あせらず、さわがず

アラフィフおばさんが脈絡なく書いてるブログ~あとは野となれ山となれ

子ども科学電話相談1/19(動物、恐竜) とりとめのない感想

1/19のジャンルは
 動物 成島悦雄先生
 恐竜 小林快次先生

アナウンサー「2020年がスタートしましたが、動物園や水族館は新年には何かイベントなどもあるんでしょうか?」
成島先生「ありますね。今年はネズミ年ですよね? ネズミというのは、いつも小さくて目立たない動物なんですけれども、こういう干支の順番が回ってくると、動物園ではネズミに関する展示をやりますね。哺乳類は5000種類ぐらいいると言われてますけど、その半分ぐらいがネズミの仲間なんですね。」
アナウンサー「あっ、そうなんですか。」
成島先生「ものすごくいっぱいいるんです。残念ながら動物園ではゾウとかライオンとかパンダが人気があって目立ちますよね? ですが、けっこう我々のそばでいろんな生活をしてますので、こういう時にネズミの魅力を知ってもらおうと、動物園、それから水族館ではネズミの名前がついてる動物をやってますけれども、焦点を当てて特別なイベントをやってますので、1月中はまだやってると思いますので、皆さんもぜひ。」
アナウンサー「確かに小さなネズミもいますし、カピバラなんかもネズミの仲間ですよね?」
成島先生「そうなんです。小さなネズミ…日本で言うとカヤネズミという小さなネズミがいるんですが、世界的に見るといちばん大きなネズミはカピバラですね。大きさもバラエティに富んでます。水に住んでるのもいれば、ムササビみたいに空を飛ぶようなネズミの仲間もいるということで、いろんな所で生活してますね。そういう魅力もここで知って頂くといいなと思います。」

アナウンサー「以前は恐竜スペシャルの時に、モンゴルのゴビ砂漠から電話で中継でご出演頂いたこともありましたけれども(笑)。」
小林先生「(笑)衛星電話の繋がりが悪くて大変だったんですけど、あれは楽しかったですね。」
アナウンサー「スタジオに来てくれたお子さんたちも大興奮でした。この2020年の年頭に、恐竜で注目のイベントが…」
小林先生「2月21日から全国の映画館で「劇場版ダーウィンが来た! 恐竜超伝説」というものがあるんですけど、今までの番組で作ったCGを編集し直して、映画館で公開するというのがありまして、私も監修で入ってるんですけど…」
アナウンサー「監修なさっているんですね。」
小林先生「川上先生も一部の監修をされてるんですけど…テレビで見たような映像もあるんですが、非常に高いクオリティと最新の研究内容で。とにかく劇場で見ると、例えばデイノケイルスも出てくるんですけど、実寸大と言いますか、本当の大きさで見れるので、メチャクチャ迫力があるので、ぜひ皆さん、映画館に行って体験してもらったらいいと思うんですよね。」
アナウンサー「これは春休みに人気の映画になりそうですね。「恐竜超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」、2月21日から全国ロードショーだそうです。予告を見ましたけど、ティラノサウルス、デイノケイルス、モササウルスと…」
小林先生「そうです、トロオドンとかいろんなものが出てくるんで、ぜひ見てもらいたいと思います。」

Q1 人間は暇な時にテレビなどを見ますが、動物
  は暇な時に何をしているんですか? また、
  暇な時があるのですか?(小3男子)

アナウンサー「なるほどね、○○君は暇だなぁと思う時ある?」
質問者「はい、あります。」
アナウンサー「その時はどうしてますか?」
質問者「遊んだりテレビを見たり。」
アナウンサー「やってきテレビを見たりしてるんだ。何の動物を見て、暇な時があるのかなって思ったの?」
質問者「動物園に行って、ゾウやサイなどを見た時に思いました。」
成島先生「○○君は暇な時にテレビを見たり遊んだりしてるんだね?」
質問者「はい。」
成島先生「動物園でゾウやサイを見た時、どうでした?」
質問者「なんか、歩いたりエサを食べたり。」
成島先生「生き物、動物の大切な役目は、毎日ちゃんと生きていくことと、それから自分の子ども、子孫を残すこと。この2つが大きな仕事なんですよ。」
質問者「はい。」
成島先生「僕たちはさ、ご飯はお店に行けば売ってるじゃない?」
質問者「はい。」
成島先生「でも動物のは売ってないよね? どうしてだと思う?」
質問者「……うーん……分からない。」
成島先生「草を食べる動物だったら、草が生えてる所まで行って食べるとか、肉を食べる動物の場合には獲物を狙って倒して、それでお肉を食べますよね?」
質問者「はい。」
成島先生「それはけっこうエネルギーが要るんですよ。時間もかかるし。だから生きていくことはすごく…人間はそれほどでもないと思うけど、動物にはお店があるわけじゃないので、自分で自分が食べるものを見つけ出さなきゃいけないので、そのためにものすごく時間がかかるんですね。」
質問者「はい。」
成島先生「だからあまり暇はないんだよね。残りの時間は自分の子どもを残して、命を繋いでいくという大きな仕事があるんですね。そのためにもいろんな時間が必要なわけ。ということで、大ざっぱに言うと、動物は暇な時はあまりないんですよね。
ただ、○○君が見たように、動物園の場合は、ある意味、3食昼寝付きなんですね。」
小林先生&アナウンサー「(笑)」
成島先生「ご飯は飼育係のおじさんやお姉さんがやってきて作ってくれるでしょ?」
質問者「はい。」
成島先生「で、天敵がいませんよね? 野生の場合だと、自分を狙う天敵がいるので、暇な時があったとしても、天敵から逃れるためにじっとしてなきゃいけないじゃない? でも動物園で暮らす動物は天敵がいないから、そういう意味でも暇ができますよね?」
質問者「はい。」
成島先生「子孫はオスとメスがいれば残せるけれども、野生の場合には、特定のメスと結婚したいと思っても、ライバルがいっぱいいるわけだよ。そのライバルに打ち勝たなきゃ、そのメスと結婚できないわけ。繁殖期と言うんですけど、そういう時にはオスはものすごく忙しくなっちゃうわけですよね。」
質問者「はい。」
成島先生「でも動物園の場合はライバルがいないから、その時が来れば子どもを残せるわけ。
ということで、野生では暇があまりないけど、動物園では暇がいっぱいあるんですよ。それで、○○君が行った動物園がどうだったか分かりませんけど、動物園ではなるべく動物が暇を持て余さないように、退屈しないようにいろんなことを工夫してるんですね。
例えばオモチャを入れて遊ばせる…オモチャと言ってもボールとか、木の枝を吊すとか単純なオモチャなんですけど、オモチャがあると動物は“これは何だろう”って好奇心を持って、触ったりするんですね。そういうことで時間を潰させているんです。
ご飯もお皿の上にあげると、あっという間に食べちゃうわけ。それを藁の中に隠すんだよね。隠すと探さなきゃいけないので、暇な時間を隠れている食べ物を探すことに使えるわけ。そういうことをしないと…動物を飼ってる運動場の中で、動物が行ったり来たりしてるのを見たことないかな?」
質問者「あります。」
成島先生「あれは暇なんだよね。やることがないから、行ったり来たり運動をしてるわけ。それは決して良いことじゃないので、動物園ではなるべくいろんな刺激を与えて、暇じゃないようにしているんだ。」
質問者「はい。」
アナウンサー「運動不足になってもいけませんものね。」
成島先生「そうですね、野生動物は基本的に暇な時間はないけれども、動物園で暮らす動物は暇な時間ができちゃうので、退屈しないように飼育のお兄さんお姉さんたちがいろんな努力をしているということかな。」
アナウンサー「成島先生、動物園に行くと確かに、いつも寝てるなぁと思う動物もいるような気がするんですが、夜行性で昼間は動かないけど、夜に動いている動物もいるんでしょうかね?」
成島先生「そうです。哺乳類は分かるかな?」
質問者「はい、分かります。」
成島先生「人間は別として、哺乳類というのは夜に活動する動物が多いんです。だから昼間はだいたい寝てて、無駄な体力を使わないようにセーブしてるんだよね。だから、ライオンが寝ててつまんないなと思うかもしれないけど(笑)、僕たちは生き生きと動き回ってる動物を見たいけれども、ライオンとしては余分なエネルギーは使わないで、野生でいれば夜の狩りのためにエネルギーをとっておく、そういう意味があるんですね。」
アナウンサー「○○君、先生のお話で聴いてどうですか?」
質問者「野生の動物は暇がないことが分かったけれど、動物園の動物たちは暇なことがあるから、飼育員さんの人たちが頑張っているんだなと思った。」
成島先生「今度、動物園に行って飼育員の人たちがどんな工夫をしているか見てくれる? こうやって動物を退屈させない努力をしてるんだなぁって分かると思うんだ。」⇦成島先生のお立場を考えると、動物園がちゃんとやってるか目を光らせてね!って言ってるように聞こえなくもない。
アナウンサー「○○君の住んでいる近くには動物園はありますか?」
質問者「少し時間はかかるけれど、1時間ぐらい行けばあります。」
アナウンサー「じゃあ今度行ったらぜひ、退屈しないための工夫がどんなものか、見てみてください。」
質問者「はい。」

以前、小菅先生もこういう質問にお答えしてた。7/23のQ8。
https://aserazu-sawagazu.hateblo.jp/entry/2019/07/28/200758
いつだったか小菅先生は円山動物園にお迎えするゾウのためにプールを作ったってお話もしてたな。

Q2 ほとんどの恐竜の本の表紙がティラノサウル
  スなのはどうしてですか?(小4男子)

アナウンサー「恐竜図鑑とかのことかな? 私も手元にポケット図鑑を持っているんですが、確かにティラノサウルスがドーンと描かれています(笑)。○○君は恐竜が好きなの?」
質問者「はい?」
アナウンサー「本はたくさん持ってるのかな?」
質問者「はい、たくさん持ってます。」
アナウンサー「どのぐらい持ってるの?」
質問者「100冊ぐらい。」
成島先生「100冊…」
アナウンサー「おおー!100冊も! じゃあほとんどが表紙はティラノサウルスですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「そうなのね。ちなみに○○君が好きな恐竜は何かあるの?」
質問者「アロサウルスとか。」
アナウンサー「アロサウルス…ほうほう、またこれは…名前が出てきましたので(笑)、小林先生に早速伺っていきましょう。」⇦アナウンサーも図鑑を持って勉強してるんだよね。でも恐竜本100冊のガチキッズから恐竜の名前が出てくると怖いよね。

小林先生「(笑)○○君こんにちは。」
質問者「こんにちは。小林先生が大好きなのでとても嬉しいです。」
小林先生「あああありがとう(笑)。面白い質問ありがとうございます。
えっとね、まあ答えを先に言うと…答え言っちゃっていい?」
質問者「はい。」
小林先生「大人の事情です。」
質問者「……えっ(笑)。」
小林先生「ティラノサウルスを載せるとたくさん売れる(笑)。好きな恐竜のランキングを今見てるんだけど、日本だと1位はティラノサウルス。2位は…何だと思う?」
質問者「2位…トリケラトプス?」
小林先生「惜しい、トリケラトプスは3位ですね。」
質問者「んん?」
小林先生「何だと思う?」
質問者「……ステゴサウルス?」
小林先生「おお…ステゴサウルスはこのランキングでは13位ですねえ。スピノサウルスが2位です。」
質問者「スピノサウルスか。」
小林先生「海外のランキングを見てると、1位がティラノサウルス、2位がディプロドクス、3位がヴェロキラプトル、4位がトリケラトプスとかそんな感じなんだよね。これに恐竜が28出てるけど、この中にはアロサウルスが出てきてません。」
質問者「へええええ。」
小林先生「他のサイト見てると、1位がT-REX、2位がトリケラトプス、3位がヴェロキラプトル、4位がステゴサウルス、5位スピノサウルス、6位が始祖鳥、7位がブラキオサウルス、8位にアロサウルスが入ってます。」⇦お子さんが好きな恐竜がランクインしてるランキングも教えてくれるって優しくない?
質問者「おおお良かった…。」
スタジオ内「(笑)ハハハハハハ」
小林先生「だから、世界的に…日本もそうだし、やっぱティラノは絶大なる人気というか、有名度合いがすごいんだよね。誰でも知ってる。先生がいろんな所で講演して、何も恐竜に興味がない人でも、T-REX知ってますか?って聞くと、だいたい知ってますね。」
質問者「はい。」
小林先生「トリケラトプスもだいたい知ってる。ステゴサウルスもまあまあ。アロサウルスになるとちょっと怪しくなります。」
質問者「はい。」
小林先生「そうすると、いちばん有名なザ・キング・オブ・ダイナソーズの超肉食恐竜の方が迫力があって良くない?」
質問者「はい。」
小林先生「ただ○○君みたいに恐竜好きな子は、ちょっとティラノじゃつまんないなって、やっぱり思ってるよね?」
質問者「ちょっと思います。」
小林先生「うん。でも、いろんな図鑑があるけど、他の恐竜本を見るとティラノサウルス以外もあるよね?」
質問者「うーん、ちょっとある。」
小林先生「ティラノが入ってる割合は大きいと思うけど、それは大人の事情って今言っちゃったんだけど、例えば○○君のクラスで一度アンケートをとってみない? 好きな恐竜、知ってる恐竜…」
質問者「前、ちょっとだけ聞いたことあります。」
小林先生「本当? やっぱティラノサウルスが圧倒的でしょ?」
質問者「はい。ティラノサウルスだけだった。」
小林先生「うん…絶対と言っていいほどみんな知ってるから、そういう意味でやっぱりそういう人気ってあると思うんだけど、やっぱり表紙になる恐竜…動物の成島先生にも…先生、動物の図鑑で表紙になる動物ってどんなものが多いですか?」
成島先生「だいたいパンダとかライオンとか有名で、子どもたちに人気がある動物ですね。」
アナウンサー「ゾウとかね。」
小林先生「うーん、人気のない、驚きの表紙になってるものはないですか?」
成島先生「ないですねえ、やっぱり本屋さんに並んでて、手に取ってもらうためには、地味な動物よりもみんなが知ってる人気のある動物の方が良いんだと思いますね。」
小林先生「○○君、なのでやっぱり図鑑って、みんなの本と言うか、誰でも手に取って見てもらう本だから、なるべく知ってる恐竜や動物で、ということが多いと思う。ただ、ちょっと踏み込んだ本になると、有名どころじゃないものが表紙になることはあると思うんだよね。」
質問者「はい。」
小林先生「だから答えは大人の事情なんだけど、そういう不満は分かります(笑)。先生も思います。“またティラノか!”って思うんだけど、最近は毛が生えたりしてけっこう面白い復元があるから、同じティラノでも違う顔をしてたりするじゃん?」
質問者「はい。」
小林先生「そういう意味では、図書館に行って昔の図鑑の表紙のティラノと今のティラノとの違いとか、ちょっとした自由研究にもなりそうな気がするんだけど。」
質問者「はい。」
アナウンサー「確かに、表紙全部がティラノサウルスだとすれば、昔のものからずーっと並べてみると、どのぐらい研究が進んできたかがよく分かるということですね?」
小林先生「そうですよね、そういう目線で見ても面白いかもしれない。」
質問者「あと、小林先生、恐竜の研究をするために先生が頑張ったものは何ですか?」
小林先生「小学校の時?」
質問者「小学校の時。」
小林先生「小学校の時は外に出て一生懸命遊びました。」
質問者「はい、分かりました。」
小林先生「体力づくりしてください。あとお友だちをたくさん作って、学校を楽しんでください。」
質問者「はい。」
小林先生「学校楽しい?」
質問者「まあ、楽しい。」
小林先生「まあまあ(笑)。楽しんで、友だち作って、遊んで、恐竜が好きだってずっと思ってれば大丈夫です。」
質問者「はい、分かりました。」
アナウンサー「○○君がそういう質問をしてくれたということは、恐竜学者とか研究者の道に進みたいと思ってるのかな?」
質問者「うーんまあ…ちょっと思います。」
アナウンサー「アロサウルスを表紙にした○○君のオリジナル図鑑を作ってみてもいいかもしれないね。」
小林先生「あっ、それもいいですね。一応アロサウルスが表紙になってる本もあるからね、○○君が自分で表紙を作って、自分の恐竜本を作っても面白いかもしれないよね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「何か作ったりしたら、番組にも送ってくださいね?」
小林先生「あとランキングも調べてみて、また先生に教えてください。」
質問者「はい。」
アナウンサー「恐竜の本は100冊ぐらい持っているという○○君でした。」
小林先生「すごいですねえ、僕そんなに持ってないんですけど(笑)。負けました。」

大好きな小林先生に答えてもらえて良かったね! ガチな恐竜の話じゃなかったけど、ランキングを調べてくれたり他の分野のことも聞いてくれたり、お子さんのための回答って感じ。そして今の生活を楽しんで恐竜好きを続けて!とのメッセージは今年もブレず。

Q3 ハイエナの群れのリーダーはメスで、そのリ
  ーダーのメスにはおちんちんがあると聞きま
  したが、なぜですか?(小1男子)

アナウンサー「これは何で聞いたの?」
質問者「本です。」
アナウンサー「本にそう書いてあった?」
質問者「はい。」
アナウンサー「そうなんだ。○○君は動物が好きなのかな?」
質問者「はい。」
アナウンサー「お家でも何か動物を飼っていますか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「何を飼ってるの?」
質問者「犬です。」
成島先生「本でハイエナのメスにはおちんちんが生えてるって書いてあったんですか?」
質問者「はい。(切断音プープー)」
アナウンサー「ごめんなさい、電話が切れてしまったようです。スタッフが繋ぎ直しています。小学1年生の○○君からの質問です。本でそういうことを読んで不思議に思ったという…」
成島先生「不思議ですよね、実際そうなんですけれども。」
アナウンサー「そうなんですね! 知らなかったです。」
成島先生「他の動物はだいたいオスの方が体が大きい。でも、ハイエナはメスの方が体が大きくて、攻撃性も強いんですね。」
アナウンサー「電話が繋がったようです。○○君?」
質問者「はい。」
アナウンサー「ごめんね、お電話が切れてしまいました。では成島先生に質問の答えを聞いてみましょうね。」
成島先生「たいていの動物は、人間もそうだけど、オスの方がメスより大きいでしょ?」
質問者「はい。」
成島先生「○○君のお家も、お父さんの方がお母さんよりも大きいかな? たいていの場合はそうなんだけれども。」
質問者「ああそうですか…ね。」
成島先生「ハイエナの場合はそれが逆さまで、全体を見るとメスの方がオスよりも大きいんです。ケンカするとメスの方が強いの。」
質問者「そうなんですか?」
成島先生「うん。メスの方が力が強いの。○○君のお友だちはどうですか? 男の子と女の子でケンカする?」
質問者「いや、あまりないです。」
成島先生「いいですねえ。でもたいていの場合は男の人の方が女の人よりも大きいから、力が強いので、ケンカしても力では勝っちゃうんだよね。頭じゃ負けることもあるんですけどね。」
質問者「はい。」
成島先生「メスの方が大きくて攻撃性があって、オスが持っているおちんちんに似てるけれども、同じような機能を持ってるわけじゃないですけれども、リーダーだけじゃなくて、ハイエナのメスは体も大きいし、おちんちんにあたる部分をみんな持っているんですね。だから外側から見たんじゃ、おちんちんがあるかないかでオスとメスを見分けようと思っても、ハイエナの場合は見分けることができないんです。みんなオスになっちゃう。」
質問者「へえ。」
成島先生「不思議でしょう?」
質問者「うん。」
成島先生「オスの方はいわゆるオスのおちんちんの働きがあるんだけれども、メスのおちんちんに見えるところは、オスと同じような働きはしてないのね。ただ大きいので、同じように見えちゃうんですね。」
質問者「はい。」
成島先生「その理由は、体が大きくて、おちんちんを大きくするようなホルモン…って難しくて分からないと思うんですけど…」
質問者「あ、ホルモン知っています。」
成島先生「あぁよかったあ、じゃあ説明しやすいや。ああ…よかった。」⇦いつも穏やかに落ち着き払って回答してる感じがするけど脳内はやはり大変なんだな…。
成島先生「オスのホルモンが出てるの。メスにもオスにも出てるんだけど、メスにも高い値でホルモンが出ているので、おちんちんが大きく育つようになってるんですよ。それでメスも大きなおちんちんができていて、非常に攻撃性もあるということなんだよね。」
質問者「はい。」
成島先生「話は変わりますけど、ハイエナってよく言われてるんですけど、狩りをするよりは他の動物が狩って残ったものを食べると言われてるの知ってる?」
質問者「はい。」
成島先生「これ、よく調べたら本当じゃなかったんですね。」
質問者「そうなんですか。」
成島先生「そうなの。他の動物が食べ残したものを食べるって言われていたけれども、実際は反対で、ハイエナは狩りがとっても上手なんですって。狩りをするとだいたい60パーセントぐらい成功するんだそうです。これはライオンより上手なんだって。だから、ライオンが反対にハイエナが狩った動物を横取りしちゃうことが観察されてるんです。ライオンの方が自分で苦労しないで、ハイエナが苦労して捕まえた獲物を横取りして食べちゃってることが分かってきたんです。」
質問者「はい。」
成島先生「それもハイエナがメスがリーダーで協力して、狩りをうまく成り立たせていると思うんだけど、要するに、メスとオスを比べるとメスの方が体が大きくて、○○君が知ってて良かったけどオスのホルモンが、メスなんだけどいっぱい出てくるのね。それでおちんちんを大きくしているんですね。だから外見はオスだかメスだか分からないというのが、ハイエナの不思議なところなんだよね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君、先生のお話を聞いてどう思いました?」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「でも不思議ですね。そういったことが起きるのはハイエナだけなんですか?」
成島先生「そうです。アントロジェンという男性ホルモンがいっぱい出てるらしいです。」
アナウンサー「へええ、面白いね○○君?」
質問者「はい。」
アナウンサー「食べ物の残りを漁ってるようなイメージが…映画なんかだと描かれていますが…」
成島先生「“ハイエナのように”なんて言いますけど、これはハイエナにとっては可哀想なことで、本当はライオンの方が横取りの名人だそうです。」
アナウンサー「ハイエナは狩りも上手なんですって。」
質問者「はい。」
アナウンサー「とても良い質問をしてくれました。」
成島先生「動物園に行ってぜひハイエナを見て、“ハイエナも狩りが上手なんだな”って思ってくれると嬉しいですね。」
ハイエナの名誉回復もしてくれた成島先生だった。ライオンの狩りの成功率は2~3割って、これまた小菅先生が話してたっけ。ヨーロッパの王族貴族の紋章はライオンのイメージが強いけど、その実態が知られすぎると困るかしら。

Q4 恐竜のどこのお肉がおいしいんですか?
  (6才女子)

アナウンサー「おお! 恐竜のどこのお肉がおいしいか。これはどうして疑問に思ったの?」
質問者「だって、ティラノサウルスとか肉食の恐竜は、お腹から食べてて、あたしもお腹がおいしいと思いました。」
アナウンサー「そっかぁ、お腹から食べてる絵か何かか見たのかな?」
質問者「はい。」
小林先生「恐竜のどこのお肉がおいしいのか…。」
アナウンサー「さすがの小林先生も食べたことは(笑)。」
小林先生「(笑)ハハハハハ! ○○ちゃんは鶏肉のどこが好き?」
質問者「もも!」
小林先生「もも肉が好きなの? 何で?」
質問者「おいしいから。」
小林先生「そっか、どんな…唐揚げとか?」
質問者「うん。」
小林先生「唐揚げ? 唐揚げ好きなんだ?」
質問者「はい。」
小林先生「さっきの肉食恐竜はお腹を食べるというのは、どこで知ったんだろう?」
質問者「…図鑑のDVDがあるの。で、DVDで見たら、お腹から食べてたからそう思ったの。」
小林先生「なるほど。先生が発掘したデイノケイルスっていう…デイノケイルス知ってる?」
質問者「…うーん知らない。」
小林先生「知らない? ニコちゃんは知らない?」
質問者「………」
小林先生「知らないか。去年のテレビでニコっていう恐竜がいたんだけど、あの恐竜はお腹の骨に咬まれた痕があって、お腹から食べられてたのかなって思っていたんだけど、たぶん肉食恐竜も○○ちゃんが言うように、最初にお腹を食べてたんじゃないかと思います。
じゃあ他のどこのお肉が好きかというのは、やっぱり食べやすくて、たくさんお肉がある所がおいしいと思うよ。だからもも肉とか…先生は砂肝が好きなんだけど…(笑)鶏と言えばね。砂肝って食べたことある? コリコリしておいしいんだけど。」
質問者「ない。」
小林先生「ないか。今度、砂肝食べたいって言って食べてみな、おいしいから。」
質問者「はい。」
小林先生「だから内臓はたぶん、おいしいというか先に食べてたかもしれないよね。その後でお肉の部分を食べてたと思います。」
質問者「はい。」
小林先生「今、実は、先生もそういう研究…もうちょっとしたら大きい研究の結果が出ると思うんだけど、ティラノサウルスの仲間が何を食べてたかみたいな研究をしてるんだけど、やっぱり先生ももも肉とか好きだったと思う。
成島先生、今の動物なんかも…例えばライオンとかは仕留めた後、どこから食べるものなんですか?」
成島先生「お腹が柔らかいので、たぶんお腹を食い破って、腸から食べ始めると思いますね。」
小林先生「順番ってあるんですか? 腸を食べてその後…」
成島先生「その後…やっぱりその周りの筋肉でしょうね。」
小林先生「ああ…。だから○○ちゃん、恐竜も同じだと思うから…ただ、どうなんですか?内臓がおいしいんですかね? おいしいから食べるのか…」
成島先生「おいしいというか、肉だけだと栄養が足りないので、その時一緒に…本来は植物食じゃないんですけど、併せて食べて、栄養のバランスをとっているんじゃないかと思いますね。」
小林先生「○○ちゃんはもも肉が大好きだって言ったけど、鶏(鳥)も恐竜だからさ、いろんなお肉の場所が売ってるから、そういうのをお父さんお母さんにお願いして買ってもらって、食べ比べしてみるといいかもしれない。」
質問者「はい。」
小林先生「たぶんね、恐竜は○○ちゃんと同じだと思う。おいしいと思ったら恐竜もおいしいと思うから。1回やってみて。」
質問者「はい。」
アナウンサー「鶏肉が○○ちゃんは好きということなので、いろんな部位を食べ比べて…」
小林先生「今いろんな所でいろんな部位を出してるので、焼き鳥屋さんとか行って食べてみるといいかなと思います。」
アナウンサー「いろいろ鶏肉で試してみてね。」
質問者「はーい。」
アナウンサー「先生のお話を聞いてどう思いました?」
質問者「………よかったです。」
アナウンサー「6才の○○ちゃんでした。恐竜のお肉がおいしいかどうかなんて考えたこともなかったですけれども(笑)。」
小林先生「かわいい質問ですね(笑)。」
鳥も恐竜だからおいしい部分はだいたい一緒…?

Q5 犬や猫はどうして舌で水を飲めるのです
  か?(小3女子)

アナウンサー「犬とか猫は水を飲む時、舌でペロペロするもんね。○○さんは実際に犬とか猫を飼っているのかな?」
質問者「いいえ、飼ってません。」
アナウンサー「じゃあ何かで見たのね?」
質問者「はい。」
成島先生「○○さん、犬や猫が水を飲んでるところを見たことがあるよね?」
質問者「はい。」
成島先生「真似したことある?」
質問者「はい。」
成島先生「あっ、真似したことある? すごいね。どういうふうにやった?」
質問者「えっと、コップの中に舌を突っ込んでペロペロなめてました。」
成島先生「ああなるほどねえ、それでよく飲めた?」
質問者「あんまり飲めなかった。」
成島先生「飲めないよね。人間はほっぺたの筋肉が発達しているから、コップからゴクンゴクン吸い込みますよね? ペロペロなめるよりはゴックンゴックン飲み込むでしょ?」
質問者「うん。」
成島先生「でも犬や猫は吸い込んでないよね? お皿にお水があったとしても、そこに口をつけてチューッとは吸っていないよね? 犬や猫も舌を出し入れして飲んでますよね?」
質問者「はい。」
成島先生「昔は犬は舌をつけて…つけると水が飛び上がるでしょ? それを舌の裏側ですくい上げて飲んでいると言われていたんですけれども、最近の研究ではそうじゃなくて、犬も猫も同じで、舌を水の表面に当てるでしょ? そうすると水柱が上に上がるよね? それを舌の表面で受けて飲んでるんですって。」
質問者「へえええ。そうなんですか?」
成島先生「うん。超高速のカメラで撮ると分かると思うんだけれども、ただ、猫の方が上手なんですって。」
質問者「へええ、そうなんだぁ。」
成島先生「犬はあまり上手じゃなくて、けっこう周りを水浸しにしちゃうらしいよ。」
質問者「そうなんですか。」
成島先生「僕たちも水を飲むんだけど、飲み方が全然違うということね。手がないからコップを持ってゴクンゴクンというができないわけ。それで舌の筋肉を発達させて、水の表面を叩いて、その結果できる水の柱を舌で受けて、中に入れている。そういう飲み方をしてるんだそうです。」
質問者「ふううん、そうなんですか。」
成島先生「よく見て。ただ舌の動きが速いから、なかなか難しいよね。」
アナウンサー「これは犬や猫に特有のことなんですか? 他の動物って…」
成島先生「オオカミとかライオンとか猫の仲間は同じだと思います。基本的には同じように、舌で水を叩いて、水柱が上がったところを口の中に入れているやり方は一緒だと思います。人間みたいにゴックンゴックン飲むのはあまりいないですよね。」
アナウンサー「サルなんかは…」
成島先生「サルは口をつけてチューッと飲みますね。人間もサルですから。同じ水の飲み方でも動物の種類によっていろいろあるというのは面白いよね。今は哺乳類の話だけど、鳥はどうか、カエルはどうか、ヘビはどうかとか比べてみると面白いと思いますよ。」
質問者「はい。」
成島先生「いろんな動物がどんなふうに水を飲んでるかを調べるだけでも、きっと大変な研究になると思います。」
質問者「そうなんですかぁ。」
成島先生「今度自由研究でやってみて。」
質問者「はい。やります。」
アナウンサー「○○さん、先生のお話を聞いてどうですか?」
質問者「なるほどーと納得しました。」
アナウンサー「舌が発達してるということなんですね。まだ少し時間がありますけど、何か他に聞いてみたいことありますか?」
質問者「ありません。」
アナウンサー「大丈夫かな? 恐竜の小林先生もいますよ?」
質問者「……大丈夫です。」
先生方「(笑)」
アナウンサー「(笑)恐竜はどうやって水を飲んでいたかなんて…」
小林先生「どうなんですかね、正直わかんない(笑)。でも食べ物からも水分はたくさん摂っていたとは思うんですけど…ゴクゴクかペチャペチャか分からないですけどね、そこまでの舌が発達してないというか、どうなんですかね…分かんないです。」

人間みたいに手や頬の筋肉を使って水を口の中に入れる動きは、確かにできないだろうな。それで舌を動かしまくっているということかな。自分で犬や猫のやり方を真似してみたお子さんはすごいな。

11時台スタートは「あの後どうなった?」
アナウンサー「以前、番組で質問してくれたお友だちに、その後どうなったかを電話で聞いちゃおうというものです。今日は、去年の8月4日、「夏休み子ども科学電話相談 恐竜スペシャル」で、北海道むかわ町の会場で小林先生に質問をしてくれたお友だちです。むかわ町の小学4年生、K君です。」

~8/4恐竜スペシャルでの質問&回答
K君「むかわ竜の全身骨格の化石が良い状態で見つかったことで、今までに分からなかった新たな発見はありましたか? あと、むかわ竜はハドロサウルス亜科のエドモントサウルス類だと読んだのですが、決め手は何ですか?」
会場ザワザワ。
キャスター「詳しそうだね、○○君。」
小林先生「ちょっと壇上に上がって話をしようか。○○君、ちょっと上がって来て。目の前に本物のむかわ竜の骨があります。これ持っていいよ。」
会場「おお~」
キャスター「うわ…すごい!」
小林先生「すごく貴重な体験です。みんなうらやましいでしょう? むかわ竜の頭の後ろの骨なんですけど、いろんな特徴があって、K君が言った、エドモントサウルス類に決定的に似ているところは、実はこの頭の(骨の)中にはないんです。(決め手は)歯なんだけど歯が全部抜けちゃってるのね。歯を見ると、縁に細かくポツポツポツとイボ状のものがあって、それがエドモントサウルス類の仲間に見られる特徴だというので、このむかわ竜がエドモントサウルス類だっていうことが分かりました。細かいところまで保存されている素晴らしい標本なので、このむかわ竜は本当に日本を代表する…もし、恐竜時代にオリンピックがあったら間違いなく日本代表の恐竜だということですね。」
会場「(笑)」
真鍋先生「(笑)ハハハハ」
小林先生「(K君に)いいかな?」
K君「うん。」
小林先生「よかったね、触れて。」
キャスター「K君、今(本当の骨を)触ってみてどうだった?」
K君「少し重くて、ゴツゴツした感じがありました。」
  ~8/4恐竜スペシャルでの質問&回答ここまで

アナウンサー「という、恐竜大好きなK君でしたけれども、電話が繋がっていますので、早速呼びかけてみましょう。K君?」
K君「はい。こんにちは。」
アナウンサー「去年は公開放送の会場に来てくれて、どうもありがとう。とても鋭い質問をしてくれて、壇上に上がってむかわ竜の化石も手に持ったりしてくれたんですが、その時の体験はどうでしたか?」
K君「すごく緊張しました。」
アナウンサー「緊張した? 小林先生とお話ししてみてどうでしたか?」
K君「いろいろな質問などに答えていたので、やっぱりカッコいいなと思った。」⇦声枯れてるなー、緊張してるかな?
アナウンサー「カッコいいなと思った? 今日はスタジオに小林先生がいらしてますよ。」
小林先生「K君こんにちは。」
K君「こんにちは。」
小林先生「あれすごく良かったね、化石に触れて。」
K君「はい。」
小林先生「今むかわ竜はどういう名前だっけ?」
K君「カムイサウルス・ジャポニクスです。」
成島先生「ほおおお~。」
小林先生「その通りです。あの時、名前はもう決まってたから、先生も言いたくてウズウズしてたんだけど、今は堂々とカムイサウルス・ジャポニクスって言えるけど…」
成島先生「“神”だ。」⇦ネーミングの肝をすぐに読み取る成島先生さすがです。
小林先生「そうなんです。日本の恐竜の神という意味なんですけど、あれはすごかったよね。」
K君「はい。」
アナウンサー「その実物の化石も触って、K君はまさに発掘されたむかわ町に住んでるんですもんね?」
K君「はい。」
アナウンサー「自分の住んでる町から…小林先生も放送の中で“オリンピックがあったら日本を代表する恐竜”と仰ってましたけど、そういう恐竜の化石が見つかったって、改めてK君はどう思いますか?」
K君「自分が掘ったわけではないんですけど、掘ってた人たちぐらい嬉しかったです。」
先生方「(笑)」
アナウンサー「自分のことのようにねぇ、そうだよね。番組にも出演して先生ともお話ししてくれましたが、そこでお話ししたことを誰かに伝えたりしたの?」
K君「はい。」
アナウンサー「どんなふうに伝えたんですか?」
K君「例えば、夏休みの宿題の思い出新聞っていう新聞に書いたり、文化祭の時にその時の絵を描いたりしました。」
アナウンサー「そうなんだ、周りのお友だちや先生の反応はどうでしたか?」
K君「周りの人たちは、“出られてすごい”とか、そういう感じのことを言ってました。」
アナウンサー「K君は化石にも興味があるんですか?」
K君「はい。3年生からむかわ町の化石クラブに入っていて、それで化石を掘ったことがあります。」
アナウンサー「そうなんだ! むかわ町には化石クラブというのがあるのね? これは子どものクラブなの?」
K君「はい。」
アナウンサー「お友だちは何人ぐらいいるのかな?」
K君「20~30ぐらい。」
アナウンサー「そんなにたくさんいるんだ。みんなで発掘をして、これまでにどんなものが見つかりました?」
K君「ほとんどが二枚貝で、1個は何かの巣穴を掘ったことがある。」
成島先生「巣穴…」
「巣」の化石とは何が違うのか、巣の「穴」が化石として残るものなのか、ド素人にはブラックホールを見るような不思議さ。

アナウンサー「巣穴が…そうなんですね。これはハヤブサの目を持つと言われる小林先生、発掘のアドバイスとかコツみたいなものは何かありますか?」
小林先生「K君、発掘はどこでやった? どこ行ったの?」⇦口調が急にキリッとした。専門家目線?
K君「稲里とか、(聞き取れず)町内。」
小林先生「じゃあカムイサウルスが発見された所でもやったの?」
K君「はい。」
小林先生「二枚貝はどこで発見したの?」
K君「川…みたいな水がたくさん流れてる所にたくさんありました。」
小林先生「すごいねぇ。K君も大発見するんだったら、貝化石とか巣穴化石とかいろんな化石に注目してください。いろんな化石の違いが分かってきて、骨がどんなものか分かって見つけやすくなるので。やっぱり経験がすごく大事で、石をよく見て化石をよく見て、違いに気づいてくると骨化石もすぐ分かるようになるので、今の化石クラブの活動をどんどん積極的にやって、いろんなものを見つけていくといいかなと思います。その中で恐竜が見つかるかもしれないから。」
K君「はい。」
アナウンサー「むかわ町の一帯はまだまだ恐竜の化石が見つかる可能性が…」
小林先生「僕は見つかると思いますね。カムイサウルスはもう見つかっちゃったけど、むかわ町って恐竜がたくさん埋まってると思うんだよ。もしかしたらK君が次の恐竜を見つけるかもしれないので、見つけたらK君が研究できるかもしれないじゃん。」
質問者「はい。」
小林先生「ね、見つけたいね、一緒に。」
アナウンサー「第一発見者になるかもしれませんよね?」
小林先生「そうそう、その時研究しちゃえばいいですからね。K君が自分で見つけて自分で研究するみたいな。いいよね? K君、ティラノサウルスを見つけて。見つけたくない?」
K君「見つ…けたいです。」
小林先生「(笑)じゃあ見つけよう。」
アナウンサー「おお~、北海道からティラノサウルスが。」
小林先生「ティラノサウルスの仲間だったら十分可能性はあるんで。」
アナウンサー「そうなんですねぇ。K君、去年の放送の後にも小林先生に会ったことがあるんですか?」
K君「はい。」
アナウンサー「どこで会ったのかな?」
K君「12月8日に、むかわ町で化石クラブの公開講座みたいなのがあって、その時に小林先生がいろんなことを説明してくれました。」
アナウンサー「そこでも先生に何か質問をしたの?」
K君「はい。前の質問をした時に、エドモントサウルス類だという決め手を教えてもらって、なぜそれがついてるのかを質問しました。」
アナウンサー「歯の縁のポツポツのことをお答えになってましたけど、それについて質問したのね?」
K君「はい。」
アナウンサー「そうですか、どんどん知りたい気持ちが深まって…」
小林先生「そうですね。K君、1個知ると、また謎が出てくるよね?」
K君「はい。」
小林先生「それが恐竜ですごく面白いとこなんだよ。1個分かると10個ぐらい分かんないことが増えて、どんどん分かんないことが増えてく。それがまた面白いからさ。恐竜の歯の形に興味が出てくると、カムイサウルスだけじゃなくて他の恐竜の歯の形とか、もっと言えば他の動物の歯の形とか、いろんな興味が広がるから。カムイサウルスがきっかけになってK君の興味がどんどん広がるから。今度はカムイサウルスだけじゃなくて他の恐竜や動物…動物園だったら札幌にもあるから、そういう所に行ったりして、いろんな動物を観察するといいかなと思います。」
K君「はい。」

アナウンサー「今日は小林先生と、動物の成島先生もいらっしゃいますが、何か聞いてみたいことありますか?」
K君「はい。」
アナウンサー「どうぞ。」
K君「3つあるんですけど、まず、今の鳥の祖先はなぜ鳥盤類じゃなくて竜盤類などなんですか? 『もしも恐竜がいたら図鑑』を読んだんですけど、その時にデイノケイルスは軽くなった体を、走ることではなく巨大化に利用したって書いてあるんですけど、なぜ速く走れるようにしなかったんですか?」
小林先生「ふんふんふん…」
K君「と、小林先生が…(聞き取れず)…。」
アナウンサー「ん? 小林先生が好き恐竜? って言ったのかな?」
K君「はい。」
アナウンサー「分かりました。ちなみにK君はどの恐竜が好き?」
K君「やっぱりカムイサウルス。」
小林先生「うーん、まあね。」
アナウンサー「そうだよね、地元のカムイサウルスだよね。今3つ質問してくれましたが、鳥の祖先はなぜ鳥盤類ではなく竜盤類なのか。」
小林先生「まず最初の質問の答えなんだけど、竜盤類と鳥盤類って、2本脚とか4本脚っていう歩き方で言うと、どう違う?」
K君「竜盤類は…」
小林先生「2本脚? 4本脚?」
K君「獣脚類あたりは2本脚…で…」
小林先生「うんうん。じゃあ鳥盤類は?」
K君「鳥盤類は4…」
小林先生「4本脚が多いよね? トリケラトプスとかステゴサウルスとかアンキロサウルスとか。2本脚って実は重要な鍵で、獣脚類…肉食恐竜は2本脚で歩いていて、手が自由になってるよね? 後ろ脚で歩いてるから前脚が翼になっていったから。2本脚の恐竜が手が自由になったので、それを翼にしたということがあります。だから獣脚類が2本脚で歩いてた、前脚が使えたということが翼の起源になっていくので、そうやって竜盤類から鳥へ進化したという流れかな。」
K君「はい。」

小林先生「2番目の質問。“デイノケイルスはなぜ巨大化したか”だけど、あの時代って、ティラノサウルスとかタルボサウルスとか巨大な超凶暴な恐竜がいっぱいいたでしょ?」
K君「はい。」
小林先生「エサになったのが、やっぱりダチョウ型恐竜だったのよ。例えばガリミムスがタルボサウルスに食べられてた証拠があるんだけど、そういう意味ではダチョウ型恐竜は恐竜の格好の餌食になっていて、どうにかして逃げなきゃいけない、または守らなきゃいけないということで、”速く走るぞ!”ってなったのがダチョウ型恐竜なんだよね。襲われても逃げ切れるようになるべく速く走る。今の動物界でもそうだけど。」
K君「はい。」
小林先生「デイノケイルスは、“走るの嫌だから大きくなっちゃえ!”。大きくなればそれはそれで、襲われないためのメチャクチャ最強の武器になるのよ。」
K君「はい。」
小林先生「だからデイノケイルスは速く走って逃げるよりも、体を大きくしちゃって、タルボサウルスとか当時の怖い恐竜から身を守っていたということがあります。
なぜかというのは…気まぐれです。分かりません。それは進化の流れなので、“なぜ?”って言われると分からないんだけど、恐竜によって違う戦略というか、違う方法で自分の身を守ったというのがあると思います。」
K君「はい。」

小林先生「で、最後の質問。先生の好きな恐竜。(笑)好きな恐竜たくさんあるんだけど、カムイサウルスは名前がカッコいいよね? …我ながらと言っては何だけど(笑)カッコいいよね? 先生もカムイサウルスは大好きですが、まだ他にも好きな恐竜がいます。」
K君「はい。」
小林先生「今はねぇ…やっぱり先生は獣脚類が好きなんだよね。K君も好きでしょ?」
K君「はい。」
小林先生「特にね、やっぱりアジアの恐竜が好きです。アキロバートルとか、ギガントラプトルとか、テリジノサウルスとか、あの辺が好きですね。今、一生懸命発掘したり研究して、また新しい事実をみんなに伝えようと頑張ってるので、また乞うご期待で。」
アナウンサー「おお~、今年もビッグニュースがありそうですか?」
小林先生「そうですね、今年はティラノが何を食べてたみたいな、大きいニュースが出るかもしれない。」
K君「はい。」
小林先生「だから恐竜は面白いから、カムイサウルスもそうだし、カムイサウルスの時代ってティラノサウルスの時代だから、やっぱりメチャクチャ面白いの。だからK君、むかわ町ってそういう意味ですごいんだよ。ティラノサウルスの時代が語れる所はむかわ町なんだよ。」
K君「はい。」
アナウンサー「ほおお、白亜紀の…」
小林先生「カムイサウルスは白亜紀の終わりなので、ティラノサウルスが生きていたまさにその時代の恐竜なので。しかもあれだけすごい標本が出てきたのは日本でもむかわ町だけなので、K君は自慢してください…と言ってもクラスはみんなむかわ町の子なので(笑)、自慢してもアレなんだけど、みんなに教えてあげてください。カムイサウルスがどれだけすごい恐竜か。あと、頑張ってティラノサウルスの化石を見つけようよ。」
K君「はい。」
アナウンサー「小林先生は北海道にいらっしゃるから、もし何か怪しい化石じゃないかと思ったら小林先生の所に持って行けば…」
小林先生「むかわ町にはよく行くので、また講演とかやる時があったら、来て、いろいろ話をしよう。」
K君「はい。」
小林先生のお話は「一緒に見つけよう」「また行くから話そう」とか距離を縮めてくれるからファンのお子さんたちには嬉しいよね。実際に講演もしてくれるし、去年はK君を壇上に上げてくれるし。

アナウンサー「ちなみに小林先生、アキロバートルとかギガントラプトルが好きと仰いましたけど、どんなところがお好きなんですか?」
小林先生「モンゴルでかなり大きくなった恐竜なんですよね。ギガントラプトルなんてのも変わったオウムみたいな恐竜なんですけど、メチャクチャ大きくなったり。アキロバートルも肉食の恐竜なんですけど、ティラノサウルスは有名な恐竜ですけど、それぐらい大きくなった、また違う恐竜なんですよね。かなり凶暴なんですけど、そういう大きい獣脚類の発掘をして、新しい標本をどんどん手に入れているので、いっぱい謎があるので、それをこれから紐解いていきたいと思ってます。」
アナウンサー「以前、恐竜スペシャルの時にも伺いましたけど、見つかっている恐竜の標本は、いたであろう恐竜の全体像からすると、本当にごくわずか…」
小林先生「ごくわずかですね。僕が去年とか新しく発見した恐竜もいっぱいあるので、これからどんどん未知の恐竜を発表していきたいと思ってます。」
アナウンサー「K君、先生のお話で聞いてどうですか? 他に聞いてみたいことはないですか?」
K君「1つできたんですけど…。」
小林先生「(笑)」
アナウンサー「どうぞ。」
K君「なぜ、“もしも現実に今の時代に恐竜がいたら”みたいな図鑑を監修したのかが…」
小林先生「なぜ監修したのか?」
K君「はい。」
小林先生「そういうのを想像するって、やっぱり面白くない? 今はいなくなっちゃったけど、恐竜って昔は本当に生きてた生物、同じ動物なんだよね。僕らが動物園に行ってゾウを見たりライオンを見るような感じで、恐竜も何千万年前の昔の話なんだけど、本当にこの地球上に住んでた動物たちなんだよね。だから、そういう動物たちがもし今の、現代に住んでいたらって想像すると面白いと思わない?」
K君「はい。」
小林先生「例えば恐竜と人間は共存できたか、みたいな。そんな想像すると面白いなと思うんだけど。」
K君「はい。」
アナウンサー「想像も膨らみますし、見つかったわずかな痕跡から推理していくというか、探偵みたいな要素もあるし、面白いですよね。」
小林先生「そういう意味では今生きている動物がすごく参考になるので、恐竜だけじゃなくて、動物園に行ったりすると恐竜のヒントがたくさん隠されていたりします。」
成島先生「僕から質問していいですか? 鳥盤類は鳥のような骨盤で、竜盤類はトカゲのような骨盤を持っているという意味合いですよね? それで何で…先ほどの説明でもありましたけど、鳥盤類から何で鳥が生まれなかったのか。」
小林先生「あれは他人の空似…(笑)。当時は鳥に似てると思ってたんですけど、その時はまだ化石が足りなかったので鳥の骨盤としたんですけど、化石がたくさん見つかってくると実は単に他人の空似で、トカゲの骨盤の方から鳥に進化したと分かってきた。でも、昔つけた名前が残ってるので鳥盤類…ちょっとややこしい(笑)。」
成島先生「そうですよね、だから僕なんか、単純に鳥盤類から鳥が進化すべきだと思ってたんですけど(笑)。」
小林先生「1回つけられた名前はなかなか変えられないので、今でも残ってるという感じですかね。」
アナウンサー「それでK君も疑問に思って質問してくれました。」
成島先生「ありがとうございます。」
私も謎に思ってたことです。恐竜と鳥の関係に興味が出て本を読んでみると、まずここでモヤモヤ。成島先生質問してくれてありがとうございます!

アナウンサー「お話は尽きませんがK君、分かったかな?」
K君「はい。」
アナウンサー「きっとまだまだ小林先生に聞きたいことがあると思いますが、むかわ町にいらっしゃることがこれからもあるそうなので、ぜひいろいろ聞いてみてくださいね。」
K君「はい。」
アナウンサー「化石クラブの活動も頑張ってね。発見を楽しみにしてます。今日はどうもありがとう。」
小林先生「じゃあね。」
K君「ありがとうございました。」

Q6 恐竜は風邪ひくんですか?(4才女子)

成島先生「(笑)かわいい。」
このお子さんもガラガラの鼻声っぽいし…風邪かな、緊張とか部屋の乾燥もあるかもしれないけど。

アナウンサー「恐竜は風邪をひくのかどうかということね。○○ちゃんは恐竜が好きなの?」
質問者「お兄ちゃんが好きなんです。」
アナウンサー「お兄ちゃんが好きで○○ちゃんも好きになったんだ? どうして恐竜も風邪をひくのかなって疑問に思ったの?」
質問者「………」
アナウンサー「○○ちゃんは風邪ひくことある?」
質問者「あります。」
アナウンサー「風邪をひくとどうなっちゃう?」
質問者「咳をしたりして、鼻水とかしてます。」
アナウンサー「そうだよね、咳や鼻水が出るから、恐竜もそんなことあるのかなって思ったのね?」
質問者「うん。」
小林先生「風邪…ひいてたかな? 恐竜が鼻水を流してたと思う? ○○ちゃんどう思う?」
質問者「……うん。」
小林先生「ひいてたと思う?……分かんないか。」
質問者「鼻水出たりしてますか?」
小林先生「あ、そうか。えーとね、恐竜が、○○ちゃんや僕ら人間が風邪をひくようにひいたかひいていないか。……答えを言います。まず先生の思う答えを。○○ちゃん、いい?」
質問者「うん。」
小林先生「たぶん、ひいていたんじゃないかな、ひくことはあったんじゃないかなと思います。」
質問者「うん。」
小林先生「恐竜が風邪をひいた化石はないんだよね。さすがに。」
成島先生「(笑)」
小林先生「じゃあ何で風邪をひいたと思うかというと…○○ちゃん、いい?」
質問者「はい。」
小林先生「今生きている動物を見ると…ウイルスって分かる? 風邪をひく原因みたいなものなんだけど、ウイルスって聞いたことないかな?」
質問者「分かるよ。」
小林先生「おっ、すごい(笑)! ウイルス分かるんだ! じゃあそのウイルスに…感染って分かるかな? うつる、風邪がうつるみたいな。」
質問者「分かる。」
小林先生「分かるか、そうか。そういうウイルスがうつるのは、鳥とか爬虫類にもみられます。」
質問者「うん。」
小林先生「恐竜は爬虫類。鳥に進化していくんだけど、先生はおそらくウイルスがうつることはあったと思います。…いい?」
質問者「分かりました。」
小林先生「ただ、くしゃみをしたとか、鼻水を流したっていうのは…毎度申し訳ないですけど、(笑)成島先生どうですか? 今の動物はくしゃみとか鼻水とかあるんですか?」
成島先生「爬虫類はやっぱり同じような症状を出すんですね。鼻水を出したり咳をしたり、あるいはくしゃみをしたり。原因は必ずしもウイルスだけじゃないんですね。細菌の場合もあるし、気温が合わなかったとか、何か化学的な物質でとか、鼻の粘膜が病気になっちゃって、その結果、風邪みたい症状が出るということで。風邪って言うけれども、症状の全体を言うので、病気はいろんな原因があるんですよね。だからウイルスだけでなくて細菌かもしれないし、あるいは他の原因かもしれない。ただ、そういう熱が出たり鼻水が出たりする症状を風邪だとすれば、小林先生が仰るように、私もおそらく恐竜は風邪をひいただろうと思います。」
小林先生「○○ちゃん、なので、恐竜を知る時には、いろんな動物をいっぱい見ると分かるんだけど…」
電話の切断音「プー、プー、…」
小林先生「切れちゃったかな。」
アナウンサー「今生きている動物から…」
小林先生「そうですね、今生きてる動物を観察すると、恐竜もおそらく風邪をひいていたんじゃないかと。」
成島先生「そう思いますね。」
アナウンサー「あんな大きな体でクショァーン!なんて(笑)。」
小林先生「(笑)そうやって想像すると面白いですね。」
アナウンサー「今は電話をつなぎ直してるかな?」
成島先生「風邪をこじらすと肺炎になりますよね? おそらく恐竜も肺炎を起こしたと思いますよね。私も少ない経験ですけど爬虫類を解剖していて、肺炎の炎症が起きているのを見たことがあります。」
小林先生「ほんとですか、じゃあ恐竜も風邪で苦しんでたのかもしれないですね。」
アナウンサー「○○ちゃん? もしもーし○○ちゃん? 聞こえるかな?」
質問者「はい。」
アナウンサー「よかったぁ。さっき切れちゃってごめんね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「ということで、今生きている動物から想像すると、恐竜も風邪のような症状でくしゃみをしたり鼻水を出したりしたことがあったんだろうという小林先生の…」
小林先生「いや、成島先生のヘルプがかなり…(笑)なんですけど、そう思いますね。」
電話の切断音「プー、プー、…」
アナウンサー「ごめんなさい、また切れちゃったかな。でもきっと分かってくれたと思います。」
電話が繋がるまでの先生方のちょっとしたお話も「へええー!」ってなることばかり。

Q7 足の皮が剥けました。育てられますか?
  (小3男子)

アナウンサー「えーと、何を育てられるっていうことかな?」
質問者「足の皮。」
アナウンサー「皮を。…育てるっていうのはどういうことかしら?」
質問者「…んとね、…飼育するっていうか…飼うっていうか…」
成島先生「飼育する(笑)。」
アナウンサー「皮を培養するみたいなイメージ?」
質問者「はい。」
アナウンサー「ほうほう、なるほど。どうしてそういうことを思ったの?」
質問者「…えっとね、スポーツチャンバラっていうスポーツをやってて、たまたま足の皮が剥けちゃって、……これも自分なのかなって思って。」
アナウンサー「剥けた皮を見て、これも自分なのかなと。そしたらまだ生きていて、培養することができるかな?ってことなのかな?」
質問者「はい。」
自分かと思えるほど大きく剥けちゃったんだろうか。剥けた皮を見てたら愛着を感じるようになったとか?

成島先生「○○君の足の皮が剥けた時は血が出た?」
質問者「いや、血は出ませんでした。」
成島先生「そうか。足の裏の皮って厚いでしょう?」
質問者「はい。厚かった。」
成島先生「血が出れば、新しい皮膚の細胞があると思うけれども、そうでない時はもしかしたら、死んだ皮膚の細胞の塊かも分からないんだよね。死んでしまった皮膚の塊の場合は栄養を与えても、たぶん入ってこないと思います。君の言葉で言えば“育てる”と言いますね。僕たちの言葉で言えば“培養”と言うんですが、培養することはできないと思います。
ただ、そこに生きてる細胞があれば、原理的には培養することができます。実際、例えば火傷をして皮膚がたくさんなくなっちゃう場合がありますよね?」
質問者「はい。」
成島先生「そういう時に、自分の体の他の部分から皮膚を持ってきて…生きてる皮膚だよ。培養して大きくして、それをケガした部分に貼って治すということが、実は行われているんですね。だから、きれいな条件でちゃんとした細胞が分裂できる条件を与えてあげれば、培養することができます。
ただ、お家でやる時はけっこう大変だと思うな。空気の中にもいろんなばい菌がいるわけですよね?」
質問者「はい。」
成島先生「ばい菌がいると、培養してるとばい菌が落ちてきて、“これは良い栄養素だ”と思って食べちゃうんだよね。腐っていっちゃうわけ。だから、滅菌…ばい菌がいない条件の中で、薄ーく切った細胞を培養液の上に置くんだよね。そうすると少しずつ少しずつ細胞が分裂していって、大きくなっていくの。」
質問者「うん。」
成島先生「でもそれは研究室みたいな所でないと難しいと思うな。○○君ちのようなふつうのお家では、そういうことをやるのはとっても難しいと思います。ただ原理的にはできます。」
質問者「ふううん。」
成島先生「育てるというよりは、今日せっかく質問してくれたので、“培養”という言葉を覚えてくれますか?」
質問者「はい。」
成島先生「細胞を培養すると、細胞が分裂…分裂って分かりますか?」
質問者「はい。分かれる。」
成島先生「そうそう、分かれて大きく増えていくことだよね。細胞が分裂していって、大きな細胞の層になっていくんだよね。」
質問者「うん。」
成島先生「そういうことはできて、実際に現代の医療では使われています。」
質問者「そうなんだ。」
成島先生「すごいよね。」
アナウンサー「ただし、今のお話ですと無菌状態の条件の整った環境の中でないと、培養は難しいということですね?」
成島先生「細胞分裂できるような栄養がある培地がないと難しいですよね。」
質問者「そうなんだ。」
アナウンサー「でも、スポーツチャンバラをやっていて、皮が剥けたところから面白いところに気づいて、発想しましたね。」
成島先生「そう、よく…すごいね。で、足は治った?」
質問者「まだ治ってません。」
成島先生「まだ治ってないのか!」
やっぱりけっこう剥けちゃったんだろうか。足の裏痛そう…。

アナウンサー「早く治るといいね。先生のお話を聞いてどうでしたか?」
質問者「人の家では皮は培養できないけど、特別な所でしか培養できないってことが分かりました。」⇦「培養」をしっかり使ってくれた!素晴らしい。
アナウンサー「○○君は体のこととか興味があるのかな?」
質問者「…んとね、あんまりないです。」
先生方「(笑)ハハハハ」

質問終わり~先生方から一言
成島先生「いやあ、動物が専門なんですけど、人の医学まで踏み込んでいって…。あと小林先生がいろいろ僕に振るんで…」
小林先生「(笑)ハハハハ…すいません。」
アナウンサー「(笑)逆に成島先生が小林先生に質問をされる場面も。」
成島先生「そう、憧れの小林先生に質問できて、良い場所にいたなと思いました。ありがとうございます。」
アナウンサー「もともと獣医でいらっしゃるということで、いろんな角度からお答え頂きました。」
「憧れ」って成島先生もファンだったの? 科学の藤田先生は毎回いろいろ過ぎる角度からお答えしているよなぁ。

小林先生「今日は手強い質問が…どこのお肉がおいしいとか風邪とか図鑑の表紙とか…今日は成島先生がいてくれたので(笑)、心強かったので…やっぱり恐竜の研究も今生きている動物と変わらないので、興味のある子は動物園とか水族館に行って、生きてる姿を見て恐竜を想像してもらえればいいなと思いますね。」
成島先生「そうですよね。」
アナウンサー「今日は何度も仰ってましたけど、実際に小林先生も動物園とか水族館に行って、他の生き物を観察されたり…」
小林先生「やっぱりそういう目で見ちゃいますよね。鳥を見たら恐竜がどうだとか、他の動物を見ても恐竜の参考になる部分って多いので、非常に楽しいですね。」
成島先生「僕は反対に博物館に行って、“こんなふうにして今の哺乳類や鳥類になってるんだな”と思いを新たにしているんですよね。」
アナウンサー「成島先生も北海道大学の総合博物館にいらっしゃったと仰ってて…」
成島先生「ええ、この間行ったばかりで、いやぁ素晴らしい博物館で。」
小林先生「ありがとうございます。」
成島先生「ここで先生が研究されてるんだと…。」⇦確かにファン的な連想。
小林先生「(笑)そうですね。」
アナウンサー「生きているものと、生きた痕跡。いろいろ見るといろんな角度から新たな疑問も湧いてきて、それが研究の対象になると。」
成島先生「命は連綿と繋がってるわけですからね。」
なんて素晴らしい締めくくり!

アナウンサー「ちょっと先になりますが、2月2日は恐竜と、それから初登場になります岩石・鉱物。この2つのジャンルの質問にお答えします。
この恐竜の岩石・鉱物というのも、やはり地層でつながっているというか、関係性が…」
小林先生「そうですね、地層は過去に戻れる1つの方法なので、それもまた違った見方で面白いと思うんですけど、2月2日ですか、非常に楽しみですね。」
アナウンサー「関係性も深そうですので、興味深い回になると思いますし、図鑑を本屋さんで見ると、岩石・鉱物の図鑑もあるので、詳しいお友だちもいっぱいいるかもしれません。」
成島先生「表紙は何でしょうね?…(笑)」
小林先生「ああ、興味ありますね(笑)。」
こういう会話楽しい!成島先生素敵!

子ども科学電話相談1/12(植物、鳥) とりとめのない感想

1/12のジャンルは
 植物 塚谷裕一先生
 鳥  川上和人先生

新年最初のレギュラー放送、この日はいつもより30分余り遅れて10:38スタート。

アナウンサー「塚谷先生は冬休みはどうでしたか?」
塚谷先生「今年は暖かかったし、晴れた日も多かったので、穏やかに過ごせましたね。」
アナウンサー「先生の植物園は何か新しくなったことがあったんですよね?」
塚谷先生「はい、通称では小石川植物園というんですけれども、公開している大温室が昨年の秋に新装オープンしまして、今までより4倍ぐらい広くなって…」
アナウンサー「4倍! おお…。」
塚谷先生「今までは人がすれ違うのが不可能というような狭い所を、何とか緑の中をくぐり抜けるみたいな感じだったんですけど、今回は広々と、いろんな植物を見て歩けるようになりました。」
アナウンサー「植物の種類とか数もずいぶん増えたんですか?」
塚谷先生「そうですね、見て頂けるものがずいぶん増えましたし、今、外は寒いですけど、温室の中は暖かくて明るいので、ぜひ楽しんで頂ければと思います。」
アナウンサー「へええ、行ってみたいですね。」
塚谷先生「ぜひぜひ。」

アナウンサー「川上先生はNHKの番組の取材で、去年、島にいらしたんですよね?」
川上先生「去年、西之島という島に行ってきました。」
アナウンサー「どんな島なんですか?」
川上先生「この島は2013年から噴火をしていて、新しい大地が出来上がっていて、その新しい所にどうやって生物が住み始めるかを調べているんですけれども、しばらく噴火が落ち着いていたので、去年の9月に調査のために上陸することができました。ただ、12月からまた噴火が始まってしまって…」
アナウンサー「えええ……」
川上先生「僕らが9月に調査した場所も溶岩に埋まってしまったり、僕が置いてきたカメラとか録音機が溶岩に埋まってしまったこともありまして(笑)…」
アナウンサー「うわあ(笑)……」
川上先生「それがちょうどお正月と重なる時期にたくさん溶岩が出ていたみたいで、年明けの情報を見てみると、“ああ、ここも埋まっちゃったかな”というのがどんどん増えていて(笑)、いつ次に調査に行けるのか若干ドキドキしています。」
アナウンサー「まさに生きている島ということですね。」
川上先生「そうですね。調査をしていると生態系が変化するとか、生物相が変わっていくことはよくあるんですけれども、調査地そのものが大きく変化してしまうというのはなかなかないことなので、大変ではあるんですけど、何が起こるか分からない面白さはありますね。」
アナウンサー「放送は今日ですね。」
川上先生「あっ、そうですね。今日の夜…」
アナウンサー「サイエンスZEROEテレで今夜11時30分から。まだ埋まってない所の…(笑)」
川上先生「まだ埋まる前のシーンが見られると思いますので、ぜひご覧頂ければと思います。」
以前に川上先生が真っ黒に焼けて出られた時に話していた件かな? 放送当日に宣伝のためにご出演か。
https://aserazu-sawagazu.hateblo.jp/entry/2019/10/11/154625

サイエンスZERO」2週連続の西之島特集、せっかくなので見たよ。12月の「サイエンススタジアム2019」のトークショー的なイベントを放送してた。カツオドリが意外にいっぱいいて、ないない尽くしの土地に適応しようとしてたのに、調査隊が変化を見るために紐だかテープで区切ったエリアも、川上先生が設置した機材も、新たな噴火で今はもう無いものに。儚いというか、貴重な瞬間を見られた。

Q1 木はなぜ秋になると紅葉するんですか?
  (小4女子)

アナウンサー「○○ちゃんは去年の秋に紅葉を見て不思議に思ったのかな?」
質問者「はい。」
アナウンサー「“こんな理由かな”って自分で思っていることは何かありますか?」
質問者「んー…あんまりないです。」
アナウンサー「木はどんな色に紅葉してました?」
質問者「黄色とか赤い色とか、あとは…茶色…」
アナウンサー「茶色っぽくなってる木もありましたよね。では塚谷先生に答えていただきます。」
塚谷先生「ふだん見ている木で、赤くならないやつもありますよね?」
質問者「はい。」
塚谷先生「どういうものを知ってますか?」
質問者「んー…あんまり分かんないです。」
塚谷先生「今ちょうど冬だから、サザンカとかツバキが花が咲いてると思うんですけど、あれって葉っぱが落ちなくて緑色のままですよね?」
質問者「はい。」
塚谷先生「ああいうのを常緑樹って言いますけど、常緑樹はわりと赤くならないんですけど、○○さんが言うように秋に葉っぱが落ちるタイプの落葉樹は、色が変わるやつが多いんですよね。
なぜ?というのは、いろんな答え方がありますけど、“何でそうならなくちゃいけないか”という意味だと、誰も答えを知らないです。“どうして赤くなったり黄色くなったりできるか”という仕組みの方は、いろいろ調べられてて答えられるんですね。」
質問者「うーん…。」
塚谷先生「黄色くなるものと赤くなるものがあるでしょう? 黄色い方は実は簡単なんですよ。というのは、葉っぱはふだん緑色をしてるじゃないですか? あれは実は緑色と黄色が混ざった色をしているんですよ。」
質問者「あぁ…」
塚谷先生「葉っぱの中にはもともと緑色のクロロフィルっていう光合成するための色と、あとカロチノイドっていう黄色いタイプの色をふだんから持ってるんですね。」
質問者「ふううん!」
塚谷先生「冬になって葉っぱを落とそうと思った時に、植物はもう光合成をしないので、光合成するためのクロロフィルは要らないから、分解して回収するんですよ。」
質問者「はあ…。」
アナウンサー「○○ちゃんは光合成って習ったかな?」
質問者「はい。」
塚谷先生「光合成するためのクロロフィルって、すごくコストがかかっているのと、クロロフィルを細胞…植物の体の中で安全に保つために、いろんな装置を使っていて、キープするのがけっこう大変なんです。だから葉っぱを落とす前にみんな分解して回収しないともったいないのね。だから冬になる前に、葉っぱは緑色をまず回収します。そうすると黄色が残るじゃないですか?」
質問者「はい。」
塚谷先生「なので、放っとくと黄色になるんですよ。だから野菜も、冷蔵庫にほっぽり放しにして忘れていると(笑)、黄色くなるじゃないですか?」
質問者「ああ!」
アナウンサー「ああ……。」⇦私にも思い当たる節がいっぱいある! 特に菜っ葉系! 葉緑素は分解されちゃうのか…って、冷蔵庫の野菜のどこに回収されるんだ? そもそも何で葉っぱに黄色があるかも分からないけど。
塚谷先生「ね? 葉っぱは緑色がだめになると黄色くなるのが基本なんです。」
質問者「はああ…。」
塚谷先生「だから黄色く黄葉するのは簡単なんですね。緑を回収すればいい。
赤くなるのは面倒くさくて…そのままだと黄色いので(笑)、わざわざ赤い色を作らなくちゃいけないんですよ。どうして作るかというと、光合成で作った糖分が体の中に溜まってて、寒くなって体の中にいろんなものを回収するんだけど、糖分がわりと溜まっちゃうんですよね。それを材料にして赤い色を作れるの。…ていうか作る仕組みがもともとあって、植物は体の中に糖分が溜まりすぎると赤くなるんですよ。」
質問者「はああ…。」
塚谷先生「それは大概アントシアニンなんですけど、冬になって甘くなる野菜って根元が赤いじゃないですか?」
質問者「あああ…」
アナウンサー「ほうれん草とか。」
塚谷先生「ほうれん草は実はベタシアニンなのでちょっと違うんですけど…(笑)」
川上先生「(笑)」
植物の世界も奥が深い。

塚谷先生「植物はわりと、甘くなると赤い色素を作る性質があって、それもあって葉っぱの中で赤い色を作っちゃうと赤くなる。」
質問者「はああ…」
塚谷先生「なんですけど、“わざわざ赤いものを作って何かメリットがあるの?”、“何でそんなことするの?”っていうと、誰も答えを知らない。」
質問者「ふうううん。」
塚谷先生「秋にモミジとかカエデ、いろんな木を見比べると、同じ種類なのに黄色く黄葉するカエデと、赤く紅葉するカエデがいるんですよ。同じ種類でも黄色くなるのも赤くなるのもいるので、赤くならなくちゃいけないわけじゃなさそうなんですね。」⇦塚谷先生は植物に「ある」じゃなくて「いる」を使うの興味深い。
質問者「そうか……。」
塚谷先生「そこが不思議で、昔からいろんな研究者が“これに違いない”って説を唱えてはいるんですけど、証明されたことがないので、まだ本当の答えは誰も知らないということになります。
あと茶色くなるのもその延長で、放っておいたら黄色くなるんですけど、黄色くなるものも回収して、早々と葉っぱの組織を…中身を回収しちゃって、きれいさっぱりしちゃうと、木の枝と同じで、茶色くなるということになります。」
アナウンサー「なるほど。茶色くなったり黄色くなったりするのは分かるけど、なぜわざわざ赤くなるのかについてはまだ…」
塚谷先生「そうです。黄色くなるのは分かるんですけど、わざわざ赤い色を作らなくてもいいんじゃない?と思うんですけど。」
アナウンサー「へええ…。○○ちゃん、先生からいろいろ説明があったけど、分かりましたか?」
質問者「はい。」

葉っぱの紅葉の話は何度か聞いてるけど知らないことばかり。

Q2 渡り鳥は飛ぶのに2キロ食べると聞いていた
  のですが、何でそんなに食べるのに体の中は
  空洞なんですか?(小1男子)

質問者「ななねんせい…いや、1年生です…(笑)」⇦照れてる様子がかわいい。
アナウンサー「(笑)1年生だね? 7才なのかな?」
質問者「はい。」

アナウンサー「渡り鳥が長い旅行をする前に、2キロ食べる? それはテレビで見たり図鑑で読んだりしたの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「だけど○○君としては、そんなにいっぱい食べるのに、どこに行っちゃったんだろうって思うわけ? 体の中が空洞だっていうのはそういうこと?」
質問者「はい。」
川上先生「はい、どうもこんにちは川上でーす。鳥はたくさん食べるのに、何で体の中に空洞の部分があるのかということなんですけれども、たくさん食べても、食べたものが全部自分の体重とか体にくっつくわけじゃなくて、糞をするので、その一部が体の栄養になるんだよね。」
質問者「はい。」
川上先生「でも、確かに体の中に空洞を置いとくよりも、たくさんエネルギーを置いといた方が良いように感じるけれども、何でかを考えてみようね。」
質問者「はい。」
川上先生「空を飛ぶというのはすごい大変なこと、運動がすごい大変なことなんだけれども、○○君は走った時に体はどんな感じになる?」
質問者「熱い。」
川上先生「熱い! すごく良い答えだねえ。熱くなるでしょう? 実は熱くなるのと関係があります。暑いと体はどうなっちゃうかな?」
質問者「……んー…」
川上先生「○○君は熱い時、体はどうなってる?」
質問者「えーっと……」
川上先生「汗かいたりしない?」
質問者「はい。」
川上先生「そうだよね、人間は汗をかくことによって体の外に熱を逃がすことができます。でも、鳥が汗をかいてるところを見たことないと思うけど、実は鳥は汗をかくことができません。
体の中に空洞があるというのは、難しい言葉だけど気囊(きのう)という部分なんだよね。この気囊というのは、…○○君は息をしてるよね?」
質問者「はい。」
川上先生「その吸った空気はどこに行くか分かりますか?」
質問者「…いや。」
川上先生「胃ではなくて肺という場所があって…」
質問者「はい?」
川上先生「そう。肺という所に…」
質問者「あ、知ってます。」
川上先生「知ってる? よかったよかった。その肺に入っていくんだけれども、実は鳥の気囊というのは、この肺につながっている部分なんだよね。吸った空気が気囊に入って、それがまた肺に行って…実は気囊はたくさんあって、だいたいの鳥には9つあるんだけれども、それが体の中にあることで体の外に出せない熱を…体が熱くなった時に冷まさなきゃいけないから。冷ます時にフーフーって風を送ったら冷めるよね?」
質問者「はい。」
川上先生「体の外側だけで冷ますんじゃなくて、実は体の内側からも冷ましていると言われています。冷ますためには、体と空気が接している場所がたくさんあると冷ましやすくなるんだよね。だから、体の中に空洞がいっぱいある理由の1つは、熱を体の外に逃がすためと言われています。飛ぶというのはすごく大変な作業だからこそ、体の中に空洞を作って熱を逃がしているということなんだよね。」
質問者「はい」
川上先生「実は他にも重要な役割があって、呼吸をしやすくするということもあるんです。走った時って息がゼーゼーハーハーしちゃうよね?」
質問者「はい。」
川上先生「そういう時に空気を体の中に入れて、肺に送りやすくするためにも気囊という袋が役に立っていると言われています。だいたい分かってきたかな?」
質問者「はい。」
川上先生「飛ぶのは大変だからこそ、鳥にはそういう気囊があるんだっていうことを覚えておいてください。」
質問者「はい。」

気囊は浮き袋的な役割だけかと思ってたら、熱を逃がしたり酸素をたくさん取り込む役割もあったのか! しかも9個。あんな小っさい体の中に? ほんとに飛ぶための体なんだな。川上先生の話を聞くと、飛ぶのは大変っていつも感じさせられる。

Q3 しょくぶつってどうやって出てくるの? 
  …お花だお花。(6才女子)

アナウンサー「植物のお花がどうやって出てくるのかを知りたいんだ?」
質問者「うん。」
アナウンサー「○○ちゃんはどんなお花が好きですか?」
質問者「バラ!」
アナウンサー「どうしてバラが好きなの?」
質問者「だっていっつも焼き肉屋に行くと、お肉がバラみたいに巻かれているから。」
塚谷先生「(笑)フッフッフッフッ…」
さすがの東大教授にもこんな理由は想像できまい。バラが好きって聞いて、最初はおしゃれなお家に住んでるお嬢ちゃんを想像したのに。

アナウンサー「(笑)そっかぁ。焼き肉屋に行くと確かに、ピンクみたいな赤みたいなバラの形に巻かれているもんね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「バラも好きだけど焼き肉も好きなのかな?」
質問者「うん! 焼き肉はママとパパと△△と○○がいっぱい大好き。」⇦焼き肉一家!
アナウンサー「いっぱい大好きなんだぁ、でも質問はバラのお花のことだね?」
質問者「うん。」
塚谷先生「“どうやって”というのはどういうことかな? どんな感じ?」
質問者「バラってどうやって伸びていくの?」
塚谷先生「どうやって伸びてくるか? 蕾から花が咲く感じかな?」
質問者「うん。」
塚谷先生「なるほどね。いちばん好きな焼き肉…じゃない(笑)、花は何?」
質問者「バラ!」
塚谷先生「やっぱりバラなの?」
質問者「うん。」
塚谷先生「バラの蕾は見たことありますか?」
質問者「バラの蕾ってなあに?」
塚谷先生「ないのかぁ。花屋さんで…」
質問者「あるって!」⇦周りの大人から「あるでしょ」なんて言われたのかな?
塚谷先生「あるのね(笑)。花屋さんで買ってきたバラを見たことがあります?」
質問者「花屋さんでは、バラは買ったことはないけど、見たことはある。」
塚谷先生「うんうん。バラの最初の頃って、花がきれいにまとまって…花びらが重なってるじゃないですか? 中が見えないでしょ?」
質問者「うん。」
塚谷先生「バラの花の中って見たことあるかな?」
質問者「ない!」
塚谷先生「基本的にあの状態ってまだ蕾なんですよ。これから開くの。」
質問者「ひらく。」
塚谷先生「うん。今度バラを買ってきて、活けてみて、ずーっと見ててもらうといいかな。そうすると花びらが次第に外側からめくれてきます。」
質問者「へえええ?」
塚谷先生「バラの花って外側に緑色の萼(がく)というところがあって、それから黄色とか赤とかピンクの花びらがまとまってくっついてるじゃないですか。あれが次第に外側からめくれてきて、花びらの中が見えてくるんですよ。中に雄しべと雌しべが隠れてて、それが開いてくるので、花瓶に挿した状態で毎日見てもらうと、その変化が楽しめると思いますよ。」
質問者「うん。」
塚谷先生「そうすると花の正体が見えてくるので、今度、中の雄しべのところを見てもらうと、まるっきり外と違うものだなあというのが分かってくると思います。」
質問者「うん。」
塚谷先生「その時は水をあげないと開かないので、分かるように、実は水を吸って膨らんでいるんですよ。」
質問者「へええ?」
塚谷先生「蕾は初め硬いんだけど…バラの蕾を今度そーっと触ってみると硬いんですよ。だけど開いてから触ると柔らかいです。だから初めは水があまりない状態で硬く蕾になってるんだけど、水を吸って膨らんできて、そのおかげで反り返ってきて開くんですね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「バーって開くのは、中の雄しべ雌しべを見せるためというか…」
塚谷先生「そうですね、外に開くということですね。」
アナウンサー「じゃあ、私たちが“咲いたな”って言ってるのは、まだ蕾の状態ということが多いですかね?」
塚谷先生「うん、まだ蕾の状態。」
アナウンサー「○○ちゃん、それでいいかな? お水が必要なんだって。」
質問者「うん。」
アナウンサー「今度、小さなバラでもいいから、1輪お母さんに買ってもらって、お水に入れて観察してみると、焼き肉のバラとはまた違う変化が見えるかもしれないね。」⇦すごいまとめ方!
塚谷先生「(笑)」
質問者「うん。やってみます!」
焼き肉パワーのおかげか元気で楽しいお子さんだった! バラの形のお肉からこんな質問が出てくるとは。縁は異なもの。

Q4 どうして鳥は魚を獲る方法を知っているの
  か?(小4男子)

アナウンサー「なぜ○○君はこれを不思議だなと思ったの?」
質問者「人間だったらママとかに教えてもらってるけど、鳥は教えてもらってないんかなって。」
アナウンサー「お母さん鳥が教えてくれないんじゃないかっていうことね?」
質問者「はい。」
川上先生「はい、どうもこんにちは川上でーす。魚を食べる鳥ということだけど、どんな鳥のことを見てそう思ったの? 何でもいいの?」
質問者「んと、…動物のDVDで鳥が出てきて、その鳥が捕まえてたから。」
川上先生「そうかそうか。魚を食べる鳥っていうと、よく見るものだとサギの仲間。サギって分かる?」
質問者「うん。」
川上先生「シラサギと言われてるコサギとかダイサギとかは、身近で魚をよく獲る鳥だと思うんだよね。
じゃあ、○○君がある日目が覚めて、自分が鳥の雛になってた。…っていうところを想像してほしいんだけれども。」
質問者「はい。」
川上先生「しかもすごくお腹が空いている。その時に何か食べなきゃいけないわけだけど、何が分かってないと食べることができないと思う?」
質問者「…んー…うーん…分かってないと…」
川上先生「例えば、そこに石があったからって石を食べちゃったら大変だよね?」
質問者「うん。」
川上先生「ということは?」
質問者「うーん…食べれるものと食べへんものを…」
川上先生「そうそう、その通り。まずは自分が何を食べ物として食べられるかを知ってなきゃいけないよね?」
質問者「はい。」
川上先生「そしてもう一つが○○君が質問してくれた、“どうやって魚を獲る方法を知っているか”。獲り方だよね。この両方が分かってないと、食べ物を獲ることができなくて、お腹が空いて、たぶん死んじゃうことになると思います。」
質問者「はい。」
川上先生「じゃあ、まず鳥の雛は自分が何を食べればいいかを知ってるかな?」
質問者「知らん。」
川上先生「そう。生まれた時はたぶん知らないと思います。でも、鳥が自分で食べ物を獲りに行くまでは、実は時間がある場合が多いんだよね。卵から雛が生まれるよね、その雛はすぐに自分で食べに行かない場合が多いんだけれども、それが育って自分で魚を獲るようになるまでは、どうやって食べ物を食べてると思う?」
質問者「お母さんに食べ物を持ってきてもらってる。」
川上先生「そうだよね! ということは、まず、どういうものを食べるのか、どれが自分の食べ物なのかはそこで学ぶことができるんじゃないかなと思います。いきなり放り出されると何を食べていいか分からないけど、いつも魚を食べる鳥だったら親が魚を持ってきてくれてると思うんだよね。そうすると、“これが食べ物なんだ”っていうことが、学習して分かるようになってくると思います。」
質問者「うん。」
川上先生「じゃあ、次にそれを食べなきゃいけないから、どこでどうやって食べるかになってくるんだけれども、魚を食べなきゃいけないってなった時に、○○君だったらどうする? 自分が今から巣立ちをする雛だと思って。」
質問者「…うーんと、魚を獲りに行く。」
川上先生「そう! どこに行く?」
質問者「川とか海とか。」
川上先生「うん、川とか海に行って魚がいる所を見つけなきゃいけないよね。そういう時に、どこに行けばいいかって、いちばん簡単な方法の1つは、たぶん真似することなんだよね。」
質問者「へえええ。」
川上先生「親とか大人の鳥がいる所に行けば、その鳥はきっとそこで魚を食べてるよね?」
質問者「うん。」
川上先生「だったら、そういうのを真似すると、“ここに行ったら魚がいるんだ”って分かるだろうし、魚を食べることを知ってれば、川とかに行って魚を見れば、“これが食べ物なのかな”って学ぶことができるんだと思います。だから、そうやって少しずつ学習することで魚を獲れるようになっているんじゃないかと思います。」
質問者「はい。」
川上先生「せっかくだからいろいろ見てもらうと面白いと思うけど、サギもいろんな魚の獲り方をするんですよ。○○君は魚をどうやって獲る?」
質問者「えー、爪?」
川上先生「ああ、爪もいいね。」
質問者「あと、ミミズとかを水に置いておびき寄せる。」
川上先生「あ! いいねいいね! いろんな方法があるよね。例えばサギなんかはくちばしで獲るけれども、ミサゴという魚を食べるタカは足でギュッと捕まえるし、ササゴイっていうサギはエサになる昆虫を見つけてきて、それを水の上に置いて、それに寄ってきた魚を捕まえたり。コサギとかゴイサギはくちばしを水面につけてブルブルって動かすんだって。そうすると水の上に波紋ができるの。上から昆虫が落ちてきたりすると波紋ができるよね? そうすると魚は間違ってエサが落ちてきたと思って寄ってくるんだって。そこを捕まえるんだって。
だから鳥もいろーんな魚の獲り方を工夫しているんだけれども、そういうのも自分で学んできたものもあれば、他の鳥がやるのを真似していることもあると思うんだよね。チャンスがあったら、鳥がどうやって魚で捕まえているのかを観察してみると面白いかもしれません。」
質問者「はい!」
川上先生「だいたい分かった?」
質問者「分かった。」
川上先生「よかった。」
アナウンサー「鳥も種類によっていろんな技を持ってるんですね。」
川上先生「そうですね。食べられる側の魚も食べられたくないので、逃げていく…捕まりにくい魚がどんどん増えていくわけですよね。捕まりやすいものはいなくなっちゃうので。知恵比べみたいなことになっていると思います。」
アナウンサー「○○君のお家の近くには川はあるの?」
質問者「ある。」
アナウンサー「そしたら水鳥がいたら観察してみてね。」
質問者「はい。」
川上先生はお子さんに想像させて考えさせるように誘導するの上手いなあっていつも思う。そして、魚が寄ってくる状況を自分で作る鳥がいるのもビックリ。わざわざ魚のエサを用意しなくていいって分かってるのは賢いなあ。

Q5 おじぎ草はなぜ触っていない所まで開くので
  すか? それと、何分ぐらい閉じているので
  すか?(小4女子)

アナウンサー「○○ちゃんはおじぎ草を育てているの?」
質問者「えっと、夏にかき氷を食べに行ったら、おじぎ草も鉢植えが置いてあって、触っていいよと書いてあったので触って、観察してみて思いました。」⇦本物を観察してるけど、このお子さんもきっかけは食べ物屋さんか!
アナウンサー「そうなんですか。触っていない所まで閉じるというのは、どのくらい閉じたの?」
質問者「5センチぐらい。」
アナウンサー「触った所から5センチぐらい遠くの所まで閉じたんだ?」
質問者「はい。」
塚谷先生「おじぎ草の葉っぱって、すごく面倒くさい形してません?」
質問者「はい。」
塚谷先生「細かーく分かれてますよね。小っちゃいピラピラしたものがたくさん列になって並んでたでしょ?」
質問者「はい。」
塚谷先生「たくさんあるのをひとまとめにして1枚の葉っぱなので、1個1個のペラペラした小っちゃいところは小葉(しょうよう)って言います。あれは種も売ってるから、育ててみたら毎日テストできると思うんですけど、触り方をいろいろ変えてみて。」
質問者「はい、分かりました。」
塚谷先生「葉っぱのいちばん先っちょのいちばん小さい小葉を本当にちょっとだけ触ると、その小葉だけ閉じます。」
質問者「へえええ!」
塚谷先生「人の家のやつだとアレだから、自分の家で育てた方がいいと思うけど、はさみとかでチョキンと切ってみると、それだけじゃなくて周りの小葉もパタパタパタって閉じます。」
質問者「はい。」
塚谷先生「だから刺激の強さでどこまで届くかが違うんですよ。そーっとかすかに触る程度だと閉じないですよ。」
質問者「へえええ。」
塚谷先生「ギリギリくらいで触ると、1枚の小葉だけパタッと閉じます。もうちょっと触ると隣もパタパタって閉じます。…って感じで、強さに応じて届く距離が変わるんですよ。」
質問者「そうなんですか?」
塚谷先生「うん、今度いろんな強さで試してみると、いろいろ分かってくることがあると思いますよ。」
質問者「分かりました。」
塚谷先生「あと、かき氷を食べに行ったんでしょ? 氷があるじゃないですか…店のものでいたずらしちゃいけないかもしれないけど(笑)、氷で冷やしても閉じます。触るだけじゃなくて。あと、逆に熱いもの…何だろうな…お湯じゃいけないけど、夏だと蚊取り線香があるから、そこに近づけてみるだけでもパタパタって閉じます。」
アナウンサー「へえええ…。近づけるだけで?」
塚谷先生「熱いものが近づいてくると、その熱さを感じて。それも度合いがあって、ギリギリだと1枚か2枚がパタパタって閉じるだけですけど、本当に近づけていくとみんなバタバタバタ。」
質問者「あの、閉じている時間って、1回触ってから何分ぐらいそのまま閉じているんですか?」
塚谷先生「あれも強さによるんですよ。ギリギリぐらいでやると、数分ぐらいで復活してくるんですけど、ほんとに強い刺激を与えると、5分とか10分ぐらいずーっと閉じてます。
今度試してもらうと、小葉だけじゃなくて、列になって並んでる軸も、強い刺激を与えるとパタッと下りるでしょ? そこまで見ました?」
質問者「たぶん見てません。」
塚谷先生「ピンと立って開いてるんですけど、強い刺激を与えると、小葉がパタパタ閉じるだけじゃなくて、それを支えてる軸ごとパタンと下ります。」
アナウンサー「へええ…。」
塚谷先生「おじぎ草の葉っぱは4本か5本あるのがふつうなんですけど、中途半端な刺激だったらそのうちの1本だけがパタッと下りるんだけど、強い刺激だとみんなパタパタパタッと下りるし、それを支えてる茎…葉柄も、パタッと下ります。…って感じで、いろんな強さに応じていろんな段階で閉じていきますけど、強い刺激を与えれば与えるほど遠くまで閉じるし、閉じたままの時間も長くなります。」
アナウンサー「先生、それは自分を守るためなんですか?」
塚谷先生「昔からいろんなことが言われていて、虫が食べようとした時にパタパタパタッと閉じてなくなっちゃうと、虫はせっかく食べようと思ったのなくなっちゃったと思って、食べられずに済むんだって言うんですけど、虫だって我慢強いんじゃないの?ってところで(笑)、そこはよく分からないですね。」
アナウンサー「(笑)ふううん…○○ちゃん、育ててみると面白そうだね。育ててみる?」
質問者「育ててみたいです。」
アナウンサー「いろんな実験もできるし…」
塚谷先生「そうです、いろんな刺激を試してみると異論違うし。」
アナウンサー「じゃあ自由研究にもなるかもしれませんね。」
塚谷先生「種を蒔くとわりと簡単に育ちます。春にならないとですけどね。」
動画で見るとほんとにパタパタ閉じていくし、軸も萎れたみたいにヘタってて、ダンゴムシ的な何かを感じた。

Q6 うちの庭に野鳥がたくさん来るんですが、
  どうしたら野鳥がたくさん来させられます
  か?(小1男子)

アナウンサー「お家の庭に野鳥がたくさん来るんだ。どんな鳥が来るか知ってる?」
質問者「メジロとか、ヒヨドリとか。あとハトとか。」
アナウンサー「もっとたくさん来てほしいなって思ってるのね?」
質問者「うん。」
川上先生「はいどうも、こんにちは川上でーす。鳥を増やす、家に増えるためにはどうすればいいかというと、この世界に野生の鳥が増えてくれれば、家に来る鳥も増えると思うんですよね。だから、世の中にどうやったら鳥が増えるかについて考えてみたいと思うんですけど…」
質問者「はあ…。」⇦お庭から世の中に考察範囲が
広がってポカンとしたもよう。
川上先生「鳥が増えるために必要なのは、僕は3つあると思っています。1つは天敵。襲ってくる動物があまり増えちゃいけない。襲ってくると死んじゃうからね。」
質問者「うんうん。」
川上先生「あと、巣を作る場所が必要だよね?」
質問者「ああー、うんうん。」
川上先生「だから住み処が必要。森の鳥だったら森林が必要だし、場合によっては河原とか湿地とかいろんな所に巣を作ると思うけど、そういう自然がたくさんあることが必要だよね。」
質問者「ふううん。」
川上先生「もう1つ、食べ物が重要だと思っています。食べ物がたくさんある。そうすると鳥はたくさん増えることができると思うんですけれども、ちょっと食べ物について考えていきたいと思うんだけどね、」
質問者「はい。」
川上先生「鳥って何を食べてると思いますか?」
質問者「えっと、例えば、虫とか、あと…うちでのことなんだけど、熟した…ジュクジュクの柿とか。」
川上先生「はい、そうだと思います。よく昆虫を食べたり柿とか…果実ですよね、フルーツを食べる動物がいると思いますけど、そういうものがたくさんあると鳥も増えると思います。
でも、昔に比べるともしかしたら、虫も減っちゃってるかもしれないし、自然の中の果実も減っちゃってるんじゃないかなと思います。せっかくここに植物の塚谷先生がいるので、減ってるかどうか聞いてみたいと思います。どうですかね塚谷先生?」
塚谷先生「そうですよね、虫が食べる植物が減ってますよね。」
質問者「うーん…」
塚谷先生「街中だと、街路樹ってイチョウが多いじゃないですか。イチョウを食べる虫っていないじゃないですか。」
質問者「ああー、うんうんうん。もし食べるとしたら人間しかいないッスね。」
塚谷先生「(笑)銀杏は人間が食べるけど、イチョウの葉っぱを食べる芋虫がいたら、それを食べる鳥も増えると思うんですけど、芋虫がよく出るような木はみんな嫌がるから、あんまり植えないじゃないですか。」
質問者「ああー、うん…」
塚谷先生「だから虫が出る所も少ないというのはありますよね。」
川上先生「果実はどうですかね?」
塚谷先生「果実もそうですね。柿も確かに鳥が来るけど、柿を街路樹として植えると、たぶん熟した柿がボトボト落ちるのをみんな嫌がるから、植えないですよね。やっぱり実が生らない木の方が選ばれちゃうところがあって、実が生る木を植えるといいかなと思うのと、今の季節、ツバキがあると花の蜜を吸いにたくさん鳥が来るんですけど…」
質問者「ああー! うちにもツバキの花壇あります。」
塚谷先生「来るでしょ?」
アナウンサー「そうなんだ、じゃあメジロ来る?」
質問者「うん、来る来る来る!」
塚谷先生「ツバキの花をよく見ると、メジロが爪で引っかきながら蜜を吸うから、爪跡だらけになってるでしょ?」
質問者「ああ……」
川上先生「よく見てみてねぇ~(笑)。」⇦反応が鈍ったのを聞き逃さない川上先生さすが!
質問者「はい。」
川上先生「ありがとうございました。というわけで、食べ物が昔よりも減っちゃってるのかもしれないです。そう考えると、増やすためには鳥が住める場所を増やしてあげるとか、鳥の食べるものを増やしてあげることが大切なのかなと思います。それは住宅地だけじゃなくて、世界全体で考えていって、森林が減っちゃってるとか、人間が畑にしちゃってるとか、そういう所はいっぱいあると思うんですよ。人間が生きていくことも大切なので、まあ、人間がみんな平和になって豊かになって、これ以上森林を壊さないとか自然を減らさないで済むようになれば、どんどん鳥も増えていくんじゃないかと思うんですよ。
だから鳥を増やすためにどうすればいいかというと、僕が思うのは、みんなが幸せになる。これがすごく重要なことだと思います。そういう社会ができれば鳥も増えてくるんじゃないかなと思います。だいたい分かった?」
質問者「うん!」
アナウンサー「先生のお答え聞いて、○○君は何か思った?」
質問者「えっと、これからは、鳥の住み処とか、巣箱とか、…あと、果実が生る木をたくさん植えたいです。」
アナウンサー「そうだね、まずお庭からできることだとそれかな。」
川上先生「うん、そしたら鳥が増えるかもしれないね。」

虫も植物も鳥もつながっているのよね。やっぱり人間が増えすぎちゃったかな、人間がいろんなのもの食べすぎちゃったかなと思わざるを得ない。昆虫スペシャルで出た昆虫食も安易に考えちゃいけないのかも。

Q7 藤の花は何で秋になると種が弾けて大きな音
  が鳴るんですか?(小1男子)

アナウンサー「藤の花…○○君はそれをどこで見たの?」
質問者「幼稚園。」
アナウンサー「幼稚園に藤の棚があるんだ?」
質問者「はい。」
アナウンサー「秋になると弾けて音がするの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「どんな音?」
質問者「パーン!っていう音。」
アナウンサー「パーン!っていうんだ。へえええ…。」
塚谷先生「すごいよね、あれ。すごい遠くまで種が飛んでませんでした?」
質問者「はい。」
塚谷先生「藤って野生だと木に絡みついて、蔓になって上までたどり着いて、そこで花が咲くんですよね。種ってけっこう大きいじゃないですか?」
質問者「はい。」
塚谷先生「種をそのまま落とすと、重いから、自分が生えてる真下にストーンと落っこちてお終いになっちゃうので、つまらないじゃないですか?」
質問者「はい。」
塚谷先生「だから飛ばすというのは増えるためにはすごく良いんですけど、飛ばし方。飛んだ後の実のさやは拾ってみました?」
質問者「はい。」
塚谷先生「どんな格好してました?」
質問者「枝豆みたいな…」
塚谷先生「枝豆のさやのすごい大っきいものみたいですよね。でもすごく分厚くなかった?」
質問者「分厚かった。」
塚谷先生「分厚いよね。けっこう硬いでしょ?」
質問者「うん。」
塚谷先生「しかもねじれてなかった?」
質問者「ねじれてた。」
塚谷先生「マメ科なので、サヤエンドウとか枝豆とかの仲間と同じで、豆の格好のさやでできてるんですけど、グリンピースの豆のさやって見たことあります?」
質問者「ない。」
塚谷先生「じゃあ何がいいかな。ソラマメは?」
質問者「ある。」
塚谷先生「ソラマメのさやは真っ直ぐでしょ?」
質問者「うん。」
塚谷先生「あれは熟してもそんなにクルクルにならないんですけど、藤の実は同じ格好をしてるけど、弾けた時に見たら分かるように、ねじれた構造でできているんですよ。らせん状になってたでしょう? 1回じゃなくて2回3回巻いてたでしょ?」
質問者「はい。」
塚谷先生「あの状態で2枚合わさってさやができてるのね。あれがお互いねじれたい状態で、でもくっついちゃってるから、ねじれられない状態で育っていくんですよ。最後の最後になって種が熟した時に乾いてくると、2枚がくっついてるところが剥がれるので、やっとねじれることができると思って2枚が一気にねじれるので、その反動で種がポーンと飛ぶんですね。」
質問者「ああ…。」
塚谷先生「どうやって飛ぶのかの仕組みは、豆のさやが2枚くっついてるんだけど、お互いねじれたくてねじれたくてしょうがない状態で育って、最後にパン!って外れるから、その勢いで種が飛ぶから、ビックリしたと思うけどすごい音もする、というわけですね。」
アナウンサー「どのくらい飛ぶんですか?」
塚谷先生「けっこう飛びますね、メートル級で飛びます。」
アナウンサー「そうなんですか、へえええ…。」
質問者「当たったらすごい痛い。」
塚谷先生「痛いよね。あれ危ないよ(笑)。」
アナウンサー「(笑)ええ? ○○君は当たったことあるの?」
質問者「ある。」
アナウンサー「本当!?」
塚谷先生「(笑)痛いよね、確かに。種が硬いしね。」
アナウンサー「なるほどね、そんな音聞いたことないから聞きたいと思いますけど、○○君は聞けて良かったね。その瞬間も見ることができて。痛いけれども(笑)。」
塚谷先生「(笑)そうですね。」
音が鳴るのも知らなかったけどマメ科なのも初耳!

Q8 母島にはメジロメグロがいるけど、何で父
  島にはメジロだけしかいないんですか?
  (小1男子)

アナウンサー「母島、父島というのは小笠原のことかな?」
質問者「はい。」
質問者「○○君は小笠原に行ったの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「いいなあ。母島にメジロメグロがいて、見たの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「ほんと? かわいかったでしょう?」
質問者「うん。」
アナウンサー「でも父島にはメグロがいなくてメジロしかいないんだ?」
質問者「うん。」
川上先生「はい、どうもこんにちは川上でーす。母島まで行ったんですね?」
質問者「はい。」
川上先生「僕が25年前に鳥の研究を始めたのが母島だったので、すごく思い出深い場所なんですけれども、まずメジロなんですけど、メジロはいっぱいいたよね?」
質問者「うん。」
川上先生「実はメジロは人間が持っていったものなので、小笠原の父島と母島では自然にいたものじゃないんですよ。」
質問者「ふううん…。」
川上先生「だからメジロのことはいったん忘れてください。
次にメグロのことですね。メグロも母島では見ることができたけど、父島では見られなかったよね?」
質問者「うん。」
川上先生「実は昔いました。父島では、すごく昔だけど1828年だったと思いますけど、外国人のキトリッツさんという人が小笠原にやって来て確認しているんですけれども、その時には父島にもメグロがいたみたいなんです。でも残念ながら父島では絶滅してしまって、今は母島の方には残ってるけど父島にはいないという状態になっているんですよ。」
質問者「うん。」
川上先生「でも、父島と母島の間って距離は50キロぐらいしか離れていないんですよね。いなくなっても鳥だったら飛んできてもおかしくないと思いませんか?」
質問者「思う。」
川上先生「ね。50キロって人間だと移動するのは大変だけど、鳥だったら海の上を越えて飛べばいいんですよね?」
質問者「うん。」
川上先生「メグロは母島ではちゃんと飛んでました?」
質問者「うん。」
川上先生「そうだよね、飛べる鳥なんだよね。なのに…実はメグロは今は3つの島にしかいません。」
質問者「え!」
川上先生「母島と、母島の近くに向島という島と妹島という島があるんですけど、その3ヶ所にしかいないんですよ。昔は他の姪島という母島の近くの島にもいたり、父島にもいたし、父島の北にある婿島媒島にいたことも分かってるんだよね。
でも、たぶん人間の影響で絶滅しちゃったんですけれども、その後帰って来ないんです。何でだろうって僕も思ったんです。同じことを思いました。それで3つの島にいる鳥のことを調べてみたら、どうもその島の間って4キロとか5キロしか離れていないけど、その間でも移動してないということが分かってきました。」
質問者「え。」
川上先生「4~5キロだったらすぐに飛んで行けそうなのに飛ばないんですよ。不思議ですよね?」
質問者「うん。」
川上先生「何で移動しないのかは、実は僕にも分かりません。鳥というのは、飛べるからどこにでも行けそうなのに、その中で飛ばないものが生まれてくるんですよね。なぜかはまだまだ分かってないですけれども、でも、そうすることによって、その地域にしかいない固有の鳥が生まれてくるんですよ。」
質問者「うん。」
川上先生「これはどうしてなのか、まだまだ研究者も議論しているところで、その謎はこれから分かってくると思います。だから、父島にいないのは、昔いたけど絶滅しちゃったからだと考えてほしいですけど、何で移動しないかはまだまだ謎に包まれていると思ってください。」
質問者「うん。」
川上先生「世の中まだ分からないことがいっぱいあるんです。ごめんね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「先生、母島でメグロを見られたのは、○○君はけっこうラッキーだったんじゃないですか?」
川上先生「いや、母島に行くとメグロはすごいたくさんいるんですよ。いる場所にはたくさんいるのに、なぜか他に移動しないんですよ。」
アナウンサー「たくさんいるんですか!」
塚谷先生「ふううん…。」
川上先生「たぶん母島の中では居場所がなくなって、縄張りを持てなくて死んじゃう鳥がいっぱいいると思うんですけれども、移動すればきっと生き残れるのになぜか移動しない、というのが鳥の面白いところですね。」
アナウンサー「なるほどぉ、不思議ですね。」

質問終わり~先生方から一言
塚谷先生「今日は鳥と植物でお互いに関連のある話題だったので、隣で聞いてても楽しかったです。」

川上先生「母島は僕にとってすごく大切な島ですし、思い出の島なので、その島の話が出てきたのがすごく嬉しかったですね。多くの人にぜひ母島も訪れてもらいたいと思います。」

冬休み子ども科学電話相談1/5(乗り物スペシャル)10時台・11時台

この冬は1つのジャンルをとことん追求する4時間スペシャル!
1/5は乗り物スペシャル!
回答する先生方は
 梅原淳先生(鉄道)⇦2回目!
 由良拓也先生(車)⇦初登場!
 今野友和先生(飛行機)⇦初登場!
 藤田貢崇先生(科学)⇦おなじみ!

10時台スタートは「私が考える未来の乗り物」

アナウンサー「未来の乗り物、どんな乗り物ができるのか考えてもらっちゃおう、そしてそのアイディアをスタジオで発表してもらおうというコーナーです。スタジオに来てくれたのは、東京都在住の小学5年生のR君、そして妹さんの小学2年生Lちゃんです。こんにちは。」
R君&Lちゃん「こんにちは。」
先生方「こんにちは。」
アナウンサー「あったかそうなセーターを着ているお兄さんと妹さんです。R君とLちゃんはこの渋谷にどんな乗り物で来てくれたんでしょう?」
R君&Lちゃん「電車です。」
アナウンサー「ちなみに何線ですか?」
R君「井の頭線…です。」
アナウンサー「東京の私鉄で来てくれました。R君の好きな乗り物は何でしょう?」
R君「乗り心地の良い日本の車。」
先生方「(笑)おおおお~」
アナウンサー「(笑)乗り心地の良い日本の車。今、日本の自動車メーカーの皆さんが涙を流しているのではないかと…。由良先生、今のコメントいかがでしょう?」
由良先生「素晴らしいですね。これはメーカーの方も相当ザクッときてるんじゃないですか。頑張らないとって。」
アナウンサー「燃えますね。妹さんのLちゃんはどうでしょう、好きな乗り物はありますか?」
Lちゃん「飛行機。」
アナウンサー「今野先生の目がキラリと光りましたよ(笑)。」
今野先生「(笑)ありがとうございます。」
アナウンサー「どんな飛行機が好きですか? どんなのに乗りたい? …大っきいのがいいかな?それとも小っちゃいのに乗ってみたい?」
Lちゃん「大っきいの。」
アナウンサー「大っきいものでおすすめありますか?」
今野先生「それでしたら最近、成田空港からハワイにANAが飛ばしてるホヌという特別塗装機。ウミガメの塗装をしているA380という大っきな飛行機があるんですよ。ぜひ乗ってみてください。」
アナウンサー「何人ぐらい乗れるんですか?」
今野先生「500人ぐらいです。全部2階建てなんですよ。めちゃくちゃデカいやつです。」
アナウンサー「お父さんお母さんにハワイに連れてってもらってください(笑)。」

アナウンサー「このスタジオではR君が考えてきてくれた未来の乗り物を発表してもらいます。イラストも描いてきてくれたので、R君、発表してください。」
R君「僕の考える未来の乗り物は、陸上と海中と海底、空中、地下、全部を移動できる乗り物で、特に地下はドリルとかで掘るんじゃなくて、地震の時に道路が液状化するみたいな…土を液状化して、その中を進んでいく感じです。
最大速度はいろいろ考えてマッハ450ぐらいがいちばんいいなと思って…」
先生方「マッハ450…」
R君「あとロケットとかも好きなので、大気圏突破と再突入が可能。あと自動運転が可能というのとステルス機能がついてるのと、食糧生産と空気が自動で出てくる感じで、だいたい8人乗りです。
エネルギーは…どこにでもあっていつでも補給できるものがいいなと思ったら、宇宙にある放射線がいいのかなと思って、それにしてみました。」
アナウンサー「なるほど、陸・海・空、そして地中もオッケー、最大速度マッハ450。乗り物の中の様子もイラストに描いてきてもらったんですが、いろいろな小部屋に分かれてますよ。どんな仕組みになってるんですか?」
R君「倉庫と、空気を作る部屋、食べ物を作る部屋、水を作る部屋、荷物を置く部屋、トイレ、エンジンとかがある部屋、着替えの部屋、寝室とか寛ぐ部屋とかがあります。」
アナウンサー「ほおお…大きさはどれぐらいになるんでしょう?」
R君「だいたい大きめの家ぐらい。」
アナウンサー「なるほどぉ…どうしてこういう乗り物を思いついたんですか?」
R君「何となく自分の理想を全部描いたって感じ。」
乗り物のレベルじゃなくなってるけど、手加減しない姿勢は良い! 先生方はついてこれるか?

アナウンサー「じゃあ、今日いらっしゃってる先生方によってたかって実現化へのアドバイスを頂きたいですね。いかがでしょうか?」
先生方「………」「んー……」⇦やはりついていけない?
アナウンサー「いろいろな仕組みが描いてありますけど…」
今野先生「速度がめちゃくちゃ速い。マッハ450。」
アナウンサー「どれぐらいですか?」
今野先生「マッハ1がだいたい時速1100キロなので…単純に×450…ちょっとよく分からない(笑)。飛行機でいちばん速いものでマッハ5ぐらい、スペースシャトルが宇宙から帰ってくる時の速度がマッハ25ぐらいなんですよ。それよりもめちゃくちゃ速いので、乗ってる人が耐えられるのかな…。とにかくこの速度を実現するエンジンを開発しなきゃいけないと思いました。」
1100×450=495,000ということで時速495,000㎞。1時間で地球を12周ちょっと。「いろいろ考えて」と言っていたけど、そんなに速くする理由を知りたい。

アナウンサー「エンジン開発…由良先生どうでしょう?」
由良先生「何しろ放射線エネルギーエンジンですもんね。これが自分の想像をはるかに超えたエンジンなんで、その辺が大変なのと、機体がすごい大きいので、これを作るなら最初から宇宙空間で作らないと難しいかな…。地球上だと引力があるので、全部が重たくなるから。とても欲張りなのが地面の中まで進むところまでついてて…少し減らさない?」
先生方「(笑)」
受け止め切れないもよう。

由良先生「おじさんたちには難しすぎるんで…能力を緩くしてもらう…スピードとか地面の中は諦めてもらうとか、どうなんだろう。」
アナウンサー「全部実現したいところですが、R君がいちばん実現したいのはどこですか?」
R君「んー…まあ大気圏突破と再突入かなぁ…。」
アナウンサー「だそうですが、今野先生いかがでしょう?」
今野先生「なるほど。飛行機の形をして、そのまま浮いて、途中でロケットに切り替えて宇宙まで行くスペースプレーンという…もちろん実現してない研究段階の乗り物ですけど、そういうものを本気で考えてる研究者が世の中にいるんですよ。なので、こういうアイディアはどんどん考えて頂いて…ただマッハが450は速いなと(笑)。もうちょっと抑えて頂いたら、なかなか良いアイディアじゃないかなと思います。」
アナウンサー「宇宙ステーションとか実際にあるものの中でも、食糧を生産したり空気を生産したりというのはあるんですかね?」
今野先生「実験ですけど宇宙ステーションの中で農業を…野菜を水耕栽培するというのはやっているんですよ。」
アナウンサー「なるほど。R君、先生たちに聞いてみたいことがあったらどうぞ。」
R君「宇宙空間は酸素がないから火が使えないけど、じきに火は使えるようになるんですか?」
今野先生「火は酸素がないと使えないので、なかなか難しいですね。」
藤田先生「火の代わりに他の熱源を使って…ヒーターとかですね…この図を見るとどうしても熱は必要ですよね? でも熱を生み出す他の仕組みがきちんとあれば、うまく機能するんじゃないかなと思いますね。火を使うのは宇宙空間ではとても難しいですよね。酸素を持って行かないといけないですけど、酸素を持って行くのはとても危険なので…他のものが燃えてしまう可能性があるでしょう? 火を使わない熱…でも、火を使わないで日常生活することは、今できますもんね? オール電化はそうですよね? だから火を使わない仕組みはきっといけますね。」
てんこ盛りな理想に先生方が圧倒される中、可能性を探ってくれる藤田先生。難しい部分とできそうな部分の両方を教えてもらうのも大事よね。

藤田先生「頭のところに放射線…これは…」
R君「回収装置。」
藤田先生「なるほど、放射線の影響を受けないようにここで…」
R君「回収してる。」
藤田先生「そういうものは今すでに…放射線を防護するための仕組みはいろんなところで使われていますから。1つ1つを見ると実現できそうなところもありますよね。
あと、液状化現象…地球上では、特に日本では災害として起こっていることですけれど、確かに液状化って…砂の地層に振動が加わると砂が液体のように流れていく現象を言うんですけど、そういうのを違った目で見るという、工学的な、我々へのヒントになっているかもしれないですね。」⇦発想もほめてくれる…良いところをちゃんと示してくれるのも嬉しいな。
先生方「うん…」「うん。」
藤田先生「困ったなぁだけで考えるのではなくて…液状化で困ってる人ももちろんたくさんいるけれども、逆にそういうことを何か他のものに結びつけることも、(聞き取れず)した気になりますね。」
由良先生「これは単なる乗り物じゃなくて、ここで生活ができるレベルまでいってるので、キャンピングカー的な要素までありますよね。」
アナウンサー「ぜひ実現したい未来の乗り物です。」

アナウンサー「妹のLさんからは先生に聞いてみたいことありますか?」
Lちゃん「……車は何で煙を出すんですか?」
先生方「ほう。」「ほう。」
アナウンサー「煙を出してたのかな?」
Lちゃん「パパが会社に行く時に出るから。」
由良先生「それは朝?」
Lちゃん「うん、朝。」
由良先生「朝出てる煙は水蒸気という…排気の中にある水分が寒い外に出た時に、煙に見えるんです。最近の自動車は排気管から煙が出ないように、空気を汚さないように作っているので…煙が出る景色ってトラックで時々あるよね? 黒い煙が出てる…あれは黒煙というものなんだけど、朝にパパの車から出てるのはたぶん水蒸気かな。寒い時に暖かいエンジンから出てきた排気ガスの中にある水分が…お湯が沸くとやかんから白い煙が出るじゃない? あれと同じものが出てると思うよ。」
アナウンサー「だそうです。どうでしょう?」
Lちゃん「よく分かった。」
アナウンサー「よかったです、ありがとう。さて、将来の夢を聞いてみたいです。R君は将来どんなものになってみたいですか?」
R君「科学者。」
先生方「おおお。」
アナウンサー「どんな分野の勉強をしたいですか?」
R君「ロボット系が好きなので…」
先生方「ああなるほど。」「ふううん。」
アナウンサー「ロボットに興味があるんですね。どうしてロボットに興味を持ったの?」
R君「ロボットが動くのがもう不思議で……そもそもロボットが好きっていう感じがあって、何で好きなのかがちょっと分かんない(笑)。」
アナウンサー「(笑)なるほどぉ、でも子どもの頃の好きなものってエネルギーになりますもんね。
妹のLちゃんは将来どんなものになりたいでしょう?」
Lちゃん「クライミングの選手。」
先生方「おおお~。」 藤田先生の口を閉じた笑い「ンッフッフッフッ」
アナウンサー「クライミングって、壁を登ってく? どうしてそう思ったの?」
Lちゃん「ボルダリングが好きだから。」
アナウンサー「へえええ、ボルダリングって壁を登ってくスポーツ…やってるの?」
Lちゃん「やっていないけど、幼稚園の時にあったから、好きになった。」
アナウンサー「そうですかぁ、今いろんなスポーツニュースでも見かけるので、Lちゃんも続けてみてください。期待してますよ。
乗り物スペシャル、「私が考える未来の乗り物」に参加してくれたのはR君とLちゃんでした。ありがとうございました。」
R君、Lちゃん、先生方「ありがとうございました。」
未来の乗り物の話に戻ることなく終了。せっかくイラストまで描いてスタジオに来てくれたのに、あっさり終わっちゃって何かもったいない。てんこ盛りの理想を1個ずつ、時間を割いて突っ込んで聞いてほしかったな。

お二人退場後
アナウンサー「先生方も小っちゃい頃、未来の乗り物について考えたことはありましたか?」
梅原先生「はい、あります。」
アナウンサー「梅原先生、それはどんなものでしょう?」
梅原先生「そうですね…ブロックで作ったことがあるんですけど、飛行機なんだか車なんだか船なんだか分からないような乗り物を作ったんですね。それで、どういうわけか椅子がちゃんとついてるものが好きだった…そんなような(笑)。」
アナウンサー「居住性も大事に。」
梅原先生「居住性を。だからR君が作ってくれたものが居住性を重視してるので、すごく懐かしく思ったんですね。
それからもう1つ、宇宙から降る放射線を吸収して稼働エネルギーにするということで、燃料を積んでないですよね? 実は新幹線でも開発する時に、最初はジェットエンジンとか原子力とかで走らせようとしたんですけど、それだと結局、燃料や何らかのエネルギーを積んでなければいけないですけど、それよりも鉄道が昔から持っていた電気を外から上げれば燃料を何も積まなくてもいい、その方が軽くてスピードが出ることに気がついたんですね。そこがやっぱり面白いかなと。鉄道も宇宙から降る放射線で走ったり、太陽光で走ったりするといいなとは思いますね。」
アナウンサー「やっぱり再生可能エネルギーなんですね。由良先生もやはり車のデザインを考える時に、いろいろ思うところはありますか?」
由良先生「絵はいっぱい描いてたんですけど、子どもの頃って未来の車を描くと、タイヤを描かなかったんですよ。」
アナウンサー「お!」
由良先生「タイヤがない車が未来の車みたいな感じだったんですけど、なかなか未来が来ないですよね。未だにタイヤのない車はないでしょ? タイヤって機械効率としてものすごい発明なんですよね。あれを超える効率の良いものが未だに出てこないですけど、でもドローンが進化してから、そろそろ浮いて走る車、浮いて走るオートバイが出てきそうです。いろんなところで開発されているので、もう少しかなというところですね。」
アナウンサー「今野先生いかがですか?」
今野先生「最近は空飛ぶ車というのが流行って、ニュースでもよくあると思います。やっぱりドローンの技術がどんどん発達してきて、バッテリーの性能も上がって人工知能も発展してきて…実現まではまだ遠いかなというところですけど、大きなドローンに人が乗るみたいな…」
アナウンサー「おお(笑)。」
今野先生「ほんとに車みたいな使い方ですよね、自分の家から出発して好きな所に乗り降りできる。飛行機だと空港でしか乗り降りできないですけど、空飛ぶ車…デカいドローンですとほんとに好きな所に着陸できて車みたいに使えるという未来が、実はそこまで来ていると。」
アナウンサー「なるほど。藤田先生もそういうのがあったら大学までの通勤に便利ですね。」
藤田先生「とても便利ですねえ…(笑)。この図を見てたら、1つ1つの部屋が描かれてますけど、すごくよく考えて配置されているんだなということに、今気づきました。リラックスするスペースには放射線が入ってこないようにするとか、空気を作って、その空気を使って食糧を作るとか、さらにそれを使って水を作るとか。」⇦ゲストのお子さんのアイディアを伝えてくれる藤田先生…さすがです。
アナウンサー「“寛ぎの間”というのがあるのもいいですね。未来の乗り物について私たちも考えさせられました。」

Q14 何で昔の車はタイヤが3個で、今は4個なんで
  すか?(小2女子)

アナウンサー「○○さん、これは何かで見たのですか?」
質問者「「スカーレット」という朝ドラで、そういう車を見ました。」
由良先生「○○さん、質問ありがとうございます。「スカーレット」に出てきた三輪車ってどういうものかな…僕、朝ドラはけっこう見てるけど、今それが浮かばないんだけど、昔、今から130年ぐらい前に初めて自動車が…ベンツという人が作った車は三輪車だったんです。」
質問者「えっ。」
由良先生「何で三輪車だったのかというと、舵を切る、方向を変えるための車輪は向きを変える動きをしなきゃならないんですけど、作るのがとても難しいんですね。タイヤの向きを変える軸…どこを中心に向きを変えるかという構造がとても難しかったので…○○さんも小さな頃に足漕ぎの三輪車に乗ったことがあると思うけど、覚えてる?」
質問者「はい。」
由良先生「前の車輪を足で漕いで進むやつだよね? あれはハンドルを切るところがとても簡単にできていて、昔々に車を作った人は、あの三輪車と同じ構造で前の車輪を作ったんです。昔の車は馬力がとっても小さくて、最初の車は1馬力もなかった。ほんとに力のないものだったので、これでも問題はなかったんだけど、だんだん車の力が増えてきたら、カーブを曲がる時の安定性…カーブを曲がろうとしたら、前の車輪が1つだとひっくり返るようになっちゃうのね。で、危ないということで、前のタイヤも2つにする技術ができて、それから馬力が増えるのに伴って前のタイヤも2つになって、四輪車になっていったんだけど…分かるかな?」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「よかったです。タイヤに注目したというのはすごいです。」
由良先生「すごいですよね。」
アナウンサー「よく車に乗るのかな?」
質問者「よく乗ります。」

Q15 飛行機は鉄の塊なのに何で浮くんですか?
  (小3女子)

アナウンサー「それはどんな時に不思議に思いましたか?」
質問者「函館のおばあちゃん家に飛行機で行く時に、ヘリコプターは大っきなプロペラがついてるから安心して浮いてるように見えるけど、飛行機は大っきいプロペラが見えないから、何でかなって思いました。」
今野先生「まず、飛行機は鉄でできてないですよね。基本的にはアルミニウムという軽い素材でできています。アルミニウムは知ってますか?」
質問者「うん…。」
今野先生「空き缶とか1円玉とか、そんな身近な軽い素材でできています。なので、飛行機は大きさの割には軽いんですよね。実は飛行機の中はスカスカなので、大きさの割には軽い。まずそこを押さえてください。
あと飛行機が空を飛ぶのは、もちろん空気の力を使って空を飛んでいます。そこは大丈夫ですかね?」
質問者「…はい。」
今野先生「もうちょっと説明しますね。さっき言ってたヘリコプターは、上で回転してるプロペラが空気を受けることによって空中に浮いているんですけれども、飛行機は左と右に大っきい翼がついています。翼がついてるの知ってます?」
質問者「うん。」
今野先生「ここに空気を受けることによって、上向きの力が発生してるんですよ。ふだん感じてる空気の力ってあまり強くなさそうですけど、空気の力はけっこう強いんですよね。1センチ四方あたり1キロぐらいの力が働いてますし、○○さんの体の周りの大きさを考えると、ふだんから1トンぐらいの力で押されていると言われています。ふだんは感じないですけど、空気は大きな力があるんですよ。」
質問者「うん。」
今野先生「飛行機は実は大きさの割に軽くて、空気は大きな力を持っている。この空気の力を翼が前から受けることによって、上向きの力を出すんですけれども、うちわをあおぐと、ちょっと空気の力を感じたりします?」
質問者「うん。」
今野先生「翼が大きくなればなるほど、たくさんの空気の力を受けるんですよ。空気は大きな力があるので、この空気を受けています。ただ、うちわは板みたいな形なんですよ。これだと効率が悪いので、飛行機の翼は実は鳥の羽みたいな形をしてるんですよね。飛行機の翼を切ると、上の方が膨らんだような形をしているんですよ。翼型(よくがた)というんですけれども、ここに空気を受けることによって効率良く空気を流しているんですね。そうすると、よりたくさんの上に浮く力が発生することによって、飛行機は浮いているんですね。ちょっと長くなっちゃいましたけど、どうですかね?」
質問者「うん…分かりました。」⇦微妙そう。空気の力で言ってしまう「分かりました」。
今野先生「(苦笑)」
アナウンサー「飛行機を上に浮かすには、空気の力もあるということなんですかね? 先ほどの船の質問も、船が浮くのは空気の力が関わってるということですか?」
藤田先生「同じ空気が船にも飛行機にも必要なのは間違いないですけれども、飛行機の場合は空気の流れを利用するんですね。羽の上と下とで空気が流れるスピードが違うんですよ。そうすると、翼の上の方の流れが速くなって空気が薄くなるので、翼の下の方の空気が濃くなるので、それを押し上げようとするんですね。それで上空にいられるということですよね?」
今野先生「そうです。船の浮力とはまた違うんです。飛行船とか気球というのがあるんですけど、船の浮力は飛行船とか気球が近いんですよね。飛行機が飛ぶ仕組みとは違うんです。流れを使っているんです。難しくなってごめんなさい。」
アナウンサー「○○さん、飛行機はまず、アルミニウムという割と軽めの素材であること、それから空気の流れを上手く使って飛ぶということで、よろしいですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「今度また函館のおばあちゃん家に行く時に、飛行機の羽をじっくりと見つめてみてください。」
質問者「はい。」
鳥も飛行機も、軽くて空気の流れを利用して飛んでいるわけか。鳥の先生と飛行機の先生でコラボ回答するのを聞いてみたい。

Q16 テレビとかではやぶさ2など、いろいろなロ
  ケットが発射されていますが、何でロケット
  は多く宇宙に発射されているのか疑問に思い
  ました。(小4女子)

アナウンサー「たくさん宇宙にロケットがあると。ニュースか何かで見たのですかね?」
質問者「はい。」
藤田先生「もしかしてロケット、こんなに打ち上げなくていいのに、と思っているということですか?」
質問者「いや…(笑)。」
藤田先生「(笑)もしかしたらそうかなと思ったんですけど。ロケットを打ち上げるいちばん大きな理由は、人工衛星というものを打ち上げようとしているからですね。
何回ぐらい打ち上げられているかをさっき調べたんですけど、国別になっていて、2019年の統計で中国が34回だそうです。ロシアが25回、アメリカが21回で、これで世界トップ3なんですって。日本はどれぐらいかというと、JAXAというところで打ち上げたのは2機です。2回だけなんですね。日本はまだ少ないということですね。
人工衛星ってどんなものに使っているか、○○さんは知ってます?」
質問者「ちょっとは知ってます。」
藤田先生「例えばどんなものに使われているか、お話しできますか?」
質問者「…それはちょっとできません(笑)。」
藤田先生「例えば…○○さんは天気予報を見ることはありますか?」
質問者「あります。」
藤田先生「天気予報で、宇宙から見た雲の画像が見えますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「あれは気象衛星ひまわりというものから見てるんですけど、あれが人工衛星の1つですよね。それから、周りでスマートフォンを使っていらっしゃる方はいますか?」
質問者「います。」
藤田先生「車のカーナビって使ってます?」
質問者「使ってます。」
藤田先生「あれって、自分の場所が正確にどこにあるか分からないと使えないですよね? スマートフォンも、どこかへ行く時に、“次は右に曲がりましょう”、“左に曲がりましょう”とか言いますよね? あれも自分の位置を正確に知らないといけないですけど、あれも人工衛星の働きで場所が分かるようになっているんですよ。」
質問者「はい。」
藤田先生「そんなふうに私たちの生活をますます便利にしようという計画のもとに、人工衛星が打ち上げられているんですよね。
あとは天文学を専門としている人たちだと、いろんな望遠鏡を宇宙に持って行って、天体を観測する人工衛星…観測衛星って言うんですけど、そういうのも打ち上げているんですよ。
さっきも○○さんに聞いたんですけど、こんなに打ち上げなくてもいいのになって、もしかして思ってます?」
質問者「ちょっとだけ思ってます(笑)。」
藤田先生「(笑)実は、そう思ってる人は少なからずいるんですね。どうしてかというと、地球から宇宙に打ち上げていった時に、ちゃんと回収したり処理しないと、結局宇宙ゴミになっちゃうでしょ? 宇宙ゴミというのは、宇宙に人間が今まで捨ててきた大量の人工衛星の破片とか、ロケットの使わなくなったものが地球の周りにたくさんあるんですよ。」
質問者「はい。」
藤田先生「そういうものをもっと減らすべきじゃないかと考えてる人がいっぱいいて、そんなに打ち上げばっかりでいいのかと言ってる人ももちろんいるんですよね。
だから、できるだけ打ち上げる回数を効率的にして、1つ1つの人工衛星を小さくして、1回の打ち上げでたくさん飛ばせる人工衛星を開発したり、ということも、今は行われているようですよ。だから、○○さんの“そんなに打ち上げなくていいのに”という気持ちが、技術をもっと開発させる方向に進んでいったということですかね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「いろんな目的のためにいろんな種類の衛星やロケットがあると。」
藤田先生「そうですね、いろんな目的を持った人工衛星をたくさん飛ばすために、それに応じたロケットで打ち上げた、ということでしょうかね。」
アナウンサー「以前、月旅行も話題になりましたけど、いつか宇宙旅行も当たり前になる時代も来るかもしれない。」
藤田先生「ロケットという考え方よりも…さっきもお友だちが来て未来の乗り物を説明してくれましたよね? あの時のお話にあった通り、宇宙に行って、またその乗り物で帰ってくる、使い捨てじゃないという意味で、今後そういうものも開発…現に開発されてますけど、そういう世界になっていくんでしょうね。」
アナウンサー「○○さん、いかがでしたか?」
質問者「とてもよく分かりました。」

人工衛星の話はもはや乗り物じゃない…って野暮なツッコミだな。天文・宇宙の先生も以前に宇宙ゴミの問題を答えていたような気がする。スペースデブリだっけ? カーナビも地図アプリもお世話になりまくってるから無関係じゃない。環境問題の範囲があまりにも大きすぎて、もう何が何やら。

Q17 どうしてモノレールと、ゆりかもめと、電車
  のレールは違うんですか?(5才男子)

アナウンサー「電車のレールが違うことを知っているということなんですね? ゆりかもめというのは東京にある鉄道の名前ですね?」
質問者「はい。」
梅原先生「ゆりかもめ…いわゆるゴムタイヤで走る鉄道と、モノレールですね、1本のレールの上を走ったり、ぶら下がって走ったり。それからふつうの電車ですね。何でこんなに姿が違っているのに鉄道というのか、というところから答えたいと思います。」
質問者「はい。」
梅原先生「鉄道は他の乗り物と大きく違う特徴があって、それは決まった所しか走れない。基本的には自分で行きたい所を決められないんですね。知ってると思いますけど、模型の鉄道でもそうですね?」
質問者「はい。」
梅原先生「ゆりかもめはゴムタイヤの車両がコンクリートの上を走っていますから、一見すると鉄道というよりは自動車に近い乗り物ですよね? 車に近いんですけど、これも決まった所にしか行けないので、鉄道の仲間にしましょうとしているんです。だから、鉄道の仲間にはもう少しあって、例えばロープウェイって知ってますか?」
質問者「知らないです。」
梅原先生「山に行くとよくあるんですけれども、ロープにぶら下がって車体があって、そのロープが動いて引っ張ってもらうもので、これも鉄道の仲間なんです。これも決まった所にしか行けないので、鉄道と呼んでいるんです。
じゃあ、一般の電車のレールと、モノレールの1本のレールと、ゆりかもめのようなコンクリートの上にゴムタイヤって、こんなに種類ができてしまったのはどうしてかということですね?」
質問者「はい。」
梅原先生「まず、最初に鉄道が発明された時は、金属のレールを地面に敷いて、その上を金属の車輪をつけた車両を走らせる、ということで生まれたんですね。なぜかというと、当時は道路がまだ舗装されてなかったり、石畳でしたし、ゴムのタイヤもまだ発明されていなかったので、車輪をそのまま舗装されてない道とか石畳を走らせると、ものすごく走らせづらかったんですね。でも金属のレールを敷いて、その上を鉄の車輪が走ると、摩擦がすごく少なくなって走らせやすかったんですね。実は鉄道ってものすごく少ない力で走ることができて…今でもそうですけど、鉄道の車両の工場で新幹線の車両ができた時に、ちょっと動かしたい時はどうしてるかというと、レールに乗ってる車両を人が押すんですね。」
質問者「へえっ!」
梅原先生「そのぐらい軽い力で動くんです。ちょっと専門的な話になりますけど、貨物列車を引っ張ることのできる機関車は、1300トンの貨物列車を引っ張っているんですけど、機関車そのものが持っている力というのは50トンしかないんです。50トンのものしか引っ張れない。でも、線路は摩擦がすごく少ないので、1300トンの貨物を積んだ貨車を引っ張ることができる。そのぐらい効率的なんです。
じゃあ、鉄道は全部それにしてしまえばよかったのにと思うんですけど、レールを敷いた鉄道にはいろいろな弱点があって、まず、急な坂を登ることができないんですね。例えば東京にある坂だと、いちばんきつい所でも5%ぐらいだと思いますけど、そういう所を鉄のレールを敷いた車両はほとんど走れないです。それから急カーブも苦手です。交差点を大きく曲がるなんてことができないので、できたとしても小っちゃな車両がゆっくり走らなければいけないので、速く走ることができないです。
鉄道の持っている良い所は残して、そうした欠点を何とかできないか、ということで考えられたのが、モノレールと、ゆりかもめのような新交通システムなんです。モノレールはレールが1本しかないので、狭い所でも敷くことができますし、ゴムタイヤでぶら下がって走るので、少し摩擦があるので、急カーブにも強いし、急坂にも強い。ゆりかもめも同じです。コンクリートの上をゴムタイヤで走ってるので急坂にも急カーブにも強い。でも鉄道の持っている、小さな力で走ることができるという長所は少しなくなってしまっているんです。その代わり、狭い所を走るから線路が短くて済むとか、そういう利点はあります。そういうことがいろんな種類の鉄道ができた理由ですね。
…ちょっと難しかったですけど、どうですか?」
アナウンサー「5才の○○君ですから。でもレールの違いが…」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「よかったです。ほんとに鉄道が好きなんですね。これからもいろんな違いを見つけたり、新しい発見があったら、ぜひ番組宛てにメッセージをくださいね?」
質問者「はい!」
アナウンサー「元気なお返事ありがとう。」

ロープウェイも鉄道の仲間なんだぁ…「○○の仲間」って聞くと昆虫とか魚とか恐竜の分類を思い出すな。前日の昆虫スペシャルでも、ミズカマキリクマゼミカメムシの仲間とかやっていたっけ。

11時台スタートは「ここがイチオシ鉄道編」続き

アナウンサー「先ほど9時台に中継をお伝えしました。11時台にも再び中継でお伝えしましょう。子どもリポーターのH君、千葉県にある小湊鐵道の9時16分の五井駅発の列車に乗ったということですが、どこまで行ったでしょうか、呼んでみましょう。H君?」
H君「はい、Hです。よろしくお願いします。」
アナウンサー「こちらこそ。今、どこにいますか?」
H君「僕は小湊鐵道のまつもとあゆみさんと一緒に五井駅を出発して1時間10分、養老渓谷駅にやってきました。今は駅の横にある足湯に入っています。」
先生方「(笑)」「足湯に入っている(笑)。」「すごい。」
アナウンサー「(笑)え! 足湯? 足湯があるの? あ、音がしてる。」⇦お湯のチャプチャプが聞こえる!
由良先生「いいなあ。」
H君「聞こえますか?」
アナウンサー「うん、聞こえる! H君、足湯はどうですか? バチャバチャ言ってる。」
H君「気持ち良いです。」
アナウンサー「よかった、うらやましい。足湯がある駅なんですねぇ。今日は養老渓谷のお天気とか寒さはどうですか?」
H君「晴れています。」
アナウンサー「そうですか、それじゃ旅日和ですね。さっき五井から列車に乗って、旅の間の景色はどうでしたか?」
H君「トンネルの数は3個でした。最初は街並みが広がっていたけど、すぐに田んぼや畑が、そして山の中を走っていきました。森や林ばかりで折れた大木もありました。」⇦台風被害の様子も見えたのかな。その時のH君の心中も語ってほしいけど。
先生方「ふううん…」
H君「そして今、養老渓谷駅です。まつもとさん、この養老渓谷駅の周りの名所を教えてください。」
まつもとさん「はい。H君が今入っている養老渓谷駅の足湯は、養老渓谷温泉の黒湯が使われているんですよ。養老渓谷駅の近くには、養老渓谷温泉街があります。
次に粟又の滝、別名養老の滝と言われている全長100メートルの房総一を誇る名瀑があります。滝壺から下流に滝を巡る遊歩道があり、新緑や紅葉の時期にはたいへん賑わいます。
最後は石神の菜の花地区です。例年3月の中旬からは菜の花、下旬からは桜が咲き乱れ、たくさんのお客様がいらっしゃいます。3月の中旬からは、房総里山ロッコの運行も始まり、この時期はたいへん賑わいます。」
アナウンサー「いいですねぇ。小湊鐵道スタッフのまつもとさんから名所の解説がありました。スタジオの先生方、ビビッときた、行ってみたいと思うものはありましたか?」
梅原先生「やっぱり養老の滝ですね。私は行きましたけれども、紅葉の時とか幻想的な…朝に靄が出るので、滝だけ浮かんでるように見えるんですよね。」
アナウンサー「へええ…行ってみたいですね。」
今野先生「私も千葉に住んでいますけど、小湊鐵道は申し訳ない、乗ったことがなくて、今度ぜひ乗りたいと思いました。」
アナウンサー「ぜひ。おすすめの場所がいろいろあるようです。まつもとさん、解説ありがとうございました。」
まつもとさん「ありがとうございました。」
アナウンサー「では、リポーターのH君、改めて最後に全国のお友だちに、イチオシをアピールしてください。」
H君「この小湊鐵道は、とってもかわいいレトロな列車です。養老渓谷駅では足湯に入れます。僕も今入っていますが、とても気持ちが良いです。春になると里山ロッコという観光トロッコの運行も始まります。冬にはイルミネーション列車も走ります。ここが僕のイチオシです。」
アナウンサー「小湊鐵道のイチオシ、よく分かりました。H君、ありがとうね。」
H君「ありがとうございました。」
アナウンサー「将来の夢は鉄道に関する仕事に就きたいという…」
由良先生「すごくしっかりしたレポートで、将来アナウンサーもいいかもしれないですね。」
アナウンサー「そうでしたね、そう思いますよ。その時はぜひNHKに来てください(笑)。」

Q18 おもちゃのネジを回す車を、本物の車に取り
  つけたら動くんですか?(小2男子)

由良先生「○○君、質問ありがとうございます。
おもちゃの車というと、横にネジがついてるのを回すやつ? 後ろに下げたらビュンといくのと、ネジを回して動くのと2つ…」
質問者「ネジを回して動くものです。」
由良先生「そうですか。実際の車にもネジをつけたら動くようになるか。動くものは作れると思うんですけれども、ネジって巻く時に、実はすごーく大きな力が要るんですよ。だから自動車を動かそうと思ったら、ものすごく大きな力が要ることと、せっかく動かしたとしても、自動車を動かすためだととてもギヤ比…減速って難しいな、とても小さな力になっちゃうので、車を進めるためにゼンマイ動力にしたら、ほんとに短い距離でゼンマイが終わっちゃうんですね。」
質問者「ゼンマイ動力って何ですか?」
由良先生「動力…動力はですね、この場合はゼンマイが縮んだら戻ろうとする力。それが車を進める力に変わるための力を言っているんですけれども、すごい小さな力なので、長い距離を走れないんですよ。すぐゼンマイが終わっちゃうの。そうしたらまた巻かなきゃ…」
質問者「じゃ、何回もずーっと巻いてれば大丈夫なんじゃないですか?」
由良先生「それは君が巻くの?」
質問者「……はい。」
由良先生「けっこう大変だよ? 何回も何回も巻かなきゃならないと、自転車をこぐよりも大変かもしれない。」
質問者「………」
現実を突きつける由良先生。先生方が全力で答える番組だから良いんだけど、お子さんが何も言えなくなっちゃった。

アナウンサー「たぶん、○○君はガソリンがもったいないと思っているとか。…じゃないかな?」
質問者「はい。」
由良先生「なるほど。」
アナウンサー「ネジを回したら人間の力だけで動くから、ガソリンを使わなくて済むと…」
由良先生「うーん…ただ、ネジを巻くのがとっても大変なので、ガソリンを使ったエンジンでネジを巻かなきゃいけなくなっちゃう。あとは電気のモーターでネジを巻くとか。そうすると意味がなくなっちゃうよね?」
質問者「はい。」
由良先生「やっぱり人間がネジを巻かなきゃいけないとすると、ゼンマイの動力というのはなかなか…短い時間でとても良い形で働いてくれるけど、長い時間は働いてくれないから、人の力がいっぱい必要になるので、とても大変だと思うけど…。」
質問者「あぁ、分かりました。」
アナウンサー「とは言え悲しくなってきちゃうので…」
由良先生「悲しいよね、でもどうしよう…。」
アナウンサー「太陽光エネルギーとかどうでしょう、他の何かはできますか?」
由良先生「そうですねぇ、ゼンマイ動力って使い方がとても難しいかなぁ…。」
アナウンサー「何か他の代替エネルギーとか、ありますか?」
由良先生「ゼンマイに代わるっていうのがとても…」
アナウンサー「難しい?」
由良先生「はい、難しいですけど、先生方どうですか?」
今野先生「テレビでしか見たことないですけど、圧縮空気を使って、空気をギューッと圧縮して、その戻ろうとする力でタイヤを回すみたいな…そんなバイクを研究してるみたいです。」
由良先生「おもちゃはありますね。僕は飛行機のおもちゃは持ってますよ。圧縮空気でプロペラが回る飛行機。」
今野先生「それをとにかくデカくして、人間が乗ろうという研究を見たことがありますけど。」
由良先生「そうだね。あとゼンマイじゃなくて、ゴム動力。ゴム動力のものもいっぱいあるとは思うけど、どちらにしてもそれが切れた時…切れる時間が意外と短くて、次にそれをもう1回補充するのが問題ですよね。」
アナウンサー「うーん、○○君、空気の力で動くとか、いろいろ出てきているみたいです。」
質問者「うん…。」
アナウンサー「ネジは大変だというご意見でしたけど、また何か動かせる力が出てくるかもしれませんよ。」
質問者「はい。」

Q19 どうして飛行機の中とか地上から見るとゆっ
  くりなのに、ほんとは速いんですか?
  (6才女子)

アナウンサー「○○さんは飛行機に乗ったことはありますか?」
質問者「うん。」
アナウンサー「地上から見た時はゆっくり動いてるように見えたんですね?」
質問者「うん。」
今野先生「まず飛行機はとっても速いんですよ。空港に飛行機が降りたり飛び立ったりする時のスピードは、時速300キロぐらいあります。雲の上では時速900キロぐらいです。とにかくとても速いんですよ。」
質問者「うん。」
今野先生「じゃあ何でゆっくりに見えるかというと、目の錯覚というものなんですよ。…ちょっと難しい言葉が出てきました。」
アナウンサー「○○さん、錯覚って分かりますか?」
質問者「ううん。」
今野先生「間違って見えちゃうみたいなこと。目の前に人が…例えば10メートル歩くと、10メートル動いているように見えます。遠くの方で人が10メートル動くと、遠くの人からは数センチしか動いてないように見えます。何となくイメージできます?」
質問者「うん。」
今野先生「なので、遠くにいると、動きがゆっくりに見えるんですよ。そういう目の間違いというか、難しく言うと錯覚というのがあるんですよ。」
質問者「うん。」
今野先生「飛行機ってけっこう遠くにあるんですよね。大きいから近くにあるように見えるかもしれないですけど、遠くにあるんです。なので、さっき言った通り、目の錯覚で遠くにある飛行機がゆっくりに見えちゃうんですよね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「どれぐらい上空に…遠くにあるんですか?」
今野先生「空港付近で見るとすると数百メートルぐらいの近さですけれども、飛行機がふつう飛ぶのは高度1万メートルぐらいなんです。そんな上空だともちろん見えなくなっちゃうので、低い所だと高度数千メートルとかは目で見えると思います。小っちゃーく見えるので、遠くにあるものはゆっくりに見えると。」
アナウンサー「高度数千メートル、うんと遠くだとゆっくり動いてるように見えるけど…」
今野先生「本当は速いんです。でもゆっくりに見えちゃう。」
質問者「うん。」
アナウンサー「そう見えちゃうんですって。本当は速いのにゆっくりに見えちゃうのは、うんっと遠くにあるからだそうです。○○さん、大丈夫でしょうか?」
質問者「うん。」

Q20 なんでろけっとはひがでるんでつか?
  (?才女子)

学年言ってないけどこのたどたどしさは未就学児かな。「何でロケットは火が出るんですか?」

アナウンサー「ロケットから火が出てるのを何かで見たのね?」
質問者「うん。」
藤田先生「ロケットって、確かにテレビで見たら下から火が出て飛んで行きますよね。ロケットは速く飛ばさないと地球から出て行かないから、とっても速く動くための力が必要なんですよ。
○○さん、空に向かって何かを投げた時に、必ず自分の手元に戻ってきちゃいますよね? ポーンと空に向けて上げたつもりだけど、結局は地面に落ちてきちゃうでしょ?」
質問者「はい。」
藤田先生「でも、ロケットは上げたつもりでまた落ちてきたら大変ですよね?」
質問者「うん。」
藤田先生「どうしたらいいかというと、すごく速く上に投げればいいんですよ。○○さんも…実際に人間はできないけど、ものすごい速さで物を空に向かってポーンと投げれば、ある速さよりも速ければ、地球にはもう戻って来ないんですね。
でも、そのためにはものすごく速い速度が必要で、その動く力をロケットのエンジンが使っているということになるんですけど、その時のエンジンが何をやってるかというと、物を燃やして…簡単に言うと爆発させるんですね。燃料をどんどん入れて爆発現象を…爆発って聞いたことあるでしょう?」
質問者「……」
藤田先生「ボーンとなるやつですよね。知ってる?」
アナウンサー「分かるかな?」
質問者「わかりません。」⇦「爆発」は使えないか…強敵だ。藤田先生が悩み出しちゃう。
藤田先生「えーっとね、例えばですね…何があるかな…あまり良い例ではないんだけど……何だろうなぁ、ええと…爆発させる場面って何かありますかね?」
アナウンサー「何でしょうね、花火?」
藤田先生「あ! 花火は見たことあります?」
質問者「みたことある。」
藤田先生「ある? 花火って、近くで見たら物が燃えて光が出ているんですよ。」
質問者「うん。」
藤田先生「その花火と…そうだ、こう言ったらいいな。火が出る理由は、実はロケットに花火がついているのと同じ仕組みなんですよ。」
先生方「それだ。」「うん。」「うん。」
藤田先生「花火が下に向かってボーンと飛んでるのと同じなんですね。花火だから火が見えちゃうわけ。…っていうふうに考えると火が出る理由が分かるかな。下に花火がついてるんだなということです。…分かった?」
質問者「わかった。」
スタジオ内「(笑)」「よかった。」
藤田先生「分かった(笑)? ただ花火とロケットが大きく違うのは、燃やしているものが違うんですね。花火は…確かに小さい爆発現象だけど全部燃えちゃったら困るから、火薬というものを使うんですけど、ロケットの場合は、とても簡単に言うとゴムを燃やしてる感じですかね。固体のゴムってすごく燃えやすいですよね? ああいうゴムが一部混じった燃料を使って、物を燃やして宇宙に飛んで行くんですね。分かってくれたかな?」
質問者「わかった。」
藤田先生「あぁよかったぁ…。」
アナウンサー「よかったぁ。ロケット大好きと伺っています○○さんでした。ロケットに関する質問ありがとうね。」
質問者「どいたしまちて。」
藤田先生「(笑)ありがとうございました。」
アナウンサー「(笑)ありがとうございました。4才の○○さんからでした。さようなら。」
質問者「ばいばい。」
藤田先生「バイバイ。」
質問者「おじーちゃんがくるからね。」
藤田先生「(笑)楽しみだね。」
4才だったか!(スタジオの皆さんは事前にお子さん情報があるみたいだけど) 回答の緊張から解かれた藤田先生と4才児の最後の会話が何ともかわいく味わい深い。

Q21 どうしてディーゼルカーより電車の方が多く
  走っているんですか?(小6男子)

梅原先生「ディーゼルと電車とでは、電車の方が多いのはどうしてか、ということですね? 日本には3万キロぐらい鉄道が走っているんですけれども、そのうちの2万キロ、3分の2近くは電化されていて、架線が敷かれていて、電車が走っているんですね。今のお住まいは山梨県ですね?」
質問者「はい。」
梅原先生「ですから中央線も電車が走ってますし、JR東海身延線も電車、富士急行も電車。山梨県だとディーゼルカーが走っているのは小海線ですね。そのくらいしかない。」
質問者「はい。」
梅原先生はわりとお子さんの地元の路線を言ってくれるのね。身近な鉄道から話に入りやすくしてるんだろうか。

梅原先生「どうしてかというと、電車とディーゼルカー、つまり電気で車両を走らせるか、ディーゼルエンジンで車両を走らせるかを比べると、やはり電気で走らせる方が長所が多いからですね。良いことが多いから採用されているんですね。
ディーゼルカーというのは燃料タンクを積んで、ディーゼルエンジンを積んで走っているので、電車に比べるとエンジンの力を強くできないんですね。エンジンを高性能なものにしようとすると、重くなりすぎて走ることができなくなってしまうんですね。でも電車は燃料を積んでいないので、外から電気を供給してあげれば動くので、モーターの力は割と自由度が高くて出力も大きいものが作れると。
もう一つは、軽くて力が強くなるので、とても効率が良いんですね。走る時のエネルギーを比べると、電車はディーゼルカーの半分ぐらいのエネルギーで走れると言われているんですね。メリットが多いので電車がどんどん走るようになったんです。
でも、電気で走らせるのに欠点があって、架線を張るのにお金がかかるので、1キロ工事しても…1億円は必ずかかってしまって、10億円かかる所もあるんですけど…」
質問者「ああ…。」
梅原先生「そのぐらいのお金がかかってしまうので、お客さんがあまり乗っていない路線とか、貨物が少ない路線だと電線を張るメリットがあまりないので、ディーゼルにしてる。
でも、そういう路線はもともとお客さんがあまり乗らないから、儲からなくなってしまうので、昔はたくさんあったんですけど、赤字になってしまって、どんどん廃止されてしまって、逆に電気の鉄道が目立つようになったんですね。だから、電気の方がそういうメリットが多い、ディーゼルカーが少ないということはあります。」
質問者「よく分かりました。」
アナウンサー「よかったです。」

Q22 車は何でペダルだけで動くんですか?
  (6才男子)

アナウンサー「どうして不思議に思いましたか?」
質問者「えっと、運転する時にペダル踏んだだけで動くからです。」
由良先生「○○君、質問ありがとうございます。車はペダルだけで動いてるわけじゃなくて、手を使ってハンドルも使ってるよね?」
質問者「はい。」
由良先生「だから、ペダルは何をしてるかって言ったら、走ることと止まること。右側のペダルはアクセルペダルと言うんだけど、これを踏むと車が加速するんですけど、左側にあるブレーキペダルを踏んで車を止める。そして手の方はハンドルを切って右に行ったり左に行ったり。
ということは、車はペダルだけじゃなくて人間の体のほとんど全部を使って動かしているんですね。目は前を見たり安全を確認したり、手はハンドルを切るだけでなくて、ウィンカーを出したりヘッドライトをつけたり、ギアチェンジのシフトレバーを動かしたり。お休みしてるのは左足だけかな…でも左足も、車が走っている時は踏ん張って、体を椅子に安定させる役割をしてるので、車というのは人間の全部の機能を使って動かしているんですよ。
ペダルだけっていう感覚からしたら、どれぐらいのスピードを出すかとか、そのまま走らせるとか、車を止めるとかっていう時に、足を使うというのがとても人の能力としてやりやすかったという点もあるんじゃないかと思います。」
質問者「ふううん。」
由良先生「君は自動車を運転したいの?」
質問者「うん。」
由良先生「じゃあ大きくなったらドライバーだね。」
質問者「うん。」
由良先生「どうかな、分かるかな? もうちょっと知りたいことがあるかな?」
質問者「ありません。」
由良先生「大丈夫? 分かってくれましたか?」
質問者「はい。」
お子さんが聞きたかったのは別のことのような気もするけど、「人間の機能全部を使って車が動く」という話にはハッとさせられた。最近の悲惨な車の事故を見てると余計に。今はまだ車の安全性は人間の心身の健康に依存してるけど、そこを分離しようとするのが自動運転システムなのか。

Q23 飛行機はどうやって操縦していますか?
  (5才男子)

アナウンサー「どんな時に不思議に思いましたか?」
質問者「飛行機に乗って旅行に行った時に気づいたからです。」
今野先生「まず、飛行機のいちばん前にはコックピットという操縦する部屋があります。それは知ってます?」
質問者「知りません。」
今野先生「操縦する部屋があるんですよ。残念ながらお客さんからは見えないので…。そこに操縦する人、パイロットという人が飛行機を操縦します。
どんな感じで操縦するかというと、操縦桿という…車のハンドルみたいなものがあるんですよね、それを左とか右に傾けると、飛行機の翼の小っちゃいところが動いて、飛行機が右に行ったり左に行ったりします。ここまではいいですか?」
質問者「はい。」
今野先生「あとは車のアクセルみたいなものももちろんあります。飛行機だとスロットルレバーというんですけど、それをグッと押すとエンジンの回転が上がって、スピードが上がるんですよ。スピードが上がることによって飛行機は空中を飛べるんですよね。空中を飛んだ後はハンドルを右とか左に傾けて、飛行機を操縦するわけです。…分かりましたか?」
質問者「わかりました。」
アナウンサー「おーよかった。○○君は飛行機が好きなんですか?」
質問者「やっぱり電車の方が好き。」
先生方「(笑)ハハハハハハ」⇦先生方いちばん笑ったかも。
今野先生「(笑)しょうがないですね。」
アナウンサー「(笑)そうかそうか。飛行機に不思議を感じる、かつ鉄道も好きなのね。鉄道だとどんな鉄道に乗ったことがありますか?」
質問者「………」
アナウンサー「北海道だといろんな鉄道があるかな?」
質問者「………」
アナウンサー「難しいかな? 飛行機に乗った時はどんな飛行機でしたか?」
質問者「………」
アナウンサー「難しいかな? でも飛行機に乗ったことがあるから不思議に思ったんだもんね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「今度また飛行機に乗る時に、飛行機の頭の部分…って言っていいですかね? 頭の部分を部分をじっくり見てみてください。そこで運転しているんだって。今度空港に行ったら見てみてくださいね。」
質問者「はい。」

質問終わり~先生方から感想と一言
梅原先生「お寄せ頂いた質問全部に共通しているんですけど、鉄道がなぜここまで、この21世紀の時代に存在しているのかというような、本質的な質問ばかりだったなぁと思うんですね。他の乗り物と比べて制限が多いんですけど、その代わりに少ないエネルギーで走れるとか、多くの人が乗ることができるとか、そういったメリットがあるので生き残ってきてるので、そういう鉄道だけが持っている特徴に目を向けて質問して頂いたところが多かったと思いますね。」
アナウンサー「それから千葉県ゆかりの小湊鐵道を、レポーターH君が伝えてくれましたけど、いかがでしたか?」
梅原先生「いやもう、小湊鐵道に乗り直してこないと。ちゃんと見てなかったなぁというぐらい詳しいレポートで。」
アナウンサー「去年は大変なことが多かった千葉県ですけど、先生方もぜひ。特に今野先生は千葉にいらっしゃるので。」
今野先生「はい。小湊鐵道、足湯にも入りたいと思います(笑)。」
アナウンサー「新幹線のこともめちゃくちゃ詳しい質問が。圧倒されました。」
梅原先生「そうですね。車両の型式を覚えるのが鉄道ファンの第一歩というところはありますので。」

由良先生「いやもう緊張して汗をかきましたけど、僕たちがふだん当たり前だと思ってることを、それが分からない子どもたちにどう説明していいか、そこに突き詰められると、意外と説明が難しいんだっていうのが改めて…。そういう意味では本当に汗をかかせてもらいました。簡単に言っちゃってることが多いなぁという感想です。
あと感心したのは、意外とエコとかグリーンエネルギーとかに興味を持ってるんですよね。それがすごいなと思いました。」
アナウンサー「今日は未来の乗り物のプレゼンテーションを頂きましたけど、あれも素晴らしかったですね。」
由良先生「あれも素晴らしいし、ゼンマイの車はできないの?っていう話は、エンジンを使わないからとか、排気ガスとか、とにかくクリーンエネルギーに繋がるようなことを、とても小さな子どもたちが興味を持たれているということが、ある意味新鮮でしたね。」

今野先生「私も初めて参加させて頂いたんですけれども、なかなか難しくて、分かりやすく喋ろうとして回りくどく説明しちゃったかな、というのがあるので、そこは勉強しなきゃいけないところかなと思いました。」
アナウンサー「いつもいらっしゃる航空科学博物館には子どもたちもよく来てるそうですね?」
今野先生「はい。小学生が多いので、やっぱり説明するのは難しいんですけれども、電話相談だと顔とか表情、ジェスチャーが使えないのが難しいと思いました。ジェスチャーがあるだけで全然違うんですけど、目の前にいないというのはやっぱり難しいなと、改めて思いました。」
アナウンサー「なるほど。スタジオで身振り手振りをやって頂いても構いませんので(笑)、これからもよろしくお願いします。」

藤田先生「鉄道と自動車と飛行機以外が私のところでしたが、船っていちばん古く使われた乗り物なんじゃないかと思うんですけど、大きく作ろうと思えば実はとっても大きく作れて、しかも安く、人でも物でも運べるというメリットもありますけど、確かにあの船が浮かぶというのも不思議に思うんだろうな、というのを実感してます。」
アナウンサー「今、帰省中とか旅行中の人もいて、乗り物もたくさん使ってるでしょうから、改めて不思議に思うことが…」
藤田先生「たくさんあるんでしょうね。」

未来の乗り物や小湊鐵道のイチオシもあったのに、23問も答えて頂いて内容盛りだくさんだった。乗り物のジャンルは今後もあるんだろうか。取り上げるジャンルの多様化は藤田先生の負担軽減になるのか。

冬休み子ども科学電話相談1/5(乗り物スペシャル)8時台・9時台

この冬は1つのジャンルをとことん追求する4時間スペシャル!
1/5は乗り物スペシャル!
回答する先生方は
 梅原淳先生(鉄道)⇦2回目!
 由良拓也先生(車)⇦初登場!
 今野友和先生(飛行機)⇦初登場!
 藤田貢崇先生(科学)⇦おなじみ!

梅原先生は鉄道スペシャル以来の2度目。
アナウンサー「梅原先生、最近、印象的な鉄道は何かありましたか?」
梅原先生「はい。お正月早々ですけれども3日に、NHKのすぐ近くの渋谷駅なんですが、地下鉄の銀座線の渋谷駅が新しくなりまして、今まで東急百貨店というデパートの中にあったんですが、それが移動しまして、それを朝早くから取材に行ってまいりました。」
アナウンサー「そうですか! ニュースでも見ましたがどうでした?」
梅原先生「道路の上にある、巨大なドーム状の駅で、屋根がM字型…ウェーブですね、本当に未来の駅という感じがしますので、一度行ってみてください。」
アナウンサー「昔の渋谷の風景とはどんどん変わっていきますよね?」
梅原先生「そうですね、行くたびに変わっていて迷ってしまうと思いますけれども、変化があって却って面白いのかなと思いますね。」

アナウンサー「車の分野は初登場、由良拓也先生。よろしくお願いします。」
由良先生「はい、よろしくお願いします。」
アナウンサー「レーシングカーデザイナーというお仕事ですが、これはどんなお仕事でしょう?」
由良先生「別の言い方をすれば“競走自動車”という…自動車と言っても普通の車ではなくて、速く走るための設計をしたものですよね。ですから例えば、うんと馬力があるとか、空気抵抗が少なくてスピードが出るとか、カーブを速く曲がれるとかですね。ただ、一般の道路ではなくて、サーキットという決められた競技場の中を速く走るための車を作っているんです。」

アナウンサー「飛行機に関する質問は、航空科学博物館学芸員の今野友和先生、初登場です。よろしくお願いします。」
今野先生「はい、よろしくお願いいたします。」
アナウンサー「航空科学博物館は成田空港の近くにあるようですが、元日は朝5時から!開館したと聞きました。すごいですね。」
今野先生「そうなんです。1月1日に初日の出を皆さんに見て頂こうという企画で朝5時から開館して、朝6時ぐらいに成田空港に1番機が下りるので、飛行機と初日の出を同時に見ようという企画がありまして、朝早くから開館しております。」
アナウンサー「どれぐらいの方がいらっしゃいました?」
今野先生「大体なんですけど400~500人ぐらいは来て頂きました。」
スタジオ内「おお~すごい。」
今野先生「けっこう人気の企画なんです。」
アナウンサー「きっとお子さんもたくさんいらっしゃったでしょうね。」
今野先生「はい、来て頂きました。」

乗り物スペシャルなのに科学担当の藤田先生が。ま、鉄道・車・飛行機以外は藤田先生なんだろうな。いっつもお一人だけ守備範囲広すぎ。
アナウンサー「藤田先生は帰省とか旅行とか、この冬はいかがですか?」
藤田先生「帰省はしなかったですけど、帰省する時はいつも飛行機で、函館まで帰りますが…」
アナウンサー「函館なんですね!」
藤田先生「もうちょっと後に帰ろうと思いますけど。よくJRの中央線を使うんですけど、ここ1年ぐらいでしょうかね、外国の方がずいぶん乗ってらっしゃるなという印象がありますけどね。」
アナウンサー「旅行の方ですかね?」
藤田先生「そんなにジロジロ見ませんけど、高尾山に行かれているんでしょうかね? そういう格好して乗ってらっしゃる方がずいぶん多くなった気がします。」
アナウンサー「高尾山は国内外の方に人気がある山だそうですね。」
藤田先生「さっきお話を聞いたら、そんなことを話されてましたので、ずいぶん人気なんだなと思ってますが(笑)。」

Q1 将来、鉄道が無人化されるって聞いてるんで
  すけど、僕は運転したいんですが、どうしたら
  いいですか?(小3男子)

アナウンサー「僕は運転したいのに無人化されてしまうのではないかと。○○君は将来、電車を運転する人になりたいのですね?」
質問者「はい、運転士になりたいです。」
アナウンサー「なるほど、でも無人化されちゃうんじゃないかという心配がある。では梅原先生、お願いします。」
質問者「あ、来た!」⇦お目当ての電車を待っていたかのような反応。気合い入ってるな。
梅原先生「○○さんの近くを走ってる電車は何線ですか?」
質問者「京王線です。」
梅原先生「京王線ですか。確かに電車は将来無人化したいと…京王線の近くを走っている中央線のJR東日本は、無人の電車の開発を今していて、山手線で試験電車を夜中に走らせているんですけれども、どうして無人化したいかというと…どうしてだと思いますか?」
質問者「ん?」
梅原先生「(笑)どうして鉄道会社は無人で運転したいと思っているか分かります?」
質問者「うーん…人手不足。」
どの先生か分からないけど「すごい。」
梅原先生「実はそうなんです。もちろん運転士さんの給料が高いので、もう少し安くしたいということもあるんですけれども、それよりも何よりも、今とっても少子化が進んでいて、どこの鉄道会社も運転士さんのなり手がなくなってきちゃうんじゃないかと心配しているんですね。ということは、運転士になってくれる人がいれば、まだ無人にはならないかなと思うんですけれども、でも○○さんはなりたいんですね?」
質問者「はい。」
梅原先生「例えば京王電鉄とかに入って運転士になってくれれば、まだ無人にはならないと思います。無人と言っても、踏切がある鉄道の電車を無人にしようというのは、ものすごく難しくて、前方に人がいるとか、車が踏切に止まっているのを見つけるのは、今の技術ではまだ難しいので、もうちょっと時間がかかると思うんですね。だから、頑張って鉄道会社に入って、“僕は運転士になります”って言ってくれると、もうちょっと無人にならないかなとは思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「運転士って匠の技が必要な、職人技ですよね?」
梅原先生「そうですね。運転を無人にしたい理由がいくつかあって、今ホームドアがどこの鉄道会社にもありますよね?」
質問者「はい、あるね。」⇦素が出るタメ口嫌いじゃない。
梅原先生「そのホームドアにピッタリ合わせて電車を止めるのってものすごく難しくて、運転士さんがお腹が痛くなっちゃうぐらい緊張してるのね。そういう運転の技術は無人にしましょうと。運転士さんは乗っているけれども、その操作を無人にする技術は、これからもっと盛んになると思います。その先がどうなるのかはまだ分からないですね。」
質問者「はい。」
由良先生「自動車も今、運転手さんは乗ってるけど操作を自動にする方向に、開発がものすごく進んでいるんですよね。これも鉄道と同じような考え方なんだと思いますけど、特に車の場合は相手がいるので、事故を減らすことがいちばん大きなテーマだとは思うんですけど。」
アナウンサー「そうですね、車も無人化の技術がだんだん報道されてきてますもんね。無人化される部分もあるが、人が運転するところもまだまだ無くならない…ということなんですって。○○君、将来もし運転士になるとしたら、どんな鉄道を運転してみたいですか?」
質問者「うーん、今のところは……いっぱいすぎて分からない。」
先生方「(笑)」
アナウンサー「(笑)いいですね、いろんな電車に乗ってみて決めてくださいね。」

Q2 水の中でも走れる…入りながら走れる車って
  ないんですか?(小3男子)

アナウンサー「どうしてそんなふうに思ったんでしょうか?」
質問者「釣りとかする時に、車でもできるかなって。」
アナウンサー「なるほど、○○君は釣りが好きなのかな?」
質問者「大好きです。」
由良先生「○○君、電話ありがとう。質問は“水の中でも走れる”ということですけれども、以前、「007」というシリーズ…ジェームス・ボンドというスパイが活躍する映画があったんですけれども、この映画の中にロータスエスプリというイギリスのスポーツカーが、街の中を走りながら水中に入り、潜水艦のように走るという車があったんですね。これは映画の中の車だったんですけれども…」
質問者「うん。」
由良先生「水の上を走るのと水の中を走るのとではすごい大きな違いがあって、水の中というと、水が隙間から入ってきちゃいますよね? それを防ぐのがとても大変。自動車は地面の上では、外の風を室内に入れるように作ってあって、中で人が快適に過ごせるようにしてるんですけれども、水中に入るとすると、そういう所を全部閉めて、しかも…水の圧力って分かるかな? 潜水で泳ぐと耳がツーンとするでしょ?」
質問者「うん。」
由良先生「あれは水のすごい力で押しつけているんですけれども、自動車にその水が入ってくるのをどうやって防ぐかは、とても大きな問題なので、なかなか実用化されていないと思いますね。」
質問者「うん。」
由良先生「水の中を性能良く走る形と、地上をちゃんと速く走る形って、全然違うんですよ。だからその両方をできるようにすると、どちらの性能も悪くなっちゃう。だからどっちかの方がいいのかな。」
質問者「はい。」
由良先生「実は僕も釣りが大好きなんですけど、水に潜っちゃうと釣りできないよ?」
質問者「…ああ。」
由良先生「水に浮いてた方がいいよね? 水に浮く自動車はけっこうあるよ。」
質問者「うん。水陸…」
由良先生「水陸両用車っていうやつだよね。水の上だったら釣りもできていいかもしれない。
ただ1つ大きな問題があって、こんなこと言うと夢がなくなるけど、水の上を走る法律と地面を走る法律が全然違って…」
質問者「あっ。」
由良先生「ランプとかヘッドライトとか、船だと航海灯という船のためのいろんな灯りとか、形とかがあるんですけど、そのルールが全く違うので、実は水陸両用車ってとても難しいんです。
でも、最近は観光バスが水の中も走る…例えばうちの近所で山中湖という湖があるんですけど、お客さんを乗せて走りながら、そのまま水中にドボーンと入って山中湖を1周してくれるようなKABAって言うバスもあるんですね。だから、水上を走れる車は、いろいろなものを作れる可能性がまだまだありますよ。」
質問者「はい。」
由良先生「水中はなかなか難しいと思います。」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「分かりましたと言ってくれてありがとう。いつか水の中を走れるようなものが発明されるといいですけど…」
由良先生「タイヤが邪魔になったり、水密…水をどうやって入らないようにするかの問題と、あとは陸を走るには絶対タイヤが要るんだけど、タイヤは水の中ではものすごい邪魔なんですね。」
アナウンサー「あっ、そうなんですね?」
由良先生「それが抵抗になってスピードが出なかったり。」
アナウンサー「そっか。水の中に向いてる形と陸上で向いてる形が…」
由良先生「形が違うから、それを仲良くさせる技術が難しいかなと。」
アナウンサー「とりあえず水陸両用の。」
由良先生「そうです。釣りをするならそっちの方がいいよ。」
アナウンサー「というおすすめでした。」

めちゃくちゃ現実的なお話だった。まあ魚と人間も形や表面が全く違うもんな。

Q3 どうして飛行機のトイレの流す音が大っきい
  の?(4才男子)

アナウンサー「○○君はトイレを使った時に、そう感じたのね?」
質問者「そう。ビックリした。」
アナウンサー「ビックリした! ビックリしたんだそうですよ今野先生。」
今野先生「トイレを使ってビックリしたということですね?」
質問者「お家ではしてない。」
今野先生「ん?」
質問者「お家ではビックリしてない。」
今野先生「お家ではビックリしてない、飛行機ではビックリした、なるほど分かりました。まず、簡単に答えますと、家のトイレは水だけで流してるんですよ。なので、あまり大きい音がしないんですよね。でも飛行機は、水と空気の力でギュンッと引っ張ってる、吸い込んでるんですよ。だからすごい音がするんですよ。まずここは大丈夫ですか?」
質問者「うん。」
今野先生「じゃあもうちょっと説明します。何で飛行機のトイレは水と空気の力で吸い込むかというと、水はとっても重いんですよ。飛行機は空を飛ぶので、なるべく重いものを持っていきたくないんですよね。水はなるべく少なくしたいんです。じゃあどうするかというと、トイレの仕組みを工夫して、ちょっとの水と、空気のギュンッて吸い込む力を利用してトイレを流しているんですよ。水をなるべく少なくすることによって、飛行機は得をするんですよね。なので、その吸い込んだ時にギュンッていう音がすごくしちゃうので、耳が痛くなったんじゃないかなと思います。…どうですかね?」
アナウンサー「どうでしょう○○君? 飛行機では水をあまりたくさん積めないから、空気の力も借りて流すんですって。だからギューンって大きな音がするそうです。」
質問者「………」⇦声が枯れ気味だし咳も聞こえるから、声が出しにくいのかも。
アナウンサー「どうでしょう? ……どうかな?」
質問者「わかった。」
今野先生「分かった? ありがとう、よかったあ! よかった…。要するに空気の吸い込む音がうるさいというお話です。」
アナウンサー「今度また○○君が飛行機に乗って、おトイレに行ったら、またその音を…ビックリしちゃうかもしれないけど、“そうか、空気も使ってるんだな”と思って使ってみてくださいね。」
質問者「はい。」

緊張感がほんのり伝わる回答だったけど、最後に「よかったあ!」で解き放たれた感にこちらもホッとする。ふだんからお客さん対応をされているのか、物腰柔らかな話し方だった。

Q4 船は空気で浮いていると聞いていますが、
  どうやって空気で船は浮いてるんですか?
  (小1男子)

このお子さんも鼻声。年末年始にお出かけしたり生活リズムが変わったりで風邪ひいちゃうのかな。

アナウンサー「そうですね、船自体は重いのに空気で浮いている、なぜでしょうかと。これはどうしてそう思ったのですか?」
質問者「本で、船は空気で浮いてるって読んだので、なぜそうなのか……なぜそうなるのか聞きたい。」
藤田先生「船が空気で浮いているということは知ってるけれど、それがどういう意味なのかな?という質問なんですね?」
質問者「はい。」
藤田先生「船って何でできてるのか知ってます?」
質問者「知らない。」
藤田先生「鉄でできてるんですよね。鉄っていう金属…すごく重いものがありますよね? 身の周りにも金属がいっぱいありますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「ああいうものは水の中に入れたら沈むのになぁ、というのを○○君は疑問に思ってるということですよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「全部金属でできた四角い箱があれば…パチンコ玉ってありますよね? パチンコ玉は水に入れたら沈むと思うんですけど、あれはパチンコ玉の全部が金属でできているので沈んでいっちゃうんですよ。」
質問者「はい。」
藤田先生「でも、中身がスカスカで、金属になってる部分はほんの表面だけということになると、水に浮いちゃうんですね。中に空気が入っていれば、その空気の分軽くなっちゃうので、それで上の方に浮いてくるという仕組みになるんですよ。」
質問者「はい。」
藤田先生「小学校1年生だから、まだ浮力という言葉は全く知らないと思うけれども…」
質問者「いや、浮力知ってます。」
藤田先生「知ってる! あっすごい…」
質問者「アルキメデスとか…」⇦鼻声でのアピールかわいい。
先生方「んんー!」「すごーい(笑)」
藤田先生「そうですね、アルキメデスの原理ですよね。安心しました。じゃあ体積っていう言葉は知ってますか?」
質問者「それは知りません。」⇦キッパリ。藤田先生の期待は半減…。
藤田先生「同じ大きさで…お風呂で実験してみたらいいと思うんですけど、ペットボトルに水をいっぱい入れてお風呂の中で手を離すと、たぶん水面近くまで浮くと思うんですよ。でも、ペットボトルの水を半分…半分だけ水、半分だけ空気にしたら、ペットボトルはもっと浮かびますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「というふうに、空気が入ってると上の方にいこうという力がはたらく…のが浮力なんですけれども、船はその中に空気がいっぱい入っている。船というのは物を運ばなきゃいけないですよね? 中に荷物がいっぱい入っていますから、荷物がある所の空気が上の方に浮かべるはたらきをする、ということですね。それで…」⇦ふいに音声途切れる。
アナウンサー「どうでしょうか、○○君…」
電話の切断音「プツッ……プー、プー…」
アナウンサー「あらららら…でもお話は良い感じに進んでいたので…浮力のことも知っていたし…」
藤田先生「アルキメデスの原理という言葉が出てきましたね。あれは同じ体積の物があった時に…簡単に言うと船というのは、その押しのけた体積分だけ、水を押しのけた分だけ上の方に力がはたらくんですね。…というアルキメデスの原理があるんですけれども、それを知っていたということですね。」
アナウンサー「○○君、もう1回繋がりましたかね? もしもし?」
質問者「もしもし。」
アナウンサー「○○君、藤田先生のお話はいかがでした?」
質問者「分かりました。」
藤田先生「よかった…。」⇦心の底から出てくる安堵の言葉、今年も聞けた。

Q5 電気自動車はあんなに静かなのに、同じ電気
  で走ってる電車はどうしてあんなにうるさい
  のですか?(小6男子)

アナウンサー「なるほど。確かに不思議ですよね。これは車についての質問でもあり電車についての質問でもありますが、梅原先生いかがでしょう?」
梅原先生「電車の音がうるさいということなんですけど、○○さんの住んでいる所を走ってる電車は何線ですか?」
質問者「南部線。」
梅原先生「JR東日本の南部線ですね。電車を近くで見ていたり乗ったりした時に、どんな音が聞こえてきますか?」
質問者「…タイヤか何か、線路の…」
梅原先生「ガタンガタンとか、そういう音ですね?」
質問者「うん。」
梅原先生「電気自動車…車はタイヤで走っているので、舗装された道路をタイヤで走っている時と、鉄の車輪が鉄のレールの上を走っている時とでは、やっぱり金属どうしが触れ合う音の方が大きいんですね。特に南部線とか在来線の電車になると、線路に継ぎ目がありますよね?」
質問者「はい。」
梅原先生「継ぎ目があって、途中でゴトンゴトンという音がしますね? 継ぎ目に少し隙間が開いてるので、そこの音がするんですけど、そういった音がまず電気自動車と比べて大きいんですね。
それからもう1つ、電車に乗っていると、モアーンっていう音とか、空気のプシューっていう音とか、いろんな音が聞こえてくると思うんですね。電気自動車にはあまりついていないもので、例えばブーンとかずっとけたたましい音がしてると思うんですけど、あれは機械やモーターを冷やすためのファン、送風機なんですね。車のモーターと違って…モーターって電気自動車はどうなんだろう、300キロワットぐらいだと思いますけど、電車はそのぐらいのモーターが1両に4個ぐらいついてるので、けっこう出力が大きいので、それを冷やすために送風機がけたたましくなっているんですね。
それからもう1つは、ブレーキをかける時に空気を使ってることが多いので、プシューっていう音を立てたり、その空気を圧縮するのにコンプレッサーというものを始終動かしているので、そういう音がするんですね。」
質問者「はい。」
梅原先生「もちろん1つ1つの音を小さくしようと思えばできるんですけれども、通勤電車とかだと防音対策がなかなかできないので、どうしてもうるさいかな、というところはあります。」
質問者「はい。」
アナウンサー「そして、車の観点から由来先生、電気自動車は昔よりもかなり増えてきましたよね?」
由良先生「はい。出力を下げて走ってる時は確かに静かなんです。ですけど、電気自動車でもレースもやってて…」
アナウンサー「そうなんですか!」
由良先生「すごい音がするんです。ギュウウウン!っていう、“なんだ、電気自動車って音がするんだ”っていうぐらい、ものすごい唸り声を上げて。やっぱり力をいっぱい使った時は音がいっぱい…まあ排気音よりは静かだと思いますけど。
あと電車はインバーターっていう、モーターを制御する装置の音がとても個性的で、マニアの人はその音を聞いただけで何線か分かるという…(笑)。面白いですよね。」
梅原先生「(笑)そうですね。今インバーターっていう話が出ましたけど、南部線の電車もインバーターを使ってて、インバーターは、電車のモーターに供給する電圧と周波数を変えることで回転を変えたり、力を出したりと、その2つをコントロールしているんですね。特に周波数を変えるとすごい音がするので、そのインバータ音というのがするんですけど、それもうるさいのかな。それももちろん電気自動車に比べると大きいので、音が大きいのかなと思いますね。」
質問者「はい。」
由良先生「自動車も一緒なんですけど、実は電気自動車も電車も、とても冷やさなきゃいけない。熱がいっぱい出るんですよね。僕も子どもの頃は、電気自動車は冷やさなくても密閉したようなもので走ると思っていたら、実は熱がいっぱい出て、それを冷やす部分は自動車も電車もいっぱい音を出してますよね。」
アナウンサー「○○君、どうでしょう、自動車と電車、それぞれいろいろな事情があるようです。」
質問者「よく分かりました。」

Q6 救急車や消防車やパトカーは急いでるのは同
  じなのに、どうしてサイレンが違うんですか?
  (小5女子)

アナウンサー「なるほど、○○さんはそれぞれ違うなと思ったのですね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「家の近くとかでそれぞれの音を聞いたんですかね?」
質問者「はい。」
由良先生「電話ありがとうございます。サイレンの音がいろいろ違うということなんですけど、実は僕もこのサイレンが大嫌いなんですけれども、簡単に言っちゃうと、消防車と救急車とかパトカーは、音を聞いただけでどの車なのかが分かるように、音を変えてあるみたいですね。」
質問者「はい。」
由良先生「だからピーポーピーポーっていったり、ウーっていったり、それぞれの役割によって音を変えてある。面白いと言ってはアレですけど、消防車はウーっていいながらカンカンカンカンって鐘が鳴ってますよね?」
質問者「はい。」
由良先生「行きにウーっていいながらカンカンと鳴ってる時は…火災が発生している時にカンカンがプラスされているんですね。帰りに火が消えてる時は、カンカンだけ鳴らしてウーはないんですって。」
質問者「はい。」
由良先生「カンカンだけ鳴らして走ってる消防車を見たことがあるかもしれないですけど、あれは“火が消えましたよ”と教えていると。要するに音の種類で何の仕事をしてるか、音だけで分かるように区別をしてるんですね。パトカーも救急車との違いというのは、サイレンの間隔がちょっと違っているんですね。」
アナウンサー「あっ、そうなんですか!」
由良先生「何が走ってるかというのを音を聞いて分かるようにしているそうです。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○さん、どうでしょう? 音が違うのは、それぞれの役割が違うのがすぐに分かるように、ということだそうです。由来先生のお話はいかがでしたか?」
質問者「分かりやすかったです。」
由良先生「(笑)ありがとうございます。」
アナウンサー「私、気づかなかったです。そういえば違いますもんね。」
由良先生「僕もそんなに詳しく知らなかったですけど、質問されてこちらも勉強したら、“ああ、音が違うんだぁ”っていう…確かに非常時に鳴らしてるので、音だけ聞いて何が起こってるかがある程度分かるように、ということがあるんでしょうね。」

由良先生の「質問ありがとう」「電話ありがとう」が温かみがあって何だかホッとする。

Q7 飛行機に乗るのは何で高いんですか?
  (小4女子)

アナウンサー「高いというのはお金のことかな?」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○さんは飛行機に乗ったことがあって、その時にそう思ったのかな? どうしてこの質問を思いつきましたか?」
質問者「前、飛行機に乗って旅行に行った時に、もうちょっと安かったらもっと行けるから…。」
アナウンサー「(笑)なるほど、その時はどこに行ったのですか?」
質問者「グアムに行きました。」
今野先生「飛行機に乗るのはたくさんお金がかかる、ということなんですけれども、日本の飛行機のチケット代は、他の国と比べてちょっと高いと言われています。チケットの料金の内訳なんですけれども、燃料代金とか、空港の使用料とか税金とかいろいろ入っています。そこまでは大丈夫ですかね?」
質問者「はい。」
今野先生「飛行機に乗る時は、だいたい海外とか遠い距離を行くと思うんですよ。その時に長い距離を行くほど燃料代金が高くなるんですよ。電車でもバスでも遠くに行くほど料金が高くなりますよね?」
質問者「うん。」
今野先生「同じシステムで、飛行機も飛べば飛ぶほど高くなります。海外ってすごく遠いですよね? グアムとかヨーロッパとか、遠い所に行くほどたくさん燃料代金がかかるので、日本で生活してて電車やバスに乗るのと比べると、高く感じているんじゃないかなと思います。」
質問者「はい。」
今野先生「でも海外に安く行きたいですよね? ご安心ください、最近は飛行機もLCCという格安航空会社がたくさんできてます。」
アナウンサー「○○さんは知ってますか? LCCというのは…」
質問者「初めて知りました。」
今野先生「初めて知りました? 簡単に説明すると安く乗れる航空会社なんですけど、何で安いかというと、人気のある路線だけをやるとか、なるべく広告を打たなくてインターネット上だけで宣伝するとか、企業努力をして、飛行機のチケット代金をすごく安く提供している航空会社が、最近いくつもあります。」
質問者「ふううん。」
今野先生「海外に行く時、中国とか韓国ぐらいですけれど、かなり安く行けます。国内ですと、成田空港から札幌まで行こうとすると、安い時ですと片道で5000円くらいなんですよ。とても安く乗れるんですよね。まだ国内とか近場の海外だけですけど、将来的にはヨーロッパとかにも日本からLCCが出て、安く海外に行ける時代が来るんじゃないかな、と思っています。」
質問者「うん。」
今野先生「せっかくですから料金事情を他の先生方にも(笑)、聞いてみます。」
由良先生「特に新幹線と飛行機はライバル関係ですよね。」
今野先生「ええ、国内だとそうですね。」
由良先生「だから梅原先生に…陸から離れちゃったら飛行機の一人勝ちですけど、陸上でも行けるとなると、新幹線との激戦が面白いと思いますよ。」⇦ライバル意識を煽る由良先生。番組に積極参加されてて聴く側は楽しい。
アナウンサー「その通りです。どうですか?」
梅原先生「飛行機の運賃って高いことは高いですけれども、昔は鉄道と飛行機の運賃を比べる時に、新幹線のグリーン車と飛行機を比べてたんですね。でも今は、新幹線の普通車と飛行機を比べて、飛行機の方が割引で乗るとちょっと安い時もあるので、飛行機は少し安くなったのかなと思うんですね。
実は鉄道も昔は…明治時代に初めて走った頃はすごく高かったんですね。車両を日本で作れなくてイギリスから輸入していて、その値段も…今の鉄道車両は1両作ると1億円ぐらいですけど、当時はたぶん50億円とか100億円ぐらいかかったんじゃないかと言われていて、だから東京から横浜まで乗るのに、今のお金で1万円ぐらいかかったというんですね。」
質問者「へえええ。」
梅原先生「今だったら400円ぐらいで乗れると思いますけど、さっきは燃料代で飛行機が高くなっているということでしたけど、車両とか機体の値段も高いということも関係しているのかもしれないですね。」
質問者「うん…。」
アナウンサー「飛行機に乗るか新幹線に乗るか、はたまた車で行くか…旅行に行く時は知恵を絞って、飛行機の中でもいろんな種類があるということですから、お金をいろいろ比べてみないといけません。北海道に帰省予定の藤田先生も、いろいろリサーチ中ですか?」
藤田先生「選択肢が増えましたよね。函館まで帰る時は飛行機か、新幹線もできましたので新幹線とか、あと、お金を徹底的に安くしたいと、船で行ってる人がいますよね?」
先生方「おおー。」「スゲーな…」
藤田先生「金額的なこともあるでしょうし、時間とか、景色を見てみたいとか、いろんなニーズに合わせていろんな乗り物があるので、いろいろ調べていったら楽しそうですよね。」
由良先生「時間はお金で買うんですね。」
藤田先生「そうなんですね(笑)。」
アナウンサー「ゆったり旅するのもまた一興だし。○○さんは今度旅をするとしたら、どこへ行ってみたいですか?」
質問者「グアム。」
アナウンサー「あ、グアムがやっぱり好きなのね。じゃあ今度、いろんな飛行機の会社の値段を調べて…たぶん時期によっても違うと思うので、お家の人と調べてみてください。」
質問者「はい。ありがとうございました。」
アナウンサー「良い旅をしてくださいね。」

運賃には運行に関わる人へのお金も入っているはずだけど、そこのコメントがなかったのはちょっと残念。

9時台スタートは「ここがイチオシ 鉄道編」
アナウンサー「中継コーナーです。全国の子どもの皆さんに子どもリポーターになってもらって、動物園や植物園、科学館や水族館など、そのお友だちが普段から行っている大好きな場所を紹介してもらうコーナーです。
今日は乗り物スペシャルですので、乗り物に関するご当地のイチオシを紹介してもらうことにしましょう。今日の子どもリポーターは、H君、小学5年生の男の子です。千葉県市原市にある乗り物を紹介してくれますよ。それでは呼んでみましょう。H君?」
H君「こんにちは。Hです。よろしくお願いします。」
アナウンサー「こちらこそよろしくお願いします。H君は千葉県からの“ここがイチオシ”のリポートをしてくれると聞いていますが、今どこにいます?」
H君「僕は市原市にある小湊鐵道五井駅にいます。」
アナウンサー「小湊鐵道! 千葉県でも有名な鉄道ですよね?」
H君「小湊鐵道は、千葉県市原市五井駅から夷隅郡上総中野駅をつなぐ、全長39.1キロの鉄道です。」
アナウンサー「39.1キロ、千葉県の小湊鐵道。千葉在住の梅原先生も、もちろんご存知で?」
梅原先生「はい、よく知っております。」
アナウンサー「なるほど。小湊鐵道について全国の皆さんに紹介してもらいたいですが、まずはH君情報です。H君は好きな電車は何でしょう?」
H君「東京メトロの銀座線です。」
アナウンサー「おおー、ここでまた梅原先生が興奮しておられます(笑)。梅原先生もニュー銀座線を見に行ったんですもんね?」
梅原先生「(笑)はい、銀座線の渋谷駅。行きました?」
H君「はい、行きました。」
梅原先生「あ!もうさすがですね。」
アナウンサー「さすがですね~。そしてH君は鉄道に詳しいと聞いていますが、鉄道のどんなジャンルが好きですか? 乗り鉄撮り鉄、音鉄、いろいろありますよ?」
H君「乗り鉄。」
アナウンサー「乗り鉄。梅原先生、乗り鉄について一言で言うと?」
梅原先生「もう電車に乗るのが好きな人のことですね。」
アナウンサー「H君は電車に乗るのが大好きということで。自分でも電車の旅行の計画を立てて行ったりするんですか?」
H君「はい、そうです。」
アナウンサー「なるほど~。という鉄道に詳しいH君ですが、小湊鐵道にはよく行くんですか?」
H君「一昨日も乗りました。」
アナウンサー「一昨日も乗ったんですね? そうですか、小湊鐵道に乗るのが好きなんですね。」
H君「そうです。」
アナウンサー「H君がこの小湊鐵道のイチオシだと思うポイントを教えてください。」
H君「はい。僕のイチオシは、小湊鐵道のレトロさです。車両、ディーゼル、最高速度、電光掲示板、駅舎、全てがレトロになっています。車両はキハ200型です。小湊鐵道のキハ200型は14両しか走っていません。僕はキハ210に乗りました。冬には駅舎と車両にイルミネーションが飾られて、すごくきれいです。また、上総村上駅では駅舎の入口が引き戸になっています。また、五井から養老渓谷まで踏切は、僕が数えたところ、合計82あります。」
アナウンサー「おお、よく数えましたね。」
H君「そのうち、遮断桿(しゃだんかん)付きが45で、遮断桿無しが37あります。最後に、列車接近案内表示器です。上総村上、海士有木(あまありき)、上総山田、光風台、馬立(うまたつ)駅に設置されています。」
先生方「はい。」「(笑)」
H君「一駅前の列車が発車すると、“次の電車は○○を発車しました”の○○の部分が点灯します。例えば、上総村上駅で、下り列車の養老渓谷方面が一駅前の五井駅を発車した時、“次の電車は五井を発車しました”の“五井”の部分が点灯するということになります。ここが僕のおすすめです。」
先生方「すごいですね。」
アナウンサー「おおお、この39.1キロの鉄道をいろいろ知り尽くした感が伝わってきます。すごいですね。H君、レトロさが魅力なんですね? とっても趣のある電車なんですか?」
H君「そうです。」
アナウンサー「今、キとかハとかいう言葉が聞こえてきましたが、このキとかハは何ですか?」
梅原先生「キとハというのは、JRとかも使っている記号ですけれども、キというのは、気動車という意味で、内燃機関で動く車両のことなんですね。今は内燃機関で動く車両って、鉄道ではディーゼルエンジンの車両しかないので、ディーゼルカーと思って頂ければいいと思います。ハというのは、その車両の等級、種類を表していて、普通車という意味ですね。昔はイ、ロ、ハとあって、イが一等車、ロが二等車、ハが三等車だったんですけど、今は一等車がほとんどなくて、ロがグリーン車で、ハが普通車。ディーゼルカーの普通車ということで、キハという名前がついています。」
アナウンサー「なるほど。H君、小湊鐵道は去年の台風とか豪雨災害で大変だったんじゃないですか?」
H君「そうなんです。台風や大雨の影響で線路が崩れて、今も復旧作業中です。詳しくは小湊鐵道のスタッフ、まつもとあゆみさんにお話を聞いてみたいと思います。まつもとさん、よろしくお願いいたします。」
まつもとさん「小湊鐵道のまつもとです。よろしくお願いいたします。」
H君「まつもとさん、小湊鐵道の被災地の様子や現在の状況を教えてください。」
まつもとさん「はい。小湊鐵道は昨年9月から10月にかけて、台風15号、19号、そして豪雨被害の3度にわたる自然災害で、大きなダメージを受けました。その被害で、線路を支える盛り土が崩れるなどして、一部区間では列車が通れず、現在も運休しております。」
H君「列車が通れない区間はどうしていたんですか?」
まつもとさん「バスやタクシーでの代行運転、つまりお客様にはバスやタクシーに乗り替えて目的地に向かって頂いております。集中豪雨の後しばらくは、五井から里見間の運行でしたが、昨年の12月30日より五井から養老渓谷間の運行を開始しました。」
H君「すごいですね。」
まつもとさん「H君、そろそろ9時16分、五井駅発の列車が出発します。これに乗って小湊鐵道の旅に出かけませんか?」
H君「行きたいです。」
アナウンサー「今もう14分28秒ですから、16分の五井発に向かって、旅のご準備に出かけてください。…今お話を聞きましたけれど、五井から養老渓谷に、12月30日に開通したということで良かったですね。やっぱり地元の大事な生活路線でもあり観光路線でもあるから、ちょっとずつ取り戻せるって良いことですね。」
梅原先生「そうですね。」
アナウンサー「地元の方もお喜びだと思います。…乗り込めたかな? 間もなく1分後に小湊鐵道の旅に出発します。この後の11時台にも繋いで、この鉄道の旅がどんな感じだったか詳しく聞いてみたいですね。H君、乗れましたかな?」
H君「はい、乗れました。」
アナウンサー「よかったよかった。まつもとさんと一緒に小湊鐵道の旅を楽しんできてくださいね。」
H君「行ってきます。」
アナウンサー「後でしっかり、列車からどんな風景が見えたか、どんなお客さんが乗ってたかも教えてください。行ってらっしゃい。」

電車に乗りながら実況するのかと思ってドキドキしたけど、後の時間にリポートするもよう。

アナウンサー「梅原先生は地元ですよね? おなじみの電車だと思うんですが、いかがですか?」
梅原先生「解説がちょっと遅れましたけど、小湊鐵道は首都圏…東京の近郊で走ってる鉄道としては珍しく、ディーゼルカーと言って…ふつうは電気で走る、上空に架線が張ってあってパンタグラフがついてる車両が多いですけれども、小湊鐵道ディーゼルエンジンですから、バスとかと一緒なんですね。いわゆる地方を走ってる鉄道なので、東京駅からいちばん近い所を走っている…ここか取手から出ている関東鉄道が近いところですね。」
アナウンサー「大変な被害があった千葉県ですけれども、こうやってちょっとずつ、いろいろなところが回復してくると良いですよね。11時台も子どもリポーターH君が伝えてくれます。」

Q8 フェリーの中はどうして揺れないんですか?
  (小3女子)

アナウンサー「○○さんはフェリーに乗ったことがあったんですね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「その時はどこからどこまで行ったの?」
質問者「神奈川県から北海道に行きました。」
アナウンサー「揺れなかったですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「お料理とかお風呂も大丈夫でした?」
質問者「はい。」
アナウンサー「そうか、それで不思議に思ったんですね?」
質問者「はい。」
藤田先生「フェリーは揺れない…というか揺れが少ないですよね。快適な船旅ができると思いますけど、乗り物ってどうしても揺れるんですよね。車も揺れますよね? それから電車だって揺れますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「特に飛行機とか船はもっと大きく揺れるんですね。どうしてかなって原理を考えたら、船も飛行機も、もともと揺れてるものの中を飛ぶわけですよね? 空気はいつも止まった状態じゃないですよね? 風が吹きますよね? その中を飛ぶから当然揺れるし、船の場合は海の上を進むので、当然揺れますね。海って波がありますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「その波にどうしても影響を受けて揺れちゃうということなんですが、船の揺れ方は大きく分けると2つあるんですよ。1つは、…○○さんが今、船に乗ってるとしますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「進行方向に向かって座っています。その時、揺れるというのは、上下方向の揺れと左右の方向の揺れと、大きく2つに分けられるんですね。これはイメージできます?」
質問者「はい。」
藤田先生「小さい船だと上下方向にも揺れるし、左右の方向にも揺れちゃうんですね。でも船が大きくなると上下方向には揺れにくくなるんですね。これはどうしてかというと、波って海岸から見てると、波の高い所と低い所、また高い所…って繰り返しがありますよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「あの波の高い所と高い所の間隔は、長くても150メートルぐらいなんですよ。そうすると、たいていは波と波の間が150メートルよりも短いんですよ。」
質問者「うん。」
藤田先生「大きい船…150メートルとか160メートルの長さの船だと、その波と波の間よりも大きくなっちゃうので、そうすると揺れにくくなるんですね。影響を受けなくなるんです。」
質問者「はい。」
藤田先生「それで上下方向には揺れにくくなるんですけど、左右の方向にはやっぱり揺れちゃうんですよ。特にお客さんを乗せる大きな船、快適に旅したいですよね?」
質問者「うん。」
藤田先生「そういう時に何をしているかというと、海の中にスタビライザーという羽根みたいなものがポンと突き出るんですね。スタビライザーってカタカナで書くんですけどね…日本語で安定化装置って言うかな…stableって安定ですからね…。スタビライザーというのは、海の中に羽根がピョンと突き出て、左右の方向の揺れを抑えるということをしているんですね。それで揺れにくくなるんですよ。」
質問者「はい。」
藤田先生「だけど、どうしても少しは揺れますよね?」
質問者「うん。」
藤田先生「ただ車とかに比べると…旅行の時に車酔いしちゃう人がいますよね? ○○さんは車酔いしちゃいます?」
質問者「たまーにしちゃいます。」
藤田先生「船の時はどうでした?」
質問者「全然しなかった。」
藤田先生「たぶん、すごく大きな船で揺れにくかったのもあるかもしれないし、もう1つは、船に乗ってしまえば遠くの方しか見ませんよね?」
質問者「うん。」
藤田先生「車酔いになるのは、人間の感覚と不一致が起こるので酔っちゃうんですけど、船の場合だとほとんど遠くの景色を見てるので、酔う原因になりにくいというのがあるかもしれないですね。」
アナウンサー「由良先生、車酔いの場合は遠くを見てる方がいいんですか?」
由良先生「基本的にはそうですね。あと上手なドライビングも、視線をなるべく遠くに置く。近くに置くとハンドル操作がどうしても動いてしまうんですけど、遠くを見るとハンドル操作がゆっくりになるので、車の揺れが少なくなるんですよね。」
アナウンサー「ちなみに飛行機や鉄道も、場合によっては酔ってしまう時がありますけど、何か対策はありますか?」
梅原先生「鉄道の場合は、もちろん遠くを見るということもありますけど、人によっては…鉄道の座席って前向きになっているものと、後ろ向きになっていることがあると思うんですよ。たいていは前向きに乗っていた方が良い…酔いづらいと言われていますね。」
アナウンサー「飛行機はどうでしょう? あまり乗り物酔いのトラブルは…」
今野先生「飛行機もありますね。細かい振動もそうですし、飛行機は風に弱いので、風を受けると大きく揺れるんです。で、どうしても気持ち悪くなるお客様がいるので、その時は座席の前の方に…今もあるのかな…昔は吐いても大丈夫な紙袋みたいなものがあったんですよ。なので…まあ、しょうがない時は出してもらうしかないです。」
アナウンサー「緊急事態はあるかもしれない。」
今野先生「飛行機は止まれないので…そうですね。」
アナウンサー「でもフェリーの場合は、スタビライザーという揺れにくいものがあるんですね?」
藤田先生「揺れをできるだけ少なくする装置があるということですね。スタビライザーは船を外から見たり船から海の中を見たとしても、たぶん見えないですね。水の中にザクッと…何ていうんですか…」
由良先生「羽根ですかね。飛行機の羽根のようなものが突き出てて、それが水の中で揺れようとする船を抑えてくれるんですね。」
アナウンサー「だから沖の方に行って大波が来ても、ある程度は抑えられると。」
藤田先生「もちろん大きな船だと揺れにくいですけど、海自体がうねる状態がありますよね? あれには乗っかっちゃうしかないので、そういう点では揺れるんですけど、ただ大きくうねってる状態だと船も出ませんからね、危険なので航行を停止してしまう…そういう時は欠航ですかね。」
由良先生「○○さんが乗られた時って、きっと海の状態もとても良かったんだと思いますよ。」
アナウンサー「○○さん、北海道へ行った時は海の状態はどうでした?」
質問者「はい、天気が良くて、気持ち良かったです。」
アナウンサー「よかった、良い旅だったんですね。やっぱり海が静かで船も航行しやすいと、やっぱり揺れにくいと思います。お食事も船の中のお風呂も楽しめたんじゃないかと思います。これからも船旅を楽しんでくださいね。」
質問者「はい。」

Q9 何で地下鉄はカーブを曲がる時、大きな音が
  するんですか?(小2男子)

アナウンサー「地下鉄に乗った時にそう思ったのかな?」
質問者「東京に旅行に行った時、地下鉄に乗って思いました。」
梅原先生「地下鉄ってうるさいものの代表的なもので、騒音の基準でも地下鉄の車内や駅は、100デシベルときわめてうるさいとなっているんですね。これより大きな音って飛行機のジェットエンジンの近くらしいですけれども、そのぐらい日常的でとてもうるさい音なんですけど、どうしてうるさいかというと、地下鉄はトンネルの中を走ってますよね?」
質問者「うん。」
梅原先生「電車自体は地下鉄も地上も同じなんですけれども、電車の走ってる音がトンネルの中でこもってしまって、音が外へ逃げていかないんですね。トンネルの中で音が反射してうるさい。これはカーブだけでなくて、まっすぐの線路を走っていても地下鉄というのは、たいていうるさいんですね。
じゃあ、なぜカーブを曲がる時に特にうるさいかというと…カーブを曲がる時、どんな音が聞こえました?」
質問者「ンンモオオオオ…っていう音です。」
梅原先生「そうですね、モオオーっていう音とか、たぶんキーキー言ったりもしたかもしれないですね。地下鉄のカーブは地上の電車に比べるとすごくきつくて、例えば交差点に近づくとほぼ直角に近いところで曲がっていったりするんです。
ゆったりカーブを曲がると、地上にお家や建物や学校や公園があったりする、そういう所をなるべく通らないように…通ると迷惑になってしまうので、まあカーブがきつくなるので、キーキー鳴ったり、ウーンって唸るのは、電車がブレーキをかけたり、もう1回加速しようとして唸り…モーターとかブレーキが音を立ててる。そういう音が聞こえてくるんだと思いますね。」
アナウンサー「○○君、どうでしょう?」
質問者「分かりやすかったです。」
梅原先生「あともう1つあって、実は地下鉄の線路って、コンクリートの上にレールが直接敷かれていて、そのまま走ってるんですね。地上の電車は砂利の上にレールが敷かれてますよね?」
質問者「はい。」
梅原先生「砂利が電車の振動をすごく吸収してくれて、クッションになって、振動が少なくなるので当然音も少なくなるんですけど、地下鉄ではトンネルを小っちゃく掘りたいので…砂利を敷くとトンネルが大きくなってしまうので、トンネルの中に直接コンクリートで線路を敷いちゃうので、それでうるさくなっちゃうんです。でもカーブだとやっぱりどうしても家の下を通ったりすることがあるので、そういう所だけはトンネルを大きめに掘って砂利の線路にしてる所もあるんですね。」
アナウンサー「地下鉄の走ってる上に家があった場合は、それを考慮して…」
梅原先生「どうしても騒音になってしまうので、砂利の線路にして、音が少なくなるような工夫はしています。」
アナウンサー「というお答えです。いかがでしょうか?」
質問者「分かりやすかったです。」
梅原先生「ありがとうございます。」

Q10 レーシングカーは何で速いの?(5才男子)

アナウンサー「○○君はどこかでレーシングカーを見たのですか?」
質問者「『カーズ』で見た。」
アナウンサー「アニメか何かで見たんですね。アニメ映画かな?」
由良先生「○○君、質問ありがとう。」
質問者「うん。」
由良先生「レーシングカーは何で速いのか。ふつうの自動車は平らな舗装の道路や、砂利道…でこぼこ道とか、雨の日とか風の日、どんな時でも走らなきゃならないし、人もふつうは4人乗れたり6人乗れたりするよね? でもレーシングカーは、1人しか乗らなくて、軽くて、力もいっぱいあるの。」
質問者「へええ。」
由良先生「だからビューンってスピードが出るんだよ。」
質問者「ふううん。」
由良先生「でも、どこでも走れないの。コースという競技する特別な道路だけで走ってるので、『カーズ』でも…彼はライトニングだっけ?」
質問者「うん。」
由良先生「スタジアムみたいな大きなコースでビューンって走ってたよね? ああいう所で速く走れる専用の自動車なの。」
質問者「うん。」
由良先生「でも『カーズ』の彼のお友だちの、いろいろな車たちもいると思うけど、やっぱり、他の車たちはいろいろなお仕事ができても、速く走れないんだよね。」
質問者「うん。」
由良先生「だから速く走るためだけに作られた自動車なんだ。」
質問者「そうなんだ。」
アナウンサー「やっぱり形とかが違うんですか?」
由良先生「形も空気抵抗を小さくして…空気抵抗と言っても難しいから何て言ったらいいんだろう…。」
藤田先生「空気の中をできるだけ滑らかに進んでいくための形っていう感じでしょうかね。」
由良先生「そうですね…まあ5才ですからね、“空気を滑らか”も難しいんですけど(笑)。ふつうの自動車はどんな所も走らなきゃならないけど、レーシングカーはとてもきれいな道路をビューンと走ればいいので、速く走れるようにできるの。」
質問者「そうなんだ。」
アナウンサー「そうなんだって。由良先生も車のデザインのお仕事をしてるんですよね?」
由良先生「車といっても一般の車のデザインはしてないんです。」
アナウンサー「あ、レーシングカーですね?」
由良先生「そうです、競技場を走る専用の車なんですね。」
アナウンサー「そのためにはいろいろな工夫が施されていて、その車は特別な所しか走れないと。」
由良先生「ふつうの道路は走れないんです。」
アナウンサー「○○君、将来レーシングカーに乗ってみたいですか?」
質問者「ううん。」⇦正直!
先生方「(笑)」
アナウンサー「(笑)そうか。車にはふだん乗ってますか?」
質問者「うん。」

Q11 なぜ燃料は翼に入っているのですか?
  (小2男子)

アナウンサー「燃料が翼に入っていることを○○君は知っているんですね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「何かで見たのかな? 聞いたのかな?」
質問者「いや、何か知ってます。」
今野先生「まず、ラジオを聴いてる皆様に知らない方がいらっしゃるかもしれないので、説明すると、飛行機の燃料タンクはだいたい翼の中に入っています。じゃあ何でこんな変な所に入っているのか、という質問ですよね?」
質問者「はい。」
今野先生「胴体の方がたくさん入りそうですけど、ふつうは胴体に入ってないんですよ。何でか。胴体はお客さんを乗せたり荷物を乗せたり、できるだけ広いスペースをとりたいんですよ。荷物をたくさん乗せるほどお金をたくさん稼いでくれるので、できるだけ胴体に荷物を乗せたいんですよね。」
質問者「はい。」
今野先生「そうすると燃料は邪魔者なんですよ。その邪魔者をどこに入れるか。実は翼の中って、胴体同じくスカスカなんですよ。」
質問者「へえ。」
今野先生「なので、翼の中に邪魔者の燃料を入れてます。あとはその燃料をポンプを使ってエンジンまで運んでます。」
質問者「はい。」
今野先生「ふつうの飛行機はだいたい翼の中に燃料タンクがあります。」
アナウンサー「だいたいの飛行機は翼にあるということは、ない場合もあるということですか?」
今野先生「ちょっと特殊ですけれども、戦闘機とかすごく長距離を飛びたい飛行機は、翼にも燃料が入っているんですけど、追加で胴体の一部を燃料タンクにしたり、お尻の小っちゃい翼…尾翼の中にも燃料タンクを作ったりします。」
質問者「へええ。」
アナウンサー「海外に行くような長距離路線の飛行機の場合は、翼も大きくないといけないんでしょうかね? 遠出する時はけっこう燃料もかかるんでしょうから。」
今野先生「はい。ジャンボジェットですと、翼の中に燃料がだいたい10万リットル入ると言われてます。」
先生方「ふううううん…」
アナウンサー「え! ○○君、10万リットルってどれぐらいか分かる?」
質問者「んんんんー……。」
先生方「(笑)」
アナウンサー「(笑)ちょっと想像つかないよね? 私も分かんないや。」
今野先生「ちなみに私も分かん…イメージわかないです。数字上はそうですけど。」
アナウンサー「お風呂にして何杯分とか考えちゃうけど(笑)、けっこうかかるものなんですね。へえええ。飛行機に興味を持っている○○君は、飛行機が好きなんですね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「将来は何か飛行機のお仕事をしたいとか、旅が好きとかですか?」
質問者「あのー、将来は飛行機の整備士か、あとはパイロットかどっちか。」
今野先生「お! すごいですねぇ、飛行機が好きなんですね。」
アナウンサー「格好いいね。今野先生、この2つ、どちらかになるにはどうしたらいいんですか?」
今野先生「パイロットの場合、いくつかルートがあるんですけど、日本ですとJALとかANAの自社養成に入る…大学を卒業して会社でパイロットに育ててもらう方法とか、自衛隊に入るとか、あとは自分でお金を出して海外でライセンスを取って、日本に戻って就職活動するとか。
整備士の場合は専門学校に入って、整備の勉強をしてから、日本ですとJALとかANAとかに入るのが一般的かなと思います。」
アナウンサー「○○君が将来、飛行機のお仕事に就いたら、その飛行機に乗ってみたいです。」

Q12 具合が悪くなった人が救急車に乗った後に、
  救急隊員さんは何をしているんですか?
  (小1女子)

アナウンサー「これは車についての質問か、それとも藤田先生に伺った方がいいか。藤田先生に聞いてみましょう。」
藤田先生「救急車…乗ったことあります?」
質問者「ありません。」
藤田先生「本当はあまり乗らない方がいいのかもしれないですけれど、救急車にどういう人が乗っているかというと、消防署に勤めている人が乗りますよね? そういうのは見たことはありますか? 救急車は見たことあります?」
質問者「あります。」
藤田先生「その中に何人乗ってるか知ってます?」
質問者「……知りません。」
藤田先生「いっぱい乗ってるように思えますけど、一般的には救急車隊員は3人一組だそうです。救急車が必要となった時は、消防署から3人が一組になって、必要な所に行くという形ですよね。」
質問者「うん。」
藤田先生「そのうち1人は資格を持っている人がいて、救急救命士という資格があるんですね。この資格を持っている人が少なくとも1人はいるように、今、制度が進められているようです。
○○さんの質問の、何をしてるのか、なんですけれども、もし、とても具合が悪くて…例えば心臓が止まっちゃってるような状態になったら、これはもう大変ですよね?」
質問者「はい。」
藤田先生「それで救急車を呼ぶわけですけれども、心臓が止まったり、今すぐ命が危ないような状態の時には、これから運びますよという病院のお医者さんの指示のもとに、いろいろ処置をすることができるんですね。例えば、AEDって聞いたことありますか?」
質問者「ありません。」
藤田先生「今は学校にも…○○さんは小学校1年生だから、AEDっていう、アルファベットのA、E、Dって書いた箱が備えつけられてると思うんですよ。見たことはあるかな? オレンジ色とか赤い箱で、中に機械が入っているんですね。何をする機械かというと、心臓が止まってしまった人に電気で刺激を与えて、心臓がまた動き出すような機械が入っているんですよ。保健室とか職員室の近くにあるかな。」
質問者「うん。」
藤田先生「冬休みが終わって学校に行ったら探してみるといいですよ。」
質問者「はい。」
藤田先生「そのAEDを使って心臓を動かしたり、あるいは呼吸が止まって息をしていない状態だったら…息をしてないと体に酸素を取り込めなくて大変なことになるから、外から肺に空気を入れてあげるんですね。人工呼吸と言うんですけど、そういうことをしたり、あるいは必要に応じてブドウ糖という栄養分の点滴をしたり、そういう処置をすることができる資格があるんですけど、そういう人が乗っていて、少しでも状況が悪くならないように、あるいは救急車の中で気がついて、乗った時より良い状態になるように一生懸命処置をしてくれているということですね。その間に病院に着いて、病院ではもっと専門的な治療を受けていくということかな。」
質問者「はい。」
アナウンサー「どうでしょう○○さん、分かりましたか?」
質問者「分かりました。」
アナウンサー「よかった。早く運ぶだけじゃなくて、命を助けるためにいろいろなことを中でしているんですって。」
質問者「はい。」
アナウンサー「この年末年始もきっと、いろんな事件、事故で出動していたでしょうからね。」
藤田先生「そうですね、いろんな事件とか事故がありましたからね。」
アナウンサー「3人一組というのは私も知りませんでした。」
藤田先生「3人一組を基準としてやっているようですね。」
藤田先生、社会科の先生になりつつある。

Q13 700系は山陽区間で285キロ、N700系は山陽
  区間で300キロで、東海道区間で700系が270キ
  ロ、N700系が285キロですが、何で東海道
  間と山陽区間では最高速度が違うのですか?
  (小2男子)

ガチな質問きた!

アナウンサー「新幹線についての質問ですね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「新幹線の時速についての質問、かなり詳しい質問ですが(笑)、梅原先生お願いします。」
梅原先生「車両の形式が出てきましたけど、まず東海道新幹線山陽新幹線とで、どうして走っている速度が違うのかを言いますね。」
質問者「はい。」
梅原先生「東海道新幹線は昭和39年、1964年に開業して、いちばん古い新幹線なんですね。その新幹線を作った時に、カーブの半径を2500メートル…もちろんとっても緩いですけど、その半径で作ったんですね。これは最高速度が250キロで走って大丈夫として計算されたんです。」
質問者「はい。」
梅原先生「山陽新幹線はもっとスピードが出せるように、カーブの半径を基本的に4000メートルにしたんです。いちばん急な所でも4000メートル。これを模型にすると、2500メートルでも4000メートルでも体育館ぐらいに線路を敷かないと、そのぐらいの半径にならないですけれども、そのぐらいの差があるのでスピード、最高速度が変わってきているんですね。」
質問者「はい。」
梅原先生「4000メートルの半径だと時速300キロぐらいで走っていてもカーブを曲がることができるんですけれども、東海道新幹線のカーブは時速250キロぐらいまでに抑えられているんですね。
で、700系という新幹線の電車…もうすぐ東海道新幹線では引退してしまうんですけど、それと…」
質問者「3月です。」⇦数字に厳しいお子さんだ。
梅原先生「はい、そうですね。」
スタジオ内「(笑)」「詳しい…(笑)」
梅原先生「N700系という、今も走っていてこれからも作られる新幹線の電車で、どうして最高速度が違うかというと、ます700系は16両の中でモーターがついている車両が12両なんですね。」
質問者「12両!」
梅原先生「N700系はモーターがついてる車両が14両あって、その2両分の力があるので、最高速度が山陽新幹線の中で時速285キロと300キロの差が出てきているんですね。」
質問者「はい。」
梅原先生「東海道新幹線ではカーブがそもそも250キロでしか通過できないから、最高速度はどっちも同じでいいじゃないかと思うんですけど、N700系は、東海道新幹線の半径2500メートルのカーブを時速270キロで走ることができるように、カーブを曲がる時に車体の外側を少し持ち上げているんですね。」
質問者「そうですね! 車体傾斜制御装置って呼ばれてる。」⇦打てば響く!素晴らしい。
梅原先生「そうなんです。角度で1度、2センチぐらい車体を持ち上げて、車内で感じる遠心力があまりないようにしているんですね。だから700系でもそのまま通過できるんですけど、とっても乗り心地が悪いので、やっていない。
それからもう一つは、実は直線では700系も285キロまで出せるんですけれども、カーブで250キロまで速度を1回1回下げなければいけないので、上げたり下げたりが…モーターの数が少ないと特に上げるのが大変なので、最初からゆっくり時速270キロで走って、カーブで250キロに落とせばいい、としているんですね。
そういう差があるので、東海道新幹線は今度N700系に統一されるので、最高速度は時速285キロになりますし、カーブは時速270キロ。速度差が15キロしかないから、ちょっとブレーキをかけてちょっと加速すればいいことになります。…なぁんていうことですけれども、どうでしょうか?」
アナウンサー「専門的な会話が飛び交いましたけれども、○○君、詳しいね。新幹線好きなの?」
質問者「そうです。」
アナウンサー「素晴らしいです。ちなみに、これまでいろんなタイプの新幹線がありますけど、何系が好きですか?」
質問者「型式ではないけど、ALFAーXっていう…東京から出てるやつが好きです。」
梅原先生「はい。ALFAーXというのは、東北新幹線北海道新幹線を将来走る目的で作った、まだ試験…テスト用の車両なんですね。時速360キロで営業できることを目指して開発されましたね。」
アナウンサー「なるほど、そんな速い新幹線が将来に出てくるんですね。」
梅原先生「東京と札幌の間を結ぶという。」
アナウンサー「○○君の詳しさに感服いたしました。」
既存の車両より試験中の未来の車両に目をつけているとは…論文発表前の最新情報を知りたがる恐竜キッズに通じる。そして2センチぐらいの傾きでも乗り心地が悪いと感じる人間の感覚もすごいし、そこにちゃんと対応する技術があるのもすごい。

冬休み子ども科学電話相談1/4(昆虫スペシャル)10時台・11時台

この冬は1つのジャンルをとことん追求する4時間スペシャル!
年の始め、1/4は昆虫スペシャル!
回答する先生方は
 清水聡司先生
 久留飛克明先生
 丸山宗利先生

10時台は「先生と語ろう」

アナウンサー「ふだん番組を聞いてくれている昆虫大好きな3人の子どもたちに、スタジオに集まってもらいました。先生とたっぷりお話をしてもらいます。皆さんこんにちは。」
子どもたち「…こんにちはぁ。」
先生方「(笑)」⇦絶対ニコニコしてる。
アナウンサー「かわいい声が3つ響きました。まず、A君。何年生ですか?」
A君「3年生です。」
アナウンサー「今日はどこから来てくれましたか?」
A君「兵庫県神戸市から来ました。」
アナウンサー「遠い所から来てくれました。A君は特に好きな昆虫っているの?」
A君「んー、ゾウムシとかかな。」
丸山先生「シブい(笑)!」 先生方「(笑)」
A君「あとアオスジアゲハが好きです。」
アナウンサー「そしてK君。こんにちは。」
K君「こんにちは。」
アナウンサー「K君は何年生?」
K君「4年生です。」
アナウンサー「どこから来てくれましたか?」
K君「神奈川県鎌倉市です。」
アナウンサー「K君の好きな昆虫は何ですか?」
K君「全部…比べられないけど、特にっていうものはアリです。」
アナウンサー「昆虫全部が好きなんだ。特にアリが大好きなのね。よろしくお願いします。そしてお隣がNちゃん。こんにちは。」
Nちゃん「こんにちは。」
アナウンサー「Nちゃんは何年生ですか?」
Nちゃん「2年生。」
アナウンサー「お家はどこですか?」
Nちゃん「東京都渋谷区です。」
アナウンサー「ここの窓から代々木公園が見えるんだけど、その近くから来てくれたのかな?」
Nちゃん「うん。」
アナウンサー「Nちゃんは何か好きな昆虫はありますか?」
Nちゃん「アリ。」
アナウンサー「そうかぁ、K君といろんな話が弾みそうですね。」

アナウンサー「みんながどんなに昆虫が好きかを先生方に教えてもらおうと思います。まず、A君ですね。A君は恐竜も好きで、夏には恐竜の自由研究を送ってくれたのね。秋には昆虫の自由研究も送ってくれました。今、その自由研究を持ってるのかな? ちょっと先生に見せてくれる?」 
A君「………」⇦ガサガサと取り出してるもよう。
アナウンサー「どんな自由研究をしたんですか?」
A君「これが…元にした日記です。」
アナウンサー「どれどれ、先生たちに見せてもらいましょう。」
清水先生「お、いいですか?」
A君「これも…」
清水先生「これは…順番? じゃなくて別々?」
A君「学校で育てたモンシロチョウのやつもあります。」
久留飛先生「1、2、3、4って振ってるね。」
清水先生「ああはいはい…」
丸山先生「ふうん……。」
アナウンサー「みんな観察記録? 何を育てたのかな?」
A君「ナガサキアゲハと、このテスリチョウと、アオスジアゲハと、ツマグロヒョウモンとかを育てました。」
アナウンサー「あああ…。」
A君「チョウ以外ではカマキリも育てました。」
アナウンサー「本当にいろんなものを育てたんだね。先生方どうですか?」
清水先生「へええ~……」
アナウンサー「すごい詳しい。スケッチも素敵ですね。」
清水先生「(笑)面白い。“ウンチを触るとコナコナになった”。 けど葉っぱを噛み砕いてることが分かるわな。ふううん…。あ、さっきの緑の蛹と茶色い蛹も出てきてるね。」
アナウンサー「ほんとだ。A君、特に育てるのが難しかったものってあるの?」
A君「はい、カマキリがいちばん難しかったです。」
アナウンサー「どういうところが難しかった?」
A君「エサが肉食だから、バッタを捕まえてこないといけないところが難しかったです。」
アナウンサー「そっかぁ。それは孵化してから?」
A君「カマキリが子どもの時から。」
久留飛先生「難しいよね、小っちゃい時はエサも小っちゃくないとあかんし…。」
清水先生「ちなみに小っちゃい時、何をエサにあげてたん?」
A君「バッタをすぐに食べてました。」
清水先生「あ、そうなん?」
A君「大きくなったらトンボを食べさせました。」
清水先生「卵から孵化した時じゃなくて? 小っちゃいのを捕まえてきたん?」
A君「小っちゃい時です。卵から孵化してるところは見てません。そのカマキリはオオカマキリで、大人になってから…最近死んじゃったんですけど、その前に中学校の運動会の時に葉っぱを見てたら、ハラビロカマキリがいて、それを捕まえて育ててみたら、鶏肉を食べました。」
清水先生「おお(笑)。いろいろエサも工夫したんやね。」
A君「オオカマキリの方は、チーズとかヨーグルトを食べました。」
先生方「ふううん…」
アナウンサー「生きてるのじゃなくても食べるんだ?」
A君「けど、オオカマキリは鶏肉が嫌いでした。」
清水先生「(笑)嫌いやったん?」
久留飛先生「よく分かったな、嫌いって。」
A君「投げ捨ててました。」
先生方「(笑)ハハハハ」「それはな(笑)。」
アナウンサー「(笑)投げ捨てるの?」
久留飛先生「“もうこれはアカンわ、ポイ”って。」
9時台の終わり頃にカマキリの卵の孵化の質問してきたお子さん、聞いてたかな。今の時期に孵化させるとかなり苦労することになるぞ!

アナウンサー「へええ。逆に先生方からA君に質問とか…」
A君「あ、アゲハだけ、蛹になる前、ベチョベチョウンチをするのは何でですか? アゲハだけするんですよ。ツマグロヒョウモンはしなくて。」
清水先生「おそらく、基本的にはベチョベチョに近いウンチはしてると思うんやけど、量の問題かなと思うんやけどね。」
A君「何の量ですか?」
清水先生「水分量の問題やと思うんやけど…お腹の中の。やっぱり見てると蛹の(聞き取れず)の兆しになるような糞をするんで…。」
A君「水分量?」
清水先生「じゃないかなとは思うけど、ごめんなさい、そこからは自由研究でお願いします(笑)。」
先生方「(笑)ハハハハ」
清水先生「ドロッとしたウンチが出た時に分かりやすいような紙…床に敷くシートを工夫してみて。やっぱり観察してると、何かいつものカサカサッとしたウンコじゃないって分かるんちゃうかなと思うんやけれども、それは自分の目で確かめてみてください。」
A君「はい。」
アナウンサー「早速A君はメモをしてます。」⇦鉛筆がテーブルに当たる音がしてた。
久留飛先生「ふううん、よく観察してるねえ。」
清水先生「あと見せてもらっていて、チャバネセセリ…セセリチョウの幼虫も飼ったみたいやんか。セセリチョウの幼虫って、体の中が透けて見えるんで解剖…」
A君「それは、カマキリのエサのバッタの…イネにたまたまくっついてたやつなんですけど…だから捕まえようとして捕まえたわけじゃないんです。」
清水先生「(笑)そうか。けど羽化までさせたんやね。」
A君「最初は“何か動いとうで”ってママに言ってみたけど、“バッタの糞ちゃうん”って言われたけど、動いてたから、“あ、幼虫やな”ってなって、育ててみました。」
清水先生「(笑)」
丸山先生「ふううん……」
アナウンサー「へええ…これから育ててみたい昆虫はいる?」
A君「前に育ててたゾウムシなんですけど、白と黒のゾウムシを見つけて、リンゴを食べさせてたら、すごい食べてて、けどリンゴに突き刺さったまま、リンゴが取れなくて死んじゃったんですけど、」
先生方「え!」「ほんとに?」
A君「それでもう1回育ててみたいと思います。」
丸山先生「そっか。ゾウムシはすごく長生きするよ。」
A君「あ、長生きしてました。何ヵ月かは生きてました。」
丸山先生「あ、それだったら充分だね。」
久留飛先生「白と黒やからたぶん、オジロアシナガゾウムシっていう…」
A君「あ、そうです。」
久留飛先生「別名パンダゾウムシという(笑)。」
A君「あ、本に書いてました。」
久留飛先生「だね。」

アナウンサー「今度はK君。K君は物を持ってきてくれましたよ。それは何?」
K君「これはアリの巣です。」
アナウンサー「アリの巣。何アリ?」
K君「たぶんクロオオアリ。」
丸山先生「ふんふん。」
アナウンサー「へええ…今も動いてるね。」
K君「はい。でも、巣の出入り口は閉じちゃった。」
先生方「おおー。」「ああー、そうかあ。」
K君「あまりいなくなっちゃったから。」
丸山先生「もう冬だから、寒いからかな。」
清水先生「砂で飼うとそれが見れるんですね。おじさんたちは展示で、石膏で型を作った部屋で飼っちゃうんで、その様子は見れないの。」
丸山先生「そうですね、それはすごいですね。」
アナウンサー「へええ…。幅1センチぐらいかしらね、ペタッとした細長い容器に…アリの巣がよく見えますね。動いてるのも。K君はアリの巣を観察して、何か不思議に思ったことはある?」
K君「えーっと、アリの巣のルートって、例えば狩りの時にジグザグに行って最短ルートではないっていうのを見て、不思議に思ったことがある。」
丸山先生「ああ、そっか。それはエサをできるだけたくさん見つけるには、まっすぐに向かうんじゃなくて、ジグザグに歩いた方が出遭いやすいから。」
アナウンサー「いろいろ探しながら歩いてるということですか。」
丸山先生「ええ、アリにもよるんですけど、行列を作ってエサを探すタイプと、このクロオオアリは1匹で出ていって、大きなエサだと仲間を呼びに帰って一緒に運んだりするし、このアリは景色を覚えて出かけるから、それで帰る方向が分かる。」
アナウンサー「そうか、アリをよく見てると、確かに右に行ったり左に行ったりしてるものね。」
久留飛先生「私もアリを飼ってたことあるよ。こういう飼育セットじゃなくて、昔は丸いビンで、周りに新聞紙を撒いて、その辺の石をバッとめくってガサッと入れてた。(笑)でも巣は作ってたよ。」
清水先生「働きアリだけでもけっこう観察はできますもんね。」
アナウンサー「K君のこの巣には女王アリはいるの?」
K君「はい。」
丸山先生「女王アリがいると楽しいもんね。ちゃんと増えるし。」
K君「うん、卵を生んだ瞬間も見たことがある。」
清水先生「おお、すごい。」
丸山先生「ああーすごいね。」
K君「写真あります。」
丸山先生「ほんとに? 写真撮ったの?」
K君「はい。」
アナウンサー「へええ……」
久留飛先生「昆虫をそうやって育ててるっていうのは、周りに教えてもらえる先生とかがいてるの? 自分でやってみようって見つけたの?」
K君「えっと…」
久留飛先生「お友だちがよく知ってるから一緒に話をしたとか、先生が教えてくれたとか、きっかけって何なん?」
K君「きっかけ……」
久留飛先生「何となく好きになってた?」
K君「えーっと、1年生ぐらいの時に、『アリと暮らす虫』っていう本を買って、それで昆虫に興味を持ち始めて、それで…」
久留飛先生「なるほどな、その本を読んでビビッときてんな、“これは面白そう”って。いいねえ。そういう出会いがすごくいいね。」
アナウンサー「アリの好きなところってどんなところ?」
K君「やっぱり、家族で協力して、生きているところがすごく魅力的に思えて…。」
丸山先生「そうだよね、ずーっと観察してると面白いよね。家族で会話をしたりするところがね。」
アナウンサー「今日の質問でも、1匹だけ中に入れないアリがいて、というのがありましたけどね。K君は働きアリとか女王アリとか、好きなアリっている?」
K君「…比べられません。」
先生方「(笑)」
アナウンサー「『アリの不思議』って、これも自由研究?」
K君「はい。3年生の時の。」
アナウンサー「“僕の飼ってるクロオオアリの女王アリ、ミライ”ですって。名前つけたんだ?」
K君「あ、はい。」
清水先生「(笑)名前がある。」
アナウンサー「そうなの、今いるのがミライ?」
K君「はい。」
丸山先生「いつ捕まえたの?」
K君「捕まえたっていうか、運命的に…ベランダに飛んできて、羽根を落としちゃって。そしたらベランダには土がないから巣は作れないと思って、飼い始めた。」
丸山先生「あ、本当。そっかぁ…。」
アナウンサー「それがこういう巣を作ったんだね。」
丸山先生「それが去年? 一昨年?」
K君「一昨年の5月です。」
丸山先生「そっかぁ。」
清水先生「2年ものね。」
アナウンサー「へええ…どうもありがとう。素敵な…」
丸山先生「ね、ちゃんと働きアリがたくさんいて、すごいね。これから巣が大きくなってくると、頭の大きい働きアリも出てくるから面白いよ。」
K君「うん…去年の夏には、ちょっと今までのやつよりも大きめのアリが出てきた。」
丸山先生「あ、本当。エサは何をあげてるの?」
K君「エサは蜂蜜とか、あとは…虫? 例えばアオバハゴロモとか。」
丸山先生「そっかそっか。虫をたくさんあげるとアリももっと増えてくるよ。大きいのが出てくる。」
アナウンサー「楽しみだね、どういうふうに巣が大きくなっていくのか。K君、今日は良いものを持ってきてくれてありがとう。」

アナウンサー「そして、Nちゃんです。Nちゃんは渋谷区でしょう? ほんとに街の真ん中に住んでるんだけど、どんな所で観察してるの?」
Nちゃん「代々木公園が多い。」
清水先生「ああ、近くやからええねぇ。」
アナウンサー「昆虫はどんなものがいる?」
Nちゃん「んとね、数えきれないぐらいいろんな種類がいて…」
アナウンサー「そんなにいる! 例えば?」
Nちゃん「トンボでしょ、チョウでしょ、あとダンゴムシ、あと魚もいたりして。あとね……カマキリとか…いっぱいいる。」
アナウンサー「へええ。それは観察会か何かに行くの? それとも自分で出かけて行って観察してくるの?」
Nちゃん「どっちもある。」
アナウンサー「そうなの、代々木公園ってそんなにたくさんいるんだね。で、見かけた昆虫で不思議に思ってることって何かある?」
Nちゃん「小っちゃい頃から絵本が好きで、生き物の本が特に好きで、読んでたら、バッタが大群で農業を荒らすことがあるって聞いて、それが何でかなって思った。」
アナウンサー「じゃ、答えて頂きましょうか。」
清水先生「それはもう、真ん前にいるんで丸山さんに(笑)。」
丸山先生「(笑)バッタが時々すごく増えてしまうことがあって、農作物を食べてしまうことがあるんだけれども、何でかと言われたら難しいけど、バッタは元々草を食べてて、ポツンポツンと1匹で暮らしているんだけど、バッタが食べるエサすごく増えたり、天敵がいなくなったりすると、幼虫が集団で暮らすようになるの。そうなると、移動能力って分かるかな、飛ぶ力とかジャンプする力が強くなって、それが移動しながら、またどんどんエサを食べるようになるんだよね。
トノサマバッタの仲間が主にそういう習性を持っているんだけれども、環境に変化があって増えるようになると、そういうふうに変わってしまうことがあります。」
Nちゃん「うん。」
アナウンサー「パワーアップしちゃうんですね?」
丸山先生「そうなんです、生活を変えるんだよね。日本のトノサマバッタも、ふだんは緑色とか薄い茶色で1人で暮らしてるんだけど、飼育してたくさんの幼虫で飼うと、羽根と脚が長い、小っちゃめのトノサマバッタが生まれたりします。」
清水先生「多摩動物公園の昆虫園に行くと展示してるね。」
Nちゃん「ふううん。」
清水先生「孤独相と群生相…転移相になるんかな、まだ群生相までいってな…」
アナウンサー「ん、何のことでしょう(笑)?」
清水先生「あ、ごめんなさい(笑)。飛蝗体(ひこうたい)ですね、黒くなってる状態と孤独…1匹で飼ってる緑のトノサマバッタを展示してるんでね、見に行ってもらったら…」
アナウンサー「1人でいるか仲間といるかで、虫も様子が変わってくるんですね。」
久留飛先生「集まって育てると、早く大人になる場合が多いんよ。」
Nちゃん「ふううん。」
久留飛先生「1匹だけで飼うとゆっくりゆっくり育つんだけど、たくさんで飼うとウォーッていうぐらい早くなったり。やっぱり群れるというか集まる方が、成長にとっては、大きくなることにとっては良いのかもしれない。」
Nちゃん「へええ。」
アナウンサー「ワアーッてみんなで飛んでくるところを、Nちゃんも見てみたい?」
Nちゃん「うん。」
丸山先生「(笑)見てみたいね。」
アナウンサー「すごいんですよね?」
丸山先生「すごいみたいですね。昔、日本でも北海道とか、種子島の隣にある馬毛島という所で大発生したことがあります。」
アナウンサー「今はもう、あまり…」
丸山先生「なかなかないですね、広い草原がなかったり、自然にそういうことが起きにくくなっているんですね。」
清水先生「けど発生したら、皆さん大喜びなんでしょうね。」
丸山先生「ああ、見に行きたいですねぇ。」
清水先生「(笑)いやいや、ダメなんですけどね、昆虫の関係者はね(笑)。」
アナウンサー「(笑)農家は困っちゃいますね。」
久留飛先生「見たい。」
清水先生「(笑)いやいや。でも見たいですね。バッタじゃないですけど、クスサンっていうガの幼虫が時々大発生することが各地であって、群馬の赤城でも僕がいる頃に大発生したことがあって。けど、天敵がやっぱり追っかけてきてくれるので、まぁ4~5年すると徐々におさまる感じですね。けど本当に山が裸んぼになっちゃうぐらいの勢い。」
Nちゃん「裸んぼ。」
アナウンサー「みんなで食べちゃうの。」
清水先生「食べられちゃうの。」
丸山先生「葉っぱを食べちゃう。」
「裸んぼ」の例えがいまいちピンとこないNちゃんを次々とフォローして…優しい。

アナウンサー「今日は、清水先生がみんなにすごいものを持ってきてくれたので、見せて頂けますか?」
清水先生「あ、これですか? はい(笑)。」
アナウンサー「あ、出てきた! これは! 5センチぐらいの…」
清水先生「これはマダガスカルゴキブリ。オブロンゴノータっていう種類です。」
アナウンサー「ウワァ…動いてるね。7~8センチの、丸々とした…(笑)今A君の手に乗りました。」
清水先生「せっかくゴキブリ展をやってるんで、ちょっと生体を持ってきてみました。ラジオなんで皆さんにお見せできなくて残念ですけれども(笑)。」
年末年始は展示入れ替え、仕事始めにはゴキブリさんと移動し、この番組で虫について語りまくり…濃い日々をお過ごしですな。

アナウンサー「マダガスカルのゴキブリ…ウワァ、すごいなあ…。」
A君「汚くはないです。」
清水先生「うん、カッコいいよ。カブトムシなんかと変わんない。」
アナウンサー「何かにおいする?」
A君「芋虫? …プラスチックのにおい。」
アナウンサー「じゃあK君も持ってみようか。」
K君「おいで。……俺の手に乗んないのぉ?」
清水先生「(笑)お尻ツンツンってやったら前に進むよ。」
K君「……来いよぉー。」
A君「嫌いやねんて。」
K君「何でぇ?」
先生方「(笑)」
アナウンサー「先生、Nちゃんにも持たせてあげられるものってありますか?」
清水先生「これですか? メスはいるんですけど…」
アナウンサー「Nちゃん大丈夫?」
Nちゃん「触れるかも…」
丸山先生「ちょっと痛いよ、チクチクするよ。…はい。」
Nちゃん「うわ。」
アナウンサー「今度はメスがNちゃんの手に乗りました。K君とNちゃんが持っています。」
K君「後でちょっと質問してもいいですか?」
清水先生「はい。」
Nちゃん「かわいいー。」
清水先生「角があるのがオスね。ないのがメスです。オスはガンガン角を突き合わせて戦うの。」
Nちゃん「うん…。」
K君「だからコブができてんのかな?」
アナウンサー「さあ、子どもたちが夢中ですけれども、あっという間に時間が…10時台の前半はこれで締めくくります。」

延々と続きそうな虫語りに虫遊び。ワイワイと楽しいのはガンガン伝わるのに、見えないのが何とももどかしい。

アナウンサー「音楽を流している間にも先生方へのインタビューや質問がずーっと続いていましたけれども、10時台の後半は昆虫クイズ大会をお送りします。スタジオの3人が今いちばん興味がある昆虫のクイズを先生方に考えて頂きました。これから3人が挑戦します。放送をお聞きのお友だちも一緒に参加してくださいね。
まずは、A君が…バッタに興味があるのよね? バッタの問題を…」
A君「ちょっと待って、まぁ全部好きですが…チョウが好きです。」
先生方「(笑)」
アナウンサー「(笑)チョウが好きかぁ、ごめんね、バッタの問題なんだ。バッタの問題を清水先生から2問出して頂きます。」

昆虫スペシャルクイズ大会 第1問
清水先生「バッタには耳があり、音を聞き取ることができます。耳はどこにあるでしょう?
①頭部 ②胸部 ③腹部」

A君「あ、分かった。」
K君「あああ、なるほど。」
アナウンサー「(笑)みんな余裕の感じでしたけれども、自分が正解だという札を一斉に挙げてください。いきますよぉ…1、2のドン!」
子どもたち「はい」「はい」「ちょっと待ってください。」「あ、ええっと…」
アナウンサー「はい、②番が2人、③番が1人。A君とK君が②番、Nちゃんが③番。K君とA君はどうして胸だと思ったのかな?」
K君「えーっと、昆虫は脚に耳があるって聞いたことがあって、脚は胸から生えてるから、②の胸だと思った。」
A君「K君と一緒です。」
アナウンサー「Nちゃんはどうして腹だと思ったのかな?」
Nちゃん「スズムシとかと一緒だと思った。」
A君「ああなるほど。」 K君「なるほど。」
アナウンサー「さあ清水先生、正解は?」
清水先生「(笑)正解は、③番。腹部、お腹ですぅー(笑)。」
A君&K君「えっ?」「えっ?」「ヒイー!」「うっそおー!」
清水先生「そうか、ややこしかったね、バッタとコオロギ・キリギリスで場所が違うのね。キリギリスとかコオロギは前脚の脛節に開口してるんで胸やと思っちゃったかもしれないけど、バッタはお腹、腹部の第1節に耳があります。
ちなみにゴキブリさん、原始的ですけれどもコオロギと一緒で、前脚に音を感じる器官ができかけてます。」
子どもたち「え!」「へええー。」「ちょっと古いものは無意味なん?」
清水先生「んー、そうでもないと思うよ。それはそれぞれの進化の過程で獲得したものだと思うので、どこにあるのが便利かっていうとこだと思うけどね。例えばコオロギとかキリギリスはオスが鳴いて
、オスどうしの声も聞き取らなきゃいけないし、メスの声も…メスがオスのとこに寄って来なきゃいけないので、ここにあるのが分かりやすいんかな? 左右に出てるしね。」

ノリノリになってきたA君とK君の声の区別がつかない。なので、この後はどちらが言った言葉なのかあやふやなところもあり。

昆虫スペシャルクイズ大会 第2問
清水先生「30年近く確認されていなかったバッタが、2013年に再発見されました。日本でです。これは何と言うバッタでしょう?」
子どもたち「ええええええ!?」
清水先生「(笑)三択なんで大丈夫です。
①アカハネバッタ ②アカハネオンブバッタ
③アカギヒシバッタ ……“アカ”つけてみました(笑)。」
子どもたち「んんんんー?」「たぶん…」
アナウンサー「難しいね。みんな首を傾げてますけど、いきますよぉ。それでは正しいと思う札を挙げてもらいましょう。1、2のドン!」
先生方「おっ?」「おおー…」
アナウンサー「③番が1人、1番が2人。③番のアカギヒシバッタを挙げてくれたのはA君。どうですか?」
A君「それっぽいからです。」
アナウンサー「(笑)それっぽいからね。①番を挙げてくれたのはK君。」
K君「えーっと、②番と③番は全く聞いたことがないバッタだからです。」
アナウンサー「なるほど、再発見されたからには自分で聞いたことがある、という。Nちゃんもアカハネバッタを選んだ。理由は?」
Nちゃん「何となくそう思った。」
清水先生「“何となく”、すごく怖いです。正解は、①番。アカハネバッタが正解です。」
子どもたち「(笑)イエーイ!」「(笑)ハハハハ」
清水先生「長らく記録がなくて絶滅したかなと思われていたんですけれども、2013年に27年ぶりかな、再発見されました。そこから同じような環境を探してみると、続けて何ヵ所か別の県で見つかってます。面白いのよ、いろんなものを食べれるバッタみたいなの。最初の質問にもあったかな? いろんなもの食べれるのがいいのか、1つだけ食べれるのがいいのかって話があったけど、けっこういろんな植物を食べるのに減ってるという。逆にいろんな植物を食べれるもんやから、選り好みをするんちゃうん?って…いろんなものがバランス良く生えてる草原が残っていなきゃいけないんじゃないか、と言われています。」
Nちゃん「へええ…。」
清水先生「草っ原があればいいってわけじゃない、それがアカハネバッタです。
アカハネオンブバッタは、おじさんたちの周り、近畿地方で割と広がっちゃってる…もともと南方種で国内にはいたんやけど、おじさんたちのお家の周りにはオンブバッタとアカハネオンブバッタがいて、けっこうアカハネオンブバッタが増えちゃってるの。おじさんは菜の花畑を作ったりしてるんやけど、しょっちゅう食べられちゃってね…。」
Nちゃん「へええ…」
清水先生「アカギヒシバッタは、群馬県の赤城のお山で見つかった、その辺りにしかいないバッタです。」

アナウンサー「続いては、K君とNちゃんが好きなアリの問題ですね? クイズを考えてくださったのは丸山先生です。」

昆虫スペシャルクイズ大会 第3問
丸山先生「アリは何の仲間でしょうか?
①シロアリ ②ハチ ③コオロギ」
A君「あー、これは簡単これは簡単。」
丸山先生「だから言っちゃだめだよ。」
アナウンサー「いいですか? それでは正しい札を挙げてください。1、2のドン!」
K君「ヘイ!」
アナウンサー「全員②番。じゃあ、もう正解に行っていいですか?」
丸山先生「はい。皆さん正解です。」
子どもたち「イエーイ(拍手パチパチ)」
アナウンサー「(拍手パチパチ)全員正解。つまりハチの仲間ということですね?」
丸山先生「そうです。シロアリは…」
Nちゃん「ゴキブリ。」 A君「あっ…。」
K君「言うなよぉ。」
丸山先生「(笑)よく知ってるねえ。シロアリはゴキブリの仲間。アリはハチの仲間なんだけど、ハチって毒針があるでしょ? 日本の目立つアリはそんなに持ってないけど、熱帯に行くとほとんどのアリが毒針を持っています。だから刺されると痛いアリがいっぱいいます。」
アナウンサー「ということで全員正解でした。」
丸山先生「さすが。」

昆虫スペシャルクイズ大会 第4問
丸山先生「アリの仲間には畑を作って作物を育てるものがいます。そのアリはどれでしょうか?
①ハキリアリ ②アシナガアリ ③アカヤマアリ」
A君「あーあー、あいつね。」
アナウンサー「アレねという声も聞こえましたけど、正しいと思う札を挙げてください。1、2のドン! ……今度もみんな①番。じゃ、代表してA君、どうしてそれはハキリアリにしましたか?」
A君「そのハキリアリはキノコを育てることがあって、それで自分で食べ物を作って食べるっていうことを知ったから、そうだと思います。」
丸山先生「ああもう完璧ですね。」
子どもたち「葉っぱをちぎって育てるって。」「そうそう。」「自分のエサになる。」「自給農家みたい。」
丸山先生「そうだね、みんな知ってるから言うことがないね(笑)。そうです。正解は①番です。
ハキリアリは、葉っぱを外から切って持ってきて、巣の中で粉々にして、それを発酵と言って…腐らせてそこにキノコを植え付けて、育ったキノコを幼虫とか自分のエサにしています。」
アナウンサー「へええ…どこにいるアリなんですか?」
丸山先生「主に南アメリカに住んでいて、アメリカの南の方にも少し住んでいます。葉っぱだけじゃ栄養が足りないけど、キノコにすることによって、より良い栄養に変えることができるということですね。」
アナウンサー「人間が畑を耕し始めるもっと前からそういうことをしていたんですか?」
丸山先生「はい、もう何千万年も前からハキリアリは農業をしているんですけど、人間の農業はせいぜい1万年なんです。ケタ違いに昔からハキリアリは農業をしています。」
アナウンサー「丸山先生にはアリの問題を2問出して頂きましたけれども、全員正解でした。すごい。」

アナウンサー「今度はカメムシの問題。久留飛先生から出して頂きます。」

昆虫スペシャルクイズ大会 第5問
久留飛先生「マルカメムシって知ってるよね? マルカメムシは洗濯物などに付いて部屋に入ってくることがあります。」
K君「オエ。」A君「(笑)」
久留飛先生「刺激を与えるとニオイを出しますが、どこから出ているでしょう?」
K君「あーこれ簡単。」
久留飛先生「そうか…。①口 ②皮膚 ③お尻 どうぞ。」
アナウンサー「さあどうかな? 考えはまとまったかな? では一斉に札を挙げてください。1、2のドン! ……ああ今度もみんな②番で揃いました。②番は皮膚。」
K君「代表して。」
アナウンサー「じゃあK君、代表して、②番にした理由を。」
K君「えーっと、なぜかというと、カメムシって基本的に体全体が臭いからです。」
スタジオ内「(笑)」
アナウンサー「(笑)なるほど、K君はカメムシをクンクンって嗅いでみたことあるの?」
K君「えーっと、あんまり覚えてないけどあると思う。」⇦K君はハッタリもかますタイプかな?
アナウンサー「全部がクサかった?」
K君「うん…あんまり覚えてない。」
アナウンサー「でも全部がクサイから皮膚全体から出してるんじゃないかと思ったの?」
K君「体全体。」
アナウンサー「他に何か意見のある人いますか?」
Nちゃん「お腹からお尻にかけて出てるんじゃないかなと…。」
アナウンサー「背中側じゃなくてお腹から…」
Nちゃん「皮膚は皮膚でも。」
久留飛先生「正解。②。皆さん正解。」
子どもたち「イエーイ(拍手パチパチ)」
久留飛先生「Nちゃんはお腹からって。幼虫の時は背中に穴ぽこ開いてるらしいわ。」
Nちゃん「えっ。」
久留飛先生「けど成虫になったら羽根が生えるから、お腹側から出す。上手いこと出してるなと思うけどね。お腹の3番目の脚の根元ぐらいにあって、ジワジワジワッとニオイが背中に回るらしい。すごいな。」
Nちゃん「えっ……。」
A君「ウワァ…」
アナウンサー「じゃ、お腹から出て体中…」
久留飛先生「そう、体中にというか、この辺りを中心にニオイを感じるという。」
アナウンサー「へええ…Nちゃんはマルカメムシを見たことがあるの?」
Nちゃん「見たことない。」
アナウンサー「代々木公園にはいないか。でもこれも全員正解でした。」

昆虫スペシャルクイズ大会 第6問
久留飛先生「カメムシの仲間は8万種類ぐらいもいるグループです。すごいよね? いろいろな形や場所で住んでいますが、次のうちカメムシの仲間ではない昆虫はどれでしょう?
クマゼミ ②ミズカマキリ ③オオカマキリ
A君「なるほど。」
アナウンサー「どれもカメムシと関係ないように私には思えてしまいますけれども(笑)、仲間ではない昆虫はこのうちの1つだけ。みんな、いいかな? それでは最後の問題にこれが正しいよっていう札を挙げてください。1、2のドン! あ、今度もみんな③番で揃いました。」
A君「これ間違えてたら、みんな間違えてた?」
アナウンサー「(笑)そう、全員正解か全員ダメか。これについて誰か言ってくれる人…K君。」
K君「えーっと、まずセミカメムシの仲間だって聞いたこともあるし、水中に住む昆虫って、たいていがカメムシに近い仲間だって思ったから、たぶん③のオオカマキリだと。」
久留飛先生「ジャーン! 正解は③!」
子どもたち「イエーイ!」「1問間違い。」
久留飛先生「すごい、名推理やね。」
丸山先生「カメムシの仲間ってどういう特徴があると思う? 大事な特徴。」
子どもたち「大事な特徴?」「くさい?」「とにかく小っこい?」
丸山先生「(笑)んー、セミも含めてだよ。」
子どもたち「あ!」「んー…」「背中が三角形っぽい?」
丸山先生「(笑)口がストローになってるの。」
子どもたち「ああああああー!」
先生方「(笑)ハハハハハハハハ」
丸山先生「(笑)カメムシセミもひっくり返すと、口がストローになってるからね。」
子どもたち「はあい。」「タガメもそうだ。」「タガメもガシッてつかんで、その後針で刺して体液を吸う。」「カエルとかの体液。」
丸山先生「そう。」
久留飛先生「すごいねぇ、ストローで刺してピュッピュッピュッと入ってくるには、刺した相手の体が溶けないとあかんやん? ウーッて吸ってもそこが硬いままやったら貧血起こすよね。だから溶かすっていうのが最初にあって…」
A君「じゃ、酸?」
久留飛先生「唾液を注入すんねんね。で、溶かしたやつをチュッチュッチュッと吸う。」
K君「かわいそう。痛そう。」
久留飛先生「どっちが?」
清水先生「じゃあ問題です。」
子どもたち「お願いします!」「お願いします!お願いします!お願いします!」⇦おもちゃに飛びつく子犬たちか。お願いします連呼はおそらくK君かな。
アナウンサー「(笑)特別にやってみましょうか。」

昆虫スペシャルクイズ大会 プラスアルファ
清水先生「アメンボは何の仲間でしょう?」
K君「簡単じゃん!」
アナウンサー「三択にしてください。」
清水先生「はい。①カメムシ ②甲虫 ③チョウ」
アナウンサー「プラスアルファの問題が出ました。いいかな? いきますよ?」
K君「絶対これだよな!」
アナウンサー「(笑)1、2のドン!」
子どもたち「ウェーイ!」「だよねー!だよねー!」
アナウンサー「全員①番、カメムシの仲間。」
清水先生「(笑)はい、①番です。口がストローやから騙されるかなと思ってんけど…(笑)針やね。チョウの口はストローやなあっていうので。」
久留飛先生「なるほどなるほど。」
清水先生「アメンボの臭腺…さっきニオイの話あったやんか、カメムシって後胸…後ろ胸の腹部に臭腺が開口してるんやけど、だから左右にあるのね。アメンボは真ん中にあるの。」
K君「でもニオイ的には全く真逆のようにも…」
清水先生「アメンボはええニオイやよね? 人間には。」
K君「アメンボは甘いニオイなのに。」

アナウンサー「ということで、追加の問題も合わせて7問、出して頂きました。A君は7問中5問正解、K君は6問正解、Nちゃんは全問正解でした。優勝はNちゃんでーす。おめでとうございまーす(拍手パチパチ)。」
スタジオ内「(拍手パチパチ)」
アナウンサー「というよりは、子どもたちが勝って先生方が負けたという(笑)。ほとんど全問正解。」
丸山先生「みんなすごい。」
清水先生「ボコボコですね(笑)。」
久留飛先生「(笑)簡単すぎたかな。」
アナウンサー「どうですかA君、難しかった?」
A君「んーふつう。」
アナウンサー「K君は?」
K君「えーっと、1問目は予想外で、…もうちょっと簡単にしてほしかったです。」
先生方「(笑)アハハハ」
清水先生「(笑)けっこうサービスやってんですけど。そうか。」
アナウンサー「Nちゃんは全部自信ありましたか?」
Nちゃん「そうでもなかった。」
アナウンサー「じゃあ勘で当たったところもあったんだね?」
Nちゃん「うん。」
アナウンサー「でも7問正解。みんなすごかったですね。」
久留飛先生「昆虫は3年生で学習するからなぁ、2年生ではちょっと難しいのかなと思ったけど、すごい、2年生が全問正解なん。」
丸山先生「すごいねぇ。」
アナウンサー「丸山先生、思った以上に子どもたちは頑張りましたか?」
丸山先生「いやもう、みんないろいろ知っててビックリしました。みんなすごいね。」

アナウンサー「あっという間に10時台も終わりが近づいてきましたけれども、最後に子どもたちに今日はどうだったか、感想を聞いてみましょうか。A君、今日はどうだった?」
A君「今日はとても楽しかったです。昆虫のことがよく知れて。」
アナウンサー「A君はお休みの間もずーっと先生にインタビューをし続けていたものね(笑)。どうもありがとう。K君はどうでしたか?」
K君「んーと、…とにかく面白くて、楽しかった。」
アナウンサー「よかったなあ。K君はやっぱり昆虫の先生とかになりたいの?」
K君「はい。」
清水先生「じゃあもう丸山先生のとこやね。」
丸山先生「頑張って勉強して九州大学においで。」
清水先生「その前におじさんの所に遊びにおいで(笑)。」
K君「えー、どっちの弟子になろうかなあ…。」
清水先生「いやいや(笑)、丸山先生の弟子でええよ。」
アナウンサー「そして、Nちゃんはどうでしたか?」
Nちゃん「クイズに全問正解するほど昆虫の本を買っといて甲斐があった。」⇦都会暮らし、最年少、大人しめで男子2人の元気さに隠れ気味だったけど、彼女なりに強気で頑張ったのかしら。プライドを見た気がした。
アナウンサー「甲斐があったね(笑)。そうか、本でいろいろお勉強してるんだ。Nちゃんは将来、何になりたいですか?」
Nちゃん「獣医さん。」
アナウンサー「獣医さんになりたいの? 獣医さんになるのも、昆虫とか…」
久留飛先生「生き物がね。」
アナウンサー「大事ですよね。A君は何になりたい?」
A君「んーまあ…学者。」
K君「何学者だ!?」
A君「まあ、まだはっきりとしてないから。」
アナウンサー「まだまだ先は長いものね。今日は3人、本当にありがとうございました。」

11時台はいつもの質問に戻り。
Q12 ドングリの中の虫は、どうやって卵を生むの
  ですか?(6才男子)

アナウンサー「○○君はドングリを持ってたの?」
質問者「持ってました。」
アナウンサー「それはどこかで拾ってきたのかな?」
質問者「うん、公園で拾ってきました。」
アナウンサー「そしたら虫がいたの?」
質問者「うん、水を入れたら虫がバーッと出てきた。」
アナウンサー「どんな虫だった?」
質問者「うーん、ゾウムシの幼虫とか?」
丸山先生「うん。」
アナウンサー「ゾウムシの幼虫じゃないかと○○君は思ってるのね? 知りたいのは、どうしてドングリの殻の中に卵が入ったのかってこと?」
質問者「うん。」
アナウンサー「それはドングリが硬いのに、ということでいいかな?」
質問者「うん。」
丸山先生「そう、ドングリに入ってるのはゾウムシの幼虫なんだよね。何て言うゾウムシかは知ってる?」
質問者「…シギゾウムシ?」
丸山先生「お!よく知ってるね! シギゾウムシってどんなゾウムシ?」
質問者「えーっと、口が長い感じ?」
丸山先生「よく知ってるね。そう、ドングリに卵を生むのはシギゾウムシという仲間のゾウムシです。特にコナラシギゾウムシがその辺にふつうにいるかなと思います。
それでどうやって卵を生むかなんだけれども、ゾウムシの口がみんな長い理由は、植物に穴を空けて卵を生むためなんだよね。」
質問者「うん。」
丸山先生「シギゾウムシはすごく長いんだけれども、まず口をドングリの表面に当てます。シギゾウムシは口の先がすごく細長いんだけれども、口の先が…ショベルカーって分かるかな?」
質問者「はい。」
丸山先生「道路や土を掘ったりするショベルカー。口の先端があれみたいな形をしていて、尖ってるのね。それで先をグイーッと刺して先端をグイッと曲げると刺さるの。さらに刺しながら体を回転させるんだよね。体をグリグリと…キリって分かるかな? 木に穴を空ける道路のキリ。」
質問者「うん。」
丸山先生「それみたいにグリッと体を回転させて、さらに差し込みます。それでまた先端をグイッと曲げるの。それでまた深く刺さります。それでまた体を回転させます。またグイッと曲げて深く刺すことを繰り返してるうちに、ドングリの硬いところに口が刺さっていくんだよね。」
質問者「うん。」
丸山先生「刺し終わったら口を抜いて、メスは体を回転させて、空けた穴にお腹を差し込んで卵を生むことができるんだよね。」
質問者「へええ。」
丸山先生「シギゾウムシの仲間ってすごく面白くて、ドングリにはよくいるけど、ツバキっていう植物は知ってるかな?」
質問者「………」
アナウンサー「今、ちょうど赤とか白できれいに咲いているお花ですね。」
丸山先生「はい。ツバキもすごく硬い種をつけるんだけれども、ツバキという植物にツバキシギゾウムシっていうのもいて、それはもっと長い口を持っていて、それで硬い実に卵を生みます。あと、クリシギゾウムシっていうのもいて、それはクリのイガの外から同じように穴を空けて卵を生みつけます。」
質問者「うん。」
丸山先生「植物によってついているシギゾウムシの種類が違っていて、種の大きさに合わせて長い口を持っています。」
質問者「はい。」
アナウンサー「へええ…ツバキシギゾウムシはツバキだけ、クリシギゾウムシはクリだけ、コナラシギゾウムシはドングリ系の…そうなんですか。その口って、とっても硬いんですか?」
丸山先生「口は本当に細長いんですよ。人間が触ったらすぐポキッと折れそうなぐらい細いんですけれども、先端にちゃんとショベルカーみたいな構造がついていて、体を回転させて入っていくという、すごい能力を持ってるんですよね。」
アナウンサー「○○君、シギゾウムシをこれから見つけることがあったら、よーく口の先を見ると…人間の目で見て分かりますか?」
丸山先生「分かります。口の先はすごく細くて小さいので分かりにくいですけど、夏になったら木に生っているドングリをよく見て歩くと、産卵していることがあるんです。それでじっくりと観察すると面白いと思います。」

Q13 アブはなぜ黒いものにたかるんですか?
  (小3男子)

アナウンサー「○○君はどうしてこれを不思議に思いましたか?」
質問者「牧場で黒い馬がいるんですけど、その馬にアブがいっぱいたかっていて、かわいそうだからです。」
アナウンサー「そうなんだ、馬にたかっていたのね? その馬が黒かった。他にも馬がいるの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「例えば白とかそういう馬もいるの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「そっちはどうだった?」
質問者「あまりたかってなかったです。」
清水先生「ちょっとかわいそうに思ったか。○○君には来なかった?」
質問者「うん。」
清水先生「そうか良かったな(笑)。全部馬の方に行っちゃってたんやね。アブが何でたかってくるか分かる? 何のために来るんかな?」
質問者「んー、血を吸うため?」
清水先生「そうやね。アブはもともと獣から血を吸うために目が発達したというか、そういうものを求めて進化してきたやんか?」
質問者「うんうん。」
清水先生「だから、簡単に言ってしまうと、ふつうに野外にいる獣の色に反応しやすくなってるのね。何を目印に集まってくるかというと、例えば熱ね。血を吸う対象の生き物には熱があるでしょう?」
質問者「うん。」
清水先生「あと二酸化炭素。息をするので二酸化炭素の濃度も高くなる。それから色ね。野生の生き物の毛の色って黒とか茶色とか、割と濃いめの色をしてるでしょう?」
質問者「うん。」
清水先生「そういうものがよく見えるように進化してきたみたいなのね。目が、どうも黒っぽい色…偏光って分かるかな?」
質問者「分からない。」
清水先生「周りに白とか黒とか黄色とか、いろんな色を見てると思うんやけれども、その見えてる色が○○君の方に跳ね返ってきて色が見えるのね。その跳ね返りが特に強いのが、偏光…1つの方向から来る光が強いのが、黒っぽい色と言われてるの。」
質問者「ふーん…。」
清水先生「だからアブから言うと、白よりも黒の方が目立っちゃうの。」
質問者「うんうん。」
清水先生「だから、血を吸う相手がそこにいるっていうのがハッキリ分かっちゃうので、黒に行きやすいと考えられてるの。だから黒い方に集まっちゃってるの。白ってもともと野生にいる色じゃないやろう? ウサギの冬毛は白かもしれんけど(笑)。」
質問者「うん。」
清水先生「あと面白い話が…聞いたことあるかもしれないけど、シマウマって黒白の縞々でしょう? あの色は黒が混じってるからアブが来るんじゃない?って思われてるんやけど、意外と来にくいみたいなの。」
質問者「ふうううん。」
清水先生「それは、黒い方…ハッキリ見える色と、見えにくい白が混じってることで、アブが混乱するんじゃないかと考えられてる。」
質問者「ふうううん。」
清水先生「○○君が何で黒い馬に来たんかなと思うのは、その光の見え方っていうのが理由だと思います。」
質問者「うん。」
アナウンサー「かわいそうだけど、しょうがないというか…」
清水先生「そうやねぇ、ハチも同じように黒っぽい色をめがけて来るので、お山とか行く時に○○君も、薄い色…白、黄色、オレンジでも何でも黒っぽくない色の服を着て出かけてくださいってよく言われると思うんやけど、それはそういう生き物が来にくいからなんやけど、その馬の色を変えたらんなしゃあないかな(笑)。けどそれは無理な話なんでね。」
アナウンサー「白黒のシマウマにするというのも無理ですかね…。」
清水先生「けどその黒い馬は、何とか自分で…尻尾を振ってアブを払ったりしてるやろう?」
質問者「うん。」
清水先生「それで生きていけてるから、まぁ見守ってあげてください。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君、お家に牧場があるの?」
質問者「お家の近くに…1時間半ぐらいの所に。」
清水先生「あとは発生場所を減らせばいいかもしれないよね。水のたまるような場所とか流れの近くとかはやっぱり多いんでね。」
アナウンサー「○○君は黒い馬にどうして集まるの?って聞いたけど、やっぱりちゃんと理由があったんだね。」

Q14 虫は人間の言葉が分かっているのか、喉が
  発達すれば人間の言葉がしゃべれるようにな
  るのかです。(小5女子)

アナウンサー「○○ちゃんはどうしてそれを聞いてみようと思いましたか?」
質問者「えっと、生き物たちがよく懐いてくれたりするからです。」
アナウンサー「○○ちゃんは昆虫を何か飼ってるの?」
質問者「夏にはザリガニとか、カブトムシとか、カマキリとかいろんな生き物を飼った。」
アナウンサー「いろんな生き物好きなのね? そういう昆虫と何かしゃべってみたいのかな?」
質問者「どういうエサが好きかとか、ザリガニを飼ってた時に水槽から脱走したから、何で脱走するのか、です。」
アナウンサー「ああ、気持ちを聞いてみたいよね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「“あいうえお”とか人間と同じことをしゃべってたら、何をしてるか、どうしたいかが分かるね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「でもそんなことは無理やねん。何で無理かというとね、昆虫は人間と関わりを持っていないやん? 人間の言葉が分かる方がうまくいくということになれば、“そういう具合に言ってるんか”って分かるかもしれないけど、昆虫と人間は別の世界に住んでるやろう?」
質問者「はい。」
久留飛先生「ただ、懐いてくれるというのは良いポイントで、きっと昆虫にとって、あなたは何も悪いことをしているんじゃないと感じてるかもしれないやん?」
質問者「はい。」
久留飛先生「けど、目の前で振り回したり棒で叩こうとすると、“これはヤバい、何か悪いことをするんじゃないか”という、そういう意味のコミュニケーションはとれるかもしれない。○○ちゃんは昆虫にとって悪いことをしない人だって分かってるから、懐くのかもしれないよ。」
質問者「ううーん…。」
久留飛先生「ただ、同じようにしゃべるという…喉が発達して“こんにちは”とか言うことは無理やと思うわ。だって、その方が生きる力としては強いということにはならないからな。やっぱり生き抜くためには何をいちばん優先して発達させるか、この機能をもっとやれば生きていけることが分かってくると、そういうやつが淘汰されて残るかもしれん。
私も昆虫を目の前にしていつも思うけど、“何を思ってんのやろう”って。我が家にも今アシナガバチが越冬してるけど、トントンって触っても“何すんねんな”って羽根を広げるけど、すぐ大人しくなるやん。っていう具合に、悪いことをする人やないと分かれば、たぶん大人しいだろうに思うよ。そのぐらいのコミュニケーションはとれると思うけど、“今日はどうやねんな?”、“いつまで生きてんねんな?”という細かいコミュニケーションは難しいやんな。」
質問者「はい。」
久留飛先生「できたらいいなと思うけど…私もしてみたいわ。」
アナウンサー「(笑)久留飛先生だったらどんなことを聞いてみたいですか?」
久留飛先生「いちばん聞きたいのは…やってることに迷いがないわけよ。」
アナウンサー「昆虫が?」
久留飛先生「私やったら“右と左とどうしよう”って迷うところが、昆虫はズバッ。そのまま生きていて、うまくいけへんかったらしょうがないなって、そういう潔い生き方を昆虫はしてる。“何でこんな生き方を…お前いいのか?”みたいな。…いいんやな(笑)。」
アナウンサー「(笑)○○ちゃんはさっき、ザリガニが脱走して、どうして脱走したかったのかを聞いてみたかったと言ったけど、カブトムシとかカマキリを飼ってて、何か聞いてみたいと思うことはあった?」
質問者「カブトムシは角で分かるけど、カマキリはオスかメスかとか、あとカブトムシだと、いつ頃に卵を生んでくれるかとか…聞きたいです。」
アナウンサー「そうだよね、いつ頃卵を生んでくれるか分かると、もっとよくお世話をできるかもしれないしね。」
久留飛先生「丸山先生が言ったように、とにかく相手を観察することやわ。そうすると、“何をしてんのやろう?”って、こっちの方が推測してしまうからな。向こうは何をしてるのか分からんけど、こちらは“ひょっとしたらこんなことを思ってるかもしれん”っていう気づきはあるかもしれんよ。」
質問者「はい。」
アナウンサー「言葉でやりとりするのは難しいけれども、よーく見ると、何か分かってくるものはあるかもしれない…」
久留飛先生「と思いますね。」
アナウンサー「もし、虫とコミュニケーションできたら、清水先生は何か聞いてみたいことは…」
清水先生「(笑)そうですね、僕なんかは飼育に関わってる人間なんで、調子の悪い時にあらかじめ言ってくれた方がありがたいですね(笑)。“今ちょっと調子悪いねん、何とかして”って言ってくれたらいいのにね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「寒いとか、エサがちょっと多すぎるとか…」
清水先生「そう、そうですね。“ちょっとこのエサ、何か好きじゃないねん…”って…翌日まで入れっ放しになるんでね。○○ちゃん、入れた時にすぐ言ってくれたらええのにね?」
質問者「はい。」
清水先生「(笑)…って思うわ。」
アナウンサー「丸山先生はどうですか?」
丸山先生「僕は珍しい虫を見つけるのが好きなので、たまたまそういうものが見つかった時に、“本当はどこに住んでるの?”って聞いてみたいですね。あとは“何を食べてるの?”とか。生態が分からない虫がいて…。」
質問者「ああ…。」
アナウンサー「そうかぁ…。」
清水先生「いいですよね、“何食べてんの?”(笑)」
丸山先生「聞けたらいいですよねぇ。」
アナウンサー「そうすると、何年もかけて突き止めなくても、インタビューできちゃうということですか(笑)。なるほどね。○○ちゃん、先生方それぞれ、昆虫に聞いてみたいことがあるみたいよ。先生方のお答えを聞いてどう思いました?」
質問者「人間の言葉はしゃべれないけど、よく観察すれば気持ちは分かるのかなと思いました。」
アナウンサー「よーく観察することが、もっと良く飼えることにもなるのかな。」
質問者「はい。」

Q15 何でモンシロチョウの芋虫には寄生虫がたく
  さん住んでるんですか? キアゲハの幼虫に
  は寄生虫が少なかったです。(6才女子)

アナウンサー「そうなのね? これは○○ちゃんが育てていたの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「モンシロチョウの芋虫は寄生虫がついて、その後どうなった?」
質問者「寄生虫、ハチになって、芋虫死んじゃった。」
アナウンサー「そうか、残念だったね。モンシロチョウとキアゲハって、同じ虫かごの中で飼ってたの?」
質問者「違う。」
アナウンサー「別々のかごの中で飼ってたんだね?」
質問者「うん。」
清水先生「モンシロチョウな。アオムシサムライコマユバチっていう小っちゃなハチがいっぱい出てくるよね? 繭を作っちゃうよね?」
質問者「うん。」
清水先生「そうか。どれぐらいの大きさで捕ってきて飼ってたの?」
質問者「んー、モンシロチョウは、お母さんが仕事場で、キャベツについてたのを持ってきてた。」
清水先生「そうか。んー…。キアゲハは?」
質問者「キアゲハは、お家のミツバについてた卵を持ってきて飼ってた。」
清水先生「ああそっかそっか。1つは、モンシロチョウの主な寄生と、キアゲハの寄生の種類が違うっていうのもあるのね。モンシロチョウの方はアオムシサムライコマユバチという、いっぱい繭を作るハチとか、蛹になってからだとキアシブトコバチとか、ハエの仲間もつくけどね。キアゲハの方は、アゲハヒメバチとかヤドリバエの仲間とか、キアシブトコバチもつくんやけど…。
アオムシサムライコマユバチ、これはモンシロチョウにすーごい発生するのね。キャベツなんかを同じ所でずっと作ってると。だいたい畑で作るでしょう?」
質問者「うん。」
清水先生「毎年毎年同じ場所で作るので、やっぱりコマユバチの方も徐々に増えちゃうのね。だから同じ場所で作ってる所では寄生が多くなるというのが1つ。」
質問者「うん。」
清水先生「それから、反対にキアゲハの方は、野外なので、いろんな場所に発生するので追いかけられにくいというのもあるし、モンシロチョウの方は幼虫を捕ってきたでしょう? モンシロチョウの場合、大きな幼虫だともう寄生されないのね。けど小っちゃい時に卵を生みつけられちゃうの。それで体の中で幼虫が育ってるので、それを持ってきちゃうと寄生が出てくるのね。」
質問者「ふううん。」
清水先生「キアゲハの場合は小っちゃい時から育ててるでしょう? だから寄生されるタイミングが少なかった。葉っぱから食べちゃうこともあるんやけれども、少なかったというのが1つの理由だと思います。
面白いのはね、モンシロチョウはふつうに日本全国にいるけど、もともとは海外、外国から入ってきたチョウチョなのね。」
質問者「ふううん! ということは、外来種だったってこと?」⇦6才でこの反応の速さ。すごい!
清水先生「もともとはね。すごく古い外来種やねんけれども、ふつうにいるので気にしなくていいと思うけど、逆にもともと日本にいた白いチョウチョ…アブラナ…キャベツは食べないけど野生のキャベツの仲間を食べるスジグロシロチョウとか、エゾスジグロシロチョウは、アオムシサムライコマユバチが卵を生んでも、体の中で殺しちゃう…成長できなくするように進化してるの。モンシロチョウはその殺しちゃう仕組みができてない。それもモンシロチョウに寄生が多い理由だと思います。
だから今度は…いっぱいいるので、中には寄生されてないのもいると思うので、懲りずに飼ってみてください。できるだけ卵を見つけたり、小っちゃいうちから飼ってみると、少ないかもしれない。いろんな場所で捕ってきてみてください。寄生のすごく多い所もあるし、すごく少ない所もあるんでね。春先は意外と少ないかもしれない。秋口になってくると天敵の方もどんどん増えてくるんで徐々に多くなるよ。成長が遅れるので、今、冬越しに入ってるでしょう?」
質問者「うん。」
清水先生「大阪あたりだとまだ青虫…モンシロチョウの幼虫を採集できるんやけれども、寒くなって残ってるやつになればなるほど、意外と寄生で成長しきらずに残ってるやつが多いので、スッと育つようなやつを探してみてください。いろいろやってみてください。」
アナウンサー「春がいいんですね?」
清水先生「春というか、後になればなるほど寄生が増えてきますので、一旦冬で若干リセットされるんでね。」
アナウンサー「なるべく卵の状態とか…」
清水先生「もしできるなら小っちゃいうちから育てる方が、寄生は入らないと思います。絶対じゃないけど小っちゃいうちに生みつけられちゃうんで。」
アナウンサー「なるほど。○○ちゃんはチョウチョが好きなの?」
質問者「好き。」
アナウンサー「本当? どんなチョウチョが好き?」
質問者「んー………クロアゲハとか。」
清水先生「おっ、クロアゲハ。飼ったことある?」
質問者「ない。」
清水先生「そっか。それからね、モンシロチョウだと畑で探すと数が捕れる時があるので、何匹か捕ってくれば、いくらか飼えると思います。まあ、半分…いくら寄生率が高くても2~3割は飼えると思うので。」
アナウンサー「そうですか。じゃあ、○○ちゃん、また暖かくなったら、もう1回やってみようか。」
質問者「うん。」
アナウンサー「今度はちゃんと育つように、なるべく小っちゃいものを捕ってくるとか、いろんな場所から少しずつ捕ってくるとか。」
清水先生「大きくなったら、メスのチョウチョを捕まえてきて、卵を生ませてそこから飼えば、ほぼ寄生は大丈夫だと思うので。」
質問者「でもメスとオスの見分けがあんまりつかない。」
清水先生「そっかぁ。メスは動きにくいからね。じゃあ、今度また質問して。今度その話しよう。」

モンシロチョウはもともと外来種だったなんて知らなかった。そして寄生バチにかなり寄生されてしまっていることも。在来のチョウは寄生されない仕組みを獲得してるとか、生きる世界が人間とは違いすぎる。人間とコミュニケーションをとる余裕はないだろうな。

Q16 ムカデの毒はどうやってできているんです
  か?(小2女子)

アナウンサー「ムカデの質問。どうしてこれを質問してみようと思ったの?」
質問者「1回咬まれて、すごく痛かったからです。」
アナウンサー「あ!本当? どこを咬まれた?」
質問者「えーっと、テレビの部屋で咬まれました。」
アナウンサー「お家の中で咬まれたんだ。腫れちゃった?」
質問者「はい、腫れました。」
アナウンサー「そうなのねぇ、すごく痛かった?」
質問者「はい。」
アナウンサー「それでどうしてあんなに痛い毒があるのかなって思ったのかな?」
質問者「はい。」
丸山先生「そっかぁ、咬まれたんだね。泣いた?」
質問者「はい、泣きました。」
丸山先生「(笑)痛いんだよねえ。ムカデはどこで咬むか知ってる?」
質問者「知りません。」
丸山先生「ムカデは、頭があって、頭の後ろに胴体がずっと続いていて、そこに脚がいっぱい生えてるんだけど、いちばん前の脚が注射器の毒針みたいに変化してるの。それが牙みたいな形をしていて、それで咬むんだよね。」
質問者「はい。」
丸山先生「その脚だけど、それがすごく太ってなっていて、そこで毒を作ってためるようになっているんだよね。」
質問者「はい、分かりました。」
丸山先生「ハチの毒針も知ってるよね?」
質問者「はい。」
丸山先生「ハチの毒針はお腹の中に毒の袋があって、そこに針がついてる。それで毒を入れるようになってるんだけれども、それと同じような作りがムカデの脚にあるんだよね。ただ、前の脚だけで、それ以外の脚は毒はありません。」
質問者「はい。」
丸山先生「面白いのはね、ハチとムカデの毒の作りが、すごくよく似てるんだよね。ハチに刺されたことはあるかな?」
質問者「ありません。」
丸山先生「スズメバチとかもすごく痛いんだけど、毒の作りも似てるから、ムカデも同じように、刺されると痛いんだよね。」
質問者「分かりました。」
丸山先生「どんな意味があるかというと、ムカデはみんな同じように毒を持ってるんだけど、獲物を捕まえるため。大きなムカデはコオロギとか大きな他の虫を食べたり、時にカエルも捕まえて食べるんだけれども、獲物が暴れるでしょ? 暴れるのを抑えるために毒を使っています。」
質問者「はい、分かりました。」
丸山先生「あと、ムカデが好きな生き物もいるんだよね。イノシシとかタヌキとか。そういう敵に襲われた時に咬みついて、対抗するためにも毒を使うんじゃないかと言われています。」
質問者「分かりました。」
丸山先生「特に熊本みたいな暖かい所だと、家にムカデが入ってきて咬むことがあるけど、きっとそういう獲物と間違えちゃったんだよね。おいしそうな何かがあると思って、間違えて咬まれちゃうことがあります。
まあ、入ってきちゃうのを防ぐって難しいからね。排水管から入ってきたりお風呂から入ってきたりするので、これからは咬まれないように気をつけてください。」
質問者「はい、分かりました。」
アナウンサー「先生、ハチと毒の作りが似ているって…ハチは獲物を捕まえるために毒は使わないですか? そういうこともありますか?」
丸山先生「例えばスズメバチも、大きな虫を襲う時には刺したりすることもありますけど、狩りバチは毒を使って麻酔をしますので、やっぱり獲物を捕まえる時に使うんですよね。」
アナウンサー「でも、毒のあるムカデが好きで食べちゃう動物もいるんですね?」
丸山先生「はい、イノシシは大好きですし、タヌキも器用に食べますね。そういう毒は、胃の中に入る分には特に問題はないんですね。」
アナウンサー「なるほど。○○ちゃん、先生のお話を聞いて、どう思いましたか?」
質問者「ムカデの毒はそうやってできてるんだなと思いました。」
丸山先生「ムカデも生きるためにそういう毒を持っているんだよね。」
アナウンサー「今年は刺されない1年だといいね。」
質問者「はい。」

質問終わり~先生方から感想
清水先生「いやぁ、今日も楽しかったですね。というか、本当にあっという間でしたよね。虫好きの子どもさんが3人集まって、7人でワヤワヤとやってましたけど(笑)。いやー、面白かったですね。」
アナウンサー「みんな本当に詳しかったですね。」
清水先生「1人だけイジワル問題みたいなんで申し訳ございませんでした。大人げなくって(笑)。」
アナウンサー「(笑)清水先生の問題で、ようやく正解と不正解が分かれて、あとは全問正解でしたものね。」
清水先生「(笑)なかなかの虫ボーイ、虫ガールでした。」
アナウンサー「清水先生にメールが届いていまして、T君、2年生。」
清水先生「ああ、T君。」
アナウンサー「“去年の宿題やりました”…分かりますか?」 
清水先生「はい。」
アナウンサー「“ワラジムシにも交替性転向反応がありました。大きくて触角が立派なワラジムシが、迷路が上手でした。ご飯をあげて幸せすぎると鈍くなりました。”」
清水先生「(笑)おおおお。」
丸山先生「ふううん…」
アナウンサー「何のことだか私には(笑)。」
清水先生「ダンゴムシが物にぶつかると、右、左、右、左…って曲がる方向が変わっていくんですよ。まぁ例外はいっぱいあるんですけど、落ち着いてやるとその傾向が強いんですよね。それを交替性転向反応と言うんですけど、地上徘徊性の小っちゃな生き物に多いんですけれども。ダンゴムシの話だったんで、じゃあワラジムシもできるかやってみ?って言ったんですよね(笑)。」
アナウンサー「なるほどねえ。でも、幸せだとダメで、お腹が空いてる方が上手でしたと(笑)。」
清水先生「ああ、面白いですね。」
アナウンサー「“市の作品展で賞ももらいました。僕もとても楽しい実験でした。ありがとうございました。”という。」
清水先生「ああ素晴らしい(拍手パチパチ)。こちらこそありがとうございます。」

久留飛先生「もともと虫に興味がある子どもたちばかりなので、より詳しく知りたい。その知りたい内容は自分の経験とか観察に基づくという…そこがすごいなぁと。本を読んでとかテレビを見てとか、それ以上に、“僕はこんなことがあったんだけどどうだろう?”という、そういうことでぶつかってくると、思わず、“そうかあ!”って、楽しくなりますね。」
アナウンサー「“知りたい知りたい”っていう気持ちが、スタジオに出てくれた3人の子どもたちもワアーッと出てましたよね。」
久留飛先生「そう、もう尽きないぐらい質問する子もいましたし、ジッと聞いていながらも冷静に、よう聞いてんなぁと…すごいと思いますね。つい知ってることを言いたくなるのが子どもですけど、ジッと待って考えるというのも、やっぱりすごい能力だと思いますね。」

丸山先生「どの質問もすごく面白くて、こちらが考えるきっかけを作ってくれて、ありがたかったのと、やっぱりスタジオにお子さんが3人来て、ワイワイガヤガヤとすごく楽しかったですね。久留飛先生が仰ったように、やっぱり子どもは本来は虫が好きなんですよね。なおかつ昆虫はいろんな種類が身近にいて、しかも手に取って観察できるという点で、自然のことを理解するにはすごく重要な入り口なんじゃないかと思いましたね。今日来てくれたお子さんも、ずっと虫が好きでいてくれたらいいなぁと思いました。」

冬休み子ども科学電話相談1/4(昆虫スペシャル)8時台・9時台

この冬は1つのジャンルをとことん追求する4時間スペシャル!
年の始めの1/4は昆虫スペシャル!
回答する先生方は
 清水聡司先生
 久留飛克明先生
 丸山宗利先生

清水先生「明けましておめでとうございます。」
アナウンサー「先生はどんなお正月でしたか?」
清水先生「あの……展示入れ替えをしてました(笑)。
からしつこくお話ししてましたゴキブリ展を足立区生物園と共催でやってるんですけど、その入れ替え…足立区生物園バージョンを今、うちに入れてますんで、その展示準備に追われてました。」
アナウンサー「じゃあ、せっせと虫とおつきあいするお正月と。」
清水先生「楽しい年末年始でした。」
アナウンサー「(笑)2020年、何か目標というか…ありますか?」
清水先生「大した目標じゃないかもしれないですけど、僕はチョウの飼育担当を長らくやってきたんで、タイワンキマダラという…国内だとほぼ西表にしか見られないチョウチョなんですけれども、そのチョウチョを以前、人工飼料を使って累代飼育していたことあるんですけど、それを復活させたいなと思ってます。」
アナウンサー「タイワンキマダラ…きれいなチョウチョなんでしょうね?」
清水先生「まあ、人によりけりですね、僕は大好きなんです(笑)。」

久留飛先生「明けましておめでとうございます。」
アナウンサー「先生のお正月はどうでしたか?」
久留飛先生「いつもながらですね、近くの百済王神社にお詣りを家族とするんですけど、神様というものを若い頃は全く意識もしてなかったですけど、“あ、神様というのは自然の中にたくさんいるんだな”と…いろんなとこの生き物に関しても植物にしても何にしても、すごく日本人の文化というか、何でも大事にしてきたなと、改めて思いますね。まぁ、人が多かったので、お詣りはしなかったんです(笑)。」
先生方「(笑)ハハハハ」
アナウンサー「(笑)えええ何で……お詣りしなかったんですか?」
久留飛先生「(笑)すごい列が並んでて。おみくじと破魔矢の交換だけはさせてもらったんですけど。」
アナウンサー「(笑)ああ、境内まではいらしたと。」
久留飛先生「(笑)大変です。」
アナウンサー「(笑)なるほど。そして先生、何か今年の抱負はありますか?」
久留飛先生「いつもなんですけど、子どもたちに昆虫の入り口というか、振り向いてもらう、興味を持たせるような教材も作りたいし、そんな話もしていきたいなと。“嫌だ!”と思ってたのが、“あ、いいんじゃない?”と思ってもらうと、あとは昆虫館とか博物館に行く。そういう入り口のところで、子どもたちに何か伝えられたらいいなと、いつも思っています。」
アナウンサー「“怖い!”っていうんじゃなくて、すんなり入り口から…」
久留飛先生「“これ何やねんな?”という好奇心を持ってもらいたいと思っています。」

丸山先生「明けましておめでとうございます。」
アナウンサー「先生のお正月は?」
丸山先生「今年、子ども向けの図鑑を作ることになっていて、年末に2週間連続でずーっと、標本の撮影をしていて、それでもう疲れ果てて、正月は寝ていました。遅く起きてお餅を食べたりしていました。」
アナウンサー「そうすると今年の大仕事の1つが、その図鑑を作るということですか?」
丸山先生「それが忙しくなりそうですね。あと、研究の上で、サスライアリ…アフリカにいる凶暴なアリなんですけど、それと一緒に共生している昆虫の研究を始めていまして、その調査にアフリカに行きたいと思ってますね。」
アナウンサー「へえええ…またいらしたら、ぜひそのお話もして頂けたらと思います。」

Q1 なぜ、スズメガは何でも食べてしまうのです
  か?(小3女子)

アナウンサー「スズメガが何でも食べちゃう。それはスズメガが、○○ちゃんのお家にいるのかな?」
質問者「夏ぐらいに幼虫がいて、そのスズメガの幼虫がこんにゃく芋の茎まで食べてしまったので。」
アナウンサー「こんにゃく芋の茎って、けっこう硬いのかな?」
質問者「分かりません。そこまで…。」
アナウンサー「他にはどんなものを食べたの?」
質問者「パンジーの葉っぱとかアサガオも食べてました。」
アナウンサー「お庭にあるものはけっこう食べられちゃったのね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「何匹ぐらいいたんですか?」
質問者「2匹いました。」
アナウンサー「2匹いて、その2匹がいろんなものを食べてしまったのね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「じゃあ、逆にスズメガの幼虫が食べないものはあるのか、ということを聞きたい?」
質問者「うーん……はい。」
アナウンサー「今日は昆虫の先生が3人いらっしゃるので、手を挙げて頂きましょうか。」
先生方「……(笑)」
アナウンサー「どなたか○○ちゃんの困ったことに答えてくださる先生…どうでしょう?」
久留飛先生「最初…私ですか。○○ちゃん、おはようございます。」
質問者「おはようございます。」
久留飛先生「たぶん、あなたが思っているのは、アゲハチョウであればミカンの葉っぱ、モンシロチョウであればキャベツという具合にそれしか食べないのに、スズメガは何でも食べるやんかと、そこに疑問を持ったんかなと思うんです。」
質問者「はい。」
久留飛先生「そうやね。それしか食べないやつと、何でも食べるやつと、どっちがいいと思う?」
質問者「それしか食べない方がいい。」
久留飛先生「何でやの?」
質問者「1種類しか減らんくなるから。」
久留飛先生「ああ、例えばアゲハチョウであればミカンの葉っぱしか食べないけど、他のやつは食べないから独り占めできるということかな?」
質問者「はい。」
久留飛先生「そやな。じゃあ、スズメガは何でそんな食べてんのやろうって思ったわけやろ?」
質問者「はい。」
久留飛先生「じゃあ先生に聞いてみるね。」
先生方「……(笑)」
アナウンサー「(笑)あれ?ここで? どちらに…清水先生に振られました。」
清水先生「(笑)丸山さんじゃないんですか。分かりました。(笑)…あまりにも唐突やったんで、何の話だか聞いてなかったもんで……ごめんな、最初からいっちゃおう。○○ちゃん家はいっぱい植物が植わってんねんなって話やな。」
質問者「はい。」
清水先生「久留飛先生が、いろんなものを食べれる方が有利やんって言うてたんは分かる?」
質問者「はい。」
清水先生「ミカンしか食べれないとか、キャベツしか食べれない…まぁキャベツ畑がいっぱいあるからモンシロチョウってそこら中に飛んでるけどさ。
1つしか食べれないよりは、いろーんなもの食べれるというのは便利は便利やん、そこら中にエサがあるから。」
質問者「うん。」
清水先生「けど、それはどうでもええ話やってんな。○○ちゃんはどっちがいい?という話やったんよな?」
質問者「…うん。」
清水先生「専食の方が争う相手がいないので、それはそれで有利やし、他のやつが食べれないものをどんどん食べれるようになっていくのも進化やんか? 独り占めできるので。」
質問者「はい。」
清水先生「もちろんそれはそれで有利なのね。いろんなものを食べれるというのもまた有利な要素で、どっちをとったかという…その生き物の戦略というか生き方やと思うんやけれども、例えば○○ちゃん家のなすび、こんにゃく芋にいたスズメガの幼虫、どんな幼虫やった?」
質問者「黒いのと、緑色のがいた。」
清水先生「スズメガの幼虫は色が変わったり、同じ種類でも色彩が緑のと茶色のと出るので、見てみなきゃ分かんないんやけれども、なすびを食べてたのは、もしかしたら、…えーっと…何でいこうかな…クロメンガタスズメはなすびを食べるし、こんにゃく芋を食べてたのは…こんにゃく芋サトイモという植物のグループなのね。それだとセスジスズメ。よくオオゴマダラというチョウチョの幼虫に間違われるスズメガの幼虫がいるんやけれども、その可能性もあるし。今年はアサガオを食べてたん?」
質問者「はい。」
清水先生「アサガオはエビガラスズメ。」
質問者「……はい。」
清水先生「実は同じように見えてて違うスズメガが来てるかもしれないの。○○ちゃん家はすごくいろんな植物があるので、いろんなスズメガが来てくれる、実はすごく面白い庭かもしれない。」
質問者「…はい。」
清水先生「クチナシとかない?」
質問者「それはありません。」
清水先生「クチナシがあると、オオスカシバというスズメガの仲間が来るし、藤を植えてるとトビイロスズメ。いろんなものが来るのを逆に楽しんだらいいんかなと思うけれども、…それじゃ○○ちゃんの質問に答えたことにならないんで、…逆にそれしか食べれないのよ。それしか食べれないんやけれども、いろんな植物があるから○○ちゃん家はいろんなものが来ちゃうのね。」
質問者「はい。」
清水先生「1種類ずつ見ていって、虫に食べられにくい植物を探していったらいいんやけれども、このあたりで丸山先生に振っちゃおうかな。」
丸山先生「ええ?」
清水先生「どういうものがスズメガの幼虫が苦手かっていうのをね。」
丸山先生「そう、スズメガは種類によって食べるものがだいたい決まっていて、中にはアサガオサトイモの仲間の両方を食べるものもいるんだけど、スズメガが食べない植物をいろいろ想像してみると、イネ科って分かるかな? ネコジャラシって分かる?」
質問者「はい」
丸山先生「お米もそうだけど、ああいうのはイネ科というグループに入る植物だけど、そういうのはスズメガはあまり食べないし、あとカヤツリグサ科とかユリ科も食べない気がしますね。葉っぱに縦の筋がいっぱい入ってるような植物…単子葉植物と言われるんだけど、そういうのはスズメガはあまり食べないように思います。」
質問者「うん。」
丸山先生「でもスズメガは種類によって何でも食べる。特に、キョウチクトウスズメというやつは、人間が食べたらすぐ死んじゃうような毒のある植物も食べるので、どういうスズメガがどういうものを食べてるかを調べたら、面白いかもしれません。」
清水先生「キョウチクトウスズメガがいたらいいですよね(笑)?」
丸山先生「そうですね。」
アナウンサー「いい、というのは珍しいんですか?」
清水先生「きれい! すんっごいきれいですし、幼虫も面白いんでね。」
丸山先生「キョウチクトウスズメは元々、東南アジアとか南の方にいるものなんですけど、たまーに日本に飛んできて…スズメガって長距離を飛べるんですね。キョウチクトウはその辺にもよく植えられているんですけれども、それを食べて、一時的に幼虫が出ることがあるんですよね。」
清水先生「関西でも発生したことあるんでね。」
アナウンサー「なるほど。○○ちゃん、スタジオの3人の先生は、“○○ちゃんのお家のお庭っていいな!”っていう感じ(笑)になってるけど、○○ちゃんはスズメガの幼虫がいて、困っちゃうって思ってる?」
質問者「はい。」
アナウンサー「そうかあ……。お花にとっては困っちゃうけれども、昆虫を観察しようと思うと素晴らしいお庭ということになるのね(笑)。」
清水先生「けどね、食べる植物がある程度決まってるんで、そういうのを観察して記録しておくの。時期と何を食べられちゃったか。今年食べられちゃった植物があるでしょう? そしたら、どの時期にどういうものが食べられやすいかが分かるでしょう?」
質問者「はい。」
清水先生「小さいうちに見つけるとそんなに食べられずに済むので、幼虫をどこか別の場所に移すとか、食べられても困らない葉っぱをあげるとか。そういうことも先につながっていいかなと思うんやけどね。」
アナウンサー「○○ちゃん、いろんなものを食べるように見えるけれども、実はスズメガにもいろんな種類があって、その種類によって食べるものが決まっているということみたいね。イネ科のものはどんな種類のスズメガもあまり食べないんじゃないか、というお話だったけれども、これでいいかな?」
質問者「はい。」

お庭の植物を食べるスズメガにお困りの様子のお子さんと、スズメガのバリエーションにワクワク気味の先生。微妙な溝は埋まらずじまい。

Q2 ナミアゲハの蛹は同じ虫かごで育てているの
  に、緑や茶色やオレンジの蛹になるのはなぜ
  ですか?(小6女子)

アナウンサー「蛹になると、茶色の蛹、緑の蛹、オレンジの蛹…同じ虫かごで飼ってるのに変わってきちゃうんだ?」
質問者「はい。」
アナウンサー「どんな色がありますか?」
質問者「緑と茶色とオレンジです。」
アナウンサー「幼虫の時はみんな同じ色?」
質問者「はい。」
アナウンサー「それは何色ですか?」
質問者「緑です。」
アナウンサー「はい、分かりました。これはどなたが答えてくださるでしょうか…。」
清水先生「じゃあ…」 久留飛先生「最初…」
清水先生「あ、どうぞどうぞ。」
アナウンサー「(笑)譲り合ってます。」
清水先生「久留飛先生どうぞ(笑)。」
久留飛先生「(笑)いやいやそんな…。○○さん、おはようございます。最初に幼虫が緑色をしてたって言うてたよね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「何で緑色をしてたかっていうのはいろんな人が答えていて、葉っぱに似せてるから他のものに食べられない、という具合に緑色でいいんじゃない?って思っているわけよ。
アゲハチョウだから、最初は白と黒の、ちょっとムニュムニュッとした、みんなが言うには鳥のウンコのような形と色をしてる…それは知ってるやんね?」
質問者「はい!」
久留飛先生「ただ、ウンコと思っているのか、フニャフニャした模様が何となく分かりにくい模様に見えてて、これは虫なのかどうかと騙しているんじゃないか、という人もおんねんな。」
質問者「ああ…。」
久留飛先生「という具合に、何でそんなことするかというと、芋虫の形をしていると、鳥とか他のものに見つかった時に逃げれないやん?」
質問者「はい。」
久留飛先生「敵が来たからといって、いくら歩いて走っても、すぐ捕まってしまうやんね? ということは、できるだけ分からないようにして、早いとこ蛹になって成虫になっていこうと…そのためには隠れてる方が有利やんね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「という具合に考えたら、蛹になった時に茶色か緑というのも、その場所に似せてる色になったとしたら…蛹って動けないからね、見つかったら困るから、見つからない色にできるだけ近づけたい。ということになってる方が有利やんね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「何でなるんやろうと研究した人がいて、いろんな条件の中で緑になったり茶色になったりすることが分かってきてるんね。」
質問者「はい。」
久留飛先生「はい。……ではお願いしようかな。」
先生方「……(笑)」
アナウンサー「(笑)しりとりのような感じで…再び清水先生に。」
清水先生「(笑)はい。○○ちゃん、おはようございます、清水です。アゲハチョウの幼虫がどうやって色を決めてるかって考えたことある?」
質問者「…考えたことないです。」
清水先生「アゲハチョウの幼虫はいろいろ研究されてて、足場…蛹を作る場所がどうなってるかを感じとって、色を決めてると言われてるの。実験で分かってるのね。
例えば、ミカンの葉っぱとか緑色の軸は、足場がツルツルッとしてるでしょ? ツルツルッとしてるということは、“緑にならなきゃいけないな”、ザラザラッとしてるということは木の幹とか石とか。そういう所になっちゃってるということは、そういう色に合わすために褐色…茶色にならなきゃいけない。そういう命令が出るの。
あと、ツルッとした枝は細いでしょ? 」
質問者「はい。」
清水先生「ザラッとした枝は太いでしょ?」
質問者「はい。」
清水先生「ということは、アール…曲がり具合が急なものは緑になりやすかったり、平面に近いものは茶色になりやすい。そういう傾向がいろいろあるのやけど、そういうものをいろいろ混ぜ合わせて、どっちになるかを判断してると考えられている。」
質問者「ほあ……。」
清水先生「あと、葉っぱがたくさんあると湿度が高かったり。それから、単純にパッと決まるものじゃなくて、やっぱりね、虫にも個性があるの。」
質問者「個性がある!」
清水先生「うん。もしかしたら、ツルッとしてるようやったけれども、微妙なところってあるでしょ?」
質問者「はい。」
清水先生「その時に茶色になるか緑になるか、迷う時あるやんか? それで、それぞれになりやすさ…閾値(しきいち)って言うんやけれども、判断の基準というものをそれぞれが持ってる。それで生き残りやすかったりだめになっちゃったりするのは、自然のツラいとこなんやけれども、逆に個性があるということは、生き残り…全体として維持しやすくなる要素の1つでもあるのね。」
質問者「はい。」
清水先生「面白いのは、…長くなってごめんなさいね。オレンジ色って言ってくれたやんか? あれはね、実は冬越しをする蛹にしか出ない色なの。」
質問者「オレンジ?」
清水先生「うん。夏場にアゲハチョウの幼虫をふつうに飼って…長日条件ね、すぐに羽化してくるような条件で飼ってると、茶色か緑にしかならないのね。オレンジ色になるのは、褐色の延長線上やと思うけれども、冬越しを間違いなくしますよという。おじさんたちは逆に判断に使ってるのね。間違いなく寝てくれるんで、すぐに冷蔵庫に入れちゃおうという感じで。」
質問者「あ…(笑)フフフッ。」
清水先生「(笑)短日処理がうまくいったという判断に使ってます。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○ちゃん、先生のお答えを聞いてどう思いましたか?」
質問者「ずっと色が変わることを不思議に思っていたので、越冬とか、ふつうに羽化する時の違いも知れて良かったです。」
丸山先生「あ、1つ補足をしていいですか? アゲハチョウの幼虫も実は目が見えていて、…と言っても光とか色が少し分かる程度だけど、ザラザラとかツルツルに加えて、実は明るさも見ていて、光が当たるところでは緑になりやすくて、暗い所ではより茶色になりやすいことも分かっています。
あと、アゲハチョウの中でもアオスジアゲハって知ってるかな?」
質問者「はい。」
丸山先生「クスの木の葉っぱを食べるやつなんだけれども、それに関してはザラザラとかツルツルじゃなくて、明るさだけで緑になるか茶色になるかを決めているということが分かっています。以上、補足でした。」
質問者「はい。」
アナウンサー「明るいと緑、暗いと茶色の方に…」
丸山先生「同じような理屈で、緑のところって光が当たって明るく反射しますよね? それで明るい色だと分かって緑になりやすいということですね。」
アナウンサー「いろんな工夫で見つけられにくいように頑張ってるんですね。」

Q3 クモの毒の種類や、どんなものがあって、い
  ちばん強い毒を持っているクモは何ですか?
  という質問です。(小4男子)

アナウンサー「毒を持っているクモについての質問。○○君は、毒を持っているクモで、いくつか名前を知っているのはありますか?」
質問者「セアカゴケグモとかオオツチグモ、などです。」
アナウンサー「○○君のクモの質問についてですが……」
久留飛先生「はい。」
アナウンサー「はい(笑)、では久留飛先生、永遠のトップバッターになりつつあります。」
質問者「えいえんのと…?」
久留飛先生「今、君が言ったように、セアカゴケグモというのは毒を持ってるの知ってるよね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「私も大阪府の保健施設にいた頃に、大阪の高石という所で、その毒グモがいっぱいいるんじゃないかということで調査をしたことがあるの。その時にセアカゴケグモを初めて見て、すごいきれいだなと思ったん。
どこからか分からないけど、たぶんオーストラリアの方に生息していて、そのクモに咬まれて死ぬ人がいるぐらい毒が強いという…それで何とかしなければいけないと。たぶん日本ではセアカゴケグモというのが、今のところ毒はいちばん強いかもしれないな。」
質問者「はい。」
久留飛先生「元々、コマチグモという仲間で、ススキの葉っぱの中に巣を作るクモがいて、子どもの時にそれを開いてみて、そのクモに咬まれたらとても痛いという…そういう毒の強そうなクモがいるのが、たぶん日本ではこの2種類かなと思う。毒はあるんだけど私たちに害を加えるクモは、意外と少ないなと思っています。」
質問者「うん。」
久留飛先生「まぁ私は日本だけの話だけど、ひょっとしたら世界にはもっと強い毒を持ってるクモが…100種類ぐらいはいると書いてあるから、…丸山先生はたぶん、よく知ってはるかなぁと。」
アナウンサー「(笑)次は丸山先生にバトンが渡りました。」
清水先生「ご指名(笑)。」
丸山先生「ああ、じゃあ(笑)。○○君、おはよう。
僕はよく外国に行くんだけれども、いつも毒のある生き物に気をつけて、事前にどこにどういうものがいるかを調べて行くけど、調べる中でいちばん怖いと思ったのが、アメリカの南の方にいるドクイトグモというのがいて…」
アナウンサー「ドク、イト、グモ?」
丸山先生「はい。それは、咬まれると咬まれた部分が腐ってしまったり、人によっては死んでしまうこともある、ものすごい強い毒を持っていると言われています。
日本では先ほど久留飛先生が仰った通りで、あと
これはちょっと怖いなというのは、沖縄の南の方にいるジョウゴグモという仲間のクモ。基本的に強い毒を持ってると言われてて、体もすごく大きいけど、たぶん日本では咬まれた人はいないと思うけど、もし咬まれたら怖いなというのが、そのジョウゴグモの仲間ですね。すごく牙が大きくて、咬まれたらいかにも痛そうな感じがします。」
質問者「うん。」
アナウンサー「世界ランキングとしては、そのドクイトグモが…アメリカの南というのは、南アメリカですか? それとも…」
丸山先生「北アメリカの南の方です。そっちから日本に、いろんな物が輸出もされているので、貨物に紛れて日本にも入ってくるんじゃないかと昔から恐れられている。」
アナウンサー「今のところはまだ。」
丸山先生「まだ入ってないですね。」
アナウンサー「はい…。清水先生は何か(笑)、お話しすることは…」
清水先生「(笑)僕ですか? …そうやねえ、僕はクモ苦手なんやけれども、…もう2人がだいたい話してくれたけど、世界的にはやっぱりドクイトグモが怖いと言われてるし、国内にはセアカゴケグモが入ってきちゃってるんで…特に、関西とか近畿地方だと、割とふつうにいる場所があるんで。
ただ、基本的には人が触らないような場所…セアカゴケグモも攻撃的なクモではないので、必要以上に怖がることはないと思うんやけれども、うっかり掴んじゃうような隙間とか変な所にいるのでね、咬まれた時には“このクモですよ”とはっきり分かるようにして、病院に行ってもらった方がいいと思うんですね。セアカゴケグモの場合は神経毒なので、特に小さいお子さんは気をつけてもらった方がいいかな。体は小さいですけど、それなりの強い毒ではあるんで。ただ、必要以上に怖がらないでください。」
質問者「はい。」
久留飛先生「私の町内にもおるんよ。セアカゴケグモが毎年、年末に溝掃除をした時に、必ず見つかるん。」
アナウンサー「そうなんですか?」
清水先生「うちも自宅の中にいました(笑)。」
アナウンサー「ええ!」
久留飛先生「そうなん? すごい。それはすごい。」
清水先生「いやいや(笑)。」
久留飛先生はセアカゴケグモの進出ぶりに驚いてるのか、よりお近づきになった清水先生が羨ましいのか。

久留飛先生「そのぐらい近所にいるんだけど、咬まれることはまずないんよ。溝の中とか、私たちがそんな所に手を入れることはまずないから、そんなに怖がることも要らないなと思うんです。」
質問者「はい。」
久留飛先生「知っておくのはとても大事なんだけれども、そんなに向こうから襲ってくることはないので、あまり心配しなくていいかな。ただ、変な所に手ぇ入れたらあかんよ。ひょっとしたら咬まれる。それだけは注意した方が…丸山先生なんか外国に行ってそんなことになったら、どうしようもないやんな。調査もできないし。」
丸山先生「(笑)そうですね。」
久留飛先生「そういう意味では、気をつけたことに越したことはないけど、それほど心配しなくていいのかなと思っています。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君、ドクイトグモとかジョウゴグモって知ってた?」
質問者「うん…あまり知りません。」
アナウンサー「図鑑に載ってると思うから、また見てみてね。」
質問者「はい。」

Q4 ヤゴは夏に捕ってきて、それから冬になった
  ら、…昆虫は、ヤゴとかは、死んだらすぐ浮
  かぶんだけど、ちょっとしか浮かんでないん
  だけど、動いてもないし、エサをやっても全
  然動いてくれないから、死んだか死んだふり
  か、それが心配だから、教えてください。
  (小1男子)

言えることを全て言って心配な気持ちをぶつけてくるのが健気だ。

先生方「(笑)」
アナウンサー「○○君はヤゴを飼ってるんだ?」
質問者「はい。」
アナウンサー「夏に捕ってきた…何匹ぐらい捕ってきたの?」
質問者「2匹ぐらい。」
アナウンサー「それで、今は冬で、死んじゃったら上に浮かんでくるはずなのに、浮かんでこないしエサも食べないし、ってことか。」
質問者「そう。」
アナウンサー「2匹ともそうなの?」
質問者「そう。」
アナウンサー「で、心配なんだね? じゃ、○○君に答えてくださるのは………」
丸山先生?「(ヒソヒソと)いきますか?」
久留飛先生「(笑)最初は…」
アナウンサー「はい、久留飛先生。」
久留飛先生「冬というのは、他の昆虫もあんまり動かないよね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「ということは、冬はジーッとして過ごす季節というのは知ってた? 他の昆虫もゴソゴソ動いてないやんね?」
質問者「うん。」
久留飛先生「そやから、寒いということは基本的には昆虫が動きにくい。ジーッと過ごしていく季節。虫によっては冬越しとか言うんだけど、そういう具合に…基本の話やで。冬でも活動する昆虫もいるけど、基本は動きにくいので、冷たくて寒い中でジッとして春を待っている、そういう季節やねん。」
質問者「ああ……。」
久留飛先生「私らは冬でもいっぱい動いてるけど、昆虫は寒くなると動きにくい。それは良いことでもあるし、悪いことでもあんねんけど、そういう季節だということなんですね。」
質問者「うん。」
久留飛先生「あとは……じゃ、聞いてみよう。」
清水先生「……はい。冬って寒いから、ヤゴとか昆虫とか、動き回るにはすごく都合の悪い季節だということを、久留飛先生がお話ししてくれたやろう?」
質問者「うん。」
清水先生「じゃあ、ヤゴが冬に元気でエサをモリモリ食べたら、どうなります?」
質問者「元気になります。」
清水先生「元気になっちゃう。元気になって羽化しちゃうと、トンボになっちゃうよね?」
質問者「うん。」
清水先生「トンボになってしまうと、この時期困るよね? お外は寒くて飛べないし、エサになる虫も飛んでないし。だから、この時期は自分自身も体を動かすのに不利な季節なので、できるだけジッとしてるの。休眠…体の機能をできるだけ停止に近い状態にして、体力を温存してる。エサも獲りにくいので、消耗するとマズいでしょう? だからあまり動かないのね。」
質問者「うん。」
清水先生「水の中なので、死んじゃうと○○君が言うみたいに腐敗して、ガスがたまって浮いてくるかもしれないし、そのまま水の中で分解されちゃうかもしれないし、たまに確認した方がいいと思うけれども…のぞいてみてる? どこにいるか分かんないの?」
質問者「分かる。」
清水先生「分かるんやったら、そっとのぞいてみたらいいよ。生きてる状態は力がちゃんと入るから、手足をキュッと縮めた状態で、決まった形でいるでしょう?」
質問者「うん。」
清水先生「死んじゃうと筋肉とかの力が抜けちゃうので、伸びたような状態でダラーンとしちゃうやん? だからキュッと締まった状態、形が整ってると生きてると思うのでね。」
質問者「うん。」
清水先生「そんな感じかな。じゃあ丸山さんにそろそろ振りますね(笑)。」
丸山先生「(笑)○○君はさ、自分の体を触ると温かいでしょう?」
質問者「うん。」
丸山先生「36℃とか熱があるでしょ? でも、昆虫は自分で体に熱を持つことができないの。それで、昆虫もある程度体が温まらないと動けないものが多いんだよね。」
質問者「はああ…。」
丸山先生「昆虫は自分で体を温めることができないから、冬の間はおとなしくするしかないというのもあります。」
清水先生「そんな時期にエサを食べると消化不良を起こしちゃうの。調子悪くなっちゃうの。」
丸山先生「だから、ヤゴを1回家の中に入れてエサをあげて、また外に出すと、お腹の中のものが消化できずに死んでしまうこともあるから、冬の間は寒い所にずっと置いといた方がいいと思います。」
質問者「うん。」
アナウンサー「なるほど。○○君のヤゴは今どこにいるの? お外にいるの?」
質問者「そう。」
アナウンサー「じゃ、そのままそこに置いて…」
丸山先生「そうですね。」
清水先生「いい感じにしてるんですよね。」
アナウンサー「じゃあ大丈夫かもよ。」
清水先生「逆に僕らは“どこに置いたらいいですか”って聞かれるので、ジッと越冬状態に入れるというのは、良い場所に置いてると思ったらいいと思いますよ。」
アナウンサー「じゃあ○○君、そのままそこに置いて、楽しみに春を待とうか。」
質問者「はい。」

成虫になるタイミングをちゃんと見計らっているわけか。成虫のいちばんのお仕事は繁殖だから、相手もライバルもいない季節に羽化しても意味ないもんな。さっきも蛹の色が変わる話があって、幼虫の「幼」の字で変な誤解をしていたと思った。幼虫もすごく賢いというか、やるべきことをちゃんとやってるんだな。

Q5 台風で土が飛ばされて、浜辺みたいな砂にな
  ったから、バッタやバッタの卵とかはみんな
  飛ばされて、昆虫の数が減っちゃうかもしれ
  ないから、どうやって増やせばいいですか?
  (小2男子)

アナウンサー「そうか、秋に来た台風のことかな?」
質問者「はい。」
アナウンサー「浜辺の砂みたいになっちゃったというのは、川が流れていたの?」
質問者「河原の土がサラサラになって、木や草も、みんななぎ倒されちゃった。」
アナウンサー「ああ、そうか…。」
丸山先生「ふううん…。」
質問者「元はとってもボーボーあったのが、十数本ぐらいになっちゃった…。」
アナウンサー「みんな流されちゃったのね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「それで昆虫がどうなっちゃうんだろうって心配なのね?」
質問者「はい!」
アナウンサー「○○君は虫が好きなんだ?」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君の心配に答えてくださるのはどなたでしょうか?」
久留飛先生「じゃあ…○○君、おはようございます。」
質問者「おはようございます!」
久留飛先生「ああ元気だね。きっと、昆虫が減ってしまうのって嫌やんなと思ってるよね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「きっと思いは一緒やと思うねん。そういう場所が無くなってしまうと生きていけないから、減ると思うよね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「ただね、…流されたかどうかというのは難しいねん。というのは、いろんな所に卵を…地面の中に生むやつもいたり、茎の中に生むやつもいるし、その中で生き残っているのもいると思うよ。」
質問者「はい。」
久留飛先生「昆虫って基本的にたくさん卵を生むことができるねんね。」
質問者「ふううううん。」
久留飛先生「たくさんの卵を生むので、あっちにこっちにといっぱい生んでいるから、そこで流されたとしても、他の所に生んだ卵はちゃんとうまく生き残ってるかもしれない。」
質問者「へええ!」
久留飛先生「という具合に、そこだけということはないと思うねん。まとめて生んでしまうとそこでお終いになるけど、バッタというのはたくさんいてるから、あっちにこっちに生んでるかもしれないしね。
ただ問題は、生きていく場所が無くなると、増えることができないよなぁ。そこが…河原がコンクリートで埋められてしまうとか、そうなるとそこで生きることは全くできないけど、自然の中で形が変わったりしても、そういう中でけっこう生き抜いてきたわけよ。」
質問者「うん。」
久留飛先生「もちろん少しはダメージというか、減ったかもしれないけど、条件が良いとまたいくらでも挽回できる、そういう力を持ってると思うな。」
質問者「はい。」
久留飛先生「ということで基本のお話、終わります…」
質問者「あと、もう1つ質問したいんですが…」
久留飛先生「ちょっと待ってね、その問題に答えてくれる先生が2人いるので…。」
質問者「はい。」
丸山先生「河原にいる虫って、バッタとか小さなゴミムシとかが多いんだけれども、そういう河原の環境は、台風とか大雨でしょっちゅう水があふれて変わりやすい場所なんだよね。」
質問者「ふううん。」
丸山先生「そういう所に好んで住んでいる虫は、環境が変わってしまうことに強いんだよね。例えば大雨の時は草にしがみついたり、何とか生き残る方法をだいたい持っているので、もちろん中には海に流されてしまうものもいるけれども、そういう所が得意ということがあります。
あとは久留飛先生が仰ったように、昆虫は元々増える能力が強いのね。卵をいっぱい生むから。だから生き残った中から、場所が残っていれば、また数も元通りに、すぐ戻ることができると思います。」
質問者「はい。」
清水先生「○○君、おはようございます。次々代わってごめんな(笑)。もう2人がだいたいお話ししてくれたんで、何となく分かったでしょう?」
質問者「はい!」
清水先生「その場所に強いものもいる、流されちゃうやつもいる。その周辺にやっぱり同じように良い環境が残ってると、流されちゃった分の供給源といって、そこからまた住み処を広げてくる、そうやって元の環境に戻れるものもいるのね。
そういう場所を好んで住んでいる生き物なので、時々そういう…撹乱て言うんやけれども、環境をリセット、1に戻しちゃって、また徐々に元の状態に戻る。環境が荒れるというのも、実はすごく大事なことなのね。」
アナウンサー「先生あと15秒ほどです…。○○君、もう1つ質問があったのね?」
質問者「はい。」
アナウンサー「じゃあニュースの後に聞くから、このまま待っててくれる?」
質問者「はい。」
                ~8時台終了

9時台
アナウンサー「8時台の最後の○○君がもうちょっと質問があるみたいで、またつないでいきますね。○○君?」
質問者「はーい。」
アナウンサー「待っててくれてありがとう。もう1つ追加の質問があるんですって? 何かな?」
質問者「クロヤマアリの女王を夏休みに見つけて飼っています。12月の始め頃から1匹の働きアリが巣に戻らなくて、何でかなぁって。働きアリが仲間外れにされるのはどうしてなんですか?」
アナウンサー「クロヤマアリを飼ってるのね? 20匹ぐらいいるんだ。」
質問者「はい。」
アナウンサー「そのうちの1匹の働きアリが巣に戻れないの?」
質問者「あー、なんか追い出されるみたいで。」
アナウンサー「なるほど、巣の周りをウロウロしてるんだけど中に入れないんだ?」
質問者「エサ場の方に寂しそうにポツンと1匹だけで…。」
アナウンサー「なるほどねえ。気になりますよね。」
丸山先生「女王アリも一緒に飼ってるの?」
質問者「はい。」
丸山先生「そしたらちゃんとした巣を飼ってるんだね。アリの行動って、本当によく見てみないと分からないことがいっぱいあって、それがどうしてなのかはなかなか決められないけれども、もしかしたらその働きアリがすごく弱っていて、行動がおかしくなっちゃっていることがあるのと、あと、家で飼っていると、アリの中で巣の中と外がはっきりしないのね。」
質問者「はい。」
丸山先生「アリの巣はお家の外にあるでしょう? 飼育してると、アリにとってはどっちが中なのか外なのかよく分からないことがあるんだよね。だから、もしかしたら、中で休んでいるつもりで外でジーッとしているのかもしれません。
でも、どの個体がそうなのかを、もうちょっとじっくり観察して、○○君が考えてみたらいいんじゃないかなと思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君、これでいいですか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「質問してくれてどうもありがとう。さようなら。」
質問者「さようなら。あ、あと、3人の先生とお話しできて、とっても嬉しかったです! ありがとうございました。」
先生方「(笑)」「ありがとう。」
追加質問は他のお子さんとか番組の進行に影響があるんだろうけど、こんなにしっかりと感想とお礼を言われたら嬉しいだろうな。聞く側も後味が良い。

Q6 蛹は何をして過ごしているんですか? 
  お腹が減ったりのどが渇いたりしないんです
  か?(小1男子)

アナウンサー「○○君は、どこで蛹を見たの?」
質問者「見たことないけど、本とかでは見た。」
丸山先生「ふんふんふん…。」
アナウンサー「そうか、それで冬の間ジッとしてるって聞いて、気になったんだね?」
質問者「はい。」
丸山先生「昆虫の中でも、蛹になる虫と蛹にならない虫がいるのって知ってる?」
質問者「知ってる。」
丸山先生「例えばどんな虫がなるかな?」
質問者「チョウチョとか。」
丸山先生「ああ、そっかそっか。あとは?」
質問者「…あとは分からない。」
丸山先生「チョウチョはそうだし、カブトムシとかも蛹になるんだよね。それで蛹になる虫の特徴って…例えばチョウチョはどういう特徴があると思う?」
質問者「んー……何だ? 分からない。」
丸山先生「バッタは幼虫から成虫まで形が同じでしょう?」
質問者「うん。」
丸山先生「チョウチョはほら、幼虫とチョウチョの形が全然違うでしょ?」
質問者「うん。」
丸山先生「蛹は何のためにあるかというと、幼虫と成虫で形が違う虫が、幼虫から成虫になる時に形を変えるためにあるんだよね。」
質問者「うん。」
丸山先生「だから蛹の時は…まず幼虫が蛹になるでしょ? 蛹の時に、その中で成虫の形になるために体の中を作り変えてるんだよね。だからジーッとしていないといけないというのがあって、それで何もしないでジーッとしてることが多いです。」
質問者「お腹は何で空かないの?」
丸山先生「お腹はちょっとは空いてるんだと思う。でも、幼虫と成虫で食べるものが違うから、だいたい蛹になる前に、幼虫はほとんどのものが、全部ウンコをしちゃうのね。それでお腹の中は空の状態で、体を作り変えてるんだけれども、逆に中に入ってると、作り変えがあまりうまくいかないんじゃないかなと思います。」
質問者「うん。」
丸山先生「んー…何でお腹が空かないのか不思議だけれども、作り変えてる時期だから、ご飯が要らない時期なんだと思います。」
アナウンサー「飲まず食わずで頑張ってるという。体自体が、口もお腹の中もみんな変わっちゃうんですもんね。ということで、○○君、いいですか?」
質問者「うん。」
アナウンサー「蛹って外から見るとジッと動かないようだけど、中ではすごい活動というか…」
丸山先生「そうなんです。中ではすごく動いていて、幼虫とは全然違う形になるように作り変えているところなんですね。」

Q7 僕は、ヤマモトさんという学芸員のお友だち
  がいます。ヤマモトさんは時々、台湾で昆虫を
  食べるそうです。サソリとかムカデとかカイコ
  の蛹がおいしかったそうです。先生たちは昆虫
  を食べたことがありますか? あと、どの昆虫
  がおすすめでおいしいですか? 僕もいつか食
  べてみたいです。(小1男子)

サソリとムカデは昆虫じゃないよ…って野暮なツッコミを入れてみる。

アナウンサー「へええ…○○君も食べてみたいんだね? じゃあ、参考になるようなお話を、たくさん先生から聞いてみますね。まずは清水先生ですね(笑)?」
清水先生「そうかあ、食べてみたらいいよ(笑)。おっちゃんはね、ちょこちょことつまみ食いみたいな感じで……例えばコオロギね。おっちゃんはあんま好きじゃないんやけれども、割と一般的やよね。
あとおいしかったんはね、ミールワームって分かる?」
質問者「はい。」
清水先生「ミールワームをカリッカリに揚げてあって、ちょっとスパイシーな味付けがしてあった、スナックみたいなお土産を食べさしてもらったことがあるんやけど、それはうまかったね。カリカリッとして。
あと、前にもお話ししたことあるんやけれども、おじさんは前に「群馬昆虫の森」という所でお仕事してたんやけど、その時みんなでオオスズメバチの巣を取って、幼虫とか食べました。」
アナウンサー「ウワァ……」
質問者「はい。」
清水先生「○○君は真似しないでね。完全防備でスタッフが巣を取ってくれたんで。成虫になりかけのやつがサクッとしておいしかったね。」
アナウンサー「どういうふうに調理…」
清水先生「その時は油で素揚げにしてもらいました。塩を少しかけてね。すごく甘くておいしいのよ。
けどね、おじさんが今のところいちばんおいしいと思ったのが、アブラゼミ。幼虫がおいしいという話はよく聞くんやけれども、成虫がすごくおいしくて、匂いもちょっとピーナッツ風でしょう? 嗅いでみたことある?」
質問者「ないです。」
清水先生「ないか。甘ーいピーナッツみたいな匂いするのね。味もそんな感じ。油で揚げてサクサクッと食べれるんで、すごくおいしくて、特に…羽根っておいしくなさそうやんか?」
質問者「はい。」
清水先生「羽根はおいしかった。サクサクして。」
アナウンサー「エエー……」
清水先生「前にこの番組で、“抜け殻って食べれるんですか?”っていう質問をもらって。」
アナウンサー「ありましたね。」
清水先生「それ絡みで食べてみたんやけど、抜け殻は脚の集まったお腹あたりがあんまおいしくなかったかな。けど、サクサクッとして、まあまあうまかったかな。(笑)ハハ。」
アナウンサー「なるほどー。」
清水先生「変なとこだと、雪の上に現れる昆虫で、セッケイカワゲラというのがいるのね。1センチぐらいの小っちゃい黒い虫。羽根のないカワゲラの仲間なんやけど、それを集めて、お友だちが調理してくれたことがあって、小っちゃすぎて味も何もなかったね(笑)。」
アナウンサー「ああーそうですか(笑)。セッケイカワゲラは味がなかった。」
清水先生「いろいろ食べてみて、おいしいから。」
質問者「はい。」
清水先生「タランチュラの脚も囓らせてもらったけどうまかったよ…(笑)。」
アナウンサー「ええええー、毒グモですよね?」
清水先生「ちょっとエビっぽい感じかなぁ、エビじゃないなぁっていうような…スルメ食ってるような食感でしたけど、うまかった。」
アナウンサー「なるほど………清水先生、チャレンジャーですね(笑)。」
清水先生「(笑)ぜひ。」
苦手と言っていたクモも食べちゃうんだなあ…。食べた感想も虫ごとにそれぞれ違っててさすがです。

アナウンサー「丸山先生、久留飛先生はいかがですか?」
久留飛先生「○○君、私も食べたことがあるんやけど、子どもの頃、たぶんあなたと同じぐらいかな…小学生の頃に、周りにいてるアシナガバチの巣を捕まえて、その時によく刺されたことはあるけど、そのアシナガバチの幼虫は食べたことあんねん。」
質問者「はい。」
久留飛先生「好奇心ばっかしでおいしいという気持ちはなかったけど、ツルンって生きたまま食べたことあるわ。」
アナウンサー「ウワァ……」
久留飛先生「まあ、そんなにおいしいなとは思ってない。大人になってからは…昆虫をわざわざそうやって売ってる所あるよね? 知ってる?」
質問者「はい。」
久留飛先生「バッタの仲間とか、水生昆虫の幼虫とか、醤油味になってるから本来の味は分かりにくいけれども食べたことはあるなあ。ただ、外で捕まえて食べるというのは…どうかなと思うけどね。“どうかな”というのは、昆虫がこれからの食料として注目されてるの知ってるよね?」
質問者「はい。」
久留飛先生「いっぱい増やして、増殖して食べるのは、ひょっとしたらこれから主流になるかもしれないと思うね。ただ、外にたくさんいるから捕まえて…というのは一時だけやから、年中食べれるわけじゃないやんね。」
質問者「はい。」
久留飛先生「昆虫食は注目はされているけど、どうやって調達するかがこれからの課題かもしれないね。」
質問者「はい。」
丸山先生「僕は東南アジアによく行くので、そういう所でよく食べるんですけれども、いちばんおいしかったのはタガメ。タイワンタガメというのが向こうでよく食べられていて、すごく大っきなカメムシなんだけれども、胸にカニみたいな肉があって、カメムシの仲間だからカメムシのような匂いがするんだけど、それが青リンゴみたいな匂いで、だから青リンゴ味のカニみたいな感じで、おいしかったです。」
アナウンサー「へええ…」
質問者「はい。」
丸山先生「あと、スズメガ。さっきの話にもあった、すごく胴体が太いガなんだけれども、ラオスに行くと、それが揚げられたものが売っていて…成虫ね。それが中に身がすごく詰まっていて、卵がプチプチしておいしかったですね。」
アナウンサー「へえええ……」
丸山先生「あと、おいしくなかったのはコガネムシコガネムシは殻が硬くて、ポップコーン食べて歯に詰まるような感じがして…」
先生方「(笑)」
アナウンサー「うわああ…よく分かります(笑)。」
丸山先生「それはあんまりおいしくなかったです。」
アナウンサー「(笑)なるほどー……いろいろ…」
清水先生「1つだけ注意、お話ししといていいですか? ○○君、長くなってごめんね。さっき久留飛先生もお話ししてたけど、昆虫を食べる時には火を通す。熱を加えてください。雑菌とかあると困りますのでね。あと、カニとかエビとかの甲殻類に近いんで、…甲殻類アレルギーって分かるかな?」
質問者「分かりません。」
清水先生「カニとかエビのグループを食べると体の調子が悪くなる人がいるのね。似てるグループなので、かゆくなるとか、そういう症状のある人は気をつけるようにしてほしい。」
アナウンサー「はい。○○君、何か食べてみたいものはありましたか?」
質問者「…もう1回言ってください。」
アナウンサー「これ食べてみたいなって思うものはあった? 先生からタイワンタガメだのラオススズメガだの、アブラゼミだのミールワームだの、オオスズメバチだの(笑)、いっぱいおすすめが来ましたけれども。」
質問者「…オオスズメバチが食べたくなった。」
清水先生「あああ…(笑)」
アナウンサー「素揚げで塩をふってということですね。」
清水先生「とりあえず手に入りやすいとこだと、蜂の子。クロスズメバチなんかだと手に入りやすいと思うので、一度チャレンジしてみてください。」
アナウンサー「昆虫食…これから私たちが食べる時代がくるかもしれませんものね。」
清水先生「けど、ほんとに気をつけてもらいたいです。野外でっていう感覚でやると、どんどん搾取することになるので。」

質問者「あと1個いいですか?」
アナウンサー「何? これに関係したお話かな?」
質問者「あと1個いいですか? ハサミムシのハサミが前についてるものと後ろについてるものがあるけれど、後ろについているハサミムシのハサミは、何に使うのですか?」 
清水先生「ハサミムシ! 前についてるのがちょっと分かんないんやけれども、ハサミムシのハサミは…肉食の昆虫なので獲物を捕まえる時とか、ケンカする時。おじさんたち、ハサミムシも飼ってたりするけど、手を出すと挟まれます(笑)。けど、おじさんだとそんなに痛くないんで、1回挟まれてみ? こんなもんかって思うから。けっこう強いけどね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「前についてるものと後ろについてるものというのは…」
丸山先生「前にのけぞって、お尻を前に向けてるから前に見えるんじゃないですかね。」
清水先生「ああー、それじゃあ既に怒ってる感じやね。」
アナウンサー「なるほどね。○○君、これでいいですか?」
質問者「はい。僕は、ゆめたろうプラザで丸山先生と会ったことがあります。」
丸山先生「あ、こないだね。ありがとう、聞きに来てくれたのね。」
アナウンサー「そうなのね。じゃあ今日は先生とお話しできて良かったね。」
質問者「はい。」

Q8 何でミミズは、雨上がりとかに道路に出てき
  ちゃって、光に当たって死んでしまうんです
  か?(5才女子)

アナウンサー「○○ちゃんは、ミミズが道路で日の光に当たって、カラカラに乾いてるみたいなものを見たことがあるの?」
質問者「うーん、死んでるとこはあるけど、でも光に当たってるのはあまり見たことない。」
アナウンサー「そうか、歩いてて、道で干からびちゃったのを見たことあるんだね? それでどうして干からびちゃうのに、わざわざ出てくるのかな?って不思議に思ってるのね?」
質問者「うん。」
アナウンサー「分かった。○○ちゃん、ここで音楽をかけたいので、このまましばらく待っててくれる?」
質問者「うん。」
それでかかった曲のタイトルが「晴れたらいいね」。
皮肉すぎ!

久留飛先生「○○ちゃん、おはようございます。」
質問者「おはようございます。」
久留飛先生「良い質問を聞いていました。ミミズが地面の上に出て死んでしまうのって嫌やんね?」
質問者「うん。」
久留飛先生「何でそんなことになんのやろ?って、思うやろう? たぶん、ミミズもそんなこと本当はしたくないんのや。したくないけどそうなってしまう原因は、いろんな説があって、地面の中の水がいっぱいになって、息ができなくなるんじゃないかとか、炭酸ガスが増えて…とか、いろんな説があるんだけど、ミミズは目があるの、知ってた?」
質問者「え?」
久留飛先生「ミミズに目があんのや。」
質問者「ううん。」
久留飛先生「知らんやろう?」
質問者「知らない。」
久留飛先生「そうやんな。地面の上に出てきたら明るいとか暗いとかは感じてんねんて。感じてて、本当は地面の中に潜っていきたいと思うけど、そこがたまたまコンクリートとかアスファルトとか硬い所やったら、出てきたけど今度は潜っていけなくなるんよ。で、どっちに行ったらいいのかなって暗い所を探すけど、どうもうまくいけへんかって、そこで力尽きてしまうこともあるみたいよ。」
質問者「ふうん。」
久留飛先生「だから、本当はそんなことしたくないと思わへんか?」
質問者「うん…。」
久留飛先生「たぶん、誰もミミズが干からびて死んでるところを見たことあると思うけど、何でこんなことが起こんのやろな、って○○ちゃんも思ったと思うねん。そんな、良くないやんな。やっぱり水分がたくさんいてる所じゃないと生きていけないやん? カラカラの所では干からびてしまうから、本当は潜りたいねんけども、潜る場所を見つけられなくて死んでしまったのかな、と思っています。」
アナウンサー「久留飛先生、出てくるというのは…」
久留飛先生「条件が悪くなって、“ここにおったらあかんわ”と思った原因が、呼吸しにくくなったんじゃないかとか。」
アナウンサー「穴の中にお水がいっぱいで、あっぷあっぷで…」
久留飛先生「という言い方をする人もいるし…分かりにくいね。明らかに、ここはミミズにとってやばいぞと、“どっか移動せなあかん”と思ったんやろね。移動せなあかんと思って地面に出てきたけれども、今度は入る所が見つからずに…という。」
アナウンサー「そうか、そこが道じゃなければ、植え込みだったらどこかにまた…」
久留飛先生「そうですよね、潜っていけると思うんですけど、我が家のコンクリートの上でも時折、ミミズが死んでいて、“ここはやばいやんかな、ここはあかんよ”と思うけど、そんなことがありますね。」
アナウンサー「なるほどねえ…。○○ちゃん、そういうことなんだって。ちょっとかわいそうだけどね。」
質問者「ふうん。」
久留飛先生「そういう具合にミミズはミミズの生き方をしているから、私たちには分からないところがまだたくさんあると思うわ。もう少しミミズの気持ちが分かればいいと思うねんけど、なかなかそこまでは分かっていないと思うよ。」
アナウンサー「だから、雨の中で外に出てきたミミズを見つけたら、土のある方に追いやってあげるといいのかもしれないね。」
久留飛先生「うん、うまく潜っていくかもしれないね。」
アナウンサー「○○ちゃん、そういうお答えでいいかな?」
質問者「うん。」

Q9 トンボは、何で羽ばたくだけで空中にとどま
  っていられるんですか?(小3男子)

アナウンサー「○○君はどうしてそれを不思議に思ったの?」
質問者「えーっと、羽ばたいてるだけで空中に止まっているところを見て、何でだろうと思ったからです。」
アナウンサー「実際に見たのね?」
質問者「うん。」
清水先生「そうか、トンボね。○○君、他にホバリング…羽ばたくだけで空中停止できる昆虫って知ってる?」
質問者「知らない。」
清水先生「そっか、じゃあトンボの話から行こか。翼を持つ生き物がどうやって飛んでるかは、何となく分かる?」
質問者「…うん。」
清水先生「人間やと空気に乗られへんもんね。」
質問者「うん。」
清水先生「空気と言っても何もないんじゃなくて、いろんな物質…空気の上に乗る、乗っかるっていう感覚分かるかな?」
質問者「う…ん。」
清水先生「お水の上には何とか乗っかれるっていうのは分かる?」
質問者「うん。」
清水先生「じゃあ、すごーく粒子が薄くなっただけで、軽いとその上に乗っかることができるのね。人間が作った飛行機も空気の中を飛ぶことができるやんか? お水の中を泳いでいるような感じな?」
質問者「うん。」
清水先生「で、トンボはなぜそこで止まれるかというと、トンボは4枚の羽根を上手ーくコントロールして、前の方に進もう力と後ろの方に進もうとする力を微妙にコントロールするの。よく観察したら、そういうのも分かると思うけれども…○○君は何トンボを見たの?」
質問者「えっと、たぶんオニヤンマだと思います。」
清水先生「オニヤンマ見た? よく行ったり来たりしながら空中停止するよね。」
質問者「うん。」
清水先生「コントロールの仕組みで言うと、すごーく難しい話で、おじさんもちょっとついてかれへん部分があるんやけれども、トンボは4枚の羽根を別々に動かしてるでしょう?」
質問者「うん。」
清水先生「それをバランス良く羽ばたくことで、前にも進まない、後ろにも進まないという状態を作り出してるの。雰囲気違うけどヘリコプターみたいなもんやわな。」
質問者「う…ん。」
清水先生「でね、他にも空中停止できる昆虫がいるのね。例えば春先から初夏に出てくる…クマバチって分かる?」
質問者「えー、えーっと、図鑑では見たことある。」
清水先生「クマバチのオスは空中停止しながらメスを探してるのね。ただトンボと違うのは、羽根が4枚あるけれども、前羽根と後ろ羽根をつないで2枚にしてるの。片側1枚、両側で2枚の状態。本当はこれがいちばんコントロールしやすいみたいなんやけれども、それで空中停止します。
あとはハエとかカの仲間。アブとか。これは実は羽根が2枚になってるの。後ろ羽根がバランサー…平均棍(へいきんこん)というものに変化して、前羽根2枚で飛んでるのね。だから、却って4枚でバラバラに飛ぶよりも、その方がコントロールしやすいん。」
質問者「はい。」
清水先生「あとは羽ばたきの回数。ハチだと1秒間に150回とか200回。アカイエカで600回の羽ばたきなのね。高速で羽ばたくことで、その場所にとどまる力を作り出す。ちなみにモンシロチョウは何回ぐらいでしょう?」
質問者「んー、ゆっくり。」
清水先生「(笑)ゆっくりやよな。頑張っても1秒間に10回ぐらい。ギンヤンマで40回ぐらいというデータがある。
伝わりにくいかもしれないけれども、そのギンヤンマは元々空気に乗ってるんやけれども、羽根を上手ーくコントロールすることで、前にも進まない、後ろにも進まないという微妙な力を、風の流れを作り出してるの。」
質問者「はい。」
物理学ともかなり関係あるんだろうな。科学担当の藤田先生からのお答えも聞いてみたい。

アナウンサー「トンボだけじゃなくて、空中で止まれるのは、他にクマバチとかいろいろな昆虫もいる、ということも先生が説明してくれました。」
清水先生「ちなみにね、トンボは後ろに下がらないということで、昔の武将が好んだんやけれども、実は微妙に後ろにバックできたりします(笑)。…っていう話も覚えといてください。」

お子さんがずいぶん鼻声で話しにくそうだった。他のお子さんたちも風邪なのか緊張してるのか、声が枯れ気味。

Q10 カマキリの卵が家にあります。どうやって
  孵化させればいいんですか? 何匹くらい出
  てきますか?(6才男子)

アナウンサー「カマキリの卵がお家にあるって、水槽とか虫かごにあるの?」
質問者「うん。」
アナウンサー「どの辺にくっついてるの?」
質問者「んーと、蓋の裏側ぐらい。」
アナウンサー「蓋の裏側にフワフワのものがくっついてるのかな?」
質問者「うん。」
アナウンサー「それを孵化させたいと。どうすればいいのか、孵化できたら何匹ぐらい赤ちゃんカマキリが出てくるのかを知りたいのね?」
質問者「うん。」
アナウンサー「分かりました。それでは久しぶりに挙手で(笑)お願いいたします。」
久留飛先生「じゃ(笑)。○○君、おはようございます。」
質問者「おはようございます。」
久留飛先生「カマキリの卵、今、手元にあるんやな。外に置いてんの? お家の中に置いてんの?」
質問者「お家の中。」
久留飛先生「うわっ…それは大変やな。というのは、部屋の中って外よりも暖かいやん。ということは、暖かいなぁと思って孵化する…幼虫が出てくる性質を持ってるやつと、一度冬の寒さに遭わないと幼虫にならないやつという、2つのグループがあんのや。」
質問者「ふうううん。」
久留飛先生「大概のやつは温めると孵化して幼虫が出てくるから、部屋の中に置いてると、春を待たずに赤ちゃんカマキリがたくさん出るかもしれんよぉ…。」
質問者「はい。」
先生方「…(笑)」
久留飛先生「どうしよう、いっぱい出てきたらどうする? (笑)困るやんな?」
質問者「…うん。」
久留飛先生「何で困るかっていうのは、食べるエサを用意できないやろう? カマキリって肉食やから…ということやねん。だから、本当は外の寒い所に置いてあった方がいいのよ。」
質問者「ふううん。」
アナウンサー「先生、カマキリの中でも早く孵化するカマキリもいれば、寒さに遭わないと出てこないカマキリもいるということですか?」
久留飛先生「そういう性質を持っているカマキリがいてるから、オオカマキリは暖かくなると孵化していいと思うタイプだと思っています。
大阪では5月の終わりぐらい、他の昆虫たち…エサが出てきた後ぐらいにカマキリは孵化してくる。でないと、出てきても周りにエサがないということもあって、できるだけ遅めに孵化してきますね。」
質問者「はい。」
久留飛先生「そういうことやねん。肉食やからどうしようもないわな。」
アナウンサー「今からどうにかできないですか? これから寒い所に置くとか。」
久留飛先生「んー、まぁ置いてみてもいいと思いますね。今孵ったら面倒見れへんしなあ。外に置いてあげた方がいいと思うけど、うまくいくかな……。」
清水先生「ちなみに、それは何カマキリ?」
質問者「オオカマキリ。」
清水先生「オオカマキリか。今から試しに冷蔵庫でも入れてみ? 外でもいいけれども…」
質問者「ウッハ!」
清水先生「発生が進んでたらアレやけど、オオカマキリって寒さを経験させなくても孵化してくるやんか。25℃ぐらいで置いとくと、40日ぐらいから孵化してくるので、あんまり暖かい部屋に置いてるようやったら、けっこう進んでるかもしれないし。けど、今出てきてもどうしようもないんで…どっちがいい? ○○君の住んでる場所は、お外って何℃ぐらいになるの?」
アナウンサー「秋田県だから…」
質問者「雪積もってる。」
清水先生「ああ、そっかそっか。雪の中に埋めちゃう方がいいかもしれへんけれども、だったら密閉できるシール容器っていうのあるでしょう?」
質問者「うん。」
清水先生「ああいうのに…何でもいいわ、蓋のできるプラスチック製のカップでもいいんやけれども、そこにカマキリの卵を入れて、ティッシュペーパーを1枚か2枚、水道水でかまへんから濡らしてギュッとしてください。手に握ってギューッと固く絞って一緒に入れとくの。それで4月ぐらいまで冷蔵庫に入れとき? あんま遅すぎて出なくなると困るんで、4月の上旬か中旬ぐらいまで試しに入れといてみたらいいんちゃうかな?」
質問者「はい。」
清水先生「少し遅くなってもいいんやったら確実な時期な? おじさん、秋田県の雪解けが分かんないので、それはお家の人と相談してみてください。」
質問者「はい。」
アナウンサー「じゃ、とりあえず先生の仰った通りにして、冷蔵庫に入れて、様子を見てみるか。」
清水先生「お家の人が“冷蔵庫ダメ!”って言われたら、それは諦めて外に置いてください(笑)。けど、この真冬に、オオカマキリだと多いと300ぐらい? 最初に生んだ卵だといっぱい入ってるんで、100匹とか200匹、多いと300匹ぐらい出てくるんで、この時期なかなか飼えないと思うので。」
質問者「はい。」
アナウンサー「じゃあ、そうやって春を待ってみようか。」
質問者「はい。」

Q11 シロアリが木を食べてから、どうやって体
  の中で粉々にするのかを聞きたいです。
  (小3女子)

丸山先生「シロアリって見たことある?」
質問者「見たことある。」
丸山先生「本当? どこで見た?」
質問者「さっき思い出して、前、玄関のところでオス?の羽アリがブンブン飛び回ってたから、それを見たことがあって…。」
丸山先生「そっかそっか。そう、シロアリは羽根のある…実はオスかメスかの区別が難しくて、両方入ってることが多いです。それはおいといて、シロアリがどうやって木を食べるかだけれども、シロアリのお腹の中、人間で言えば胃とか腸に、微生物、菌とか原生動物…って分かるかな? ゾウリムシとか聞いたことある?」
質問者「んー…見たことは…」
丸山先生「1ミリの100分の1ぐらいの、ものすごく小っちゃな原生動物とか菌が住んでて、それがシロアリが飲み込んだ木を消化して、栄養にしてくれます。」
質問者「うん。」
丸山先生「木そのものは栄養が全然ないんだけど、シロアリのお腹に住んでいる小さな生き物が、シロアリが栄養にできる成分に変えてくれるんだよね。そうやってシロアリは木を食べて体を作ることができます。
あと、そういう小っちゃな生き物が…空気の中に窒素というものが入ってるのね。空気って酸素とか窒素とかいろんなものが入ってるけれども、窒素を小っちゃな生き物が栄養にするということも分かっています。」
質問者「うん。」
丸山先生「だからシロアリ自身は…シロアリ自身もちょっとは木を消化することができるけど、主にお腹の中に住んでいる小っちゃな生き物が栄養にしてくれるということなんだよね。分かったかな?」
質問者「うん。」
アナウンサー「そうすると、シロアリ自体とっても小っちゃいけれども、そのお腹の中で生きているものもいるということなんですね。」
丸山先生「そうなんです。人間のお腹の中にも腸内細菌とか大事なものがたくさんいるけれども、それと同じようにシロアリにもそういうのがいて、特にシロアリはそれがないと栄養が摂れないということですね。」
質問者「うん。」
アナウンサー「○○ちゃんはシロアリが木を食べるって、どこで知ったの?」
質問者「お父さんに聞いたことがあって、お風呂場で水を垂らさないでって言われたことがあって、シロアリが食べちゃうからって、それで木を食べるって聞いたことがあります。」
丸山先生「ああそっかそっか。湿った木がシロアリは好きだから、お風呂場の床をあまり湿らせない方がいいということですよね。」
アナウンサー「お家を守るためにね。乾燥させておかないと。」

9時台終わり

冬休み子ども科学電話相談12/30(天文・宇宙スペシャル)8時台・9時台

この冬は1つのジャンルをとことん追求する4時間スペシャル!
12/30は天文・宇宙スペシャル!
回答する先生方は
 本間希樹先生
 国司真先生
 永田美絵先生

アナウンサー「この番組ではおなじみのお三方をお迎えいたしました。年末スペシャルということで、改めて先生方のふだんのお仕事、どんなことをなさっているのかを伺ってみたいんですが…」

本間先生「天文学者というと、夜のお仕事というイメージを持たれる方が多いですけど…」
アナウンサー「星空をね。」
本間先生「夜起きて望遠鏡を見て…っていう想像をされる方が多いんですけど、実はそんなことはなくて、ふだん本当に昼間に活動していて、机の上でパソコンに向かっている時間が非常に多いので、ふつうに会社とかで働いてる方と、パッと見ると差はあんまりないんじゃないですかね。」
アナウンサー「オフィスワークのように見えると。」
本間先生「基本的にそうですね。」
アナウンサー「そのパソコン上ではどんなことをなさっていることが多いんですか?」
本間先生「いじっているものはやはり、天文学のデータ…観測データをパソコン上で解析してたりするので、そこは天文学者らしい部分がありますけどね。」
アナウンサー「でも、もちろんフィールドワークというか、世界の望遠鏡がある所にお出かけになることもある。」
本間先生「はい。ブラックホールの場合は1年に1回、1週間ぐらい観測しますので、その時はみんな観測所に張りついて、徹夜だったり泊まり込んで観測ということになります。その時はいちばんワクワクしますね。」
アナウンサー「ハワイとかチリとかにも…」
本間先生「はい、山のてっぺんに行って、空気の薄い中で頑張って観測するという。」

国司先生「まず、プラネタリウムで星のお話をすることと、その川崎の宙と緑の科学館は、生田緑地という公園の中にあるんです。緑がたくさんありましてね、この頃は自然分野のお手伝いもしていて、野鳥の調査とか地層の調査とか。大地のこととか自然のことを、この頃は皆さんとお話しする機会が多くなりました。」
アナウンサー「なるほど。私たちが住んでる足元も見つめながら空も見つめて…」
国司先生「そうですね。空気のあるところ、地面の下とか、それから星空のお話もしています。」

アナウンサー「永田先生は渋谷のプラネタリウムにいらっしゃいますけれども、年末年始はお休みですか?」
永田先生「年末年始は…一昨日(12/28)までやっておりまして、年始は1月2日から始まります。」
アナウンサー「早いですね。」
永田先生「はい。1月2日は、「コスモお正月散歩」という…和名、日本の星の名前についてのご紹介とか。小さなお子さま向けにキッズタイムというのもあるんですけれども、当館はキッズタイムに、お子さまが参加できるようにサイリウムをお渡しして、…渋谷なのでワンちゃんのハチ公が主人公でお月様に行く番組なんですけど、みんなでハチを応援してもらう、そんな番組をやります。
私は当館の番組制作とかもやっておりまして…」
アナウンサー「いろんな企画があるわけですね?」
永田先生「そうなんです。来年は本間先生とも一緒に企画を進めていますので、お楽しみに(笑)。」


Q1 宇宙飛行士は、太陽に近づいたら溶けないん
  ですか?(小2男子)

アナウンサー「どうしてこれを聞いてみたいと思ったの?」
質問者「なんか、地球に当たっている太陽は、けっこう熱いけど、宇宙に行った宇宙飛行士は燃えるか燃えないか…」
アナウンサー「そうだよね、○○君は、地球にいても太陽が当たってる時に熱いなって感じるから、地球の外に行ったらもっと熱いんじゃないかなと思ったのね?」
質問者「うん。」
本間先生「宇宙飛行士…そうだね、宇宙に行くと太陽が近いもんね。溶けるか心配、燃えるか心配。」
質問者「そう。」
本間先生「そのあたりだね。太陽はもちろん熱いんだけど、太陽の熱をまともに浴びてると熱くなって、それこそ溶けちゃうんじゃないかって心配があるけど、宇宙飛行士って服が何色か知ってる?」
質問者「白?」
本間先生「白だね。白って太陽の光を反射するの知ってるかな?」
質問者「知らない。」
本間先生「反射って分かるかな?」
質問者「うん、分かる。」
本間先生「太陽の光を反射すると、太陽の熱をあまり吸わずに済むんですよ。だから、服が太陽の熱を受け取らないようにして、溶けないように工夫されている。」
質問者「ふううん。」
本間先生「宇宙飛行士もそうだし、宇宙船は見たことある?」
質問者「ない。」
本間先生「写真で見てもらえばいいけど、やっぱり光る色…白だったり銀色かな。そうやって、なるべく太陽の光をまともに受けて熱くならないようにしている。」
質問者「はい。」
本間先生「それから、燃えないかっていう心配もしたよね? 燃えるか燃えないかというのは…燃えるためには酸素っていうのが必要なんだけど、聞いたことあるかな?」
質問者「うん。」
本間先生「知ってる?」
質問者「うん…まあ。」
本間先生「○○君も今、呼吸する時に酸素を吸って、それが体にとってすごく大事なんだけれども、物が燃える時も酸素がないと燃えないよね。」
質問者「へえええ(笑)!?」
本間先生「もちろん宇宙船は太陽の光でそれなりに熱くなるんだけど、酸素がないから燃えることはない。心配しないでいいんです。宇宙って空気がないんだよね。なので燃える心配がない。」
質問者「はい。」
本間先生「ということで、宇宙船は我々からしたら地球の表面を飛び立って、太陽に近づいているけれども、燃えることも溶けることもない。」
質問者「へえええ。」
本間先生「本当に太陽に近づいちゃったら危ないよ? (笑)太陽のすぐ傍まで飛んでって、ものすごい温度の所まで行くと、溶けちゃう心配はあるかな。でも、宇宙船が今飛んでる所ぐらいなら大丈夫なので安心してください。」
質問者「はい。」
アナウンサー「太陽の中心に近づくと、どれぐらいの温度になるんですかね?」
本間先生「太陽は表面がだいたい6000℃…6000℃までいったら鉄とかふつうの金属も溶けちゃうので、それはもうアウトですね。あまり近づかない方がいいですね(笑)。」
質問者「(笑)はい。」
アナウンサー「○○君、先生のお話を聞いてみてどうですか?」
質問者「うーん、近づいたら燃える可能性もあるし、今飛んでる所ぐらいだったら、燃えないって分かった。」
本間先生「うん、完璧だね。完璧完璧。」
アナウンサー「近づくと溶けちゃう可能性はあるということですね。酸素がないから燃えることは…」
質問者「ない。」
アナウンサー「というお話でした。よかったね、宇宙船が溶けちゃわなくてね。」
質問者「うん(笑)。」
アナウンサー「○○君は天文・宇宙が好きなんですか?」
質問者「…あんま。」
スタジオ内「(笑)ハハハハハハ」

Q2 ストロベリームーンとゴールデンムーンは、
  どうしてふつうの月より赤っぽくなったり輝い
  ているのですか?(小6女子)

アナウンサー「○○さんは、ストロベリームーンとかゴールデンムーンを見たことありますか?」
質問者「あります。」
アナウンサー「どんなふうに見えた?」
質問者「ゴールデンムーンしか見たことがないんですけど、すごい輝いていました。すごい黄色かったです。」
永田先生「○○さん、お月様が好きなんですね。」
質問者「はい。」
永田先生「私も大好きでよく見ますよ。ストロベリームーンは私も聞いたことがあるんですけど、実はゴールデンムーンって聞いたことがなかったのね。○○さんはどんな所で知ったの?」
質問者「なんかお父さんがニュース見てて、“今日はゴールデンムーンだから一緒に見よう”って言われて…。」
国司先生「へえええ。」
永田先生「そうなんだぁ、お父さん物知りだね。最近、満月にいろんな名前をつけることがけっこうあるので、そんな素敵な名前がつけられたのかな。
ストロベリームーンの方は、アメリカの先住民の人たちが、いろいろな満月…これはみんな満月の名前なんだけど、各月の満月に名前をつけて、6月の満月のことを言うんですって。」
質問者「はああ!」
永田先生「赤っぽいと思われがちだけれども、苺の収穫の時によく見える、ということらしいのね。ゴールデンムーンという名前からすると、輝いて見えるお月様なのかなって思うけれども、答えを言うと、実は月の光り方は変わらないんです。」
質問者「えっ?」
永田先生「うん。そういう名前がつけられているだけで、ストロベリームーンだから赤っぽく見えるとか、ゴールデンムーンだから見えるというのではないみたいなんですね。
そもそも満月って、きっと○○さんも学校で習ったと思うけれども、太陽と地球と月が並んで、太陽とちょうど真逆の方角に見えるのが満月なのね。」
質問者「はい。」
永田先生「太陽が夜、沈むよね? 太陽が沈むと反対側からお月様が昇ってくる、ちょうど180度離れた所にきてる位置関係なんだけれども、そもそも満月って、月の私たちが見える方が全部丸く輝いているよね?」
質問者「はい。」
永田先生「だから、他の三日月とか半月に比べれば、いちばん明るく見えるのが満月なのね。そもそもすごーく明るいのね。
あとね、ちょっと赤っぽく見えると言われることもあるんだけれども、そういう満月は、ちょうど昇ってくる時のお月様とか、沈んでいく時のお月様…地平線近くにくると月も太陽も赤っぽく見えるよね? だからそういう位置関係なんじゃないかと思います。」
質問者「はい。」
永田先生「だから、月の光り方は変わらないんですけれども、私も満月を見ると、本当に眩しくてきれいだなぁ、特にお天気が良い時なんかはきれいだなぁと思うので、そういう月にいろいろな名前がついているんじゃないかなと思います。」
質問者「はい。」
永田先生「もう一つ、ブルームーンっていう名前も聞いたことある?」
質問者「いや、ないです。」
永田先生「ブルームーンと呼ばれる満月もあるんですけど、これはブルーに見えるというよりは、いくつか説があるらしいんですけれども、1ヶ月の間に満月が…月は29日ぐらいの周期で満ち欠けをするので、一日(ついたち)とかに満月になると、その月の終わりにもう1回満月がくることがあるのね。」
質問者「はい。」
永田先生「その満月とか、一つの季節…だいたい3ヶ月ぐらいの間に4回起こる満月の3回目も、ブルームーンって呼ばれるそうです。だから青いというよりは、1ヶ月の間に2回も満月があるなんて稀なこと、非常に珍しいことのような意味合いで名前がつけられてるみたいなんですね。」
質問者「はい。」
永田先生「私も○○さんのこの質問を聞いて、今すごーくいろんな名前が満月につけられてるんだなって思いました。そういったいろんな名前がつけられてることをきっかけに、○○さんもお父さんと一緒に見たのかな?」
質問者「はい。」
永田先生「一緒に月を見上げるって素敵なことなので、これからも見上げてほしいなと思います。」
質問者「はい。」
アナウンサー「先生、確かに○○さんが言うように、白っぽく見える時と、ちょっと黄色く見える時もありますけれども、それもやはり先ほど仰った、地平線に近い所だとそういう色に見えたり…」
永田先生「そうですね、色合いが、夕焼けが赤くなるような感じと似た感じですけれども、地平線近くにくると、太陽もお月様もちょっと赤っぽく見えますよね。
ちょうど冬の満月って、夏に比べて空の高ーい所を通るんですよ。満月って真夜中に南の空にくるので、特にその時は高ーく、輝いて見えたりしますよね。」
アナウンサー「○○さん、先生のお話を聞いてみてどうですか?」
質問者「ブルームーンはブルーじゃないのにそうやって呼ばれていたり、ゴールデンムーンは変わらないので、どんどん新しい名前がつけられていて、すごいと思いました。」
永田先生「ちょっと前も、12月の満月をコールドムーンなんていうふうに…これもアメリカの方で言われてるみたいで、私もそんな名前を聞きまして、スタッフとみんなで眺めたりしました。」
アナウンサー「やっぱりそれだけ満月はとても魅力的だし、私たちも思わず惹きつけられてしまう、ということなんでしょうね。」
永田先生「だから○○さんが見ている満月を、他のいろーんな人たちも見て、いろんな国の人たちも見て…星って、いろいろな人が同じように見上げることができる、誰のものでもない、たいへん素敵なものですよね。」
アナウンサー「○○さんも特別な満月を見つけたら、○○さんの呼び方、名前を考えてみたらいいかもしれないね。」
永田先生「それもいいかもしれない。きっと、○○さんにとって満月は本当に特別な素敵なものになると思いますよ。お父さんとまた一緒に見てみてね。」
質問者「はい。」

Q3 お月様がでっかく見える日があるんですけ
  ど、どうしてですか?(年中さん男子)

アナウンサー「お月様が大きく見えた日があった? ○○君はよくお月様を見てるの?」
質問者「車で、なんか、お月様が見えたら、なんか、でっかく見えたぁ。」
アナウンサー「そっかぁ、いつもより大きかったのね?」
質問者「うん。」
アナウンサー「○○君はどうしてだと思う?」
質問者「…うーん、あの、お月様が近づいてると思う。」
国司先生「愛媛県! 先月、おじさん愛媛県に行ったよ。大っきなプラネタリウムがあるんだよね。
それでね、○○君はいつお月様を見ましたか?」
質問者「あー…、んー…。」
国司先生「昨日とか一昨日とか見た?」
質問者「見てない。」
国司先生「見てないのかぁ。ずっと前に見たの?」
質問者「いっしゅうかんまえ!」
国司先生「あ、そんな前なのね。じゃあそのお月様はどんな形をしていましたか?」
質問者「まん丸、で…」
国司先生「まん丸い。じゃ、満月を見たんだね。その満月を見た時は、そんなに夜遅くじゃなかったね? まだ夜になってすぐの頃だった? お月様、空の高ーい所にあったかな? それとも低ーい所にあったかな?」
質問者「うん……低いところだろうと思うなあ…。」
国司先生「低い所にあったんだね、車から見たからね。そうか、何となく分かってきたぞ。
○○君はお月様が少し近づいたのかなと思ったんだよね? 実はそれもちょっとはあるんだよ。だってさ、お月様って空に浮かんでるから、宇宙にあるんだよね。」
質問者「うん。」
国司先生「○○君の住んでるお星様は何て言う星だっけ?」
質問者「………」
国司先生「“ちきゅう”って聞いたことある?」
質問者「うん。」
国司先生「あるよね。その地球とお月様ってね、いつもいつも同じ遠さじゃないんだよ。ちょっと近づいたり少ーし遠ざかったりするの。どのぐらい遠ざかるかというと…○○君さぁ、1から10まで数えられる?」
質問者「うん。」
国司先生「お風呂入る時数えるよね。でね、1・2・3・4・5・6・7・8・9・10って数えるうちの、9と10くらいの違いがあるの。」
質問者「うん。」
国司先生「だから、見かけの大きさもちょびっとは変わるんだけれども、ふつう、車から見てると、そんなに大きいかな、小っちゃいかなって分からないくらいの違いなの。だけど○○君は大きく感じたんだよね?」
質問者「うん。」
国司先生「それはどうしてかというと、お月様が地面に…地平線って言った方がいいんだけどね、地面に近い時は、周りの建物とか、遠くのお山が一緒に見られるから、ちょっと大きく感じちゃうらしいんだよ。それがね、違う日に空の高ーい所のお月様を見ると、比べるものがないから、この前見た地平線に近いお月様よりも小っちゃく感じちゃうことがあるらしいんだ。そんなふうに思ったのかもしれません。」
質問者「うん。」
国司先生「それからもう一つ。○○君は丸いお月様と、あとどんな形のお月様を見たことがありますか?」
質問者「あの、あのね、いろーんな、ぜんぶのしゅるいのお月様を見たことある。」
国司先生「わっ、すっごいなあー! これからね、今日は晴れると三日月、四日月、だんだんお正月にかけて月が丸くなってくよ。満ちていくって言うんだけどね。この次にまん丸くなるのは1月11日なんだけれども、その月の形によっても大きく感じたり、細ーいお月様が小っちゃーく…」
質問者「1月は○○の誕生日が…(聞きとれず)」
国司先生「なに、お誕生日が来るの?」
質問者「あっ、(聞きとれず)にね、2月の1だからね、近い時っていうことなんだよ。」
アナウンサー「2月がお誕生日なの?」
質問者「うん。」
国司先生「そうかそうか、それはよかった、おめでとう。でね、そんなふうにして、形の違いとか、空の高ーい所か低い所かによって大きく見えたり小っちゃく見えたりって感じるのかもしれないね。」
質問者「うん。」
国司先生「でもすごいね、○○君はいろんなお月様を見てるんだね。今度はね、早起きをすると、月がどこにあるのかななんていうのも見ると面白いかもしれないよ。」
質問者「アハハッ」
アナウンサー「○○君、三日月とか細ーいお月様も見たことあるんだ?」
質問者「うん。」
アナウンサー「“今日見えたお月様はこんなだった”って、絵日記みたいにつけていくと面白いかもしれないですね。」
質問者「やってみまーす。」
国司先生「うん、やってみてね。どっちが欠けてるのかなっていうのも、ちゃんと絵にすると分かってくると思うよ。」
質問者「はあーい。」

Q4 何で宇宙は暗いんですか?(小2女子)

アナウンサー「どうしてこれを聞いてみたいと思ったの?」
質問者「なんか恐竜のテレビとかさぁ、宇宙の図鑑とかに描いてあるイラストって、なんか暗かったりするし、太陽があるのに何で暗いんだろうって思った。」
アナウンサー「なるほどね、確かに地球にいると昼間の明るい時間があるもんね。そういうことかな?」
質問者「うん、そうだよ。」
本間先生「質問が“どうして宇宙が暗いの?”…これはですねぇ、すーごい良い質問です。いろんな科学がいっぱい詰まってて、実は一言で答えるのはすごく難しいんだね。」
質問者「え、難しいの?
本間先生「難しいんだけど宇宙は暗いんだよね、知ってる通り。」
質問者「うん。」
本間先生「どこから説明したらいいか悩んじゃうけど、まず、地球にいると、昼間に空を見上げると青い。一方で夜になると暗くなるよね?」
質問者「うん。」
本間先生「で、宇宙に出ると、実は昼間でも夜空が見えていて、暗い。」
質問者「うん、暗い。」
本間先生「まずその話をすると、宇宙には空気がないから。」
質問者「空気? ああ、ないから酸素を宇宙飛行士さんが持ってって、(聞きとれず)とか調べる。」
本間先生「そうそう。宇宙飛行士は酸素ボンベを担いで、宇宙服の中じゃないと暮らせない。それは空気がないからなんです。空気があると太陽からの光をあっちこっちに向きを変えるんだね。難しい言葉で散乱って言うんですけど、例えば○○さんが昼間に空を見上げた時に青く見えるのは、太陽の光が空にぶつかって、向きが変わって、それで○○さんの方に飛んできたもの…なんですよ。」
質問者「そっか。」
本間先生「だから昼間は太陽の光で空が青く光って見えるの。」
質問者「そっか、なんか、△△君っていう友だちの連絡帳にも、そういうの書いてあった。」
本間先生「おっ、書いてあった、すごいね。それを読んだのね? まず、酸素がないから宇宙が暗いという、これが1つね、分かったかな?」
質問者「うん。分かった。」
本間先生「実はそこで終わりじゃないんだよね。ここからがまた長いんだけど…。
地球で昼間に空が明るくなるのは太陽のせいなんだけど、宇宙って実は星がいっぱいある…知ってるよね?」
質問者「うん、星いっぱいあるよ。」
本間先生「そうすると、太陽みたいな星がいっぱいあって、どこまで行っても太陽と…同じぐらい、…密度って分かるかな? ある範囲内に太陽が何個ありますかっていうそんな数字なんだけど、何光年行ったら太陽があります、その先に行ったらまた太陽がありますっていう。もし、そういう状態を仮定すると、実は宇宙は真っ暗じゃなくて、明るく輝く。空全体が太陽で覆われていなきゃいけない。…ということを言った人がいるんですよ。」
質問者「えっ? そうなのか…。」
国司先生「んー……。」
本間先生「ちょっと難しい話なんだけど、オルバースっていうドイツの科学者がいて、“オルバースのパラドックス”って…パラドックスって矛盾っていう意味なんだけど、オルバースさんっていう人が最初にそういうことに気がついて、宇宙に太陽みたいな星がたくさんあるんだったら、夜空は真っ暗じゃおかしい、と言ったんです。」
質問者「ええ?」
本間先生「実はこれね、人類がなかなか解決できなかった問題なんです。夜空がなぜ暗いかというのは、昔の人はそう簡単に答えられなかったんです。」
質問者「えー? そうだったの?」
本間先生「うん、○○さんの質問はすーごい良いところを突いていて、本当に科学の根源に迫るようなことなんです。
結局、何で夜空は暗いかというと、実は太陽みたいな星が、宇宙に無限に一様に広がっているわけじゃないんです。」
質問者「うん、なんか反射みたいなのだったり、自分で光ったりする星?」
本間先生「そう、太陽は自分で光る星で、反射してるのは惑星だね。太陽と惑星の違いも分かってるのね。すごいすごい。
じゃあ、もっと大きな世界で、銀河って分かる?」
質問者「銀河って星みたいなやつがいっぱい揃ってるやつ?」
本間先生「あーそうそう!もうバッチリです! 太陽みたいな星というのは、銀河っていう星の集まり。群れをなしているんだね。宇宙はその銀河がまばらに存在している。銀河と銀河の間はほとんど真空なんですよ。」
質問者「真空…」
本間先生「何もない。何もない空間。」
質問者「え? 何もないんだ。」
本間先生「なので、銀河がある方向には割と星がたくさん見えて、銀河がない方向はあまり星が見えない。○○さん、天の川は見たことある?」
質問者「ん? 天の川? 曇ってて見れたことがなかなかない。」
本間先生「冬はちょっと難しいな、夏休みにチャレンジしてください。星がない所…ごめん、街明かりがない所で(笑)。」
質問者「(笑)フフフフ」
本間先生「(笑)星がない所で天の川見れないね。
天の川は星の集まりで、そういう方向は星がたくさん見えて、天の川じゃない方向は星があまり見れない。それが星の分布が一様じゃないってことだし、天の川を見ると、実は裂け目があって…」
質問者「裂け目?」
本間先生「一様じゃないんだね。万遍なく真っ白に輝いてるわけじゃなくて、途中に暗黒星雲という、黒く曇ってるような場所があったりするんですよ。そういう光を遮るものがあるから、星の光が隠されて夜空がそんなに明るくならない。」
質問者「そうなのか…。」
本間先生「すーごい長いこといっぱい話しちゃったけど、宇宙が大きくて広くて、その中で星が、天の川とか銀河の中に不均一に分布していて、かつ、その中に遮るものがある。そういういろんな効果が全部合わさって、初めて宇宙が暗いことが理解できるんです。」
質問者「へええ!」
本間先生「だからこの質問は本当にすごい。素朴な疑問なんだけど宇宙の姿が全て詰まってるような、そこまで説明しないと答えられないので、ずいぶん長くなっちゃいましたけど(笑)。」
アナウンサー「○○さん、先生のお話を聞いてみてどうですか? 分かりましたか?」
質問者「うん、なんかさぁ、銀河とかって、真ん中のところが何もないって思って、ビックリしちゃった。」
本間先生「銀河は星がいっぱいあるので、真ん中の方にも星があるよ。」
質問者「うん。」
アナウンサー「その中に暗黒星雲があって、そこで光が遮られることがあったり、宇宙に空気がないことも、宇宙が暗くなっていることの1つになっていると。」
本間先生「本当にいろんな現象が組み合わさって、宇宙が暗い。」
アナウンサー「そうなんですね。これはもう一度、聴き逃し放送でも聞くことができるので、○○さんも先生のお話をもう一度よく聴いてみて、ノートにまとめてみるといいかもしれないね。」
質問者「うん、じゃ、まとめてみる。」
アナウンサー「大丈夫かな? 何かこのことに関して、確認したいことはありますか?」
質問者「すごい説明が上手だったから、もう全部飲み込めた。」
アナウンサー「本当ぉ!? (笑)」
本間先生「ありがとうございます(笑)。いやぁ、この質問は本当に答えるの大変でした。すーごい良い質問です。」
アナウンサー「今日はすごく良い質問してくれてありがとう。」
質問者「どういたしまして。」
アナウンサー「またぜひ番組に参加してください。さようなら。」
質問者「じゃぁねー。」

Q5 太陽はなぜ燃え尽きないのかです。(小6男子)

アナウンサー「これはどうして気になったの?」
質問者「宇宙空間には酸素はないし、宇宙に充満してるガスを燃料としても酸素がないから、ずっとは燃えていられないと思ったからです。」
永田先生「そうなんです、○○君の言う通り、昔の人は同じことを考えたんですよ。地球上で物が燃えるには酸素が要るよね?」
質問者「はい。」
永田先生「もし、酸素を燃料として燃えているのであれば、燃え尽きちゃうはずだと思ったんです。答えを先に言うと、“燃えている”のとはちょっと違うんですね。でも太陽も寿命があるんですよ。だから、今の通りにずーっと輝き続けるわけではないんです。」
質問者「はい。」
永田先生「だから、“燃え尽きないのか”という質問ですと、燃えるのとはちょっと違うんですけれども、太陽はやがて輝かなくなるんです。
じゃあ、どうしてずっと輝いているのかっていうことを考えてみようね。」
質問者「はい。」
永田先生「ちょっと難しい言葉だけど、○○君は核融合反応って聞いたことあるかな?」
質問者「いえ。」
永田先生「そうだよね。まず、太陽は酸素を使って燃えている星ではないんです。星座の星もみんなそうなんだけれども…○○君、水素って聞いたことある?」
質問者「はい。」
永田先生「よかった。太陽の中にはすごくたくさんの水素というガスがあるんです。星が輝いているというのは、この軽い水素ガスがギュギュギュギューッと集まって、おしくらまんじゅうみたいにギュギュギュってどんどん中心に、ギュギュッと押し潰されていくと、温度がどんどん上がるのね。」
質問者「はい。」
永田先生「太陽って表面温度が6000℃ぐらいなんだけど、中心温度は1600万℃ぐらいあるんだって。」
質問者「…へえー…。」
永田先生「すっごく高いでしょう? そうすると、水素がヘリウムに変わる核融合反応という現象が起こるのね。そうすると、すごーく膨大なエネルギーが出て、それで輝いているんです。」
質問者「へええー。」
永田先生「星というのは、○○君が地球上でロウソクに炎を灯すのとはちょっと違う、核融合反応という特殊な輝き方をしてるんですよ。」
質問者「へええー。」
永田先生「でも、この核融合反応を起こすには、燃料の水素が必要なんです。太陽の場合は今、水素をどんどんヘリウムに変えながら輝いていて、あと50億年後ぐらいまでは大丈夫なんです。燃料はあるの。だからまだまだ輝き続けてるんですけれども、やがて燃料がなくなると、太陽も不安定になって、大きく膨らんだり小っちゃく縮んだりするようになるんですね。太陽ってそもそもガスの塊の星だから、地球上みたいに地面がない星なのね。」
質問者「ふううん!」
永田先生「だから大きくなったり小っちゃくなったりして、一生懸命バランスをとろうとするんだけれども、でもやがてはだんだん水素がなくなっていって、ガスをどんどん外側に逃がして、惑星状星雲と呼ばれる…周りに輪っかみたいなのができるような、真ん中には白色矮星という星が残るんですよ。」
質問者「へえええ!」
永田先生「だから太陽は、実はずーっと輝いている星ではないんですね。星はみんなこんなふうに寿命があるんです。この星の寿命というのは、星が生まれた時に決まるんです。星はその星の重さによって、どんなふうに一生を終えるのかがちゃんと分かってるんです。」
質問者「へえええ、すごい。」
永田先生「そんなことも人間は突き止めた、だから天文学者の人たちってすごいよね?」
質問者「うん、すごい。」
永田先生「だって何億年も先の太陽の未来が分かっちゃうんだもんね。太陽がないと地球は生きていけないけれども、太陽ってそんな一生を送るんだなって思いながら、太陽のことを今度調べてみてくださいね。面白いこといっぱいありますよ。」
質問者「はい。」
アナウンサー「太陽は燃えてるんじゃなくて、核融合反応で輝いて見える、水素がヘリウムに変わることによって輝いて見えるということと、あと50億年ぐらいの寿命がある、ということでした。
分かりましたか?」
質問者「はい、分かりました。」
アナウンサー「○○君は天文のことが好きなの?」
質問者「……んー、ま、好きと言えば……好きな方です。」
先生方「(笑)ハッハッハッハッ」
永田先生「(笑)そうか良かった。」

9時台スタートは「本間先生に聞いちゃおう」⇦タイトルは勝手につけた。

アナウンサー「2019年の天文・宇宙の大ニュースと言いますと、4月10日に発表されました“巨大ブラックホールの撮影成功”でした。記者会見で本間先生が画像を示しながら、“これが、人類が初めて目にしたブラックホールの姿です”と仰って、会場から“おおー”という声が…」
本間先生「(笑)ハッハッハッハッ」
アナウンサー「(笑)上がったのが記憶に新しいですけれども、本当にこの言葉が印象的でした。
100年前にアインシュタインが予言したブラックホールの姿を、初めて確認したことになるわけですよね?」
本間先生「ブラックホールがあるんじゃないかって、100年前から人類が考えるようになったわけですけど、誰もその姿を見たことがなかった…まぁほんとに黒い穴、光さえ吸い込む天体であるということを、初めて写真に撮った、そういう写真でしたね。」
アナウンサー「存在が画像で確認されたということなんですよね。この写真の撮影は、世界の200人の研究者が参加する国際プロジェクトで進められてきたということで、日本チームを率いてこられたのが本間先生でいらっしゃいます。写真を改めて見てみますと、炎が輝いているような、明るいドーナツ状の輪っかが写っていますけれども、この中央の黒い部分がブラックホールなんですね?」
本間先生「はい。真ん中のドーナツの穴が黒く抜けてますよね? そこがブラックホール。光も飲み込んでしまう…光が出てこないので真っ暗になるという。だから、あの写真いちばん大事なのは穴なんですよね。」
アナウンサー「黒いところが大事なんですね?」
本間先生「皆さんがドーナツを食べる時に、穴が大事って言う人はいないと思うんですけど(笑)、僕らにとっては光ってる部分よりも、真ん中が黒いことの方が大事なんですね。」
アナウンサー「本間先生は、こんな変わった天体があるのかというほど変わった性質を持っていると仰っていますけれども…性質を伺う前に大きさですが、ブラックホールってどのくらいの大きさなんですか?」
本間先生「写真に撮ったドーナツの輪っかがありますよね? あれがだいたい直径1000億キロ。」
国司先生「えっ……。」
永田先生「いっせんおくきろ…。」
アナウンサー「(笑)想像がつかないです。」
本間先生「(笑)そう言ってもなかなか分かりづらいですけど、太陽系と比べると、太陽系のいちばん外側の惑星が海王星ですよね? 海王星の軌道を1個の直径だと思って、それが10個ぐらい並ぶ。それぐらいの世界ですね。
だから、宇宙として見ると非常に小さい、太陽系よりちょっと大きいぐらいの世界に巨大な質量がギューッと詰まった、そういう驚くべき天体なんですね。」
アナウンサー「そうなんですねぇ、このブラックホールの性質とは?なんですけれども、ブラックホールって、どんな…」
本間先生「んー、ブラックホールは、一言で言うと明らかにおかしいですよね。」
スタジオ内「(笑)」
本間先生「何でそんな天体があるんですかっていうぐらい非常に極端な性質を持っていて、ブラックホールの名前の通り、真っ黒な天体じゃないですか。だけどブラックホールがガスを引きつけてくると、そのガスが輝き出して、吸い込んでるブラックホールはメチャクチャ明るくなるんですよ。ブラックホール自身は真っ黒なんですけど、周りのガスがとんでもない明るさで輝き出すので、宇宙でいちばん明るい天体にブラックホールがなる。矛盾してますよね?」
アナウンサー「暗黒の天体なのに、ガスが引きつけられると宇宙でいちばん明るい天体になると。写真で写ってたリングの部分が、まさにガスが…。」
本間先生「そうですね、M87も…まぁ宇宙でいちばん明るいというまで活動的ではないですけど、ああやって銀河の真ん中にあるブラックホールが光ってるのは、ガスを引きつけているからなんですね。」
アナウンサー「よく聞きますのが、光さえ吸い込んでしまう、何でも飲み込んでしまう。」
本間先生「で、出てこれないっていう、本当にお化けみたいな天体ですね。」
アナウンサー「怖いですよね。」
本間先生「それ以外にも、ブラックホールのそばに行くと時間が止まるだとか、そういうおかしなことがいっぱいあるんで…。まぁでも、それだけ変わった性質を持っている天体だからこそ、天文学者みんなが好きで、興味を持って、ぜひブラックホールを見たいと…。天文学者はもちろん、子どもたちもそうだと思いますけど、多くの人を引きつける、そういう存在なんじゃないですかね。」
アナウンサー「人類の常識を超えた存在だからこそ、ということなんですかね。
今お話がありましたが、今回撮影されたのは、M87銀河の中心にあるブラックホールですけど、地球からどれぐらい離れているんですか?」
本間先生「だいたい5500万光年ですかね。光の速さで5000万年以上かかる。だからそれぐらい昔の姿なんですけど、光がはるばる地球までやって来て、ようやく見えたという。今どうなってるかは分からないですからね。」
アナウンサー「写真に写った姿も、5500万年昔の姿を見てるということなんですね。改めてすごいことですね。」
本間先生「でも、その天体でも僕らからすると比較的近いブラックホールなんですね。」
アナウンサー「宇宙にはたくさんの銀河があると言われてますけれども、それぞれの中心にブラックホールがあると。」
本間先生「はい。その中では比較的近い、お隣さんの銀河を見たというのが、今回の写真ですね。」
アナウンサー「お隣さんが5500万光年先ということで(笑)。そのブラックホールの撮影方法ですけれども、世界に6ヶ所ある8つの電波望遠鏡を使って、その姿を捉えたと。これは…仕組みがなかなかパッと理解できないんですけど、どんな仕組みで画像化されたんでしょうか?」
本間先生「そうですね、電波干渉計…専門用語で言っちゃうとそうなるんですけど、それぞれの場所にある望遠鏡で天体からやって来る電波を記録するんですね。コンピュータのハードディスクなんですけど、ひたすらデータを書き込んで、それを後でデータを持ち寄って合成するんです。で、かけ合わせると、地球1個と同じぐらいの望遠鏡が合成できるという…。ふつう光の望遠鏡だと、勝手に焦点に光が集まって像を結ぶようになってるんですけど…」
アナウンサー「私たちがふだん覗く望遠鏡ですね。」
本間先生「僕らの望遠鏡はそうなってないので、それぞれの場所で記録した後に、焦点を合成する作業を自分たちでやる。かなり面倒くさい望遠鏡ですね。」
アナウンサー「そのブラックホールが発する電波を捉えて画像化していくと。今、地球1個分ぐらいの大きさの望遠鏡に匹敵するというお話がありましたけれども、どのぐらいよく見える…って言うんですかね?(笑)」
本間先生「人間の視力検査がありますよね? あれで換算して、今回の望遠鏡は300万です。」
アナウンサー「300万。視力1.5でも相当目が良いと言われますけど、その300万に値すると、月面にあるテニスボールが見えるぐらいと…」
本間先生「そうですね。テニスボールが見分けられるぐらいの視力。地球から見て。」
アナウンサー「(笑)とてつもないことです。」
本間先生「はい、視力検査で言うんだったら、皆さんCの字を見て上とか下とかやりますけど、視力1.0の人が見えるCの字を300万分の1にしてもまだ見える、というのが僕らの望遠鏡ですね。」
アナウンサー「捉えた電波のデータをコンピュータで解析して、その解析方法を日本チームも編み出したんですよね。」
本間先生「はい。非常に慎重に解析するために、同じデータですけど3つ違う方法を使って、違う人が違う方法でどういう画像になるか、ということで描き出したんですけど、そのうちの1つが私たち日本のチームが開発したものですね。」
アナウンサー「これは、そうすると数学的なこと、物理学的なこと、天文学的なこと、いろんな勉強をされないとできない研究でもあるわけですか。」
本間先生「そうですね。国際プロジェクトなので英語も必要なんですけど。」
アナウンサー「プロジェクトがスタートしたのは…」
本間先生「僕はもう11年やってますね。ほんとに一越え10年は絶対かかっちゃいますね。」
アナウンサー「そうなんですね、本当に長い長い道のりだったと思うんですが、撮影にこぎつけるまで、いちばん苦労されたことはどんなことですか?」
本間先生「やっぱり国際プロジェクトなので、そこですよね。まず基本的に英語の会話だし、今はよくインターネット会議と言って、わざわざ会いに行かなくても、すぐ意見交換できるんですけど、時差がどうしてもあるので、夜の11時から会議が始まったり、夜中の2時から始まるなんてこともあったりですね。それに、やっぱりいろんな国の人で意見の違いがあって、それをどうまとめるかっていうのがなかなか…苦労は絶えないですよね。」
アナウンサー「もうだめじゃないかな、なんて思う瞬間もありましたか?」
本間先生「ちょっと心配な時もありましたけどね。プロジェクトが空中分解しないかなっていうぐらい意見が合わないこともあるんですけど…でもやっぱり最後は、“ブラックホールを見たい”というその一心なので、”いろんなことはあるけど、それは乗り越えてブラックホールを見よう”と…最後はそこに行き着きますよね。ブラックホールが魅力的だからこそどんな困難も乗り越えられたというのは、たぶん裏にあるんじゃないかなと思います。」

アナウンサー「永田先生も、本間先生がふだんいらっしゃる水沢のVLBI観測所に、最近いらっしゃったそうですね?」
永田先生「そうなんです。12月の17日ぐらいに行ったんですけれども、こうして本間先生のお話を間近で聞かせて頂く機会が何度もありまして、改めて天文は個人とか1つの国で行うものではなくて、ブラックホールのような大きなプロジェクトになると、本当に多くの国の方々が人種・国境、いろんなものを越えて協力して行う時代なんだなと。それが素晴らしいなと思うんですよね。天文学は既に世界のみんなが手をとり合ってできる学問なんですよね。だから、天文の世界でできれば、いろんな他の物事もいろんな国の人たちが協力をして、平和に進めることができるのかなって、本間先生のこのプロジェクトの成功を見て、私はすごく希望を持ったんですね。」
アナウンサー「ほんとそうですよね、些細なことで仲違いしている場合じゃないっていう気がしてきますよね(笑)。」
永田先生「はい、そうなんです。地球規模で物事を考えていく時代なのかなと。」
本間先生「それを達成する秘訣は、やっぱりみんなが同じ夢を見ることですよね。僕の場合はブラックホールを絶対見たいっていう、その一心だったので、何が起きようがやっぱり一緒にやり切るぞっていうのがあったので…。ブラックホール以外でもそうやって、地球規模の他の問題を解決できるかどうかという時に、みんなが同じ目標を共有して、そこを目指せるかじゃないですかね。」

本間先生「せっかくなんで、今日はお三方…私も入れてた(笑)。国司先生と永田先生に来て頂いているので、ちょっと質問いいですか?」
永田先生「え! 本間先生からですか? (笑)」
本間先生「僕が質問係になって(笑)。」
アナウンサー「先生からの質問(笑)。」
本間先生「ブラックホールに人間が入っていくとどうなるか?」
永田先生「ええー? これはよく子どもたちからも質問されて…よく言われるのは、ブラックホールは光も吸い込んじゃって逃げられないぐらいですから、人間が入ると体が引き伸ばされちゃうんじゃないかと思ったりしますけれども…。」
国司先生「背が伸びるってよく聞きますね。それから、時間がゆっくり進んじゃうのかなという気もするんです…これは違ったかな。それからこの前、本間先生に川崎のプラネタリウムでたくさんお話をして頂いた時に、あそこに吸い込まれた時の感覚というのは…でも、その次に繋がるものがあるのかもしれない、そんな気がしたんです。」
永田先生「私も本間先生に伺ったら、“大きなブラックホールに吸い込まれる場合は大丈夫なんですよ”って仰ったんです。そこを本間先生に聞きたいと思います。」
本間先生「ブラックホールに人が入る時に、よくスパゲッティ化現象と言って、細く伸ばされて最後は引きちぎられて痛いっていうんですけど、でも大きいブラックホールは、引き伸ばされる力が意外に強くないということが分かって…僕も自分で計算してみたんですけど…大きいブラックホールには入れるはずだという説があったので、自分で確認したら、確かに大きいブラックホールは大丈夫です。だからこの間のM87、写真に撮ったやつぐらいでしたら、たぶん人間はふつうに入れちゃいます。」
国司先生「へえええー!」 永田先生「おおー!」
アナウンサー「ええー、ほんとですか! 無事に入れるわけですね?」
本間先生「無事に入れます。」
アナウンサー「でも出てくることは…」
本間先生「あ、出てくることはできないです(笑)。だから無事かどうかは分からないですけど(笑)。」
国司先生「(笑)ハッハッハ」
永田先生「面白いことに、ブラックホールは中心に行けば行くほど時間の進み方が遅くなって、止まって見えると。だから外から見ると、本間先生が中に入られたら(笑)、ずーっと本間先生が止まって見えるということですか?」
本間先生「そうなんです。外から見てると僕は入らないんですよ。“ブラックホール入るぞー”って言って飛んでったのに、遠くから見てる人にはいつまで経っても入らない。モタモタしてるように見える。」
アナウンサー「時間が止まって。」
本間先生「怖じ気づいてやめちゃったのかな?みたいな(笑)。」
国司先生「でも、ずっと若くいられるんだね。」
本間先生「そうですね。これがほんと不思議なんですよね。国司先生がさっき、時間の流れ方が…って仰ったんですけど、本人は何も感じない。本人にとっては普通に時間が流れている。」
国司先生「ほぉおおおー……。」
本間先生「流れる速度が違うだけであって、本人にとっては別に普通に流れてるように感じるんですけど、それを遠くから見てると、いつまで経っても進まない、モタモタしてるように見えちゃう。これがブラックホールの不思議なところですよね。」
永田先生「不思議ぃ。」
アナウンサー「ああ……面白いですねぇ。」
永田先生「宇宙って本当に、私たちが普通に地球で過ごしている常識とは違う場所なんですよね。」
本間先生「そういう本当に変な天体があることが、宇宙のおかしなところ…魅力でもあるんですけど。最初にこのブラックホールを予想したアインシュタイン相対性理論というのがあって、シュバルツシルトという人が答えを見つけたんですけど、その人たちも信じられなかったわけですよね。こんな光も物質も出てこない変な天体、ないんじゃないの?っていうぐらい変な天体だったんですよね。でもそれがあったというのが、やっぱり面白いところです。」
アナウンサー「その確たる証拠が今回捉えられたということで、本当に人類史に残る大偉業だと思いますけれども、この研究は続けていらっしゃるということですが、次なる目標はどこに向かっていくんでしょうか?」
本間先生「まず、ブラックホールが見えそうな天体は2つあったんですよ。1つは今回のM87なんですけど、もう1つが、私たちの天の川の中心にある射手座A*(エースター)っていうブラックホールなんですね。これも巨大なブラックホールなんですけど。今はその解析をやってます。結果はまだ言えないですけど、…まぁ頑張って来年に成果を出せればいいなと思って、みんなで解析してるところです。2つ目の写真をお届けすることが次の大きな課題ですね。」
アナウンサー「2つ目の画像が手に入ると、さらに何か、今まで分からなかったことが分かることに繋がるんですか?」
本間先生「はい、ブラックホールごとの個性がどれぐらいあるかとか。射手座A*の方はジェットがあまり出てない天体なんですね。M87の方はジェット…ブラックホールから水鉄砲のように噴き出すガスが見えているので、そういう性質の違うブラックホールが見た目はどうなのか、どう違って見えるのかというところも興味がありますね。」
アナウンサー「前回は静止画でしたけれども、動画もいつかは撮影したいとも仰ってましたよね?」
本間先生「そうですね。ブラックホールは物が吸い込まれたりジェットが外に飛んでったり、動きがある場所なので、やっぱりその動きを手にとるように見たい…それはやっぱり動画ですよね。今の写真はまだ動きが見えませんから、データを積み重ねて動きが見えるようにすれば、ブラックホールの周りのいろんなことが見えてくるんじゃないかな、という期待は持ってます。」
アナウンサー「国司先生、いかがですか? 天文に携わっていらっしゃると、ものすごいニュースだと思うんですけれども。」
国司先生「はい、私はそのM87銀河をぜひ見なくてはいけないと思って、科学館の望遠鏡を向けました。そうしたら川崎でもかすかに肉眼で、ぼんやり見られます。」
本間先生「あ、肉眼で見られたんですか。素晴らしい。」
国司先生「“でも、これは本当にそうかな?”と思ってカメラをつけたら、ちゃんと写りました。大きな天文台で写るようなジェットとか、そこまでは分からないですけれども、“これがM87か、5500万年前の光を見てしまった”という実感を得ることができました。」

アナウンサー「ブラックホールの正体を追究していくと、銀河や生命の成り立ちが解明されることにも繋がっていくと考えていいんですか?」
本間先生「はい、銀河ができる時にブラックホールが果たした役割…これがまだ分かってないんですよね。天の川を作るのにも、真ん中のブラックホールが何か非常に重要な役割を果たしている可能性があるので、僕らの誕生にも、間接的にですけど、もしかしたらブラックホールが繋がっている、そういう可能性がありますね。楽しみですよね。」
アナウンサー「本当ですね、来年のご研究の成果も楽しみにしてます。」

Q6 太陽系の他にどういう星があるんですか?
  (小1男子)

アナウンサー「太陽系の星以外で、どんな星…惑星があるかっていうことかな?」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君は図鑑とかで星を見たりするの?」
質問者「はい。」
アナウンサー「じゃあ興味を持って知りたいと思ったのね?」
質問者「はい。」
国司先生「“太陽系の惑星以外にどんな星が…”っていうのは、自分で燃えている星座の星ではなくて、地球のような惑星があるか、そういう質問だよね?」
質問者「はい。」
国司先生「じゃあ、○○君は太陽系の惑星はいくつあるか、それから名前を全部言える?」
質問者「……難しいです。」
国司先生「難しいか。まず○○君が住んでる地球があるよね?」
質問者「はい。」
国司先生「それから今、一番星でよく見える金星があるでしょ? それからもっと太陽に近い所の水星があってね、曜日の名前がついてるから分かりやすいんだよ。太陽に近い順に最初からいくと、水星、金星、3番目が地球。それから外側に火星、木星土星。ここまでが曜日の名前。そのさらに外側に天王星海王星。今8つの惑星が太陽の周りを回ってます。」
質問者「はい。」
国司先生「そういったのを太陽系と言って、○○君の質問は、太陽系のもっともっと遠い、遠い遠い星座の星の周りに、惑星系があるかなってこと? こういうのをね、太陽系外惑星なんて言うんだよ。」
質問者「はい。」
国司先生「もう、いくつか見つかっています。昔は望遠鏡の性能がそこまで良くなくて、“あると思うけどよく分からないな”ということになってたの。ところがこの頃は大きな望遠鏡を使うと、“あ!この星の周りにポツッと1つ、惑星が写真で写ったよ”とか、それから、その惑星が遠い遠い星の周りを通過すると、星の光が少し陰ってしまって、光が暗くなっちゃうの。そういう現象を調べていくと、“この星の周りには惑星が3つも4つも回ってる”ということが分かるようになりました。そんな方法で、この頃は太陽系外の惑星がいくつもいくつも見つかっています。
きっとね、お空にある星の中で、半分以上の星座の星…恒星の周りには惑星が回ってるんじゃないかな…っておじさんは思っています。」
質問者「はい。」
国司先生「そこでもう1つ気になるのは、そういった太陽系外の惑星系で、地球みたいな空気があって水が凍らないであるような惑星がないのかな?…って気にならない?」
質問者「なります。」
国司先生「なるよね? そういう惑星があれば、ひょっとしたら宇宙人がいるかもしれない。そういう研究も今は進んでいます。
真ん中に太陽と同じように自分で輝いている星…恒星があって、その周りを回ってる惑星。その恒星に近いと、熱すぎて人が住めないでしょ? それから遠すぎると寒くて、これもまた生き物が生活できない。そうすると、太陽系の地球と同じような環境の星、これを難しい言葉なんだけど、ハビタブルゾーン。覚えといて。ハビタブルゾーン。」
質問者「はい。」
国司先生「これは、生命が存在することが可能な範囲っていうのかな…水が凍らないくらいの温度ということです。それから100℃以上だと…1気圧だと沸騰しちゃうからね、それよりも低い。だから、けっこう限られた範囲なんです。
でも、そういった地球と同じような環境にありそうな系外惑星が、もういくつか見つかっているんです。」
質問者「はい。」
国司先生「そうすると、ひょっとしたらそういった所に生物が存在して私たちと…本間先生が得意な電波望遠鏡を作って、それで何か交信をし始めているかもしれない。そこがこれから面白いところなんですよ。宇宙人の交信が捉えられるかもしれない。だから○○君の質問はね、これからの天文学というか、宇宙をどう開拓していこうかという時に、とっても重要な質問だったんだと思います。」
アナウンサー「今、ハビタブルゾーンという言葉が、ちょっと難しいけれども、先生から“覚えておくといいですよ”ありました。地球みたいに生き物が生きられる環境の惑星が他にもあるかもしれない。」
国司先生「いくつかもう見つかっている。」
アナウンサー「ハビタブルゾーンって確かに最近よく聞く言葉ですもんね。もし宇宙に地球みたいな星があって宇宙人がいたら、どう思う?」
質問者「不思議だと思う。」
アナウンサー「会ってみたりお話ししてみたりしたい思いますか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「○○君が大人になっていくまでに、そういうものが見つかるかもしれませんね。」
本間先生「天文学者はこれから、電波望遠鏡も非常に大きなものを作って、宇宙人が出してる電波…交信というより漏れてる電波ですね、地球でもテレビとかラジオで電波が自然に外に漏れ出してます。そんなものが宇宙にあったら、いつか見れるんじゃないか、そんな希望を持って…まだ10年か20年先の話だと思いますけど、そういうやり方で宇宙人を探そうという話もあります。」
アナウンサー「そうなんですね、○○君は7才だから、大人になったらそういう研究をするのも面白いかもしれないね。先生のお話を聞いてどうですか?」
質問者「楽しかったです。」

Q7 流星群はなぜ起こるのですか?(小6男子)

アナウンサー「流星群ね。○○君はどこかで見たことあるのかな?」
質問者「キャンプに行った時に流星群を見ました。」
アナウンサー「どんな流星群でしたか?」
質問者「えーっと…1個か2個くらい見れた。」
永田先生「○○君、流れ星見られて良かったね。」
質問者「うん。」
永田先生「感動するよね。こないだ、ふたご座流星群っていうのがあって、私も東京でも流れ星が見えたの。」
質問者「へええええ。」
永田先生「すごく感激しました。流星群って、とっても良い天文現象なんです。なぜかというと、今日このラジオを聞いてくれてる人にも、流れ星を見たことない人がいると思うんですけれども、流れ星が見られる日なんですよ。じゃあ何で見られるのかというと、実は流れ星の元になっているものがあるのね。この元になってるものは…彗星、ほうき星って○○君は聞いたことある?」
質問者「あります。」
永田先生「あります? どんな星か知ってる? どんな形してる?」
質問者「えーっと、ちょっと丸まってる?」
永田先生「丸まって、何か特徴があるんだけれども。」
質問者「細長い?」
永田先生「そうそう、よく見てるね。彗星って、尾が出てる星なんですよ。元々彗星は、よく“汚れた雪だるま”なんて言われるんですけれども、氷の塊なんですね。」
質問者「へえええ。」
永田先生「それもいろんなものが入って、ちょっと汚れた…東京で雪だるまを作ると土や石が入ってちょっと汚れた感じになるけど、そんなイメージ。その汚れた雪だるまが、太陽系のずっと遠くの方から飛んできて、太陽に近づいてくると、表面が太陽の熱によって溶かされて、そこから塵やイオンの尾が吹き出るんです。」
質問者「ふううん。」
永田先生「その長い尾、吹き出た尾に含まれている塵を、彗星の軌道…通り道にいっぱい落としていくんですね。彗星はその通り道が決まってるんですよ。地球も太陽の周りを回ってるよね?」
質問者「はい。」
永田先生「地球も決まった軌道、通り道があるんですね。その地球の通り道と彗星の通り道がちょうどぶつかる所に地球がやってくると、地球にたくさんの彗星の塵がぶつかることになるよね?」
質問者「はい。」
永田先生「そのぶつかった塵が地球の大気の中をすごい速さでバーッと駆け抜けていくんですね。そのスピードはだいたい秒速60キロメートルぐらいと言われてます。」
質問者「秒速60…」
永田先生「すごいでしょ? ○○君、想像してみて? 今目の前にあるものが“あ!”という1秒後に60キロ先まで行くぐらいの速さ。」
質問者「へええええ。」
永田先生「すごい速さで駆け抜けていくから、地球の大気の摩擦によって輝くのが流れ星なんです。ということで、彗星の通り道がもう分かってて、地球の通り道も分かってて、1年の間にいつその通り道にさしかかるかが前もってちゃんと分かるので、地球でいつ流れ星がいっぱい飛ぶかが分かるんですね。」
質問者「へええええ。」
永田先生「これが流星群なんですけど、流星群は特徴としては、ある星座から四方八方に飛ぶように見えるんです。だからその星座の名前をとって、△△座流星群って言われているのね。」
質問者「うん。」
永田先生「○○君は流れ星見たよって言ってくれましたけれども、もう1回見たい?」
質問者「うん、見てみたい。」
永田先生「見てみたいよね? 大丈夫ですよ、もう1回ありますよ。次はね、1月の3日、4日、5日あたりで、4日から5日にかけての、5日の明け方がいいかな。しぶんぎ座流星群って言うのがあるんです。」
質問者「しぶ…んぎ座?」
永田先生「うん、しぶんぎ座って実は、今はない星座なんですね。北の方の空なんですけど、りゅう座の辺りに昔、しぶんぎ座と呼ばれたあたりの名前をつけられてるんですけれども、このあたりから四方八方に飛ぶように見える流れ星なんです。
ただ、よく“じゃあ北の方の空を見てればいいの?”って言われるんですけど、流れ星が輝くのは南かもしれないし、西寄りかもしれません。だから流れ星を見るいちばんのコツは、できるだけ長い間、空を見上げることなんです。今寒いんだけど、お正月で冬休み中だよね? ちょっと早起きをして、太陽が昇る前の時ね。今日も私、早起きしたんだけど5時ぐらいで真っ暗ですからね、もうちょっと前だとさらに良いかな。4時とか頑張って早起きをして、暖かい格好して空を見上げてみてください。そうすると流れ星が見つかるかもしれないよ。」
質問者「へえええ。」
永田先生「ぜひ見つけてみてください。願い事も忘れないでね。」
質問者「はい。」
アナウンサー「はい…あ、国司先生。」
国司先生「僕ね、今年の8月にペルセウス座流星群を見に行ったんです。そしたら、ゆっくりスーッと北から光り始めて、東でまだ光ってたんです。“あ、これはお願い事できるかな”と思って、“みんなの健康、健康、健康”って3回言ったの。そのままで光ってたから、今年は風邪をひく人が少し少ないんじゃないかなと思って(笑)。」
アナウンサー「(笑)みんなの健康を願ってくださって。」
国司先生「(笑)そう。“みんなの健康、健康、健康”、それが3回言えたんです。」
アナウンサー「そのぐらい長い間光って…。」
国司先生「スーッと空をよぎっていく流れ星が見られたんです。」
質問者「へえええ。」
アナウンサー「それは良いことありそうですね。先ほどのお話だと、しぶんぎ座流星群が1月の4日から5日にかけての明け方。」
永田先生「はい、3日ぐらいから見え始めると思いますけど、ピークは5日の明け方がいいかな。私も見ようと思いますけれども、ぜひ。」
アナウンサー「○○君、お話を聞いてどうでしたか?」
質問者「えっと、しぶんぎ座流星群っていうのが見えるので、頑張って見てみたいと思います。」
永田先生「今は星がきれいに見えて、冬の星もきれいなので、いろいろ星座とかも探しながら空を見上げてみてくださいね。」
質問者「はい。」

Q8 どうして地球は太陽の周りを回りながら回っ
  ているのに、回っていると人は感じないんです
  か?(小5女子)

本間先生「そうだね、地球は太陽の周りを回ってる、でもそれをなかなか感じないよね。」
質問者「はい。」
本間先生「じゃあ逆に○○ちゃんに質問すると…」
質問者「…はい。」
本間先生「自分が回ってると感じる時ってどんな時?」
質問者「えーっと、目が回った時とか。」
本間先生「目が回った時ね。例えば、自分でバレリーナみたいにグルグル回ったり、小さい頃にお父さんに掴まって、グルグル振り回されるっていうのかな、そういう遊びをしたことあると思うけど、あれは確かに目が回るのを感じるよね?」
質問者「はい。」
本間先生「そうなんです。何でそういう時に感じて、地球が太陽の周りを回ってるのを感じないかというと、1周するのにかかる時間が全然違うの。」
質問者「ああ…はい。」
本間先生「例えばバレリーナがグルグル回ってる姿を想像してみると、ほんとにクルクルクルクル回ってるじゃないですか。1秒に1回とか…もっとかな、どれぐらいなんでしょうね、ほんとに何回も何回も回る。そういう時は回ってるのが分かるんですよね、ほんとに目が回っちゃうからね。」
質問者「うん。」
本間先生「だけど、地球は太陽の周りをどれぐらいかけて回ってるか、知ってるかな?」
質問者「いや、知りません。」
本間先生「1年は何日?」
質問者「365日。」
本間先生「そうそう。だから地球は太陽の周りを1年、365日かけて回ってるので、あまりにも長すぎるので気がつかないんです。バレリーナが1周するのに365日かけてたら、それはさすがに気がつかないよね?」
質問者「うん。」
本間先生「なので、回ってる速さが全然違うから気がつかない。地球が太陽の周りを回る…公転と言うんですけど、それと別に地球自身がコマみたいにクルクル回ってるの。これは自転と言うんだけど聞いたことあるかな?」
質問者「聞いたことあります。」
本間先生「ある? これは24時間なんですよ。1日ね。太陽が昇って、また次の日に出てくるまで24時間。これもふつうの人は地球で生きてる限り、ほとんど感じることはないです。24時間で回ってるけど、24時間かかっちゃうので、それぐらいゆっくり回ってるものは、やっぱりなかなか気がつかない。」
質問者「はああ。」
本間先生「基本的には天文学の世界って、何でも時間が長いんですよね。僕らがふだんクルクル回るのに比べると。なので気がつかない。いいかな?」
質問者「はいっ。分かりました。」
本間先生「いちばんの極めつけは、僕らの太陽系というのが…天の川っていう銀河は知ってるかな?」
質問者「知ってます。」
本間先生「すごいすごい。星の集まりなんですけど、その中を太陽系自身が回ってるんです。1周するのにだいたい2億年かかるの。」
質問者「えっ……!」
本間先生「なので、2億年で1周するのはさすがに気がつかないですよね? 宇宙は至る所、全ての天体が回ってると言ってもいいぐらい、いろんな所をグルグル自分で回ったり、別の天体を回ったりということが起きているんです。ただ、それがあまりにも天文学的な長い話なので、なかなか気がつかない。そういうことなんですね。」
質問者「はい…分かりました。」
国司先生「実はね、本間先生が所長をされている水沢の天文台、昔は“緯度観測所”って我々は覚えていて、地球の自転が、正確に調べると、ただ回ってるんではないということが分かるような、そういう観測をされていたと、私が小さい頃にお聞きしたことがあるんです。」
本間先生「その通りです。ありがとうございます。地球はコマみたいに回ってる。コマみたいに回すと、首振り運動と言ってフラフラしますよね? 元々それを測るためにできたのが、僕たちの水沢の観測所なんです。」
永田先生「よく、“地球って回ってるのか分からないよ”って言われますけれども、もし、急激に止まったり、急激に加速するようなことがあったら分かると思うんです。」
本間先生「(笑)」
アナウンサー「ああ、確かに(笑)。」
永田先生「電車に乗ってて、発車したり止まる時は体ですごく分かりますけど、ある程度ずーっと走りっ放しになっちゃうと、いつの間にか自分たちが動いてると分からなかったりしますね。まさに電車の窓を見るような感じで私たちは宇宙の星を見て…昔は星が回ることは、地球の周りを星が回ってるんだと考えられていたんですが、実は観測によって地球も動いていて、季節ごとに星座が変わっていくのは、太陽の周りを地球が回ることによって、地球から見る外の風景がどんどん変わっていくからなんだ、ということが分かったという。これもすごいことですよね。」
アナウンサー「そうですねぇ。○○さん、分かりましたか?」
質問者「はい。」
アナウンサー「公転と自転があるけれども、すごく時間をかけて回ってるので感じられないというお話でした。でも、太陽が昇ったり沈んだりして時間が経過すること、季節が巡っていくことは、まさに自転や公転を別の感覚で体感しているということにはなるわけで…」
本間先生「そうですね、目が回りはしないですけど、周りの星、あるいは太陽の動きで、それを感じることができるということですね。」

8時台・9時台終わり