「そうなんですか。」

坂本先生「はい。どこのって言えないですけど(笑)。安いものもあります。ただ、値段と機能というか会話できる能力は、比例というと難しいかもしれませんけど関係があって、安いものだとあらかじめ決まったパターンの会話しかできないことが多いと思います。」

質問者「そうなんですか。」

坂本先生「ロボットの中に仕込んでおいて、それだけをやりとりするものだと比較的安く作れるんですけど、ある程度自由に質問したら答えてくれるとなると、情報をネットと繋がって調べてみたり、あとは外のサービスを使いながら会話をするものになると、どうしてもサービス利用料とかがいろいろかかってしまうので、その分月々お金を払わなきゃいけなかったり、あらかじめ3年契約で3年分のお金を払わなきゃいけなかったり(笑)…しちゃうので、機能をいろんなことができるようにすると、お値段が高くなってしまうところがあるんですね。」

質問者「あぁそうなんですか。」

坂本先生「何をもってロボットと言うか、呼んだら来てくれればいいだけだったらいいんだけど、いろんなことをしてほしいとどうしても高くなっちゃうし、どうして高くなっちゃうのかというと、サービス利用料みたいなものがかかることもあるんですけど、そもそもいろんな高性能の機能を持ったロボットを作る時は、部品1個1個に値段があるし、情報を集めるセンサーがあって、さらにAIを搭載するとなると知能を持たせる部分があって、それに基づいて動かすことになると、動かす機能もあって、さらに外側が人間のような形をしているとか何か形があるとなると、外側の素材によっても値段がピンキリで、硬い金属みたいなものでいいのか、人間の皮膚に近いものにしたいのかによって、どんどん値段が上がっていくので、いろいろです。

だから○○君が、“これはできてほしい”、“これは絶対必要なもの”というところで考えてもらえればと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「絶対にほしい機能としては会話の部分かしら?」

質問者「はい。」

アナウンサー「なるほど、おしゃべりしたいんですね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「ちょっと元気がなくなってきた(笑)。」

坂本先生「どのぐらいの会話ができると○○君的に納得というか、いいのかというところで、あとは技術がどんどん進化していって、同じお値段でもいろんなことができるようになっていくので。もしプログラミングを頑張ろうと思えたら…実は自分で会話能力を高めることができるんですね。プログラミング環境が自由にやっていいものだと。」

質問者「そうなんですか。」

坂本先生「最初は大したことができないロボットでも、こんなことをさせたいと思ったら自分でプログラミングすればいいので、ぜひそういう方向で頑張ってみてはどうですか?」

質問者「分かりました、ありがとうございます。」

 

質問終わり~先生方から一言

久留飛先生「すごく良かったです。子どもたちの方が元気だなと…いろんなことに好奇心を持ってるなって、よく分かりました。未来は明るいような気がしますね。」

アナウンサー「昆虫を飼って観察してる子もいて、良いですね。」

久留飛先生「そうです。これを機会に観察しようと思ってくれると嬉しいですね。」

 

成島先生「今日は野矢先生に心と体の質問がたくさん来てましたけれども、翻ってみて、やっぱり人間というのは非常に特殊な動物なんだなと思いましたね。泣くとか、うらやましいと思うとか、あるいはお尻を出してどうのこうのって、動物だったら当たり前だったり、あるいは絶対できないことだったりするので、そういうことができている人間というのは、人間も動物ですけれども、非常に特殊だということで、それが今日は非常に際立ったと思って、大変勉強になりました。」

 

野矢先生「こちらこそお礼を言うべきところでね、ただ最後に全国の子どもたちに訴えたいんですけれども、私たちは高齢者も多いにもかかわらず、狭い部屋に3時間半も閉じ込められて頑張ってきましたので、どうぞその無事を、無事を祈ってあげてください!」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)皆さん、だ、大丈夫ですよ~。そこそこ広いスタジオなんですよ~。」

坂本先生「(笑)楽しいですよ~。」

アナウンサー「とっても広いスタジオなんですよお~ご心配なく~。先生もそれぞれ距離もとってますので安心してください。」

 

坂本先生「いつも思うんですけど、お子さんたちが夢を持っていて、電車の運転士になりたいとか、ドラえもんみたいなロボットとか、会話したいとか、思いをいろいろ持ってくださってるので、それに応えられるように、仕事を奪っちゃうAIやロボットではなくて、皆さんの夢を叶えていけるロボットができていくと良いなと思いました。」

 

哲学の質問に答えるために動物や昆虫やロボットがこんなに深く関わってくるとは予想外で面白かったな~。みんなで考えてくれる優しい先生方にもほんわかと感動した。

子ども科学電話相談 春スペシャル3/22(昆虫、動物、心と体・哲学、ロボット・AI)10時台~11時台

3/22のジャンルは

 昆虫 久留飛克明先生

 動物 成島悦雄先生

 心と体・哲学 野矢茂樹先生

 ロボット・AI 坂本真樹先生

 

アナウンサー「この「子ども科学電話相談」、4月3日までは春スペシャルと題しまして、“ほぼ”、ほぼ毎日、生放送でお送りしています。」

「毎日」放送と言っていたのが、3/23は国会中継で中止決定。春スペシャル4日目にしてちょっと勢いのない「ほぼ毎日」に。

 

アナウンサー「久留飛先生は昨日もお越し頂きましたが、昨日と今日、東京を歩いてみて、何か春らしいものは見つけましたか?」

久留飛先生「もう風が違いますね。」

アナウンサー「風!」

久留飛先生「吹いてくる風が、やっぱり春のにおいがしてますから、上着ももう要らないなあっていう…そのぐらい春になったのを体で感じますね。」

アナウンサー「今日の東京は気温が上がると気象情報では言っておりますので、より春を感じるかもしれませんね。」

久留飛先生「ますます暑くなると思います。」

アナウンサー「昆虫も活発になるかな?」

久留飛先生「そうですそうです。」

 

アナウンサー「成島先生はいかがでしょう、何か春らしいものは見つけましたか?」

成島先生「近くに神田川が流れてるんですけれども、そこに桜の木が植わっているんですね。けっこう桜が咲いていて、この時期ですけど人出もそれなりにありましたね。みんな一生懸命スマホで写真を撮ってましたけど、きれいでしたよ。」

 

アナウンサー「野矢先生はこの「子ども科学電話相談」は2回目の登場ですね。よろしくお願いします。」

野矢先生「よろしくお願いします。」

アナウンサー「野矢先生、今日は心と体・哲学についての質問に答えて頂きますが、野矢先生のふだん教えていらっしゃる哲学はどんなことでしょう?」 

野矢先生「…(笑)えーっと…うーん…今日は子どもの質問に答える時間で、山本アナウンサーの質問に答える心の準備がないのですけど…。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「あっそんな…そんなこと言わないでえぇぇ…(笑)。」

野矢先生「いろんなこと教えてますね。言語哲学というものもありますし、哲学って自分がやってることに対して、“これは何をやってるんだろう、何なんだろう”と…社会のこともそうだし自分のこともそうだし、それから人間のこと、いろんなことを“これは何なんだろう”と立ち止まって考えることなんですよね。

だから、何でも哲学の話題になってゆくんです。自分が生活していて、ふだん何気なくしているけれども、“あ、これ何なんだろう”、“何で人はこうやって言葉でやりとりできるんだろう”、“何でこんな気持ちになるんだろう”とか、そういうのは全部哲学になります。

だから…何て言ったらいいんでしょうね、授業をするのも難しいですよ。特に“これ”を教えるとか、そういう知識があるわけじゃないですからね。ふつうには過去の哲学者たちが何を考えていたのかを教えるんだけれども、過去の哲学者たちだって今と同じで、“自分たちは何をしているんだろう”ということと格闘したというか、考えてるわけですから。」

アナウンサー「悩みながら。」

野矢先生「悩みながらね。その悩みを今また一緒に考えていこう、そういうのが哲学ですね。」

アナウンサー「子どもと哲学となりますと、子どもさんからどんな質問が来るか楽しみなんですが…」

野矢先生「あまり楽しみじゃないです。怖いです(笑)。」

アナウンサー「そぉんなこと言わないでください(笑)。例えばふだんのモヤモヤとか、“あれ、何だろう”という素朴な疑問を送ってもらってもいいですか?」

野矢先生「もちろんそういうのが来るんだろうなと思って覚悟しています(笑)。」

アナウンサー「広くとらえると人生相談というか。」

野矢先生「私がお答えできて何かの力になれれ

ば、それに越したことはありません。」

心の準備がないと言いながらめいっぱい説明してくださる野矢先生だった。「いく」じゃなくて「ゆく」と発語されるのも個人的にツボである。

 

アナウンサー「坂本先生、子どもたちは全国的に休校などで家にいまして、なかなか外に出る機会もないお子さんもいるかもしれません。何かアドバイスありますか?」

坂本先生「AI・ロボット担当としては、お家でロボットを作ってみるとか…(笑)」

先生方「(笑)」「ロボット作れるんですか(笑)。」

坂本先生「ネットでもAIのプログラミングを勉強できるようになってるので、やってみるのをお勧めするんですけど、やっぱり桜の季節で、私も今日、来る時にきれいだなと思って…ずっと座ってると体が固まって良くないので、春休みは体を動かして…外だったらいろんな病気とか心配ないので、ぜひお外に出て遊んでもらえればと思います。」

アナウンサー「そしてラジオも聴いてほしいですね。」

坂本先生「もちろん、この時間はぜひ知的好奇心をたくさん持って過ごして頂ければと思います。」

 

Q1 蚕は宇宙食になる?(6才男子)

 

アナウンサー「“カイコ”って…虫の蚕ですね?」

質問者「うん。蚕は宇宙食になるぅ?」

アナウンサー「○○君は蚕を見たことある?」

質問者「ううん。」

久留飛先生「蚕を見たことないって今言ったやろう? 白いプニュプニュした幼虫のことやけど、アゲハチョウの幼虫って知ってるか?」

質問者「ガじゃないん?」

久留飛先生「ん? カブトムシの幼虫は知ってるか?」

質問者「知ってるぅ。」

久留飛先生「カブトムシとは違うけれども、同じような芋虫の形をしてるわけや。蚕というのはカイコというガの仲間なんやけど、昔の人が飼い馴らしてしまったから、もう外にはおれへんねや。ペットのように人間が飼ってしまってて。」

質問者「うん。」

久留飛先生「蚕はクワの葉っぱを食べるというのは知ってるか?」

質問者「………」

久留飛先生「知らんか。…難しいか。」

アナウンサー「6才ですから。」

久留飛先生「6才か…。(笑)蚕って、今言うたチョウとガと同じような仲間の幼虫やねんけども、今までも蚕が幼虫から蛹になって、成虫になっていく、その蛹の時に繭を作って、絹糸を取り出すんやけど、その絹糸が繭になる、その中に蛹が詰まってんねんな。その蛹を食べるという習慣はあるんよ。…難しい? …聞いてる(笑)?」

質問者「うん。」

食べるのは絹糸を出した後の蛹であって幼虫の蚕ではない。生糸の産地ならそうだよな。

 

久留飛先生「でな、宇宙食になるかという話やろう? 宇宙食ってどんなもんやと思ってる?」

質問者「………」

久留飛先生「これも難しいか?」

質問者「わかんない。」

久留飛先生「分かんないやなあ…。宇宙に飛び出した時に食べる食糧が宇宙食や。」

質問者「ふううん…。」

久留飛先生「まだ宇宙に行ったことないやろ? 私もないけどな。そのうち行けるようになったら何を食べんねやろうという時に、今まではインスタントでお湯を注ぐものが多かってんけど、今、おいしい宇宙食を作ろうという計画があるらしいわ。おいしいというのは…○○君は何が食べたい?」

質問者「アイス。」

久留飛先生「アイスか(笑)。アイスばっかしは困るけどな(笑)、ハンバーグとかカレーとかは好き?」

質問者「うん。」

久留飛先生「蚕も同じように、宇宙に出ていった時に食糧として食べることができるか、という質問やろ?」

質問者「うん。」

久留飛先生「好き嫌いってあるやん? 蚕の蛹を食べたことがないから…ないよな?」

質問者「うん。」

久留飛先生「食べてみたら、あんまりおいしくないねん。」

質問者「ふううん、何でぇ?」

久留飛先生「何でやろうな、好き嫌いかな?」

質問者「あのさあ、宇宙にも味の感覚って分からへんのじゃないのん?」

久留飛先生「そうか、宇宙に行ったら地上におる時と違って、味が分からんようになるかもしれんわけやな?」

質問者「うん。」

久留飛先生「確かにそう言われているわ。宇宙に行くと重力がなくてフワフワしてるから、めまいがしたり、船酔いみたいなもんやろうな。おいしいものがおいしくなくなったりすんねんて。

でもな、“おいしい”のいちばんのポイントは、においやねんて。例えばな、カレーライスを作ってたらにおいがするやろう?」

質問者「うん。」

久留飛先生「“あ、お腹すいてきた、食べたいな”って思うやん。」

質問者「うん。」

久留飛先生「同じように蚕を食べようとした時に、蚕のにおいを嗅いで“おいしそうだな”って思ったら、ムシャムシャ食べれるかもしれんやん?」

質問者「うん。」

久留飛先生「な、そういう具合にただ単に…こう言われてんねんけど、鼻をつまんでカレーライスを食べたらおいしくないねんて。」

質問者「ふううん。」

久留飛先生「においと共に食べるからおいしいんやねん。…何か昆虫の質問と違うねんけどな…。」

においや見た目も美味しさに影響する実験で、成島先生が幼虫型の何かを食させられるという受難もつい最近ありましたな。実際はチョコレートだったけど。

 

久留飛先生「(笑)違うねんけども、どうやったらおいしく感じるかというのは…結果としては蚕もおいしく食べれるのは食べれるよ。栄養もあるよ。ただ、おいしいかどうかは個人の判断もあるし難しいやん?」

アナウンサー「宇宙に持ってくことはできそうですか?」

久留飛先生「そらぁ何でも持ってって良いと思うんやけど(笑)。」

アナウンサー「(笑)食べようと思ったら、できなくはない…」

久留飛先生「“私はこれを食べたい”と言って持って行けばいいと思いますけど、栄養のバランスを考えて持って行けへんと…いくら何でも好きなもの食べていいというんやったら無駄があるけど、あなたかてお母さんに“何でも食べなさい”って言われてるやろう?」

質問者「うん、あんまり言われない。」

スタジオ内「(笑)」

久留飛先生「………(笑)きっとあなたはふだんから何でもよう食べてんのや。」

質問者「うん。」

久留飛先生「すごい良い子や。ということで、蚕というものをまず知らなあかんと思うねん、どんなもんかを。たぶん先生に聞いたら分かると思うけど、その蚕というのをまず調べてみて。」

質問者「うん。」

久留飛先生「蛹で食べる場合が多いねん。実際に食べれるから食べてみてもいいと思うわ。ここで食べてたら、宇宙に行ってもおいしいかもしれんやん?」

アナウンサー「久留飛先生、私、NHKの長野局にいたことがあるんですけど、長野だと…」

久留飛先生「食べてましたよね?」

アナウンサー「ええ、蚕じゃないですよ、蛹の時点で煮付けたり、蜂の子の佃煮とか頂いたことがあるんですけど、将来的には昆虫食が宇宙に飛び出すかも…」

久留飛先生「既に食糧として供給されてる昆虫っているんよ。長野県の地方の問題ではなくて、コオロギの仲間を養殖して食べようということは、既に商品化されてるから、蚕もすごく飼いやすい昆虫だから、それを飼い続けて食べることは、宇宙食だけじゃなくて地上でも食糧として十分役立つと思うで。」

アナウンサー「○○君、昆虫とか宇宙のことをいろいろ調べてみてください。」

質問者「うん。宇宙のことはもう調べてるぅ。」

アナウンサー「いろんなことを調べていったら分かると思うよ。好奇心いっぱいのようだから、いろいろ調べてみてくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君は食べるのも大好きそうなので、モリモリ食べて大きくなってください。」

久留飛先生「(笑)そやな。実際に蚕を飼ってみたら良いわ。」

アナウンサー「そうするといろんな発見があるかもしれません。」

質問者「蚕飼ってって言われた。」⇦近くの大人に言ってるもよう。

アナウンサー「蚕は飼ってみることもできるらしいので良いかもしれませんね。○○君、電話ありがとう。」

質問者「うん。」

 

次のお友だち

質問者「○○です。1年生です。」

アナウンサー「1年生の○○さんは何県に住んでいますか?」

質問者「ほっかい…どう!…です。」

「県」と言われて混乱しながらも正しく応えて「です」で着地。素晴らしい対応力。

 

Q2 昆虫から動物まで、生き物はどうして寿

  命が違うのですか?(小1女子)

 

アナウンサー「確かに。○○さんは何か虫や動物を飼っていますか?」

質問者「飼っています。」

アナウンサー「何を飼っているんでしょう?」

質問者「…カブトムシとヤドカリです。」

成島先生「カブトムシとヤドカリ飼ってるんだ、お世話は大変ですか?」

質問者「もうカブトムシは死んじゃいました。」

成島先生「ああ……。いつ飼い始めたの?」

質問者「オカヤドカリは今、脱皮中です(笑)。」

成島先生「脱皮中、すごいねえ。ちゃんと世話してるんだ? 脱皮ができるようにヤドカリの状態も良いようだね。」

質問者「はい。」

成島先生「カブトムシはいつ飼い始めたんですか?」

質問者「2年前です。」

成島先生「2年前に飼って、どのぐらいで死んじゃった?」

質問者「1年で死んじゃいました。」

成島先生「1年で死んじゃった、ああ…」

質問者「最初、買って、それで、卵生んで、それから育てました。」

成島先生「すごいな、じゃあ腐葉土みたいなの用意したの?」

質問者「はい。」

成島先生「すごいねえ! じゃあ幼虫から蛹になってくるところは全部見てたの?」

質問者「はい、見てました。」

成島先生「ああ~すごいですね、久留飛先生。」

久留飛先生「すごいねえ。」

成島先生「小学校1年生ですよ。」

久留飛先生「そう、君はすごい。○○さんすごいよ。」

生き物のお世話が上手で、受け答えもしっかりか~素晴らしい。

 

成島先生「それで、どうして生き物によって寿命が違うのかっていうことですよね?」

質問者「はい。」

成島先生「不思議だよね、僕たちは80才とか90才、場合によっては100才を越えてる人もいますよね? でもカブトムシは1年で死んじゃったよね?」

質問者「はい。」

成島先生「たぶん理由はここにあると思うんだ。生き物というのは自分の命を繋いでいくという大切なお仕事があるんですよね。カブトムシが卵を生んだということは、自分の命をちゃんと次の子どもたちに繋げた、と言えるでしょう?」

質問者「はい。」

成島先生「人間の場合は大人になって結婚しないと子どもができないじゃない? そうすると20才とか30才、場合によっては40才になってから初めて子どもができるんだよね。子どもができるまでに時間がかかるわけ。これは動物の種類によって、短い時間で大人になって子どもができる動物がいる一方、長い時間かからないと子どもが生まれないような体のつくりの動物がいるんですよ。」

質問者「…はい。」

成島先生「何か心細い“はい”だけど、大丈夫かな?」

質問者「大丈夫です。」

成島先生「ああよかった。だから、命を繋いでいくために早く大人になっちゃう動物は、自分の子どもを作ったら、もうそこで寿命が尽きていいわけ。例えば1年間で子どもを生むことができれば、その動物は1年でいなくなっても動物の種類自体…カブトムシならカブトムシという種類自体は命がずーっと繋がっていくわけじゃない?」

質問者「はい。」

成島先生「ところがさ、人間が15才で死んじゃったとするでしょう? 人間がみんな15才で死んじゃったら子どもができないから、その時点で人間という種類は絶滅しちゃうわけだよ。」

質問者「はい。」

成島先生「そういうことで、命を繋ぐためにどのぐらいの時間がかかるかが、動物の種類によって違うわけ。それが寿命の違いに繋がってると思うんだ。久留飛先生、例えば、カゲロウという動物は1日ぐらいで死んじゃうんですよね?」

久留飛先生「成虫になってからは短いですよね。」

成島先生「という動物がいる一方、ガラパゴスゾウガメという大きなカメがいますけれども、これは簡単に100才以上生きるんだって。」

質問者「…はああ!」

成島先生「人間並みだね。一般には体が大きな道路ほど長生きするんだ。イヌだと10才から20才。ネコもそうだね。ゾウぐらいの大きさになると60才とか70才まで生きるんだ。哺乳類だとね。」

質問者「…すごい!」

成島先生「すごいよね、人間並みだね。クジラもいるでしょう?」

質問者「クジラいます。」

成島先生「大きいよね?」

質問者「大きい。」

成島先生「シロナガスクジラっていう、ものすごく大きなクジラがいるんだけれども…」

質問者「ハッ!」

成島先生「おじさんも図鑑でしか見たことないんだけど、これだと100才を優に超えちゃうんだって。規則としては体が大きくなればなるほど長生きするようなんだ。それは子どもを作るまでの時間がかかることが決め手になっているらしいんだよ。大きな動物は長生きで、小さな動物は一般的には寿命が短いということね。」

質問者「はい。」

成島先生「ただ、野生の動物がどのぐらい生きるかというのは本当のところはよく分からないんだよね。人間は戸籍みたいなものがあって、生まれてから死ぬまで記録がちゃんととられているじゃない? 戸籍って分かるかな?」

質問者「はい。」

成島先生「とってもきちんとしたデータが揃っているわけね。でもアフリカに住んでるライオンの戸籍は残念ながらないんだよね。一応、ライオンはオスだとだいたい10才から12才で死んじゃうんだよね。メスだともっと長生きするんだけど、同じ種類でも性別によって寿命が違ったりするわけ。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○さん、どうですか? 大人になるまでの時間であったり、体の大きさによって、それぞれ生きる時間の長さが違うということでしたけど、大丈夫かな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「ヤドカリ君、元気かな? 大事に飼ってあげてくださいね。」

質問者「はい。」

野生の動物の寿命は本当はよく分からないのは確かにそうだった。寿命を気にして生きているのかどうかも分からないよね。

 

Q3 何で人間は痛さが分かったり、泣いた

  り、心がドキドキしたりするんですか?

  (5才男子)

 

アナウンサー「○○君はドキドキしたり痛かったりしたことがあったのかな?」

質問者「うん、あった。」

野矢先生「んー、すごく難しい質問でね、どうしてと言われてもなかなか答えにくい。痛さが分かるのは人間だけじゃないだろうけれども、成島先生、泣く動物…涙を流す動物って人間以外に…」

成島先生「ないですね基本的には。」

野矢先生「そうですよね、涙腺があって潤すぐらいのことはするんだろうけれども、ポロポロ泣いたりワアワア泣いたりするのは人間だけ…」

成島先生「ええ、悔しくてとか、嬉しくて泣くことはないですね。」

野矢先生「だから何で人間だけがこんなふうに泣くんだろう、というのはとても難しい質問なんだけれども、まず、自然の中で生きていく上で、あるいは人間どうし…つまり私たちが生きていく上で、こういうことをするようになったのは、それが生きていく上で何か役に立ってるからだ、というのが基本的な考え方だと思うんですよね。」

質問者「なるほどねえ。」

野矢先生「だから、涙を流す、泣いたり痛さが分かると、それがどういうふうに役に立つんだろうって考えるんですね。

今度はね、それがなかったらどうなんだろうって考えてみる。その時に、自分が泣くのはなぜだろうとか、自分が痛さを感じるのはなぜだろうじゃなくて、人間が泣くのはなぜだろう、人間が痛みを感じるのはなぜだろうって考えた方が良いと思うね。

というのはね、一人一人のことを考えたら泣かない人もいるし、それから痛みを感じない…病気なのか何て言えばいいのかよく分からないけれども、そういう人もいるんだよね。

だから“○○君が”じゃなくて、“人間が”どうして泣いたり痛みを感じたりするんだろう。もし、人間が痛みを感じなかったらどうなると思う?」

質問者「うーん……」

野矢先生「痛くないんだから良いことだと思う?」

質問者「……ちょっとだけ変ていう感じかなあ…。」

野矢先生「(笑)ちょっとだけ変ね。痛いって嫌だから、痛くない方が良いような気がするかもしれないけれども、痛みを感じないと大変なことになるよ。想像つくかな?」

質問者「……」

野矢先生「ケガしても痛くない。尖ったものを踏んづけても痛くない。気にしないでどんどん踏んづけたりケガしたりして、それからヤケドしても痛くない、そしたら熱いものにどんどん触って、体がどんどん傷ついちゃう。そう思わない?」

質問者「……」

野矢先生「あれ?」

質問者「うーん……」

坂本先生「ごめんなさい、ロボットの坂本ですが、今、野矢先生が仰ってることはとっても大事だなと思ってて、実はロボットも痛みを感じたり泣いたりできるようになってるんですね。」

野矢先生「ほおおお~。」

質問者「ぇええええ!?」

野矢先生「(笑)」

坂本先生「(笑)例えば押した時に、それが柔らかい優しい押し方なのか、それともロボットが壊れちゃうぐらい強い押し方なのかをセンサーで感知できるようになって、場合によってはそれを避けたり、泣いたりすることもできるようになっているんです。

メリットとしては野矢先生が仰ったように、…ロボットが壊れないようにする、危険を回避するために、あまりに強い痛み、強いものに対しては逃げられるように、そういうことで痛みをロボットも感じるようにすることもあるんですよ。」

質問者「なるほどぉ。」

アナウンサー「○○君、人間だけじゃなくてロボットも“つらいな”とか、自分にとって危険だというサインを感じたり出すことができるみたいです。」

野矢先生「もう一言いいですか? 痛みの方は割と分かりやすいんですよ。泣く方は難しい。何で人間だけ泣くんだろう? 人間と他の動物とのいちばんの違いって、やっぱり社会的な生活をしてるかどうかなんですよね。だから泣くことも人間が社会を営んでいることと、たぶん関係があると思う。」

アナウンサー「だそうです。○○君、いろいろお話がありました。参考にしてくださいね。」

野矢先生「まだ言いたいことがある。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)まだ言いたいことがある! どうしましょう、ニュースまたいじゃおうかな? ○○君、11時5分からおじさん、お姉さんたちと話をしましょう! 待っててね!」

質問者「はぁい」

子どもたちの質問が怖いと言いながら、いざ回答となるとやっぱりめいっぱい話してくれるのね。ありがたい。

 

というわけで11時台

アナウンサー「10時台の最後で○○君からの質問、“何で人間は泣いたり痛さが分かったりするのですか”というお話の続きでした。大変ヒートアップしておりまして、野矢先生がまだまだ伝えたいことがあると意気込んでいるので(笑)…○○君、待っててくれたかな?」

質問者「はあーい。」

アナウンサー「お待たせしました。野矢先生が今から思いの丈を語ります!」 

野矢先生「(笑)思いの丈って…そんなことはないですけれども、じゃあ○○君、もう少し続きを考えましょう。

さっき言ったのは、泣くのは人間だけみたいだと。じゃあ何で人間だけが泣くんだろう? 別に私も正解を知ってるとか答えを持ってるわけじゃないけれども、一緒に考えてみましょう。」

質問者「はい。」

野矢先生「人間と動物のいちばん大きな違いは、人間が人間どうし集まって、社会を作って生きているということですよね。もちろん動物の中でも社会を作ってるものはあるけれども、人間は本当に複雑な社会を作って、人と人とが関わり合いながら生きてますよね?」

質問者「そうですね。」

野矢先生「その人間の特徴と泣くことは関係があるんじゃないかな、というのが先生が今考えていることなの。どういうふうに関係があるだろうかというと、泣くと…泣いたからって、そんなに大きく悲しみが減ったりつらさが減ったりしないかもしれない。でも泣くことによって、“あ、この人は悲しいんだな”とか“あの人はつらいんだな”というのが伝わってくるじゃない?」

質問者「うん、そうだね。」

野矢先生「ね? たぶんこれが社会の中で、人と人とが関わり合いながら生きていく中で、ものすごく大事なことなんじゃないかと思うんだよね。」

質問者「そういうことだと思う。」

野矢先生「うん、そうだよね? “泣いている、つらいんだな、悲しいんだな”って思うと、こちらもその人に共感をしたり慰めたりするよね?」

質問者「うん、する。」

野矢先生「それは人間が集まって、みんなで協力して生きていく上でとても大事なことで、人間ってやっぱりそうやって生き延びてきた、それが人間を他の動物よりも生き延びやすくさせてきた。社会を作って生きていく、その中で泣くというのがひとつの…そうだなあ、コミュニケーションの道具と言っていいのかもしれないね。」

質問者「そうですね。」

野矢先生「自分のつらさや悲しみを人に伝えるということだね。」

質問者「うん。」

アナウンサー「今、野矢先生が仰ったようにコミュニケーションの能力であると。坂本先生、先ほどロボット・AIの分野でもそうした痛さ、つらさを伝える研究が進んでいるとお話がありましたけど、やはり共感力とか伝える力を研究するためのものなんでしょうか?」

坂本先生「そうですね。感情を理解しながら、というのが共感してのコミュニケーションということになるので、そこはとても大事というか、積極的にロボットとかAIも獲得していく必要のある能力だと思うんですよね。ただ痛みとかを感じさせる必要がどこまであるかというのは、いろいろ議論があって、倫理的、道徳的にわざわざそういうものを感じさせることが良いのかどうかもあります。」

アナウンサー「久留飛先生、成島先生、昆虫や動物もやはり…泣くことはないかもしれないですけど、痛みを感じることはある…?」

成島先生「痛みは感じますよね。ただ我々人間と動物の痛みの感じ方は違うみたいで、けっこう鈍感というか…例えば脚を折ったら人間だと痛くて歩けなくなってしまいますけれども、動物園での経験で言いますと、痛くても人間に捕まるよりは逃げた方が勝ちだって逃げちゃいますよね。痛みの感じ方は違うみたいです。」

質問者「うん。」

久留飛先生「確かにそうですね。バッタを捕まえて後ろ脚だけポロッと取れてしまうこと、けっこうありますよね? “こいつ片脚だけで大丈夫かな、痛くないのかな?”と思っても、たぶん痛いことは感じてるかもしれないですけど、それ以上に歩いていくとか飛んでいく方を優先しているという…私たちは痛かったらそこでうずくまって、治す方に力を入れる。ところが治す方じゃなくて動く方に力を入れてるんかな、という感じがしますね。」

先生方もアナウンサーも「うん…」「うーん…」と聞き入っている。生き物だけでなくロボットやAIにも関わる問題になってるとは…5才の質問侮れぬ!

 

野矢先生「今のを受けてもう一言いいですか? とても面白い質問だったんで、何かいろいろ話したくなってしまって…○○君、これは他の人が言っていない、先生の考え方なんだけれども、動物でも痛みを感じるというのはとても微妙なことで、何で痛みを感じるんだろうといったら、本当は痛みなんか感じなくて、危ないものがあったらすぐ体を引っ込めたり逃げたりしちゃった方が良いんですよね? 痛みを感じてる必要なんかなくて、とにかく体が反応しちゃえばいいわけで、それを何で痛みという感覚が生じるんだろうと考えた時に、…これは先生の考えですから、そういう考え方もあるのかなと思って聞いてくれればいいんだけれども、何で痛みを感じるかといったら、先生は我慢するためだと思う。すぐに反応をしない。危ないものに対してすぐ反応しないで我慢をする。今、久留飛先生が仰ったように、治療をしたり…治療するってことはある程度我慢をしなくちゃだめですよね?」

質問者「うん。」

野矢先生「すぐに体が反応しないで、痛いことを我慢して、そして治療をしたり耐えていく…そういう行動のパターンをする動物だけが痛みを感じるんだと思う。そうじゃなければ、何か危ないものがあったらすぐ体を引っ込めたり逃げたりすればいいわけで、痛みを感じるなんて余計なことなんですね。

だからこれはすごく難しくて面白い問題。今のは思いつきをしゃべっただけなんだけれどもね、ま、そんなことです。」

アナウンサー「○○君、いかがでしたでしょうか? 先生方のいろいろなお話がありました。またいろいろ考えてみてくださいね。」

質問者「はあい。」

自然界で痛みで動きを止めたら食われてしまうから、ちょっとでも動こうとする。社会を作った人間は痛みそのものに向き合える余裕があるっていうことだろうか。深く考えさせられる質問だった。時間も言葉もめいっぱいの回答を飽きずに聞いていたお子さんもすごい。

 

Q4 ドラえもんっていつできるんですか?

  (小5女子)

 

アナウンサー「ほお、いつできるか。きっとドラえもんが好きなんですね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「ちなみにいつ頃できると思います?」

質問者「自分では…23世紀くらいに(笑)なったらできるんじゃないかなとは思っています。」

坂本先生「ドラえもんに絶対必要なものが何かによって変わってくるんですけど、例えば外側だけなら簡単にできますよね(笑)?」

質問者「(笑)はい。」

坂本先生「(笑)見た目だけなら。でも、それだけだとAIで可能になるドラえもんではない。あとはドラえもんだと、のび太君がいたりして、のび太君のつらい気持ちとかを理解してあげて、感情に寄り添って、共感して、何とかしてあげようと思って、本当に人間のようにコミュニケーションしてくれるロボット、ということになると思いますけど、それで良ければそれも23世紀と言わず、たぶん2030年ぐらいにはできてると思います。」

質問者「ほおお。」

坂本先生「ただ、そこでも重要なのは、本当に自然に会話やコミュニケーションができるかということで、今のロボットだとなかなか自然な会話は難しくて、よく難しいと言われる例として、“のび太君がまた宿題を出し忘れちゃったんだよ、おまけに学校に遅刻したんだって”と言われたら、人間だったら何て応えるか。“困ったことだね”というようなことだと思うんですけど、AIはまだそれが難しくて、“のび太君は寝坊しましたね”とか“のび太君は学校で宿題を出さなければいけません”って答えちゃう。」

質問者「ああ…。」

坂本先生「それだとちょっとだめで、十分じゃなくて、やっぱり“困ったね”ってなるから、そこで“何とかしてあげなくちゃ”ってドラえもんが道具をいろいろ出す。という流れだと思いますけど…」

質問者「うんうん。」

坂本先生「ここで○○さんが“ドラえもんと言えばやっぱり4次元ポケットだ、そこからお悩みを解決してくれる道具を出してくれないとドラえもんではない”って思うかどうかが重要なんですけど、ここはどうですか?」

質問者「ここは…うーん…どこでもドアとかは物理的に可能ではないかなとは思うんですけど。」

坂本先生「すごいね。そうなんです、今度は物理の世界の問題になってきてしまって…4次元ポケットとか、要は私たちがいる世界は3次元ですよね? 2次元はペラペラの紙の縦と横があるだけで、私たちは上下とかいろいろの3次元の空間で生きてるわけですけれども、ここに4次元という…これは何かっていうのはけっこう難しい議論があって、時間の概念なのか、だからタイムトラベルができちゃうのかとか、まあいろいろあって4次元ポケットの中はどうなってるの、っていうことで、けっこういろんな議論があります。

先生がすごいなと思うのは、ドラえもんが必要なものをすぐに取り出せることで、あの中がグチャグチャになってなくて。」

質問者「うんうん。」

坂本先生「それがどういう原理になっているのかというのもいろいろあって、そこも実現しなきゃいけないとなると、よく宇宙の話で出てくるワームホールで空間を繋げばいいんじゃないかとか、難しい話になるんですけど、そこがなくてもいいなら2030年ぐらいにはできるかなと思っています。」

質問者「はい。」

アナウンサー「10年後?」

坂本先生「そうですね。」

アナウンサー「ということは、○○さんは小学校5年生ですから、20才か21才ぐらいですよ。」

質問者「そうですね、見ることができるかもしれないってことですね。」

 

Q5 カマキリの卵を見つけて、家の外に置い

  ていたんだけど、2月に孵化してしま

  い、今ショウジョウバエやアブラムシを

  あげています。あげているんだけど脱皮

  をしません。それはなぜですか?

  (10才男子)

 

アナウンサー「なかなか脱皮をしない、心配ですね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「毎日、様子を見ているんですね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「少し早めに孵ってしまったんやねえ。今、何匹ぐらいいてんのん?」

質問者「今は1匹ぐらい。」

成島先生「1匹…!」

久留飛先生「1匹? 卵の中から…卵嚢という塊の中から出てきたのは1つだけ?」

質問者「はい、卵嚢から出てきたのは1つだけ。」

久留飛先生「ふううん…そうか、今はアブラムシをやってるんやねぇ。」

質問者「はい、アブラムシやショウジョウバエをあげてます。」

久留飛先生「すごいな。ちゃんと食べてる?」

質問者「はい、食べて、もうお腹が膨らんで、もう十分ぐらいです。」

久留飛先生「ほんならもう少し待ってたら脱皮するかもしれんな。カマキリは脱皮をする時によく失敗するんよ。何でか言うたら足場というか、しっかり掴まる場所をこさえておかへんとあかんねんけど、カマキリいる場所は透明のプラスチックの容れ物の中か?」

質問者「はい。そこにガーゼやそういうのを張って。」

久留飛先生「張ってるねんね。ちゃんとした、歩けるようにはなってるわけや。」

質問者「はい。」

久留飛先生「ふんふん、ほんならちゃんとエサも食べてて、足場もちゃんとあるということやったら、うまく脱皮できると思うけどなぁ。」

質問者「はい。」

久留飛先生「うん…もう少し様子を見たらどうや?」

質問者「はい、分かりました。」

久留飛先生「そんな簡単な質問なのかどうか心配してて、ひょっとしたら病気になってるかもしれないと思ったけど、ちゃんと食べてるしお腹も膨らんでるから、うまく脱皮するんちゃうかなあ…。ただ、卵から孵化する時期が早すぎたわなぁ。」

アナウンサー「いつもだといつ頃に孵化するんですか?」

久留飛先生「野外にアブラムシが出てきた後に出てこないと…自分が先に出たらエサがないから困るわけや。」

アナウンサー「あっ、そうですね。」

久留飛先生「ほやから、自然の状態では5月ぐらいになって出てくる方が良いやんな。そやけどあなたはちゃんとエサも与えてんねんから、もう少し様子を見たらいいと思うけどな。」

質問者「はい。」

アナウンサー「何でしょうね? エサも食べているし、病気でもなさそうだと。」

久留飛先生「そう、元気そうやねぇ。」

アナウンサー「○○君、大きさはどれぐらいなんですか?」

質問者「えっと、まだ1センチもないくらいです。」

久留飛先生「そうやんね。いちばん最初に出てきたらすぐ脱皮をして幼虫の形になるから、それから脱皮してないということやんな。」

質問者「うん。」

アナウンサー「カマキリというのは脱皮してどんどん大きくなっていくんですか?」

久留飛先生「そうなんですよ、何回も脱皮を繰り返して大きくなって、夏ぐらいになるといよいよ羽が生えて成虫になるわけやからな。

ただ、自分で飼ってたら、いちばんの心配は脱皮の時によく失敗をして、脚の先っちょが殻から抜け出れなかったりすることがよく起こるから、それだけは注意かな。」

質問者「うん。」

アナウンサー「動いてますか? それともジッとしてますか?」

質問者「ジッとしてる時もあるし、動くこともある。」

アナウンサー「じゃあ弱りきってはいないですね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「なるほど。ちなみに名前はつけてるんですか?」

質問者「名前はつけてません。」

アナウンサー「そうなのね(笑)。心配ですけどねぇ…今までカマキリの卵を孵したことはあるんですか?」

質問者「いや、これが初めて。」

久留飛先生「ゆっくり観察してみてね。」

質問者「はい。」

 

Q6 イヌとサルは犬猿の仲と言われているの

  に、何で桃太郎では一緒に出ているんで

  すか?(8才女子)

 

アナウンサー「そうねぇ、桃太郎ではチームになってますね。仲が悪いというのは誰から聞いたの?」

質問者「母ちゃんから聞いた。」

成島先生「んー、難しい質問だねぇ…。桃太郎のお話は知ってる?」

質問者「知ってる。」

成島先生「どういうお話でしたっけ? おじさんに教えてくれますか?」

質問者「えっと、おじいさんとおばあさんがいて、おばあさんが川に洗濯に行ったら桃が流れてきて、それで拾って、割ったら桃太郎が出てきて…」

成島先生「そうだったよね。それで大きくなって鬼退治に行くんだね。」

質問者「うん。」

成島先生「その時にイヌとサルとキジが…きび団子だっけ、きび団子をもらえるよってお供になって、鬼退治に行く、そういうお話でしたね。」

質問者「うん。」

お子さんが桃太郎の中身を最後まで話すのを待ってたら時間が足りないと判断したのか、ご自分で言ってしまう成島先生。でも成島先生はいつもお子さんが話すように誘導してるんだな~そういうところ好き。

 

成島先生「その時さ、ふつう僕たちはイヌやキジやサルとお話しできないじゃない?」

質問者「うん。」

成島先生「でも桃太郎はお話ししてた?」

質問者「してた。」

成島先生「そうすると、イヌとサルが仲が悪いのも不思議だけど、桃太郎とイヌやサルやキジがお話をしたということも不思議だよね?」

質問者「うん。」

成島先生「おじさんが思うには、これはたぶん、このお話を作った人が、イヌやサルやキジや人間がみんなお話をできて、仲良くチームを組んで悪いことに立ち向かうといいなって望んだんだと思うんだ。」

質問者「へえええ。」

成島先生「本当ならばできないじゃない? お話もできないし、お母さんが言ってるようにイヌとサルはとっても仲が悪いんだよね。だけどお話の中では一緒になって桃太郎チームを作って、鬼退治に行くじゃない? そういうふうに悪いものをみんなで協力してやっつけるためには、一致団結しなきゃだめじゃない?」

質問者「うん。」

成島先生「そのためには言葉の壁を越えて…言葉の壁って言うと難しいかな(笑)、同じ目標に向かっていくことを、昔の物語を作った人は希望して、そういうお話にしたんだと思う。」

アナウンサー「先生、伺いたいんですけど、桃太郎から離れて考えると、そもそもイヌとサルは仲が良いんですか? 悪いんですか?」

成島先生「まずイヌというのは肉食動物ですよね。サルというのは若干昆虫なんかも食べますけど、基本的には植物食動物ですよね。だからサルはイヌに食べられるという…」

アナウンサー「えっ!」

成島先生「イヌの祖先はオオカミですから、オオカミはサルがいれば、特に小っちゃい子どもがいればエサとして食べる可能性は十分あるわけですよね。」

アナウンサー「子イヌや子ザルの頃から一緒に飼ってれば仲良くなれますか?」

成島先生「それはそうです。でも、そういうことはふつうは起きないわけですよね。基本的には肉食動物は草食動物をエサとして食べますから、食べられたらかないませんので、当然サルはイヌが来れば警戒して逃げるわけですよ。」

質問者「本来は逃げる。稀に仲良いレアケースもある。」

成島先生「ええ、犬猿の仲と言われてるけれども、動物園なんかで小さい時から一緒に飼ってると仲良くなって、一緒に暮らすことが可能ではありますけど、それは非常に稀なケースで、基本的には自然の中では起きないんですね。」

アナウンサー「なるほど。○○さん、ということは、今の先生のお話だと本来は仲が悪いけど、場合によっては良いこともある。そして桃太郎のお話では、鬼退治という共通の目標があるので、みんなで話し合ってチームを作ろうと決めたのでしょう…」

成島先生「と想像しますね。」

アナウンサー「○○さん、いかがですか? 大丈夫かな?」

質問者「うん。」

成島先生「お話の問題と科学の問題と、別に考えた方が良いと思うんだ。」

質問者「はい。」

 

Q7 すぐ自分と人とを比べてしまいます。人

  とは比べない方が良いと言われても比べ

  てしまいます。どうしたら直せますか?

  (小5女子)

 

アナウンサー「どんなことで比べちゃいますか?」

質問者「例えば、妹が宿題が少なくてずるいと思ったり、友だちの方がテストの点が良かったりすると落ち込んだりします。」

アナウンサー「うんうんうん……そうかぁ…つらい思いをしたんですね?」

質問者「はい。」

野矢先生「まず、性格というのは本当に人それぞれだよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「いろいろな性格の人がいるから、こういう性格にならなくちゃいけないということはなくて、○○さんは○○さんの性格を持っているわけだよね?」

質問者「はい。」

野矢先生「でもその中で、自分の性格に素直に従ってたら困っちゃうこととか、かえって自分がつらくなったり、あるいは人に迷惑かけたりすることがあったら、何とかしなくちゃいけないな、ということにもなりますよね?」

質問者「はい、そうですね。」

野矢先生「逆に言えばね、もし、その性格で自分自身が困ったりつらかったり、人に迷惑をかけたりすることがなければ、それは自分の個性だと思って、受け入れればいいわけだね。」

質問者「ああ…まあ、そうですね。」

野矢先生「どうなんだろう、困っちゃってる?」

質問者「困ってますね正直。」

野矢先生「困ってますか(笑)。じゃあ何とかしなくちゃいけないよね。でも、性格を変えようと思う部分と、変えなくてもいい部分があるから、そこはちゃんと見ていかなくちゃいけなくて、人と比べて悔しいなと思うから頑張るということもあるよね?」

質問者「うーん、私はどちらかと言えば、悔しい方が多いですね。」

野矢先生「うーん…それでかえってつらくなっちゃうわけだね?」

質問者「はい…。」

野矢先生「そしたら、人と比べてすぐ落ち込んだりするのは、やっぱりなかなかつらいことなので、少し弱くしていった方が良い。それは○○さんも頭では分かってる。だから何とかしたいってわけだね?」

質問者「はい。」

野矢先生「性格というのはね、すぐには変わりません。でもね、変わります。」

質問者「はあ。」

野矢先生「特にまだ小学校5年生、…えっと何才だって?」

質問者「11才です。」

野矢先生「11才。若いなんてもんじゃないですね。これからです。私みたいに65才とかいうと変わる見込みはもうほとんどないですが(笑)。どんどん頑固になってきて。

でも、まだまだ柔らかい、これから変わっていける。ただし、ゆっっくりとしか変わらない。すぐには変わらない。

じゃ、どうすればゆっくりだけれども変わるかって言ったら、やっぱり最初は自分で頭で分かって、“あ、こうしない方が良いな”っていう気持ちを自分の中に教えてゆくこと。それからもう1つは、…難しいかもしれないけれども、“あ、こういう人が良いな”っていう先生でもいいし、ご両親でもいいし、友だちでもいいし、別の人でもいいけれども、“こういう人が良いな”と思ったら、そういう人の良いところ、自分が良いなと思うところを真似してゆく。“あんなふうになりたいな”、“こういう時、あの人だったらどんなふうに考えるだろう、どんなふうに思うだろう”っていう人を見つけるというのも、すごく良いことだと思うね。」

質問者「うん。」

野矢先生「自分の中にどんどん引き込もっていって、自分で自分を責めてると、かえって出口が見つからなくなってくる。自分の外に目を開いて、ああなりたいな、こうなりたいなって思って、そしてゆっくりゆっくり10年後、20年後、場合によっちゃあ30年かかるかもしれないけれども、でも性格というのは本当にゆっくり変わってゆくから。」

質問者「はい。」

野矢先生「ね、すぐには変わらないよ。」

質問者「うん。」

野矢先生「みんな大体そうやって、自分の中に困った自分を抱えて生きているんだよ。だから困った自分がいても、それもやっぱり自分なんだなと思いながら、ゆっくりつき合ってゆくことですね。」

質問者「はい。」

野矢先生「これは別に哲学の答えじゃなくて、先生は自分のことを振り返って、“ああ、そう言えば若い頃こうだったけれども、今はもう少しましになったかなぁ”なんて反省しながらしゃべっていました。それは他の先生方もいろいろ思い当たるところがあるんじゃないかなと思うので(笑)…」

アナウンサー「坂本先生はいかがですか?」

坂本先生「えっとですね、AIとかロボットには基本的に性格を持たせないんですね。というのは、今、○○ちゃんも自分の性格で苦しい、どうしてこう思っちゃうんだろうって悩んでると思いますけど、AIとかが人に嫉妬しちゃったり、そういう感情を持っちゃうと、けっこう面倒なことが…“こういうことをやらせたい”というのがあるのに、うまくできないと嫉妬しちゃって、結局そのAIは人間にとって役に立たない。だからAIには性格を持たせないんですね。」

質問者「なるほど…。」

人間の役に立つために性格は不要、そして故障防止のために疲れや痛みをある程度感じさせる…人間の欲が深くてモヤモヤする。

 

坂本先生「もう1つ、AIはプログラムなので、基本的に問題解決をするように動いちゃうんですよ。人間だったら悔しいと思った感情が“悔しい、悔しい”って続いていくこともあるけど、AIの場合はどうやってそれを解決するかを考えちゃう。悔しいから頑張るっていうふうに課題解決に動けばすごく良いんだけど、場合によってはちょっと怖い話になっちゃいます。“悔しいから悔しい原因を消しちゃおう”って動いちゃう、その感情の原因になるものを消すことに動いちゃったら、いわゆる怖いAIの話になるでしょう?」

質問者「あ……怖いAI…。」

坂本先生「AIで性格ってなると、そういうことを思っちゃいました。」

アナウンサー「いかがですか?」

質問者「えっ…と、自分の性格はまぁしょうがないなって思うところもあるなって分かったし、AIは怖いこともあるなと思いました。」

坂本先生「(笑)ごめんね変な話をしちゃって。」

アナウンサー「すぐには性格が変わらないし、大事にしてほしい部分もあるし、これからゆっくり変わっていくところもあると思うの。いろんな人に会ったり本を読んだり、本とか実際に会った人の中で、さっき野矢先生が言ってたみたいに理想の人を見つけて“こんなふうになってみたいな”なんて思うのも…」

野矢先生「いや、理想の人なんていないですよ(笑)。」

アナウンサー「ああ先生、またそんなことを言う…(笑)。自分のヒントになるような、生き方のヒントになるような考え方とか、自分と同じような思いをした人の話を聞いてみるとか…」

野矢先生「うん、そうですね。」

アナウンサー「そういうことをすると、きっとまた良いことあるよ、○○さん!」

質問者「そうですね。」

坂本先生「○○さん、そういう人間らしい感情、すごく素敵だなあと思いました。いろいろ考えて、それを乗り越えるととても素敵な人になっていくんだろうなと思うので。」

質問者「ありがとうございます。」

アナウンサー「○○さんだけじゃなくて、そういう悩みを持ってる人も多いと思うので、そんなお友だちを見つけたらお話をしてみてくださいね。」

質問者「はい、分かりました。」

野矢先生の「性格はゆっくりとしか変わらない」は同意しかない。でも自分の嫌なところを自覚して、全国放送のラジオに実名で相談することが前向きだし真摯だし…素晴らしいお子さんだと思ったな。

 

Q8 何でAIはお仕事を頼むとそのお仕事をし

  てくれるんですか?(5才男子)

 

アナウンサー「AIに頼むとそのお仕事をするするというのは、どこかで見たのかな?」

質問者「うん、EテレWASIMOで、見ました。」

アナウンサー「(笑)EテレWASIMOっていう番組あるね。ちなみに○○君は頼まれると、何かお仕事をしていますか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「誰から頼まれるのかな?」

質問者「ママ。」

アナウンサー「(笑)ママがお手伝いをお願いするのかな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「そっかぁ、○○君も頑張ってるね。」

坂本先生「AIは、あらかじめそのお仕事をするように学習をさせておけば、その仕事をとにかくやるようにプログラミングしてあるので、そのように動くということなんです。嫌だ、やりたくないという好みを持たせていないので、人間なら嫌だなぁと思うことも思わずにひたすらできる、というのがAIの特徴です。それもすごく高速に、かつ高い精度、すごく正確にやることができるので、例えば医療の分野でガンの診断とかを人間よりも速くたくさんやれちゃうので、役に立っているんですけど、実はものすごーくたくさん学習、お勉強をしておかないと、そんなに簡単にはできなくて、人間だったら簡単にできることも実は難しかったりするんですね。○○君はお洗濯物をたたんだりするお手伝いはしますか?」

質問者「はい。」

坂本先生「えらいね! AIとかロボットはガンの診断はできちゃうのに、お洗濯物をたたむことは実は難しいんです。というのは、まず、洗濯物のそれがハンカチなのか下着なのかTシャツなのかを見て、認識して、分類しなきゃいけないんですね。これを1個1個、すごくたくさん学習させないとできなくて、じゃあこれは下着だとなったら、今度はそれをたたむという動きをコントロールして、たたんでいくと形がだんだん変化していくでしょ? それに応じて腕とか指を微妙に動かすことも、実は難しいんです。でも人間はそれを子どもでも簡単にやれちゃう。だからすごいんですよね。そんなに簡単にできることがあるんだけど、AIよりもお仕事がうまくできないな、ちゃんとやれないなと思うことがあるとすると、それはもっと他にやりたいこととか好みがあったりして、人間は言われたことを黙々とやることがなかなかできなかったりするのかな、と先生は思います。

だから、○○君がもし、“本当はお外に遊びに行きたいのにな”、“テレビ見たいのにな”と思っても、ちゃんと洗濯物をたたんだり、お母さんのお手伝いができるんだとすると、自分の他にやりたいことへの気持ちに打ち克ってやっているわけだから、すごいなあって先生は思います。」

アナウンサー「ちなみに○○君の得意なお手伝いというのはどんなことがありますか?」

質問者「料理を作るところ…」

アナウンサー「料理!? えっ、料理をお手伝いしてるの?」

質問者「うん。」

坂本先生「すごいね。」

アナウンサー「すごいね! どんなお手伝いなのかな? どんなことをやってるの? 野菜を洗ったりしてるのかな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「ああ…! えらいですね。」

坂本先生「うーん、すごいですね。お料理のロボットもイギリスの方で作られてるんですけど、腕だけなんですけど、けっこうな金額なんですけど(笑)。でもお料理ってやっぱりすごく大変で、やろうと思えばロボットにもできるんですけど、家族の好みに合わせて、“今日はこういう味付けにしようかな”っていうのは、やっぱり人間の方が上手にできるんじゃないかなと思います。」

アナウンサー「ああ…医療とかお料理の分野でAIが頑張ってるそうですけど、お仕事に飽きちゃったり疲れちゃったりすることはないのですね?」

坂本先生「そうですね、疲れるという機能は持たせていないので、どんだけ長くても壊れるまでやり続けることができると思うんですね。電気がなくなるまでとか。そこは人間と違うすごいところですよね。」

アナウンサー「これからどんどんAIの機能は向上していくんでしょうかね? やれることは増えていきそうですか?」

坂本先生「そうですね、人間が“これは面倒だから、やりたくないから他のものにやらせたい”と思うものがあれば、やっぱりそういうものを作っていくので、AIとかロボットはそういうところに活用されるようになると思います。」

アナウンサー「分野が広がっていくかもしれません。○○君、という坂本先生のお話でした。どうですか? Eテレを見て興味を持ってくれたんだもんね?」

質問者「うん。」

アナウンサー「これからもますますAIに興味を持ってくださいね。」

質問者「はい。」

 

アナウンサー「午前中の相談の時間があっという間に…間もなく11時50分となりそうですけれども、皆さん、今までのところを振り返っていかがでしたか? いろいろな質問がありましたよね?」

久留飛先生「そうです。確かに知識を寄せ集めて分かるものではないものが多いですから、それを自分がどう考えるか、ということがいちばん問題になりそうな感じがしますね。」

アナウンサー「久留飛先生にも何か突きつけられるというか、考えさせられるところが…」

久留飛先生「全てそうですよ、最後の女の子の“悔しい”っていう…あんなん私なんかしょっちゅうですからね(笑)。」

野矢先生「(笑)」

久留飛先生「悔しいばっかしで。悔しいこと考え続けたら、そのうち飽きてしまうみたいな…それで解決してるようなとこもありますから(笑)、悔しさを考えるというか思うことはとても大事かなと思いますね。それをちゃんと言えることが…」

アナウンサー「すごいですねぇ。」

久留飛先生「ちょっと言いにくいことだと思うんですけど。」

坂本先生「確かに。」

アナウンサー「これを口に出して言ってみる、考えてみるというのも良いことですね。」

久留飛先生「それが良いと思います。」

 

          10時台・11時台終わり

 

 

 

子ども科学電話相談春スペシャル3/21(昆虫、天文・宇宙、植物、科学)10時台~11時台

3/21のジャンルは

 昆虫 久留飛克明先生

 天文・宇宙 国司真先生

 植物 塚谷裕一先生

 科学 藤田貢崇先生

 

Q12 プラスチックのおもちゃに消しゴムの

  カスがくっついたまま放っていたら、お

  もちゃが溶けたみたいにへこんでいまし

  た。それは何でですか?(小4女子)

 

アナウンサー「あらっ、溶けちゃったんですか?」

質問者「はい。」

藤田先生「プラスチックのおもちゃに消しゴムをくっつけちゃうと溶けちゃうという問題ですよね。私もこないだ、自分の机の中の消しゴムがこうならないようにしていたつもりだったのに、気づいたら消しゴムがしっかりくっついてしまって、ちょっとエラいことになったんですけど(笑)。

消しゴムって何でできてるか知ってます? 実は2種類あるんですね。○○さんが使ってるのはどんな消しゴムなんでしょうね? 色は何色ですか?」

質問者「白色です。」

藤田先生「白い消しゴム。買ってきた時に表をくるんでる紙でできたケースがあると思いますけど、“プラスチック消しゴム”とか“プラスチック字消し”とか書いてませんか?」

質問者「え?」

藤田先生「見たことあります? もしかしたら書いてないかな? “消しゴム”って言いますけど、実はゴムでできてるわけじゃないんですよ。ゴムでできてる消しゴムもありますけど、それは実はプラスチックでできてるんですよ、消しゴムなのに。みんな“消しゴム”と呼ぶけど、プラスチックでできてるんですね。」

質問者「はい。」

藤田先生「原料は何かというと、塩化ビニールという物質を固めて作るんですね。そのままだとすごく硬いんですよ。例えば、よく食品を取っておくプラスチックのケースがありますよね? あれってすごく硬いですよね?」

質問者「はい。」

藤田先生「プラスチックって硬いものもあれば軟らかいものもありますよね? 水を撒く時に使うホースがありますよね? あれって軟らかいでしょ?」

質問者「はい。」

藤田先生「あれが硬かったらとても不便ですよね? そんなふうにプラスチックも硬くすることができたり、逆に軟らかくすることもできるんです。」

質問者「はい。」

藤田先生「○○さんの使ってるプラスチックでできたいわゆる消しゴムの中に、どういうものが入ってるかというと、この塩化ビニール樹脂というものを軟らかくするための物質が溶けてる…一緒に配合されてるんです。作る時に塩化ビニール樹脂に可塑剤という…“可塑”って難しい字を書きますけど、軟らかくする薬だと思ってくれればいいですかね。」

質問者「はい。」

藤田先生「そのプラスチック消しゴムと、ふつうのプラスチックを一緒に置いとくと、この可塑剤という軟らかくする薬が別のプラスチックにも移っちゃうんです。」

質問者「ああ…。」

藤田先生「そうするとくっついた部分が溶けて…軟らかくなっちゃので、長い間置いておくと形が変わってしまうことになるわけです。…分かってくれたかな?」

質問者「はい。」

藤田先生「よかったです。」

アナウンサー「よかった。軟らかくする素材がおもちゃの方に移っちゃったということだったんですね。」

藤田先生「消しゴムのカスも、元はプラスチック消しゴムから崩れたものなので、可塑剤が入っちゃってるんですね。」

アナウンサー「可塑剤…軟らかくする素材。」

藤田先生「薬品というか物質というか。」

アナウンサー「だそうです。○○さん、いかがですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「大事なプラスチックのおもちゃだったら、近くに置かない方が良いのですね?」

藤田先生「そうですね。プラスチック消しゴムというのは、ふつうは紙のケースがついてますよね? あれは紙のケースに入れておけば他のものにくっつかないからですね。使う時にあの紙のケースを捨てちゃうと、今回みたいなことが起こるので、私みたいになってしまうので(笑)、紙のケースはちゃんと取っておかなきゃいけないんですね。小っちゃくなってきたら紙のケースを切っても良いけれど、裸で置いとくようにしない方が良いわけです。」

引き出しに入ってる消しゴムのケース(スリーブと呼ぶらしい)を見たら「消しゴムや消しくずはプラスチック溶かすことがある」、「使った後はスリーブに入れてください」と書いてある。子どもの頃から消しゴムは最後までスリーブに入れて使ってきたのに、そんな注意書きは一度も読んだことなかった。

 

Q13 チョウは蛹の中でドロドロに溶けると

  聞いたことがあるけれど、脳みそも溶け

  るんですか? また、その時、考えるこ

  とができるんですか?(小4女子)

 

アナウンサー「ドロドロになるというのはどこかで聞いたことがあるのですか?」

質問者「あります。」

アナウンサー「ほおお…。○○さんはチョウを育てたりしたことはありますか?」

質問者「あります。キアゲハとかモンシロチョウとかを育てたことが。」

久留飛先生「蛹になる昆虫っていろいろいるよね? アゲハチョウもそうだし、カブトムシもそうだし、ハエもカも…そういう具合に蛹になって大人になる昆虫の蛹って不思議やなあと思うよね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「人によっては“第2の卵”と呼ぶ人もいるけど、その中で幼虫と成虫の体は全く違うよね? だから作り直すというのが蛹の中で行われているわけよ。そらそうやんな。」

質問者「はい。」

久留飛先生「じゃ、“神経はどうなってんのん?”て言うたら、一部は残ってるみたいですよ。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「幼虫の時に動かす神経と、成虫になって飛ぶ神経が同じやったら、飛ばれへんやんな?」

質問者「ああ…。」

久留飛先生「なので、ある部分は作り直され、ある部分は最初にあったものがそのまま使われるという。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「記憶…というか覚えてんのやろうか。幼虫の時に○○ちゃんが“よしよし”って育てた記憶を、成虫になってもそのチョウは覚えているんだろうか、って不思議やろう?」

質問者「ああ…。」

久留飛先生「あなたはどう思う? 忘れてしまう?」

質問者「うーん…いや、覚えててほしい。」

久留飛先生「覚えててほしいよねえ。最近分かってきたみたいだけど、例えば温室の中でチョウを飛ばす昆虫館とかあるやろ? 幼虫の時に大事に育てたやつは、その温室の中でもうまく飛んでくれたり、場所をよく覚えてるように思うねん。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「何でかというと、外から採ってきたチョウを温室の中で放すやん、そうすると明るい方に行ってガラスにぶつかって、うまく飛んでくれないことが多いんよ。」

質問者「へえええ。」

久留飛先生「ということは幼虫の時に大事に育てて、そこで放したチョウは、割とそういう記憶を持ってるんじゃないかと思ったりします。やから、昆虫は脳みそが頭にあったり胸にあったりお腹にあったりするんだけど、けっこう賢いんじゃないかなって。」

質問者「へえええ~。」

久留飛先生「今まで分からんかったから“昆虫なんて”と思ってたところがあるかもしれないけど、意外とよく覚えているんじゃないかなと思っています。」

質問者「ああ、そうなんだ。」

久留飛先生「幼虫の時に大事に大事に育てると、成虫になっても、ひょっとしたら覚えててくれるかな? “○○ちゃんの手はこれだな”って分かるかな? 分かってくれたらいいなと思うけど、そこまでは無理にしても、そういうことが記憶として残っているんではないかと、今、言われています。」

アナウンサー「○○さん、いかがですか?」

質問者「えっと、よく分かりました。」

アナウンサー「よかった。蛹の時に“よしよし”と育てると、その時の何かが残ってるかもしれないという…。」

久留飛先生「残ってるように思いますけどねえ、どこかで遠い記憶みたいなものを…特に昆虫は本能で生きると言われていて、そういうことは後からなかなか身につかないとか覚えていないと思われていたんですけど、覚えているんではないかと。昆虫が賢いということに、記憶能力がけっこうあることが分かってんねん。例えばハチの実験なんてよくあるけど、黄色い所に砂糖水を置いて他の色の所に置かないと、黄色い色を覚えて砂糖水を取るとか。」

アナウンサー「へえええ。」

久留飛先生「ゴキブリのイジワル実験で、“ここに来たら電気が流れる”…(笑)嫌な実験をするとそこに来なくなるとか。」

アナウンサー「(笑)賢い!」

久留飛先生「という具合に記憶能力というのは、けっこう昆虫にもあると言われている。ちゃんと実験で確かめられているので、いろんな記憶が残ってるように思いますね。」

 

Q14 なぜ春夏秋冬があるのですか?

  (小1男子)

 

アナウンサー「そうですよね。ちなみに長崎は今、暑いですか? 寒いですか?」

質問者「ちょっと暖かいです。」

国司先生「今1年生だから、今度2年生になるんだよね?」

質問者「はい。」

国司先生「小学校で1年生になって、去年の入学式の時は桜が咲いてたかな? 夏休みも楽しい思い出がいっぱいあるよね? それから冬休みもあったよね?」

質問者「はい。」

国司先生「今度また春になって、その1年間を振り返りながらいってみようか。どうして春夏秋冬があるのかというのは、実は地球のいろいろな動きが理由になっています。

これから春から夏になるでしょう? そうすると日が延びてきたんだけれども、そういうのは感じてるかな? 例えば、お日様は朝、東から昇って、お昼頃に南を通って夕方に西に沈んでいくよね?」

質問者「はい。」

国司先生「じゃあ冬と夏でどう違うかというと、夏休みの太陽は、プールに入った頃は空のすごーく高い所、頭の真上にジリジリ光ってなかった?」

質問者「ああ…、光ってました。」

国司先生「光ってたね。じゃ、冬休みのお昼頃の太陽はあんなに高かったかな?」

質問者「いや、そんなに高くない。」

国司先生「そう、低かったよね、何か弱々しい太陽だったよね?」

質問者「はい。」

国司先生「それからもう1つ。朝、太陽が昇るのはいつもそうなんだけど、冬の太陽と夏の太陽は、昇ってくる時刻が違ってたんだけど、気がついたかな?」

質問者「…いや、気がつかなかった。」

国司先生「これはラジオ体操がポイントなんです。夏休みのラジオ体操は6時半でしょう? 眠い目をこすって行くよね? でも、その時はもう太陽が高くなって、暑くなりかけてるよね?」

質問者「はい。」 

国司先生「こないだ冬休みのラジオ体操に行ったお友だちがいて、まだ薄暗いの。太陽が昇ってないの。」

質問者「えええ。」

国司先生「そうなの。1年を通して太陽の昇る時刻とか、太陽が真南にくる高さは変わっていくの。そうすると冬は昼間の時間がすごく短いんだよ。だから冬は、東京だと4時半くらいには日の入りになっちゃうの。」

質問者「へえええ。」

国司先生「だけど夏は7時くらいでも明るい。○○君の長崎だと、夏の7時だとお日様は西の空に光ってるもんね。太陽が長ーく空にあれば、それだけ暑くなるよね?」

質問者「うん。」

国司先生「それから太陽が冬は遅く昇って、夕方早く沈んじゃうと寒くなるよね?」

質問者「はい。」

国司先生「そういうことで春夏秋冬という季節の移り変わりがどうやらできているらしいんです。」

質問者「へえええ。」

国司先生「でももう少し詳しくお話をすると、これは○○君が住んでいる地球の自転のしかたなの。コマを回したことあるよね?」

質問者「はい。」

国司先生「地球も同じようにコマみたいに回ってて、そのコマの軸が真上に向いてなくて、ちょっと傾いてるんだって。」

質問者「ほおお。」

国司先生「その地球の傾きを外から見るのは大変なので、小学校に地球儀が置いてあると思うんだ。地球儀を見たことある?」

質問者「あります。」

国司先生「よかった。あの地球儀は自転軸が真っ直ぐ立ってなくて、ちょっと傾いてるの。23.4度ぐらいかな。その傾いている状態でお日様、太陽の周りを回ってるんだって。」

質問者「へええ。」

国司先生「これが1周すると、さっきの春、夏、秋、冬という1年のなるの。」

質問者「へえええ。」

国司先生「ここでおじさんも小学校の時に勘違いしたの。夏は地球と太陽の距離が近づいてて、冬になると遠ざかっちゃうのかなって。それは反対なの。冬の方が地球と太陽の距離は近いの。夏の方が遠いんだって。」

質問者「ええ!」

国司先生「どうしてかというと、さっきの傾きなのね。傾いていると…この地球を南北に分けると、日本列島は北半分の方に入ってるの。北半球って言うんだけどね。長崎もそうだよ。北半球の日本列島は、夏の頃に太陽がとっても高い所から照るようになってしまうんですよ。」

質問者「へえええ。」

国司先生「ところが太陽をクルッと半周してちょうど6カ月、冬になると、今度は北半球に太陽が当たるのが少し斜めになって、当たり方でエネルギーがあまりたまってこなくなるの。そうすると反対のオーストラリアっていう国の名前は聞いたことある?」

質問者「聞いたことない。」

国司先生「カンガルーとかコアラが住んでる国なの。それは地球を南北に分けると南の方にあって、実は日本が夏の頃はオーストラリアは冬になっていて…」

質問者「へえええ。」

国司先生「そう、逆なんだよ。だからオーストラリアのクリスマスは、サンタクロースが海水パンツをはいてやって来るっていう写真をおじさんは見たことがあるの。」

質問者「えっ。」

国司先生「そんなふうにして、場所によって春夏秋冬が変わってしまうらしい。それはさっき言った、地球の自転軸がちょーっと傾いているのが理由らしいんだよ。

昨日がちょうど春分の日だったね。これは昼と夜の時間がほぼ同じになってしまう日なんだね。そんな季節の節目のことをいろいろ不思議に思ったんだね。」

アナウンサー「○○君、いかがですか? 地球がちょっと傾いて自転してるので、四季が生ま…れる…」

国司先生「傾いたまま公転をしている。」

アナウンサー「(笑)公転をしている。公転をしていることが関係しているそうですよ。○○君、春夏秋冬があるという説明、納得して頂けたでしょうか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「よかったです。ちなみにいちばん好きな季節はどこですか?」

質問者「夏です。」

アナウンサー「何でですか?」

質問者「えっと、虫がすごくいて、虫が捕りやすいからです。」

国司先生「いいですねえ~。」

アナウンサー「そっかぁ、いいですねえ。また、虫についての質問も待ってますよ。」

質問者「はぁい。」

気温は太陽の熱で地面が温められてできるっていうのもこの番組で知ったけど、太陽の角度と日照時間で気温が変わって季節ができるのか。いろいろ繋がってるんだねえ。

 

Q15 どうやって植物は息をしています

  か?(小4女子)

 

アナウンサー「○○ちゃんはどうしてそれを不思議に思ったのですか?」

質問者「テレビでレンコンが穴から息をしているのを見て、おととい買ってきた植物はどうやって息をしてるかって不思議に思いました。」

アナウンサー「○○ちゃんはおととい、どんな植物を買ったんですか?」

質問者「ブルーベリーと、ハーブ…(笑)あまり名前は覚えてないんですね、ごめんなさい。」

アナウンサー「(笑)いえいえ大丈夫ですよ。」

塚谷先生「レンコンは確かに穴が開いてますよね。レンコンを掘るところって見たことあります?」

質問者「えーと、ありません。」

塚谷先生「レンコンは植物の名前で言うとハスですけど、ハスが生えてるところは見たことあります?」

質問者「えー、ありません。」

塚谷先生「夏になるとハスのピンクとか白の花が咲くので、けっこうきれいだから、どこか近くで見てもらうと良いですけど、生えてる場所は池とか沼なんですよ。レンコンは沼とか池の水の底の、さらに下の泥の中に横に張って生えてるんですね。だから空気がすごく遠いんですよ。なので、レンコンはハスの茎にあたるところですけど、茎にああやって穴を空けとくわけですね。」

質問者「ああ…。」

塚谷先生「そこだけだと空気が通らないじゃないですか。だから、空気がどこにつながってるかというと、ハスの葉っぱ…夏になったらたくさん見られる所があるので見てもらうと良いと思いますけど、ハスの葉っぱは水中から茎を伸ばして、葉っぱ本体は空中に浮かせた状態で出てくるんですよ。ハスの葉っぱは丸い格好をしてるんですけど、葉っぱの縁のところに細かい穴が空いてて、そこまでレンコンの穴が管としてずーっとつながってるんです。」

質問者「おお。」

塚谷先生「ハスの葉っぱの柄を切ってみると、やっぱり穴が空いてるんですね。ずーっと辿っていくとちゃんとレンコンの穴につながってるんですよ。だから、ハスは茎本体とか根っこが水中の、しかも泥の中にあるので、全然空気にたどり着けないから息ができないですけど、葉っぱを出すと葉っぱがシュノーケルみたいな感じになってて、そこから空気が通れるようになってるんですよ。」

質問者「へええ。」 

塚谷先生「だから、ハスはああやって穴を作って、全身に空気が通るようにしてるんですけど、ふつうの植物は水中とか泥の中にいないじゃないですか。」

質問者「はい。」

塚谷先生「だから、そういうことを特に工夫しなくてもふつうに空気が通るし、そもそも酸素は植物が自分で作ってるから、特別な工夫をしなくても足りるわけですね。」

質問者「はあ。」

塚谷先生「レンコンの場合は水中の泥の中にいるので、わざわざ穴をストロー状態につないで外の空気を取り込まないと、根っこの方までなかなか酸素が届かないので、ああいう工夫をしているわけです。」

質問者「はい。」

塚谷先生「他の植物でそういうものがないかというと、ブルーベリーはふつうに空気が通るので工夫はしてなくて、穴が空いてるところはないですね。」

アナウンサー「塚谷先生、ブルーベリーとかは葉っぱがありますよね? 葉っぱから呼吸してるんですか? すごく素朴な質問で申し訳ないですけど。」

塚谷先生「ふつうの植物は、自分の葉っぱで光合成をすることで酸素を作ってますから、光が当たってる間は常にありますから何も問題ないですし、夜になっても葉っぱの裏に…主に裏ですけど気孔という穴が空いてて、そこから空気が入りますから、全然問題ないんですね。」

アナウンサー「そういう仕組みになっているそうです。○○ちゃん、いかがですか?」

質問者「すごいと思いました。私ぜんぜん知らなくて……もう、恥ずかしいです(笑)。」

アナウンサー「いえいえ、そんなことないですよ!」

塚谷先生「いえいえ、そんなことない。京都にいるんですよね? そしたら京都府立植物園とか、」

質問者「ああー行ったことあります。」

塚谷先生「大阪市大の理学部の植物園が京都にあるじゃないですか。今見たら、大阪市大も3月24日から再開するらしいので、行ってもらうとラクウショウとかヌマスギという木があるんですよ。両方の植物園にあるっぽいので行って見てもらうと、木の根元からふつうの根っこと違って、下から上に向かって伸びる根っこが出ています。」

質問者「ええ!」

塚谷先生「根っこって、ふつうは上から下に潜っていくでしょう? でもラクウショウとかヌマスギは…ヌマスギは名前の通り沼に住んでて、根っこがどんどん地面の中に入っていくと沼の奥の方で窒息するから、逆に下から上に根っこを伸ばして、そこで息をするんですよ。」

質問者「はぁ!」

塚谷先生「そういうのが見られると思う。京都だったらそこで見られるし、東京だったらうちの…宣伝になりますけど(笑)、小石川植物園にも見られる所があるので、見てもらうとふつうの木と違って、下から上に根っこを出して呼吸しているのが見られるます。」

質問者「はい、見に行きます。」

塚谷先生「ぜひ見てみてください。」

 

次のお友だち

アナウンサー「お名前、学年をどうぞ。」

質問者「中学校3年生、○○です。」

アナウンサー「中学3年生ということは卒業式を?」

質問者「しました。」

アナウンサー「おお! 卒業おめでとうございます。」

質問者「ありがとうございます。」

質問できるのは中3までだから番組に参加するのもおそらくこれで卒業か。会ったこともないお子さんだけど嬉しいような切ないような。

 

Q16 母がいつも石油ストーブを使ってパン

  を焼いたり餅を焼いたりしてるんですけ

  ど、火は餅とかパンには直接当たってい

  ないのに、何で焦げるんだろうと。空間

  が空いているのに何で焦げるんだろうな

  という質問と、母…なんですけど、石油

  ストーブで餅やパンを焼くと、トースタ

  ーよりもおいしく感じるのは何でだろう

  という質問です。(中3女子)

 

質問の後半はお母さんからなのか、お母さんがそう言ってたのを拾ったのか、聞き取れなくて分からない。けど卒業記念ということでまぁいいか。

 

アナウンサー「ああ…、ストーブで焼くとやっぱりおいしいですか?」

質問者「はい。何かおいしいなとは思うんですけど…(笑)フフッ。」

アナウンサー「今朝も食べました?」

質問者「食べました。」

アナウンサー「おいしかったですか?」

質問者「おいしかったです(笑)。」

藤田先生「中学校3年生で卒業されたんですね。4月からは高校生ということですね。おめでとうございます。」

質問者「ありがとうございます。」

藤田先生「質問で、焦げるというのはどういうことなのかを考えたら良いかなと思うんですね。火が直接当たらないのになぜ焦げるか、ということですけれども、例えばトースターは火は使わないですよね?」

質問者「ああ、はい。」

藤田先生「それでも焦げますよね?」

質問者「………」

藤田先生「あ、上手に焼くと焦げないですね(笑)。」

スタジオ内&質問者「(笑)」

藤田先生「(笑)トースターで焦げたのはあまり見たことないですか?」

質問者「あまりないですね。真っ黒にはならない…かな(笑)。」

藤田先生「ああ…私はよくやりますけど(笑)。焦げるんですよ。」

質問者「(笑)ハハハ」

「料理は科学」だと言っておきながらトースターでパンを焦がすのか…かわいいって言ったら失礼かしら。

 

藤田先生「“焦げ”って何かというと…中学校3年生だから、もうタンパク質とか炭水化物は分かりますよね?」

質問者「分かります。」

藤田先生「炭素が結びついてるような化合物がいろいろありますけれども、パンにはタンパク質も糖も含まれていますよね?」

質問者「はい。」

藤田先生「そういうものに熱が加わると、まず水分が抜けていくわけですよね?」

質問者「あぁ…。」

藤田先生「水分が失われた後、炭素が含まれている物質はどうなるかというと、周りに十分な酸素があると、燃焼して二酸化炭素になれるんですよ。」

質問者「あああ…。」

藤田先生「燃焼というのは酸素と結びつくことだと学びましたよね?」

質問者「はい。」

藤田先生「炭素が燃焼すると二酸化炭素になるというのもやりましたよね? 化学式もやりましたよね?」

質問者「はい、やりました。」

藤田先生「ところが酸素が十分にないと、今度は十分に燃焼できないんですね。先に炭水化物とかタンパク質が熱で分解されてしまうんですね。さらに熱を加えていくと、今度は炭素の固体だけが残っちゃうんですよ。」

質問者「ああああ~なるほど。」

藤田先生「炭素の固体というのは通常だと黒く見えるので、その黒いのがいわゆる“焦げ”というものですね。焦げを食べたことあります?」

質問者「(笑)えーっと、まあ、ちょっとは。」

藤田先生「(笑)パンじゃなくても焦げるものはありますよね。焦げって苦いですよね?」

質問者「あーそうですね。」

藤田先生「人間はそれだけを食べても十分な栄養を作ることができないので、苦味を感じて食べないようにしているようですけれども、熱を加えれば焦げることはあるんですね。だからストーブの炎から十分離れている所であっても焦げることはあると。熱さえ加えていれば焦げることはあるということですね。」

質問者「なるほど。」

藤田先生「でも弱ーい熱しか与えないのであれば、当然焦げることはないわけですね。ここまでは大丈夫ですか?」

質問者「はい、大丈夫です。」

中3相手だと燃焼や酸素や炭素も配慮せずに使えるからか、藤田先生の説明が実に滑らかだ。

 

藤田先生「次の、“お母さんがストーブで焼いたパンやお餅の方が、トースターで焼くよりもおいしいんじゃないか”と。○○さんはどうですか?」

質問者「…母よりやらないのであんまり分かんないんですけど(笑)。母はよくやってるので、そうなるらしいです。」

藤田先生「なるほど、分かりました。○○さんが好きな食べ物だけどご両親は嫌いとか、逆にご両親は好きな食べ物だけど○○さんは嫌いという食べ物はあります?」

質問者「ぇえ?何だろう……例えば梅干しとかかな…私苦手なんですけど。」

藤田先生「でもお父さんお母さんは好き?」

質問者「好きですかね。」

藤田先生「そうですか。お父さんお母さんはたぶん、おいしいと思って梅干しを食べてると思うんですね。おいしくないと思って食べる人はあまりいないと思いますけど。」

質問者「(笑)ハハハッ。」

藤田先生「(笑)同じものを食べてるはずなのに、○○さんはあまりおいしいと思わない、ということもあるんですね。これは人間の感じ方で、一人一人がちょっとずつ違っていくわけですよね。」

質問者「はい。」

藤田先生「ストーブで焼いたパンとトースターで焼いたパンは何が違うかというと、いろんな違いはあるけれども、1つはにおいの広がり方かなと思うんですよ。」

質問者「ああ~なるほど。」

藤田先生「おいしく感じるのは実は味だけじゃなくて、鼻からも香りが入ってくることで、おいしさをより感じることができるんですね。もっと言ってしまうと、香りがないと味ってしないんですよ。鼻をつまんでものを食べたら味がしないでしょう?」

質問者「ああ~、しないものはありますね。」

藤田先生「そうなんですね。トースターで焼くと、トースターの中の空気は外にあまり出てこないから、ちょっとは香りがするけれど、そんなにしませんよね? でもストーブの上で焼くと、トースターの時より香りはもれてくると思うんですね。そうすると“おいしいものを作ってるんだ”という感覚になりますよね?」

質問者「ああ…なるほど。」

食べ物スペシャルでも味は舌だけじゃ決まらないっていろんな事例でお話ししてた。部屋を暖めるストーブだと熱の対流も大きいから香りが広がりやすいかもしれないな。

 

藤田先生「あとは焼き方の加減があるかもしれないですね。お母さんはストーブの上でどんなふうに焼いてるんでしょうね? アルミ箔に包んで焼くとか、網に乗せてそのまま焼くとかあると思いますけど…どっちでしょうね?」

質問者「…網で、その上で…」

藤田先生「直接焼いてるんですね。そうすると、パンに含まれている水分が空気中に全部逃げていきますよね? そうするとトースターの中で焼くよりはカリッと仕上がるかもしれないですよね。」

質問者「ああ~。」

藤田先生「カリッとした歯応えが好きな人は、たぶんそういうパンが好き、おいしいと感じるんでしょうね。逆にストーブの上で焼く時も、やっぱりしっとりした焼き加減が良い場合は、アルミ箔に包めば、よりしっとりとした焼き具合になる、かじった時に柔らかく感じるという。もしかしたらそっちの方が好きな人もいるかもしれないですよね。

味わいというのは人それぞれ違って、水分の含まれる量とか、少し硬めに仕上がるとか柔らかめに仕上がるとか、あるいは香りとかでおいしいと感じている、ということかもしれないですね。」

質問者「ああ~、なるほど。」

アナウンサー「○○さん、いかがですか?」

質問者「ああ…、いや、ためになるというか…」

藤田先生「(笑)ありがとうございます。」

質問者「(笑)ありがとうございます。」

アナウンサー「よかったです。これからパンやお餅を焼く時、いろいろ試してみてください。」

質問者「やってみます。」

アナウンサー「お母さんとも話しながら試してみてくださいね。」

質問者「はい、分かりました。」

アナウンサー「それにしても藤田先生、詳しいですね。パンが好きなんですか?」

藤田先生「(笑)焼き方を自分でもいろいろやってます。トースターでやると焦げるので…トースターが壊れてるんだと思うんですけど(笑)。いろんなところで焼いてみましたけど、“ああ、こういうふうに違うんだ”とか。」

アナウンサー「実験したんですか?」

藤田先生「実験してみました(笑)。」

アナウンサー「いやあ、奥深いですね! パン食、餅食の違いというのは。」

藤田先生「(笑)ンッフッフッフッフッ…」

藤田先生のトースターは大丈夫なのか? 買い替えずに実験してるところに“科学の先生”らしさを感じるけど。

 

Q17 昆虫を助けたいんですけど、そういう

  のに良い仕事ってありますか?(小3女子)

 

アナウンサー「昆虫を助けたいというのは、どうしてそう思ったのですか?」

質問者「なんかテレビを見て、昆虫が減っていると聞いたので、助けたいなと思いました。」

アナウンサー「なるほど。久留飛先生、昆虫が減っている、助けたい、そんな職業はありますか?」

久留飛先生「たくさんありますね。昆虫を助けたいってすごく良いと思うんだけど、助けるということは減っているということを知ってるんやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「どんなときに減ってんの?」

質問者「温暖化とか…。」

久留飛先生「そうか。温暖化…気候が変化しているから、今まで住めなかったものが住めたり、住んでたものが減ったり、そういうことやんね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「ということは地球温暖化に歯向かっていくというか、それを何とかしたいという職業もあるだろうし、温暖化以外にも昆虫が変化しているということは知ってる?」

質問者「…はい。」

久留飛先生「例えばな、あなたの近くの公園でカブトムシとかおらんやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「けど山のクヌギ林に行ったらいるやんな?」

質問者「はい。」

久留飛先生「という具合に、昆虫というのはうまいこと自分の住む場所を見つけて生きている、と思うんや。それぞれの昆虫が自分の良い場所を見つけて生きている。例えばね、セミが夏になったら出てくるやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「けど、大人の人から“昔にこんな種類のセミがいたけど、ちょっと変わってきたな”とか聞いたりしない?」

質問者「なんか、クマゼミの生息地が広がったとか。」

久留飛先生「そうやんな。地球の歴史に比べたらすごく短い時間で、“昔はアブラゼミが多かったのに今はクマゼミの方が増えてるんちゃうか”という。これも気候が変化をしたことが大きいと言われてるやん。…という具合に生き物が変化をしていくのは、もちろん天気以外に周りの場所が変わったりすることもあるよね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「昆虫を助けたいというのは、考えを変えたら昆虫が何を食べてるかにもよるやん?」

質問者「はい。」

久留飛先生「アゲハチョウであればミカンの葉っぱを食べるやろう? という具合にエサもないとあかんし、オスとメスがうまいこと出会う場所を見つける必要も、住む場所も要るし、生きていくにはいろんなことが関係してるやんね?」

質問者「……ウン…」

久留飛先生「そういうものを見つける、確保してやる、そういう場所をちゃんととっておいてやることが、昆虫にとってはいちばん住みやすい環境と言えるやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「ということは、“山を作るときにこういう木を植えたらこんな昆虫が住むはずだ”という作り方の問題があったり、いろんなことが関係してると思うんやけど…という具合に、“昆虫を助けたい”ということは、そこの環境を守ることにも繋がっていくやん?」

質問者「はい。」

アナウンサー「具体的にはどういう仕事が良いんですかね? 小学校3年生の○○さんがこれから目指すには、例えば何かを調べる大学の先生が良いのか、それとも環境を整える仕事…具体的にはどんな…」

久留飛先生「一般的に絶滅危惧種と言われている動物や昆虫を助けたいのであれば、その場所を確保するためのお仕事。川を作るときに“コンクリートの川はやめて土で作っていこう”とか土木も関係するし、困っている昆虫を直接に何とかしたいということであれば、みんなで守ろう運動をするようなことも必要だろうし、広く考えたら生き物のためにやる仕事っていっぱいあると思うねん。…イメージが分かりにくいけど、どんな仕事が良いと思ってる?」

質問者「…うーん………うーん……」

久留飛先生「難しいなぁ。3年生なので、これからどんなことをすると生き物がたくさん住んでくれて、私たちの住むこととあまり反しないような、一緒に生きる環境を作ったらいいのか、難しいんだけど、そういうことをやる仕事はたくさんあると思うわ。」

アナウンサー「昆虫がどれぐらい減ってきてるか調べて、それを伝える仕事も…」

久留飛先生「それもあるでしょう。今までいたのにいなくなったという…そういう昆虫学者になるのも1つの方法だし、もっと直接的に守っていく仕事に関わりたいということであれば環境作りの仕事もあるだろうし、学校の先生になって“こんな状態だから何とかしようよ”という教育の仕事もあるだろうし、何でも選べるとは思うねえ。どうですか?」

質問者「…うーん…」

久留飛先生「難しいな。」

質問者「はい。」

久留飛先生「どんな仕事でも良いと思うけど、何とかしたい、生き物を何とかする仕事ということをいつも思ってて…」

アナウンサー「科学館の先生とかになって、みんなに昆虫の状況を知ってもらうのも良いかもしれませんよ。館長さんになったりね。」

久留飛先生「うん…まぁ難しいな。」⇦元館長さんのぼやきか。館長さんになるのが難しいのか、館長さんになっても昆虫の保護や救済は難しいのか。

国司先生「(笑)」

久留飛先生「…(笑)まぁ、いろんな仕事があるので、まだ3年生なので、これからもっと自然のことを勉強していけば…」

アナウンサー「良いと思いますね。」

久留飛先生「そう、自分なりのどこかに嵌まると思うなぁ。」

アナウンサー「○○さん、ありがとうございました。」

時間切れ。

 

そして11時台スタート。

アナウンサー「先ほど10時台で昆虫を助けたい、そういう職業はありますかという質問があったんですが、植物の塚谷先生、植物の絶滅危惧種を助けられる職業ってあるんですか?」

塚谷先生「ありますよね。例えば現地がすごく危険な状態にあるんだったら、レンジャーとして見回るのも直接的に保護しますし、実はうちの植物園も、小笠原の絶滅危惧種を繁殖させて現地に戻すための手助けをやっているので、植物園に勤めるというのもあると思いますし、そもそも“こういうものが絶滅しそうで危ない”ってみんなに教えないといけないので、NHKに勤めるというのだってありますよね(笑)?」

アナウンサー「(笑)」

塚谷先生「それから、そういうことを施策にしていかないといけないので、政治家になる手だってあるかもしれないし、いろんな方面から絶滅から助けることはできることはあるんじゃないかと思いますね。」

 

Q18 ベテルギウスはいつ爆発するんです

  か? また、どうして爆発するんです

  か?(小3男子)

 

アナウンサー「ベテルギウスというのは星の名前ですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「なるほど。○○君は宇宙が好きなんですね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「爆発するというのはどこで知ったんですか?」

質問者「えっと、前に本で読んだ時に見つけました。」

国司先生「そうなんだよね、ずいぶん前からベテルギウスが爆発するんじゃないかというので、いろいろな学者が研究しています。

ところで○○君はベテルギウスを見たことある?」

質問者「んー…一応見たことはあります。」

国司先生「おじさん、昨日見た。とっても心配だったから(笑)。」

質問者「ええっ?」

国司先生「今度4年生になると理科で星の勉強があって、“冬の大三角”というのを習うと思います。その三角形を作る星が3つあって、そのうちの1つがベテルギウスという星なんだよね。」

質問者「はい。」

国司先生「何座にあるかというと、オリオン座という星座の、ちょうど肩の辺り。ところが“ベテルギウス”というのは、“大男の脇の下”という意味で、ちょっとこそばゆい感じの星です。

まず、色。昨日も見たけどオレンジ色…赤っぽい、そんな色なんですよ。」

質問者「はい。」

国司先生「それから明るさ。冬の大三角は全部1等星で、見ればすぐに分かっちゃう明るさ…のはずが、“この頃ベテルギウス元気ないな”ってみんな言ってるの。」

質問者「へええ。」

国司先生「どうしてかというと、明るい時は1等星よりもっと明るい0等星に近くなるんですが、この冬は2等星くらいかな。四捨五入すると2等星だから、1.5か1.6ぐらいまで下がっちゃったんですよ。」

質問者「ええー!」

国司先生「オリオンの三つ星が2等星で、それと同じぐらいの明るさで、“こりゃ大変なことになった”って言ってたんです。

実は、明るさの変わる星というのはけっこうあって、変光星と言います。どうしてベテルギウスの明るさが変わるかというと…星に詳しいと“赤色超巨星”なんていう名前は聞いたことある?」

質問者「いいえ。」

国司先生「ベテルギウスというのは実は赤色超巨星という仲間で、太陽の直径の…そうだな、800倍とかひょっとしたら1000倍ぐらい、とっても大きいんですよ。そして太陽の表面の温度は6000℃くらいあるんですが、ベテルギウスは3000℃くらいしかありません。そうすると太陽より温度が低いので、…太陽は何となく乳白色という白かクリーム色なんだけれども、ベテルギウスは赤っぽくオレンジ色に見えてしまう。それで赤色超巨星。

さっき大きさが800倍から1000倍でよく分からないと言ったのは、その星自体が膨らんだり縮んだりしているんです。」

質問者「えっ?」

国司先生「これは脈動と言って、膨らむと明るくなるかというとそうでもなくて、膨らむと温度が下がって暗くなって、縮んでいくと温度が上がって明るくなる。そんなことで変光星、明るさの変わる星なんです。」

質問者「へええ。」

国司先生「じゃあ何でそんなことが起きているかというと、星というのはずーっとずーっと永遠に同じように光るのではなくて、エネルギーのバランスが崩れて最後に爆発してしまったり、膨らんだり縮んだり、そんなことを繰り返して、よく“星が進化する”と言うんです。

ベテルギウスの場合は太陽よりもっと重くて大きいので、進化の度合いがすごく早いのね。そうだなあ…いつ爆発するかっていう質問だけど、これははっきり分からないの。でも、それが1億年とかそんな先ではない。というのは、ベテルギウスは1千万年ぐらい光っていて、光っているエネルギーは中心部分で、いろいろな物資が変わっていく核融合反応が起こっているんですが、その燃料がなくなってくると、エネルギーのバランスをもう崩してるんですよ。」

質問者「へええ。」

国司先生「こないだ面白い発表があって、大きな電波望遠鏡ベテルギウスの形を詳しく調べてみました。星ってどんな形してると思う?」

質問者「丸い形?」

国司先生「それが違うの。大きな電波望遠鏡を組み合わせてベテルギウスの形を調べると、まん丸ではなくて、ちょっと出っ張りがあるの。この前、愛媛県久万町の天体観測館という所の先生に聞いたんですよ。そしたらその先生は、“ベテルギウスはオレンジ色のミカンみたいだって言ってたけど、ちょっと出っ張っているからデコポンみたいになってる”って言ったの(笑)。愛媛県の先生だから、みんなすぐに分かってくれたんだけど…今度八百屋さんに行ってデコポンを見て。そんな形になってるんだよ。」

アナウンサー「○○君、デコポンって知ってる?」

質問者「いいえ。」

アナウンサー「ミカンの一種、柑橘類の一種。」

国司先生「そうです、不知火(しらぬい)という品種なんですよね。それで出べそがあるの。それに似てるの。」

質問者「へええ。」

国司先生「実は今、おじさんのプラネタリウムの中に、デコポンの写真とベテルギウスの写真を並べたのを作ったことがあるんでね。今そんなことをして遊んでるんだけど、そんなふうにしてエネルギーのバランスが今は崩れているので、いつ爆発してもおかしくないんです。でも、それは1週間後かもしれないし、1万年後かもしれないし、10万年後くらいかもしれない。でも1千万年後ではない。そのくらいのオーダーで分かっています。」

質問者「うん。」

アナウンサー「どうでしょう○○君、来週かもしれないし10万年後かもしれないそうです。」

国司先生「もう1つ言うと、ベテルギウスまでの距離が、実は400光年から500光年も離れてるので、もし今爆発したとしても、その光が伝わるのに400年も500年もかかるので、分かるのがそんなに先になります。」

アナウンサー「私たちの地球にその状態が届くのが500年後になるわけですか。」

質問者「へええ。」

国司先生「でも500年前に爆発してたら明日届く。」

アナウンサー「壮大ですね!」

国司先生「壮大なんです。今日、ぜひベテルギウスを見てください。冬の大三角は一番星の金星が見えてきて、7時くらいに真南よりも少し西に傾いて、いちばん明るいのがシリウスで2番目がプロキオンベテルギウスはオレンジ色で…ちょうど三角おむすびの形ですから、きっと見つかると思います。」

質問者「はい。」

 

Q19 タンポポは夜には花を閉じ、朝には開

  くのはなぜなのですか? またその仕組

  みを教えてください。(小4男子)

 

アナウンサー「○○君の所にはタンポポがあるのですか? それともタンポポを見たことがあるのですか?」

質問者「はい。僕は病気で学校を休んだ時に、友だちがくれた花束にタンポポが含まれていて、スイセンもあったんですけど、スイセンは夜には閉じなかったのに、タンポポだけ夜には花を閉じていたので、不思議に思いました。」

塚谷先生「病気はもう治ったんですか?」

質問者「はい(笑)。」

塚谷先生「よかったですねえ。タンポポ、確かに夜に閉じるんですけど、日本に、いわゆるセイヨウタンポポと、元々日本にいるタンポポがあるのは知ってますか?」

質問者「知っています。セイヨウタンポポは確か外来種で。」

塚谷先生「そうですね。今ちょうど外でも花が咲いてるので、開いたり閉じたりするのを見てもらうと、セイヨウタンポポと日本に元々ある…○○君は神奈川県だからカントウタンポポかな、カントウタンポポとで閉じるタイミングが違うんですよ。」

質問者「へえ。」

塚谷先生「夕方になると閉じるんですけど、カントウタンポポの方が早めに閉じるはず。しばらくして、けっこう暗くなってからセイヨウタンポポが閉じると思うんですよ。タンポポも種類によって閉じるタイミングが違うんですね。」

質問者「へええ。」

塚谷先生「どうして夜に閉じるかというと、1つは、花が咲いてるのは花粉を虫とかに運んでもらうためじゃないですか。」

質問者「はい。」

塚谷先生「タンポポは基本的にハチとかアブが来るので、彼らがよく活動してる昼間は咲くメリットがあるけど、夜に開けっ放しにしておいてもあまりメリットがないじゃないですか?」

質問者「はい。」

塚谷先生「かつ、雌しべの先っぽって繊細なので、外に出しっ放しにしてるよりは閉じてる方が安全ですよね?」

質問者「なるほど。」

塚谷先生「スイセンの花って、真ん中に黄色いカップ状のところがあるじゃないですか?」

質問者「ああ、はい。」 

塚谷先生「雄しべと雌しべはその中に、さらに筒の中に入ってるでしょう?」

質問者「はい。」

塚谷先生「だからあれはけっこう保護されてて、わざわざ閉じるまでもないと思うんですけど、タンポポをよーく見てもらうと、花の塊のいちばん外側に雌しべが飛び出してるのね。いちばん外側に出てて傷つきやすい所にあるので、夜に閉じられるんだったら閉じておいた方が良いということで閉じるんだと思います。」

質問者「ふうううん…」

塚谷先生「そうか、部屋に置いてたのに閉じたということか。」

質問者「はい。」

塚谷先生「それは外にいる間に昼と夜のリズムを知ってて…植物も時計を持ってるんですよ。」

質問者「じゃあ、自動的に閉じたっていう」

塚谷先生「うん、“そろそろ夜だよね”って自分で閉じるんですね。」

質問者「へえええ。」

塚谷先生「ただ、タンポポは花粉を運んでもらうために開いて、来ない時は閉じるということをしてるんですけど、もう1つは、実になる頃ももう閉じちゃうでしょう? 花が咲いてる時は開いたり閉じたりしてるけど、そろそろ実になるなって頃は閉じちゃうでしょ。実が完成するとパーッと開くけど、花が終わって実が中で熟してる間はずっと閉じっ放しなんですよ。自分に花粉がついて種ができるとなったら、開いておく必要はないので閉じちゃうんですね。だから昼間でも、花粉が十分来ると閉じ始めます。」

質問者「へえええ~。」

塚谷先生「まだ新鮮で花粉が来ない状態だと、昼間は開けて夜は閉じて…ってやるんですけど、もう十分に花粉が来ちゃうと“いいや”って店じまいして、閉じちゃいます。」

質問者「ふうううん。」

塚谷先生「だから虫がいっぱい来て花粉が運ばれると、わりと早めに閉じちゃいますね。」

質問者「なるほど…。」

アナウンサー「ビックリだね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「先生、閉店ガラガラになるというのは、タンポポに意思があるんですか?」

塚谷先生「そうですね。もっと面倒くさいこと言うと、タンポポ…特にカントウタンポポは、自分の花粉では種がつきにくいので、他の株から花粉をもらわないと種がつきにくいんですよ。なので、花粉側としてはなるべくいろんな花に行って種を作りたい。雌しべの方は花粉1個でももらえればもう満足なわけです。そうすると花粉の側としては、相手の雌しべに十分たどり着いたら用が済んでるので、“閉じていいよ”ってシグナルを送るんです。」

アナウンサー「(笑)」

塚谷先生「だから花粉の方でたぶん“もう来たからね”、“もう閉じていいよ”って。」

アナウンサー「“OKよ”と。不思議ですねえ~。○○君、私もすごくビックリしました。良い質問をありがとうございました。」

質問者「ありがとうございました。」

 

Q20 ラジオのFMは、なぜAMより音がきれ

  いなの?(もうすぐ1年生・男子)

 

アナウンサー「音の聞こえ方ですね? ○○君はラジオが好きなんですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「持ってるの?」

質問者「うん。」

藤田先生「4月から小学生ですね。おめでとうございます。」

質問者「ありがとう。」

先生方「(笑)」

藤田先生「ラジオをいつも聞いてるんですか?」

質問者「はい。」

藤田先生「ありゃ。ちなみにどんな番組が好きなんですか?」

質問者「…んー、全部の番組聞いてる。」

アナウンサー「おおおお~(笑)。」⇦大喜び。

藤田先生「そうなんですか。FMとAMって○○君が聞いても違うなって分かります?」

質問者「うん。」

藤田先生「例えばどんな時に分かるかな? “これ、きれいじゃないな”っていう時ってどんな音ですかね?」

質問者「んーと、AM…。」

藤田先生「AMで。特にどんなのを聞いた時にはっきり分かります?」

質問者「えーとね、AM聞いてる時。」

藤田先生「うん、AMの、例えば音楽とか、この番組は声がよく届くけど、音楽の時とかによく気づいたりします?」

質問者「聞こえます。」

藤田先生「たぶん、○○君が言っているきれい、あまりきれいじゃないというのは、雑音というものじゃないかなと思うんですよ。音じゃないんだけど、何だかザーザーしたのが入ってるなという気がしませんか?」

質問者「…うん。」

藤田先生「でもFMってそんなに雑音は入らないですよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「確かにきれいな音ですよね。これね、かなり難しいんですよ。どうやって答えようかって今も考えてるんですけど(笑)。AMとFMというのは、電波と音の関係の具合がちょっと違うんですね。これは難しいので、こんなふうに説明してみましょう。○○君、タピオカミルクティーとか飲んだことあります?」

質問者「ない。」

藤田先生「じゃあ、シェイクは飲んだことあります?」

質問者「ない。」

藤田先生「アイスクリームの凍らせたみたいなの、食べたことあるかな? ない?」

質問者「うん。」

藤田先生「ストロー、知ってるでしょう?」

質問者「うん。」

藤田先生「ストローの太いのと細いのは見たことはあります?」

質問者「うん。」

藤田先生「太いストローと細いストローって違いが分かるかな? どっちの方が飲みやすいですか?」

質問者「太い。」

藤田先生「太い方ですよね。番組の音とか声を届けるには、ものすごくたくさんの情報というんだけど、音になる元がいっぱい必要なんですよ。その時に、太い方と細い方でどっちが送りやすいかというと、どっちだと思います?」

質問者「太い方。」

藤田先生「太い方ですよね。ラジオって、電波塔から○○君のラジオに見えないストローで繋がってると思ってくれればいいんですね。そのストローの中を音になる元が流れてるんですよ。そうすると太い方だと元々の音をほとんど同じように送ることができるの。でも細いストローだと全部がきれいに送れるわけじゃなくて、ちょっと途中で抜けちゃったりするのもあるかもしれない感じで、太さが違うと思ってくれたらいいですかね。」

質問者「はい。」

藤田先生「FMの方がストローが太い感じなので、音がはっきり聞こえる感じになるということかな。」

質問者「うん。」

アナウンサー「FMの方が、音についての情報を伝えやすい…」

藤田先生「そうです。たくさん伝えることができるということですね。」

アナウンサー「ここで○○君にお姉さんから絶賛おすすめの情報がありまして、“らじるらじる”というのがあるんだよ。もしお母さんお父さんがスマホとかパソコンを持ってたら、ラジオをパソコンやスマートフォンで聞くことができます。」

質問者「へえ。」

アナウンサー「今度お父さんやお母さんと相談して聞いてみてください。とっってもクリアな音で聞こえるんですよ。そういうやり方もあります。それで聞き比べても良いかもしれません。」

質問者「はい。」

アナウンサー「ラジオをこれからも好きでいてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q21 なぜカブトムシはケガをすると治らな

  いんですか?(8才女子)

 

アナウンサー「○○さんはカブトムシを飼っているのかしら?」

質問者「友だちが飼ってて、そのカブトムシがケガをして治らなかったんです。」

アナウンサー「どんなケガをしたんですか?」

質問者「羽にケガをしちゃって…」

久留飛先生「それはカブトムシの成虫の話やんね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「その羽が何か傷んだのかな?」

質問者「はい。」

久留飛先生「羽が傷んでしまって、元に戻ったらいいなと思ったけど、治らんかったということやね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「うまくいく時もあるんよ。例えばバッタって知ってる?」

質問者「はい。」

久留飛先生「ピョンピョン飛ぶバッタ。バッタの幼虫の時にどこかの脚が取れてしまって…割と取れやすいんやけども、脱皮をして大きくなる時に、取れた脚が再生してくることはあるん。ということは幼虫の時にケガをして取れてしまった脚は、元通りになる場合があるんです。

で、カブトムシの成虫になると…バッタもそうだけど、成虫になったのはもう脱皮をしないから、形を変えることはできない。ということで、元通りになるかならないかと言ったら、ならないんです。」

質問者「はい。」

久留飛先生「ただケガをしたからといって、すぐ死んでしまうわけではないわね。」

質問者「はい。」

久留飛先生「なので、成虫の時に脚が取れてしまったりすると、元通りにはならないけれども、まあ死ぬことは少ないのかなと思います。」

質問者「はい。」

久留飛先生「ということで答えはそれなんやけれども…」

アナウンサー「ケガをしたり、不幸にして脚が取れてしまったり、その後に飼っている方で何か気をつけてあげた方が良いことはありますか?」

久留飛先生「そうですよね、取れてしまったことは仕方がないですけど、節足動物というのは関節で体液の流れをそこで割とうまく止めてしまったりできるので、ダメージは少ないかなと思いますね。昆虫って寿命が短いやん? カブトムシでも夏に成虫になって、ひと月かちょっとぐらいで死んでしまうやろう?」

質問者「はい。」

久留飛先生「もちろんケガを治さなあかんねんけど、いちばんの目的は、ダメージをできるだけ最小限にしつつ、うまく次の世代を残す方に力を入れてんのかもしれないな。」

質問者「はい。」

久留飛先生「生き方の問題もあると思うけどね。でも取れてしまった脚とか羽とか、治してあげたいやんね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「羽を傷めても丁寧に飼ってあげるという感じでしょうかね?」

久留飛先生「羽が傷んでしまったらうまく飛べないかもしれないけど、飼育というか面倒をみてあげると寿命をちゃんと全うすると思うよ。」

アナウンサー「お友だちに伝えてあげてくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○さんも虫が好きなんですか?」

質問者「…はい。」

アナウンサー「よかった(笑)。カブトムシお大事にと伝えてね。」

 

Q22 冥王星ってなくなったのですか? 

  また、どうしてなくなったのですか?

  (小1男子)

 

アナウンサー「なくなった、というのはどこかで聞いたのですか?」

質問者「図鑑で知りました。」

アナウンサー「図鑑には何て書いてありました? いつ頃なくなったって書いてあったの?」

質問者「2006年に、惑星から外れたって書いてありました。」

国司先生「そうか、冥王星がね。“なくなった”って、“雲がなくなって晴れた”と言う時の“なくなった”ではなくて、惑星から外れたって○○君は知ってるんだよね?」

質問者「はい。」

国司先生「ということは冥王星が空からポッと消えてなくなっちゃったわけではない。そこは分かってるんだよね?」

質問者「はい。」

国司先生「よかった。惑星とはどういう天体なのか、というところからお話をしなくてはいけないんですが、○○君が住んでる地球は? 惑星だっけ?」

質問者「惑星。」

国司先生「そう、太陽系の第3惑星だね。太陽に近い順番から惑星を言えるかな?」

質問者「うん。」

国司先生「言ってみて?」

質問者「…うん。」

国司先生「最初は? 太陽にいちばん近いのは? 水曜日の?」

質問者「水星?」

国司先生「ピンポーン! 次は?」

質問者「木星?」

国司先生「そうか、曜日でいくと水、木なんだけど、そこは順番が違ってて、水星の次は金星。今、一番星でよく見える。3番目がみんなが住んでる地球。その外側が火星。」

質問者「火星の次が太陽?」

国司先生「ううん、太陽が真ん中。太陽が真ん中にあって、その周りを回ってるのが惑星になるんですが、最初に言った水星、金星、地球、火星、木星土星天王星海王星。ここで惑星が8つ出てきたのね。」

質問者「うん。」

国司先生「それで冥王星はというと、2006年までは9番目の惑星と考えられていました。」

質問者「はい。」

国司先生「冥王星はとっっても遠くにあるから暗いんだよ。大きな望遠鏡でないと見つからないくらい、とっても暗いんです。それを1930年、今から90年も前にアメリカのトンボーさんという方が見つけてくれて、“海王星よりも遠くに惑星が見つかったぞ”と大発見になりました。

それ以来、太陽系の惑星はずーっと9つということになっていたのですが、2006年にどういうことが起こったかというと、世界中の天文学者が集まって、会議をしました。どういう会議をしたかというと、惑星ってどんな星なのか、というのを、もう一度考え直してみようということ。

それで惑星の特徴にどういうことが挙げられるかなと…まず太陽の周りを回ってる天体。それから自分の重さというか重力で丸くなっている形。○○君、小惑星リュウグウの写真なんて見たことある?」

質問者「ない。」

国司先生「ない? 今、はやぶさ2がサンプルを持って帰ってくる途中で、そろばんの玉みたいな形をしてるんだよ。」

質問者「ふううん。」

国司先生「小惑星はまん丸じゃないの。岩のかけらみたいなのがあって、そういうのは惑星とは言えないんだな。

それからもう1つ。地球の通り道とか火星の通り道を軌道と言うんですけれども、そういった通り道に…地球の通り道に地球と同じような惑星はないよね?」

質問者「ない。」

国司先生「ないよね? そういうふうに通り道に惑星が1つある天体を惑星としようという、決まりを作ったんだよね。」

質問者「はい。」

国司先生「ところがね、大きな望遠鏡が開発されるようになると、“冥王星の近くに冥王星よりちょっと大きな星が回ってるぞ”とか…これは太陽系外縁天体って言うんだけど、そういうのがいっぱい見つかってきました。そうすると、太陽系の惑星の10個目、11個目、12個目が見つかったとして、みんな惑星に入れてしまうとおかしくなっちゃうな、ということで、“惑星とはこういうもの”という辞書に書いてある意味みたいなものを書き直したんですよ。

そうすると、前から“ん?”と思ってたこともありました。例えば冥王星は、地球の周りを回っている衛星の月よりも、実は小っちゃいの。衛星くらいの大きさなのに惑星と言ってたのを“うーん”と思ったし、さっき言ったように、もうちょっと遠い所に冥王星と同じような天体がいくつも見つかってきたので、惑星の定義…決まりごとと言うのかな、意味を考えると、冥王星は惑星の仲間から、準惑星という仲間の代表的なものにしてみようということで、世界中の天文学者が集まって…これ多数決で決めたらしい。以前、この番組で解答されていた渡部潤一先生はその会議に出席されて、ちゃんと投票されたと仰ってました。」

質問者「うん。」

国司先生「というふうにして、これは人間がいろいろな科学の観察をしたり研究をしていく中で、冥王星は惑星ではなくて準惑星という仲間に入れましょうと決めたので、惑星ではなくなったんですが、その天体自体がなくなったのではないんです。」

質問者「へええ。」

アナウンサー「うーん…多数決で決まるというのがビックリしましたけど、そういうふうにして決まっていくんですね。」

質問者「すいません、もう1つ聞いてもいいですか?」

アナウンサー「じゃあ短くどうぞ。」

質問者「“こわくせい”って、今日、図鑑で見たのですが、こわくせいって何ですか?」

国司先生「それは読み方はね、小学校の“しょう”と読むの。しょう惑星と言って、」

質問者「小惑星。」

国司先生「うん。ほとんどの小惑星は火星の軌道と木星の軌道の間にあります。それはいちばん大きくても直径が1000キロくらいです。中には直径数百メーターとか、さっき言ったリュウグウとかイトカワとか名前がついた小惑星がいっぱいあって、何万…いやもっとです。本当にたくさんの小惑星が火星と木星の間にあります。今、はやぶさ2がサンプルリターンと言って、リュウグウからかけらというか石を持って帰ってくる。今年の冬に帰るので、その時にまた話題になると思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君は本当に星とか天文が好きなのね。将来も星のこと、ずっと興味を持ち続けてもらいたいと思います。昨日も何か星を見たの?」

質問者「昨日は夜、金星を見ました。」

国司先生「見たんだ! おじさんも見た! 昨日、望遠鏡を出して見たんです。一緒に金星を見られて嬉しいなあ(笑)。」

アナウンサー「同じ金星を見てたんですね。○○君、ありがとうございました。また質問を寄せてくださいね。」

質問者「来週の金曜日、電話します。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)予告をして頂きました。待ってるわ。」

 

質問終わり~先生方から一言

久留飛先生「すごいですよね、自分で考えてどうしたらいいのかな、という質問。すごいワクワクします。私はタジタジ(笑)。一緒に考えたいなと思います。」

 

国司先生「みんな実際の空を見てくださってるんだなあと思って、とても嬉しかったです。」

アナウンサー「しかもみんな詳しいですよね?」

国司先生「詳しいですね。私よりよく知ってるお友だちが多かったです。」

 

塚谷先生「いろんな側面から質問があって良かったと思います。実は19日から今日まで、本当は学会があったはずだったんですよ。ですけど学校が閉鎖になってるのと同じで、学会も中止になったので(笑)、その代わりにこっちに来ることができたという感じで、楽しいひと時を過ごさせて頂きました。」

アナウンサー「楽しいひと時と言って頂ければ何よりです。予定が思わず変わってしまったということで、この後も思う存分、子ども相談に全力投球して頂きたいと思うんですね。」

塚谷先生「(笑)はい。」

アナウンサー「塚谷先生の次回のご登場は4月1日となりますが、聞くところによるとキノコもばっちり答えられると。」

塚谷先生「前回キノコ特集を…去年1回だけあって担当したんですけれども、今回は植物もキノコも両方ということのようです。」

残念なことに4月1日の放送は国会中継で中止。

 

藤田先生「私の最後の質問、小さくても音の違いって…当たり前かもしれないけど分かるんだなということに、ちょっと驚きました。」

アナウンサー「ラジオのAMとFMの音の違いについて。」

藤田先生「これから中学生になって、周波数変調とか振動数変調とかを学ぶようになって、いろいろ分かってくれるかなと思うんですけどね。…(笑)ンフフフ…。」

 

 

 

子ども科学電話相談春スペシャル3/21(昆虫、天文・宇宙、植物、科学)8時台~9時台

3/21のジャンルは

 昆虫 久留飛克明先生

 天文・宇宙 国司真先生

 植物 塚谷裕一先生

 科学 藤田貢崇先生

 

アナウンサー「学校が休校のところが多くなりまして、お家にいる子どもたちが多いんですよね。」

久留飛先生「親子ともにパニックじゃないですか。ウロウロウロウロ(笑)。こんだけ長いことおったらお互いに“どうするの”みたいな。」

アナウンサー「(笑)そこを何とか楽しく…」

久留飛先生「過ごしてほしいですよね。子どもたちの生活を見てますとYouTubeとかテレビというか、わりとそういうところで遊んでる感じがしますけど、もっと外に出てほしいなと。ただ、あんまり出ると危ないとこは親がついていかなあかんとか…すごく難しいですよね…。天気もこんな良くなってきたら家の周りをグルグルしたら、きっと何かが落ちてたり見つかったりするんですけどね(笑)。」

アナウンサー「お散歩に行った時とか、お家の周りで発見があったら…」

久留飛先生「あると思います。こないだも近くの公園に行って花を…いろいろ咲いてますから、匂いがする花を探そうとか、クローバーの四つ葉を探そうとか、けっこう夢中になりますね。」

 

アナウンサー「着実に春が来ておりますが、最近、春を感じたことはありますか?」

国司先生「やっぱり星空に春を感じるんですよね。春の星座がよく見えてきたり。実は昨日、夕方に一番星の金星を望遠鏡で見るとどんな形っていう質問があって、そういうお話をしたら僕も…と思って、望遠鏡を引っぱり出して夕方に金星を見たんです。なかなか良い形してました。答えは言いませんから皆さん見てください。」

アナウンサー「(笑)皆さんも。」

国司先生「今日は早起きをして、4時半に起きたら、木星と、それから火星がすぐ近くにポツッと見えるんですよ。それが4時半くらいで、家を出る5時半くらいは細ーい月が見えて。その月と木星の間に土星も見えたんです。」

アナウンサー「へええ~。」

国司先生「曜日で言うと、お日様の日曜日でしょ、それで月、火…水だけ見えない。木、金、土は全部見えたの。じゃあ水曜日の水星はというと、この3月の末から4月の頭に、明け方に見られるチャンスなんですよ。だからこの月末に関しては、私は水星をぜひどこかで見たいと思ってます。」

アナウンサー「お空を見上げてみたいですね。」

国司先生「星を見るとホッとしますから。」

 

アナウンサー「やっぱり植物園にお勤めだと、塚谷先生も春の兆しには敏感ですよね?」

塚谷先生「まあ、子どもの頃から植物が好きなので、ずっと見ているんですけど、今年は本当に早いですね。」

アナウンサー「春が早いですね。」

塚谷先生「早いです。いろんなものがあっという間に…花が咲いてるだけでなくて芽が吹いてますからね。」

 

アナウンサー「藤田先生の周りの春はいかがですか?」

藤田先生「大学の構内に桜が咲いているのを昨日、このシーズン初めて見ましたが、最近は健康のためですかね、よく歩くようにしてるんですけど、あちこち…最近はスマートフォンに地図が入ってますもんね、それで“こんな建物あったんだ”とか、あちこちキョロキョロしながら、変な人に見えないように気をつけながら(笑)見てますけど、いろんな所に花が咲いてたりして、きれいな所もありますよね。」

アナウンサー「自分の足で歩くとまた発見が増えますよね?」

藤田先生「車ですぐ通り過ぎるのとは全然違いますよね。」

 

Q1 なんでカブトムシは体が硬くて、クモは

  柔らかいの?(6才男子)

 

アナウンサー「○○君は触ったことがあるんですか?」

質問者「あります。」

アナウンサー「おおー、カブトムシはわりと硬かったかな?」

質問者「硬い。」

アナウンサー「クモはフニフニしてましたか?」

質問者「うん。」

久留飛先生「カブトムシは虫の仲間というのは知ってるやんな?」

質問者「うん、知ってます。」

久留飛先生「カブトムシ以外にも昆虫の仲間はいっぱいいるやろう?」

質問者「うん。」

久留飛先生「例えば、もうすぐ春になったらチョウが飛んできたりするわね? チョウの成虫の体って触ったらプニュプニュしてるかな? 硬いかな?」

お母さんらしき声「触ったことある?」

質問者「ない。」

久留飛先生「(笑)昆虫はいろんな種類がいてるのは知ってるやろう?」

質問者「知ってる。」

久留飛先生「カブトムシもあればチョウもあればトンボもあれば、いろんな種類がいてるやんな?」

質問者「うん。」

久留飛先生「ところがな、クモというのは誰が見てもクモって分かるやん? 脚が8本で糸を出します…これクモやんって分かるよね?」

質問者「うん。」

久留飛先生「ということはな、カブトムシというか昆虫の仲間は、いろーんな所でいろんな形に変わって生き続けてるわけよ。ところがクモはな、昔からあの体で、8本脚で糸を出すという頑固な生き物や。形をあまり変えずに生き続けてんのよ。すごいと思うんやけどな。

そのクモは、糸を出すというのがとても大事や。糸で何でもするわけよ。自分の巣を作ったり、網を作って獲物を捕まえたり。そやからあの糸のおかげで、あの体を変えなくて済んだのかもしれないんや。」

質問者「へえ。」

久留飛先生「そのぐらい糸というのは生きるために大事な役割をしてるわけや。ということはな、体をあまり変えずに、糸のおかげでいろんな生き方をしてきたのがクモかもしれんねん。」

質問者「うーん。」

久留飛先生「な? そう思ったらクモというのが…もちろんプニュプニュしたクモもいれば、もう少し硬い体のクモもいてるわけよ。でも、どのクモを見ても、ほとんどは同じように“あ、クモ”ってあなたも分かるやろう?」 

質問者「うん。」

久留飛先生「な、そこがクモのすごさや。形を変えずにずーっと生き続けてきてる。潰れるというのは、そういうプニュプニュしたやつは、たぶんもう少ししたら…家の周りに巣を張るクモって知ってるやんな? 見たことあるか?」

質問者「いや。」

久留飛先生「ないか。これから見たらいいけど、網を張る真ん中に巣を持っていて、そこで獲物を捕まえるアシダカグモっていうのがいちばん多いと思うけど、触ってみるとお腹のとこがプリンプリンしてるわな。今度触ってみぃ。」

お母さんらしき声「わかった。」

質問者「わかった。」

久留飛先生「(笑)触ってみたらいいと思うけど、見た目と実際が違う時もあるから…まあ触ってみぃ。」

アナウンサー「久留飛先生、柔らかいというのは糸を吐くのに大事なことなんですか?」

久留飛先生「全然大事じゃないです。」

アナウンサー「(笑)大事じゃないですか。」

久留飛先生「自分の体をあまり変えずに、糸に頼ってうまく生きてきたという。カブトムシが硬い体をしているというのは、土の中にも潜れるし、羽を守ってるやん。前の羽は飛ばない羽やけど、それを開けて後ろの飛ぶ羽で飛んでいくという…潜る体にもなってるし飛べるわけや。すごい能力持ってるわけよ、潜りつつ出てきたらピョーンと羽を広げて飛ぶなんて。そんなすごい羽を持ってるのは昆虫だけやねんけど、クモはそんなことをしなくても、自分の体を変えなくても糸のおかげで生き伸びてきたと。」

アナウンサー「硬くならなくてもいい。」

久留飛先生「ならなくてもよかった。ある意味、硬くなるのは無駄かもしれんねぇ(笑)。できるだけ効率良く生きようとすると、硬い体を作るよりも生きる方にエネルギーを注いだ、ということかもしれないですよ。」

アナウンサー「なるほど、カブトムシは自分の体を守ったり暮らしのために硬くなったけど、クモは柔らかいままでいい生活が綿々と続いてきたのですかねえ…。」

久留飛先生「すごいですよね、昔から。」

アナウンサー「○○君、そうなんだそうです。」

お母さんらしき声「はい。」

質問者「はい。」

先生方「(笑)」

6才のお子さんにとっては電話で知らない大人と話すのも大きな体験だよね。

 

Q2 宇宙の果ては何色なんですか?

  (6才男子)

 

アナウンサー「宇宙の果ては何色ですか…ということは○○君は宇宙が好きなのかな?」

質問者「うん、宇宙好き。」

アナウンサー「将来は宇宙飛行士になりたいですか?」

質問者「うん、そう!」

国司先生「そうか○○君は6才なんだぁ。ということは、この4月から1年生になるの?」

質問者「うん、そうです。」

国司先生「おめでとう、お友だちたくさんできると良いねえ。○○君が宇宙の“果て”っていう言葉を…小学校に入る前のお友だちが言うのはすごいと思ったけどさ、」

質問者「△△君に教えてもらった。」

国司先生「ん? お友だちに教えてもらったの?」

質問者「お兄ちゃんに教えてもらった。」

国司先生「お兄ちゃんが知ってたんだあ。すごい、お兄ちゃんも宇宙の果てを考えてたんだね。ということは、宇宙飛行士になって宇宙の果てを見てみたいなと思ってるんだ?」

質問者「うん。」

国司先生「そうかあ。宇宙の果ての色っていうとさ、まず○○君が…今日は三重県は天気が良いかな? お空は何色かな?」

質問者「えっとね、明るい色。」

国司先生「明るい色だね。晴れてると青空だし、夕焼けは赤くなるよね? そういう色で宇宙の色を調べてみようとすると、大きな望遠鏡で遠い遠いいろいろな天体の写真を撮ってみると分かるかもしれないんだよ。

この地球上には大きな望遠鏡がたくさんあるんだ。すばる望遠鏡とかね。それから宇宙にはハッブル宇宙望遠鏡なんていう望遠鏡もあるよ。そういった大きな望遠鏡で遠い遠い天体、銀河って言うんだけど」

質問者「うん、知ってるそれ。」

国司先生「銀河を知ってる?」

質問者「うん、図鑑で見た。」

国司先生「見た? 渦巻きになってるやつね?」

質問者「うん。」

国司先生「その遠い銀河がどれくらい離れてるって、その本には書いてあった?」

質問者「うーん、それは読んでない。」

国司先生「そうか、今度調べると…おじさんこの前ね、そういうのを聞いたことがあるの。そしたらいちばん遠い銀河は、だいたい134億光年離れてるんだって。」

質問者「へえ、そうなんだ。」

国司先生「そう。これはどういうことかというと、光が届くのに134億年もかかるの。」

質問者「ぃいいー、そうなんだ。」

国司先生「恐竜が生きてたのが何億年だから、それよりももっともっと昔なんだよね。そういう遠い所から来る光になっちゃうの。時間と遠い距離って、何となく似てるんだよね。

じゃあ宇宙はいつ頃でき上がったかというと、…もう1度遠い年数を言うよ、138億年前に…ビッグバンって図鑑に書いてあった?」

質問者「うーん、それは書いてなかった。」

国司先生「宇宙が爆発してでき上がったのが138億年前。そうすると、134億光年先の銀河は、宇宙が生まれた後の、4億年くらい経った頃の光が見えてることになってくるわけ。」

質問者「うん。」

国司先生「そこで色の問題なんだけど、宇宙は大昔に爆発して誕生して、今でもずーっと広がってるの。膨らんでるんだって。膨らんでるってことは、○○君が住んでる地球とか、地球が入ってる太陽系とか、太陽系が入ってる天の川銀河天の川銀河って聞いたことある?」

質問者「うん、聞いたことある。」

国司先生「そういった銀河と、その遠い銀河もだんだん離れてるんだって。」

質問者「へえ、そうなんだ。」 

国司先生「そう。宇宙の中の銀河と銀河が離れて、宇宙が広がってるらしいの。そうするとね、ここが重要なの。そういった星や銀河からの光は遠ざかると、色で言うと赤い色に変わってしまうんだって。」

質問者「えええ、僕、白色だと思ってた。」⇦ちゃんと考えてたんだー偉い!

国司先生「そうなんだよね。小学校に入る前のお友だちは白い画用紙に絵を描くと思うんだけど、白という色はね、青い光も赤い光も黄色い光もぜーんぶ合わさると白くなっちゃうんだよ。」

質問者「あぁ、分かった。」

国司先生「分かった? 色というのは波の性質があって、その銀河がずーっと遠ざかっていくと、波がヒューッて引き伸ばされちゃうの。」

質問者「へえええ。」

国司先生「波が引き伸ばされると、赤い光に寄ってっちゃうんだって。」

質問者「そうなんだ。」

国司先生「そうなの。それで遠い遠い遠い銀河を望遠鏡で調べていくと、その赤い光に間延びしてるから、宇宙の果てに近い銀河は赤っぽく見えちゃうの。ということは、宇宙の果ては何色ですかという○○君の問いは、赤っぽく見えるらしいと。

ここで問題。それは天の川銀河の中の地球からだと赤く見えるのであって、遠い遠い宇宙の果てに近い天体から私たちの地球を見ると、天の川銀河も何となく赤く見えちゃうわけ。」

質問者「ああそうなんだ。」

国司先生「そうするとどっちが果てだか分かんなくなっちゃうんだよ。」

質問者「ふうううん。」

国司先生「宇宙の果てを観察すると、宇宙の果てよりも宇宙が生まれた頃の様子が分かってくるんだな、っていうことになるんだって。」

質問者「へえええ、そうなんだ。」

国司先生「ぜひ宇宙飛行士にもなってほしいし天文学者にもなってほしいな。そうすると遠い遠い銀河の真ん中にブラックホールが見つかったり、天の川銀河の中にもブラックホールがあるらしいんだけど、そういったことも研究していくと宇宙は不思議だらけだよ。」

アナウンサー「宇宙って色がある…んですね、見え方というか。バラのような色の星雲を図鑑で見たことがあるんです。」

国司先生「バラ星雲! 図鑑にバラ星雲ってあった?」

質問者「うん、あった。」

国司先生「赤かったよね?」

質問者「うん。」

国司先生「あれは遠ざかるからじゃなくて、バラ星雲には水素というガスがあって、その水素が赤い光を出すんだよね。そこで写真に撮ると赤く写るんだよ。」

質問者「えっそうなんだ。」

国司先生「色って面白いよねえ。自分で見た色をぜひ大切にして、例えば今日の夕方の一番星の金星は金色に見えるかもしれないよ。今度クレヨンで星や天体のスケッチをして、絵に描いてみると良いかもしれないね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君、いかがですか?」

質問者「…めっちゃ感動して、なんかすごいなと思った。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「よかったあ…嬉しいいい(笑)。めっちゃ感動してくれたのね。ぜひ宇宙飛行士、もしくは天文を研究する人になってほしいとお姉さんは思いました。」

お子さんが想像力をフル回転させて聞いてるのが伝わって楽しかった。宇宙のいろんな色は結局、地球の大気を通して見える色と考えていいのだろうか…よく分からん。

 

Q3 どうして植物は毒持ってるがあるもの

  と、毒持ってるがないものがあるんで

  すか?(5才女子)

 

「毒持ってるがある」、「毒持ってるがない」はお子さんのそのままの言い回し。

アナウンサー「○○さんはどうしてそれを不思議に思いましたか?」

質問者「図鑑を見ました。」

塚谷先生「○○さん、苦手な野菜はないですか?」

質問者「ナス。」

久留飛先生「(笑)」

塚谷先生「ナス苦手なんだ。なるほど。あとは?」

質問者「あとはなぁい。」

塚谷先生「あとはない! 素晴らしいですね。ナスは何で苦手なんですか?」

質問者「…ちょっと甘いからかな?」

塚谷先生「甘いから? そうなんだ。ふうううん…キュウリとかホウレンソウとかも好き? 大丈夫なんですか?」

質問者「はい。」

塚谷先生「おぉ素晴らしいですね。野菜苦手なお友だちいないですか?」

お母さんらしき声「いないよ。」

質問者「いないよぉ。」

塚谷先生「いないんだ、みんな健康優良児だね(笑)。そうかあ。」

今のお子さんたちはえらいなあ。教育が行き届いてるのか、甘い野菜が増えてるからなのか分からんけど。

 

塚谷先生「時々、“この野菜苦手”っていう人がいるじゃないですか。あれは味とかにおいが嫌いなんだと思いますけど、ああいうのは実は、ある意味毒なんですよね。」

質問者「うん…針に毒ある。」

塚谷先生「例えばショウガの辛いのは平気?」

質問者「へーき。」

塚谷先生「おぉすごいな! ワサビの辛いのも平気?」

質問者「わさびはきらい。」

塚谷先生「嫌いなんだね(笑)。ワサビは辛いじゃないですか? あの辛いのも毒なんですよ。」

質問者「毒なの?」

塚谷先生「人間には大したことないので、おいしいなと思って食べる人もいるけど、あれは虫にとってはけっこう毒なわけですよ。」

質問者「ふうううん。」

塚谷先生「どうして毒を持ってるかというと、花の方も虫に食べてほしくないわけじゃないですか? だから毒を作るんですね。」

質問者「うん。」

塚谷先生「その毒が生き物ぜーんぶに毒とは限らなくて、自分を食べるような虫とか、かじってくるやつに対して毒があればいいわけね。」

質問者「うん。」

塚谷先生「人間は体が割と大きいし、いろんなもの食べたがるから(笑)、ちょっとぐらいの毒があっても食べちゃうから、毒があるものとないものがあると思ってるけど、大概のものはある意味毒があるんですよ。」

質問者「うん。」

塚谷先生「ワサビなんかもそうですけど、ワサビを食べる虫にとってはあの辛いのが毒なので、ワサビはあまり虫に食われないで済む。ということで、生きていく上で毒があるものが生まれてきたわけなんです。なので、多くの植物は毒を持ってるけど、人間にとっては必ずしもそれが毒じゃないので、毒があるのとないのとがあるように見える、ということが1つ。」

質問者「うん。」

塚谷先生「もう1つは虫に食われたくないだけなので、毒を作るんじゃなくて、トゲとかを作ってトゲトゲにして食われないようにするものもいるんですね。バラの花はトゲがあるでしょう?」

質問者「うん。」

塚谷先生「ああいうトゲもそうです。あれは毒を作る代わりにトゲトゲにして、あまり食われないようにしてるわけです。」

質問者「はあい。」

塚谷先生「だから毒があるのとないのがあるのはなぜかというと、1つは人間にとっては毒じゃないけど虫にとっては毒があることもある、もう1つは毒の代わりにトゲみたいなもので体を守ってるものもいる。ということであるのとないのがあるように見える。」

質問者「はあい。」

アナウンサー「先生、逆に花に蜜があったり、おいしい果物や実をつけたりするのは、虫に来てくださいというサインなんですかね?」

塚谷先生「そうですね。虫とか動物に食べてほしい場合はわざわざ甘くしたりするんですね。」

アナウンサー「逆のパターンもあるんですね。なるほど。○○さん、いかがですか? 虫とか動物に食べられたくないから毒やトゲを持っている植物もあるんだよ、ということです。」

お母さんらしき声「わかった。」

質問者「わかった。」

アナウンサー「(笑)良かったわ。質問ありがとうございました。」

質問者「はあい。ありがとうございました。」

アナウンサー「久留飛先生、虫にも毒があるもの、ないものがありますよね?」

久留飛先生「ありますよね。やっぱり同じですよね。食べられたくないと思えば毒を持ってる方が有利だし、そういうことをあまり気にしないやつであれば、わざわざ毒を作る必要がない。例えば春になるとカラスノエンドウがすごく芽吹いてきて、その新芽にアブラムシがいっぱいつきますよね? あれなんて“この生き方で良いのかな?”って私いっつも嫌になるんですけど、そばにテントウムシが来て、ムシャムシャとアブラムシを食べてますよね。アブラムシも毒を持ってたら食べられなくて済んだはずなのに、敢えてそんなことをしない生き方をしているなんて…どう思うのかな?」

先生方「(笑)」

アナウンサー「(笑)なぜでしょう?」

久留飛先生「(笑)隣で仲間がボリボリ食べられてるのに、そんなこと無関心のようにチュッチュと汁を吸ってるアブラムシ……これはすごいなあっていうか、悟りの境地ですよね(笑)。」

アナウンサー「今、みんなが思わずアブラムシの生き様に思いを寄せて、スタジオがシーンとなってしまいましたけれども(笑)。」

久留飛先生「繁殖というか次に世代を残すために毒を作った方が良いやつと、そんな手間をかけずに、とにかくたくさん増える方を優先しようというやつ。ということは生き方がどうこうじゃなくて、次の世代にどう繋がるかが、今の生き物なんでしょうね。」

アナウンサー「ああ、あの手この手の作戦で。ある者は毒を使い、ある者は大量に仲間を増やして生き延びる……奥が深いですねえ。」

久留飛先生「(笑)面白いですよね。」

植物の生き方には賢さとか精密さを感じるのに、昆虫だとなぜか、わけの分からなさや可笑しみになってしまう。人間の狭い価値観の上から目線でそう見てしまうのと、先生の語り口にもよるんだろうけど。

 

Q4 食べ物を食べて血を作るなら、血を飲ん

  で人は生きられますか?(4才男子)

 

アナウンサー「なるほど! 食べ物を食べて人間の体に血が作られるなら、血を飲めば生きていけるんじゃないかという…ちなみに4才の○○君は、ドラキュラという言葉を知っていますか?」

質問者「知りません。」

アナウンサー「知りませんね? ちなみに好きな食べ物は何ですか?」

質問者「うーん…目玉焼き。」

吸血鬼を知らずに思いついたアイディアだとしたら本当にすごいかも。 

 

藤田先生「確かに人間の血って、食べたものが血になる。そういうことをちゃんと知ってるということですね。」

質問者「うん。」

藤田先生「○○君の好きな目玉焼きは、何から作るの?」

質問者「たまご。」

藤田先生「卵から作りますよね。卵って何の動物の卵か知ってる?」

質問者「知ってる。えっと、ニワトリ。」

藤田先生「ニワトリですよね。ニワトリの卵は将来何になるの?」

質問者「……ヒヨコ。」

藤田先生「ヒヨコになりますよね。ということは、卵というのは、中にヒヨコになるための栄養がとてもたくさん入ってる、ということですよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「それで無事にヒヨコに…まぁ野生だったら、人間が飼ってるんじゃなくて普通にしていればヒヨコになるはずだけれども、それを人間が頂いているということですよね。すごーく栄養があるということなんですね。卵はすごく健康に良いと言いますけど、そういういろんなものを食べて○○君はどんどん大きくなっていきますよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「じゃあ血だけで生きていこうとした場合、ちょっと困ることもあるんじゃないかなと思うんですよ。いろいろ難しいこともありますけど、まず1つは、血だけで生きていくと、水が絶対的に足りないと思うんですね。○○君もお水を飲みますよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「どれぐらい血を飲むかという問題もあるけれど、そう簡単には水を補給…血を飲むだけで十分な量の水を体に入れることはできないんじゃないかなと思います。…そこまでは大丈夫ですか?」

質問者「うん、だいじょうぶ。」

藤田先生「もう1つ、難しいことを言うと、○○君は献血って知ってます?」

質問者「………」

藤田先生「お父さんお母さんが献血したことがあるかもしれないですね。献血というのは…」

質問者「しらない。」

藤田先生「病気で血液が必要な人に…血液って血のことですね。血が足りない人のために、健康な人から血をもらって、その病気の人にあげることを献血というんですよ。」

質問者「ふううん。」

藤田先生「その献血をした時に、結局体の中の血液を外に出しちゃうことになるんだけど、その分がすぐ…400ミリリットルという量…ペットボトル2本分ぐらいかな、…あ、2本もないか。ペットボトルはだいたい500ミリリットルぐらいですかね。」

アナウンサー「最近の献血は200とか400とかいろいろバリエーションが。」⇦バリエーションというより献血する人の体重で決まるんだよ。

藤田先生「だいたいペットボトル1本ぐらいの血液を採られちゃうんだけど、1回採られて、すぐその血を飲んだらまた元気になれるかというと、実はなれないんですよ。どうしてかというと、血は何色をしてます?」

質問者「赤。」

藤田先生「赤い色してますよね。どうして赤いかというと、血の中に赤血球というものが入ってるんだけど、その赤血球は体の中で栄養から作り出すために2週間かかるんですよ。だから、飲んだだけだとそれがすぐ赤血球になってくれるわけじゃないから、どうしても時間がかかるんですね。なので、血液だけを飲んでいると2週間はその赤血球が足りない状態になっちゃいますよね? だからそんなに健康に良いというわけではない、それだけでは生きていけないということですね。」

質問者「ふうううん…。」

お子さんのイメージは飲んだ血液がそのまま血管に入っていく感じなのかな? 実際はお腹で消化されてイチから作り直しだけど。

 

藤田先生「○○君はきっと“いろんなものを食べなさい”ってお母さんやお父さんに言われてますよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「人間はそうやっていろんな栄養を取り入れて、血だけじゃなくて筋肉とか脂肪とかも作っていかないといけない、ということなんですね。

でも、○○君の質問を、さっきスタジオの先生方といろいろ話をしたんですけど、“きっと人間は血だけでは生きていけないでしょうね”という話ではまとまったんですけど、血だけで生きている生き物もいるんですよね。それで久留飛先生にちょっと聞いてみましょうね。」

久留飛先生「そうですよね、コウモリって知ってる?」⇦昆虫じゃないのか。

質問者「知ってる。」

久留飛先生「知ってるよね、コウモリってふつうは夕方に飛んでて虫を食べたりしてるんだけど、血を吸うコウモリというのもいてるやん?」

質問者「うん。」

久留飛先生「それって血ぃだけでええんやろうかね? …(笑)。」

藤田先生「(笑)」

久留飛先生「テレビで見たことあるけど、牛とか馬が寝てるところにソーッと忍び込んで、傷つけて血をチュッチュ吸うねんて。そういうコウモリおんの知ってた?」

質問者「知らなかった。」

久留飛先生「すごいなと思うけど、何でそれだけでいいとコウモリが思ったんやろうって不思議やな? いろんなものがある中で、そのコウモリは血を選んだという。」

アナウンサー「久留飛先生、蚊はどうですか?」

久留飛先生「蚊もそうですよね。ブーンと飛んでくる蚊、知ってるやろう?」

質問者「うん。」

久留飛先生「でも刺すのはメスだけやねん。オスは血ぃ吸えへん。だから外でウロウロしてんねんて。わざわざ家の中に入ってきて血を吸うのは、卵を生むための栄養をつけることやねんて。血はけっこう栄養があるんやな。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ただそれだけでは生きていかれへんと思うわ。血を利用する生き物はけっこういるんだろうと思う。ヒルというのも知ってるやろ? …知らんか。山に行った時にピッととりついて…」

質問者「知らない。」

アナウンサー「ル、ヒ?」⇦アクセントが気になりだすアナウンサー。久留飛先生は大阪のお人や。

久留飛先生「ル? ヒ…(笑)そういうやつは血を吸って生きてるやん。」

アナウンサー「4才だからちょっと難しいかな。」

久留飛先生「難しいか。ほんなら話変えるけどダニって知ってるか? マダニという血を吸うだけで生きてるダニがいてんねんけど。という具合に、他の生き物でも血を利用するやつがいるということや。」

アナウンサー「とりあえず人間については血だけで生きていくのは難しいですが、生物全般に広げると、そういう血に頼って生きてるものもいるんですって。○○君、いかがでしたか?」

質問者「たのしかった。」

アナウンサー「よかったあ(笑)。これからも目玉焼きをたっぷり食べながら、いろいろな生き物の食べ物のことを調べてみてくださいね。」

質問者「わかりました。ありがとうございました。」

藤田先生「よかった…。」

4人の先生方それぞれの第1問はみんな未就学のお子さんからだった。

 

Q5 ゴキブリはなぜ速く動けるんでしょう

  か?(小1男子)

 

アナウンサー「○○君はそれがシャカシャカ動いてるのを見たことがあるんですか?」⇦「それ」と明言しないのはなぜ。

質問者「ない。」

アナウンサー「どこかで速く動けることを知ったんですね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「どんなゴキブリかという種類もあるんだけど、家の中に出てくるゴキブリのことでいいのかな?」⇦人間が家で見るゴキブリはゴキブリ族のほんの一部。ほとんどは森とか人間から離れた場所でひっそり生きてるそうな。この番組で知ったけど。

質問者「………」

久留飛先生「ゴキブリってどこで見ると思う?」

質問者「………」

アナウンサー「たぶんお家でお母さんかお父さんが見たのかな?」

質問者「はい。」

久留飛先生「そうか、○○君はまだ遭遇したことがないんや。1度会ってみたら面白いと思うけど、ゴキブリはとっても速く走るよね?」

質問者「はい。」

久留飛先生「私もいろんな所で見たことあるけど、夕方に薄暗くなった公園で見たこともあって、落ち葉が風に吹かれてヒョヒョヒョヒョ…歩いてるみたいやってん。で、パッと立ち止まって、また次にシュシュシュシュ、サッと行くねん。まるで落ち葉が風に吹かれているような動きをしてたわ。すごいなぁ、家の中だけじゃなくて外でも元気に走り回ってるなぁと思ってんねんけどな。

なぜあんなに速く動けるかのヒントは、クロゴキブリという種類が家の中に出没するんだけど、どのくらいの重さか知ってる?」

質問者「知らない。」

久留飛先生「知らんよね。そういう小さい重さでも測れる体重計で見ると、クロゴキブリのオスって1グラムぐらいや。1グラムってどんだけかって言ったら、1円玉と同じぐらいの重さ。軽いと思う? 重いと思う?」

質問者「重くないと思う。」

久留飛先生「重くないわな、軽いよね。そういう具合に、とても軽い体で素早く動ける仕組み、これは考えてほしいんだけど、そういう生き方をするというのはゴキブリにとっては大事や。ダンゴムシみたいにゆっくり歩いてたら捕まってしまうわな。」

質問者「はい。」

久留飛先生「そうやろう? ダンゴムシみたいにゆっくり歩くゴキブリはおるんやで。おるんやけど家の中ではそれは無理や。すぐ相手に捕まっちゃうから。という具合に速く走るゴキブリが家の中に入ってきたということなんだけど、どうやって速く動くかの仕組みが分かってきて、それは例えばな、捕まえたことがある人の話を聞かな分からんけど、新聞を丸めて叩こうとしてもピョッと逃げてしまうねん。そのぐらい素早いねん。もちろん手掴みしようというのも難しいやん?」

質問者「はい。」

久留飛先生「したことはあるけどな(笑)。あんねんけど非常に難しいわけよ。あんまりパッと掴んでしまうとブチュッと潰れるし。そうかというて体が残るように柔らかく掴もうとしたらツルッと逃げるし。もちろんどっちに動くかなんか分からへん。」

こういう話でオノマトペの伝わりやすさを良くも悪くも感じるのである。

 

久留飛先生「という具合に家の中で上手く生きているクロゴキブリなんだけど、頭と胸とお腹と別々に神経があって…1年生やから分かるか? 私たちは脳みそを持ってるやん? ○○君も頭の中に脳みそあるやん。」

質問者「はい。」

久留飛先生「ところが昆虫は胸にも脳の塊、神経の塊があんのや。」

質問者「へええ。」

久留飛先生「脚は胸の神経の塊で動かしてんねん。だから昆虫は体の作りが違うということが1つあるねん。」

質問者「はい。」

久留飛先生「体中に毛がたくさん生えてんねんな。毛。顕微鏡で見たら分かるけど、その毛がセンサーの役割をしてる。ていう具合に周りの動きを速く感じるセンサーと、素早く動ける体を持ってるということやねん。」

質問者「はい。」

久留飛先生「おおざっぱに言うたらそういう感じでいいでしょうか。」

アナウンサー「なるほど、ゴキブリは体の仕組み…毛の状態であったり、素早く察知してシャカシャカ速く動けるんだそうです。きっとお母さんがたちやっつけようと思って新聞を振り上げる時の殺気を感じるのかなと思ってたんですけど(笑)。」

久留飛先生「そういうセンサーはないですね。」

アナウンサー「そういうセンサーはないそうですよ。ゴキブリ自体が危険を察知する力、速く走る力がすごいんですって。○○君、万が一お家に出没したら観察してみてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q6 北極星はなぜ動かないのですか?

  (小4女子)

 

アナウンサー「これはなぜ聞いてみたいと思いましたか?」

質問者「学校の理科の勉強で動かないからって言われて、なぜかなと思ったからです。」

国司先生「そうか、北極星は動かないって教わったんだ。じゃ、北極星を見つけたことはある?」

質問者「あります。」

国司先生「見た? ずーっと見てたらやっぱり動かなかった?」

質問者「はい。」

国司先生「なるほどねえ、それはすごい。実はずいぶん前に同じような質問が科学館に来たんです。小学校4年生の教科書にそう書いてあったんだけど、中学校のお兄ちゃんの参考書には北極星が少し動くって書いてあったんだって。」

質問者「へええ。」

国司先生「それでその4年生と中学生のお兄さんでどっちが正しいんだってケンカになっちゃったの。それでお母さんが科学館に電話をかけてきて、“お母さんじゃなくて当人がいいな”と言ったら、みんな遊びに行っちゃったり塾に行っちゃったりで、どうにかおじさんが考えたんだけど。」

国司先生は学年ごとに理科で何を教わるかをよくご存じで、ご自身でも調べているんだろうけど、こういう問い合わせも対応してたのか。

 

国司先生「まず最初にお話しします。この自然というのは、動く・動かない、マルかバツかで決まらないことがほとんどなんですよ。その理由を考えなくてはいけないのが大切なのね。

○○さんは北極星が時間が経っても動かないと思ったんだよね?」

質問者「はい。」

国司先生「そういう観察をした、それは事実。いいんです。でもね、おじさんは前に本当に動かないかなと思って、北極星の方にカメラを向けて、1時間以上ずーっとシャッターを開けて、星の動きの写真を撮ったんです。そしたら、やっぱりちょっと動いてるんです。」

質問者「そうなの?」

国司先生「そうなの。それはどうしてかということになるんだよね。

ところで、東から上った星は南を通って西に沈むって4年生でやったよね?」

質問者「はい。」

国司先生「他の星は動いたり、月も太陽も動くんだけど、その動きの理由、原因は何だか知ってるよね?」

質問者「……何だっけ?」

国司先生「(笑)何だっけ? ○○さんはどの星に住んでるんだっけ?」

質問者「地球。」

国司先生「地球はずーっと同じ状態でいるのかな?」

質問者「いや、回る。」

国司先生「そうなの! 自転と言ってコマのように回っています。その自転している地球の上に○○さんは住んでるので、太陽は東から上って西に沈むんだよね?」

質問者「はい。」

国司先生「でも北極星がほとんど動かないのはどうしてかというと、その地球の自転軸です。」

質問者「あっ……。」

国司先生「“あっ”、分かってきた?」

質問者「うん。」

国司先生「地球の自転軸というのは、地球の北極と南極を貫いた1本の棒みたいになっています。そんな棒は突き刺さってないけれど、そこを軸にクルッと1回転すると…太陽に対して1回転すれば昼と夜が巡って、それが1日、24時間ということにして我々は生活をしています。

では北極星はどの位置にあるかというと、北極星は“北”って書くから、北の方だよね?」

質問者「うん。」

国司先生「地球の自転軸を北極からずーっと空に伸ばしていった、その先の近くに北極星があるんですよ。」

質問者「はあああ。」

国司先生「よく傘をコマみたいにクルクル回した時に、傘の中心は回転するけど動かないでしょ? それとよく似てるの。」

質問者「ああ…。」

国司先生「じゃあ、回転のズバリ中心に北極星はあるかというと、これがちょっとずれてるの。角度で言うと…分度器は分かるよね?」

質問者「うん。」

国司先生「分度器の角度で言うと1度くらい。月の見かけの大きさの2つ分ぐらい、地球の自転軸が向いてる先と北極星の位置はずれているんです。そうすると、長い時間を望遠鏡で観察したり写真を撮ると、わずかに北極星は動くんですよ。」

質問者「…へえええ。」

国司先生「“昔の旅人は、北極星は動かないので、方角の見当がついて、道に迷わないで帰ることができました”と言ったら“動かない”と書いた方がいい。でも写真を撮ったり中学校のお兄さんが望遠鏡で調べたりすると、ほんのちょっと動くの。そしたら“動く”と書いた方がいいでしょう?」

質問者「はい。」

国司先生「これは“行間”なの。」

質問者「ああ……。」

国司先生「理科はマルかバツかで決まらないということを大切に覚えておいてください。かつ自分の観察はとっても重要です。

これから宿題を出しちゃうけど、北極星はずーっとそんなふうにわずかに動くかというと、そうでもなくて、ピラミッドが作られた頃は北極星はずっと動いていたの。」

質問者「ええっ(笑)? 他の星と一緒にですか?」

国司先生「うん。違う所が回転の中心になってたの。」

質問者「へえええ!」

国司先生「それからあと1万2千年すると…4年生だから夏の大三角は習った?」

質問者「習いました。」

国司先生「織り姫星はこと座のベガって言うよね? 1万2千年経つとこと座のベガが北極星に近くなるの。」

質問者「えっ!」

国司先生「これは言い方が難しいな。北極星と同じような役割をする。」

質問者「じゃあ、ちょっとしか動かない。」

国司先生「ちょっとしか動かない。どうしてかというのはぜひ調べてみてください。

それからもう1つ。地球の自転軸は1本しかないけど、北は北極星の方を向いてるでしょう? 反対の南の方をずっと伸ばしてそこに明るい星があったら…南極星という名前の星は聞いたことある?」

質問者「…あります。」

国司先生「ある!? よし、それも調べてほしいなあ。それは6等星くらいかもしれないけど。そんなふうにして○○さんの疑問からいろんなことが分かってくるの。今度5年生になるから、4年生で教わったことをもう1度確かめながらもう1歩先に進んでみると良いかもしれないね。」

質問者「はい。」

 

Q7 なぜウメや八重咲きのサクラには雌しべ

  が2~3本あるものがあるんですか? 

  (小4女子)

 

アナウンサー「○○さんはお庭かどこかでウメやサクラを観察して、それを見つけたんですか?」

質問者「去年は家の近くのベニシダレザクラを見て、今年はおじいちゃん家の近くで八重咲きのカンヒザクラが、雌しべが2本あるものがありました。ウメは去年、実が2つくっついたものを見たので、雌しべが2つあったんだと思いました。ふつうのサクラには2本ありませんでした。」

塚谷先生「おお…」

アナウンサー「なるほど、じっくり観察してる! すごいですね!」

塚谷先生「よく観察してますよね。ちょうどウメとかサクラのシーズンにいろいろ見比べていくと、確かに雌しべの数が違ってますよね。他の花でそういうのに気づいたことあります?」

質問者「うーん……それはそんなにないかな。」

塚谷先生「うんうん。サクラでもウメでも、特に雌しべの数が多いやつは花びらの数も多くないですか?」

質問者「多いです。」

塚谷先生「ですよね? ふつうのウメとかサクラは、野生種と言うんですけど自然界に元々いる種類だと、雌しべが1本ですよね? 野生株だと花びらの数は何枚あるんでしたっけ?」

質問者「ワカリマセン。」

塚谷先生「ウメもサクラも5枚が基本で、それが正しいというか自然の状態ですよね。ソメイヨシノは花びらが5枚のが多いけど、庭とかに植えるウメとかサクラは割と八重咲きと言って花びらの数が多いものが多いですよね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「その方が華やかに見えるし、遠くからもたっぷり花があるように見えるから、園芸品種に選ばれたやつは八重咲きがけっこう多いですね。」

質問者「なるほど。」

塚谷先生「八重咲きになる時に何が起きてるかというと、花びらの数が増えてるんですけど、一緒に雄しべと雌しべも増えてることがあるんですね。」

質問者「ふううん、そうなんですか。」

塚谷先生「花びらの数が増える時にいろんなやり方があって、雄しべの数を減らして花びらにして花びらを増やしてるケースもあるし、花びらと一緒に雄しべと雌しべも増やしちゃってることもあって、いろんなケースがあるんです。」

質問者「そうなんですか。」

塚谷先生「ちょうどサクラがこれからシーズンになるので、公園とか植物園とかいろんなサクラを植えてる所で見比べてもらうと、花びらの数が多くて雌しべの数も一緒に増えてるやつもあれば、花びらの数だけ増えて雌しべの数が増えてないやつもあるんですよ。いろんなやり方があるんですけれども、園芸品種だと花びらとか雌しべの数を全部増やして八重咲きになってるタイプが多いのかな。それが目立つんじゃないですかね。」

質問者「はい。」

八重咲きは自然状態では変わり者なのね。バラも野生種は花びらが5枚だったような。それだけ人間が手を加えてきたというわけか。

 

塚谷先生「世の中には変わったのがいて、ウメもサクラも同じバラ科ですけど、“八つ房の梅”があるのは知ってます?」

質問者「ん? 聞いたことありません。」

塚谷先生「八つ房の梅というのがあって、梅をすごく集めてる所とか、元々新潟の方で親鸞上人と関係があるという伝説があって植えられてる所があるんですけど、○○さんは実が2つくっついてるのを見つけたって言ってましたけど、1つ花から8つつくの(笑)。」

質問者「え…ええっ!」

塚谷先生「すごく不思議だっていうので昔から増やされて、いろんな所にあるんですけど、それも雌しべの数がたくさんあるんです。雌しべが6個も8個もあって、うまくいくと1つの花から実が8つもつくの。」

質問者「見てみたいなあ…。」

塚谷先生「(笑)でしょう? 面白いのはね、

1つの花にそんなにつくと窮屈じゃないですか?」

質問者「確かに。」

塚谷先生「だから若いうちはいっぱいついてるんだけど、押し合いへし合いしてくうちに元気に育った実だけがだんだん太っていって、残りがポロポロ落ちていくので、最後は1個や2つに減っちゃうんですけど。そういうものがあります。」

質問者「なんかかわいそうだ。」

塚谷先生「(笑)うん。そういうのを突然変異と言って、変わり者が出てくるんですけど、その時に花びらの数が増えたり、ついでに雌しべも増えたりすることがけっこうある、ということですね。」

質問者「はい。」

塚谷先生「ちなみに、雌しべの数は増やしてないんだけど根元だけ増やすというケースもあるんですよ。雌しべは先っぽがひもみたいに伸びてるけど根元が膨らんでて、そこが実になるじゃないですか。○○さん、トマトは好き?」

質問者「トマト。好きです。」

塚谷先生「そしたらミニトマトを横に切って断面を見てみてください。たぶんミニトマトは部屋が2つか3つだと思います。」

質問者「はい、ありました。」⇦即答!いろいろ観察してるのか。

塚谷先生「お! (笑)ミニトマトはトマトの野生種に近い形なので、雌しべを作ってる単位が2つなんですよ。なので切ると部屋が2つあるの。だけど、ふだん食べてる大きいトマトを横に切ってみると、たくさん部屋があると思います。」

質問者「そうなんですか!」

塚谷先生「あれはやっぱり雌しべが増えてるんだけど、1つのまとまりとして単位が増えてるだけで、断面にしてみるとたくさんあることが発覚する例。」

質問者「そうなんですか。」

塚谷先生「先っぽは分かれてないけど根元はたくさんに分かれてるんです。」

アナウンサー「○○さん、いろいろなお話がありましたよ。今、サクラの時期ですし、トマトも改めてじっくりと観察してみてください。」

質問者「はい。…あ、塚谷先生、2年生の時も質問に答えてくださってありがとうございました。」

塚谷先生「そうですか!ありがとうございます(笑)! ご贔屓頂き…」

質問者「植物が大好きです!」

塚谷先生「ありがとうございます(笑)。」

植物ガチのお子さんだった。聞いてる側もこういう会話にジーンときちゃう。

 

Q8 炭酸水は元々アワアワなのに、振ると

  おいしくなくなるのは何でですか?

  (小2女子)

 

アナウンサー「振るとおいしくなくなっちゃったんですか? やってみたのかな?」

質問者「はい。」

藤田先生「炭酸水って振るとおいしくなくなっちゃいますよね? 炭酸水はどうしておいしいのかなって考えたことあります?」

質問者「ありません。」

藤田先生「ふつうの炭酸水と振っちゃった後の炭酸水って、味がどんなふうに違います?」

質問者「ふつうの炭酸水はシュワシュワしてて、味がしなくて、振っちゃった後の炭酸水は、お水みたいにアワアワさがなくなっちゃったっていう…」

藤田先生「はい、分かりました。シュワシュワした感じが舌とか口の中のいろんな所に感じられて、たぶんそれが“おいしい”と人間は感じてるということですよね。そのシュワシュワしたものがなくなるとおいしくなくなっちゃう、と思っているということですが、そのシュワシュワする原因は何かというと、○○さん、二酸化炭素って聞いたことありますか?」

質問者「あります。」

藤田先生「炭酸水というのは、実は二酸化炭素が溶けているということは知ってました?」

質問者「知りませんでした。」

藤田先生「炭酸水というのは二酸化炭素という気体が溶けてるものなんですよ。ふつうに溶かすぐらいではあんなにシュワシュワしないんですね。私たちが二酸化炭素を作って一生懸命溶かしたって、あんなふうには溶けなくて、炭酸水を作る工場ではものすごく力をかけて、温度を引くして溶かすんですよ。」

質問者「へえええ。」

藤田先生「つまり無理やり溶かしてるんですね…言い方が大ざっぱですけど(笑)。無理やり溶かしちゃってるんですけど、よく炭酸水のペットボトルを振った後、蓋を開けたら溢れてきますよね? やったことあります?」

質問者「はい。」

藤田先生「せっかく飲みたいのに、それやったら勿体ないけど、振ってる最中に何が起きてるかというと…実は水というのは目には見えないけれども、ものすごく小さい粒でできてるんですよ。」

質問者「へえええ。」

藤田先生「二酸化炭素も空気みたいな気体ではあるけど、ものすごく小さく見ていくと、やっぱり粒でできてるんですね。でも目には見えないんだよね。

それで一生懸命振っちゃうと、その粒と粒とがぶつかり合ってしまって、水の中から無理やり溶かされてた分の二酸化炭素が追い出されちゃうんですね。それで二酸化炭素がなくなって、人間が味わうとおいしくなくなっちゃうと。よく“気が抜ける”という言い方をしますかね。」

質問者「はい。」

藤田先生「そういうふうに二酸化炭素が逃げちゃうから、ということになるわけです。」

質問者「はい。」

炭酸がなければただの水か砂糖水だもんな。「おいしい」と感じるためにはいろんな要素が絡んでいるのね。このあたりもまた食べ物スペシャルで深掘りしてほしい。

 

Q9 昆虫はどれがいちばん頭が良いですか?

  (小1男子)

 

アナウンサー「○○君はどれがいちばん頭が良いと思いますか?」

質問者「アリ。」

アナウンサー「へえええ。なぜアリがいちばん頭が良いと思いましたか?」

質問者「えっと、冬の支度をちゃんとしてるから。」

久留飛先生「○○君が考えてる“頭が良い”というのは、先を読んで寒くなった冬にもちゃんと食糧を蓄えるから、アリがいちばん頭が良いんじゃないかと思ったわけやんな?」

質問者「はい。」

久留飛先生「ということは、先のことをちゃんと分かる能力があるやつが頭が良いということかな?」

質問者「そう思います。」

久留飛先生「そうやんかなあ…この質問の答えは難しいな。先のことを考えて行動している昆虫っていっぱいいてるわけよ。」

質問者「ああああ…。」

久留飛先生「例えばね、アゲハチョウって知ってる?」

質問者「アゲハ? 知ってる。」

久留飛先生「アゲハチョウが冬を越す形は蛹やん? 蛹の形で冬を越すよね?」

質問者「うん。」

久留飛先生「ということはな、蛹になったやつが冬を越えることができるわけや。もっと考えてみると、蛹にならないと冬を越えれないわけや。幼虫やったら冬の寒さに耐えれなくなって死んでしまうやろ?」

質問者「はい。」

久留飛先生「蛹になったアゲハだけが冬を越えれるということは、早く蛹になれへんと死んでしまうって秋のアゲハチョウの幼虫はみんな考えてるんじゃない?」

質問者「はい。」

久留飛先生「なら先のことを考えて、体が小っちゃくても早く蛹になろうという。それは先を読む力、賢いと言うことができへんか?」

質問者「確かに。」

久留飛先生「という具合に、図鑑で見たら分かるけど、春に出てくるアゲハと夏に出てくるアゲハは大きさが違うやろ?」

質問者「うーん……」

久留飛先生「そう図鑑に書いてあんねんけどな。分からんでいいんやけど図鑑を読むとそう書いてあるわ。春に出てくるアゲハはちょっと小ぶりや。夏によく見るアゲハは大っきいわけや。それって秋に急いで蛹になったアゲハかなあと思ったりすんのや。そうせえへんと冬を越えられへんわけやから。」

質問者「うん、確かに。」

久留飛先生「という具合に、先のことを考えて昆虫たちはそれぞれが生きてるわけや。アリだけが、というのは絵本とかで、夏の間にせっせと働いて、その食糧を元に寒い冬を乗り越えていこうというのはすごいやんって思うかもしれないけど…ファーブルという人知ってる?」

質問者「うん、知ってる。」

久留飛先生「あの人の本を読んだら面白いと思うけど、いろんなところで“昆虫ってすごいな”と思う。いろんな昆虫を紹介してあるわ。○○君が思ってる“頭が良い”というのを、先のことを考えて生き延びていくやつと思うのか、それとも仲間どうしコミュニケーションする方と思ってるのか、自分の行動の次に“これをして、あれをして”とちゃーんと動いていけることなのか…カリバチの仲間って知ってる?」

質問者「知らない。」

久留飛先生「これからファーブルを読んでみたら良いと思うけど、いろんな昆虫の能力というのが、すごくたくさん紹介してあるわ。そうすると、どれが頭が良いのかなっていう○○君の考えが変わるかもしれない。“いや、こっちの方が頭良いんちゃう?”とか、“本当はどれが頭が良いんだろう”とか考えていくようになったら良いと思うねん。」

質問者「はい。」

久留飛先生「いちばんの問題は何かというと、昆虫たちは次に世代を残すことや。アリでもアゲハでもそうだけど、次に世代を残すからその性質が繋がってるわけよ。」

質問者「うん。」

久留飛先生「ということは、いくら賢くても繋がっていかへんことにはどうしようもないやろ?」

質問者「うん。」

久留飛先生「“僕はいちばん頭が良いです”と言うても、次の世代が生まれなければ、その頭の良い昆虫も繋がれへんやんな?」

質問者「うん。」

久留飛先生「という具合に、いろんな面からいろんな考え方をしてみると面白いと思うんだけど、どうでしょう?」

質問者「はい。」

 

Q10 銀河はどうして速いスピードで動くん

  ですか?(6才男子)

 

アナウンサー「○○君はこれを本か何かで知ったのかな?」

質問者「うん。」

国司先生「○○君も6才だから今度小学校だね?」

質問者「うん。」

国司先生「おめでとう。小学校に入る時に、電車に乗ってどこかにお買い物とか行った?」

質問者「バス。」

国司先生「バスだね。バスって歩くより速いよね?」

質問者「うん。」

国司先生「○○君は“とても速いスピード”って言ったでしょう? 銀河というのは…アンドロメダ銀河っていう銀河の名前は聞いたことある?」

質問者「うん!」

国司先生「そうかあ、秋の空にあるんだよ。おじさんも見て…望遠鏡とか双眼鏡が要るんだけど、ぼんやり見えるのね。

それから○○君が住んでいるのは何ていう銀河だっけ?」

質問者「天の川銀河。」

国司先生「それも知ってるんだあ、すごいすごい! 我々は天の川銀河の中に住んでるんだけど、その天の川銀河アンドロメダ銀河は今どうしてるかというと、互いに近づいてるんだって。どのくらいのスピードで近づいてるかというと、時速40万キロメーター。」

質問者「よんじゅうまんきろぉ?」

国司先生「ふつうのバスは時速40キロぐらいだよね? その1万倍ぐらい速いんだって。」

質問者「ええええ!」

国司先生「すっごいよね、そういうスピードで速く動くんだよね。

ところがね…○○君は今度1年生になるから、“例外”っていうの知ってる?」

質問者「知らない。」

国司先生「例外というのは、いつもはこうなるけど、これだけは違うんだよ、ということなの。アンドロメダ銀河と天の川銀河は近づいていて…これもすごいんだよ、40億年後ぐらいにぶつかっちゃうというんだけど、それは例外なの。どうしてかというと…」

質問者「あ、それ何かで見たことある!」

国司先生「見たことある? NASAという所で“これおかしいぞ、ぶつかっちゃうぞ”っていう発表がこの前あったんだよ。」

質問者「おお!」

国司先生「それが例外なの。他の銀河がまだいっぱいあるのは写真とかで見たことある?」

質問者「ん-、うん。」

国司先生「銀河は数えきれないほどたくさんあるのね。そのほとんどの銀河は我々の天の川銀河から遠くに離れてるんだって。」

質問者「ええ!? そうなのぉ!?」

国司先生「そうなの。ということはさ、宇宙が膨らんで…ビッグバンって聞いたことあると思うんだ。」

質問者「あぁあぁ、何かで見たことある。」

国司先生「見たことあるの? すごいな、おじさんは見たことないんだけど(笑)。それがビッグバンの爆発みたいなもので広がってるの。だから、どうして速いスピードで広がってるかというと、そのビッグバンのエネルギーがあって広がってるの。

だけど広がったらまた縮んじゃうはずなんだけど、ずっと広がり続けているの。」

質問者「ええー、そうなのかあ。」

国司先生「じゃあ何でそうやって広がるのか、という理由はまだよく分かってないんだけど、ここはおじさんも見たことがないし、よく分かんないけど、ダークエネルギーって聞いたことある?」

質問者「うん、何かで見たことあるよ。」

国司先生「見たことある? おじさんは見られなかったけど、そのダークエネルギーというのがどうやらあって、宇宙が広がり続けているんだって。だから、○○君の“どうして銀河は速いスピードで動くのか”というのは、宇宙が広がった最初のビッグバンのエネルギーと、目に見えないエネルギーがどんどん膨らませているらしいんだって。」

質問者「おぅおぅおぅ、そうなのかあ…。」

国司先生「そうなんだけど、おじさんはそれ以上分からないんだよ。これは○○君が大きくなってから勉強して研究すると、その頃にはきっと分かってくるかもしれないよ。」

質問者「うん。」

アナウンサー「○○君は宇宙のこと好きなのね?」

質問者「うん!」

アナウンサー「とっても詳しいから、宇宙の本とか図鑑とかいっぱい見てるのかな?」

質問者「うん!」

アナウンサー「いいですねえ。将来、宇宙のことをいろいろ調べてみて、分かったことをまた私たちに教えてください。」

質問者「うん。」

アナウンサー「よろしくお願いします。楽しみにしてますよ。」

質問者「うん、分かったよお。」

またも想像力全開のお子さんで反応が楽しかった。宇宙の話はスケールが壮大すぎるから、図鑑や映像で予備知識を持ってるお子さんの方が先生のお話も入ってきやすいかもしれない。

 

Q11 シランっていう花を育ててるんですけ

  ど、シランは球根が増える植物で、鉢の

  外側ばっかりに球根が増えて、ちっとも

  内側に球根が生えないんですけど、それ

  は何ででしょうか?(小5女子)

 

塚谷先生「シラン、もう少しすると蕾が出てきますよね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「鉢に植えてるんですかね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「いつもいつも外に出てきてしまって困るってことかしら?」

質問者「えっと、鉢の縁の、コンパスで言うと針の方じゃなくて鉛筆の線の方にきてるんです。」

塚谷先生「コンパスで言うところの…? ああ、外側に外側に作るということですね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「それは仕方ないですね。今、ちょうど新芽が出てきてると思うので、球根の根元のところを見てもらうと…球根て言うけど、どっちかというと鱗茎(りんけい)と言って、茎が玉になっているんですけど…」

質問者「ああ……。」

塚谷先生「茎の部分ですね。専門的に言うと偽物の鱗茎で偽鱗茎(ぎりんけい)というものなんですけれども、茎の根元が玉になってるんですね。その玉になってるところの次に新芽が出るところがどこなのかを見てもらうと、偽鱗茎が玉ねぎ型をしてるじゃないですか。」

質問者「はい。」

塚谷先生「玉ねぎ型をしてるところの必ず脇っちょに芽ができるんですよね。」

質問者「ああああ…。」

塚谷先生「チューリップとかの球根だと、玉ねぎ型してるところの真ん中から芽が出てくるけど、シランはそうじゃなくて偽鱗茎なので、新しい芽がどうしても横から出るんです。そうすると毎年毎年、隣に隣に芽が出てくるので、どう頑張っても縁にいっちゃいますよね。」

質問者「ああああ…。」

塚谷先生「芽が増える時も、1つの偽鱗茎の玉のところから2つ以上芽が出るんだけど、それも同じ場所じゃなくて必ず違う脇っちょに出てくるので、去年いたところが真ん中だとすると、どうしても円周にあたるところに芽が出ちゃうんですよね。」

質問者「ああああ…。」

塚谷先生「ふつうのクロッカスとかチューリップの球根の場合は真上に芽が出て、増える場合でもせいぜい隣にいく程度だから、何年も植えておいてもそんなに外に広がらないですけど、シランの場合は元にいたところは使い捨てで、必ず隣に隣に新しい偽鱗茎を作っていくので、どうしても外に外にいっちゃうわけです。」

質問者「ううーん…。」

塚谷先生「だから、鉢で植えてるとすると、平べったくて広がりがある所に植えておくか、毎年植え替えて、新しい芽を真ん中に戻すとかするしかないですかね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「このシランというお花は、そもそもどんな見てくれと言いますか、特徴なんですか? 最初に聞くべきでした。」

塚谷先生「名前の通り蘭なんですよ。日本に元々いる野生のランですけど、日本にあるランの中で、たぶんいちばん育てやすい。よく育ちますよね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○さんはシランを育ててどれぐらいになるんですか?」

質問者「……10年か、もうちょっとぐらいです。」⇦小学5年生で10年の歴史ってすごい。家族みんなで育ててるのか?

塚谷先生「他の野生ランは日本にすっごいたくさんあるんですけど、育てるのが難しいのがほとんどなんですけど、シランは植えさえすれば育つ。…(笑)なので、ランを身近に育てたい場合はいちばんおすすめですね。名前の“シ”は“紫”なんですよ。もう少しすると赤紫の花が咲き出しますよね。真紫じゃなくて、花の芯のところに白いところがありますよね?」

アナウンサー「偽鱗茎とか難しい言葉も出てきましたが、どんどん広がっていっちゃうということは、狭いベランダだと、あまり大きくなったら困るようですけど…」

塚谷先生「小さい鉢じゃなくて、プランターみたいな広がりがある所に植えると楽ですよね。あと狭い鉢に植えとくと…しばらくやってみると分かるかもしれない、鉢の底から新しい偽鱗茎を出して…(笑)」

質問者「えっ。」

塚谷先生「あまり窮屈になってくると鉢の底から出てきて顔を出したり、いろんなことをします。」

アナウンサー「(笑)そういう時は引っ越し…植え替えですか?」

塚谷先生「そうですね、植え替えてあげないとどんどん狭くなってきますからね。元々、日本だと河原とかの岩の割れ目にへばりつきながら生えているので、狭い所が得意なランなんですよ。」

アナウンサー「へえええ…だそうですよ、○○さん、いかがですか?」

質問者「どうしてシランって名前がついたのかなとも思ってたし、よく分かりました。」

塚谷先生「よかったです。兵庫県だと、うまくすると野生のシランもまだ見られる所もあると思うので、機会があったらぜひ見てみてください。」

質問者「へええ…はい。」

 

          ~8時台、9時台終了

 

子ども科学電話相談 春スペシャル3/20(天文・宇宙、植物、鳥、水中の生物)10時台~11時台

3/20のジャンルは

 天文・宇宙 国司真先生

 植物 塚谷裕一先生

 鳥 川上和人先生

 水中の生物 林公義先生

 

Q12 僕の飼っているドジョウが、冬からあ

  まり動かなくなってしまってるんです

  けど、冬眠してるんですか? それとも

  少し弱っちゃってるんですか?(小1男子)

 

「僕の飼っているドジョウ」…何気ない一言になぜかすごく大切にしてる感じがある。

 

アナウンサー「ドジョウを飼っているんですね? 何匹ぐらい飼ってるんですか?」

質問者「1匹。」

アナウンサー「なるほど。いつ頃がいちばん動いていたのかな?」

質問者「夏頃。」

林先生「ドジョウは○○君が自分で捕まえてきたんですか?」

質問者「幼稚園のプール開きで捕まえて、持って帰った。」

林先生「プール開きで! すごい! (笑)プールに誰か放したんだね。元々プールに住んでないもんね。」

国司先生「(笑)うんうん。」

林先生「そうなんだ。1匹だけだっけ?」

質問者「本当は2匹飼ってたんですけど、1匹が死んじゃった。」

林先生「水槽の中で飼ってるの?」

質問者「はい。」

林先生「水槽には砂を引いたり水草を入れたりしてるんですか?」

質問者「石を、入れています。」

林先生「石? 大きい石?」

質問者「少し小さめの石。」

林先生「それは砂よりは大きい?」

質問者「はい。」

林先生「飼育している状況はそんなに悪くないと思うんですが、それは弱ったんではないと思います。体の大きさは何センチぐらいか分かるかな?」

質問者「15センチぐらい。」

林先生「じゃあもう立派な大人ですね。飼い始めてから1年…1年半ぐらい?」

質問者「はい。」

林先生「ドジョウの平均寿命から言うと、だいたい5年から、長いと10年と言われてますから、○○君のドジョウはまだまだ、上手に飼えば元気に観察できると思うんですけど」

質問者「はい。」

林先生「○○君がさっき言っていた通りに、ドジョウは自然状態では、冬になると砂の中とか泥の中に埋まってしまって、冬越しするんですよ。どうしても水温が下がってきちゃうでしょ?」

質問者「はい。」

林先生「○○君が飼っている家の中の水温は、川や田んぼに比べると、冬でも暖房を使ったりするので、そんなに低くなることはないから、水の中でギリギリ生きていくことは可能だと思うんですね。実験した人がいて、ドジョウは何℃ぐらいが限界かというと、下は1℃くらい、上は29℃くらいまでが適温で、それ以上、それ以下になってしまうと弱ってしまうという報告もあります。」

質問者「そうなんですか。」

林先生「うん、春から夏にかけての水温も気温も上がってくる頃の15℃くらいの水温が、ドジョウにとってはいちばん住みやすいのかもしれない。1年中ヒーターを使ってそういう温度に設定してあれば別ですけれども、そうじゃない室内そのままの温度の場合だと、野生で住んでいるドジョウのように、冬越しの準備を多少はしてあげた方が良いかもしれません。」

質問者「はい。」

林先生「今使っている石ですが、もう少し細かい川砂っていうのを…ペットショップに行くと、場合によっては園芸植物を売ってるお店でも売っているんですよ。川砂は川の中にある砂だから、あまり洗わなくても汚れがなくてきれいなのね。この砂を…水槽に3センチから4センチぐらい引いてやれば…5センチぐらい引ければいちばん良いかもしれない、そういう状況にすると、砂の中に潜ると思います。」

質問者「そうなんですか。」

林先生「冬になって水温が下がってくるとエサも食べないので、エネルギーを消耗しないようにしないといけないんだよね。だからひと冬越すと、ある日ドジョウが砂からポッコリ出てくるんですけど、今までためていたエネルギーを使ってずっと冬越ししてますから、出てきた時は本当に痩せてるの。」

質問者「へえええ。」

林先生「エサをあげるとモリモリ食べて、夏の間は最高潮、そんな感じになるのね。ですから部屋の中でギリギリ状態で過ごさせるという点では、今の状態でも問題ないかと思います。冬にエサをやってもあまり食べないから、ただ水を汚すだけだし、石や砂を入れてるとその間に残ったエサがたまってしまって、カビが生えたりして、かえってドジョウに良くないかもしれないから、エサはあげて食べる程度。本当に少なめ。それで川砂を引いてあげれば、その中に潜る。

面白い話があって、田んぼは冬になると水がなくなるでしょう? 田んぼを耕して春に水を引く準備をするために、田んぼの土を掘り返すんですね。その掘り返した土の中、10センチぐらい下からドジョウが出てくることがあるんですって。」

質問者「そうなんですか?」

林先生「うん。田んぼみたいな泥の中で…ドジョウって捕まえようとするとヌルヌルして、なかなか捕まえにくいでしょう?」

質問者「はい。」

林先生「そのヌルヌルと田んぼの泥を上手に使って、水が少なくなってくると体をクネクネ動かして隙間を作って、いわゆる土まゆっていうのを作るんですよ。昆虫なんかと同じで。土まゆができると中の湿度を保てるし、温度も保てるので、そういう中で冬越ししてるみたい。そういう時はエラ呼吸じゃなくて皮膚呼吸をしてる。ドジョウはそういう賢いことをできて冬越しできるぐらいだから、必ずしも水の中じゃなきゃだめだということではないですけど、水槽の中で飼ってる場合は冬越し用に砂や泥を入れてあげた方が良いかなと感じますね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「ドジョウの寿命は5年から10年もあって、冬越しは冬眠ということですか?」

林先生「はい。」

アナウンサー「冬越しをする習性であると。だから水槽の中も川のように、潜って休めるところを整えてあげると、長生きできそうだということなんですね?」

林先生「ヒーターを使って1年中15℃を保てるのであれば、1年中元気でエサも食べるということですね。」

アナウンサー「暖かければずーっと動き続けるということですか?」

林先生「そうです。水温が下がってくると活動停止して、エネルギーを節約する。」

アナウンサー「節約するためにジーッとする。○○君、分かりました? 暖かくしてたらずっと元気に動けるんですって。寒い所に水槽がある場合は冬越しできるように、川砂を3~4センチ入れて潜れるところを作ってあげると良いですよって。やってみてくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「どうもありがとうございました。さよなら。」

質問者「ありがとうございました。さよなら。」

林先生「さよなら。」

アナウンサー「ドジョウが動かなくなっちゃって心配したと…そういう生物だという。」

林先生「冬に窓際の日のあたる所に水槽を出しておいて、水温が上がると、砂から出てきます。」

アナウンサー「それでずっと動いてるから寿命が短くなっちゃうことは…」

林先生「それはないです。」

この冬から春にかけて「冬越し」のお話は何度か出てきたな。昆虫、植物、ドジョウ。1年中活動できる生物ばかりではないことがよく分かる。人間が真冬でもガンガン動けるのはそれだけ食べ物や暖房でエネルギーを補っているからなのね。

 

Q13 僕は野球が好きで野球をやっていま

  す。それで月に移住する計画があるとい

  うことを知って、考えたんですけど、月

  に行っても野球はできるのかなと思いま

  して、質問しました。(小5男子)

 

新型コロナがなければこの時間はテレビで高校野球を見たり、野球の練習に行ったりしてたんだろうなあ。つらいだろうけど、野球に使えないエネルギーをこういう想像に使うのも素晴らしいな。

 

アナウンサー「野球が大好きな○○君ですが、○○君は月で野球ができると思いますか? それともできないんじゃないかなと思いますか?」

質問者「僕はできると思います。」

国司先生「野球大好きなんだ?」

質問者「はいっ。」

国司先生「いいねー、でも今年は高校野球が中止になって残念なんだよね。」

質問者「はぁい…。」⇦やっぱりショックだったんだ…。

国司先生「おじさん、ずーっと昔に“月面甲子園”っていう物語を書いたことがあるの。それでいろーんなことを考えたの。

実はできるんだけど、だって環境が違うよね? 5年生だから月の上と地球の上の環境の違いは、いくつか思いつく?」

質問者「はい、ボコボコしてたり? 重力が小っちゃいとか。」

国司先生「うんうん。」

質問者「あと何だ…あと空気がないとか。」

国司先生「もうそれが全部。それで考えていこう。まず空気がないから、選手はみんな宇宙服を着なくちゃいけない。」

質問者「はい。」

国司先生「アポロ宇宙船が月に行った時の映像を見ると、やっぱりすごい宇宙船を着てるよね? 空気のタンクも背負わなくちゃいけないからね。それがまず1つ。

それから平たい場所を探さなくてはいけない。これは月の海と呼ばれる場所があります。海と言っても水はないんだよ。割と平たい、砂漠みたいな所です。」

質問者「はい。」

国司先生「それからもう1つは…重力って言ったね。重力は地球と月を比べると?」

質問者「…月の方が断然に軽いんですよね。」

国司先生「おっ!いいなあー! だいたい6分の1なんですって。ということは、地球上で体重が60キロ…5年生で60キロの人はいないかな、60キロの大人の人は月に行くと10キロしかないんだって。」

質問者「はあ!」

国司先生「だからとっても身軽になってしまう。ということは野球のボールも?」

質問者「軽くなってしまう。」

国司先生「そう。さて、そこでいろいろ調べました。○○君はポジションは今どこですか?」

質問者「僕は外野をやってます。ライトとかです。」

国司先生「うわ外野かあ、外野は大変だぞぉ。まず空気がないってことは、空気の抵抗がない。それから、重力が6分の1だから、やたらにボールが飛びます。」

質問者「あああ…。」

国司先生「フライは全部ホームランになります。バットの芯に当たったボールは1キロぐらい飛ぶの。」

質問者「はい(笑)。」

国司先生「だから外野が1キロ走って捕るのは大変だと思うのね。そこで、もしやるとすると、硬いボールをもっとフワフワのボールにしないと、外野は大変だと思うな。それが1つ。」

質問者「はい。」

国司先生「もう1つ。大気がほとんどないので、ピッチャーはすごく苦労します。というのは、“今度のバッターはカーブが苦手だからカーブ投げよう”って思うでしょ?」

質問者「はい。」

国司先生「カーブを投げる時はクルクルってボールを回転させるの。ところが、ボールを回転させても空気がないから、みんな直球になってしまうんですよ。」

質問者「あああ。」

国司先生「だからフォークボールもカーブもみんな直球になってしまうので、あとはコントロールで速く投げるしかない。」

質問者「はあ…!」

国司先生「投げる時にピッチャーにプラスになるのは、空気の抵抗がないので、投げた時のスピードとバッターの所に行くスピードがほぼ同じなんですよ。」

質問者「ほおお。」

国司先生「ですからバッターはスピードがすごく速く感じるかもしれない。

そんなところで月面で野球はできます。できますけれども、少しルールを変えないといけないかもしれない。だって野球場が1キロも広くないと、みんなホームランになってしまうからね。ボールを少し変えてみたり、宇宙服の中も少し暑くなるから酸素を多くした方が良いかなとか、そんなことをしないと月面では野球はできないかもしれません。」

質問者「はああ……はい。」

アナウンサー「国司先生、冒頭で“月面甲子園という物語を書いたことがあるんです”と仰いましたよね?」

国司先生「プラネタリウムの番組とかね、ある雑誌の方に“どうなりますかね?”っていうことで、“じゃあいろいろ考えてみましょう”と文章を書いたことが。」

質問者「はああ。」

アナウンサー「今の○○君からの質問の想定は全て、この“月面甲子園”を作った時に、ほぼほぼ調べていたと。」

国司先生「ええ、いろいろ調べたことがあるんです。」

アナウンサー「そういうこと…○○君、既に考えてる専門家の方もいましたよ。」

質問者「はい、びっくりですぅ(笑)。」

アナウンサー「(笑)でも、おかげで詳しく教えてもらえましたね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「できるけどいろいろ大変そうだということです。できる時代が来ると面白いですね。」

質問者「はい、楽しみですぅ。」

国司先生「野球頑張ってね。」

質問者「はい、ありがとうございます。」

すごく楽しいお話だった。以前に本間先生も同じ質問に答えてて、やっぱり楽しかった記憶があるんだよな。途方もない数字が出てくる宇宙の話の中ではイメージしやすいからかもしれない。お子さんも興味持って聞いてたのが伝わってきた。

 

Q14 1月に筑波実験植物園で咲いたショクダ

  イオオコンニャクを見に行きました。こ

  の植物が大きくなった理由は、広い範囲

  にくさいにおいを広げて虫を集めるため

  と聞きましたが、なぜ虫を集めて食べて

  るハエトリソウやモウセンゴケはそこま

  で大きくならなかったんですか?

  (小4男子)

 

アナウンサー「いろいろ調べてますね! それでそんな質問を思いついたと。」

質問者「はい。」

塚谷先生「見に行ったんですね? ちょうど良いタイミングで見られて良かったですね。」

質問者「うん。」

塚谷先生「ふんふんふん…虫を呼ぶために大きくなったんだったら、虫を食べたい植物も大きくなればいいじゃないかということですね?」

質問者「はい。」

塚谷先生「それは、大きさの点でもう1つあって、ショクダイオオコンニャクはなかなか咲かないっていうのは聞きました?」

質問者「はい。」

塚谷先生「日本では僕が今いる小石川植物園、東大の植物園で最初に咲いたんですけど、東大の植物園ではその後もう1回咲いたんですけど、3回目は別の所で咲いていて、なかなか4回目が咲かないんですね。というくらい、なかなか咲かないんですよ。」

質問者「へえええ。」

塚谷先生「あれ、すごい大きいじゃないですか?」

質問者「うん。」

塚谷先生「あれだけ大きいものを作るのは時間がかかると思いません?」

質問者「思います。」

塚谷先生「どうしているかというと、今度ショクダイオオコンニャクを葉っぱの時期に見てもらうと、葉っぱもすごく大きいですけど、葉っぱを広げて光合成をして、自分の栄養分をためることを毎年毎年やって、数年かけてようやく作るんですね。」

質問者「ううーん…。」

塚谷先生「だからすごく時間がかかっちゃうんですよ。大きいから。」

アナウンサー「どれぐらいの大きさですか?」

塚谷先生「ギネスブック級のものは2メートル近くなります。日本だと温室の中で育ててるのでマックスの大きさまではならないですけど、1メートルは軽くいくわけですね。花序という花の塊になるんですけれども、あれだけのものを作るのは何年もかかっちゃうので…」

質問者「うん。」

塚谷先生「花はたまに咲かせる…何年に1回でも別に構わないじゃないですか。何年もかけて大きい花を作って、大きい花で虫をたくさん呼ぶ戦略でいいんですけど、葉っぱはいつも必要じゃないですか?」

質問者「あああ…。」

塚谷先生「ハエトリソウの虫を食べてる所も葉っぱだし、モウセンゴケの虫を捕まえる所も葉っぱじゃないですか?」

質問者「はい。」

塚谷先生「だから葉っぱはいつも作ってないと困るじゃないですか? そうすると“何年もかけてものすごく大きいものを”というわけにいかないので、大きくするわけにいかないというのが1つですね。」

質問者「ふううん…」

塚谷先生「いつも必要なので必要な分を、作れる大きさでやっていくしかないので、そんなに大きなものでやるわけにはいかない、という感じですね。」

質問者「はい。」

繁殖の前に置かれた環境の中で生き続けること、枯れないことが大事だということかな。物事には限度がある。

 

塚谷先生「ちなみにウツボカズラって知ってます?」

質問者「はい、知ってます。」

塚谷先生「ウツボカズラも葉っぱで虫を食べるじゃないですか。あれもものすごく大きいものがあって、両手で抱えるくらいの大きさになるラジャという種類がいるんですけど、あれも大きいけど虫を食べないんですよ。」

質問者「…ん?」

塚谷先生「(笑)大きすぎて、ネズミの糞を集めるの。」⇦糞が分解されて栄養になるのを待たずに直接糞を体に入れちゃうのか! 昆虫みたいに逃げないから確実なのか?

質問者「ええ(笑)?」

塚谷先生「ネズミのトイレになってるのね。大きくなるほど虫を捕まえるかというと、実は食虫植物でも大きくなっていくと捕まえるんじゃなくて別のことを始めたりするので、虫を集めたい食虫植物も、そんなに大きくなるメリットがないという感じですかね。」

質問者「へえええ…。」

アナウンサー「やっぱり適正な大きさにしかならないということ…」

塚谷先生「そうですね、いつも作ってなくちゃいけないので、そんなに大きく作る準備はできないということですね。」

アナウンサー「○○君、分かりました? 虫を集めたいからといって、いつも作る葉っぱだとそんなに大きくなれないということなんだね。」

質問者「はい。」

そもそも食虫植物が育つ場所は土の栄養が少ないって、この番組で聞いたな。大きくなるのはやっぱり難しそう。

 

Q15 どうしてヒヨドリは紫のモクレンばか

  り食べるの? 白いモクレンは食べない

  の?(5才女子)

 

アナウンサー「○○さんが見ていて、紫のモクレンばっかりヒヨドリが食べちゃう。」

質問者「うん。」

アナウンサー「白いモクレンはあまり食べてないんじゃないかなって気づいたのかな?」

質問者「うん。」

川上先生「はい、どうもこんにちは、川上でーす。白いモクレンと紫のモクレンで、紫のモクレンが食べられていたということなんですけれども、よく観察してますね。すごいです、ちゃんとよく見てて。

じゃあ、その白いモクレンと紫のモクレンはどこにありました? 両方お家にあったのかな?」

質問者「ううん、両方じゃないけど、紫の、モクレンは、うちにある。」

川上先生「紫のはお家にあって、白いモクレンはどこにありました?」

質問者「近くの公園にある。」

川上先生「近くの公園にあって、そこはあまり食べられていなかったんですね?」

質問者「うん。毎年、咲く。」

川上先生「そっかそっか、分かりました。じゃあ白いモクレンの方は食べられないのかというと、実は別の場所とか他の地域では、白いモクレンの花もヒヨドリに食べられることが、よく見られているんですね。だから色で、こっちは嫌だ、こっちは良いって見分けているわけではないと思います。

まず、○○さんは、何でモクレンの花を食べるんだと思いますか?」

質問者「…うーん…」

川上先生「○○さんはモクレンの花を食べたことありますか?」

質問者「なーい!」

スタジオ内「(笑)ハハハハ」

川上先生「(笑)ないですか。実は僕も食べたことがないです。じゃあ、もしかしたらおいしいのかもしれないので、ここにちょうど植物の先生がいるので、モクレンの花がおいしいのかどうか聞いてみたいと思います。塚谷先生いかがですかね?」

塚谷先生「(笑)…はい。えっと、○○さんこんにちは。」

質問者「こんにちは。」

塚谷先生「うち(小石川植物園?)だとハクモクレンっていう白い花のモクレンが食べられちゃうんですよ。シモクレンと言ってる紫のモクレンも食べられるんだけど、あんまりヒヨドリがたくさん食べちゃうので、前、気になって…あと同じ仲間にシデコブシというのがあるんですけど、あれも食べられちゃうので、そんなに食べるんだからおいしいのかなと思って、確かにかじったことがあります。…さっき、下手に食べてはいけないっていう話がありましたけど(笑)、かじってみたんだけど、別に甘くも何ともないんですよねぇ。人間の舌にはおいしくなかった、というか味は特にしないです。」

質問者「えええー?」

川上先生「ありがとうございました。というわけで、モクレンの花はあまりおいしくない…甘くておいしくて食べちゃうってわけじゃないみたいなんですよね。」

質問者「そうなの?」

川上先生「うん。試さなくていいからね。」

国司先生「(笑)フフフフ」

川上先生「じゃあ何で食べるのかを考えた時に、モクレンの花っていつの時期に咲いてますか?」

質問者「うーん……2月とか3月の終わりとか。」

川上先生「正解です! 2月とか3月です」

国司先生「うーん、すごい。」

川上先生「ヒヨドリがふだん何を食べているのかというと、昆虫とか植物のフルーツと果実…木の実だね、そういうものが大好きで、よく食べるんですけれども、実は2月とか3月は、昆虫が出てくるにはまだちょっと寒いし、おいしい木の実とかもかなり減ってしまっていて、食べ物がすごく少ない時期なんだと思います。そうすると、あまりおいしくないけれどもモクレンなんかも食べちゃうんじゃないかなと思います。」

質問者「へえええ。」

川上先生「あまりおいしくないけれども食べる、その時に何で○○さんのお家のは食べられて、公園のは食べられないかというと、たぶん味じゃない別の理由があると思うんですよ。」

質問者「えええー!?」

川上先生「何だと思いますか?」

質問者「…分かんない。」

川上先生「分かんないねえ。」

質問者「におい?」

川上先生「うーん、たぶんね、僕はそれは、公園よりも○○さんのお家の方が安全なんじゃないかなって思います。」

質問者「え……そうなの?」

川上先生「うん、例えば公園は開けていて、ヒヨドリを木の上で襲ってくるようなタカの仲間に見つかるかもしれないですよね? それに比べると近くに人間がちゃんと住んでいて、なかなか近寄ることができない家のモクレンの方が、もしかしたら安全なのかもしれないです。」

質問者「うーん…。」

川上先生「本当にお家の周りがそうなのかを見てみないと分からないけど、鳥は同じような味の食べ物があったら、たぶん安全な所で食べると思うんですよ。だから○○さんのお家は、きっと鳥にとっても安全な良い所なんだと思います。」

質問者「そうなの…。」

川上先生「うん。モクレンを食べられて嫌だなって思いますか?」

質問者「うん。」

川上先生「きれいな花が咲いてくれるといいな、きれいな花が見られるといいなって思いますよね?」

質問者「うん。」

川上先生「それを止める方法があるのかというと、とても難しくて、鳥は飛んできてしまいますし、やっぱりおいしいものとか食べられるものがあると、そこにやってきちゃうんですね。これを来ないようにするのはとても難しいので、そうすると○○さんの見る時の気持ちを変えてみると良いかなと思うんですよ。」

質問者「うん。」

川上先生「例えばね、自然の中にいてきれいなお花や植物があったりするのは嬉しいです。でも、花がちぎれていたり葉っぱが虫に食われてたり、クモの巣が張っていたりすると、“なんか嫌だな”って思うこと、ありませんか?」

質問者「ある。」

川上先生「ね、きれいな方が良いって思うでしょう? でも、きれいじゃないということは、そこに他の生物が生きていることを表しています。」

質問者「ええええー!」

川上先生「クモの巣があるということは、そこにクモがいるということだし、クモがいるということは、クモが食べる昆虫がいるということなんですよね。植物が食べられて葉っぱがギザギザしちゃってると思ったら、それはその植物を食べる昆虫がちゃーんとそこに生きているということで、だから、実は人間にとってきれいじゃないと思える自然の部分は、本当はそこにたくさんの生物がいるんだ、という証拠なんですよ。」

質問者「そうなの?」

川上先生「そういうことなんです。例えば木の実が生っていて、誰も食べなくてきれいなままだったら、見た目はきれいなんだけれども、そこには他の動物がいないということになっちゃうんだよね。でも、それがつつかれて食べられていて、そこに昆虫がまたくっついてて、その昆虫がいっぱい食べてて、何かいっぱいグチャグチャしてて嫌だなと思うかもしれないけれども、そこはすごくいろんな生物のいる、とても豊かな世界なんだと見ることが、実はできるんですよ。」

質問者「そうなの…。」

川上先生「うん。だからきれいなものというのは、それはそれでいい。そういう価値があると思います。その一方で、きれいじゃないものを見た時に…今回○○さんはモクレンの花が食べられてるのを見て、これはヒヨドリが食べたんだ、ここにはヒヨドリがいるんだと気づいたと思います。ヒヨドリがいるということは他にも食べるものがあるんだし、それで敵に襲われないような良い環境があるわけだし、もしかしたら昆虫なんかも木の幹についてて、虫がいて嫌だなと思うかもしれないけれども、虫が生きていけるだけの良い環境があるんだって考えることができると思うんですよね。」

質問者「ふうううん。」

川上先生「だから、今度モクレンだけでなく、いろんな自然を見て葉っぱがちぎれてるとか、こんな所がこんなふうに折れちゃってるという時に、もしかしたらこんな動物がいるのかもしれない、こういう理由があるのかもしれないと思って見てあげると、単に汚れとか良くないものではなくて、生物がたくさんいる証拠なんだなって分かるんじゃないかなと思います。」

質問者「…そっかぁ。」

川上先生「だから、ヒヨドリが花を食べるのは止められないので、ちょっとだけ考え方を変えてあげてもらえると、自分にとってもすごく過ごしやすくなるんじゃないかなと思います。」

質問者「そっかぁ。」

川上先生「また見てみてね。」

質問者「うん。」

アナウンサー「川上先生、モクレンは紫も白もヒヨドリが区別して狙ってるわけじゃない…」

川上先生「おそらく周りにある食べ物の量とか、そこでの危険性ですね、他の動物に襲われないかとか。そういうことが原因になって、食べたり食べられなかったりが決まってくるんじゃないかなと思います。」

アナウンサー「○○ちゃんのお家の紫のモクレンが安全に食べられるから来ている、という考え方があるということですね。○○さん、分かりましたか?」

質問者「……うーん…」

スタジオ内「(笑)ンフフフ」

質問者「わかんなぁい…」

アナウンサー「分か…らない?」

質問者「……たけど分かんない。」

アナウンサー「ん?」

質問者「……分かった。」⇦周りの大人に言わされたかも。

川上先生「いや、分かんないことっていっぱいあると思う。それはしょうがないことなので、僕が今日言ったこともまた考えてみて、それで自分で“こうかもしれないな”って思うことが見つかるかもしれないから、考えるきっかけにしてもらえれば嬉しいです。」

アナウンサー「食べられないようにする方法が知りたいのかな?」

質問者「うん。」

国司先生「(笑)ハハハハ」

質問者「カラスぶら下げてるの。」

スタジオ内「(笑)ハハハハ」

川上先生「あーカラスぶら下げてるかあ…。でも鳥は頭が良いから、そうやって何かしてこないようにというのは、すぐに慣れちゃうんですよ。」

質問者「えええ…」

川上先生「本当は危険じゃないことが分かっちゃうから。最初は来なくなるかもしれないけれども、それをずっと続けるのは難しいんです。」

質問者「そうなんだ…」

川上先生「そうなんだよぉ。食べ物がないんだったら他に食べ物を周りに置いてあげればいいという考え方もあるんだけど、確かにその食べ物の方に鳥たちが寄ってきて、モクレンが食べられなくなるかもしれないけれども、今度はたくさん鳥が寄ってきちゃうから、」

質問者「ああ…」

川上先生「余計に鳥たちの中で競争があって、じゃあモクレンも食べちゃおうかなという可能性もあるんだよね。」

質問者「きもちわるい。」

スタジオ内「(笑)ハハハハ」

見方を変えてみようって力説してたのが台無し。鳥の専門家としてはカラスをぶら下げる方が気持ち悪くないのか聞いてほしいけど、5才のお子さんがぶら下げてるわけではないだろうし…。そういや昆虫の先生のお父さんだったかな? ミシンでカラスの死骸もどきを作ってぶら下げたって話も聞いたような。

 

川上先生「ええええ、気持ち悪いかあー…うーん、だからとっても難しいんです。実はヒヨドリによって花を食べられたり、花だけじゃなくて農作物が食べられたりするのはすごくたくさんあって、みんながどうしようって困ってるんです。…ね、難しい問題です。」

アナウンサー「食べられないようにするのも難しいし、何で紫のばかり食べるの?っていう質問の答えも難しいということなんだけど、ここまでのお話で何となく分かったかな?」

質問者「わかった。」

川上先生「ごめんね、簡単に“こうすればいいんだよ”っていう答えを見つけて教えてあげられれば、すごく良いと思ったんだけど、それは僕たちもまだ悩んでいるところなんです。これから研究する人が頑張って、どうやれば良いのかをまた考えていくと思いますので、もうちょっと時間をください。」

質問者「はあい。」 

アナウンサー「○○さん、何でかなって考えることはすごく素敵なことだから、いっぱい何でかなって考えて、また質問があったら電話してくださいね。」

質問者「はあい。」

アナウンサー「どうもありがとうございました。」

質問者「ありがとう。」

アナウンサー「さよなら。」

質問者「バイバーイ。」

川上先生「はい、バイバーイ。」

アナウンサー「最後ちょっぴりホッとしましたね、ドキドキもしましたけど。分からないことを分からないままって、仕方がないとは思うんですけど、頑張りたいところもありますね。」

 

Q16 魚は何でおちょぼ口の魚がいるの?

  (6才男子)

 

アナウンサー「○○君が、この魚がいちばんおちょぼ口だなって思うお魚は何でしょうか?」

質問者「フグ。」

アナウンサー「フグ、おちょぼ口ですねえ、確かに。おちょぼ口じゃないお魚もいっぱいいるのになぁと思ってるのかな?」

質問者「うん。」

林先生「そうかぁ、○○君は、魚のおちょぼ口が多いというのは、図鑑か何かで調べた?」

質問者「うん。」

林先生「図鑑を見るの好きなんだ?」

質問者「うん。」

林先生「じゃあ、おちょぼ口の魚って、○○君が見た図鑑の中にどのくらいいたかな? 半分以上?」

質問者「うーん……あんまりわかんない。」

林先生「そうかそうか。○○君は“おちょぼ口”という形はよく分かってるんだ?」

質問者「うん。」

林先生「おちょぼ口ってどんな口?」

質問者「なんかチューしてるみたいな。」

林先生「(笑)ああ、チューしてるみたいか! 良い言い方だね~、そうだね、ラジオだから○○君がどうやって答えてくれるかと思ったら、“チューしてる”。おじさんは全然そんなこと考えてなかったけど最高最高!」

アナウンサー「スタジオのおじさんたちがみんな口をとんがらせて、何て表現したらいいか挑戦してましたけどね(笑)。」

林先生「そう、今、みんな口がチューの格好してんだよ(笑)。」

おじさん5人のチュー顔ね…ラジオで良かったのかどうか。おちょぼ口の表現をみんなが真剣に考えてるのも最高なシチュエーションじゃないか。

 

林先生「じゃあ答えを先に言っちゃおうかな。魚の口も私たちの口もそうなんだけど、口がいちばん役に立ってることって何だろう? 口は何のためにある?」

質問者「…うーん…食べるため。」

林先生「そうだね、最初はやっぱり食べるためというのが口の大切な役目だよね。お魚もエサを見つけて食べるんだけど、それぞれ食べるエサの種類が違うんだよね。例えばサメなんて、おちょぼ口と言えないすごいおっかない口をしてるじゃない?」

質問者「うん。」

林先生「ああいう歯が剥き出しで口が大きいやつは、どっちかというと肉食…陸上の哺乳動物を襲って食べるわけじゃないけど、大型の魚をバクッと食べちゃうタイプね。

それから海の中に小っちゃな生き物…魚の卵とかプランクトンとか、水中をプラーンクトーン、プラーンクトーンって(笑)泳ぎながら漂ってる小さな生き物がいっぱいいるんだよね。こういうものを主に選んで食べてる魚がいるんだよね。あとは砂の中に隠れたり石の下にいるものを見つけて食べる。」

プランクトンを表現するオノマトペも発明する林先生すごい。

 

林先生「さて、今言った中で、プランクトンとか、石の下や砂の中にいるものを見つけて食べるのに便利な口って、どんな口だろう?」

質問者「…うーん……」

林先生「この時に、実はおちょぼ口がすごく役に立つんだ。例えば…○○君の質問の用紙の中に、チョウチョウウオのことも書いてあったよね?」

質問者「うん。」

林先生「チョウチョウウオというのは、実はエサのとり方で3つのグループに分けることができるんだよ。ところがチョウチョウウオはみんなおちょぼ口じゃん。」

質問者「うん。」

林先生「だけどよーく見ると、そのおちょぼ口に少しずつ違いがあるんだな。口が割と前にピュッと飛び出してる、本当にお面のひょっとこみたいな口のタイプ。それと目とおでこの長さが比較的一緒で、口もほぼ同じ位置にあるタイプ。それと細長いストローのような長い口を持ったタイプ。だいたいこの3つなんだよね。

エサの種類が、主にプランクトンを食べてるものに、サンゴ…チョウチョウウオって珊瑚礁にいっぱいいるじゃない?」

質問者「うん。」

林先生「サンゴって知ってるよね?」

質問者「うん。」

林先生「サンゴをよーく拡大して見ると、イソギンチャクみたいなものがいっぱいくっついてるじゃない? あの小さなイソギンチャクみたいなものをポリプって言うんだけど、あれを突っついて食べるチョウチョウウオがいるんだよね。それしか食べない。他のものはあまり食べない。

だけどあとは、今言ったプランクトンとかサンゴのポリプとか、石の下やサンゴの隙間に隠れてるものを、水を吹き出して、出てきた小さなカニとかエビを食べる雑食性。何でも食べちゃうタイプ。この3つに分かれるの。おちょぼ口の形がそれぞれのエサを捕るのに便利な感じになってるんだよね。」

質問者「ふううん。」

林先生「それで○○君、カワハギって知ってる?」

質問者「うん。」

林先生「カワハギとかフグ…最初にフグって挙げてくれたよね? フグは確かにおちょぼ口なんだけど、歯が前に出てる出っ歯。出っ歯って言っちゃいけないのかな? 前に歯が出てるでしょう?」

質問者「うん。」

林先生「フグのエサのとり方と、カワハギのエサのとり方って、すごくよく似てるんです。実はカワハギもフグも、分類学…どういう種類かで分けると非常に近いんです。近縁なんです。だから食べ方もよく似てるの。どういう食べ方かというと、あのおちょぼ口で水を吹き出すんですよ。ビューって砂に吹きかけるの。すると砂が舞い上がるでしょう?」

質問者「うん。」

林先生「すると中に隠れてる小っちゃなエビとかカニがビックリして、“あっヤバいヤバい”ってバタバタするでしょう? それをパクッとくわえて食べるの。

今度、水族館でフグとかカワハギがエサを食べる様子を見ると、あのおちょぼ口の使い方がよく分かると思うな。」

質問者「はい。」

林先生「それ以外のお魚は、だいたい水中に漂ってる小さな魚とかを獲って食べてるので、あまりおちょぼ口である必要がないというか、逆に口を大きく開けて、うまくくわえて飲み込むことができるようになってるので、おちょぼ口だとストローのような形になっちゃうので使いにくいかな。大きく分けると、やっぱりおちょぼ口よりふつうの口の方が種類的には多いと思うな。分かりましたかね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「おちょぼ口って特別な形をして見えるから、たくさんいるなって感じたのかな?」

林先生「そうですね。○○君、クダヤガラっていう魚は知ってるかな?」

質問者「知らない。」

林先生「じゃあ今度図鑑で見てください。すごいんだよ、口が大きなストローみたいな感じ。ところが飲み込むのかなと思うとそうじゃなくて、魚を吸い込んじゃう。大きな口がガバーッと開いて。あのストローが役に立つんだな。」

アナウンサー「食べるために適した形がおちょぼ口だったということです。○○君、どうかな、分かったかな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「どうもありがとうございました。またいろいろ観察して、何でだろうと思うことがあったら電話してくださいね。」

質問者「はい。」

林先生「楽しい質問をありがとう。」

質問者「さよなら。」

林先生「さよなら。」

アナウンサー「魚の口の形って気にしてませんけど、それぞれ食べるのに適した形になっていると。」

林先生「僕も魚の口の形だけ、ずいぶん写真に撮って調べたことがありますよ。すごく面白いです。」

アナウンサー「そこに目をつけてくれた○○君。」

林先生「だけど“チューしてる格好”っていうのがすごい! (笑)今度使わせてもらいます。」

 

Q17 地球は何で、ちょっと斜めになってる

  んですか?(6才女子)

 

アナウンサー「○○さんは地球が斜めにになっているのは、何で知ってるんですか?」

質問者「地球儀がちょっと斜めになってたから。」

国司先生「○○さん、6才っていうことは今度、小学校かな?」

質問者「うん。」

国司先生「おめでとうー! いいなあー、小学校に入ると、きっとお友だちがたくさんできるよ。でも○○さんは今は地球儀で驚いてたんだね。

おじさんも小さい頃、地球儀をクルクル回して、壊れちゃうよって怒られたことあるんだけど…おじさん“も”って言っちゃった、○○さんはクルクル回してみた?」

質問者「うん。」

国司先生「よく回るよね? 地球ってクルクル回るのを自分で…誰かが回したんじゃないんだよ。自分で回ってるから、じ・て・ん(自転)って言うんだって。1回回ると1日経つって決まったんだよね。そこまで分かる?」

質問者「はい。」

国司先生「そのコマみたいに回ってるということになると、…○○さん、コマをクルクル回したことあるかな?」

質問者「ある。」

国司先生「ある? グルグル勢いよく回ってる時はいいんだけど、勢いがなくなった時とか、途中からコマの上をコツンと叩いたら、コマはどうなったかな?」

質問者「…倒れた。」

国司先生「倒れちゃうよね? 倒れたり首を振るような回り方になったりするでしょう?」

質問者「うん。」

国司先生「実はね、そんなことが地球でむかーし昔にあったんだって。どのくらい昔かというと、地球が出来上がったのが46億年ぐらい前なんだけど、そのすぐ後で40億年以上、45億年くらいかな、ずーっとずっと大昔に、地球に違うお星様がぶつかっちゃったらしいんだよ。」

質問者「へええ…」

国司先生「地球の大きさの半分くらいの星がぶつかってきたんだよ。グルグル回っていた地球に違うものがコツンってぶつかったら…さっきコマを回した時にコツンと小突いたら倒れたりしたの、分かった?」

質問者「うん。」

国司先生「同じようなことが起こっちゃったの。それで真っ直ぐではなくて、少ーし傾いて地球が回ってるらしいの。

○○さんは、本当は傾いてない方がいいと思ったのかな?」

質問者「うん。」

国司先生「ああ、真っ直ぐな方がね。ところがね、傾いたからすごく良いことがあったんだよ。というのは、今ちょうど春で、桜が咲き始めたよね?」

質問者「うん。」

国司先生「その後、夏になったり秋になったり冬になったりすることは、地球の軸、自転軸というものが傾いてないと、季節の移り変わりは起こらないんだって。」

質問者「へえええ。」

国司先生「だからやっぱり傾いてて良かったと思うんだな。ぜひ今度、地球儀をもう一度見てください。○○さんのいる日本はどこかなとか、海は広いな、太平洋があったり大西洋もあるんだな、それから南の方は南極大陸もあるんだな…そういうのも地球儀からいろいろ教わることができるから、よく見てくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「45億年というずーっとずっとずっとずっと昔に、他の星にぶつかって、回転が…止まりそうになったということですか?」

国司先生「いや、そうじゃないんです。回転はそのまま。もう少し詳しく言うと、ぶつかって、地球の一部がはぎ取られて、その周りの星も地球の周りをグルグル回るようになったんです。その回るようになった岩石がまた集まってきて、実は月が出来上がった。ですから、地球の自転軸が傾かない、つまりぶつかることがなかったら月もできなかった。そういうこともあるんです。」

アナウンサー「ふううううん…。」

国司先生「だから○○さんはすっごいことに気がついたんです。」

アナウンサー「他の星がぶつかったことによって斜めになっちゃったと。戻ることはないんですね?」

国司先生「ええ。グルグル回りながら、23.4度という傾きはずーっと続いているんです。」

アナウンサー「ですって。他の星がぶつかったから斜めになっちゃったんだって。○○さん、分かりました?」

質問者「はい。」

アナウンサー「これからも斜めになった地球のことを気づいたように、いろんなことに気づいて、いろんなことを疑問に思って、また電話してくださいね。ありがとうございました。」

質問者「ありがとうございました。さよならー。」

国司先生「はい、さよなら。」

アナウンサー「地球儀を見て傾いてるって気づくって、すごい観察ですね。」

国司先生「すごいですねえ。」

自分は地球儀が斜めに回ることを不思議とも何とも思ってなかった。本当にすごい。

 

Q18 最近、新種の植物って見つかってるん

  ですか?(小4男子)

 

アナウンサー「最近ということは、○○君はこれまでに見つかった新しい種類の植物を“これはいつ見つかった”って知ってたりするのかな?」

質問者「いいえ。」

アナウンサー「そうじゃないけど、植物はいっぱいあるけど新種が見つかってるのかなって気になったの?」

質問者「はい。」

アナウンサー「それは何でですか?」

質問者「最近、新型のウイルスがニュースでやってるけど、新種の植物のニュースはやってないので、最近は新種の植物は見つかってるのかなって疑問に思いました。」

塚谷先生「確かにコロナウイルスは新種って言ってるから、新種の話題は多いですよね。何で植物を思ったんですか?」

質問者「えーと、ウイルスについてはニュースでよく言ってるんですけど、植物についてはあんまりニュースでは出てなかったので、なので植物の方はどうなのかなぁって。」

塚谷先生「(笑)確かにね。動物とか昆虫は新種が時々ニュースになるのは知ってます?」

質問者「うーん、あんまり。」

塚谷先生「ほんとに? ちなみに植物はどのくらい新種が見つかってるかというと、国際的な…International Plant Names Indexという植物の学名を管理しているウェブサイトがあるので、試しに検索してみたんですけど、2019年、去年に見つかった…とは限らなくて、名前がついた植物を数えると、6011と出ます。」

スタジオ内「……(笑)」

質問者「ほおおお…。」

塚谷先生「(笑)この年に見つかったとは限らなくて、昔は別の名前で呼ばれていたのを別の名前に直したというのもあるので、全部が新種で見つかったわけじゃないけど、新しい名前がついた植物は年間でそのくらいあるんですね。」

質問者「へえええー。」

塚谷先生「だからすごい見つかってるんですよ。僕自身も最近忙しくて行けないんですけど、ボルネオに1週間行かせてもらえれば、新種を1つか2つ見つける自信があります。」

スタジオ内「んんー…」「(笑)おおおお…」

質問者「(笑)」

塚谷先生「(笑)なので、植物の新種は調べればたくさんいて、調べるたびに見つかって、論文として発表されているので、けっこうたくさん見つかっているというのが実際ですね。

次々見つかってるので、逆に言うとよっぽどじゃないとニュースにならないんですね。」

質問者「へえええ。」

塚谷先生「特に、今も言ったけどボルネオみたいな熱帯の森は、すごーくたくさんの生き物が暮らしているので、ものすごい種数の生き物がいるんですよ。ものすごく数が多いので全然調べきれていないんですね。だから、調べられる人が調べさせてくれれば、まだまだ新種は次々と見つかるんですね。」

質問者「へえええ。」

塚谷先生「なのでチャンスが得られた人たちは、行くたびに新種を見つけては新種だったと報告しているので、日々新種が見つかっているというのが答えになりますね。」

質問者「はああ…。」

アナウンサー「日々見つかっている…よっぽどのことにならないとニュースにならないと仰いましたけれども、“よっぽどのこと”ってどういう時に…」

塚谷先生「すごいマニアックですごい変わった形をしていると、写真を見たテレビとか新聞の記者たちが“面白っ”と思ってくれればニュースになるし、時々あるんですけど、あまりにもたくさん新種が見つかってくると、名前をつけるのが大変になってくるんですよ。新しい名前を考えなくちゃいけないから。」

質問者「おおお…。」

塚谷先生「その時に芸能人の名前をつけるとか、(笑)変わったことをする人が時々いて、その話題性でニュースになることもある。」

アナウンサー「それだけ次々に新種は発見されてる。○○君、植物についてはそうなんですって。」

質問者「はい。」

アナウンサー「お魚、水の中のものの新種は…林先生、どうなんですか?」

林先生「毎年、確実に見つかってます。日本の魚の新種を発表する雑誌の中でも年間…どうでしょう、全ての分類を含めると10や20じゃきかないかもしれません。」

質問者「へえええ。」

林先生「深海の魚も多いですね。」

アナウンサー「そうなると川上先生、鳥についても新種というのは?」

川上先生「はい、鳥も新種はたまに見つかるんですけど、他のグループに比べると少ないですね。鳥は種数自体が世界中で1万種ちょっとしかいないですけれども、やっぱり目立つので研究がかなりされていて、なかなか見つけることができません。僕も見つけかけたんですけど失敗したことがあります。」

先生方「(笑)」

アナウンサー「○○君、植物については何千という単位で見つかってて、魚もそこそこ見つかってるけれども、鳥はなかなか見つからないことが分かりましたね。」

質問者「はい。」

生物じゃないけど天体の発見数も国司先生に聞いてほしかった。

 

Q19 ワカケホンセイインコが近くの公園

  で桜の花を落としていたのはなぜです

  か?(6才男子)

 

アナウンサー「それは見たんですか?」

質問者「うん…はい。」

川上先生「はい、どうもこんにちは、川上でーす。ワカケホンセイインコって難しい名前の鳥を知っていますね。どんな鳥でした?」

質問者「インコの仲間で外来種。」

川上先生「お! その通りです!」

国司先生「ふううううん…。」

川上先生「ちょっと大きめのインコで、全身緑色なんだよね。人間が持ち込んできた外来種の鳥で、東京の周りで今増えている鳥です。

桜の花を落としていたということだけど、○○君は花を…桜じゃなくても、取ってちぎったりしたことはありますか?」

質問者「うーん、ある。」

川上先生「どういう時に取りました?」

質問者「うーん……えっと、タンポポの綿毛をフーッてする時とかに取る。」

川上先生「ああ! そうだよね、やっぱり何かこういうことしたいなっていう時に取っちゃいますよね。実は僕もお花を昔、いくつか取ったことがあります。その理由の1つとしては…花の蜜ってわかります?」

質問者「うん。」

川上先生「甘いの。あれを吸うために取ったことがあるんですけど、○○君はそういうことをしたことがありますか?」

質問者「ううん。」

川上先生「ない? レンゲの花とかを取って吸うんだけど、ワカケホンセイインコも桜の花を落とすのは、実は蜜を吸うためなんじゃないかと言われています。鳥が蜜を吸うところって見たことがありますか?」

質問者「うーん…ハチドリとかは何か、絵本とかで見る。」

川上先生「どうやって吸ってました?」

質問者「うーん…DVDで知った。」

川上先生「そっかそっか。そういう時にハチドリがどうしてたかというと、花の咲いている前側からくちばしを入れて吸ってたと思うんですよ。」

質問者「そうだよ。」

川上先生「そうだよね? でもワカケホンセイインコはそういうことをしないで、花の横からくちばしで挟んで、ちぎって横から蜜のある所を取っちゃうんです。だから、あれは何でかというと、蜜を飲むためなんです。

じゃあ何で花の前側から舌を入れて飲まないと思いますか?」

質問者「めんどくさい?」

スタジオ内「(笑)ハハハハ」

質問者「飛ぶのが…疲れる?」

川上先生「そうだね。ハチドリは飛びながら蜜を吸うんだよね。そんなことインコにはできないと思います。

もう1つ、くちばしの形はハチドリがどんなのだったか覚えてる?」

質問者「……なんか、まっすぐ細長い。」

川上先生「そう。真っ直ぐ細長くて、くちばしを花に入れやすくなってるんだよね。でもインコのくちばしはどうだっけ?」

質問者「なんか、途中で曲がって短い。」

川上先生「その通りです。それは単にくちばしの形だけじゃなくて、舌、べろも似たような形になっています。ハチドリの舌はすごく長いんです。でもインコの舌は丸くて短いんだよね。だから花の正面からくちばしを入れても、舌が奥まで届かないんですよ。だからしょうがなく横から花をちぎって、吸っちゃってるんだと思います。

日本で花の蜜を吸う鳥って、他にどんなのがいるか知ってますか?」

質問者「うーん?」

川上先生「あまり聞いたことないかな。メジロっていう鳥は知ってる?」

質問者「あーメジロ知ってる。」

川上先生「じゃ、ヒヨドリっていう鳥は知ってますか?」

質問者「うん、ヒヨドリ、実を食べる。」

川上先生「そうそう。実はメジロヒヨドリは木の実も食べるけれども、蜜を吸うのも好きで、舌をよく見ると、舌の先端がほうきみたいにバサバサになってるんです。ブラシみたいになってるんです。」

質問者「じゃあ、それで集めて飲む?」

川上先生「その通り! ブラシみたいになってると、蜜がいっぱい引っかかりやすくて飲みやすくなってるんです。だから蜜を吸う時にくちばしを入れるんだけど、インコの舌はそうなっていないので、やっぱりちぎって横から飲んじゃう。

そうすると、ふつうは鳥が蜜を吸いに来ると、花粉をくっつけて持って行ってくれるから、植物の花の側としてはすごく嬉しいんだよね。でも横からちぎって飲まれると、花粉を運んでもらえないから、実は植物にとってはあまり嬉しいことじゃないんです。こういう飲み方を蜜を盗むと書いて、盗蜜という言い方をするので、ちょっと難しい言葉だけど、せっかくだから“盗蜜”って覚えてください。」

質問者「はい。」

川上先生「実はこういう蜜の飲み方をする鳥が日本にもいて、それはスズメです。知ってました?」

質問者「知らなかった。」

川上先生「実はスズメもよく桜の花を落としちゃうんだけど、横から蜜を吸っていると言われています。じゃあ、そんなことをされて、花の方は困っちゃうかどうかが悩ましいところだと思うんですけれども、今、ちょうど横に植物の先生がいるから、」

スタジオ内「(笑)ハハハハ」

川上先生「桜の花が横から蜜を取られて、花を落とされて、桜が困ってるかどうかについて聞いてみますね。…すいません、塚谷先生どうでしょう?」

塚谷先生「(笑)はい。困ってると思いますよね、花の筒のところをプチッてやられちゃうから。彼らが食べると花びらがハラハラと散るんじゃなくて、花ごとボトッと落としますよね? その時に蜜のところをカチッとかじり切られちゃうので、めしべのところが丸ごとなくなっちゃうんですね。だから実がつきようがないですよね、困りますよね(笑)。」

川上先生「植物の方もやっぱり困るということでした。こういう盗蜜というのは、…さっきメジロは蜜を吸うという話をしたんですけど、実はメジロも盗蜜をすることがあって、舌が十分に届かない花だと、横から穴を空けて吸っちゃうこともあることが知られています。」

質問者「鳥にとっても、なんか、残念。」

スタジオ内「(笑)ハハハハ」

川上先生「お花見をしたい時ね。やっぱりいちばん困ってるのは、お花見をしたい人間の方なのかもしれないと思います。」

アナウンサー「ただ、鳥は蜜を吸うために、くちばしの形でインコは横から花を落として吸うしかないということなんですね。」

川上先生「何でインコがそういうことをするのか、というのは、だいたい分かりましたか?」

質問者「はぁい。」

アナウンサー「また疑問に思うことがあったら電話してきてください。ありがとうございました。」

質問者「はぁい、ありがとうございました…。」

川上先生「さよならー。」

質問者「さようなら。」

林先生「(笑)元気がなくなっちゃった。」

アナウンサー「花を落とされて納得いってない感じはしますが、蜜を吸うためだということでした。」

ツバキにモクレンに桜、「うちの鳥がすみません」な話が今回は多いな。

 

Q20 タツノオトシゴは何でお父さんが赤ち

  ゃんを生むんですか?(小1女子)

 

アナウンサー「タツノオトシゴはお父さんが赤ちゃんを生むというのは、どうして知ったんですか?」

質問者「友だちの本で見た。」

林先生「そうなんだ。今、友だちの本で見たというお話がありましたね。どんな感じの本だったの? 図鑑?」

質問者「『ざんねんないきもの事典』?」

林先生「ざんねんな生き物…(笑)。そうね、最近こういうタイトルの本がいっぱい出ていて、確かに読むと面白いかなとは思うんだけど、○○ちゃんがその『ざんねんないきもの事典』でタツノオトシゴのところを読んだ時、何でタツノオトシゴが“ざんねん”なんだ?という理由は書いてありましたか?」

質問者「…覚えてません。」

林先生「出てませんでしたか。じゃあ何で“ざんねん”だったんだろうね?」

先生方「(笑)」「うーん…」

私は「覚えてない」って聞こえたけど、スタジオでは「出てない」に聞こえたのかな? 何にせよ林先生は「ざんねん」に違和感があるもよう。

 

林先生「お父さんが赤ちゃんを生むんですか?っていうこと…赤ちゃんを生む行為…魚だから産卵と言うんだけど、卵を生んだり子どもを生んだりする時に、オスが子どもを作って生むことは、実際にはないんです。ですから、タツノオトシゴのお父さんは赤ちゃんを生むんだけれども、お母さんからもらった卵をお父さんの育児嚢という…卵とか子どもを育てるための、特殊な大きな袋がお腹にあるんです。これはタツノオトシゴと、よく似たグループのヨウジウオというお魚の、この2つのグループにしか見られない特殊な袋です。その袋の中で大事に子育てをするから、当然のように赤ちゃんがお父さんの育児嚢という袋から出てくるから、“オスが産卵をしてる”とか“オスが子どもを生んでる”とみんな思っちゃってるんですよ。

だけど、これ、お父さんは大変な仕事なんです。メスからちゃんと卵を受け取って、オスがそれを育てて、子どもが大人と同じ形になると、やっと外へ生み出すという仕組みなのね。

これは“ざんねん”でも何でもないと思うんだよね。お父さんにとってはすごく大変なことだと思う。通常だとメスの方が、卵を生んで子どもの面倒を一所懸命みる感じなんだけど、魚の場合はどうだろう? よく考えてみると、オスとメスが水の中で卵と精子を生んで、それで生みっ放しのことが多いんですよ。その中で、数少ない子どもを大事に育てる代表的なものが、このタツノオトシゴかもしれないですね。」

質問者「うん。」

林先生「他に…○○ちゃんはオスでもメスでも小さな卵から生まれた子どもを、一所懸命育てる魚を、何か知ってますか?」

質問者「…分かりません。」

林先生「水族館に行くと見る機会があると思うけど、けっこういるんですよ。卵はメスが生んで、そのまま“ハイさようなら”ってオスの前を去ってしまうことが多いけど、その卵を一所懸命守って、子どもになると子どもが巣穴から出て行くまでオスが面倒をみるという。すごく格好良い男の人をイケメンって言うじゃん? 知ってる?」

質問者「はい。」

林先生「(笑)○○ちゃんも、アイドルのイケメンの人、いっぱいいるでしょう?」

質問者「はい…。」

林先生「でね、こういう子育てを一所懸命するオスのことを、イクメンと言うんです。イクというのは“育てる”という字ね。保育の育、飼育の育、育てるということです。だからタツノオトシゴイクメンの代表選手。

今は人間の世界で、お父さんもお母さんも若い人でもお年寄りでも、男の人が働いたり女の人が働いたり、ほとんど一緒にお仕事してるでしょ? そういう中でお母さんは大変なんだよね? 赤ちゃんができるとお産をして、赤ちゃんが生まれてくるまでずーっと頑張るわけだ。でも、その間お父さんは、はっきり言って何にもしなくても良いわけね(笑)。でも最近は、生まれてきた赤ちゃんを2人で大事に育てていく。特にお母さんが忙しい時はお父さんが頑張って代わりに育てる。魚の世界にもそういうイクメン魚がいます。」

国司先生「ふううん。」

林先生「ちっとも“ざんねん”じゃないと思います。大変だと思います。」

アナウンサー「ということでタツノオトシゴは、お父さんが赤ちゃんを生むのではなくて、お母さんが生んだ卵をお父さんの育児嚢というところで育てて、出てくるということなんですね。○○さん、分かりましたか?」

質問者「はい。」

その事典にはイクメンとは別の理由で「ざんねん」って書いているのかもしれないけど、少なくとも育児嚢で育てることで今まで生き残ってきたわけだ。

 

Q21 ロケットや望遠鏡が作られる前は、天

  文学はどのように進められていました

  か?(小1女子)

 

アナウンサー「何でこの質問を思いついたんですか?」

質問者「図鑑を読んでる時です。」

国司先生「すごい、1年生で天文学っていうのを知ってるんだね。確かに望遠鏡が開発されたりロケットが飛ぶようになってから、素晴らしい成果が上がって、天文学はとても進歩して進みました。

ところが天文学というのは、望遠鏡とかロケットがない、ずーっとずっと昔からあるんだよ。いろいろな学問があるよね? 語学とか歴史学とか物理とかいろいろあるんだけど、天文学は人々が歴史を作る中で、いちばん最初の頃にできた学問らしいの。それはどうしてかというと…○○さんは今度2年生になるでしょう?」

質問者「うん。」

国司先生「そうすると、“今度は何月何日の何時に学校に来てください”という連絡が入ると思うけど、“何月何日”が、東京に住んでるお友だちと大阪に住んでるお友だちで違う日付になっちゃったら困るよね?」

質問者「困る。」

国司先生「困るよねえ。だって会えないもんね。これは“こよみ”って…ほらカレンダーがあるでしょう? それから時計の時間。それがちゃんと日本で同じものを使ってなくちゃいけないの。そういうことをするためには、1日ってどういうことなのかな、1年ってどういうことなのかなというのを調べるために、天文学というのが最初に出来上がったらしいんだな。

例えばカレンダーで、今日は3月の20日春分の日春分の日というのは天文学ではとても大切な日で、昼と夜の時間がほぼ同じになって、太陽が真東から昇って真西に沈む。昔はここを年の始めにしてた時代もあったんですよ。そういう暦を作る時にどうしたらいいかというと…地球はコマみたいに自転をしてるんだけど、もう1つ、太陽の周りを回ってるって聞いたことある?」

質問者「ある。」

国司先生「あるよね、公転と言います。1回回ると春、夏、秋、冬の季節が巡って1年です。そういったことを調べるためには、春にはどんな星が並んで、どんな星座があるのか、夏になると…○○さんは何座生まれか知ってる?」

質問者「知ってる。」

国司先生「何座?」

質問者「おとめ座。」

国司先生「おとめ座かあ、じゃ9月ぐらいに生まれたのかな? そういうことを調べていくと、暦を作るのにとても大切な星座というものも考えなくちゃいけない。これも5000年くらい昔に人々が考えて、その星座のどっちの方角に太陽が見えるのかを考えながら暦を作っていったんだって。

そんなふうにして望遠鏡やロケットが開発される前は目で、肉眼で星の位置、それから星を結んで“こんな形の星座があるな”、“そしてそこに違う動きのある天体があるぞ”。…それは曜日の名前がついた、惑星っていう星の名前は聞いたことある?」

質問者「ある。」

国司先生「あるね、火星とか木星とか土星。そういったものがどういうふうに位置が変わっていくかによって、今度は太陽系がどういう仕組みになってるのか、ということも望遠鏡がない時代に調べることができました。

そして、望遠鏡が出来上がったらどういうことが起こったかというと、ガリレオガリレイというイタリアの天文学者が、1610年なんですけれども、望遠鏡を自分で作って、月のクレーターを発見したり、木星の周りを回るガリレオ衛星という名前がついた衛星が見つかってきました。

そうすると、今までは地球が宇宙の中心だと思ってたのが、“ちょっと違うぞ、太陽が中心にあって、その周りを回ってるんだ”っていうふうにして、新しいものが開発されると新しい発見がどんどんできてしまう。そういうことが天文学の中でも起こっているんです。

○○さんはとっても良い時代に、今度小学校2年生になるんだよね。4年生になると星の学習が、今度は理科という科目の中であるから、どんどん自分で学びを進めていってほしいと思うんです。きっと○○さんが大人になる頃には、もっとすごい大発見があると思う。今度本間先生が来てくださる時には、ブラックホールがどうなってるのかとか、そういう質問もしてほしいな。おじさんはブラックホールはよく分かんないんだけど、本間先生はすごく研究されてて分かるからね、そういう質問もしてほしいなと思っています。」

質問者「はい。」

アナウンサー「望遠鏡やロケットがない時も、目で星の位置とかを観察して、ずっと学んでたんですって。」

質問者「うん、すごい。」

アナウンサー「○○さんは望遠鏡を持ってるのかな?」

質問者「持ってる。」

国司先生「すごーい! じゃあ、今日の一番星は夕方の西の空の金星が、ほんとに明るく見えるから、その望遠鏡で金星を見てごらん。そうすると、1610年にガリレオが発見したものと同じことが分かるよ。」

質問者「ほう。」

国司先生「答えは言わないから。」

先生方「(笑)フッフッフッフッ」

国司先生「夜だからお家の人と一緒に。金星は一番星でいちばん明るいから、すぐ分かります。」

アナウンサー「何時頃、どっちの方向でしょうか?」

国司先生「7時くらいに西の空の高い所です。」

アナウンサー「夜7時ぐらいに西の空の高いところを見ると見られるみたいですよ。」

質問者「見てみます(笑)。」

国司先生「形をよく見て。」

アナウンサー「形を見るのが良いんだって。」

質問者「形?」

国司先生「うん、そこまでがヒント。」

アナウンサー「あとは見てのお楽しみと、国司先生がニヤニヤしてますからね、ぜひやってみてくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「どうもありがとうございました。」

質問者「ありがとうございました。」

アナウンサー「また電話してくださいね。さよなら。」

質問者「さよなら。」

国司先生「はい、さよなら。」

アナウンサー「今日の一番星、非常に見てみたいですね。形までがヒント…肉眼では分かりませんか?」

国司先生「肉眼だと分からない。望遠鏡でないと、つまりガリレオが1610年に発見したというのは、望遠鏡があったからなんです。」

アナウンサー「なるほど。望遠鏡をお持ちの方は、ぜひ挑戦してみてください。」

 

質問終わり~先生方から感想

国司先生「今日は天気が良いからぜひ! 僕、昨日6時ぐらいからずーっと空を見てたの。一番星が金星、二番星がシリウス、三番星はどこかなって…6時7時はとてもせわしい時間だけど、今の小学生はその時間があるから、ゆっくり自然の観察をしてもらえたらなと思いました。」

 

塚谷先生「東京もすごく天気が良くなってきたので、これから日々暖かくなって、花も葉っぱも出てくる時期なので、ぜひ外で楽しんでほしいと思います。実際に見たことから出てきた質問が今日は多かったので、これからもいろんなものを見てほしいと思いました。」

 

川上先生「今日は植物との関係があったり、毒の問題で昆虫との関係なんていうのもありましたし、鳥は魚も食べますし、あと渡りをする時には星を見たりすることもあるので、実はいろんな生物と、生物以外のものと関わっていることも鳥の魅力だと思うんですね。…そのうち“鳥とゆかいな仲間たち”っていう…」

スタジオ内「(笑)ハハハハ」

川上先生「そういう回があってもいいんじゃないかなと。それで鳥の質問だけ受け付けて、他の人たちはみんなそれをサポートしてくれる…なんて回があってもいいんじゃないかなって思いながら、今日は答えていました。」

アナウンサー「今日も川上先生からナイスパスがいろいろ繰り出されました。」

 

林先生「今日は祝日でお天気も良くなって、だけどコロナウイルスのことがあって外に出られなくて、皆さん大変なのかもしれないですけど、僕はこの「子ども科学電話相談」にずいぶん長く出てきたんですが、今日がいちばん、質問のカードの数の多さに驚きました。」

アナウンサー「本当にたくさんお寄せ頂きましたよね。」

林先生「100名まではいってないですけど、こんなに来たの初めてですよ。答えるのとチェックをするのとで、たくさん頂いた皆さん、すいません、全部お答えできません(笑)。」

アナウンサー「目を通して頂いて、またの機会に答えていきたいと思いますので。」

林先生「必ずお答えできる機会を作りたいと思います。ありがとうございました。」

アナウンサー「4人の先生方、本番中もいろいろ目を通してくださっていました。」