あせらず、さわがず

アラフィフおばさんが脈絡なく書いてるブログ~あとは野となれ山となれ

子ども科学電話相談 春スペシャル4/3(天文・宇宙、科学、鳥、鉄道、飛行機) 2~3時台

スペシャル最終日。4/3のジャンルは

 天文・宇宙 国司真先生

 科学 藤田貢崇先生

 鳥 川上和人先生

 鉄道 梅原淳先生

 飛行機 今野友和先生

 

Q7 圧力鍋は、何ですぐご飯が炊けるのです

  か?(小2女子)

 

アナウンサー「○○さんは、ご飯を圧力鍋で炊いたことがあるんですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「いつもは炊飯器を使ってるのかな?」

質問者「うん。」

藤田先生「お料理のお手伝いはよくするんですか?」

質問者「うん。」

藤田先生「圧力鍋を使ってご飯を炊くと早くなるのはどうしてでしょうか、という質問ですよね。○○さんにはちょっと難しいかもしれないけど、水って、…沸騰という言葉は知ってます?」

質問者「聞いたことあるような聞いたことないような。」

藤田先生「なるほど。やかんに水を入れて、ガスコンロにかけますよね、そしたらどんどんと煮たってきますよね?」

質問者「はい。」

藤田先生「グツグツと中からも泡が出てる状態を沸騰というんですけど、その時の温度って何度か知ってます?」

質問者「んーーー……お風呂の温度は温度計で測ったことあるけど…」

藤田先生「お風呂の温度って何度ぐらいですか?」

質問者「んー……。」

藤田先生「だいたいでいいけどね。」

アナウンサー「38とか9とかかな?」

藤田先生「38度とか40度かな。お風呂は38度から42、高めが好きな人は43度とかかもしれませんけど、沸騰する温度はそれよりもずっと高いんですよ。」

質問者「ふううん。」

藤田先生「お風呂のお湯に触ったってやけどしないけど、やかんの中のグツグツ煮だってるお湯に手をつけたら、やけどしますよね?」

質問者「はい。」

藤田先生「あれは100度というすごく高い温度になってるんですね。ふつう調理する時は、やかんとかお鍋に水を入れて、煮ようとするものをお鍋の中に入れて火にかけるんですけど、100度より温度は上がらないんですよ。ふつうのお鍋だと。

ところが圧力鍋というのは、100度よりももっと高く上がるんですね。120度ぐらいまで上がるんです。120度まで上がると、すごく温度が高いことになるんだけど、何が良いことあるかというと、人間がどうして調理するかというと、早く柔らかくしたいんですよね。○○さんはご飯を食べる時に、硬いご飯を食べないですよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「柔らかくしますよね。ご飯を炊くと柔らかくなるでしょ? それから、お母さんがじゃがいもとかかぼちゃとか……じゃがいもとかぼちゃしか出てこないんですけど(笑)、にんじんとかを煮ると柔らかくなるじゃないですか?」

質問者「うん。」

藤田先生「柔らかい方が私たちは食べやすいですよね? 温度を上げて煮てあげると柔らかくなるんですよ。ここまで大丈夫?」

質問者「うん。」

藤田先生「温度を100度よりも120度で煮てあげた方が、早く柔らかくなる。それで圧力鍋というのは炊飯器を使うよりも早くご飯が炊けることになるんですね。温度がふつうより高いということですかね。」

質問者「ふうううん。」

藤田先生「ふつうのお鍋でもご飯を炊くことはできますよね。」

アナウンサー「いつもは炊飯器だそうです。」

藤田先生「炊飯器も実は圧力をかけて、メーカーによって“おいしく”とかいろんな工夫はしてるんですけれども、圧力鍋でやると、高い圧力がかかるので、すぐ煮炊きが終わるということなんですね。圧力鍋はご飯の他にも使ってますか?」

質問者「……使ってない。」

藤田先生「ぜひ使ったら良いですよ……○○さんに言ってもアレですけども(笑)。」

アナウンサー「でもお母さんやお父さんに提案してみるのは。」

藤田先生「家族の方と一緒にやってみたら良いですよね。煮物とかする時に煮崩れといって、ボロボロ崩れてこないんですね。どうしてかというと、圧力鍋の中に入れた食材って、あまり動かないんですよ。動かないまま調理ができるので崩れちゃったりしないんですね。それでさっき言った通り温度を上げて調理するので、早く柔らかくなるという特徴があるから、お料理も早い時間で、味付けもわりとしっかり付けられるかなと思うんですけどね。」

アナウンサー「○○さん、いかがでしたか、分かりましたか?」

質問者「はい。」

藤田先生「よかった……。」

アナウンサー「とてつもない温度ですけど120度まで上がっていって、それでご飯が早く炊けるというお話でした。○○さんはお手伝いをよくするのかしら?」

質問者「はい。」

アナウンサー「頼もしいですね。これからも料理などしていて、何か分からないことがあったら質問してみてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q8 東京メトロでトンネルの形が3種類ある

  のはどうしてですか?(小6男子)

 

梅原先生「冬休みに小湊鐵道からレポートしてくださったんですよね(1/5乗り物スペシャル)? ありがとうございます。」

質問者「ありがとうございます。」

梅原先生「東京メトロという地下鉄の会社ですけれども、トンネルの形が3種類ということで、トンネルの3種類って何でしょうか?」

質問者「………」

梅原先生「たぶん、四角い形をしたトンネルと、円形のトンネルと、それから半円形のトンネルが東京メトロにはあると思うんですね。他の3種類かもしれないですけどどうでしょう?」

質問者「『東京メトロのひみつ』という本を読んだら、東西線木場駅の単線シールドと、千代田線新御茶ノ水駅のメガネ型シールドと、半蔵門線清澄白河駅の3連シールドの3種類が書いてありました。」

梅原先生「ああ……はい、分かりました。シールドとありましたけど、私が言った円形のトンネルの仲間だと思って頂くと良いですね。

駅で見て頂いてもすぐ分かるんですけれども、今言いましたように四角い……車体が四角い断面ですけど、それに本当に近い四角いトンネルと、円形のトンネル、それから半円のトンネルがあるんですね。どうでしょう、○○君、見たことありますか?」

質問者「はい、あります。」

梅原先生「これはトンネルを掘った時の工事の方法が違うからなんですね。

まず四角いトンネルですけど、駅に行くとだいたいそういうトンネルが多いと思いますし、東京メトロの中では銀座線とか丸ノ内線日比谷線もそうですけど、わりに古い地下鉄が四角いトンネルが多いんですね。どうでしょう、見たことあります?」

質問者「はい。」

梅原先生「このトンネルは開削トンネル、開いて削った工事の方法で、地下鉄のトンネルの掘り方としては、まず道路に大きな穴を空けて、そこに四角いトンネルを作るんですね。それで穴を埋め戻す。こうする時は、地上から掘る体積をできる限り小さくしたいので、四角いトンネル、つまり車体ギリギリの大きさのトンネルにしているんです。

半円形のトンネルは東京メトロではその次に使われたんです。丸ノ内線にあるんですけど、半円形のトンネルというのは、○○君が言ったようにシールドというものに近いんですけど、」

アナウンサー「シールドというのは?」

梅原先生「シールドトンネルというのは、大きな枠を地面の掘っていく方向に向かって押していくんですね。枠が周りの土を押さえていて、その土を掘っていくんです。半円形のトンネルというのは半円の型をドンと押していって、その中の土をドリルとかで掘っていったんですね。

円形のトンネルも円形の枠をゴンと押していくんですけど、何が違うかというと、自動化されまして、後ろから大きな円形のカッターをぐるぐる回して、自動的に穴を掘っていってしまうんです。掘って前に進んでいくんですね。そのために円形になっているんです。」

アナウンサー「その円形とか半円形のメリットみたいなものは?」

梅原先生「四角い箱型のトンネルは地上から穴を掘っていかなければいけないんですけど、いろんな地下鉄を作っているうちに上にトンネルがあったり、下水道やガス管があったりして、だんだん上から掘っていけなくなったんですね。

それから昔の地下鉄を工事している人は分かると思いますけど、道路に穴を空けて掘っているので、道路が大渋滞して、すごく大変だったんですね。東京中の道路が大渋滞なんてこともあったんです。でもシールドトンネルで掘ると、地上に1カ所の穴を掘って、そこから機械でどんどん押していけばいいので、地上から穴を掘らなくていいんですね。穴を掘らなくていいのでガス管とかにぶつかる心配もないし、邪魔をしなくても大丈夫というメリットがあるので、今作られているトンネルはほとんどがシールド、円形で掘っていくトンネルになったんですね。」

アナウンサー「半円形とか円形は、ある意味、機械を使って自動でやってくれる部分があると。」

梅原先生「半円形は昭和20年代の工事なので、型だけは機械で押していったんですけど、その中で押さえている間に人間が手作業で…ドリルは使いますけど掘っていた。円形だと完全にぐるぐる回るカッターで切っていった。」

アナウンサー「○○君、ですから円形とか半円形というのは、人間が楽になるというメリットがあると。」

梅原先生「そうです、トンネルが掘りやすくなる。じゃあ、それが3つ続いてるのはどうしてかというと、電車の線路は2本あって、駅を作りたい時に、真ん中にホームを置きますよね? そうすると円形のカッターが3つついているものを一気にドンと押していけば、3つの穴がいっぺんに掘れて、真ん中はホーム、左右の円形がトンネル、というふうになるんです。」

アナウンサー「工事がしやすいということなんですね。」

梅原先生「断面も、実は円形にする方が強いので、地震にも強いということになってますね。」

アナウンサー「四角の時のような道路の大渋滞なんていうのも起きにくくなると。」

梅原先生「もちろん駅とかでは四角い方が作りやすいので、今でも開削工法は使われていますけれども、駅と駅の間はもう円形のトンネルの方が多いです。」

アナウンサー「○○君、今の説明で分かって頂けましたか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君は将来、どのような夢がありますか?」

質問者「えーっと、……えっと、車掌だった。」

アナウンサー「車掌さんなんですね。鉄道とかいろんなことに興味を持って、これからも質問があったらしてきてください。」

質問者「はい。」

 

Q9 鳥の質問です。どうして鳥は飛びながら

  フンをするんですか?(小1男子)

 

川上先生「はーいどうもこんにちは、川上でーす。○○君、質問ありがとう。」

質問者「こんにちは。」

川上先生「鳥がどうして飛びながらフンをしちゃうのかということですけれども、どこですればいいと思いますか?」

質問者「地上ですればいいと思います。」

川上先生「地上でね。確かに地上でフンをすればいいなと思いますね。」

質問者「もしかすると敵の頭にぶつかって見つかっちゃうかもしれないから。」

川上先生「ああー、そうだね、敵に見つかっちゃうかもしれないのは良くないね。確かにその通りだと思います。人間はどこでフンをしますか?」

質問者「地上でする。」

川上先生「地上でするよね。お家だったらトイレだし、お家じゃなくてもトイレに行くことが多いですよね。だから同じ場所に行くことが人間の場合は多いと思います。

でも、鳥の場合は、同じ所でフンをしないことが多いと思うんですよね。何でしないかというと、同じ所でする理由が特にないからだと思うんですよ。」

アナウンサー「先生、その前に鳥って、地上ではなくて飛びながらフンをするパターンが多いんですか?」

川上先生「あ、それはこれから話をします。」

アナウンサー「ごめんなさーい!」

川上先生「○○君、聞こえますか? 同じ所でフンをする理由というのは、たぶん鳥にはあまりないんじゃないかなって思います。お家が決まってるわけでもないですしね。もしお家が決まってると、いろんな所でフンをすると汚れちゃって困るけれども、鳥の場合はそうではないから、いろんな所でフンをするんだと思います。

空を飛びながらフンをすることもあるし、飛びながらじゃなくても木の枝とかに停まっている時にフンをしてるのって見たことありませんか? ないかな?」

質問者「ない。」

川上先生「じゃ今度見てほしいんだけれども、電柱とか、木の枝の下とかに鳥のフンがたくさん落ちている時があります。そういう所って同じ所にいっぱい落ちてたりするんだけれども、いつも休憩してる所の下にフンが落ちてたりします。」

質問者「はいぃぃ…。」

川上先生「鳥は枝の上で休憩してる時にもフンをするし、飛んでいる時にもフンをするし、地上で休憩してる時なんかもフンをすることがあります。ただし、さっき言ってくれたように、敵に見つかったら困るから、地上の広々とした所であまりゆっくりしない場合もあるんですけれども。だから、いろんな所でするから飛んでる時にすることもあるんだ、と考えてください。

で、鳥というのは、食べてから食べ物がフンになるまでどのぐらいの時間がかかると思いますか?」

質問者「わかんない。」

川上先生「分かんないよね。人間だったら場合によっては1日に1回とかあると思うけど、鳥の場合は、例えばヒヨドリという鳥は聞いたことありますか?」

質問者「聞いたことあるかなあ……。」

川上先生「日本中いろんな所にいる身近な鳥の1つなんだけれども、その鳥では、だいたい30分から2時間ぐらいで食べたものがフンになっちゃうことが知られてます。」

質問者「はやい!」

川上先生「早いでしょう? そうなんです。だからためておくんじゃなくて、どんどん食べてどんどんフンをすることが分かっています。そうすると、それは飛んでる時かもしれないし、休憩してるかもしれないし、いろんな時にフンをしてしまうんだと言われています。」

質問者「はい。」

川上先生「鳥が空を飛ぶためには、どういう体の条件が必要か分かる?」

質問者「………」

川上先生「空を飛ぶためにはどんな体だったら良いと思いますか?」

質問者「胸に筋肉がたくさんあると飛びやすい。」

川上先生「あー、よく知ってるね! 筋肉がたくさんあることです。そして? 他にも条件があるんですけれども、体の体重は、重さはどう思いますか?」

質問者「軽い方が飛びやすい。」

川上先生「そうでーす。だから食べ物をあんまり体の中にためておかないで、すぐにフンを出しちゃった方が良いと言われてます。だから、フンが出るまでの時間が短くて、飛びながらもフンをしてしまうんだ、ということだと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「なるほど、フンをこまめにするのは、軽い方が飛びやすいという理由があるからなんですねえ。」

川上先生「はい。○○君、だいたい分かった?」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君は、どうしてこの質問を思いついたんですか?」

質問者「おじいちゃんとおばあちゃんのお家でお洗濯が鳥のフンがついてしまって困ってるからです。おばあちゃんはお洗濯をやり直しているので困っています。」

アナウンサー「(笑)川上先生、ベランダに干してある洗濯物にフンがついてしまう場合は、鳥はどのような所からフンをしてるんでしょうかね?」

川上先生「もしかしたらベランダの洗濯物の上で停まって休憩してるかもしれないし、その周りで飛びながらしちゃってることもあるかもしれないです。うーん、それはとても困った問題ですよね。でも、どうすればいいか、解決方法がすぐには思いつかないです。ごめんなさいね。」

アナウンサー「○○君、でも鳥っていうのは、フンを人間よりもこまめにしなければいけない理由があるのかな、って考えるとどうでしょうか? それをおじいちゃん、おばあちゃんに伝えてあげたら、おじいちゃんおばあちゃんも納得する部分があるかもしれないですよ?」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君は将来、何になりたいという夢はありますか?」

質問者「恐竜博士になりたいです。」

アナウンサー「あっ、恐竜博士? 鳥類博士?」

質問者「恐竜博士。」

川上先生「恐竜博士ですか! 鳥博士になるのも良いと思いますので、ぜひ鳥のことも勉強してみてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q10 飛行機雲は何でできてんですか?

  (小3男子)

 

アナウンサー「ああなるほど、飛行機“雲”ですね。見て気になったんですか?」

質問者「うーん、何となく。」

今野先生「○○君、空を見るのが好きなのかな? よく見るの?」

質問者「んー、うん。」

今野先生「飛行機雲ですけれども、基本的な成分はふつうの雲と同じです。小っちゃい水の粒だったり、小っちゃい氷の粒でできています。」

質問者「(ヒソヒソ声で)ヘエエ、スゲエ……。」

今野先生「じゃあ、どうやってできてるのかというのを説明しますね。○○君、冬の寒い日に息を吐くと白くなるのを見たことあります?」

質問者「ああ、うん。見たことある。」

今野先生「飛行機雲は、でき方が基本的にはそれと似ています。飛行機雲というのは、すごく高い所を飛んでるんですよ。高い所ってとても寒いんですよね。マイナス数十度の所を飛行機は飛んでいます。そこに、エンジンから出る排気ガスとか、水の粒、水分が集まって、最初は小っちゃい粒なんですけど、集まって大きな粒になるんですね。大きな粒になると、下から見えるようになるので、○○君みたいに地面から見る人が“空に飛行機雲があるな”と分かるわけです。」

質問者「うん。」

今野先生「なので、エンジンごとに飛行機雲ができるので、2つついてると2本できるし、エンジンが4つついてると飛行機雲が4つできます。」

アナウンサー「なるほど。エンジンが……初歩的な質問かもしれませんけど、エンジンの数によって飛行機雲の数が決まるというのは……。」

今野先生「排気ガスに水分とかが集まって……ということですね。そうすると後ろの排気の数によって、そのまま雲ができるので、エンジンの数によって2本だったり4本できると。」

アナウンサー「なるほど。水と氷の粒が元々あって、エンジンの排気ガスと合わさって雲ができると。それによって雲ができるということですね。」

今野先生「そうですね。排気ガスが真ん中の大きなコアというか中心の粒になって、そこに周りの水とか氷の粒が集まって大きく成長するんです。」

アナウンサー「○○君、どうですか、分かりましたか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君はふだんから空を見て、雲等いろんなものを観察するのが好きなんですか?」

質問者「んー、たまに雲が動いてるな、みたいなことを……。」

アナウンサー「なるほど。飛行機雲の質問でしたけれども、飛行機には興味がありますか?」

質問者「……まあ、ある(笑)。」

アナウンサー「今野先生は飛行機に詳しいですから、せっかくだから飛行機について、もっと聞いてみたいことはありますか?」

質問者「あります。」

アナウンサー「何ですか?」

質問者「えっと、飛行機の燃料が……あの、何だっけ、いっぱいあるだけで、往復ができるっていうのが、すごい。なぜですか?」

今野先生「飛行機の燃料がたくさん入ってるということかな?」

質問者「いっぱい入っているだけで、何でそんなに往復できるんですか?」

アナウンサー「往復というのは例えば……東京に住んでるんだよね? 東京からどのあたりをイメージしているんですか?」

質問者「んと……んんと……」

アナウンサー「遠い所かな? 福岡とか北海道とか。」

質問者「あ、いや、愛…媛…?」

今野先生「ああなるほど。」

アナウンサー「飛行機で愛媛から東京を往復するのって、それなりの距離がありますけれども、燃料を積んでいるだけ…だけではないとは思いますが、それで飛行機が往復できるのはどうしてか、ということです。」

今野先生「まず、往復の燃料は積んでないです。基本的に片道分しか積んでないですよね。往復はできない片道分だけの燃料を積んで、東京から愛媛に行って空っぽと言うとアレですけど、愛媛でまた燃料を積んで東京へ帰るという形ですね。」

アナウンサー「飛行機ってすごく高い所を飛ぶので、何か不思議なんですよね。先生、何で飛行機はあんなに高く、そして遠くまで飛べるんでしょうか?」

今野先生「(笑)なるほど。まず、高く飛ぶのは、上に行くほど空気が薄くなってるんですよ。なので空気抵抗が小っちゃくなるので、上に行くほど燃費が良くなるんですよ。なのでできるだけ高い所を飛びたいんですよね。

でも、上に行くほど空気が薄いので、エンジンを燃やす酸素が薄くなっちゃうので、上に行く高さには限界がありますけれども、なるべく高い所を飛びたい。」

アナウンサー「これは分かりますか、○○君?」

質問者「分かりました。」

アナウンサー「じゃ、何であんな速い時間で遠くまで飛べるんですか?」

今野先生「飛行機は乗り物ですので、お客さんから見ると、なるべく速く飛びたいですけれども、ちょっと難しくなっちゃうんですけど、音速というのがあるんですよ。音の速さ。音速を超えちゃうと衝撃波というものが出ちゃうので、空気の抵抗が大きくなるんですね。なのでふつうの飛行機は、なるべく速く飛びたい、でも衝撃波で空気の抵抗が大きくなるギリギリの速さぐらいで飛んでるんです。それで時速900キロぐらいで飛んでいます。」

アナウンサー「音速は超えないような速さで飛んでいると。」

今野先生「やっぱり乗り物なので、お客さんから見ると、できるだけ速いスピードで飛んでほしいですよね。でも今言った通り、音の速さよりは速く飛べないんですよ。音の速さよりも速く飛べる飛行機は、今、研究されて……戦闘機ではあるんですけどお客さんが乗る旅客機では研究途中ですね。」

 

この後はニュースが延長され、3時台前半はほぼ番組中断。微妙な時刻に番組再開。

 

アナウンサー「梅原先生、親子揃って家で過ごしているという方、そういう時間が長くなっている方も多いと思いますが、鉄道に関して言いますと、どういうふうに遊んでもらったりしたら良いと思いますか?」

梅原先生「もちろん工作とかで鉄道の模型を作ったりも良いですけど、器用でないとなかなか難しいものがあると思うんですよね。鉄道のいろんな部品、パーツを作るのが良いのかなあと思って、例えば、今はLEDになりましたけど、昔は電車の行き先は方向幕というグルグルと……紙芝居ではないですけど幕のように字が……あれだと箱があって、紙に書いたものを割り箸とかで留めてクルクル回していけばできますから。私も子どもの頃に何度も作ったんです(笑)。自分の行きたい行き先を書いて、というのも良いのかなあと思うんですけど。」

 

すぐに交通情報の時間となり、質問タイムは3時台後半から。

 

Q11 100億光年になると、どうして銀河系

  が泡の形に見えるんですか?(小2男子)

 

国司先生「そうかそうか、泡の形になるって知ってたんだね。図鑑に書いてあった?」

質問者「はい。」

国司先生「まずね、100億光年というのは、100億と光の年って書くんだけど、これは遠い距離のことなんだよね。大きな望遠鏡で100億光年にどんな銀河があるかなって調べてみたの。○○君は銀河系と言ったけど、銀河系というのは私たちの地球とか太陽系が含まれている銀河で、天の川銀河とか銀河系というのね。だから質問はきっと、100億光年先に銀河がどんな泡の形になってるか、ということでいいのかな?」

質問者「……ウン……」

国司先生「ん? 大丈夫?」

アナウンサー「○○君、銀河系ではなくて銀河ということでいいですか、ということですが、どうですか?」

質問者「いいですよ。」

国司先生「(笑)はーい、よかった。この宇宙がどのようにして出来上がったか、というのを調べてみたら、…これがもっと遠いんだな、138億年くらい昔に、大きな爆発で宇宙が広がり始めたと言われています。これをビッグバンというんだけれども、これは聞いたことある?」

質問者「聞いたことある。」

国司先生「そのビッグバンという大きな爆発で、宇宙がどんどん広がっていきました。その頃はギュギュギュギュギュッていろんなものが押し縮められて、密度というんだけど、これがすごく高かったのね。その時に、それが同じくらいにフアーッと広がったのではなくて、少しずつ、“ここは集まり方がちょっと緩やかだな”、“ここはもっとギュッと…”って、……“ゆらぎ”って分かるかな? なーんとなく空気が揺らいでるとか湯気がフワフワフワッという、そういう“ゆらぎ”が始まった頃の宇宙にはあったみたいなんだよ。

それがだんだんと広がっていって、100億光年先ということは宇宙が広がり始めて、…138引く100だから、38億年くらい経ったところの宇宙の様子を見てみると、何となく泡のような形になっている、ということだと思うの。」

アナウンサー「あれ、億光年ではなくて億年……。」

国司先生「これはね、時間と空間が背中合わせになってるからね、ちょっと難しいですけれども、つまり138億年前に宇宙が広がり始めた、そうすると138億光年先を見れば宇宙が誕生したことが分かるんだけど、それはモノがちょっと詰まり過ぎていて見られないんですよ。

話がちょっと横に行っちゃったけど、そうやってだんだんと宇宙が広がっていった時に、さっきの“ゆらぎ”、フワフワっと、ここは物が少し集まってるけどこっちはそんなに集まってないという、最初のわずかなゆらぎがどんどんと膨らんできて、銀河系と同じような銀河という大きな星の渦巻きがいっぱいできた時に、それがあっちにもこっちにも同じように散らばっているのではなくて、お手々を洗うと泡が出るよね? その泡が集まるような形に銀河が、……分布というのかな、集まっているところと集まっていないところができてしまったの。

そこで○○君、こう考えてみて。シャボン玉を膨らませたことあるよね?」

質問者「ある。」

国司先生「そのシャボン玉が1つじゃなくて、2つ3つが一緒になってしまったような形に銀河が集まっているのを、さっき○○君が言った“泡の形”、泡状構造というんです。それがどうしてかという質問の答えは、最初に集まっているところ、集まっていないところ…密度というんだけど、その“ゆらぎ”があったためなんだって。

だけど、いろいろな銀河がどう集まってるかを望遠鏡で調べると、……普通の望遠鏡は光を見たり、電波望遠鏡で見たり観察したりしますけれども、そういったものでは見つからないもの、というのがあるんですよ。これ、“暗黒物質”なんていうんだけど。どうやらそういったものも関係しているらしくて、泡の形に並んでいるらしいんですよ。

これはけっこう難しいことなんだけれども、泡の形になることに気がついたのは、○○君、すごいなと思います。」

アナウンサー「○○君、“ゆらぎ”と先生が仰ったように、集まっているところ…これは星ではなくて……」

国司先生「星が集まったものが銀河です。その銀河がまた集まって、パッと見るとシャボン玉がいくつも固まったような形になっているんですね。」

アナウンサー「泡の形に見えるのは、銀河が集まっているから…」

国司先生「集まっている時に広がるんですけれども、広がった最初に“ゆらぎ”があったからなんです。」

アナウンサー「うんうん……“ゆらぎ”があったから…………うん…どういうこと…(笑)ごめんなさい。」

国司先生「○○君、今度2年生だもんね、朝礼の時に校庭にみんなが集まることはありますか?」

質問者「あります。」

国司先生「あるよね? 1年生、2年生、3年生…ってきれいに整列してると良いんですよ。それをパーッと広げていくと、みんなが万遍なく校庭に並んでいくんです。

ところが、例えば星の好きなお友だち、鉄道の好きなお友だち、と分かれて集まって、そこからフアーッと広がっていくと、何となく丸い広がりがいくつかできていくような、そういうイメージです。例えは全然違うけれども。最初に広がり始める時に“ゆらぎ”があったので、銀河がポツポツポツポツと万遍なく宇宙に分布してるものではなくなったんです。

でも、目に見えない物質も隠れているので、まだ解き明かされていないことが、きっとたくさんあります。」

アナウンサー「…はい。○○君どうですか? イメージというか分かりましたか?」

質問者「ハイ。」

アナウンサー「先生が今、例えで話してくださいましたけれども、泡の形に見えるイメージは湧きましたか?」

質問者「わきました。」

アナウンサー「よかったです~。○○君は空を見ることが多いのかしら?」

質問者「はい。」

アナウンサー「将来はこんなことをやってみたいとか、夢はありますか?」

質問者「バイオリニストになりたい。」

国司先生「いいなあ~。」

アナウンサー「すてきですね~。では、今はバイオリンの練習を家でしているんですか?」

質問者「はい。」

国司先生「音楽と宇宙ってつながるんです。音楽というのは音の波でしょう? 宇宙も波と関係してくるんです。f分の1のゆらぎとか、いろんなことがあるので、ぜひ音楽と科学を一緒に勉強すると良いな。」

アナウンサー「波という共通点があるということですから、○○君、音楽、それから宇宙のこと、一緒に興味を持って夢を膨らませていってくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q12 ほこりはどこから来るのですか?

  (小3女子)

 

アナウンサー「これはどういう時に気になったんですか?」

質問者「ピアノの上とか、毎日お掃除していても、次の日にはほこりがたまっているのを見て、どうしてかなと思ったからです。」

藤田先生「ほこりを取るのによくお掃除をしますか?」

質問者「うん。」

藤田先生「毎日毎日お掃除するのに、毎日毎日ほこりがたまって、一生お掃除が終わらないなと思いますよね(笑)。」

質問者「うん。」

藤田先生「ほこりがどこから来るのかって、確かに不思議ですよね。ほこりにジーッと目を近づけて見たことあります?」

質問者「ない。」

藤田先生「あんまり近寄るのもアレなんですけど、よーく見てみたら、どういうものからできてるかが分かると思うんですよ。

○○さんは繊維という言葉は知ってます? 繊維、聞いたことある? 洋服の糸の繊維とか聞いたことはあるかな?」

質問者「………」

藤田先生「ないかな。ふだん、洋服を着て生活してますよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「洋服が何でできてるかというと、布でできてますよね? さらに洋服をバラバラにしたら、糸でできてますよね?」

質問者「うん。」

藤田先生「その糸がもっと短くなると、すごーく小さくなって、繊維と呼ばれるものになっちゃうんですね。繊維って他にもあって、例えば○○さんもティッシュペーパーを使いますよね? ティッシュペーパーは箱に入ってると思いますけど、ティッシュペーパーを最後まで使った後、箱の中に何かが入ってるのを見たことあります?」

質問者「………」

藤田先生「白ーいかたまりみたいなものが入ってるのを見たことないかな?」

質問者「ないと思う。」

藤田先生「じゃあ今度、ティッシュペーパーを一箱使いきった時に、最後にどんなものが残ってるのかなって見てみたら良いと思います。これも繊維と言いますけど、その繊維がどんどん小さくなってしまったものが、ほこりの材料なんですよ。

ほこりって、今言ってる繊維というものだけじゃなくても、例えばダニって聞いたことあります?」

質問者「ある。」

藤田先生「ダニとか、ダニのフンとか。あるいはダニの死骸とか。そういうものもほこりの中には含まれてるんですよ。

あとはカビって知ってます? パンにカビが生えちゃったとか…やらないか(笑)。パンに青いカビとか緑のカビとか、生えちゃったこと、○○さんはないですか?」

質問者「パンにはないと思う。」

アナウンサー「聞いたことはありますか?」

質問者「………」

藤田先生「カビって何か……まあ、いつでも生えるから、…いつでもというか(笑)、お風呂場とかに、ちょっと気を緩めるとカビが生えるんですけど、今度お父さんお母さんに、“カビが生えたら教えて”って頼んでおいたらいいですよ。“カビってこれなんだ”と思いますから。そういうものから出てくるものも、ほこりの材料になっているんですよ。

どうしていつも上から下にたまるかというと、部屋の空気はゆっくり動いてるんですよ。これは知ってますか?」

質問者「知らない。」

藤田先生「例えば部屋の中でストーブを点けたとしても、天井に近い所と下の方とでは温度がちょっと違ったりするんですよね。床の方が温度が低いんですよ。暖かい空気は上の方に進んで、冷たい空気は下の方に進む。空気ってゆっくり動いているんですね。それでほこりもゆっくりゆっくり、上から下に降ってくるように、でも全体からほこりの元が動くようになっているので、やがて下にたまってきちゃう。ほこりの方が空気よりも重いから、結果的には下の方にたまっていっちゃうことになるんですね。分かってくれました?」

質問者「はい。」

藤田先生「ティッシュペーパーの箱に残ったものを、今度ぜひ見てみてください。“これがほこりの元なのか”とよく分かると思います。」

アナウンサー「繊維とかダニとかカビというものがちょっとでもあると、それがほこりになって、上から下の方にどうしてもたまってきてしまうと。」

藤田先生「さっき○○さんの、ピアノの上に、というお話がありましたよね? ピアノってたぶん黒いんじゃないかと思うんですけど、何色ですか?」

質問者「黒い。」

藤田先生「黒いですよね。黒いとよく目立つんですよ。ほこりって白っぽく見えちゃうから。だから、実は黒っぽいものじゃない所に被ったほこりは、やっぱり同じようにあるんですね。ただピアノの上にあるから、より目立って気になっちゃう、ということでしょうかね。」

アナウンサー「○○さん、分かりましたか?」

質問者「はい。」

 

スペシャル質問終わり~スタジオの先生方から感想

国司先生「春なので、いつもとは違った星の質問、例えば春の星座とか春の三角とかあったと思うんですね。だんだん季節が変わって太陽の高さも高くなった、そういう季節の移り変わりもお友だちは感じてるんだな、と思いました。」

 

藤田先生「いろんなことを聞いてくるお子さんがいっぱいいて、説明して分かってくれたかどうか疑問なこともあるけれど、“分かった!”とか“分かりました”と言われると、何か嬉しくなりますね。」

 

梅原先生「みなさん、本当に細かいことを知ってるな、ということで、答えるのに慌ててしまって、こちらも一生懸命頑張らなければいけないと思いますね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

子ども科学電話相談 春スペシャル4/3(天文・宇宙、科学、鳥、鉄道、飛行機) 0~1時台

スペシャル最終日。4/3のジャンルは

 天文・宇宙 国司真先生

 科学 藤田貢崇先生

 鳥 川上和人先生

 鉄道 梅原淳先生

 飛行機 今野友和先生

 

アナウンサー「この時期、どのような星が見られるのかな~って考えている子どもたちも多いと思うんですが…」

国司先生「この頃、やっとお天気が安定してきたんですね。昨日7時ぐらいにゴミ出しに外に出たら、一番星の金星がとっってもきれいだったんです。」

アナウンサー「7時といいますと、夜の7時…」

国司先生「夜の7時。それが西といってもずいぶん高い所です。あんなにきれいな明るい星があったのかと思って。この頃の金星はとても明るい。

それから、目をもう少し高くしますと、上弦を少し過ぎましたかね、お月様が南の空の高ーい所なんですよ。」

アナウンサー「昨日、私の3才の娘も、“あ、月が出てる~”って。」

国司先生「小さなお友だちはお月様が大好きなんですよね。これからだんだん満ちてくるんです。そうだな、8日くらいになるとまん丸になります。だから一日一日、外に出られないお友だちも、お家の窓からベランダから、月が少しずつ形が変わっていくんだなっていうのを、ぜひ観察してほしい。それは夕方から夜。

ところが早起きをするお友だちもいるんですね。そうするとこれはねぇ4時半かなぁ、4時か4時半くらいに早起きをして、今度は東から南の空を見てください。さっきは月曜日の月と金曜日の金星でしょう? 今度は木曜日の木星と土曜日の土星と、火曜日の火星が仲良く、3つ並んで見えるんです。」

アナウンサー「えええええ~! そんな贅沢な時間なんですか。」

国司先生「昨日の朝見たら、土星と火星がすごく仲良くて、その上に木星がポツンとありました。これがねぇ、日に日に位置が変わるんですよお。」

アナウンサー「じゃあ、それを見たい子どもは、いつもよりちょっと早く寝て、早起きして見ると三文の得かもしれないですね!」

国司先生「ぜひ惑星たちを見てください。」

 

アナウンサー「藤田先生は春スペシャル、今日で6回目のご出演。ありがたいことです。」

藤田先生「お呼び頂いてありがとうございます。6回もあると、お子さんの質問で実験の話が出たりすると、自分でもやってみるんですね。」

アナウンサー「昨日もありましたね。」

藤田先生「昨日も磁石の質問がありましたが、私もやっていたんですね。○○君からの、磁石に付いた砂鉄を取りたいという質問だったんですが、木工用ボンドを使ってはがすんですよ、というところは良かったんですけど、その後、砂鉄が錆びちゃうという質問があって、錆びちゃ困るから新聞の上で乾かしましょうと言ったんですが、砂鉄は錆びないんですね。」

アナウンサー「あっ、砂鉄は錆びないんですね!」

藤田先生「砂鉄というのは、磁鉄鉱という鉱物が主成分ですけど、錆びるというのは酸素と結びつくことですけれども、磁鉄鉱は既に酸素と結びついてるので、それ以上錆びないんですね。それ以上というのは酸素と結びつき終わってるので、それで錆びないんですけど、私がこの質問をもらった時にクリップを……手元に砂鉄がなかったので、クリップをはさみで切ってやってみたら、“できたできた”。木工用ボンドではがしたらちゃんとできたと思ったんですけど、クリップは鉄なので錆びちゃう。ふつうの鉄をニッケルでコーティングしてるので、切ったところで錆びちゃうんですね。」

国司先生「あぁあぁ……」

藤田先生「それで水の中に入れたらやっぱり錆びるんだと思って、つい砂鉄が錆びると思ったんですが、磁鉄鉱は錆びないので、それを引っ張り上げても、水をきれいに切らなくても何とかなるんですけれども、サラサラになるような工夫はいろいろ……こういうことをやると、たぶんもっと新しい発見があると思うんですね。砂鉄を取ってまとめたのはいいけど、もっといろんなことが起きますから、ぜひ楽しんでもらえれば良いと思います。」

 

アナウンサー「そして鉄道は鉄道ジャーナリストの梅原淳先生です。鉄道好きな子どもたち、本当に多いですよねえ。」

梅原先生「残念ながら、

今は乗ることができない子どもたちが多いと思うんですね。3月の放送で質問をくださったお子さんで、“あなたは鉄道のどういう分野が特に好きですか”と聞かれて、“妄想鉄”と仰った子がいるんですね(3/26のQ16)。妄想鉄って、要するに想像上の鉄道を自分で考えることで、これは家の中でできるんですね。

妄想というのはちょっと蔑んだような言い方ですけど、実際に鉄道を新しく敷く担当の人たちは、その地図を見ながらどこを通そうか、例えば“ここは人が多い所だから難しい”とか“山が険しいから避けよう”とか、考えてやってるんです。しかも利用してもらわなければならない。そういうふうに計画してるので、今の時期、そういうふうにやってみると良いかなと思うんですね。外に出られるようになったら、そこを歩いてみるのも良いのかなと思うんですね。」

 

川上先生と今野先生は電話での回答。

 

アナウンサー「さっそく子どもたちの質問にまいりましょう。北海道に住んでいるお友だちです。こんにちは!」

電話の向こう「………」

アナウンサー「こんにちは! 聞こえてますか?」

電話の向こう「………」

アナウンサー「あら? 聞こえてないかしら。 こんにちは、お電話つながっているでしょうか。」

電話の向こう「………」

アナウンサー「天文・宇宙に関する質問ということですけれども。……聞こえますか?」

電話の向こう「………」

アナウンサー「ん? お電話がつながってないかしら。本当にたくさんのお友だちから電話が届いていまして、できるだけ多くの方の質問に答えていきたいと思っているんですが。……聞こえますかー、こんにちはー。」

電話の向こう「………」

アナウンサー「生放送ですからこういうことも当然あるんですけどね(笑)。本当に多くの質問を頂いてまして、多い日には1日で1400人近くのお友だちから、電話があったという…。」

国司先生「あらぁ、すごい。」

アナウンサー「という日もありますので、どんどん質問していきたいと思いまーす。さあ、それではつながりましたでしょうか、こんにちは!」

質問者「こんにちは。」

 

Q1 質問は、銀河系の外に行って写真を撮っ

  た人が誰もいないのに、なぜ銀河系の形

  が分かるのか、です。(小6男子)

 

国司先生「そうか、もう6年生なんだね。銀河系って言葉を知ってたんだね。この頃、銀河系のことを天の川銀河って呼ぶこともあるんです。それはどうしてかというと、○○君は北海道だから天の川を見たことあるかな?」

質問者「いいえ、ありません。」

国司先生「そうかあ~、夏休みでもいいから、ぜひ見てほしいな。実はその天の川というのが、銀河系を内側から見た様子。だから天の川銀河ということにもなるけれども、これはぜーんぶ星が集まっているんです。太陽と同じような自分で光る恒星もあれば、その周りを回る惑星もあって、その数が何千億という数なんですよ。形が分かるってことは、図鑑で銀河系の形を見たことあるのかな?」

質問者「はい。」

国司先生「それが渦巻き状で、何か薄っぺたい、シンバルを2つ合わせたような形になってた。それがどうしてかというと、これは昔の天文学の歴史にもなるんだけど、形を解き明かそうとした天文学者がたくさんいたってことなんです。」

質問者「ふううん。」

国司先生「今から200年くらい前なんですけどね、イギリスの天文学者のウィリアム・ハーシェルという方が、星をぜーんぶ数えたの。望遠鏡で。」

質問者「ええっ!」

国司先生「天の川って雲みたいなんですけど、たくさーんの星の集まりなんですよ。

よく、天の川はどこから流れてどこに流れ着くのかなという疑問があって、あれはクルーッと輪を閉じて、元に戻るんです。星空を1周してるの。

ということは、暗い星は遠い所、明るい星は近いと仮定をして星の分布を調べると、宇宙の形が分かってくるの。」

質問者「ええええ……。」

国司先生「200年以上前にウィリアム・ハーシェルは、自分で作った望遠鏡で、今で言う銀河系、天の川銀河の形を……調べたんだね。観測で。」

質問者「ふううううん……。」

国司先生「現代では電波望遠鏡を使ったり……目で見ることができない電波もやってくるんです。そういったものを調べてくると、直径が光の速さで10万年かかる10万光年。そして、私たちの太陽系は……中心にはブラックホールがあるんですが、そこからそうだな、2万6千光年くらい、ずいぶんと外れた場所にあって。そしてブラックホールを中心にグルグル~っと回転をしてる。」

質問者「ああ~、うんうんうん……。」

国司先生「回転のスピードも分かっていて、だいたい秒速240キロぐらい。すごいよね。」

質問者「ええええ、すごい。」

国司先生「でも1周するのに、2億年から3億年かかるんだって。」

質問者「ええええ~、長い……。」

国司先生「そんなことが分かってんの。ぜひぜひ銀河系のことを調べてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「200年前に、実際、根気強く星を数えた人がいるからということ。」

国司先生「そうです。ウィリアム・ハーシェルって人は、実は最初は音楽家なんですよ。そして望遠鏡を自分で作って、天文学の功績を残したという、たいへん素晴らしい方なんです。」

質問者「ふううううん……。」

アナウンサー「○○君、今の話を聞いて、どんなことを感じましたか?」

質問者「いやあ、もう、1周するのにそんなに時間がかかるのかって聞いて、めっちゃ驚いてます。」

国司先生「そう、何億年だからね。」

アナウンサー「○○君は、ふだん、よく星を見たりしてるんですか?」

質問者「はい、犬の散歩とか行った時に、オリオン座とかをよく見ます。」

国司先生「オリオン座が見えて、そのちょっと上に、昨日は月があったな。」

アナウンサー「○○君もベランダから星を見て、200年前の先人のように、ゆっくり数えてみたり。」

国司先生「ぜひぜひ。月明かりがない時は、北海道は必ず天の川が見られますからね。観察してみてください。」

質問者「はい。」

 

次のお友だち

アナウンサー「お名前と、今度何年生になるのか教えてください。」

質問者「えっと、今11才です。あの、今日で11才になったばかりです(笑)。」

国司先生「お誕生日だ。おめでとう~。」

アナウンサー「今日お誕生日なんですか! おめでとうございま~す。」

スタジオ内「(拍手)パチパチパチパチ」

質問者「ありがとうございます。」

 

Q2 どうやって海はできたのですか?

  (小5男子)

 

アナウンサー「それはどういう時に不思議に感じたんですか?」

質問者「いや、海のことを考えてたら、何か……どうして海に水が、どこからその水が来たかって思って……。」

藤田先生「○○君、こんにちは。お誕生日おめでとうございます。」

質問者「はい、ありがとうございます。」

藤田先生「どうやって海ができたのか、この水はどこから来たんだろうかという質問ですよね。○○君の家から海は見えるんですか?」

質問者「いや、僕の家からは…ちょっと海から遠い方ですね。見えません。」

藤田先生「海のことを考えたら、確かにいろんな疑問が浮かびますよね。海はどうやってできたのかという研究は、今、一生懸命行われてる最中なんですが、いくつか説があるんですね。その中でもいちばん正しいんじゃないかと思われているのを1つ紹介しましょう。」

質問者「はい!」

藤田先生「地球がどれぐらい前にできたのかというのは、○○君は知ってますか?」

質問者「何か、450億年前でしたっけ……。」

藤田先生「ちょっと古すぎますね(笑)。一桁違うかな。」

質問者「ええ? (笑)何かそういう感じの…。」

藤田先生「(笑)登場する数字は合ってるんですけど、だいたい45億年前とか、46億年前と言われていますね。」

質問者「あはっ(笑)。」

藤田先生「地球ができた頃は、地球というのは、今みたいに海があったとは考えられていないんですよ。いちばん最初の頃は、とても乾いた星だと考えられています。岩石しかない、そういう場所だったと考えられるんですね。」

質問者「へえええ。」

藤田先生「そこからどうやって水があるようになったかというと、○○君は小惑星って知ってますか?」

質問者「しょうわくせ…」

藤田先生「小惑星。聞いたことあります?」

質問者「はい、聞いたことあります。何か……何だっけ、日本のJAXAが……えっとぉ……リュウグウっていう…何か聞いたことあります。」

藤田先生「そうですよね、リュウグウという所に探査機を送ってますよね。その小惑星が重要な鍵になると、今考えられています。地球ができたばかりの頃は、地球は他の星とどんどんぶつかっている最中なんですね。ガンガンと、いろんな小さい星の星くずをどんどん集めてる最中でした。

その時に、小惑星に元々水があって、その水が地球に運ばれてきたんだと、今考えられてるんですよ。ここまで大丈夫?」

質問者「はい。」

アナウンサー「どうやって運ばれてきたんですか?」

藤田先生「小惑星にあった水が地球に衝突することで……小惑星そのものは、やがて地球の成分になるわけですけれども、そこに水が含まれている、と考えられてるんですね。

○○君、もう1つ、彗星という……水星金星地球の水星じゃなくてハレー彗星とか、そういうものは知ってます?」

質問者「はい、聞いたことあります。」

藤田先生「ちょっと前までは、そのいろんな彗星が地球に衝突して水を運んだんだと考えていた研究グループもあったんだけれども、今はそうではないんじゃないかと言われてます。

ここは難しいですけど、実は水っていろんな種類があって、重水素という水素の種類が含まれてる水があって、」

アナウンサー「重いと書く重水素。」

藤田先生「ええ。それとふつうの水との比率がどれぐらいかを、細かく調べることができるんですね。そうすると小惑星にもいくつかグループがあって、あるグループの水の成分が、地球の水の成分とよく似てるということが分かってきたんですよ。で、たぶん小惑星からやってきた水じゃないか、と考えられているそうですよ。」

質問者「はい、ありがとうございます。」

アナウンサー「分かりましたか? 小惑星が地球と衝突して、小惑星にあった水が地球に運ばれてきた、ということなんですね。○○君、海って単なる水じゃなくて、塩水というか、そういう成分として疑問に思うこともあるかしら?」

質問者「はい。その中で思ったことは、どこからその塩が来たかも知りたかったんです。」

アナウンサー「うんうん、私も知りたいです、先生。」

藤田先生「そうですか…はい(笑)。塩…塩…いわゆる塩分というものですね?」

質問者「はい。」

藤田先生「私たちが塩辛いと感じるのは、塩化ナトリウムという物質。食塩ですよね。食塩はしょっぱいという感じを私たちは持ちますけれども、その塩化ナトリウムが海中に存在するために塩辛く感じますけれども、じゃあ塩化ナトリウムはどこから来たかというと、これはおそらく地球が出来上がった時に、ナトリウムと塩素が元々あったんですね。初めは岩石の中にしまわれて、いろんな形で結びついていたけれども、小惑星で水が運ばれて、どんどんたまっていくと、塩化ナトリウムはナトリウムと塩素が結びついてできるものなので、どんどん水の中に溶けていく。ナトリウムも塩素も水に溶けやすいものなので、それで結びついて塩辛くなった、と考えられているのではないかなぁと思うんですけど、国司先生、それで大丈夫ですもんね?」

国司先生「ええ、大丈夫だと思います(笑)。」

アナウンサー「天文・宇宙の国司先生にも伺ってみますね。」

国司先生「まず、小惑星というものがありますよね。46億年くらい昔にいろーんなものがぶつかって原始の地球ができたというのも私は見てはいないんですけれども(笑)。本に書いてありました。その岩石の中に、実は水の元になるものがいっぱいあるんですよね。例えば隕石を分析すると、中に水の成分が入ってたりするわけです。それはそこで裏付けられるんですが、これがだんだんだんだん…岩石が原始地球でぶつかると、表面の温度が高くなって、ドロドロに溶けてガスが出来て、雲になるんだそうです。その雲が冷えて雨が降ると、海が出来上がる。

水というのは酸素と水素が結合して出来上がるものなので、ちょうど岩石から酸素も水素も出てきたんですって。ところが水素は軽いので、1つ内側の金星は、宇宙空間に水素が逃げちゃったんだって。それで水ができなかった。」

質問者「ああああ…」

国司先生「だからこれはすごく深い問題なんだそうですよ。」

 

Q3 電車のシミュレーション完了後、本運転

  する時、運転士さんや車掌さんはどうや

  って選ばれるのですか?(小2男子)

 

アナウンサー「梅原先生、電車のシミュレーションもどういうことなのかと思いまして、それも含めて教えてください。」

梅原先生「はい。“電車のシミュレーション完了後”、シミュレーターのことをイメージしてるんでしょうか?」

質問者「はい。」

梅原先生「鉄道会社で運転士を養成する時に、実際の電車ではないけれども、実際の電車のような運転台があって、映像を見ながら運転操作の勉強をする、訓練をする機械ですよね。」

質問者「うん。」

梅原先生「“運転士さんや車掌さんはどうやって選ばれるの?”ということですけど、実は、鉄道会社っていろいろな人をいろんな学校から採用してるんですけれども、だいたい運転士さんとか車掌さんになりたいという人は、現業部門の採用といって、高校を出た人とか専門学校、大学を出ても現業部門の採用で、そういう人たちは最初は駅員さんを……要するに鉄道を勉強してもらう。いちばん難しい仕事が運転士さんなんですね。いきなり運転士さんというのもなかなか難しいので、最初は駅員さんを始めて、電車がどうやって動いているのかを勉強するんですね。

次に車掌さんになるんです。車掌さんは実際に動いている電車に乗っていて、運転操作はしませんけれども運転の指示を出したり……“ここから駅を出発して良いですよ”とか、そういうことはしますから、信号とか路線ごとの約束ごとは全部覚えていなければいけないんですね。

こういう訓練をした後に運転士さんを目指すんですけれども、運転士というのは国家資格なんですね。国が発行する免許を取らなければいけないんです。その免許を取るためには法律でいろいろ決まっていて、例えば視力が良くないとだめですよとか、色覚異常がない人でないとだめですよとか、身体能力の資格があって、それから筆記試験ですね。クレペリン検査というのがあって、単純作業というか、難しいことでも頑張ってどんどんやっていけるかをみる筆記試験を受けて……」

アナウンサー「筆記試験って分かりますか、○○君?」

梅原先生「机の上でやるテストですね。」

質問者「はい。」

梅原先生「これは必ず受からなければいけないので、鉄道会社で試験をやって……車掌さんをできるぐらいの人というのは、こういうものはほとんど大丈夫なので、ほとんど落ちないですね。それで車掌の経験も積んできました、鉄道会社では駅員から始まって車掌さん…少なくとも2年くらいはそういう経験を積ませて、まあ5年くらいかかる人もいますけれど、鉄道の勉強をして、それで運転士さんになる希望者は運転士の免許を取るんですね。その養成を受けるんです。その時に○○君が言っていたシミュレーターでまず訓練をするんですね。」

アナウンサー「ここで初めてシミュレーター出てくるわけなんですね。」

梅原先生「そのシミュレーターが終わったら、さっき本運転って言いましたよね? いきなり電車の運転をするのかというとそうでもなくて、ベテランの運転士さんの隣で見てるんです。電車に乗ると、たまーに勉強中の人が…運転士の先生が運転していて、その横に立っているとか、その逆もあるんですね。要するに教習中の人もいるんですけれども。

運転って、もちろん操作ですから慣れとか技術とかの問題ですけど、科学にも少し関係があって、鉄道の運転でいちばん難しいのは、実は時刻通りにある目的地、次の駅に時間通りに停めなければいけないことなんですね。ただ走って停められれば良いだけではないので、頭の中で計算しながら走ってるんですよ。分かりますか?」

質問者「はい。」

梅原先生「いろんな人で計算方法があるんですけど、○○君がもうちょっとすると……たぶん小学校4年生ぐらいかな…台形という形があって、四角形の上の辺と下の辺が平行で、左右が三角形みたいな斜めになっている、実はあれをイメージしながら運転してるんですね。これの面積が次の駅までの距離で、下の辺が全体の時間、上の辺が最高速度で走った時間…なんてことをイメージしながら。そうするとあと何分くらい最高速度で走らなければいけないかな、もうちょっとスピードを緩めた方が良いかなとか考えながら運転してるんです。

まあ、そのへんは人によって違いますし、実はそういうことも計算してくれる電車もあって、それがメーターに出てきますけれども、実は算数が得意でないとなかなか大変かな、ということはあります。」

アナウンサー「○○君は算数は好きですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「あら~、そうですか! ○○君は将来、運転士さんになりたいとか車掌さんになりたいというような夢はあるんですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「何になりたいのかな?」

質問者「車掌さんです。」

アナウンサー「じゃ、いずれは運転士さんにもなりたいと思ってるんですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「それは楽しみですね。これから算数を一生懸命勉強して、そして車掌さんや運転士さんになる姿を見られるのを楽しみにしてますからね。」

質問者「はい。」

 

次のお友だち

質問者「こんにちは!」

アナウンサー「あ~元気ですねえ。お名前と、次、何年生になるのか教えてください。」

質問者「○○君です。今度2年生で、昨日が誕生日でした。」

アナウンサー「わあ! おめでとうございます!」

スタジオ内「(拍手)パチパチパチパチ」

国司先生「(笑)おめでとう~。」

アナウンサー「実はさっき電話してきてくれた…」

質問者「はい、今日が誕生日だったっていう子がいましたよね。」

アナウンサー「聞いててくれたの? 本当におめでとうございます。」

 

Q4 ハシビロコウのくちばしは先が曲がって

  いて、猛禽類みたいな形なのに、どうし

  てタカ目じゃなくてペリカン目になった

  のか、ということです。(小2男子)

 

国司先生「ほおおお~。」

川上先生「はい、どうもこんにちは~。○○君、お誕生日おめでとうございます。」

質問者「ありがとうございます。」

川上先生「ケーキとか食べました?」

質問者「はい。」

川上先生「良いですね。今日はお昼ご飯もちゃんと食べましたか?」

質問者「はい。」

川上先生「お昼ご飯は何を食べました?」

質問者「カレーです。」

川上先生「良いですね。ジャガイモとか入ってた?」

質問者「はい。」

川上先生「良いです良いです。じゃあ今日の質問なんですけれども、ハシビロコウのくちばしはタカみたいに先端が曲がっているんですよね。でもタカの仲間じゃなくてペリカンの仲間なのは何でなんだろう、ということですよね?」

質問者「はい。」

川上先生「ペリカンの仲間だっていうの、よく知ってますね。図鑑に載ってました?」

質問者「図鑑で調べました。」

川上先生「実はね、ハシビロコウって似たような仲間がいなかったから、昔から何の仲間か分からなかったんです。最初はコウノトリの仲間じゃないかとよく言われていたんですよ。でも、どうもコウノトリとも違うらしいということで、いろいろ調べて、人によってはサギの仲間じゃないかと言ってたこともあります。」

質問者「はい。」

川上先生「コウノトリと言われてたのは形が似てるから。そしてサギの仲間と言われていたのは、体の中の内臓から出てくる胆汁酸というものがあるんですけど、その成分がどういう成分なのかを調べたらサギに似てたから、ということでサギに近い仲間じゃないかと言われたことがあります。」

質問者「はい。」

川上先生「その後で骨の形をしっかり見たり、卵の殻を調べたりして、これはペリカンに似てるんじゃないかという話になって、最後はDNA…DNAって分かります?」

質問者「はい、ハヤブサがインコの仲間とか調べたやつですか。」

川上先生「そうそうそう。そこでDNAを調べてみたら、ペリカンに近いことが分かりました。特にいちばん近いのは、実はペリカンというよりはシュモクドリという鳥に近いということが分かってきました。」

質問者「へえええ。」

川上先生「じゃあ、ここで気になるのは、鳥のくちばしの形が何で似ているのか、というところですよね?」

質問者「はい。」

川上先生「じゃ、そこについて考えていきたいと思うんですけれども、ハシビロコウは何を食べてるかは知ってますか?」

質問者「はい。ハイギョみたいな巨大な魚です。」

川上先生「よく知ってますね~、ハイギョとか食べてます。タカはどういうものを食べてるか知ってますか?」

質問者「タカが食べているものは、例えば小鳥とか。ミサゴは魚とかですよね?」

国司先生「(笑)ん~ふふふふ……」

川上先生「当たりです。よく知ってますね!

じゃあ、ここで食べ物を獲る時のことを考えてみたいんですけれども、○○君は食べ物を食べる時、どうやって捕まえますか?」

質問者「箸とかスプーンとかで。」

川上先生「そうだよね。手を使って箸やスプーンを使うよね。タカはどうやって捕まえるか知ってます?」

質問者「くちばしとか足で捕まえる。」

川上先生「実はくちばしじゃなくて、足をよく使うんですよ。」

質問者「へえええ!」

川上先生「例えばミサゴが魚を捕まえるって言ってたよね? そういう時どうやって獲ってるか、テレビとかで見たことありますか?」

質問者「えーっと、DVDで、足とかで捕まえてました。」

川上先生「足で捕まえてるんですね。」

質問者「でもカワセミとかはくちばしで……」

川上先生「そう、カワセミはくちばしだよね。ハシビロコウはどこで捕まえるか知ってる?」

質問者「くちばしで、水に飛び込みます。」

川上先生「そうですね。食べ物を獲る時にタカは足を使ってるけれども、ハシビロコウは口を使ってるんですよ。じゃあ、タカのくちばしの先端がギュッと曲がってるよね。あれとハシビロコウのくちばしの先端が似てるわけだけれども、タカはそれを何のために使ってると思いますか?」

質問者「肉を…ふつうのまっすぐのくちばしだと肉をちゃんと取れなくて、食べられなくて、でも、先が曲がっていると引っかかって食べれるから?」

川上先生「そうだね。曲がってるから肉を切り裂いて食べているんだよね。大きな食べ物、例えば大きな鳥を捕まえた時に丸飲みにするんじゃなくて、切り裂いて食べてるよね。」

質問者「はい。」

川上先生「ということは、あのくちばしはナイフの役割を果たしているんだということが分かります。じゃ、ハシビロコウは食べる時にどうやってると思いますか?」

質問者「丸飲みしてる。」

川上先生「そう! 同じような形に見えるけれども、ハシビロコウは先端の曲がっているところを、ナイフとして使ってないんだよね。じゃあ何のために使ってると思いますか?」

質問者「獲る時に鱗に引っかかる。」

川上先生「そう。ハイギョとかナマズというのはヌルヌルしてますよね? それを食べる時には先端に引っかかるようになっていると、獲りやすいですよね?」

質問者「はい。」

川上先生「今日、カレーを食べる時にジャガイモが入っていた。ジャガイモをお箸で取ろうと思うとツルッと滑って食べにくいよね? でも箸の先端がキュッと曲がっていて、引っかけられるようになってたら、箸でもカレーの中のジャガイモを捕まえることができるかもしれない。」

質問者「ああああ、はい。」

川上先生「ということで、形は似てるけれども、実はタカのくちばしの先端と、ハシビロコウの…」

質問者「役割が違う?」

川上先生「うわああ~、言いたかったのに先に言われちゃったねえ!」

アナウンサー「いやあ、本当すごいですねー! ○○君!」

質問者「夢が鳥類学者で、近くで鳥の観察とかをしています。」

川上先生「お! 素晴らしいですねえ! 今、考えていって最後に自分で答えを出すことができたから、それは鳥類学者としての考え方がある程度できているということだと思います。

鳥の体の中でくちばしは、食べ物を扱うという重要な部分なので、すごく変わりやすいんだよね。だからそれぞれの形をしてるんだってことが分かるかなと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君は川上先生の大ファンなんですよね。川上先生、○○君にメッセージをお願いします。」

質問者「あの、昨日が僕の誕生日だったんですけど、4月の11日が川上先生の誕生日って聞いたので、おめでとうございます!」

川上先生「おっ、よく知ってますね! ありがとうございます。じゃあ僕からも○○君に、まずはおめでとうございます! そして僕にも誕生日のことを言ってくれてありがとうございます。」

質問者「はい、ありがとうございます。」

 

Q5 ボーイング767ー300ERにはウィングレッ

  トがついているのに、ボーイング777

  300ERにはついてないのはどうしてです

  か?(小2男子)

 

国司先生「(笑)ウハッ。」

今野先生「専門用語が多かったので、ラジオを聞いてる皆さんに分かるように、ちょっと説明させてください。

まずボーイングというのは、アメリカの飛行機を作ってるメーカーになります。767とか777というのは飛行機の種類になります。

さあ、質問の重要なところ、ウィングレットというものが何かを説明しますね。飛行機の大きな翼の外っ側に垂直、上に折れ曲がった小っちゃい翼がついてるんですけれども、それのことをウィングレットと言います。見たことある人はすぐピンとくるかなと思いますけど、」

アナウンサー「翼の折れ曲がった部分なんですね。」

今野先生「いちばん外っ側の折れ曲がった、小っちゃい翼みたいのがあるんです。」

アナウンサー「外側にある……あ、何となく分かった。○○君もよく目にするんですか?」

質問者「はい。」

今野先生「何でそんなものがついてるかというと、飛行機の翼の端っこで、どうしても空気の渦ができてしまうんですよ。それが空気抵抗、前に進む力の邪魔をする力の原因になります。ウィングレットは上に折れ曲がって、この翼の端っこの渦をブロックするんですよ。そうすることで空気抵抗を減らしてエンジンの燃費を上げるという、そんな役割があります。これがウィングレットというものになります。」

アナウンサー「上に折れ曲がったウィングレットがあって、空気の渦にぶつかる?」

今野先生「ぶつかるんです。これがウィングレットの役目です。

じゃあ○○君、やっと質問にお答えしますね。767ー300ERはウィングレットがあったと。777ー300ERにウィングレットがついてるかどうかなんですけれども、上に折れ曲がってる翼はついていません。でも、似たような役割のものは、実はついてるんですよ。」

質問者「ええ?」

今野先生「何がついてるかというと、ウィングチップというものがついてるんですよ。○○君、知ってます?」

質問者「はい。」

今野先生「おお? 知ってるの?」

アナウンサー「え? 何ですか? ○○君、教えて?」

質問者「えーと、……例えばエアバスA320ー200っていう機種には、ウィングチップフェンスってやつがついていて…」

今野先生「(笑)そうです、詳しい。」

アナウンサー「そうなんですか。先生、そのウィングチップは何か教えてください。」

今野先生「ウィングチップというのは、ウィングレットみたいな上向きに大きく曲がってるわけじゃなくて、翼の端っこで……三角形みたいな、小っちゃいウィングレットみたいなものがついているんです。それで777には、ウィングチップの中でもレイクドウィングチップというものがついています。これは何かというと……○○君、説明しますよ、聞いててくださいね。」

質問者「はい。」

今野先生「777についているレイクドウィングチップはどういうものかというと、翼の端っこで、上じゃなくて、後ろに折れ曲がってる小っちゃい翼みたいなものなんですよ。鳥のツバメの端っこみたいな、後ろにちょっとグッと曲がってるような、そんな形の小っちゃい翼がついています。」

質問者「はい。大きい機体こそウィングレットとかが……そのチップフェンスみたいなやつだったら、ちょっと小っちゃめのように見えるんですけど、図鑑で見たら大きめなんですけど、ウィングレットは大きい機体こそ必要だと思うんですけど、どうしてボーイング777ー300ERにはついてないんですか?」

今野先生「ほうほうほう、なるほど……。じゃあ、もうちょっと説明しますね。このウィングレットをつけると、まっすぐ飛ぶのには燃費がすごく良いんですけれども、旋回性能、曲がったり傾いたりする時に邪魔になってしまうんですよ。なので曲がりにくくなっちゃうんですよね。

大きな飛行機って、そもそも大きいので曲がりにくいんですよ。なので大きなウィングレットをつけちゃうと、さらに曲がりにくくなっちゃうので嫌なんですよね。なので大きな飛行機には、今言ったウィングチップみたいな小っちゃめなものがついています。小っちゃい飛行機はそもそも動きが機敏で、よく動けるので、大きめのウィングレットをつけてても旋回性能は損なわれない。直進も良くなるし旋回も良くなるので、小っちゃい方が大きめなウィングレットがついてたりします。

○○君、分かった? ごめんね、ちょっと難しくて。」

質問者「はい。」

アナウンサー「ボーイング767と777というのは、両方とも大きな飛行機なんですか?」

今野先生「大きな飛行機ですけど、777の方が一回り大きいです。」

アナウンサー「その777にウィングレットがついてないのはどうしてかというと…?」

今野先生「今言った通り、旋回性能とのバランスですよね。」

アナウンサー「旋回性能とのバランスというと、ウィングレットがあると曲がりにくくなってしまうんですね? なのでウィングレットではなくて、ウィングチップフェンスというものがついているということなんですね?」

今野先生「レイクドウィングチップというものが777にはついてます。」

質問者「レイクドウィングチップ。」

今野先生「後ろに折れ曲がったウィングチップですね。」

アナウンサー「○○君、今までの話を聞いて、どうですか?」

質問者「はい、よく分かりました。」

今野先生「おおお、ありがとう。」

アナウンサー「○○君、それにしてもすごく詳しいですね。」

質問者「ヘヘヘヘ(笑)。」

アナウンサー「(笑)かわいらしい。どうしてそんなに飛行機に詳しくなったの?」

質問者「最初に、お母さんが図書館で、『飛行機事故はなぜなくならないのか』という本を借りてきて、面白いからそれをずっと読んでたら、飛行機が好きになって、飛行機のことを調べたりして、たぶん詳しくなった。」

アナウンサー「じゃ、どうして飛行機事故が起きるのかという本を、自分から読んだということなんですね?」

質問者「はい。」

今野先生「すごいですね。いきなり難しいところから入ってますね。最初はカラフルな飛行機がきれいだなとか、そういうところから入ると思うんですけど、いきなり飛行機の事故から入るとなると……いや、これはすごいですね。」

アナウンサー「○○君、将来は何になりたいという夢はあるんですか?」

質問者「まだ候補がいっぱいあるんですけど、ちょっとパイロットはあきらめて、」

今野先生「えっ、何で(笑)?」

質問者「何か、その、クラス? …いや別にできるはできると思うんですけど、たぶんクラスの……クラスじゃないんだよな…」

アナウンサー「難しいイメージがあるのかしら?」

質問者「何か、ちょっ、いや……でも、……自分でも理由が分からない。」

アナウンサー「分からないですよね、そうですか。」

質問者「その、将来の夢は、ソフトバンクホークスの野球選手か、電車の運転士か、小学校の先生か、キャビンアテンダントか。」

今野先生「おおお……。」

アナウンサー「いろーんな夢があるんですね。」

質問者「あと、リサーチャーとか。」

アナウンサー「調べることですね、まだまだ夢をいっぱいふくらませた状態で成長していってくださいね。」

 

次のお友だち

アナウンサー「お名前と、次何年生になるのか教えてください。」

質問者「え? お名前と?」

アナウンサー「お名前を、まず教えてください。」

質問者「○○です。」

アナウンサー「○○君ですね。何年生になるんですか?」

質問者「1年生です。」

アナウンサー「小学校1年生なんですね。ランドセルはもう準備してると思いますが、何色ですか?」

質問者「黄色と青と黒と……。」

アナウンサー「カラフルなランドセルなんですね。」

質問者「あと何色やったっけ、忘れた……。」

アナウンサー「楽しみですね。天文・宇宙についての質問ということですが、それでは質問をお願いします。」

質問者「あのさぁ、前、質問したやつやねんけど。」

アナウンサー「じゃ、その質問を今、言ってみてくれるかな?」

 

Q6 はやぶさ2が帰ってきたら何が分かる

  ぅ?(小1男子)

 

国司先生「今度1年生なんだ。おめでとう。きっとたくさんお友だちできるね。

さあ、そこで、は・や・ぶ・さって知ってたね。小さな惑星といって、小惑星って聞いたことある?」

質問者「うん。本で、いつも読んでる!」

国司先生「読んでるんだ。その小惑星の中の、リュウグウという名前の小惑星に行って、いろいろ観察をしたり、表面の土とか、表面よりちょっとほじったところの石を採取したのね。」

質問者「ねえねえ、あのさ、イトカワはやぶさなん?」

国司先生「今飛んでるのははやぶさ2で、イトカワっていうのは、その前のは・や・ぶ・さっていう探査機が行った小惑星なんだよ。」

質問者「はやぶさワン?」

国司先生「そう、初号機というんだけどね。はやぶさ2が行ったのがリュウグウという名前の小惑星なんだよね。それは知ってたんだよね。」

質問者「うん。」

国司先生「イトカワっていう小惑星と、リュウグウという小惑星の違いって、何か本に書いてあった?」

質問者「イトカワは…イトカワの方が岩石…(聞きとれず)手でつぶれるぐらい柔らかい?」

国司先生「よく知ってる! そうそう、岩石で、つぶれるくらい柔らかいんだ。じゃあリュウグウは?」

質問者「分からない。」

国司先生「そうなんだな。実はイトカワリュウグウを比べると、リュウグウの方が写真に撮ると暗いんだよ。黒っぽいの。」

質問者「でもイトカワスカイツリーより小さいの?」

国司先生「うん、そのくらいの大きさだよね。リュウグウはそれよりちょっと大きくて、さっき言った暗い、黒っぽいというのは、確かに石がいっぱいあってできてるんだけれども、その石の中に炭素…炭素って聞いたことある? 炭みたいな。」

質問者「うん。炭酸っていうやつの炭っていうの?」

国司先生「炭酸じゃなくて炭素っていう炭みたいなものが、いっぱい入ってるらしいんだよ。その炭、炭素でどんなものができるかというと、例えば○○君が食べているいろいろな食べ物とか、それから木もそうだし、体を作っているもの。木とか花とかも、みんな炭素というものがないとできないのね。」

質問者「ふううん。細胞? 細胞でできてるんじゃないの?」

国司先生「うん、細胞でできてるんだよ。その細胞の中に炭素というのが入ってるのね。」

質問者「へええ。」

国司先生「イトカワよりもリュウグウの方が炭素がたくさんありそうだというのは、ちょっと黒っぽく見えるからですけれども、その石とか、少しほじったところの石を持って帰ると何が分かるかというと、まず、どうして地球には○○君みたいな人間、木も植物もいっぱいあって、そういう生命がどうやって地球に出来上がってきたのか、どうやって発生したのか、というのが分かってきそうなんだって。

それからもう1つは、○○君は、地球は何の周りを回ってるか知ってる? 聞いたことある?」

質問者「………」

国司先生「お日さま、太陽の周りを回ってるんだよ。」

アナウンサー「○○君、分かりますか?」

質問者「………」

アナウンサー「○○君?」

国司先生「あれれ?」

アナウンサー「あれ? ○○君? ……(笑)電話はつながってるようですが。……聞こえるかな? ○○君?」

質問者「………」

国司先生「あら。」

アナウンサー「もしかしたら、お電話の先にはいないのかな? お電話をつなぎ直したいと思います。」

国司先生「まず、黒っぽいというのは、炭素というものが他の小惑星に比べて多い。その炭素というのは地球上の生き物を作る1つの材料になるわけなんですね。それがいっぱいある小惑星を調べると、地球の生命がどうやって出来上がってきたのか、それから地球というのは太陽系の第3惑星といいまして、太陽の周りを回ってる惑星です。そういった太陽系がどのようにして出来上がったのか。それから○○君がイトカワとか違う小惑星も知ってたように、これが何十万、いやもっとたくさんあるんです。どこにあるかというと、地球の1つ外側の火星の通り道と、もう1つ外側の木星の通り道、その間にたくさんの小惑星があるんです。リュウグウは比較的地球に近いところを通っていく軌道だったものですから、はやぶさ2が上手いこと接近できたということのようです。」

アナウンサー「○○君、つながりましたか?」

質問者「はい!」

アナウンサー「よかったです。話を続けていきますね。」

国司先生「○○君、地球以外に火星とか木星という惑星があるのは聞いたことあるよね?」

質問者「知ってる。木星はガス惑星で太陽系で最大の、火星は地球の半分の大きさの惑星?」

国司先生「(笑)そうだよガス惑星、よく知ってる。その小惑星も太陽系の中の天体なんですが、」

質問者「火星と木星の間にあるんだよ。」

国司先生「(笑)よく知ってるなあ。そういった太陽系が、どのようにして出来上がったのかも、小惑星の岩石を、サンプルリターンと言いまして、地球に持って帰ると分かるんですよ。とっても楽しみだね。」

質問者「ねえねえ、あのさあ、小惑星の最大はケネスやろう?」

国司先生「そうなんです。ケネスとかね。これは直径が1000キロぐらいあるんですよ。」

質問者「へええ。」

アナウンサー「○○君、はやぶさ2が帰ってくるのが楽しみですね。」

質問者「うん。なぁなぁ、イトカワリュウグウは地球と火星の間にあるんやろう?」

国司先生「そう。わりと地球に近いところを通る軌道、通り道を持ってるんです。だからはやぶさ2は遠くまで行かなくて、表面の岩石を採ることができたんだね。よく知ってるね。」

質問者「なぁなぁ、火星と地球の間やろう?」

アナウンサー「○○君ごめんね、これからニュースの時間になってしまうので、ここで電話を切らせてもらいます。ごめんなさいね。」

質問者「はぁい。」

 

これで終わりと思ったら

アナウンサー「○○君のお話の途中でしたね。再び電話をつないでみましょう。○○君?」

質問者「はーい。」

アナウンサー「リュウグウの軌道と地球の軌道がすぐそばまで来ているというお話の途中でしたね。」

国司先生「そうなんだよ、○○君がよく知ってる通り、リュウグウは地球のけっこうそばまで来る小惑星なんです。それはどうしてかというと、ほとんどの小惑星は火星と木星の間を回っているんですが、小惑星どうしがガチャーンなんてぶつかっちゃったりすると、ほら○○君、ボールを蹴ると違う方向に飛んでっちゃったりするでしょう?」

質問者「うん。」

国司先生「それと同じようにして、メインベルトというんですけど、木星土星の間から…」

質問者「知ってる。」

国司先生「知ってる? それで地球の方に近づいちゃうものがけっこうあるの。だから自然ってのは面白くて全部同じじゃなくて、ずいぶん例外というのもあるんだよね。それで、このリュウグウが地球にも近づくし、炭素がいっぱいありそうだということで、はやぶさ2が行こうということになったらしいよ。今年の12月くらいかな、表面の岩石を持って帰ってくれるから楽しみだね。」

質問者「うん。」

アナウンサー「○○君、一緒に楽しみに待ちましょう。今日はお電話どうもありがとうございました。」

質問者「はい。またかけるね。」

 

         ~0時台、1時台終わり

 

 

 

 

 

 

 

子ども科学電話相談 春スペシャル4/2(動物、科学、昆虫、植物、車)

4/2のジャンルは

 動物 成島悦雄先生

 科学 藤田貢崇先生

 昆虫 丸山宗利先生

 車 由良拓也先生

 植物 田中修先生

 

前日4/1は国会中継でまるまる中止。

 

アナウンサー「成島先生、春スペシャルは5回目のご出演で、ありがとうございます。動物にとって4月というのは、どのような時期なんでしょうか?」

成島先生「冬は寒くて縮こまっていたのが、だんだん暖かくなってきて、動物も“よーし、これから僕たちの季節だ”と活発に活動する時期なんですね。種類によってはこれから赤ちゃんが生まれるということで、にぎやかになるシーズンですね。」

アナウンサー「繁殖の季節なんですね。にぎやかになるということは、窓なんか開けてみると聞こえるかもしれない。」

成島先生「声がね。鳥はさえずりが楽しめますね。」

 

アナウンサー「藤田先生も春スペシャル5回目のご出演でいらっしゃいます。子どもたち、1ヶ月近く家の中を中心に過ごしている方もいらっしゃると思いますが、藤田先生はどんなふうに過ごしたら良いと感じていらっしゃいますか?」

藤田先生「今、なかなか自由に外に出ることができない状況で、窓を開けて換気しなきゃいけないですからね。窓を開けてみて、どんなふうに感じるかというのを、ぜひ確認して…確かめてくれたら良いと思うんですね。さっき成島先生も仰った通り、鳥の声とか、いろんな声が聞こえたり、あるいは3月の初めと今とでは肌当たりというんですかね、ちょっと違うと思うんですよね。それからにおいも天気によって、雨の日だと…雨が吹き込んでくるような時に窓を開けるのはアレですけど(笑)、少し柔らかく降ってる時だと、雨のにおいがしますよね? その雨のにおいを感じてみたりとか、昨日とどんな違いがあるのかを楽しみにしながら窓を開けるのも、換気の目的にも良いかもしれないですよね。」

 

丸山先生、由良先生、田中先生は電話回答。

 

Q1 3年生の時、学校の理科で使った磁石

  に、砂鉄がたくさんくっついちゃったん

  だけど、その砂鉄を取ろうといろいろや

  ってみて頑張ったんだけど取れなくっ

  て、どうやったら砂鉄を取れるか。ま

  た、その砂鉄を再利用したいんだけど、

  その再利用できる方法は何かを聞きたい

  です。(小4男子)

 

藤田先生「○○くん、元気に過ごしてますか?」

質問者「はい。」

藤田先生「磁石にくっついた砂鉄を取りたいということですよね。そして、取った砂鉄をまた使いたいので、砂鉄だけを分けてほしい。そういう質問ですよね?」

質問者「はい。」

藤田先生「聞いてる他のお友だちは、“これって何で科学なんだろう”って思うかもしれないですけど……もちろん本人が科学だと思えば科学なんですけど、どんなものが中に入ってるかというのを分析科学といいますけれども、実はこれは、その1つの方法でもあるんですね。どうやってバラバラにするか、どうやって分けようかという、その方法をいろいろ考える。その基礎ですよね。○○君はそういう点を不思議に思って聞いてくれたので、今回ぜひ答えようということですね。」

アナウンサー「はい、お願いします。」

藤田先生「○○君、木工用ボンドって知ってます?」

質問者「知ってます。」

藤田先生「白っぽいやつですよね。さっき話してくれた通り、磁石に砂鉄がくっつくと、なかなか取れないんですよ。手で取ったりもしました?」

質問者「ビニール袋に磁石を入れて、ビニール袋の外から手で砂鉄をつまんで取ってみたんだけど、なかなか時間がかかりそうで、なかなか取れませんでした。」

藤田先生「そうですよね。初めから磁石をビニール袋に入れておいて、砂鉄を触ればよかったんだけど、それをやってなかったということですよね。」

質問者「はい(笑)。」

藤田先生「(笑)大丈夫です。木工用ボンドを砂鉄がくっついた磁石に塗ってみたら良いと思うんです。木工用ボンドって、初めは白いですけれども、乾くと透明になりますよね?」

質問者「なりますなります。」

藤田先生「そしたら、乾いたところで磁石からペリペリ剥がすんですよ。」

質問者「ほう。」

藤田先生「そしたら砂鉄は木工用ボンドにくっついて剥がれますよね? それでも磁石にまだくっついてるようだったら、それを何度か繰り返して、砂鉄がほとんど取れたぐらいにしてくれればいいと思うんですよ。」

質問者「はい。」

藤田先生「そうすると、磁石はきれいになったけど、今度は砂鉄をもう1回使いたいということですよね? 木工用ボンドって、実はお湯に入れると溶けちゃうんですよ。」

質問者「ほう。」

藤田先生「○○君が必要とする砂鉄は、木工用ボンドの乾いたものにくっついてるので、小さい容器にお湯を張って、その中に乾いたそれを入れる。そうすると木工用ボンドが溶けて、砂鉄が別になってくるわけですよね。」

質問者「おおお。」

藤田先生「その砂鉄をもう1回利用するんだから、また磁石でくっつけちゃったら同じことになっちゃうでしょ?」

質問者「はい。」

藤田先生「どうするの?」

質問者「……うーん……。」

藤田先生「さっき○○君が言ってくれた通り…? 磁石を? どうやって砂鉄を取ればいいの?」

質問者「うーん…。」

藤田先生「お湯に入ってる砂鉄を取るには?」

質問者「えっとー、ビニール袋に入れた磁石を近づける?」

藤田先生「そうです! すごいですね! ビニール袋に磁石を包んで入れれば、砂鉄は取れてくるよね? 磁石をビニール袋から外せば、砂鉄はパラッと下に落ちるわけですよね? それをまた大事に…大事にというか(笑)何度でも使えばいいということですね。」

質問者「先生、でも砂鉄って鉄が含まれているから、お湯に入れたら錆びちゃうんじゃないですか?」

アナウンサー「おおお……。」

藤田先生「なるほど。そうですね、錆びちゃいますね。錆びって酸化ということなんですけれども、多少は錆びてしまうけれども、すぐ取り出して、新聞紙の上とかで平たく伸ばして、水分を取ってしまうと良いですよ。水分はなるべく早めに取ってあげることですね。」

質問者「はぁ。」

アナウンサー「濡れた状態にしておくと錆びやすいですから、乾かせば良いんですって。○○君がすごいなと思ったのは、また新しいのを買おうと思うのではなくて、再び利用しようと思ったんですね?」

質問者「はい。」

藤田先生「取り出すのはいいけれど、水に入れたら錆びちゃうでしょっていうのも、よく考えてる。シミュレーションしてるわけですね。だから錆びないように手早くやると。よく学生たちと実験で、クリップを水に入れると、やっぱりすぐ錆びちゃうんですね。1時間もおけば。今言ったように、すぐ乾かすとかいろいろやってみたら良いと思うんですけどね。」

アナウンサー「○○君は、将来何になりたいという夢はあるんですか?」

質問者「あります。」

アナウンサー「何ですか?」

質問者「うーん、科学の先生じゃないんだけど、」

藤田先生「(笑)ンフフフ」

質問者「宇宙関連の仕事とか、そういう仕事をしたいです。」

アナウンサー「いいですね! 夢が広がって…藤田先生、宇宙関連の夢ですって。」

藤田先生「楽しみですね。こういうふうに身の周りの疑問を、どうやったらうまくいくだろうか、どうやったら自分が考えた通りにいくだろうかとらいろんなことを試しながらやっていくのは、きっと将来の力になると思うので、○○君、これからもいろいろ頑張ってみてね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「その夢を応援します。そして、実験してみて分からないこと、疑問に思ったことがあったら、ぜひ電話してくださいね。どうもありがとうございました。」

質問者「ありがとうございました。さよなら。」

アナウンサー「とってもよく考えていて、頼もしいですね。」

藤田先生「“錆びる”は、言われて一瞬、“あ、そっか”と思ったんですけど(笑)。」

アナウンサー「(笑)ビックリされてましたよね!」

藤田先生「きっと何とかなると思います。」

 

Q2 チーターやライオンは走るのに、なぜウ

  サギやカンガルーはピョンピョン跳ねる

  のですか?(小3女子)

 

アナウンサー「○○さんは、実際にウサギやカンガルーがピョンピョン跳ねてるのを見たことありますか?」

質問者「テレビで見たことがあります。」

成島先生「小学校3年生になるんだ、おめでとうございます。」

質問者「ありがとうございます。」

成島先生「元気にしてますか?」

質問者「はい。」

成島先生「○○さんから頂いた質問ですが、チーターやライオンは走りますね。前脚と後ろ脚を順番に使って、ものすごく速く走りますよね? ウサギやカンガルーは跳ねると言ってくれましたけれども、テレビや映画で見たことがあるんだ?」

質問者「はい。」

成島先生「ウサギはどんなふうにして跳ねてました?」

質問者「んと、………跳ねる時は前脚が前に出てて、後ろ脚で蹴るように跳ねてた?」

成島先生「よく見てたね、そうなんですよ。○○さん、ケンケンパって知ってる? そういう遊びをしたことありますか?」

質問者「はい。」

成島先生「よかった。片足でケン、もう片足でケン、あと両足でパって着きますよね? あれと同じようにウサギは走ってるんだよね。跳ねると言ってもいいかもしれませんけど、まず右の前足を着くでしょう? それから左の前足を着いて、それから両後ろ足がきてジャンプして、またピョーンと長い距離を跳ぶわけだよね?」

質問者「はい。」

成島先生「体のつくりを見てみると、ウサギの前脚が2つあるでしょう? それから後ろ脚が2つありますよね? 前脚と後ろ脚、どっちが長いと思いますか?」

質問者「………んー? …後ろ?」

成島先生「そう、後ろ脚の方がうんと長いんだよ。だから前足がピョンピョンって、あるいはケンケンって着いて、後ろ足の順番になったら、後ろ脚がとっても長いので、長い力でジャンプして……筋肉がよく発達してるんだ。それでピョーンと跳ぶわけ。」

質問者「うん。」

成島先生「じゃ、カンガルーの方を見てみようか。カンガルーはどういうふうにジャンプしてましたか?」

質問者「前足は……うーん、人間みたいに立ってる感じで、後ろ足だけで跳んでる?」

成島先生「よく見てたねえ! そうなんだよ! 同じ跳ね方でもウサギとは違うね。ウサギは前脚を使って、後ろ足でバーンとジャンプしてたけどカンガルーは…でも歩く時は前脚を使うんだ。ウサギと同じように、前足をピョンピョンと着いて、後ろ脚でのっこり、ゆっくりと進むんだけれども、ジャンプする時は前脚を使わないの。後ろ脚だけでピョンピョンと跳ねる。カンガルーの場合は分かるよね? 前脚と後ろ脚、どっちが長いですか?」

質問者「後ろ。」

成島先生「そう。ぜんぜん違うんだよ。前脚の割合を考えると、カンガルーは後ろ脚の方がうんと長いのね。あそこに筋肉がいっぱいついてるの分かるかな? モリモリしてるでしょう?」

質問者「分からない。」

成島先生「今の状態が落ち着いて、みんなが安心して外に出れるようになったら動物園に行くとか、あるいはDVDとか映像でもテレビでも良いと思うけど、カンガルーが出てきたら、どんなふうに動いてるか見てくれる?」

質問者「はい。」

成島先生「その時に体のつくりをよく考えて、前脚がどのぐらい長いか、前脚と後ろ脚の比はどのくらいかというのと、筋肉のつき方を見てほしいな。そうすると、いかに後ろ脚に筋肉がいっぱいついていて、ジャンプをする力の源になってるのかが分かると思います。」

質問者「はい、分かりました。」

成島先生「まとめると、脚のつくりが違うんだね。ライオンやチーターの場合は、前脚と後ろ脚はほとんど同じ長さだけれども、ウサギやカンガルーは前脚がうんと短くて、後ろ脚が長くて、ジャンプするのによく向いた形をしてるんだね。カエルを見たことあるでしょう?」

質問者「はい。」

成島先生「カエルも同じなんだよ。カエルもジャンプするじゃない? やっぱり同じように後ろ脚がよく発達してるんです。」

アナウンサー「成島先生、どうして後ろ脚だけ筋肉がそんなについているように進化していったんですか?」

成島先生「ああああ……大変難しい質問を頂きました(笑)。」

アナウンサー「(笑)ごめんなさい。チーターやライオンは前脚と後ろ脚が同じぐらいのつき具合だとしたら、どうしてなのかなと思いまして。」

成島先生「ウサギも原始的なウサギは、前脚と後ろ脚の長さがけっこう同じようなんですよ。速く走って逃げるために……弱い動物ですから食べられちゃいますよね?」

アナウンサー「ウサギやカンガルーは比較的弱い。」

成島先生「草食性で肉食性じゃないから、草を食べて生きる動物ですから、逃げるためにトンネルに入るとか、木に上るとか、走って逃げることになると思いますけれども、その時にウサギやカンガルーは、後ろ脚を発達させて速く走る方向に進化したんだと思うんですね。」

アナウンサー「草食系のちょっと弱い動物は、走るよりは後ろ足を使って跳ねた方が速い?」

成島先生「速い。あと効率が良いんだろうと思います。ただ、草食動物で四つ脚で逃げるのもたくさんいるんですよ。」

アナウンサー「そういう動物ばかりではなくて。」

成島先生「そうです。ウサギやカンガルーはそちらの方向で進化して、速く逃げる道を見つけたんでしょうね。」

アナウンサー「へえええ……○○さん、今の説明で、ウサギやカンガルーがどうしてピョンピョン跳ねるのか、分かりましたか?」

質問者「分かりました。」

アナウンサー「お家でDVDなどを見て、一時停止ボタンを押して、筋肉のつき方をよーく見てみると良いかもしれませんよ?」

成島先生「そうですそうです、スローでゆっくり送ると良いですね。」

アナウンサー「○○さんは動物が好きなんですか?」

質問者「チーターやライオンはまあまあで、ウサギとカンガルーはかわいいから好き。」

成島先生「ああ~、そうかあ。」

アナウンサー「そうなんですか。これからもじっくり観察して、何か不思議に思ったことがあったら電話してくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○さんは、将来、このようなことをやりたいという夢はありますか?」

質問者「………」

アナウンサー「どうかな? 動物のお仕事じゃなくても、何か夢はありますか?」

質問者「はい。それは、うーんと、カフェの店員さん? です。」

成島先生「かわいい。(笑)フフフフッ。」

アナウンサー「かわいらしいですよねー! コーヒーは飲めないかもしれないけど、よく行くんですかね? 今は難しいかもしれないですけれども。 じゃ、その夢を抱きつつ、何か疑問に思ったことがあったら、またお電話してきてくださいね。」

質問者「はい。」

 

アナウンサー「この後はニュースです。そして1時からは予定を変更して、特設ニュースをテレビと同時にお伝えします。それが終わり次第、「子ども科学電話相談春スペシャル」を再開します。成島先生と藤田先生には申し訳ないですが、ここでお帰り頂きます。」

藤田先生「ありがとうございました。」

成島先生「お疲れさまでした。」

 

2時54分に番組再開し、すぐに音楽を1曲。そして電話出演の先生を紹介。

アナウンサー「丸山先生、お待たせしました。こんにちは。」

丸山先生「こんにちはー。」

アナウンサー「4月に入りましたけれども、4月といいますと、昆虫にとってはどのような時期なんでしょうか?」

丸山先生「冬の間、土の中に潜っていたり、葉っぱの陰で休んでいた昆虫が一斉に飛び出す時期でもあります。」

アナウンサー「3月よりも、やはり4月の方が活発に。」

丸山先生「ええ、これからどんどんと増えていく時期ですね。」

アナウンサー「今は家の中で過ごさざるを得ない子どもたちが多いと思いますが、そんな中で昆虫について、どのようなことができますか?」

丸山先生「可能であればベランダとかに植物を植えたら、いろんな昆虫が飛んで来るでしょうし、公園で遊んでいいのであれば、見方をちょっと変えると、いろんな昆虫が実はいることが分かりますので、これを機にじっくりと、外で虫を探してみるのも良いんじゃないかと思います。」

アナウンサー「特にこの時期、見ると面白いとか、こんな昆虫がいるよという虫はいますか?」

丸山先生「もう本当にいろんな虫が出始めているんですけれども、テントウムシとかですね。テントウムシって成虫で冬を越すものが多いですけれども、それが暖かい日にトコトコと植物の上を歩くようになるので、そういうものを見るのも面白いでしょうし、卵を生む光景も見られると思うので、そういう様子を観察するのも面白いんじゃないでしょうかね。」

3時のニュースをはさむのでここでまた中断。

 

Q3 カマキリはどうして死んだ虫だけは食べ

  ないんですか?(小1男子)

 

アナウンサー「○○君はカマキリを飼っているんですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「それで死んだ虫を与えてみたのかな?」

質問者「はい。」

アナウンサー「そしたら食べなかった?」

質問者「はい。」

丸山先生「良いところに気づいたね。理由が2つあります。1つ目はね、まずカマキリというのは、生きて動く小さな虫を見て初めてエサだと分かることができて、それを捕まえる習性になっているんです。カマキリは、においが分かりませんから、死んでいて動かないと、それがエサとなる虫だと分からないんです。逆に、カマキリの前で死んだ虫をゆらゆらと揺らせば、食べるということもあります。」

アナウンサー「カマキリはにおいが分からないので、においが分かる昆虫だったら、死んだ虫を食べるということなんですか?」

丸山先生「そうです。それはまた理由があって、2つ目の理由。これは1つ目がなぜなのかのいちばん大切な理由になるんですけれども、小さな虫は死んでしまうとすぐに腐ってしまいます。腐ってしまうと栄養も減ってしまって、ばい菌がたくさんいて、それを食べたカマキリはお腹を壊してしまう可能性があります。生きた虫というのは、とても栄養があって安全なので、それを選んで食べるようになってる。だから動く虫を食べることになっています。」

アナウンサー「なるほど。えっと、カマキリはにおいを…」

丸山先生「感じることができない。だから動いてる小っちゃな虫を見て、初めてそれがエサだと分かるので。」

アナウンサー「動きによって食べるか食べないか。動くものは食べると理解しているということなんですね。○○君、今のお話を聞いてどうですか?」

質問者「よく分かりました。」

丸山先生「ただ、虫によっては腐った虫とか動物でも平気で食べてしまうものがいて、そういう腐ったものを逆に喜んで食べる虫もいるんですね。

例えば、動物の死体を食べるシデムシという甲虫の仲間がそうで、そういう虫は腐ったものでも病気にならず、逆に栄養に変えるように、体のつくりがそうなってるんですね。」

質問者「へええ………。」

アナウンサー「ふんふんふんふん……でも、ちょっと疑問に思うのは、カマキリはにおいが分からないということでしたけれども、においが分かるからこそ、くさくて食べないという昆虫もいそうな気はするんですけれども。」

丸山先生「それはあると思います。ただ、生きた虫を食べるということを決めてしまったら、使わない体のつくりは要らないんですね。カマキリは生きて動いてるものさえ食べていれば、まず問題が起きない。だから、においが分かる必要がなかったんですね。」

アナウンサー「ということは、カマキリは動きを観察してるわけですから、例えば目が発達してるとか、そういったことはあるんですか?」

丸山先生「そうです。カマキリは頭のほとんどの部分が目で、すごく目が良いんですね。においの感覚が少ない代わりに、目がすごく大きくなっていて、獲物を見つけやすいようになってます。」

アナウンサー「○○君、カマキリって、目が目立つようになってますよね? ですから生きた虫、動きを判断して、“あ、動くな”と思ったら生きてると思って食べる。でも死んだ虫は動かないから食べないと理解してるんですって。」

質問者「はい。」

アナウンサー「じゃ、先ほど先生からもありましたけれども、例えば…こんなことする必要はないかもしれないですけれども、死んだ虫を人間が動かしてみて、そうするとカマキリは食べるかもしれないということですか?」

丸山先生「食べますね。ピンセットでつまんで、顔の前で揺らしたりすると食べます。」

アナウンサー「でも、それは本当はカマキリにとっては、あまり良くなかったりするんですか?」

丸山先生「そうですね。もちろん死んだばかりの虫をあげれば、カマキリの体に影響はないですけれども、死んでしばらく経って腐っちゃった虫を無理やり食べさせると、カマキリが病気になってしまうかもしれません。」

アナウンサー「じゃ、○○君、カマキリに何か与えたいと思ったら、生きた虫を与えてはどうかな? 先生、そういうことでよろしいんでしょうか?」

丸山先生「そうです。生きた虫が扱いにくい、弱った虫しか手に入らないようだったら、ピンセットでつまんでゆらゆらさせてあげると、食べると思います。」

アナウンサー「先生、虫以外にカマキリが好むものってないんですか?」

丸山先生「鶏肉は食べます。新鮮なものであれば。」

アナウンサー「新鮮な鶏肉ですね?」

丸山先生「ええ、脂身が少ないような肉とかですね。」

アナウンサー「○○君、鶏肉なんかを与えてみても食べるかもしれないということですよ?」

質問者「はい。」

アナウンサー「なので、お父さんお母さんに“これ、あげていい?”って聞いてみて、家のカマキリに与えるのも良いかもしれません。」

質問者「はい。」

 

アナウンサー「次は車ですよ。由良先生、こんにちは。」

由良先生「こんにちは。」

アナウンサー「車に興味がある子どもたちも多いんですが、この大変な時期、どう過ごしたら良いと思っていらっしゃいますか?」

由良先生「車に乗って外に出歩くことができないから、ちょっとつらいところですけど。自分の好きな車を、本やネットなんかで検索してみるのも面白いと思います。」

 

Q4 どうして消防車、パトカー、救急車は、

  事件とかが起こったら信号を守んないで

  行けるんですか?(小1男子)

 

由良先生「ああ、なるほど。消防車とか救急車とかパトカーは、急ぐ用事があるんですよね。例えば火事だったり、病気の人がいるから、少しでも早くその場所に行ってあげたいということになるよね?」

質問者「うん。」

由良先生「そういう時、信号が赤で止まってる時間も、もっと早く行きたいという気持ちになるので、それは信号を無視してるんじゃなくて、そういう車たちを緊急自動車というんだけど、その車たちが信号で止まらなくても行ける時は、必ずサイレンを鳴らしながら、明るいランプが上でクルクルと回ってます。これが回ってる時じゃないとだめなんですよ。」

アナウンサー「サイレンといいますと、例えば救急車ですとピーポーピーポー……」

由良先生「ピーポーピーポーとか、ウウ~とかですね。消防車ならカンカンカンとかいってますよね。」

アナウンサー「○○君はそういった音は聞いたことありますか?」

質問者「はい。」

由良先生「そういう車たちは無視するんではなくて、交差点ではすごく注意をして、“急いでいるので先に行かせてください”ということをスピーカーで、“緊急車両が通ります、緊急車両が通ります、道を譲ってください”と言ってると思います。」

アナウンサー「サイレンだけではなくて、緊急自動車が通りますというアナウンスが流れているということですね。」

由良先生「サイレンを鳴らして赤いランプが点いてる車が来た時は、周りの人たちは止まってあげなきゃいけないんです。それは決まってることなんです。“緊急車両が来ましたよ、早く行ってあげてください”って、みんなで譲ってあげるんですね。」

アナウンサー「○○君、事故とか急いで行かなければいけない時は信号無視ではなく、赤信号かもしれないけれども、交差点で注意をして、周りにアナウンスをしながら走ってるんですって。○○君、どうですか?」

質問者「分かりました。」

アナウンサー「例えば、お父さんお母さんが運転してる車で、消防車や救急車がサイレンを鳴らしながら通って行ったのを見かけたことがありますか?」

質問者「はい。」

由良先生「でも、周りも見ないでバキューンとは行かないでしょう?」

質問者「うん。」

由良先生「やっぱりね、緊急車両もすごく注意してますよ。“今からそこ通りますよ、気をつけてください”って言いながら通ってくと思います。そしたら周りのみんなは、“はいはい、急いで先に行ってください”って道を譲ってあげる。そういう譲り合いのルールになってるんです。」

質問者「はい。」

アナウンサー「とても良い、大事な質問ですね。○○君は車が好きなんですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「お父さんお母さんの運転で車に乗ったり、車を見たりするのが好きなんですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「本などで車を見たり、電車を見に行ったり、自分でどんなことをしていますか?」

質問者「………」

アナウンサー「○○君は、遊んだり見たり、車に関してどのようなことするのが好きなのかな?」

質問者「スポーツカー……。」

由良先生「いやあ、いいなあ~、スポーツカーが好きなんだあ、おじさん嬉しくなっちゃうな(笑)。」

アナウンサー「由良先生もレーシングカーデザイナーですから、スポーツカーはもう当然。」

由良先生「そうです、スポーツカー大好きなんですよ。」

アナウンサー「○○君はやっぱり、スポーツカーが格好いいって思うのかな?」

質問者「うん。」

由良先生「格好いいよね。でも消防車とか救急車の運転手さんも、なってみたいんじゃないの?」

質問者「……ウン……。」

アナウンサー「どうですか? 将来はどんなことをやりたいなと思ってますか?」

質問者「…ダンスのお兄さんに……。」

由良先生「おおお、格好いいなあ。」

 

アナウンサー「植物の質問にまいりましょう。田中先生、こんにちは。」

田中先生「こんにちは。」

アナウンサー「4月というと、さまざまな植物が花を咲かせる時期ですね?」

田中先生「はい、そうですね。」

アナウンサー「今はお家の中にいなければいけない子どもたちも多いですが、どういうふうに楽しんでほしいと思っていますか?」

田中先生「いっぱい花が咲いてくると思うので、花を見てると、ハチやチョウチョが飛んできて、花とそれが戯れてて、植物にとっては、この春という季節はすごく楽しいように見えるかと思います。

でもね、春に花を咲かせてる多くの草花というのは、今から種を作って枯れていくんですね。だから夏にはもう姿を消してるんです。

だから春というのは、春に花を咲かせる草花にとっては、一生涯の終わりの活動。花を咲かすっていうのは、生涯の終わりの活動。終活と言うんですかね、この頃の言葉では。」

アナウンサー「終わりの活動と書いて。」

田中先生「終活ですよね。だから春に花を咲かせてる植物にとっては、春っていうのは終活の季節、とも言えると思うんです。」

アナウンサー「そうなんですね、そうやって感慨深く見てみると、また違った見方ができるかもしれませんね。」

田中先生「そういう見方をして植物の生き方というものに目を向けて頂いたら、また良いかなと思います。」

 

Q5 植物は、何でほとんど緑なんですか?

  (小4男子)

 

田中先生「そうやね、植物って緑色してるね。だから、まず簡単な答えを先に知ってもらおうね。葉っぱの中に緑色の物質があるんや。これは名前を、せっかく電話してきてくれてんやから、覚えてもらった方がええんや。一緒に言ってくれるか? クロロフィル。」

質問者「ん?」

田中先生「クロロフィル。」

質問者「…ほ? コロロ…フィル。」

田中先生「クロロ。かきくけこの“く”。らりるれろの“ろ”。ク・ロ・ロ、フィル。」

質問者「クロロフィル。」

田中先生「そうそう。これ覚えといてね。もうちょっと大きくなったらしょっちゅう出てくるからね。」

質問者「うん。」

田中先生「日本語で言うと葉緑素といって、かえって難しいような名前がついてるんやけれども、葉緑素の“よう”ってのは葉っぱという字で、“りょく”というのは緑色の緑。“そ”ていうのは色のついた物質の色素の素やけどね、後で漢字は見といてくれるか? “クロロフィル”を覚えとく方がよっぽどスッキリできるし。」

質問者「うん。」

田中先生「だから、植物は何で緑色してんの、というと、葉っぱの中にクロロフィルていう物質があるというのが簡単な答えなんや。」

質問者「うん。」

田中先生「でも、もうちょっと考えたら、○○君も知りたいと思ってるんやと思うけども、“じゃあ何でクロロフィルが緑色してんの?”ということやね。葉っぱの緑がクロロフィルせいやって言うんやったら、何でクロロフィルは緑色してんのかっていうのがほんまの質問になるんやね。」

質問者「うん。」

田中先生「“光”って言ってるやろ、太陽の光とか、蛍光灯の光とか。この光って何色か分かるか?」

質問者「……え?」

田中先生「光って何色やと思う?」

質問者「白?」

田中先生「あ! すごいね! 白やね、白色(はくしょく)って表現するんやね。白色って白い色やね? すごいね。たいてい透明って答えが来るんやけどね。

この光の中に、実はいろんな色の光が混じって、白色に見えてる、透明に見えてるというのは知ってるかな?」

質問者「うーん…。」

田中先生「それは知らんかな? 虹って分かるやろう? いろんな色がついた虹。」

質問者「うん。分かる。」

田中先生「虹は7色っていうんやけど、あれは太陽の光があんな色を含んでるということが出てきてる現象なんや。せやけど7色って言っても、そんな境目はよう分からへんから、紫やら藍色やら青のとこを青って呼んで、緑とか黄緑をまとめて緑と言って、んで橙色や赤を赤と言って。光というのは、大ざっぱには青色、緑色、赤色の3色が含まれていると、ふつう表現するんや。まず、そう理解してください。」

質問者「へええ。」

田中先生「葉っぱが緑色に見えるということは、この3色を含んだ光が当たった時に緑色に見えるんやね。クロロフィルが緑に見えるんや。何で緑色に見えるかというのは、これも簡単でね、今、青と緑と赤の光が葉っぱに当たると言ってるやろう?」

質問者「うん。」

田中先生「そうすると葉っぱの中にあるクロロフィルが、青い色と赤い色はギュッと吸収してしまうんや。」

質問者「へえっ?」

田中先生「そうやけども、緑の光は反射するんや。反射って分かるかな? 跳ね返るんや。」

質問者「うん、分かる。」

田中先生「跳ね返ってくるからね。だから葉っぱを上から見てたら、葉っぱに当たった光の中から、緑の光だけが跳ね返ってきて目に届くんや。そしたら、“これ緑や”ってなるね?」

質問者「うん。」

田中先生「でも下からのぞいてても葉っぱって緑やんと思うやろう?」

質問者「うん。」

田中先生「それはね、葉っぱに上から青色と緑色と赤色が当たったら、青色と赤色は葉っぱに吸収されて外へは出てこないん。せやけど、緑の光は上に跳ね返ったけども、下にも通り抜けて出てくるんや。」

質問者「ふうううん。」

田中先生「だから下からのぞいてたら、また緑の光が出てくるから、やっぱり目の中に緑の光が届いて緑に見えるんや。」

質問者「へえっ………!」

田中先生「光の中の青と赤がクロロフィルに吸収されてしまって、緑の光だけが吸収されずに跳ね返ったり通り抜けたりするので、葉っぱは緑に見える。クロロフィルという物質は緑に見える物質や、というのがここまでの答えやね。」

アナウンサー「○○君、ここまで分かりましたか? 緑色だけ反射して跳ね返っているから、私たちの目に緑色に映るということなんですって。」

質問者「うん。」

田中先生「そうそう。んでね、いよいよ最後。それやったら葉っぱが吸収してしまった青と赤の光はいったい何してんね、っていうことになるやろう?」

質問者「うんうん。」

田中先生「葉っぱが栄養を作ってるっていうのは、○○君は分かるのかな?」

質問者「う、うん。」

田中先生「葉っぱに光が当たってたら植物は元気に育つやろう? 光が当たらへんかったら、元気に育たずに枯れるやろう?」

質問者「うん。」

田中先生「あれは、光が当たることによって、植物の葉っぱは栄養を作ってるからなんやね。」

質問者「えっ。」

田中先生「その栄養を作るという葉っぱの働きに、青と赤の光がすごい役に立つんや。」

質問者「ふうううん。」

アナウンサー「ああそうか、吸収しているからこそ、栄養が作れるわけなんですね?」

田中先生「その通りです。」

アナウンサー「ほおおおお~。○○君、分かりました?」

質問者「うん。分かった。」

田中先生「そしたらね、クロロフィルという難しい名前やけど、この言葉と、こういう性質のことを知っといたら、これからの勉強がずいぶん楽になるから、知っといてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「いやあ○○君、私自身も勉強になったことがありました。」

 

Q6 食虫植物は、何で虫を食べるの?

  (小3男子)

 

田中先生「ものすごく簡単に言ったら、そら生きていくためなんやけどね、植物も育っていくために、生きていくのに栄養が要るっちゅうのは分かるかな?」

質問者「はい、分かります。」

田中先生「栄養やね。ふつう植物は、その栄養をどうして作ってる? って言われたら、光合成っていう言葉は知ってんのかな? 知らんかな?」

質問者「知らないです。」

田中先生「栄養をどうして作ってんのかな、っていうのは、根から吸ってきた水と、空気の中に二酸化炭素ってあるんやね。それを材料にして、…前の質問でもお話ししてたんやけど、光を受け取ることによって、デンプンっていう栄養に変えてんやね。」

質問者「はい。」

田中先生「○○君はご飯を食べるやん?」

質問者「うん、食べます。」

田中先生「米粒の主な成分は、って言われたら、デンプンなんや。人間もそれ食べて生きてるんやから、植物はそれを作って生きてんやね。……そこまでいいか?」

アナウンサー「○○君、デンプンって分かりました? 初めて聞いたかしら?」

質問者「初めて聞きました。」

田中先生「そうかあ、デンプンって覚えとくか? (笑)そしたら1回、“デンプン”って大っきい声で言ってみてくれる?」

質問者「デンプン。」

田中先生「そうそう。それを人間はお米なんかを食べて取り入れてんやけども、植物は自分で作ってるんや。ところがね、デンプンだけでは植物は生きていけないんや。植物を栽培したことある? 育てたことあるか?」

質問者「あります。」

田中先生「なら、植物を育てる時に、肥料ていうのをやらないかんっていうのは分かる?」

質問者「うん、分かります。」

田中先生「肥料と言ってる中で、植物が絶対必要な、最もたくさん要る肥料というのが3つあるんや。それ、三大肥料って言って有名やからね、さっきデンプンも覚えたけど、せっかくやから、ここでその三大肥料ってのも覚えてしまおうな?」

質問者「うん。」

田中先生「ええか? 言うよ?」

質問者「はい。」

田中先生「窒素、リン酸、カリウム。はい。」

質問者「ちっそ、りんかん、かりゆ?」

田中先生「リン酸やね。ごめんね、僕の方の発音が悪かって。窒素、リン酸、カリウムやね。これが絶対要るんや。この中でも、最もたくさん要る大切なものが、実は最初に言ってる窒素なんや。これは何で要るのって言われたら、タンパク質って分かる?」

質問者「分かります。」

田中先生「分かるんやね、そら良いね。○○君も人間もみんななんやけども、牛のお肉とか豚のお肉とか鶏のお肉って何で食べんのって聞かれたら、そら主にタンパク質がほしいから食べるんやね。」

アナウンサー「○○君、分かりますか?」

質問者「分かります。」

田中先生「僕らと一緒で、実は植物にもタンパク質っちゅうのが要るんや。そのためにはさっきの肥料の中から窒素というのを使わないと、植物の体の中にタンパク質ができないんや。

ところがね、かわいそうに、この食虫植物と呼んでる植物が昔暮らしてた所というのが、土の中に窒素がない、ほとんどない、少なーい土地なんや。窒素がないから育たれへんねや。そこで考えたんが、…ほんまに考えたかどうか分からんけどね(笑)、人間みたいに動物からタンパク質を摂ったらいいやろっていう仕組みを生み出してきたんや。

だから人間がお肉からタンパク質を摂ってるように、この食虫植物も、土から窒素を摂ってタンパク質を作れないんで、じゃあ虫から摂ろうとしてきたんやね。」

質問者「はい。」

田中先生「虫を食べる植物やから、けっこう獰猛な植物やって印象を受けるけど、」

アナウンサー「獰猛というと?」

田中先生「ものすごい怖い植物? 動物みたいな。せやけど本当はかわいそうな植物なんや。」

質問者「ふうううん。」

田中先生「肥料のないとこで細々と育ってて、何とか育たないかんと思って、ああいう仕組みを身につけてきたんや。そやから、すごい努力家? 工夫? してきた植物ね。そういう見方をしてほしいんやけども。

そこまで分かってくれたら、もう1つ。そんなことまでして、あんまり肥料のない土地で生きていかなぁあかんことないと違うんか、もっと違う所で生きたらええと違うかって思うかも分からんけども、もし肥料のない、窒素のない土地でそんな仕組みを身につけたら、他の植物と競争しなくっていいんや。自分しかそこでは生きていけへんねやから。」

アナウンサー「そっか、窒素がない所でも生きていける。努力家だから生きていけるわけですね。」

田中先生「そう、自分だけがね。他の植物はそんな所、生きていけへんから、他の植物と戦うことなく、自分だけが生きていけるようになった仕組みと考えてくれたら良いと思う。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君、今の話を聞いてきどんなこと思いました?」

質問者「そうなんだなあと思いました。」

田中先生「(笑)そうか、ありがとう。」

アナウンサー「食虫植物は努力家なんですって。」

田中先生「必要は発明の母、なんて言葉があるけどね、どうしても窒素が必要なので、こんな仕組みをしてきた植物と思ってもらったら。有名なものではどんなの知ってる? ハエトリソウとか知ってんのかな?」

質問者「知ってる。」

田中先生「だからあんなのを夏に見たら、そういうふうに思ってください。頑張って頑張って生きてる植物なんやなって思ってもらったら良いと思います。」

アナウンサー「○○君、もし夏に食虫植物を見つけたら、先生の仰るように、頑張ってるんだな、努力してるんだなって感じてみてくださいね。」

質問者「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子ども科学電話相談 春スペシャル3/31(昆虫、鳥、恐竜、心と体、運動) 2~3時台

3/31のジャンルは

 鳥 上田恵介先生

 心と体 篠原菊紀先生

 昆虫 丸山宗利先生

 恐竜 田中康平先生

 運動 為末大先生

 

Q7 何でインコは人間がしゃべったら真似す

  るんですか?(小1男子)

 

上田先生「インコの質問だね。インコが人の言葉を真似するっていうのは、インコを飼ってるの?」

質問者「飼っていません。」

上田先生「何かで見たの?」

質問者「ペットショップ。」

上田先生「そうかぁ、ペットショップでインコが人間の言葉を真似してた?」

質問者「はい。」

上田先生「どんなインコ? 大きいやつ? 小さいやつ?」

質問者「大きいやつ。」

上田先生「インコはね、大きいやつも小さいやつも人間の言葉を真似できます。いちばん小さいのやったらね、セキセイインコて知ってる?」

質問者「知っています。」

上田先生「セキセイインコも人間の言葉を真似できますし、大きなんやったらキバタンとかも人間の言葉を真似します。それが何でかっていうのが質問やね?」

質問者「うん。」

上田先生「先生も前から“何でかな”と思うねんけど、いちばん言われてることは、インコは別に人間の言葉だと思ってない、自分がインコだと思ってないというか、人間に飼われてるインコは、自分も人間の仲間だと思ってしまうの。」

質問者「はい。」

上田先生「元々はインコは自然の中でインコだけで生きてるでしょ? オーストラリアとか。インコどうしでおしゃべりしてます。インコって大変おしゃべり好きな鳥で、オスとメスがクチュクチュとかピーピーとか…先生もよく知らんけど、お話をします。インコは群れを作ったり、オスとメスで、つがいと言うんですけど結婚して、ずっと仲良くしてます。その時にみんなで一緒にいろんなことをする…“今度はこっちへ飛んでいこう”とか“あっちに行ったらおいしい果物があるよ”みたいなことを、人間の言葉じゃないけれども合図を常に送っています。」

質問者「はい。」

上田先生「そやからインコって、インコどうしでいろんな鳴き声でいろんなことを知らせる力がすごくあるの。スズメもカラスもチュンチュンって言ったりカーカー言ったりして、お互いにいろんなことをしゃべってると思うけど、インコはもっとしゃべるのが好きな鳥なのね。」

質問者「はい。」

上田先生「インコは人間に飼われるでしょう? インコと人間で形が全然違うけれども、インコは自分と同じ仲間をあまり見たことがないから、小さい時から人間ばっかり見てるから、人間が自分の仲間だと思ってしまうの。つまり、インコは“自分は人間だ”と思ってしまうんやろね。不思議だけど。だから人間の仲間に対して、いろんなことをお知らせしたりお話ししようとするわけ。

人間が“こんにちは”とか言うでしょ? ほんならインコの方も、“こんにちは”と返す。人間が“おはよう”と言ったら、インコも“おはよう”と返す。そんなことをして、インコ的には自分と同じ仲間どうしで連絡を取り合ってる、お話ししてるつもりになるんやと思います。

だから真似をしてるんじゃなくて、インコは人間と一生懸命お話ししようとしてるんだと思います。」

質問者「はい。」

上田先生「セキセイインコぐらい小さいインコを飼ってみたら、すごく楽しいと思うけど、……1つ面白いことあるんだけどね、インコはオスとメス、どっちがよくしゃべると思う?」

質問者「メス!」

上田先生「どうして?」

質問者「……(聞きとれず)だから。」

上田先生「人間は女の子の方がよくしゃべるような気がするんやけれども、インコはオスの方がよくしゃべります。」

質問者「ええ?」

上田先生「うん。鳥と人間ってちょっと逆なんよね。」

アナウンサー「○○君が“ええ?”って言ってますけど。」

上田先生「女の子のインコもしゃべるけどね、あんまりしゃべらない。男の子のインコはよくしゃべるのよ。」

アナウンサー「どうしてですか?」

上田先生「正直なところよく分からないんですけど、鳥ってさえずるって知ってる? ウグイスがホーホケキョて鳴いたりするでしょう? あれはオスが鳴くのよ。だからオスの方がいっぱいおしゃべりして、…何て言うかな、メスにアピールしてるのかな。」

質問者「なるほど。」

上田先生「鳥のオスは元々メスにアピールしたい、そんなふうにできてるていうか、進化してきたんですけど、そういう傾向があります。」

アナウンサー「男の子のインコは女の子のインコの気を引きたいから、いっぱいおしゃべりし、鳴いてみるということなんですね。」

上田先生「相手がピーピーピーて言うたら、こっちもピーピーピーと返さないと、あまりモテないと思います。」

アナウンサー「それにしても不思議ですよね、人間のような声帯を持っているわけではない……ですよね? でも人間のような言葉を…」

上田先生「人間は声帯を持っていますけど、鳥は鳴管という、音を発生させる器官があります。」

アナウンサー「管みたいな。」

上田先生「そうそう、2本あって、非常に複雑な音を出せます。ただ、小さいインコは、あまり低い音の部分の発声は構造上できない。大きな動物の方が低い音を発生させることができますね。人間の声ぐらいやったらインコの発声できる範囲だと思います。分かった?」

質問者「分かりました。」

 

Q8 お彼岸の時にお寺に行って、たくさんの

  人がお墓参りをしていました。僕がお墓

  参りをしている時に、神様は本当にいた

  り守ってくれたりするのかと思って、相

  談しました。(小4男子)

 

篠原先生「お墓参りに行ったのは、○○君のお父さんの方の? お母さん方のお墓参り? どっち?」

質問者「お父さん。」

篠原先生「お父さんの方ね、分かりました。まあ、だいたいこういう質問というのは、人類ができたぐらいからずーっと、神がいるのかとか、神がいるからこうだという話があったので、それに対する答えってなかなか難しくなってしまうので、分かったような分かんないような話をすることをご勘弁ください。」

質問者「はい。」

篠原先生「その上でまず1つ話しておくと、彼岸でお墓参りに行った時に神はいるのかが気になったってことね?」

質問者「はい。」

篠原先生「まず、お墓にいるのは神ではないな。」

質問者「はぁ…。」

篠原先生「仏様ですね。もしくはご先祖様だよね。」

質問者「はい。」

篠原先生「この場合だと、○○君のお父さん方のご先祖様が入ってるんだよね? そういう意味で言うと、お墓参りに行った先に……本当にいる、いないはとりあえずいいとして、○○君の父方の祖先の人たちが納められている。そういう意味でいると言えばいるって話にはなるよね?」

質問者「はい。」

篠原先生「かつ、ちょっと難しい話をすると、○○君って男の子だよね?」

質問者「はい。」

篠原先生「性決定遺伝子って知ってますか?」

質問者「いや、知りません。」

篠原先生「遺伝子は分かる?」

質問者「はい、分かります。」

篠原先生「遺伝子の中に、男の人になるのか女の人になるのかに深く関わっている、性染色体というものがあるんですよ。それが○○君の場合にはXYというタイプなのね。」

質問者「はい。」

篠原先生「女のきょうだいがいれば、それはXXというタイプなのね。XYのうちのYという遺伝子は、君の場合はお父さんから100パーセント来てるのね。」

質問者「はい。」

篠原先生「さらにおじいちゃんから来てるのね。さらにそのまたおじいちゃんから来てるのね。」

質問者「ああ……。」

篠原先生「そういう意味で言うと、その“Y遺伝子が○○君の中に生き残っている”という言い方をするんだったら、それはその通りなのね。

なので、“ご先祖様はお墓にいるという形になっている”ということと、“○○君の遺伝子の中にご先祖様の痕跡というか跡が残っている、生きている”という言い方は一応はできると思います。」

質問者「ああああ…。」

篠原先生「次の問題は、これで神様に守られているのか守られてないのか、みたいな話?」

質問者「はい。」

篠原先生「○○君自体はどう思う?」

質問者「守られていると思います。」

篠原先生「守られていると思う? じゃ、守られてるよ。」

質問者「ぁ、はい。」

篠原先生「(笑)お父さんお母さんにもこの話を聞いてみた?」

質問者「はい。」

篠原先生「何て言ってる?」

質問者「守られてるって言ってました。」

篠原先生「じゃあ守られてるよ。…と思ってた方が良い、と言うと変だけど、おじさんは一応、脳科学が専門なので、そちらの方からお話しすると、人の脳って、何でも全ての出来事を、そのまんま理解するようにはできてないんだよね。

例えば、○○君はいろんなことを覚えられると思うけど、“あのこと”と“このこと”と“そのこと”ぐらいなら覚えたり、覚えた上で……例えばお母さんに“このことをやりなさい”って仕事を言われた時に、2つ3つぐらいなら覚えていられるじゃん?」

質問者「はい。」

篠原先生「でも4つ5つってなると忘れちゃうじゃないですか?」

質問者「はい。」

篠原先生「だから人の脳って、“あのこと”と“そのこと”と“そのこと”、その組み合わせは何となく覚えていられるんですよ。人の脳にとっては、“誰々が、何々の目的で、何々をしました”というのがとても理解しやすい。例えば、ご先祖様が…神様でもいいけど、“ご先祖様や神様が我々子孫を守るために、我々を助けてくれている”と、世の中の仕組みを理解するのが、とてもしっくりくるようにできてるんですよ。」

質問者「ああああ……。」

篠原先生「だからコロナウイルスもそうかもしれないけど、何か不安な出来事とか、どうしてこんなことが起きるんだろうって思った時に、こういうふうに“誰々が何かの意図でこうしてる”って思うところに、神様だとか仏様だとかご先祖様をはめ込んでみると、とても気持ちが落ち着くんですよ。」

質問者「ああああ……。」

篠原先生「だから、どこの民族でも、どの時代でも、神様とか神に相当するような概念を作り出しているのは、人の脳みそがそういうものを求めている。神は安定化装置だという言い方をするケースがあるんですが、そういうためだろうと思っていればいいのかなと思います。

とは言ったって、○○君に役に立つか立たないかは○○君次第だから、そういうふうに考えることが自分にとって役に立つような時とか、あるいは未来を考える時とかに、“私がこれからチャレンジする時に、きっとご先祖様の加護があるに違いない”と思った方がチャレンジしやすいんだったら、そう思ってればいい、ということだと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「どうですか、○○君?」

質問者「分かりました。」

アナウンサー「○○君が神様の存在を、神様がいると思いたい時ってどんな時?」

質問者「えー、何か、えっと、不安な時とか……。」

篠原先生「そうだよね。これはアメリカの研究だから、どうしてもキリスト教が前提になっちゃうんだけど、自分を超えた不可思議な力の存在を信じるのか信じないのか、というのを自己超越性と言うんだけど、自己超越性を持っている人の方が不安を感じにくいとか、成功しやすいとか、そういうデータは存在するんですね。なので、まぁ信じて損はないと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君にとって心が落ち着いたり、何か頑張れるきっかけになるんだったら、神様がいると考えていいのかな……ということでよろしいんでしょうか?」

篠原先生「(笑)僕が決めることでは……まぁ要するに、神のあるなしはとりあえず措いとくとして、脳が作り出したり理解している側面があるんだとするならば、その個人がそういうふうに作り上げる…幻想と言うとまた問題になりますが、考え方だったり、神という解釈を利用した方が良ければ利用した方が良い、という話になると思います。」

アナウンサー「○○君、そういうことです。納得して頂けましたでしょうか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「それでも、“んー?”ということがありましたら、また質問を寄せてくださいね?」

篠原先生「いや、あると思います。この手の話はずうううっともめてるんで(笑)。」

アナウンサー「(笑)じゃ、ちょっと長ーい目で考えていきましょう。」

質問者「はい。」

 

Q9 クモの巣はどうやってできていますか?

  (5才男子)

 

丸山先生「まず、クモの巣って糸でできているのは知ってるかな?」

質問者「知らない。」

丸山先生「そっか。クモの巣って見たことある?」

質問者「…んとね、函館に(聞き取れず)そうなうちの近くにあったからです。」

丸山先生「そうだったんだ。クモの巣って糸でできてるんだけど、クモはお尻から糸を出すんだよね。お尻には糸を出す穴がいくつかあって、穴によってネバネバする糸を出したり、ネバネバしない糸を出したり、太い糸を出したり、違う種類の糸を出します。

どうやって作るのかというと、まず巣を作ろうと思ったら、木につかまって、お尻から細い糸を出すの。その糸はとても軽いから、風でフワフワフワーッとなびいて、向こうの木にくっつきます。それで木から向こうの木に1本の糸が張られるのね。何となく分かるかな?」

質問者「うん。」

丸山先生「そしてね、その糸にしがみついて新しい糸をくっつけていって、その糸を丈夫にします。それから糸とか木を伝って、糸の真ん中から縦とか斜めにたくさんの糸を張ります。バッテンって分かるよね? バツ(✖)。」

質問者「うん。」

丸山先生「バツが重なるような感じ。こういうのを縦糸と言います。バッテンが重なった真ん中のところ、中心て言うんだけど、そこからグルグルと丸ーく、渦巻きみたいに糸を張っていきます。これは横糸と言って、ネバネバしています。それで巣の完成です。それで網目のような巣になるんですね。

横糸がネバネバしてるから、小さな虫は横糸に引っかかります。でもクモが引っかからないのが不思議でしょう?」

質問者「うん。」

丸山先生「クモはね、巣を歩く時に横糸に触れないように歩くから、自分が引っかからないんです。」

アナウンサー「丸山先生、縦糸はネバネバしてないんですか?」

丸山先生「縦糸はネバネバしていないんですね。」

アナウンサー「横糸だけネバネバしているんですか。えっ、どうやって出し分けているんですか?」

丸山先生「クモのお腹の先に糸を出す穴があるんですけれども、その穴によってネバネバする糸とかネバネバしない糸とか、出す糸の種類が違うんですね。」

質問者「うん。」

アナウンサー「同じところから出てるわけではないんですね。」

丸山先生「はい、何か違うんです。」

アナウンサー「へえええ。○○君、縦のネバネバしない糸を出すところと、ネバネバしている糸を出すところは別々なんだって。分かるかな?」

質問者「分かる。」

丸山先生「もうちょっと暖かくなったらクモがいっぱい出てくるから、ジーッと見てみてください。横糸ってよく見ると、つぶつぶの小っちゃいのがついてるの。それがネバネバするもので、そういうものがついてるのが分かると思います。だからこれから見てみてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君はクモの巣を見た時に、何かくっついてた?」

質問者「クモの巣に、クモがくっついてたり、クモがくっついてなかったりしてた。」

アナウンサー「クモ自身が。でも丸山先生の話だと、クモは別にくっついてるわけではなく、作ってる…」

丸山先生「クモは自分で留まってるんです。虫がそこにくっついて引っかかったら、急いでそれを食べに行きます。」

アナウンサー「クモのエサになる虫がくっつくためにネバネバしてるということですよね?」

丸山先生「はい、そうです。」

アナウンサー「ですって○○君。クモの巣はネバネバしてるところがあるでしょ? そこに他の小っちゃい虫がくっついて、それをクモが食べるということになっているんだって。」

質問者「分かった。」

丸山先生「これはよく図鑑とかテレビで見るクモなんだけど、本当はクモの種類によって、巣の形はいろいろあって、お椀のような形のものとか、ストローのような形のものとか、地面に穴が空いただけのものとか、いろんな形があるので、機会があったら本を読んで調べてみてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「クモの巣って、私たちがよくイメージしている……何て言ったらいいんでしょうか、五角形というか…」

丸山先生「平たい網目のような…」

アナウンサー「平たい網目だけではないんですね?」

丸山先生「ええ、作る場所とか、クモの種類によって形がいろいろなんですね。」

アナウンサー「ああ…○○君、クモの巣もいろーんな種類があるんだって。今度、図鑑とか、お父さんとかお母さんに頼んでインターネットとかでどんな種類のクモの巣があるのか、見てみようね。」

質問者「うん。」

丸山先生「あと作るところも、時間があったらじっくり見てみると面白いと思います。1時間ぐらいでできるので、機会があれば見てみて。」

アナウンサー「見やすい時間帯とかあるんですか?」

丸山先生「夜は食べたりして仕舞ってしまって、朝に作ることが多いですね。ただ夜に活動するクモだと、夕方に作り始めることもあって、クモによって違うので。」

アナウンサー「朝の時間帯に巣を作っていることが多いと。」

丸山先生「昼間に巣を作るタイプはそういうやつが多いですね。」

アナウンサー「巣を作るのにだいたいどのぐらい時間がかかるものなんですか?」

丸山先生「速い時は1時間ぐらいでパパッとできてしまいます。」

アナウンサー「そうなんですか。○○君、朝だとクモがクモの巣を作ってるところが見られるかもしれないね。1時間ぐらいジーッと見てると、どんなふうにクモの巣ができるのか、丸山先生が教えてくれたような形でできていくのか、自分で見て確かめることできるということですよ。」

質問者「分かりました。」

アナウンサー「そんなことも覚えておいて、機会があったら見てみてくださいね。」

質問者「はい。」

 

Q10 何で、先カンブリア紀には目を持つ生

  き物がいなかったのに、カンブリア紀

  なると目を持つ生き物が出てきたんです

  か?(今度3年生男子)

 

田中先生「○○君て良い名前だね、カッコイイね。」

質問者「ありがとうございます。」

田中先生「すごい質問だね、なぜ先カンブリア時代には目を持つ動物がいなかったのに、その次のカンブリア紀になると目を持つ動物が出てきたのかって、すごいこと知ってるね。○○君はカンブリア紀が好きなの?」

質問者「面白い生き物がいっぱいいるから好き。」

田中先生「カンブリア紀は専門じゃないんだけど…ついに恐竜以外の質問がやってきちゃったけれども、頑張って答えようと思います。」

アナウンサー「すみません、その前にカンブリア紀って、いつ頃、どのくらい前でしたっけ?」

田中先生「○○君は知ってる?」

質問者「先カンブリア紀は46億万年前。」

田中先生「すごい! 46億年前にまず地球が誕生して、長ーい間先カンブリア時代というのがあって、それが5億4千万年に終わったのかな。5億4千万年前から4億9千万年くらい前がカンブリア紀という時代です。古生代の最初の時代かな。この時代って恐竜は生きてた?」

質問者「いないよ。」

田中先生「いない時代だよね。○○君が言ってくれたみたいに、目が誕生した時代なんだよね。」

質問者「そうだよ。」

田中先生「カンブリア紀の動物って何がいるか知ってる?」

質問者「アノマロカリス、カナンベンシス、アノマロカリスサロン、…あと何かいたっけ………サロトロベルクス……。」

アナウンサー「すごいなあ……。」

田中先生「すごいね、めちゃくちゃ詳しいんだね。アノマロカリスというエビみたいな、大っきなモンスターみたいなのがいるよね。それから三葉虫というのは分かるかな?」

質問者「さんようちゅうって何?」

田中先生「三葉虫っていう…何て言うかな、小判みたいな…小判て言っても難しいかな、平べったい、節足動物という、昆虫のご先祖様の1つみたいなものなんだけど、今度図鑑で見てみると良いよ。あとピカイアというものとか、いろんなものがいるんだよね。」

質問者「そうなんだ。」

田中先生「今言ってくれたアノマロカリスというのは、目はある?」

質問者「ある。」

田中先生「大っきな目がついてるよね、クリクリのが。何で目があった方が良いと思う?」

質問者「目があると食べ物が探しやすくなる。」

田中先生「その通りだよね! アノマロカリスってきっと他の動物を食べてたのかな。」

質問者「うん、肉食だよ。」

田中先生「肉食だよね、だから目があるとエサを見つけやすいんだよね。反対に、アノマロカリスから逃げる動物も、目があるときっと良いよね?」

質問者「逃げられる。」

田中先生「その通りだよね、逃げられるもんね。だからこの時代に三葉虫とか節足動物の仲間に目が生まれてきたと言われてて、目ができたことで、食べる/食べられるの競争、生存競争て言ったりするんだけど、食べる/食べられる関係が生まれたと言われています。この関係がカンブリア紀の頃に生まれて、それが長ーい間つながって、恐竜時代も恐竜が食べたり食べられたりして、今に至っているんだよね。

だから、目が生まれたおかげで、このカンブリア紀は生き物が爆発的にドーンとたくさん誕生して、進化してきて、しかも巨大化も関係してるんじゃないかと言われてるの。この頃にけっこう大きな動物もたくさん生まれているんだけど、アノマロカリスも大きいもんね?」

質問者「うん、1メートルもあるよ。」

田中先生「詳しいね。だから目が生まれたことで、生き物が爆発的に誕生したんじゃないかという説があります。これを“光スイッチ仮説”と言います。」

質問者「……。」

田中先生「ちょっと難しいね。でも、この時代に目が誕生したことで今みたいな生存競争が生まれたと考えられています。」

質問者「そうなんだ。」

田中先生「こんな感じでいいかな?」

質問者「うん。」

アナウンサー「そもそもの○○君の質問の、なぜ目を持つようになったのか、というのは…」

田中先生「これは難しいですよね、感覚器官なので、おそらく光を受信する…何て言うのかな、脳の1つの働きだと思うんですよね。最初に脳か目か…が進化してきて、徐々に光を感知する体の器官、感覚器官が誕生してきたんだと思います。それがちょうどカンブリア紀の頃ですよね。分かるかな?」

質問者「うん。」

アナウンサー「そのことによって、さっきも○○君も言っていました、エサを探しやすくなって、食べるものを見つけやすくなったから、たくさん食べることができたこともあって、大きな動物も生まれていったと…ちょっと単純すぎますか?」

田中先生「簡単に言うとそんな感じですね。」

アナウンサー「で、この時期に、すごく多くの生き物たちが発生してくると言いますか、できているということなんですね。カンブリア紀というのは、そういう意味ではとても大事な時期なんですね。」

田中先生「カンブリア紀の動物は○○君の方が詳しいと思うんだけど、前にカナダに住んでいたんだけど、カナダの山の中にカンブリア紀の動物を見れる場所があって、そこに4時間くらいハイキングして見に行ったの。」

質問者「いいなあ。」

田中先生「うん、すっっごい景色がきれいな所なの。ぜひ○○君も、大人になったらカナダに行って、バージス頁岩という所なんだけど、そこに化石がいっぱい落ちてるから見に行ってみて。」

質問者「うん。」

田中先生「目の化石も落ちてるかもよ?」

質問者「やったあ。」

アナウンサー「(笑)。それにしてもどうして○○君はこんなに詳しいんですか?」

質問者「図鑑で見て、カンブリア紀の生き物は面白い形をしてるから、いっぱいいっぱい見たから。」

アナウンサー「ふうううん、そうなんだ。特にカンブリア紀というのが○○君のお気に入りなのね?」

質問者「うん。」

アナウンサー「これからもいろんな本を読んで、気になることがあったら、どうしてなのかなという気持ちを大事にしてくださいね。どうしても分からない時は、またこの番組に質問してください。」

質問者「はーい。」

アナウンサー「今日はどうもありがとう。」

質問者「ありがとうございました。」

田中先生「ありがとう。」

質問者「ほら、よーく分かったよ。」 

田中先生「(笑)よかったあー!」

 

Q11 僕はふだん白いご飯が大好きで、たく

  さん食べています。速く走るために役に

  立つ食べ物は何ですか?(小3男子)

 

アナウンサー「ご飯はどのくらい食べるの?」

質問者「おかわりはします。」

為末先生「ご飯を食べるのはとっても良いことなので、それはたくさん食べてください。“これだけ食べると足が速くなる”というのは、ないんですね。あったらたぶん、為末先生もたくさん食べてたと思いますが(笑)。

大事なのはバランスで、例えばお弁当箱があると、半分はご飯、それから4分の1、半分の半分はお肉とか魚とかお豆腐とか、タンパク質と言ってるんだけど、それを食べてください。もう4分の1は野菜を食べてください。」

質問者「はい。」

為末先生「いつもお弁当箱をイメージして、半分はご飯、半分の半分はお肉とかお魚、半分の半分は野菜というふうに、分けて食べていくと、きっと足が速くなると思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「1つ種類だけをいっぱい食べるんではなくて、いろいろな種類のものをバランス良く食べることが大事なんですね。」

為末先生「いろんなものを食べることが大事なのと……スポーツは何かやってるのかな?」

質問者「かけっこを習っています。」

為末先生「だとしたら、まだいいかもしれないけど、だんだんお兄ちゃんになってくると、かけっこの練習が終わった後に、なるべく早くおにぎり1個を食べると良いと思います。練習が終わると筋肉が疲れてるんだよね。そこになるべく早く栄養を送ってあげると、次にもっと丈夫な筋肉ができるので、なるべく早くおにぎりを食べると良いと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「為末さん、それは……走る練習をしますよね? 汗かいて呼吸が上がったりしますよね? 呼吸が整う前に食べた方が効果的なんですか? それとも一旦落ち着いてからなんですか?」

為末先生「30分から1時間の間で食べたら良いと思います。そんなに急に食べなくても良いけどそのぐらいで。あと、お水も練習の間にたくさん飲むと良いと思います。小学生だとだいたい500ミリリットルのペットボトルを持って行って、練習をする前と練習が終わって家に帰るまでに、それを1本飲んでるぐらいが良いかと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君は走るのを習っている時に、水分をちゃんと摂ってますか?」

質問者「休憩時間があって、その時に飲んでいます。」

アナウンサー「どのくらい?」

質問者「うーん、…いっぱい飲んでます。」

為末先生「(笑)。」

アナウンサー「500ミリくらい飲んでるかな? あと為末先生が言っていたように、運動した後30分から1時間ぐらいの間におむすびを食べると良いんですって。○○君は好き嫌いはありますか?」

質問者「ないです。」

アナウンサー「それは良かった。じゃあ、先生が言ってたように、白いご飯だけじゃなくて、お肉とかお野菜とかバランス良く食べるように心がけてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「為末さん、他に何かアドバイスはありますか?」

為末先生「ちょっと難しいんだけど、たんぱく質にも動物性と植物性があって、先生はお豆腐と納豆が好きだったので、それをたくさん食べてました。お肉だとあまり食べられない量が食べられるので、家にお豆腐がドンドンドンと、レンガみたいに積んであって、毎日1個ぐらいを必ず食べてます。もし豆腐と納豆が嫌いじゃなかったら食べてみてください。」

質問者「へえええ……。」

アナウンサー「○○君はお豆腐や納豆はどうですか?」

質問者「大好きです。」

為末先生「おお~、良かった(笑)。」

アナウンサー「どんなふうにして食べてるの?」

質問者「麻婆豆腐にして食べてます。」

為末先生「良いね。」

アナウンサー「納豆は?」

質問者「納豆はかけない。」

アナウンサー「ん? 納豆はグニュグニュグニュって、ネバネバを出して、おしょうゆをかけて食べるのかな?」

質問者「海苔巻きにして食べてます。」

アナウンサー「そうなんだあ、いろいろ工夫して食べてるんですね。お豆腐も納豆もとても良いんですって。速く走るための体作り、食べ物をいろいろ工夫して、やってみてくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「何て言ってもオリンピックに出場した先生が仰ってるんですから。ぜひともやってみてください。」

質問者「はい、ありがとうございました。」

 

Q12 渡り鳥はなぜ遠くへ行っても戻って来

  られるんですか?(小6男子)

 

上田先生「渡り鳥は遠くまで行って、また戻って来るよね? それはどうしてかということですね。○○君は新潟県に住んでるんだね。どんな渡り鳥を知ってる?」

質問者「ハクチョウ、…マガモ?」

上田先生「マガモも知ってる。」

質問者「コガモ?」

上田先生「コガモもいるね。ハクチョウとかカモたちは北の方のシベリア、ものすごい遠い所やね、何千キロも新潟から離れてる。そんな所から冬になると新潟まで来て、春になるとまたシベリアまで帰って行きます。すごく遠い所に飛ぶのね。」

質問者「はい。」

上田先生「人間やったら磁石とか、今やったらGPSとか便利なものがあって、緯度を測って“こっちへ行ったら帰れる”とか分かるけど、鳥は何もないから、“どないやって帰ってるんでしょうね”という質問にお答えします。」

質問者「はい。」

上田先生「基本的に鳥は、秋になると北から南へ来て、春になると南から北へ帰ります。いちばん大事なんは、どっちが南でどっちが北かが分かること。南と北は僕ら人間でも分かると思うけど、太陽はどっちから昇ってどっちへ沈む?」

質問者「東から昇って西に沈む。」

上田先生「そう。東から西だから、そこから直角の方向、上の方というのかな、そっちが北で、下の方が南だということが分かります。鳥は太陽が毎日毎日どんなふうに動いてるかを見て、あっちが北だな、こっちが南だなということが最初に分かります。」

質問者「へえええ。」

上田先生「例えば春になって、ハクチョウやマガモが新潟からシベリアへ帰ろうという時、新潟から飛ぶと、すぐ日本海よね? とりあえず北へ向かうと、鳥は上から見てるから、しかも人間より視力がすごく良いの。たぶん5倍も6倍も視力が良いと思うから、上から見るとある程度、陸地の形が分かります。」

質問者「へえええ。」

上田先生「“自分が前に来た時、ここをずっと下って日本に来たんだな”ってことを覚えてると、帰る時に“ここを戻ればいいな”と。おそらく目をかなり使って、地形を見ながら自分が元いた場所へ帰ることができるんだと思います。」

質問者「へえええ。」

上田先生「だけど、小っさい小鳥なんかは、主に夜に飛ぶの。夜は太陽が出てないでしょう?」

質問者「はい。」

上田先生「どっちが北か南か分からないよね?」

質問者「はい。」

上田先生「僕ら人間は、昔の船乗りさんやったら、海に出たらどっちが北かを見つけるのに、星を使ったでしょう? 北極星って分かる?」

質問者「はい、分かります。」

上田先生「鳥も実は、空に出るいろいろな星座の形を見て…星座を知ってるらしいの。」

質問者「へえ……。」

上田先生「星座を見て、こっちが北だなって判断してるみたいです。」

質問者「へえええ。」

上田先生「まず、渡り鳥は太陽と星座を使う。あと、……うーん…これちょっと難しいけど、地磁気…地面の“地”と磁石の“磁”と…地球全体が大きな磁石で、南北方向に磁力線というものが飛んでるのね。人間はそれを感じれる細胞があるらしいと言われてるんですけれども、感じない。けど、鳥はそれをかなり感じることができるみたいで、星の出ない真っ暗な夜でも方向を間違わずに飛べる。だから、どうもそんなものを感じてるんじゃないかって言われてます。」

質問者「へえええ。」

上田先生「磁力を感じるって面白いでしょう? 人間は感じられない。僕らは感覚っていうたら目で物を見るとか、耳で音を聞くとかするでしょう? 鳥には磁力を感じるそんなものがついてるのか、ていうたら、ついてないんですよね。

いろいろ調べられてるんですけど、脳の細胞の中に、磁石と同じ成分のマグネタイトというものがあって、それがどうも磁力を感じて、目で見た時と同じように脳が処理して、こっちが北でこっちが南だと感じてる……僕らはそんな感覚がないから分からないけれども、感じてるらしい、ということまでは分かっています。」

アナウンサー「鳥ならではの感覚があるんですね。」

上田先生「やっぱり何千キロメートルも渡るから、いろんな感覚を駆使しないと迷子になっちゃうからね。鳥は優秀です。」

アナウンサー「それにしても、なぜあの長い距離、飛び続けられるんですか?」

上田先生「シギの仲間で、アラスカからオーストラリアまで直線で1万何千キロ、太平洋の上を1週間飛び続けてたどり着いた、そんな記録もあります。」

質問者「えっ?」

上田先生「すごいでしょう? 眠らずにずっと羽ばたいて飛んでるわけ。そんなエネルギーどこにあるんだっていうたら、シギたちは渡りの前にいっぱいエサを食べて、体重を1.5倍ぐらいに増やします。脂肪をいっぱいつけて、その脂肪を燃料に使って飛び続けることができます。」

質問者「ふうううん。」

上田先生「すごいでしょう? これが鳥の渡りの秘密です。」

 

Q13 何で眠い時はあくびが出るんですか?

  また、何であくびはうつるんですか?

  (小2男子)

 

篠原先生「どうして眠くなるとあくびが出るの、という質問だよね? これね、眠くならないようにあくびが出てるらしいというのが、今言われてる話です。分かる? 眠くなるとあくびが出るんだけど、あれは眠くならないために出ているらしい…それが全てかどうかは怪しいけれども、いちばんよく解釈されてる答えになります。」

質問者「はい。」

篠原先生「前は脳の中で酸素が足りなくなって、あくびをすると酸素がたくさん入るから目覚めますよ、という説明がけっこうあったんですよ。だけど実験してみると、酸素濃度の調整をやってもあくびが増えないので、酸素が足りなくなって、あくびをすると酸素を取り込んで目覚めるという説は、間違ってるらしいという話になってます。」

質問者「はい。」

篠原先生「じゃあ、どういうふうにあくびが起きるのかということは、眠くなってくると脳の温度がちょっと上がるという説明が今ちょっと有力です。分かる? 眠くなってくると、ちょっと暖かくなってくるらしいのね。そうすると、あくびした時に顎がガーッと大きく開きますよね?」

質問者「はい。」

篠原先生「あるいは、今、○○君が大きな声を出すとするじゃないですか。」

質問者「はい!」

篠原先生「そう、でっかい声だね! でっかい声を出した時って、口も大きく動いて、口の周りの筋肉もすごくよく動くんですよ。あくびの時もそうなんです。そうすると血液がすごく動くんだよね。活動するというか移動するというか。そうすると脳に送る血液も、新鮮なやつがたくさん行く。そのことによって脳の温度調整をして、覚醒というんだけど脳を目覚めさせようとしているらしいと。これがあくびをする理由だというのが、今よく使われてる解釈になります。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君、ここまで大丈夫ですか?」

質問者「はい。」

篠原先生「今度は、どうしてあくびってうつっちゃうの? という質問の説明をします。これも本当によく分かってるか怪しいんだけど、あくびがうつるのはどんな時だろうという研究はそこそこ行われています。イタリアの研究だと、親しい間柄の人ほどあくびがうつりやすいという研究が出てます。

分かる? 知らない人より、○○君の場合だったら、お友だちがあくびした時の方があくびがうつりやすいです、お父さんやお母さんがあくびした時の方がうつりやすいです、ということが、たくさんの人の研究から出てます。だから、あくびはどうも親しい間柄でうつりやすい。

例えば、犬を飼ってると、犬と人との間ってわりと仲良しじゃないですか。そうすると、人のあくびも犬にうつるらしい、ということは分かっています。

一方で、…(笑)何でここで亀が出てくるのか分かんないけど、そういう研究なので説明すると、飼っている亀にはあくびはうつらないらしいと(笑)……イグノーベル賞の研究だったかな、報告されています。

なので、どうやら親しい人にはあくびがうつりやすいらしい。そして、いちばん最初にお話ししたように、あくびというのは、どうも脳を目覚めさせようとするためにするらしい。それが親しい人に伝わりやすい状況を作るためにあくびはうつるらしい。」

質問者「はい。」

篠原先生「どういうことかというと、親しい人たちの集団を動物が襲ってくるとか、危険な状態になった時に、みんな一斉に目覚めることが伝わらないと、生き残りにくいじゃないですか? だから親しい仲間うちで一気に目覚める状態を……共有というんだけど、一緒にするために、そういう仕組みができていると考えられています。よろしいですか?

最初に戻ると、“眠くなるとどうしてあくびが出るの?”というのは、眠くならないために出ています。それは脳を目覚めさせるためです。あくびがうつるのは、みんなで目覚めるためです、というのが今のところの答えだと思ってください。いいですか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「本能的にみんなで同じ行動をとって助かるように、あくびがうつるようになってるということですか?」

篠原先生「まあ、今の説明は正直あやしいと思いますけど(笑)、コミュニケーションとの関わりで伝わりやすくなることは確実で、ヒトの場合でもコミュニケーションの能力との関わりが指摘されています。」

アナウンサー「ということですって○○君。納得頂けましたか?」

質問者「はい。」

 

Q14 臭いにおいを出す昆虫は、自分でもそ

  のにおいに気づいているのかが知りたく

  て、去年ここに電話して、かからなかっ

  たので、自分でカメムシを捕まえて、い

  ろんな虫に臭いにおいを嗅がせて調べて

  みたのですが、本当のところはよく分か

  りませんでした。(小5女子)

 

アナウンサー「そうだったんだ、ごめんなさいね。それで自分でも調べてみたと。でも分からないということですね。今日はそこをしっかりと丸山先生に教えてもらいましょう。」

丸山先生「答えから言うと、たぶん自分自身では分かっていないんじゃないかと思います。」

質問者「えっ?」

アナウンサー「自分が臭いにおいを出していることに、その昆虫自身も気づいてないと。」

丸山先生「ただ、それが臭いか…“臭い”って嫌な感情じゃないですか。そういう意味で、臭くて嫌だとは少なくとも思っていないと思います。」

質問者「へええ!」

丸山先生「昆虫も人間と同じように、見たり聞いたり触ったり嗅いだり、感覚というものがあります。それが一部ないものもいるんですけど。いろんな方法で周りの状況を知ることができます。

それでね、人間はその幅がすごく広いんだけど、昆虫の場合はその感覚が、自分の生活になくてはならないものしか持っていません。例えば、昔、面白い実験をした人がいて、ファーブルという昆虫の研究家なんだけど、セミに大砲の音を聞かせても全然気にしなかった、ということがあります。」

質問者「あ、それ知ってます。」

丸山先生「何でかというと、森に暮らすセミは、仲間どうしで鳴き声を聞いてやりとりをするんだけど、大砲のような音は分かる必要がないからなのね。」

質問者「ああ!」

丸山先生「分かる感覚を持つ必要がないから持っていない。

カメムシの場合は、…カメムシが何でにおいを出すか分かるかな?」

質問者「敵に食べられないため?」

丸山先生「そう、臭いにおいを出して、小鳥とかに食べられないためだけれども、カメムシの場合は、自分がにおいを出してることは何となく分かってると思う。」

質問者「おお!」

丸山先生「何でかというと、カメムシのにおいって、すぐに気化する成分の強い毒のようなもので、カメムシを狭いビニール袋にたくさん入れて、においを出させると、その中でカメムシが自分の毒で死んじゃうんだよね。」

質問者「はい。」

丸山先生「体には刺激があるから、カメムシもおそらく少しは分かってると思います。

他にも臭いにおいを出す昆虫って、何か思いつくものはいるかな?」

質問者「テントウムシ。苦いのとか、あとアゲハチョウの幼虫。」

丸山先生「そうだね。アゲハチョウの幼虫の場合、さっきの感覚の話だけど、口で植物に触れて、食べられることが分かったり、小っちゃな目があるから、今は夜だな~って暗くなったのが分かったり、誰かに触られると敵が来たと分かるぐらいだと思います。エサのミカンとかサンショウの葉っぱを食べて、体で臭いものを作って、ほら、アゲハチョウって臭い角を出すでしょ? そこからにおいを出します。」

質問者「うんうん。」

丸山先生「何でかというと、こうすれば敵が逃げてくれるということを、何も考えずに元々分かっていてやってるので、それはやっぱり“敵には臭いからやろう”とは思ってないんだよね。」

質問者「ふううん。」

丸山先生「そうなると、自分がにおいを感じる理由というのがあまりなくて、少なくとも自分ではにおいが臭いとは分かっていないと思います。」

質問者「よく分かりました。」

丸山先生「人間が臭いと思うのは、だいたい食べてはいけないものとか危ないもので、それは“臭い”という嫌な気持ちを持つことによって、腐った食べ物とか毒のある食べ物を食べないように、自分の体を守るためなんだけれども、昆虫は自分の体を守るために“臭い”と感じる必要がないから、それで感じないことが多いんじゃないかと思います。」

アナウンサー「ちなみに、○○さんは、どんな実験をしてみたの?」

質問者「カメムシをカプセルに入れて、綿棒でつついて臭いにおいを出させて、アリとかバッタとかカエルとかに嗅がせてみました。」

アナウンサー「そしたら?」

質問者「背骨のある動物は、あんまり反応しなかったけど、ちょっとだけ反応した虫とかもいました。」

アナウンサー「例えば?」

質問者「バッタは口から何か赤い液が出ました。」

アナウンサー「へえええ~。」

丸山先生「そっかそっか。さっき言ったようにカメムシのにおいって、人間で言えばアルコールみたいな感じで、ツーンとする…揮発性って言うんだけど、そういう成分が入ってるのね。だから昆虫も、もしかしたら体にそれが当たると、ちょっと嫌な気分というか、これは危ないと思うかもしれないね。少なくとも狭い容器にカメムシと一緒に入れると、たぶんその昆虫は死んでしまうので、危ないものであることは他の昆虫も少し感じるかもしれません。面白い実験なので、またいろいろやってみてください。触覚で感じるのかとか、どこで感じるのかもいろいろあるだろうし。」

質問者「はい。」

アナウンサー「これだという結論はなかなか導けなかったということだけど、いろんな条件を設定して試してみるというのは、素晴らしいことだね。」

質問者「ありがとうございます。」

アナウンサー「カメムシ自体は自分が臭いことに気づいてないかもしれないけど、自分が何かを必要があって出してるということは気づいている、ということで、納得してもらえましたか?」

質問者「はい。」

 

質問終わり~スタジオの先生方から感想

上田先生「今日も良い質問がいっぱい来て嬉しかったです。ヤンバルクイナの質問もインコの質問も渡り鳥の質問も、鳥の生活の基本的なことが知りたいというもので、僕も良い質問だなと思いながら答えてました。」

 

篠原先生「いやあ、今の子どもは哲学者なのかな~って(笑)、思いました。だって、僕が小さい頃に神がどうしたなんて考えた記憶もないし、ポジティブネガティブ、性格的なこととかも、そんなに考えた記憶がないから。あと、今の子どもたちは、僕らの時代よりもずーっと哲学的というか、自分自身について考えたり、精神世界を考える素地があるのかなと……今回に限らずですけど、このところよく思います。」

アナウンサー「うん…そうですね。毎回、改めていろいろ考えさせられることが多いですよね。」

篠原先生「いやあ、ほんっとに困りますよ。(笑)ハハハハ。」

アナウンサー「(笑)、みなさん、もっともっと先生を困らせましょう!」

 

 

 

 

子ども科学電話相談 春スペシャル3/31(昆虫、鳥、恐竜、心と体、運動) 0~1時台

3/31のジャンルは

 鳥 上田恵介先生

 心と体 篠原菊紀先生

 昆虫 丸山宗利先生

 恐竜 田中康平先生

 運動 為末大先生

 

アナウンサー「最近はなかなか外出ができないとか、モヤモヤがたまる時期ですけど、今日は東京も曇り空で、ますますモヤモヤ感が高くなってるんですけど、気持ちを切り替える、何か良い提案はありますか?」

 

上田先生「こんな時にずっと家の中にいるだけって、本当に暗くなっちゃいますよね。だけど春、鳥たちはいちばん元気にさえずってる良い季節なんですよね。こんな時こそバードウオッチングです。」

アナウンサー「今、遠くにはなかなか行けない中、どうしたらいいですか?」

上田先生「遠くへはやっぱり行けないと思うけど、お家の近所で探すと、意外といろんな鳥がたくさんいるんですよね。スズメとカラスばっかりじゃなくて、もうツバメが来てるでしょう? 今は桜満開、よく見てるとメジロとかヒヨドリが桜の蜜を吸いに来ています。こういうのを探すのは楽しいですよ。だから、お父さんお母さんと一緒に、のんびりとお家の近くを、きれいな空気を吸いながらバードウオッチングというのは1つの楽しみ方かなと思います。」

 

篠原先生「気持ちが重くなるとか暗くなると言うと、余計そうなるという効果もあるので(笑)。」

アナウンサー「(笑)そもそも思っちゃいけない。」

篠原先生「あまり思わない方が良いというのもあるけど、どうしたって気になること……子どもたちだったら宿題もやらなきゃいけない、あるいはやりたいこともできないからそのことが頭から離れないとか、いろいろあって当たり前だと思います。そういう時の対処法としてよく言われるのは、自分が今抱えている不安感とかモヤモヤッとした感じとか、頭の中を離れないことを、紙に書き出してあげると良いですよと。」

アナウンサー「紙に書き出す。」

篠原先生「書き出すんです。“なんか今、嫌~な感じだなあ”とか“あれがしたいんだけどできない”とか。それが頭の中でグルグル回っていると……脳って一種のメモ帳みたいなものが何枚か、大体3~4枚ぐらいあって、並行していろいろ使えるんだけど、気になることがあるとメモ帳の容量を食べてしまうというか、1~2枚はその嫌なことに食われてしまうので、」

アナウンサー「埋まってしまう。」

篠原先生「そう、埋まってしまうので、結局空いてる部分が少なくなっちゃうから、余計に気になることばっかり考えるようになってしまうんですね。それを紙に書き出したり、お母さんとか周りの方に話したりすると、“外在化”という言葉を使うんですけど、外に出して客観化することができるので、そうすると脳のメモも空いて使えるようになるし、不安感も小さくなることが知られてるので、やってみたら良いのかなとは思います。」

アナウンサー「言葉に出して言ってみたり、書き出す…って言葉で書くんですか? 絵じゃなくて…」

篠原先生「絵でも良いですよ。絵でも描いても良いし、できれば“学校に行けるようになったらこんなことしよう”みたいな希望も書くと余計に良いと思います。」

 

アナウンサー「運動の質問に答えるのは、今回初登場の元陸上選手、為末大先生。為末先生は400メートルハードルの日本記録保持者で、オリンピックも3大会も出場しています。丸山先生、田中先生、為末先生は、新型コロナウイルス対策もありまして、今回は電話でのお答えになります。スタジオの中も随時換気をしながら、環境を整えてお伝えしていきます。」

 

Q1 ヤンバルクイナは昔、飛べたんですか?

  (小2男子)

 

上田先生「ヤンバルクイナね。昔はいなかったから、ヤンバルクイナが飛んでたかどうか知らんねんけども、昔は絶対飛べました。どうしてか分かる?」

質問者「分からない。」

上田先生「沖縄は島だよね。島にいろんな鳥がいると思うけど、飛べる鳥は島から島へバタバタって羽ばたいて飛んで行けるけど、ヤンバルクイナは飛べないよね? バタバタと羽ばたいて行けないでしょ?」

質問者「うん。」

上田先生「バチャバチャと泳いできたとしたら、泳いでたらサメに食べられてしまうかもしれないよね?」

質問者「うん。」

上田先生「だから、飛べなくなってからは島から島へ行くことはできません。だから飛べる時に、ずっとずっと昔、僕たち人類のずっと昔の原始時代のもっと前、10万年100万年、そんな時代にヤンバルクイナの先祖がいたのね。おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん…のヤンバルクイナ。それはたぶん、いろんな島に住んで、島から島へ飛んで移ったりしてました。」

質問者「へえええ。」

上田先生「そんな先祖が沖縄に来て、…山原(やんばる)って良い所やね。行ったことある?」

質問者「ある。」

上田先生「先生も何回か行ったことあるの。きれいな森が残ってて、すごく良い自然があるなと思いました。ヤンバルクイナはたぶん先祖がね、沖縄に来て、“あ、良い森だなあ、ここに住もう”と思って住み始めたの。」

質問者「ふうううん。」

上田先生「沖縄がヤンバルクイナにとってすごく良いのは……天敵って分かるかな?」

質問者「天敵?」

上田先生「ヤンバルクイナを食べてしまう動物。」

質問者「ハブ。」

上田先生「ハブはいるんやけれども、中国だとか日本の本土の方に行くと、イタチだとかキツネだとか、ネコだとかがいっぱいいるでしょう? 沖縄は元々そんなものはいなかったでしょう? だから山原は鳥にとって住みやすかったの。」

質問者「ふうううん。」

上田先生「だからヤンバルクイナの先祖は、“あ、ここはええとこやぁ、ここに住もう”と思って住み始めて、20万年、100万年もしていくと…そんなにかからないけど、だんだん翼が小さくなって、ほとんど飛べなくなってしまいました。

鳥の翼って、人間で言うたら腕でしょう? 腕をバタバタバタッと何時間も動かしてたら疲れるでしょう?」

質問者「うん。」

上田先生「鳥も疲れるのよ。あんまり疲れることはしたくないって思ったかどうか、先生は知らないけれども、使わなくて済むなら使わなくていたい。先祖がそう思ってずっと暮らしてたら、だんだん翼が小さくなって飛べなくなってしまいました。」

質問者「へえええ。」

上田先生「だけど翼はあるから、寝る時に木の上に2メートルか3メートルぐらい、ニワトリみたいにバタバタッて羽ばたいて飛び上がって寝ると言われています。それぐらいは軽く飛べる。」

質問者「へえ、そうなんだ。」

上田先生「それぐらいだとハブから逃げられるわけね。ヤンバルクイナは昔は飛べたけれども、現在は沖縄の山原は良い所だから、飛ばなくて済むようになったから、飛べなくなった、ということかな。」

アナウンサー「どうですか、○○君、分かりましたか?」

質問者「はぁい。もう1ついいですか? えっと、赤ちゃんてカラスみたいですよね? カラスにも食べられるんですか?」

上田先生「ヤンバルクイナの赤ちゃん?」

質問者「そう。」

上田先生「そう、鳥の赤ちゃんってみんな弱いから、いろんな動物に食べられます。」

質問者「えええ……。」

上田先生「沖縄やったらハブにも食べられるし、今はマングースという人間が持ってきたやつ、これが広がってて、マングースヤンバルクイナの赤ちゃんを食べちゃいます。」

質問者「えええ……。」

上田先生「その他にふつうのヘビもたぶん食べるし、カラスがヤンバルクイナの赤ちゃんを見つけたら、カラスも食べちゃうと思う。だから赤ちゃんにとっては周りにいっぱい敵がいるの。」

質問者「へええええ。」

上田先生「だから赤ちゃんの時に死んでしまって、大人になれるのはあまり多くないね。」

質問者「へええ、そうなんだ。」

アナウンサー「じゃあヤンバルクイナの親鳥は、子どもを守るために頑張ってるんですか?」

上田先生「そうですね。巣を目につきにくい所に上手いこと隠して作って、雛を天敵の少ない所に連れ歩いて、身を隠すように一生懸命しているけれども、やっぱり天敵もその上をいって、食べられちゃうこともあります。」

アナウンサー「そうなんですねえ。○○君、分かりましたか?」

質問者「はぁい。ありがとうございました。」

 

Q2 何で人間はネガティブな人とポジティブ

  な人がいるんですか?(小4女子)

 

篠原先生「おぉ。何でこんな質問を思いついたんですか?」

質問者「お兄ちゃんがすごいネガティブだから。」

篠原先生「(笑)お兄ちゃんがネガティブなの? へええええ、どういうこと?」

質問者「ゲームに負けると、めっちゃ…」

篠原先生「落ち込む?」

質問者「うん。」

篠原先生「へええええ……じゃ、逆に○○さんはどうなの?」

質問者「弱いからしょうがない?」

篠原先生「あ~、諦めが早いって感じ?」

質問者「はい。」

篠原先生「切り替えが早くて諦めが早い感じだってことね? 分かりました。それでどうしてそういう違いがあるのかな、ということが質問だと受け取ればいいですか?」

質問者「はい。」

篠原先生「まず答えから言ってしまいます。いいですか?」

質問者「はい。」

篠原先生「遺伝って分かりますか?」

質問者「はい。」

篠原先生「遺伝が3から5割ぐらいです。」

質問者「ふううん……。」

篠原先生「ポジティブ、ネガティブのことだけじゃなくて、例えば外向性、外に気持ちを向けやすい人だとか内向性だとか、それから開放性と言って、いろんなことに興味を持ちやすいとか持ちにくいとか。そのへんはポジティブ、ネガティブにも通じるかもしれませんが、そういう性格の傾向について、遺伝の影響がどのぐらいなのか、環境の影響がどのぐらいなのかを調べる学問があります。それによる全体的な話で言えば、性格と言われてるものに関係する遺伝の要素が、だいたい3から5割ぐらいだろうと見積もられています。」

質問者「へええええ。」

篠原先生「一方で、ちょうど逆になるから、5から7割ぐらいは環境の影響だろうと考えられています。

ただし、ここでちょっと問題なのは、この環境という影響が、ちょっと変わった影響の仕方をしているようです。どういうことかというと、ふつうに“環境の影響で性格が変わる”というと、“~~の環境に置くと人がこういう性格になる”というように、環境が人を似せる方向、同じようにする方向にはたらくと考えがちです。」

質問者「うん。」

篠原先生「例えば○○さんとお兄ちゃんは、まあまあ同じような環境で育ってるから、きっと性格を似せる方向にはたらくはずだと。」

質問者「はい。」

篠原先生「そう思うのがふつうのはずなんだけど、実際にいろいろ調べると、どうやら環境は、人を似せない方向にはたらいているらしい。…分かりますか?」

質問者「はい。」

篠原先生「だから、同じ家庭で育っているのに、○○さんとお兄さんが似ていないということは、どうやらふつうらしい。だから、ポジティブあるいはネガティブになっていくことの3から5割ぐらいは生まれ持った遺伝子の組み合わせによって、ある程度説明ができるらしいと。残りの部分はどういう環境と向き合うか、出遭うかによって変わってくるんだけど、同じ環境に出遭ってもある人はポジティブになるし、ある人はネガティブになるということが、どうやら起こるらしい。

なので、例えばポジティブになろうと思うんだったら、いろんな環境に接してみないとよく分からない。いろんな経験をする中で変わっていくこともあるかもしれない。一方でいろんな経験を重ねる中でネガティブに変わっていくこともあるかもしれない、と考えられています。」

質問者「うん。」

篠原先生「ここで1つ大事な話があるので、それを聞いてもらいたいんですが、今、世の中の風潮として、ポジティブとネガティブを比べたらポジティブの方が何か良い、みたいな雰囲気があるじゃないですか?」

質問者「はい。」

篠原先生「だからたぶん○○さんも、“私はポジティブなのに、どうしてお兄ちゃんはネガティブなんだろう、ちょっと可哀想”ぐらいに思ってるのかもしれないけど、ちょっと難しい言い方をしますが、性格というものは価値判断の対象ではないです。つまりポジティブの方が価値があるとか、ネガティブの方が価値がないとか、逆にネガティブの方が価値があるとか、そういうことは基本的にないです。」

質問者「うん……」

篠原先生「どういうことかというと、例えばゲームに負けた時にお兄さんは落ち込む、というじゃないですか。○○さんは逆にスパッと諦めて気分を切り替えられると。その場面だけ見ると、何か○○さんの方が人生をうまくやってると思うかもしれないけど、お兄ちゃんみたいにすごく落ち込んで、そこからゲームをもっと上手くなろうと思うのか、あるいは自分にもっと合う道を探そうとするのか、ということもあり得るわけですよ。」

質問者「はい。」

篠原先生「あるいは、今の新型コロナの感染症の問題があると、すごく神経質であることが、実は自分を守ってくれたりするということが、いっぱいあるわけですよ。なので、性格に良し悪しはないんだということを、まずしっかり分かっておいてもらえれば良いなと思います。」

質問者「はい。」

篠原先生「分かりますかね? その上で質問に戻ると、○○さんが○○さんになるというか、お父さんとお母さんから○○さんが生まれてくるプロセスの中で、○○さんが持っている遺伝子の組み合わせというやつがあって、それで説明できる部分が3から5割ぐらいあって、それから○○さんがこれからどんな環境と出遭っていくのかによって変わってくる部分が5から7割ぐらいある、と思っていくと、まあまあ当たってるのかなと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「もちろん○○さんのように、ゲームに負けても切り替えが早いのも、別に悪いということではないんですよね。」

篠原先生「もちろん全然悪いことじゃないです。むしろそれはそれで生かせば良い。それから、ポジティブな人がよく言うけど、“ネガティブな人は楽しみがなくて可哀想”みたいなこと。ポジティブな人が思う楽しさと、ネガティブな人が思う楽しさは、たぶん違うので。」

質問者「はい。」

篠原先生「だから、例えば、いろんなリスクというか危険があった時に、“それを避けられた”ことにすごく喜びを感じることがネガティブな人には多かったり、逆にポジティブな人は“上手くいった”ことを中心に喜びを感じやすかったり、ということに過ぎないので。どっちが良いという議論はほぼ意味がないと思った方が良いと思いますね。」

質問者「はい。」

 

Q3 カブトムシとクワガタは、一緒に虫かご

  に入れると、なぜケンカをするんです

  か?(6才男子)

 

アナウンサー「6才ということは、今度小学校に上がるのかな?」

質問者「はい。」

丸山先生「カブトムシとクワガタ、飼ったことあるの?」

質問者「飼ったことないです。」

丸山先生「誰に聞い…」

質問者「でもカブトムシは育てています。」

丸山先生「本当? そっかぁ、うまく夏に成虫が出てくると良いね。そのことはお友だちから聞いたのかな? 本で読んだのかな?」

質問者「お友だちの虫かごで見ました。」

丸山先生「そうかあ。カブトムシとかクワガタって、頭に角が生えてるでしょう?」

質問者「はい。」

丸山先生「クワガタは頭の角じゃなくて、正確には口、大アゴというんだけど、カブトムシの角とかクワガタの大アゴはね、元々オスどうしが戦うためにあるんだよね。何で戦うかというと、カブトムシとかクワガタの成虫は外で何を食べてるか知ってるかな?」

質問者「土? 幼虫は土や。」

丸山先生「うん。成虫は何だと思う?」

質問者「……分かりません。」

丸山先生「成虫はね、樹液っていうんだけれども、木から出る汁が甘くなったものをなめるんだよね。飼育する時はゼリーを使ったりリンゴをあげたりするんだけど、外では樹液、木の汁をなめてるんだよね。

それで、何でカブトムシとクワガタが戦うかというと、樹液の場所はすごく狭いので、それを奪い合うため。自分だけが食べるために他のオスを追い払うためにケンカをするんだよね。」

質問者「はい。」

丸山先生「だから、カブトムシとクワガタは樹液を奪い合う仲にあるから、樹液がない所でも狭い虫かごに入れると、そうやってケンカをすることになってしまうんだよね。」

質問者「はい…。」

丸山先生「何でオスどうしがケンカをするかというと、樹液の所がオスとメスの出会いの場所になっているんだよね。そこでオスとメスが出会って結婚をします。だからオスはその樹液の場所を、自分のエサのためにも、メスと出会うためにも一生懸命守る必要があるんだよね。だからオスはケンカをします。」

質問者「はい。」

丸山先生「それでケンカの強いオスがそうやってどんどん生き残っていって、そこはちょっと難しい話だけれども、今、カブトムシとクワガタが立派な角を持つようになっています。ちょっと難しい話だけどね、分かりましたかな?…ね(笑)?」

質問者「分かりました。」

丸山先生「カブトムシは何匹飼ってるのかな?」

質問者「………ろっぴき。」

丸山先生「そっかぁ。そしたらその中にオスがたぶん2匹以上はいると思うけど、そのオスどうしも同じ虫かごに入れるとケンカしちゃうことがあります。だから虫かごで一緒に飼うときは、エサをたくさん入れてあげるとか、ケンカをしないように気をつけてあげてください。ずっとケンカをしてると、オスが疲れてしまって、長生きしなくなってしまいます。そこはちょっと気をつけてみてください。」

質問者「はい。」

アナウンサー「今日は質問をしてくれてありがとうございました。」

質問者「ありがとうございました。」

アナウンサー「今度小学1年生になる○○君の質問でした。○○君、小学校、楽しんでくださいね。」

質問者「はぁい!」

 

Q4 恐竜の中で、いちばん強い恐竜は何です

  か?(小1女子)

 

田中先生「まず、○○さんは、どうしていちばん強い恐竜を知りたいの?」

質問者「学校でお友だちと遊ぶ時、恐竜ごっこしようってなって、それで強い恐竜は何かなって悩んで、お友だちに聞いたんだけど、分かんなくって、それでとりあえずティラノサウルスにしてみたんだけど、まだ困っ…何かなあーって思ってる。」

田中先生「そのお友だちはどの恐竜で戦いに来てるか分かる? どの恐竜を選んでるの?」

質問者「……△△(お友だちの名前をほぼ言いかける)……お友だちもティラノサウルス。」

田中先生「お友だちもティラノサウルス……じゃ、ティラノサウルスより強い恐竜を考えればいいってことだよね。これはけっこう難しいよ○○さん。ティラノサウルスは最強だからね。……そうだね、どうしようか……○○さんは防御がいい? それとも攻撃タイプ? どっちがいい?」

質問者「攻撃。」

田中先生「攻撃でいく? じゃあ肉食恐竜でいこうか。」

質問者「はい。」

田中先生「でもティラノだからねえ……○○さんはティラノサウルス知ってるよね?」

質問者「はい。」

田中先生「超強い恐竜だよね。ティラノサウルスよりも大きな肉食恐竜は知ってる?」

質問者「大きい恐竜? 肉食……草食ではスーパーサウルス。」

田中先生「あっ、スーパーサウルス知ってる?」

質問者「スーパーサウルスは肉食じゃないけど知ってる。」

田中先生「じゃあスーパーサウルス系もいいね。そっちでいく?」

質問者「はい。」

田中先生「(笑)スーパーサウルスとかアルゼンチノサウルスとか首が長くて体の大きな、世界でいちばん大きな恐竜がいるんだけど、その恐竜だったらティラノに勝てるかもしれない。体が大きいから、まずティラノに食べられない。あと尻尾がすっごい長い。鞭みたいな尻尾を持ってるの。だからスーパーサウルスの鞭でティラノをビシバシやっつけるのはどうかな?」

質問者「分かりました。」

田中先生「それでいけそう?」

質問者「あと、イグアノドンの武器は何ですか?」

田中先生「イグアノドンでもいきたい? イグアノドンってどういう恐竜か、図鑑で見たことある?」

質問者「ある。」

田中先生「イグアノドンって、手がちょっと特徴的じゃない? 知ってるかな? 親指のところがすごく大きくなってない?」

質問者「………。」

田中先生「今度図鑑で見てみると分かると思うけど、イグアノドンは親指がスパイクと言って、鋭い刺みたいになってるの。だから親指で刺しながら戦うことができるかな。

あとイグアノドンは群れだったかもしれないから、群れで戦う手もあるよ。あ、でも友だち1人に対して群れはちょっとずるいか(笑)。ティラノ軍団対イグアノ軍団っていう、みんなで戦うこともできるよ。」

質問者「私が好きな恐竜は、アロサウルスです。」

田中先生「アロサウルスも良いね。ただアロサウルスはティラノに負けちゃうかも。そこも群れの方がいいなあ。」

アナウンサー「アロサウルスは何で負けてしまうかもしれないんですか?」

田中先生「アロサウルスはティラノよりも小っちゃいんだよね。体が小っちゃいし、顎のつくりもティラノより弱いから、アロサウルスとティラノが1対1で戦ったら負けちゃうかも。」

アナウンサー「あら残念。○○さん、負けちゃうって。」

質問者「そうですか。」

田中先生「アロサウルスの仲間にマプサウルスという恐竜がいるんだけど……アルゼンチンで見つかってる恐竜ね。マプサウルスはティラノよりもちょっと大きいぐらいで、しかも群れだったかもしれないと言われてるの。だからやっぱり群れで戦うのが良いんじゃないかな。ただお友だちもかわいそうだから、ティラノの友だちも何人かで戦う方が良いかなぁ。」

質問者「…はい。」

田中先生「(笑)いけそう?」

質問者「はい。」

アナウンサー「スーパーサウルス、イグアノドン、アロサウルス、マプサウルス。アロサウルスは負けちゃうかもと言ってました。○○さん、いろいろ出ましたけど、いちばん“これだ”と思ったのはどれですか?」

質問者「………スーパーサウルス。」

田中先生「やっぱスーパーサウルスか、体が大きいもんね。」

アナウンサー「ティラノサウルスとどのくらい違うんですか?」

田中先生「ティラノサウルスは…○○さん、大きさ知ってる?」

質問者「ティラノサウルスは、長さ12メートルで、スーパーサウルスは長さ60メートル。」

アナウンサー「おおお~。」

田中先生「60メートル…はちょっとデカすぎるかもしれないけど、ティラノサウルスよりずっと大きいから…長さが3倍近くあるのかな、確かに大きさで言ったらスーパーサウルスの方が断然大きいから、大きいということ自体が強いってことだからね。」

質問者「うん。」

アナウンサー「同じ恐竜でもそんなに体の大きさが違うんですね。へえええ~。」

田中先生「○○さん、スーパーサウルスで負けそうだったら、今日出てきた恐竜に変えて戦ってみなよ。」

質問者「はい。食べ物では変わんないですか?」

田中先生「食べ物?」

質問者「草食と肉食。」

田中先生「肉食は獲物を襲うから当然強いんだけど、植物食の恐竜もやられまいとして、防御したり戦ったりするんだよね。今生きている動物も、植物を食べてる動物は気性がけっこう荒かったり強かったりするから、植物食だからといって侮っちゃだめだよ。当然、ティラノに勝てる恐竜だっていたはずだから。」

質問者「はい。」

田中先生「で、もしそれで負けそうになったら、お電話して。次の恐竜を考えよう。」

アナウンサー「そうですね。これで負けそうになったら、また先生に質問してください。これで恐竜ごっこで勝てるかな?」

質問者「………もう1個質問がある。ディノニクスは見た目は大きそうなのに、何でトリケラトプスとステゴサウルスとアンキロサウルスより小さいんですか?」

田中先生「見た目が大きそうだけど……デイノニクスはけっこう小っちゃいんだよね。2メートルちょっとぐらいかな。あれも群れで戦うんじゃないかな。小型だけどあれも強い恐竜で……今度、博物館がオープンしたら○○さんにぜひ見に行ってほしいけど、けっこう小っちゃいよ。○○さんと同じぐらいの頭の高さかもしれない。」

アナウンサー「再開した時に近くの博物館に行って、自分の目で確かめて、そこでも聞いてみてくださいね。」

質問者「はい。」

 

アナウンサー「ここからは初登場の先生をご紹介します。元陸上選手で400メートルハードルの日本記録を持っている為末大先生です。オリンピックに3回も出場している先生なんです。為末先生、こんにちは。」

為末先生「こんにちは。」

アナウンサー「初めまして、よろしくお願いしいたします。」

為末先生「よろしくお願いします。」

アナウンサー「今日はどんな状況で電話にお応え頂いているんでしょうか?」

為末先生「今は家にいて、机の前で応えています。」

アナウンサー「為末先生のプロフィールを紹介させてください。先生は1978年に広島県で生まれました。スプリント種目の世界大会で、日本人として初のメダルを獲得されました。オリンピックには2000年のシドニー、2004年のアテネ、そして2008年の北京と、3大会連続で出場されています。男子400メートルハードルの日本記録保持者でもいらっしゃいます。為末先生は、やはり子どもの頃から足が速かったんですか?」

為末先生「はい、速かったです。(笑)ハハハ。」

アナウンサー「(笑)そうですか。もうダントツで小学校の頃から?」

為末先生「そうですね。」

アナウンサー「何でそんなに速かったんですか?」

為末先生「何でなんでしょうね。でもオリンピックに出る選手で、小学校の時にはあまり速くなかった選手も多いんですね。」

アナウンサー「そうなんですか!」

為末先生「私は速かったですけど、小学校の時にはクラスで半分ぐらいだった選手がオリンピックに出ることもあります。」

アナウンサー「速くなるコツと言いますか、そんな簡単なことではないと思いますけど、考えられることはありますか?」

為末先生「姿勢ですね。体をまっすぐにするのはとても大切なことで、まず体をまっすぐにすること。それから走るというのはジャンプなんですね、片足ずつの。なので片足ずつのジャンプ運動だと思って弾むことが大事ですね。」

アナウンサー「はあ~、姿勢と弾むこと。」

為末先生「体をまっすぐにして、前を見て弾んで走ることが大事なことですね。」

アナウンサー「ふうううん…、ただがむしゃらに速く走ろうとしちゃだめなんですね。ちゃんと速くなるためのポイントがあるということなんですね。」

為末先生「力を入れるよりもリラックスして、自分の体がゴムボールになったような感じで弾んでいくのが良いと思います。」

アナウンサー「ゴムボールをイメージするんですね。子どもたちからの質問の中で、走り方についてもいろいろ出てくると思いますけれども、よろしくお願いします。

あと、1つ伺っておきたいんですが、今こんな状況で外に出かけられない子どもたちも多いですけれども、為末先生から何か、良いアドバイス、運動方法などはありますか?」

為末先生「お家でできることというと限られてると思いますけど、もし庭とか目の前の道路に出られるんだったら、縄跳びはピョンピョン跳ねる力をすごくつけてくれるんですね。なので、これを機に縄跳びの練習をしてみるのは、足が速くなる上で大事なことかなと思います。」

アナウンサー「そうなんですね。場所はあまりとらない方ですものね。外に出てやる時には、お父さんお母さん、大人に相談しながら場所を見つけてやってみましょうね。」

 

次のお友だち

質問者「○○です。6才です。」

アナウンサー「今度、小学校ですか?」

質問者「はい、そうです。」

アナウンサー「おめでとうございます。ランドセルはもう用意しましたか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「何色?」

質問者「キャメルブラウンです。」

アナウンサー「あら、あらららら。おしゃれですね~。」

Q5 どうしたらかけっこで最後まで速い速度

  で走ることができるようになりますか?

  (6才男子)

 

アナウンサー「何でそう思ったの?」

質問者「最後、疲れて、(聞きとれず)が出なくなる。」

アナウンサー「あああ…、最後に疲れて、あまり速く走れなくなっちゃうんですね。じゃあ為末先生に聞いてみましょう。為末先生、今のこの質問、どうでしょうか?」

為末先生「いやあ、とっても良い質問で、足が速いというのは、前半と後半の2つがあるんですね。これはオリンピック選手も同じなんです。前半の大事なことはスタートダッシュと言って、オリンピック選手は手をついて走りますけど、あれは転ぶ寸前の形を作っていて、手を外した瞬間に「おっとっと」と前に転びそうになる力を使ってダッシュをしてるんですね。」

アナウンサー「スタートをする時ですね?」

為末先生「そうです。だから、まずスタートダッシュの時には前に体重をかけることが大事です。

で、最後までちゃんとスピードを出していけるかどうかは、やっぱり姿勢で決まるんですね。まっすぐゴールを見ている間は大丈夫なんだけど、“友だちが追っかけてきてないかな”と横を向いたり、疲れてきて自分の体がグラグラしてくると、スピードが出なくなっていきます。

なので、最後のところで何を考えなきゃいけないかというと、腕を大きく振って、自分の体が1本の棒になったつもりで、それをゴールまで何とか頑張る。それが大事なことですね。」

アナウンサー「ふううん……。○○君、聞こえますか?」

質問者「聞こえます。」

アナウンサー「○○君は走っている時に、他のお友だちの速さが気になって横を向いたり、先生が言っていたことで心当たりはありますか?」

質問者「よく、横を向いてしまいます。」

為末先生「横を向く。じゃあ、それをまっすぐにすると良いね。ゴールを見ながら走ると良いよ。ずーっと前を見ながら。」

質問者「はい。」

アナウンサー「走っている時、姿勢はどうですか?」

質問者「えー…っとね、……少し、…背が、曲がっちゃってます。」

為末先生「手が曲がっちゃってる?」

アナウンサー「背? 背中?」

質問者「背中が曲がっちゃってます。」

為末先生「背中が曲がっちゃってるんだね。そうだな、お家に棒みたいなものがあれば、ほうきでも何でも良いんだけど、それを背中に入れてみて、これがまっすぐの姿勢だって覚えてから、それをゴールまで頑張って走ると良いよ。」

アナウンサー「どうですか? お家に細長い棒のようなものはあります? 背中に入れられる…」

質問者「あります!」

為末先生「ある? それを背中とシャツとの間に入れて、“これがピンとした格好か”って覚えてから、それを維持……そのままずっと走ると良いよ。」

質問者「はい。分かりました。」

アナウンサー「最初に棒を入れてみて、まっすぐの姿勢を感覚で覚えておいて、走る時にその感じを思い出すんですって。できるかしら?」

質問者「できる気がします。」

アナウンサー「ああそう、よかった。為末先生、その他に速く走れるポイントがありましたら、ちょっと欲張りですけど教えてもらえますか?」

為末先生「んー、あとは走る時にどんな感じ? 足はペタペタしてる? 足はどんな音を出してる?」

質問者「……分からない。」

為末先生「分からない(笑)。あのね、速く走れるようになると、自分の足音がタッタッタッて短くなるんだよね。ジャンプしてるみたいになっていくので。それは縄跳びを連続で跳んでる時と同じような足の使い方なので、姿勢ができた後は外に出て縄跳びを、お父さんお母さんと一緒に跳んでみると、こうやって地面を踏むんだっていうのが分かって、速くなると思います。」

アナウンサー「どうですか○○君、縄跳びはしたことある?」

質問者「したことあります。長縄も、縄跳びもしたことがあります。」

アナウンサー「じゃあ為末先生が言っているように、縄跳びも少しやってみると、走る時の足の着き方とか、弾むような感じが分かってくるかもしれないね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「縄跳びも練習してみようか、速く走れるために。為末先生、それでよろしいですかね?」

為末先生「はい、姿勢と縄跳びをしてみるのを大事にしてみてください。」

質問者「分かりました。」

 

Q6 どうして運動すると筋肉が出るんです

  か?(もうすぐ1年生女子)

 

アナウンサー「ポコッて盛り上がること?」

質問者「はい。」

為末先生「いやあ、素晴らしい質問ですね。人間の体の筋肉は、使うと前より強くなるという性質があります。」

質問者「ああああ……。」

為末先生「重たいものを持つと、“もっと重たいものを持てるようにならなきゃ”って体が勝手に考えるので、次には筋肉がちょっと大きくなるんだよね。だけどすぐには大きくならなくて、まずは体を動かして、そうすると筋肉が疲れます。それでご飯を食べるでしょう? ご飯を食べて眠ると、疲れたところに栄養が送られて、筋肉が前より太くて強くなるので、だんだん筋肉が盛り上がってくるということです。」

質問者「ああああ~。」

アナウンサー「○○さんはどうしてこういうことを考えたの?」

質問者「テレビで、体操のお兄さんが筋肉ポーズをしてたからです。」

為末先生「(笑)なるほどね。」

アナウンサー「おおおお~、筋肉体操かな……。どこの筋肉がポコッて出てたの?」

質問者「腕の筋肉です。」

アナウンサー「じゃあ、そのお兄さんは腕をふだんから、よく使って鍛えてるってことですかね? ○○さんも筋肉を鍛えたいのかな?」

質問者「あんまり鍛えたくないです。」

為末先生「(笑)……そうか、そうだね。」

アナウンサー「でも為末先生、筋肉って人間にとって、とても大事な機能ですよね?」

為末先生「そうですね。たぶん、見たのは腕とか脚とか表に出てる筋肉だけど、人間が運動する時にいちばん大事なのは、見えてないお腹とか背中の筋肉。」

質問者「ああああ~。」

為末先生「これが人間の体の姿勢を保ってるので、すごい大事なんですね。」

質問者「ふうううん……。」

為末先生「お腹がボコボコって出たり、背中も浮き出てきたりするんだけど、たぶんその体操のお兄さんもきっとボコボコしてたと思うけど、それを体幹と言って、胴体の周りの筋肉がスポーツ選手には大事で、よく鍛えます。」

質問者「ほおお。」

為末先生「そうすると足が速くなって運動が得意になるんだね。」

アナウンサー「○○さんは運動が好きですか?」

質問者「好きです。」

アナウンサー「どんなのが好き?」

質問者「縄跳びですね。」

為末先生「おお~、良いね。」

アナウンサー「さっきも為末先生が、速く走るためには縄跳びが良いってアドバイスしてましたよね?」

為末先生「そうですね。縄跳びは良いですよ。」

アナウンサー「ということは、○○さんはふだんから縄跳びをして鍛えてるということになってるのかも。二重跳びとかできるのかしら?」

質問者「んー、二重跳びは無理ですね。でも、お姉ちゃんはできます。」

為末先生「ピョンピョン連続で跳べる?」

質問者「……できるって。」

アナウンサー「何回ぐらい跳べるのかな?」

質問者「……20回ぐらいです。」

為末先生「おお、すごいね。連続で跳べるのが大事だからね。連続で跳べるようになると良いよ。」

質問者「おおおお。」

アナウンサー「連続で跳べると、どういう良いことがあるんですか?」

為末先生「連続で跳ぶとジャンプしてるのと同じになるんですね。速く走るには地面に力を強く加えるのと、速く地面から離れることが大事なんですね。縄跳びを跳んでると、速く地面から離れることを、自分の足が覚えてくれるので。足が速いオリンピック選手を見てると、すごく速く地面から離れるんだけど、ああいうのは縄跳びを連続でピョンピョン跳ぶことと同じような力の使い方をしてるので、ピョンピョン連続で跳べると良いし、いつか二重跳びができるようになると、なお良い感じ。まだ6才だとちょっと難しいけど、できるようになると良いね。」

質問者「はああ…。」

アナウンサー「○○さん、連続して跳べる回数も多い方が良いけれど、回数だけじゃなくて速めにピョンピョン跳べるようになると、更に鍛えられるということだね。試してみて。」

質問者「はい。」

 

         ~0時台・1時台終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子ども科学電話相談 春スペシャル3/30(天文・宇宙、動物、水中の生物、恐竜) 2~3時台

3/30のジャンルは

 天文・宇宙 永田美絵先生

 動物 成島悦雄先生

 水中の生物 林公義先生

 恐竜 田中康平先生

 

Q7 カクレクマノミは何でイソギンチャクに

  隠れるんですか?(小1男子)

 

林先生「○○君はカクレクマノミという魚を何で知ったのかな?」

質問者「図鑑とかDVDとか。」

林先生「DVDってひょっとして“ファイティング・ニモ”?」

質問者「……ん?」

林先生「”ファイティング・ニモ”っていうアニメーション? (笑)フフッ。」

質問者「いや、図鑑に付いてきた。」

林先生「じゃあ魚とか水の中の生物の入ってるDVDかな?」

質問者「はい。」

ファインディング・ニモ」のことだろうが、公開されたのは2003年。冥王星もまだ惑星だ。

 

林先生「カクレクマノミは“ファイティング・ニモ”のモデルになった魚だよね。イソギンチャクに隠れる理由は、大きく分けると2つあるのかなと思うけど、○○君は“こういうことだからイソギンチャクと一緒に住むんじゃないかな”という想像は何かできますか?」

質問者「天敵とかに見つからないようにだと思う。」

林先生「ピンポーン! 当たりぃ! おじさんが考えてた2つの理由の1つがそれです。クマノミの仲間はたくさん種類があるけれども、特にカクレクマノミは、体にオレンジ色の……(切断音)プツッ」

アナウンサー「あ、もしもしー? 電話が切れてしまったかな? ちょっと待ってね。」

質問者「はい……電話切れた……えっ?」

アナウンサー「(笑)○○君すみません、ちょっと待ってくださいね。今もう1度かけていますので。……何でイソギンチャクにカクレクマノミが隠れているのか。1つには天敵から身を守るため、○○君の答えていたのが当たってたね?」

質問者「はい。」

アナウンサー「でも、まだ理由がありそうでしたよね? それをちゃんと聞かないとね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「先生、再びつながったでしょうか、もしもし~? 林先生、聞こえますか?」

林先生「もしもし~、ごめんなさいね。○○君が天敵という言葉を知ってるとしたら、すごく説明しやすいですね。話の途中になっちゃったけど、全体的にオレンジ色だけど、体にすごく太い、白い横縞が3本入ってますよね?」

質問者「はい。」

林先生「あの3本って、住んでいるイソギンチャクの体の色だとか、ユラユラ揺れてる腕…触手というんだけど、あの腕の色とわりとよく似てるじゃないですか?」

質問者「はい。」

林先生「あのモゾモゾッとした中にクマノミが隠れちゃうと、忍者が迷彩服を着て森の中に隠れるとどこにいるか分からなくなっちゃうみたいな効果もあるだろうと思うんですよね。それでカクレクマノミを襲って食べようとする、または害を与えようとする天敵に対して、イソギンチャクの中に逃げ込めば良いわけだ。するとイソギンチャクがその外敵を追い払ってくれる状況になるわけだよね? それがたぶんいちばん有利なイソギンチャクの利用の仕方だろうと思います。」

質問者「はい。」

林先生「もう1つは、実はイソギンチャクが生活してる場所は岩の割れ目みたいな所で、そこに体を埋めて、そこからグーッと大きく成長して腕を伸ばしてるわけ。クマノミの仲間はイソギンチャクの腕の中だけじゃなくて周りをよく泳ぐんだよね。それで岩とイソギンチャクの間に時々……海に潜って調べたりする人がイソギンチャクをちょっとどけてみると、岩にオレンジ色の小さな粒々がたくさんついてることがあるの。それが実は、カクレクマノミもそうだけど、クマノミ類が生んだ卵なんですよ。」

質問者「オレンジの卵。」

林先生「うん、オレンジの小さな粒々がたーくさん岩の表面についてるの。そこがイソギンチャクの体と触手で上手に隠れてるわけ。だから安全に卵を生んで子どもを育てることができるわけね。」

質問者「はい。」

林先生「そういう意味では自分たちが天敵から守られてるだけじゃなくて、イソギンチャクが自分たちの卵と、生まれてくる子どもを守ってくれる役目もあるみたい。ということで、クマノミの仲間はイソギンチャクと離れられない生活になってる状況なんだな。」

質問者「はい。」

林先生「だから、なぜイソギンチャクに隠れるのかというのは、自分の身を守るためとか、自分の子孫である子どもたちを育てるためということになると思います。」

質問者「はい。」

林先生「そういう意味でクマノミはイソギンチャクからいろいろ恩恵を受けてるじゃない? じゃあイソギンチャクはクマノミから何か恩恵を受けてると思う?」

質問者「思わない。」

林先生「そうか。そうすると一方的にクマノミがイソギンチャクの場所を利用しちゃって、イソギンチャクにはクマノミが一緒にいるメリットがないと、○○君は考えますか?」

質問者「はい。」

林先生「実はいろんなことを調べた先生がいて、その先生の調べた例を紹介するね。」

アナウンサー「イソギンチャクにも良いことがあるんですか?」

林先生「そうなんですよ。両方ともメリットがある、つまり両方とも都合の良い生活ができることがお互いに見つかると、一緒に生活してる場合に、それは共利共生と言うんです。共に利益のある生活。そして片っぽにしか利益がないけれど、もう一方に別に害を与えない状態、ふつうの状態で利用されてるだけという場合に片利(へんり)共生。片っぽしか利益がない場合ね。」

質問者「はい。」

林先生「で、片っぽに利益があって片っぽに害を与えちゃう場合は共生と言わないの。寄生と言うの。寄生虫なんかそうでしょ? (笑)自分にメリットがあっても他人には害を与えるという。」

質問者「はい。」

林先生「クマノミとイソギンチャクの関係は共利共生。共に利益があるという観察例があります。例えばイソギンチャクは、やっぱり魚を獲って食べるんだけど、それ以外にクマノミが出した糞とか、クマノミが食べ残したエサなんかももらって食べてる。そういう観察もされてるのね。それもイソギンチャクにはありがたいことの1つかなと思います。」

質問者「じゃあ、外に出なくても狩りができるんですか?」

林先生「そう、イソギンチャクは岩にくっついたまんま、外に出れないよね? イソギンチャクは長い触手、ゴニョゴニョ動いてる腕をずーっと伸ばして、エサを捕まえるんだけど、イソギンチャクの1本1本の腕には毒棘が入ってるんですよ。その毒棘を使って魚を痺れさせて、触手で捕まえて自分の口に運ぶわけ。」

質問者「はい。じゃあ、何でカクレクマノミは毒針が効かないんですか?」

林先生「そうだよね、そういう質問になるよね。イソギンチャクがなぜ毒針を出してエサを獲るかというと、海水の中にマグネシウムという成分があるんですね。このマグネシウムの濃度、濃さより魚の体についている粘液の中のマグネシウムの濃度が高いと、イソギンチャクの毒に耐性があるんですって。要するにイソギンチャクが毒針を出さない。

つまり、海の中のマグネシウムの濃度より自分の体にある粘液のマグネシウムの濃度が低いと、毒針をピッと発射するんだって。

だから、クマノミは海水中のマグネシウムの濃度より高い濃度を持っているので、イソギンチャクが触手を持ってるにも関わらず、クマノミには有効じゃない、ということなんだな。」

質問者「はい。」

林先生「そういう研究がわりと最近報告されたんですよ。それでマグネシウムのことが分かって、クマノミとイソギンチャクの共生は、かなりキチッと出来上がっている共生じゃないか、という報告が出ましたね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君、分かりましたか?」

質問者「はい。」

林先生「ふつうのお魚だと、イソギンチャクが触れて、マグネシウムの濃度が高いか低いか分かると、“エサだ”とパッと獲って食べてるみたい。」

質問者「はい。」

アナウンサー「だからカクレクマノミじゃないといけないということなんですね?」

林先生「このクマノミ類は卵から生まれて育ってイソギンチャクの中で生活してる間に、マグネシウムの濃度を高くする粘液を体の周りにつけることができるようになるみたいです。」

質問者「はい。」

アナウンサー「そうなんだ、そういう関係があるんですね。」

林先生「すごいですね、この仕組みは。」

アナウンサー「○○君、分かりましたか?」

質問者「はい。」

アナウンサー「今日は質問してくれてありがとうね。」

質問者「ありがとうございました。」

林先生「はい、さよなら、元気でね。」

イソギンチャクの毒針は獲物に触ると出る物理的な仕組みじゃなくて、マグネシウムの濃度に反応する化学的な仕組みなのね。植物みたい。

 

Q8 獣脚類は歯が後ろに出ているのに、どう

  してディプロドクスは前に出ているので

  すか? 僕は、前に出ているとディプロ

  ドクスは植物が食べやすいのかなと思い

  ます。ですが、違う竜脚類を見てみた

  ら、前に出ていない方が多かったので不

  思議だなと思いました。(小5男子)

 

田中先生「獣脚類の歯とディプロドクスの歯の形のお話ですね。歯の質問は今日2つ目だね。○○君は恐竜は好き?」

質問者「大好きです。」

田中先生「じゃあ恐竜のこといろいろ質問しても大丈夫かな?」

質問者「はい。」

田中先生「よしっ。まず、獣脚類の歯は後ろ向きと言ってくれたけど、獣脚類って例えばどういうものがいる?」

質問者「アロサウルスとかティラノサウルスとか肉食恐竜です。」

田中先生「素晴らしい。この肉食恐竜たちの歯はどういう形をしてる?」

質問者「ギザギザしていて先がとんがっている。」

田中先生「ナイフみたいな感じだよね。形がナイフに似ていてギザギザした、ステーキナイフみたいな構造があるよね。素晴らしい。ギザギザしてるところは鋸歯(きょし)と言うけれども、肉食性の動物が持っている歯、恐竜の場合は専門用語でジフォドントという言い方をします。ナイフ型の歯のことね。」

質問者「はい。」

田中先生「彼らの歯は、後ろの方にカーブして曲がってるんだよね。何で曲がってると思う?」

質問者「えっと、僕は、肉を切りやすくしてる? って思うんですけど。」

田中先生「うん、肉を咬み切るというのもそうだね。しかも、生きてる獲物をバクッと襲う時にもきっと歯を使うよね? だから襲うことと肉を咬みちぎるという2つの役割があるのかな。歯がこんなふうに曲がってると、獲物を口の奥へ奥へ押し込むことができるんだよね。獲物が口の外に逃げないように、どんどん奥に入れることができる。こういうのって肉食性の爬虫類の歯にけっこう見られるんだよね。」

質問者「はい。」

田中先生「で、ディプロドクスだね。ディプロドクスは何のグループの恐竜?」

質問者「竜脚類。」

田中先生「素晴らしい。竜脚類はディプロドクス以外に何がいた?」

質問者「ブラキオサウルスとか、スーパーサウルスとか、あとアマルガサウルスとか。」

田中先生「いいねえ、たくさんいるね。首が長くて体の大きな恐竜たちだよね。ディプロドクスはどういう歯をしてたんだっけ?」

質問者「細長くて、何か鉛筆みたいに細い。」

田中先生「うんうん、鉛筆みたいな棒状の歯で、前の歯がちょっと前に出たような感じに見える?」

質問者「はい。」

田中先生「それがディプロドクスじゃない竜脚類は違うように見えた?」

質問者「はい。」

田中先生「例えばどういう竜脚類がそうなってた?」

質問者「えっと、ジョバリアを見てたらそう思いました。」

田中先生「ジョバリア……なるほどね、竜脚類の中でも歯とか顎の形がちょっとずつ違うんだね。じゃあ何でだと思う?」

質問者「うーん、ちょっと分からない……。」

田中先生「そうだよね、最初に質問を言った時に、ディプロドクスは葉っぱをちぎったりするためじゃないかなって言わなかった?」

質問者「はい。」

田中先生「その通りですよね。ディプロドクスは歯が簡単な形をしてるから、あまりモグモグ噛まないで、木の葉っぱを引きちぎって口に入れるために歯を使ってたんじゃないかなと思うよね?」

質問者「はい。」

田中先生「咀嚼はあまりしないで……熊手って分かるかな?」

質問者「はい。」

田中先生「熊手みたいな形の顎をしているよね。一方でジョバリアとか、もっと顎がしっかりしてるというか、あとニジェールサウルスとかもいるんだけど知ってるかな?」

質問者「はい、知ってます。」

田中先生「すごいね。あっちの方がちゃんとした歯を持ってるよね? あっちもおそらく…竜脚類だからあまりモグモグ噛んでいないと思うけど、植物をより効率的についばむというか、ちぎれるようになってるんじゃないのかなと思います。」

質問者「はい。」

田中先生「ただ、詳しいことはちゃんと精密な研究をしないと分からないと思うけど、竜脚類は植物をたくさんちぎるために、種類によって顎の形がちょっとずつ違ってるんだね。そういう違いが出てるんだけど、これは○○君が大きくなったら自分で研究してほしいと思います。」

質問者「はい、頑張ります。」

田中先生「頑張って。」

アナウンサー「○○君の推測は当たってるんじゃないかなと田中先生は言ってくださったけれども、必ずしもそれが絶対ではないかも、もっと他に歯が前に出ている理由があるかも、ということだね。」

田中先生「あと○○君、ちなみに獣脚類でも前歯が出てるものがいるんだけど知ってる?」

質問者「はい。えっと……アマルガサウルス?」

田中先生「竜脚類じゃなくて獣脚類の方。肉食の方。」

質問者「獣脚類……マシアカサウルス?」

田中先生「素晴らしいね! それを言おうと思ってた。マシアカサウルスという、前歯が前の方に飛び出たのがいるよね? あれは何でだと思う?」

質問者「魚を獲りやすくするため。」

田中先生「すごいねえ! その通りですね。歯の形も食べるものと深く関わってるんだよね。だから同じ肉食恐竜でも同じ植物食恐竜でも、顎の形とか歯の形によって、きっと食べてるものとか食べ方が違っていたことが分かってくるよね。今、いろーんな人が研究してるけど、○○君が大人になる頃にも謎がいっぱい残ってるから、頑張ってほしいと思います。」

質問者「はい、頑張ります。」

アナウンサー「○○君は将来、こういう恐竜の研究をしたいと思っているの?」

質問者「はい。」

アナウンサー「やっぱりそうなんだ。○○君が大きくなって研究することが、まだまだたくさんありそうだね。頑張ってください。」

質問者「はい、頑張ります。」

 

Q9 地球は隕石と隕石がぶつかってできたっ

  て聞いたんですけど、どうして隕石と隕

  石がぶつかっただけで、あんなにきれい

  な丸ができたんですか?(小3男子)

 

永田先生「○○君は隕石がぶつかって地球ができたって、どういうところで聞いたのかな?」

質問者「学校の図書館とかの本で見ました。」

永田先生「ということは、そういう本に隕石というか微惑星という、小さな星のかけらみたいなものが集まって地球が生まれたんだよ、みたいなことが書いてあったかもしれないけれども、地球が生まれた頃の様子を想像してみようと思います。」

質問者「はい。」

永田先生「地球は、今から46億年ぐらい前にできたらしいんだって。その時にどういうものが集まっていたのかというと……地球は元々は太陽の周りを回っている太陽系の仲間だって知ってる?」

質問者「それは知らない。」

永田先生「太陽の周りにいろいろな惑星があるんだけど、太陽が誕生して、その後にいろーんな惑星が生まれたんだよね。じゃ、太陽はというと、宇宙にあるいろいろな……私はプラネタリウムで“世界のもと”と言ってるけど、水素とか酸素とか鉄とかいろいろなものが集まって太陽が誕生して、太陽になりきれなかったものがだんだん集まって太陽の周りを回るようになったんだって。」

質問者「はい。」

永田先生「そういった“世界のもと”がどんどん集まっていって、今から46億年前に地球が生まれて、最初はガスとか塵とか小さなものだけど、だんだんと集まるに従って、より大きく大きくなっていったのね。実はガスとか鉄とかいろいろなものは、集まると周りのものをもっと集めるようになってくるんだって。重力って言うんだけどね。」

質問者「聞いたことあります。」

永田先生「そう、集まっていくの。だから次第に大きな塊になっていったらしいのね。それである程度大きくなったものが微惑星というものだけど、そこで○○君が不思議に思うのは、そんな岩みたいなものが集まっても丸くならないじゃない、というところだよね?」

質問者「はい。」

永田先生「すごーく長い時間をかけて、宇宙でいろいろなものが集まるということは、宇宙は上も下も横もない空間なんだよね。○○君に想像してほしいんだけど、例えば重力の強い大きな塊があって、その塊にガスや塵がどんどん集まっていくと、宇宙では例えば上だけ…宇宙には上も下もないけど(笑)、上だけに塵やガスがいーっぱい集まるんじゃなくて、右も左もどこもかしこも平等な感じに集まってくるんだよね。それは想像できる?」

質問者「できます。」

永田先生「片方だけにいっぱい集まる方が難しいんだよね。宇宙ではいろいろな塵やガスが分け隔てなく自然に、同じように集まってくると、結局いちばん自然なのは丸い形。球の形なんだよね。」

質問者「はい。」

永田先生「でも、宇宙はまん丸のきれいな形になる星だけではないんです。例えば、小惑星探査機はやぶさが最初に行った、イトカワという小惑星。○○君は見たことあるかな?」

質問者「ないです。」

永田先生「イトカワという星はラッコみたいな形をしてるんだよ。」

質問者「えっ。」

永田先生「ピーナツみたいな、ラッコみたいな形をしてるの。これは大きさがそんなに大きくないんですよ。まだ小さな星や小惑星は引っ張る力も弱いから、ガスや塵をあまり集められなくて、出来上がったものがわりと歪な形をしてるんだけど、ある程度大きな星、地球のような惑星は、いろいろな“世界のもと”が集まってくるので、球の形になるのがいちばん自然な方法なんですね。だから惑星は水星も金星も火星も、ガスの星だけど木星も、みーんな丸い形、球の形をしてるのね。」

質問者「はい。」

永田先生「ちょうど今日、他の質問で冥王星の定義の話をしたんだけど、○○君は聞いてくれてたかな?」

質問者「はい。」

永田先生「ありがとう。あの中で惑星の定義に“丸いこと”というのが最初にあったけど、やっぱりある程度大きな星じゃないと丸くならないのね。だから地球という星は、宇宙にあるいろいろなものが集まって、長い時間をかけてまーるい形になったということなんですね。」

質問者「はい。」

永田先生「でもさ、考えてみると、地球の材料を作ったものというのは、そもそも宇宙にあったものということだよね? ということは、○○君の身近にある全てのものが、みーんな宇宙の星のかけらでできているということだよね?」

質問者「そうですね。」

永田先生「そうだよね。私、それってすごいなといつも思うんです。だって、地球に住んでる○○君の体の中の血の中にある鉄とか、骨の中にあるカルシウムとか、これも元々は宇宙にあったものなんですよ。」

質問者「え、そうなんですか。」

永田先生「そうなんです。宇宙にあったものが集まってできてるの。○○君だけじゃなくて、地球に住んでいる鳥も虫も、いろーんなものが実は、ぜーんぶ星のかけらでできているということが分かっているんです。」

アナウンサー「○○君自身も宇宙の一部ということですよね。」

永田先生「○○君もそうなんだよ。そう考えると“わあ、すごいな”って思ったりしない?」

質問者「します。」

永田先生「(笑)そう、地球にあるもの全てって、すごい長い時間をかけて出来上がってきて、地球も太陽もぜーんぶ、宇宙が誕生していろいろな星が作ってくれた世界のもとが集まってできてるからね。そう考えると、今ここにいる○○君も、このラジオを聞いてる他のいろんなお友だちも、ここにいるということはすごいことなんだよね。それだけの長い時間をかけて星が作ってくれたものが、ようやく私たちに今、受け継がれていることになるんですね。」

質問者「はい。」

永田先生「ということで地球はどうして丸いのかという、ずいぶん壮大なお話になりましたけれども、分かってくれましたか?」

質問者「はい。」

塵やガスが集まって天体として成長するうちに球体になれるほどの重力を持ったから、ということかな。8000mの山から1万mの海溝までずいぶんデコボコしてると思うけど、宇宙スケールでは本当に大したことないんでしょうね。

 

Q10 トラとライオン、どっちが強いの?

  (6才男子)

 

成島先生「トラとライオン、どっちが強いだろうね。○○君はどっちが強いと思いますか?」

質問者「トラ。」

成島先生「トラか。そうだよね、おじさんもその意見に賛成です。まず大きさを比べてみようか。ライオンとトラだと、○○君はどっちが大きいと思いますか?」

質問者「ライオン。」

成島先生「うーん、そこは残念だなあ。トラの方が大きいんだ。だいたい、ライオンは120キロから、重たいやつだと250キロぐらいあるんだよ。○○君は今、何キロぐらい体重があるのかな?」

質問者「……じゅうはちぃ。」

成島先生「18キロ、○○君が10人集まって180キロだね。中くらいのライオンが180キロだとすると、○○君が10人集まるとそのぐらいの重さになるんだよね。トラは、まさしく180キロから、大きいのだと300キロを超えるの。」

質問者「いいっ!」

成島先生「大きいねえ。だから○○君が十何人いないとトラと同じ重さにならないわけよ。それでトラとライオン、やっぱり大きい方が強いんだよね。トラもライオンもネコの仲間だって分かるかな?」

質問者「うん、わかる。」

成島先生「よかった。○○君のお家のそばにネコはいるでしょう?」

質問者「うん。」

成島先生「それをうーんと大きくしたのがライオンとトラなんだけど、ライオンとトラを比べるとトラの方が大きいわけ。ふつうに考えると大きい方が強いんだよね。大きい方が力が強いじゃない?」

質問者「うん。」

成島先生「ただ、同じ大きさだとしようね。ライオンにも大きいのから小さいのがいるし、トラも大きいのから小さいのまでいるわけ。だから、もしライオンの大きな個体とトラの小さな個体、同じ体重の個体が戦った場合には、どっちが勝つかは、その時の運じゃないかと思うんだ。」

質問者「ふうううん。」

成島先生「互角って分かるかな? 難しいかな?」

質問者「うん。」

成島先生「ある時はライオンが勝つかもしれないけれども、ある時はトラが勝つかもしれないということ。同じ大きさならば力が同じくらいだから。ふつうならばトラの方がライオンよりも大きいのでトラの勝ちだけれども、同じ重さのトラとライオンを戦わせた場合には互角ということで、トラが勝つこともあるだろうし、反対にライオンが勝つこともあるということなんだよね。ここまでいいですか?」

質問者「うん。」

成島先生「ただ、戦い方がちょっと違うんだな。ライオンはグループを作って仲間で獲物を倒すんですよ。トラは単独生活と言うけど、1頭で獲物を倒すの。」

質問者「ふうううん。」

成島先生「だから、もしライオンのグループの中にトラを1頭入れれば、当然ライオンの方が強いよね? 体重では軽くてもみんなで協力してトラを倒そうとするでしょ? 戦い方が違うので、これまたその時の状況によって変わってくるわけ。」

質問者「ふうううん。」

成島先生「もう1つ、ふつうに考えると、トラとライオンは住んでる所が違うんだ。ライオンは草原とか開けた場所に住んでるの。トラはジャングル、木がいっぱい生えてる森の中に住んでるんです。だから、ふつうはトラとライオンが出会うことがないわけ。出会うことがなければ戦うこともないでしょ?」

質問者「うん。」

成島先生「だから今おじさんが○○君にお話ししてるのは、もしトラとライオンを僕たちの目の前に、例えば競技場なんかに連れてきて戦わせたら、そういうことになるなのかなという想像なんですね。本来のライオンはインドからアフリカにかけて住んでるでしょう? トラはインドにも住んでるけど、もっと広くてシベリアの方まで住んでるんだよね。」

質問者「ふうううん。」

成島先生「住んでる場所が違うと環境が違うので、ふつうは出会わないんだ。出会わないからケンカはしないということなんだな。いいですか?」

質問者「うん。」

成島先生「その時のいろいろな状態によってトラの方が強かったりライオンが強かったりするけれども、体の大きさだけを基準にして考えた時には、トラの方が強いと覚えておいてください。」

質問者「ふうううううん。」

成島先生「ところで、新1年生の○○君は、ライオンとトラ、本物を見たことがありますか?」

質問者「ない。」

成島先生「ないぃぃ……。じゃ、図鑑で見たことがあるぐらいかしら、あるいはテレビとか映画で見たのかな?」

質問者「絵本で見た。」

成島先生「絵本で見たかあぁ、うーん……絵本だと大きさが分かんないよね? 絵本に出てくるライオンの大きさとトラの大きさは、もしかしたら同じかもしれないね。」

質問者「うん。」

成島先生「やっぱり実物を見てほしいな。えーっと○○君は千葉県に住んでるんだっけ?」

質問者「うん、そう。」

成島先生「そばに動物園はありますか?」

質問者「ない。」

成島先生「じゃあ、今度お父さんかお母さん、家族の方に“動物園に連れてって”って頼んでみてください。○○君が行けるような場所の動物園に連れて行ってもらって、実際のライオンとトラを見てほしいな。そうすると、今おじさんが言ったことがもっと分かると思う。」

質問者「ふうううん。」

アナウンサー「今は新型コロナウイルスのこともあって、やっていない動物園もあるから、お出かけするのが難しいかもしれないけど、落ち着いて大丈夫な時期になったら、お父さんお母さんに相談して、行ってみる機会を作ったら良いかもしれないですね。」

成島先生「そうですね、今はお家にいた方が良いと思いますけれども。」

アナウンサー「あと小学校に入ったら…」

成島先生「遠足があるかもしれないですね。やっぱ本物を見なきゃだめだよ。」

アナウンサー「そうすると、またいろんな質問も出てくるかもしれないね(笑)。」

成島先生「そう、楽しみです。待ってますよ。」

実物を見たことがないのを嘆き、動物園でぜひ本物を!と訴える成島先生、つらいだろうね。

 

Q11 どこにシロナガスクジラは住んでるん

  ですか?(6才女子)

 

林先生「○○ちゃんは今度1年生だね、おめでとうございます。○○ちゃんの質問にあるシロナガスクジラというクジラ、○○ちゃんはどこかで見たことがあるのかな?」

質問者「本でかいてあります。」

林先生「本で書いてあった、そうか。○○ちゃんが見た本に、シロナガスクジラの絵はあったけれども、どこに住んでるかはあまり書いてなかったのかな?」

質問者「うん。」

林先生「分かりました。○○ちゃんが質問してくれたシロナガスクジラは、今この地球上、○○ちゃんが住んでる日本も全部そう、私たちは地球に住んでいますよね? 地球に住んでいるさまざまな動物の中で1つの大きさ、個体というけど、例えば○○ちゃんの頭から足の先までの身長と考えていいけれども、シロナガスクジラの個体1匹の大きさが、世界にいる他の動物と比べると世界で最大なんだって。だからこの地球上にいる最も大きな…頭から尾っぽまで計る体長とか全長とかって呼ぶんだけど、最も長い動物。そして体重もいちばん大きい動物がシロナガスクジラ

○○ちゃん、シロナガスクジラのいちばん大きいやつは何メートルぐらいだと思います?」

質問者「わ、かんない……。」

林先生「じゃあ教えちゃおう。今まで獲れたシロナガスクジラの中でいちばん大きな体の長さは、34メートルだって。○○ちゃん、身長いくつ?」

質問者「………」

林先生「まだ分かんないか。今度測って、34メートルは○○ちゃんの身長の何倍かをお家の人と考えてみてね。

ついでに重さ、体重も言っておこう。体重は190トンだって。…(笑)フッフッ、190トンってちょっと想像つかないね。成島先生がいるから、象さんの重さと比べると、シロナガスクジラの重さが何倍になるのか教えてもらおうか。」

成島先生「はい。よろしくお願いします。象さんはね、ふつう4トンぐらいかな。大きいものだと7トンぐらいになりますね。だから190÷4というと、林先生、いくつになりますか?」⇦計算はさらりと林先生に投げる。

林先生「えー、シシジュウロク……」

成島先生「40何倍ですね(笑)。」

林先生「40何倍だねえ。すごい。象さんが40頭以上で、やっとシロナガスクジラ1頭の重さになるんだ。ありがとうございました。」

成島先生「どういたしまして。」

林先生「じゃあ○○ちゃんの質問の、シロナガスクジラはどこに住んでるのかということですね。○○ちゃんは地球が丸いのは分かるよね?」

質問者「うん。」

林先生「真ん中は、ぐるりと回った距離のいちばん長いところ。あそこは赤道と言って0度。赤道を中心に北の方へ半分、南の方へ半分、両方を上がったり下がったりすると、地球の丸い形になりますよね?」

質問者「うん。」

林先生「いちばん北のところが北極ですよね? 寒いの。シロクマがいる所かな。それから南の方はペンギンがたくさんいる南極でしょう?」

質問者「………」

クジラの質問なのにシロクマやペンギンが出てきて混乱したかもね。お子さんは国名とか地名で「どこどこの近くの海だよ」みたいな回答を期待したのかな?

 

林先生「こんど地球儀を見てみてください。シロナガスクジラというのは、その北極の海から南極の海の近くまで、全世界の海に住んでると言っても間違いではないみたい。ただし部分的にシロナガスクジラが住んでない所はあるけどね。おおよそ地球上の大洋にはだいたい住んでいる。主に住んでる所は北の北極海の方と、南の南極海の方になるようです。

ただし、赤道という所を中心にして北側と南側では季節が全く逆になるんですよ。日本は北半球にあります。だから、日本の方の北半球が冬の場合は、南半球が逆に夏になるわけね。

それで、このシロナガスクジラは世界中の広い海の中を、2つの目的を持って泳いで移動するんです。1カ所にずーっと大人から子どもまでいるのではなくて、小さい時から大人になるまで、あるいは大人になってから、いろいろな場所をぐるぐる回るわけ。回るんだけど、シロナガスクジラを世界中の住んでいる場所で調べてみると、どうもシロナガスクジラは4つに分けることができるみたいなんです。

でも、○○ちゃんはこれから1年生になるよね? だから4つのシロナガスクジラのことは、後でもっと大きくなってから勉強してもいいです。今覚えておいてほしいのは、地球の北半球にいるシロナガスクジラと南半球にいるシロナガスクジラは、それぞれの半球に住んでるけど、赤道を越えてお互いの海の方には行かない。それだけは覚えておいてください。

ですから南半球にいるやつをミナミシロナガスと呼んでいて、北の方にいるやつはキタシロナガスと呼んでいます。

じゃあ、なぜ海をぐるぐる回るのかというと、1つはエサを食べに、北の方のエサが豊富な所へ移動します。そして子どもを育てる時は暖かい方の海で。つまり夏の時期に水温が上がる暖かい海で子どもを育てる。エサを獲るために北の方へ行ったり、子どもを育てるために南の方へ移動したりすることをやっています。これを回遊と言うんです。ぐるぐる回って遊ぶと書くんだけどね。

ですからシロナガスクジラは、今のところ北半球と南半球に分かれていて、それぞれ季節が違うのでぐるぐる回ってる時期がそれぞれ反対になるということになるかな。○○ちゃん、分かったかな?」

質問者「……うん。」

アナウンサー「難しかったかな? シロナガスクジラは地球のどこにでも生息している可能性がある。」

林先生「そう、どこの海にもいると考えて良いと思います。赤道近くまで来ることはあまりないですが、南緯……南の端っこで言うと20度ぐらい。南緯20度というと、オーストラリアとニュージーランドの間ぐらいの高さまで。そして北の方は北緯20度ですから、ちょうどハワイ諸島がある所。日本だと奄美群島ぐらいまでは移動するみたいですよ。」

アナウンサー「シロナガスクジラにもいろんな種類があって、先生が言った場所とか地球のどこにあるのかなというのは、小学校に上がってから地球儀とか本を見ながら確認してみてください。」

林先生「そうですね、そういうものを見た方が分かりやすいとは思うんですね。お家の人に聞いても良いかもしれない。」

アナウンサー「そうですね。○○さん、どうもありがとうございました。」

質問者「ありがとうございました。」

ざっくりイメージすると地球の海のだいたい半分を、エサ場と子育てエリアに分けて行き来する…? 確かに地球儀見た方が分かりやすいかも。んでシロナガスクジラの種類ごとに生息範囲を地球儀に書き込んだら自由研究になる?

 

Q12 プテラノドンは空を飛ぶけど、地面に

  下りて他の恐竜と戦ったり競争をしたり

  することはできるんですか?(5才男子)

 

田中先生「まずプテラノドンは走れないと思うな。というのは、実はプテラノドンは足跡化石というものが残ってて、」

質問者「うん?」

田中先生「足跡化石が残ってるんだけど、プテラノドンは地面にいる時は、4本の脚でペタペタ歩いてたと考えられます。これは足跡の化石から分かります。」

質問者「足跡の化石は見たことありません。」

田中先生「じゃあ今度博物館に行って、足跡化石も確認してみてね。プテラノドンは地面でヨチヨチ歩いていたから、あまり強くなかった、脚もあまり速くなかったんじゃないかなと思います。」

質問者「はい。」

田中先生「○○君、プテラノドンは恐竜か恐竜じゃないか知ってる?」

質問者「知らない。」

田中先生「実はプテラノドンは恐竜じゃないんです。」

アナウンサー「あっ、恐竜じゃないんですね?」

田中先生「これは翼竜という他の動物ですね。」

質問者「はい。」

田中先生「すごく面白い質問だから、飛ぶことと走ることを両立させた二刀流の恐竜はいたのか考えてみたんだけど、○○君、両方できる恐竜はいたと思う?」

質問者「いないとは思う。」

田中先生「いないと思う?」

質問者「うん。」

田中先生「翼、羽毛がある恐竜は知ってる?」

質問者「つばさ? うーん……。」

田中先生「恐竜の中にも翼がある恐竜がいました。例えばミクロラプトルとか、アンキオルニスとか、イーとかいくつかいるけど、後で図鑑を見てもらえばいいかな。だけどミクロラプトルは走るのが得意で、イーは飛ぶ方が得意なんだよね。両方できるというのはなかなか難しくて、せっかくだからスタジオの成島先生に……今生きている動物で二刀流の動物っているんですかね?」

成島先生「うーーん、例えばムササビとかモモンガという動物がいますよね? 彼らは木に登って高い所に行くと滑空するので、二刀流と言うべきかどうか……。同じ哺乳類でも空を飛ぶことに特化したコウモリはだめですね。コウモリは飛ぶことは上手だけど、脚が弱くて筋肉が発達してないので、走るのは難しいですね。」

田中先生「ふううん、○○君、両方できる動物はなかなかいないんだって。」

質問者「うん……。」

アナウンサー「田中先生、どうして両方は難しいんですか?」

田中先生「やっぱりどっちかに片寄っちゃうんですよね。体の構造を変えるのってエネルギーが要るので、両方成立させるのは難しいのかもしれないですね。」

アナウンサー「ふううん…○○君、そうなんですって。両方できるものはなかなかいないと。」

質問者「はい、分かりました。」

成島先生「今ちょっと思いつきましたけど、ダチョウって知ってる?」

質問者「ダチョウ?」

成島先生「ダチョウって見たことない?」

質問者「聞いたことはある。」 

成島先生「これは飛べないけど鳥なんだよ。大きな鳥なんだけど、走るのが上手だけど体が重たくて飛べないんです。」

質問者「うーん。」

成島先生「生きていくためには、やっぱりどっちか1つが得意な方が良いんじゃないかな。」

質問者「うん……はいぃ…。」

アナウンサー「ということなんだね、○○君、今5才だからもう少しすると小学校に上がると思うけど、そしたらいろんな字を読むように……今もう読めるのかな?」

質問者「字ぃ? 読めるのもあるけど読めないのもある。」

アナウンサー「そしたら、自分でも字を勉強して、いろいろ調べて読んでみたり……これからいろんな研究が出てくるかもしれないから調べてみてね。今日はどうもありがとう。」

 

地上で戦わなくて済むように空中に居場所を求めた可能性もあるから、やっぱ地上では弱い立場だったんだろうなあ。

 

Q13 天の川はどうしてあんなにいっぱい星

  が集まってるんですか?(小4男子)

 

永田先生「○○君は天の川を見たことありますか?」

質問者「はい、あります。」

永田先生「どんなふうに見えた?」

質問者「すっごいきれいで、帯みたいに。」

永田先生「あ~帯みたいに見えたんだね。そう、まさに帯みたいに見えて昔の人、特に日本では空に川が流れてるみたいだということで、“天の川”という名前になりましたけれども、○○君、天の川は星がたくさん集まってるというのは知ってたんだ?」

質問者「はい、知ってました。」

永田先生「これは何かで見たの?」

質問者「本に書いてあった。」

永田先生「そうかぁ、○○君、双眼鏡とか望遠鏡で天の川を見たことはある?」

質問者「それはないです。」

永田先生「チャンスがあったらぜひ見てほしいんだけど、本当にたくさんの星がいっぱい集まって見えるんですね。これは何なのかということだけど、昔、ウィリアム・ハーシェルという天文学者さんが望遠鏡を使って天の川の様子をよく調べたら、天の川は本当にたくさんの星がびっしり集まっていることに気がついたんですね。

星座の星ってあるよね? 星座の星も天の川の星も、みんな太陽のように自分で輝く星、恒星という仲間の星なんですけれども、星座の星は比較的、地球から近くにある星なんです。近いといってもそう簡単に行って帰って来れる距離ではないけど、天の川の中にある星よりは近くにあるんです。」

質問者「ふうううん。」

永田先生「イメージとしては、例えば近くにある木はちゃんと1つの木として見えるでしょ? でも山を見ると、木が集まってることは分かっても、1つ1つの木は見えないじゃない?」

質問者「あああ~。」

永田先生「何となくイメージしてくれた? よかった。そういう感じで、天の川というのは星座の星よりもうんと遠くにある星なんですよ。ウィリアム・ハーシェルさんはすごいんだけど、いろんな星の明るさはみんな同じだと仮定して、明るく見えるものは近くにあるんだろうと。近いから明るく見えるんだろう、遠くにあるものは暗く見えるんだろうと分けて、この宇宙がどうなっているのかを調べたんですよ。

そうしたら、何と言うかな、どら焼きのようなというか、円盤のような形にたくさんの星が分布している、集まっていることが分かってきたんですね。天の川銀河という星の大集団だったんだけど、地球はこの天の川銀河の端っこの方の太陽系の中から他の星を見ているということが分かってきたんです。」

質問者「ああああ~。」

永田先生「ということは、天の川の星は上から見るとグルグルとした渦巻き型で、横から見ると円盤状の、真ん中に星がたくさん集まっていて、端の方になるにしたがって集まりが少なくなっているような、そういう星の大集団。その中に地球があって、そこから星を見てるということが分かってきたんです。

今では天の川の中には2千億個以上の太陽のような星があって、」

質問者「えええ~?」

永田先生「そうだよぉ、2千億個以上あるんだよ。でもこれが全部じゃないんです。太陽のような星の周りに、地球もそうだけど……地球は惑星だよね?」

質問者「はい。」

永田先生「自分で光を出してないでしょう? ということは他の星たちの周りにも、どうやら光は出してないけど……これは太陽系外惑星というんだけど、そういった惑星のような星があると考えられていて、今どんどん見つかっているんですね。ということは、2千億個以上の太陽のような星に、さらに惑星のような星や小惑星やいろーんな天体が、天の川銀河という星の大集団の中には集まっているということが、分かってきたんですね。」

質問者「ふうううん。」

永田先生「すごいね。でも最近はもっと、まだまだ分からないことが分かってきました。それは何かというと、まさに○○君が質問してくれた、“なぜ星がたくさん集まっているのか”、“なぜこんなにたくさんの星が集まってグルグル回っているんだろう”ということ。で、天の川銀河の中心には巨大なブラックホールもあることが分かったのね。」

質問者「ああああ。」

永田先生「こういった星がグルグルと集まっているためには、どうしても今ある太陽のような星、恒星とか、太陽系のような星の大集団の中にいっぱい星があるんだけど、その星たちの質量だけでは、天の川銀河は集まってグルグル回ったりすることができない。集まっていることができないということが分かってきたんです。

集まるためにはやっぱり、それなりのたくさんの物質が必要なんですね。これはダークマター暗黒物質と呼ばれているもので、目には見えないけれどもそういったものが実は……。天の川銀河の中にたくさんの星が集まっているのは、ダークマターとか目に見えないものがあるからなんじゃないか、ということが最近分かってきたんです。」

質問者「ふううううううううううん。」

永田先生「(笑)すごいでしょう? だから○○君、これはなかなかすごい質問だったんだよ。」

アナウンサー「分かってもらえましたか?」

質問者「はい、よく分かりました。」

永田先生「よかった。これからもいろいろ調べてみてね。」

 

Q14 動物はウイルスにかかるんですか?

  (小4男子)

 

成島先生「今はウイルスが蔓延して大変な状況にありますけど、動物もやっぱりかかるんですね。」

質問者「あ、そうなんですか。」

成島先生「○○君はかからないと思ってた?」

質問者「いや、鳥インフルエンザぐらいしか知らないんです。」

成島先生「鳥インフルエンザを知ってるんだ、よかった。鳥インフルエンザはだいたい冬になると流行りますよね?」

質問者「はい。」

成島先生「だいたい渡り鳥が……ハクチョウとかが持っていて、それが運んでくるわけですよね。」

質問者「あ……てことは、外国から日本に持ってくるってことなんですか?」

成島先生「そうそう。渡り鳥自体はウイルスを持っていても病気にならないの。単なる運び屋になっていることが多いんだね。渡り鳥が持ってきた鳥インフルエンザがニワトリにうつると、中には大きな病気を起こしてバンバン死んじゃうことがあるんだね。それを高病原性鳥インフルエンザと言って、“こう”は“高い”と書くんだね。病原性って分かるかな?」

質問者「いや、知らないです。」

成島先生「“高病原性”は病気にかかると状態がものすごく悪いということで、死んじゃう可能性がすごく高いことを言うんだけど、病気にかかってもそんなに重症化しないものを低病原性。重症化するものを高病原性と言うんですね。」

質問者「はい。」

成島先生「水鳥が運んでくる鳥インフルエンザの中には、水鳥が持ってても何でもないけど、別の種類の鳥にうつると、場合によっては大きな病気を起こすということで、特にニワトリの場合は養鶏と言って、卵を生んだりお肉を取ったりするためにたくさんの数を飼ってるでしょ?」

質問者「はい。」

成島先生「そこに病原体、ウイルスが入るとあっという間に一群がかかっちゃって、大変なことになっちゃう。ということで大きな問題になっていたんですよね。

鳥インフルエンザ以外にもいろいろなウイルスがあって、例えば犬の病気として有名なものにどんなものがあるか、教えてくれる? 思いつくかな?」

質問者「うーん………狂犬病?」

成島先生「そうです。狂犬病ウイルス。どういう字を書くか分かるかな?」

質問者「狂暴になっちゃう……。」

成島先生「そうそう、“狂暴になる”の“狂”という字と、“けん”は“犬”でしょ? 狂犬病の原因を起こしている病原体はウイルスなんです。」

質問者「ああ……そうなんですか。」

成島先生「うん、狂犬病ウイルスというウイルスなんですよ。犬が僕たちのそばにいるから、何となく犬だけの病気のように思うけれども、狂犬病ウイルス自体は哺乳類全部にかかるんです。」

質問者「てことは人間にもかかるんですか!」

成島先生「そうなんです! そうなんだよ。今、日本は狂犬病ウイルスに対しては犬にワクチンを打つことによって抑えているわけだよね? ちょっと前までは世界中で、今でも国によって、まだまだ狂犬病ウイルスを持っている犬が、そこら中に街の中を歩いてるわけ。」

質問者「はい。てことは人にも被害があるってことですか?」

成島先生「そうなんです。けっこう毎年毎年、大変な数の人が犬に咬まれて亡くなっているんです。」

質問者「はああ…。」

成島先生「それからジステンパーって知ってるかな?」

質問者「ん?」

成島先生「犬ジステンパーっていう言葉、聞いたことない?」

質問者「ないです。」

成島先生「これもやっぱりジステンパーウイルスというウイルスに犬がかかって……これは人間には来ないけど、犬が大きな病気をするので、やっぱりワクチンを打って予防するということがされているんですね。

というわけで、ウイルスというのは人間以外のいろんな動物にかかるんです。大きな病気を起こす場合もあるし、起こさないでかかった動物と一緒に世代を交代することもあるんだな。病気になるといろんな問題が起きるので対策をとるわけ。

人間にうつると特に問題になりますよね? そういうものをヒトと動物の共通感染症というんですね。同じウイルスでヒトも動物もかかっちゃう場合を、ヒトと動物の共通感染症の中のウイルス感染症。細菌もあるし、カビ、真菌の場合もあるんだけど、いろんな病原体があって、その病原体ごとにその動物特有の病気を起こす場合と、ヒトも動物も同じ病原体からうつる場合もあるんです。」

質問者「はい。」

成島先生「問題なのは、ヒトと動物の共通感染症なんだよね。狂犬病みたいに。あるいは鳥インフルエンザも、そのうち人間がかかって、病気を起こして亡くなる人が出てくるようなことがあったらまずいじゃない?」

質問者「はい。」

成島先生「そういうことで、ヒトと動物の共通感染症については、みんなが注意をしなきゃいけないわけ。予防するためには、1つは予防注射をすることでしょ? それから動物がかわいいからって、けっこうなでなでしたり、場合によってはチューチューしたりキスする人がいますよね? それは避けなきゃいけないんだ。」

質問者「そうすると、体に付いてきたりして、他の人にもうつってどんどん広がっちゃうんですか?」

成島先生「そうです。そうなんです。動物から病原体をもらった方が別の人にうつしちゃうこともあるわけでしょう? それを避けなきゃいけないね。だから、かわいいからって抱きしめたり、チューチューしたくなる気持ちは分かるけど、過度な触れ合いはやめた方が良いんだ。

それから動物に触ったら、必ず手をよく洗うことですね。○○君は動物は飼ってますか?」

質問者「いや、飼ってません。」

成島先生「動物を飼った場合は、おしっこやウンチの世話をちゃんとしないといけないんだ。いつもきれいな環境を作っておくということだね。あと、空気を入れ換える換気も大切ですね。そういうふうにして人と動物が一緒に元気に暮らせる環境を作っていくことが大切なんです。

まとめると、動物も人と同じように、ウイルスも含めていろんな病原体にかかるということです。」

質問者「はい。」

アナウンサー「今日は質問してくれてありがとうございました。」

質問者「ありがとうございました。」

アナウンサー「また何かありましたら番組に送ってくださいね。」

質問者「はい。」

成島先生「ありがとう。」

質問者「さよなら~。」

アナウンサー「今は新型コロナウイルスが人の間で感染していくところで、私たちも気をつけなくてはならなくて、今日もスタジオの換気をこまめにしながら放送をお送りしてきました。番組を聞いているみなさんも油断することなく、しっかり手洗いをしたり……そうした対策の中にはちゃんと食べてちゃんと睡眠をとって、しっかり体力をつけておくということも大事だと思います。」

 

質問終わり~先生方から一言

永田先生「今日は壮大な宇宙の質問がありましたけれども、宇宙のことは、実は世界が協力して解き明かしているんですね。コロナもそうですけど、みんなが元気で地球で生きていくために、世界中が協力をするきっかけになってほしいなと思います。」

 

成島先生「最初のお友だちがゴリラやチンパンジーのベッドの話をして、なかなか面白いところに気がつくんだなあと思いましたね。あと、図鑑やDVDも良いですけど、やっぱり実際のものを見てもらうと、さらにいろんな疑問が湧いてくると思うんですね。今は難しいですが、落ち着いたらぜひ、実物も見てほしいと思いました。」

 

林先生と田中先生は感想コメントなし。

 

子ども科学電話相談 春スペシャル3/30(天文・宇宙、動物、水中の生物、恐竜) 0~1時台

3/30のジャンルは

 天文・宇宙 永田美絵先生

 動物 成島悦雄先生

 水中の生物 林公義先生

 恐竜 田中康平先生

 

この日からは午後0:30~3:55の放送。

アナウンサー「昨日は東京でも雪が降って、桜の花も身震いしていたのではないかと思います。今日は曇り空。何とか花開いている桜が健気に見えます。」

 

アナウンサー「永田先生よろしくお願いします。3月もあと今日と明日。」

永田先生「そうですね!」

アナウンサー「子どもたち、ちょっとくすぶってるかもしれませんけど、先生から何か良い過ごし方はありますか?」

永田先生「今、お家にいるお子さんがほとんどだと思いますけれども、こんな時こそ、お家から星空を眺めてみようと私は思うんですね。お家の窓やベランダから空を、ぜひこの機会にじっくり眺めてみてください。もし明るいお星様を1つ見つけたら、時間をおいて1時間後に、その星がどうなってるかなって見てもらうと、星ってだんだん動いていくんですね。動いていくのは地球がまさに自転をしているからなんですよ。そんなのをゆっくりと見るとか、この機会にうーんと早起きをして、明け方の空の星を見るのもおすすめだと思います。今朝はどこも曇り空が多かったのかな? 残念ながら私も見られませんでしたが、今は明け方に惑星が並んでいて、明日、あさってのお天気が良ければまだまだよく見えてるのが、木星土星と火星が近づいてる様子なんです。」

アナウンサー「肉眼で見える……?」

永田先生「もちろん! 見えます! 特に木星! 明るく輝いてますし、火星は赤い色で見えてます。惑星がギュギュッと近づいているのって本当に珍しいんですね。それがまさに今の明け方。太陽が昇ってくるちょっと前なので、1時間ぐらい前の午前3時半ごろですけれども、」

成島先生&アナウンサー「おお。」

永田先生「早起きというには早すぎるかもしれないですけど、この際、目覚ましを早ーくかけて、東側の低ーいところになっちゃいますけれども、お家の窓から見えるという人はぜひ、この惑星を探してみてください。美しい風景を見るのは気持ちも前向きになりますし、特に星を見ることは空を見上げること。空を見上げていると小っちゃな元気が出てくると思うんですね。ですからこんな時こそ空を見上げてみてください。」

「小っちゃな元気」という言葉が、何か分かる気がする。言葉選びがすてきだ。

 

アナウンサー「成島先生、動物園が閉園していて、動物たちも寂しいでしょうね。」

成島先生「そうなんですよね、コロナの関係で動物園や水族館はお休みしてる所がけっこうあるんです。だから皆さんも動物園あるいは水族館に行けなくて残念かもしれませんけれども、動物たちもみなさんに会えなくて残念がってるんですよ。動物園の中にいると、野生の状態とは違って退屈なことが多いんです。それがお客さんが来ることでコミュニケーションがいろいろ生まれて、思った以上に動物たちはお客さんと触れ合ってる、あるいは出会ってる時間を楽しみにしているんです。」

アナウンサー「そうなんですね。そういう動物たちに対して、動物園では何か考えているんですか? ストレスをなくすための…。」

成島先生「そうなんですよ。特に飼育担当の方々が一生懸命ですね。空いてしまった時間を動物が退屈しないように、例えばエサなんかは隠しちゃうんですね。ふつうはちゃんとお皿に盛って、“さあ食べて、朝ごはんですよ”って渡すんですけど、その朝ごはんを木の中に隠しちゃうとか、藁の中に隠しちゃうとかすると、探さなきゃいけないでしょ? 探すために時間がかかるわけですよ。その時にやっぱり頭もいろいろ使わなきゃいけない。ということで、動物たちにとっては非常に充実した時間になるんですよね。」

アナウンサー「ちょっとゲーム感覚で。」

成島先生「そうそう(笑)。そういうことによって動物たちが退屈しない工夫をしてるんです。あと考えられるとすれば、ボールみたいなものを与えて……人工物ですからちょっと変だなと思うかもしれませんけれども、動物によってはボールがあることで、じゃれたり自分で投げてその後を追いかけたりして、それがまた遊び道具になるんですね。」

アナウンサー「ふうううん、じゃあ動物たちもボールを相手に新しい遊びを見つけているかもしれないですね。」

成島先生「そうです。」

 

アナウンサー「林先生と田中先生は、今日は電話でお答えくださいます。」

 

Q1 どうして温度を書く時には最後にアルフ

  ァベットのCがつくんですか?(小2女子)

 

アナウンサー「温度を表す時に、数字の後にアルファベットのCをつけるのはなぜかということですね。では、これは……そうですね、先生に聞いてみましょう……これはやっぱり永田…先生ですかね?」

永田先生「あ……はい、では頑張って答えたいと思います(笑)。」

成島先生「(笑)ンフフフ」

天文・宇宙を感じられない質問だが…? 

 

永田先生「○○ちゃん、今度3年生になるんだね、おめでとう。」

質問者「ありがとうございます。」

永田先生「○○ちゃんはよく見てるなと思うけど、アルファベットのCの前に、小っちゃな丸がついてるの知ってる?」

質問者「知ってます。」

永田先生「知ってるよね、ドシー(℃)と言ったりするけれども、この小っちゃな丸が温度を表す記号なんだって。」

質問者「へえええ。」

永田先生「温度を表す時、日本ではCというのを使うことが多いけど、アメリカとかは違う単位を使うことがあるんだ。このCは何かというと、スウェーデン天文学者さんで、アンデルス・セルシウスという人がこれを作ったから、このセルシウスの頭文字のCを使ってるんだって。」

質問者「へえええ、そうなんだ。」 

永田先生「これはどういうふうに決めたのかというと、○○ちゃん、お水を冷凍庫に入れて氷を作ったことある?」

質問者「はい。」

永田先生「お水を冷やすと氷になるよね? 氷になる温度を0℃にして、今度はお水を…お湯をわかすのに沸騰させたことあるかな?」

質問者「はい、あります。」

永田先生「そうすると熱くなるけど、どんどん蒸発してくのもあるじゃない?」

質問者「はい。」

永田先生「お水が沸騰する温度を100℃と決めた。もう1回言うと水が凍る温度を0℃、水が沸騰する温度を100℃と決めたのが、このアンデルス・セルシウスさんで、これを日本では使ってるのね。だから何℃、度、シーと決めています。摂氏とも言いますけどね。」

質問者「はい。」

永田先生「これがアメリカの一部とか英語圏では、華氏というのを使ってる所があるんだって。これは小っちゃな丸の後にFというアルファベットをつける(°F)のね。」

質問者「うん。」

永田先生「このFというのは、ドイツのガブリエル・ファーレンハイトさんという人がこれを決めたからなんだって。」

質問者「へえええ。」

永田先生「これの決め方は水が沸騰する温度を、日本の℃では100度だったけど、212度に決めたんだって。けっこう高いよね?」

質問者「うん。」

永田先生「だからアメリカに行って体温を測ると、この華氏の体温計で体温を測って、“○○ちゃんの今の体温は97度ですね”とか言われちゃうんだ。」

質問者「へえええ(笑)。」

永田先生「すごいね(笑)。ビックリしちゃう人もいるけど、こんなふうに温度というのはいろいろな、実は他にもニュートン(°N)とかケルビン(K)とかあるんだよ。」

質問者「へえええ。」

永田先生「せっかく○○ちゃんがアルファベットのCが何でかなと思ってくれたので、他にもどういうものがあるのかなって、ちょっとずつ調べてみたら面白いんじゃないかなと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「分かりましたか?」

質問者「はい、とてもよく分かりました。」

永田先生「あ…よかったあ。」

アナウンサー「アンデルス・セルシウスさんのセルシウス、Cで始まるお名前なので℃と書くんだって。でも、これだけじゃなくて他の表し方もあると先生に教えてもらいましたね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「また復習してみてくださいね。」

質問者「はい、分かりました。」

天文学者の名前の頭文字をとって℃、永田先生が頑張って(無理やり?)答えたインパクトで覚えられるかもしれない。 

 

Q2 ゴリラやチンパンジーはベッドを作って

  寝ますが、他のサルは作らないのです

  か?(小4男子)

 

成島先生「ゴリラやチンパンジーがベッドを作るってよく知ってるね。図鑑か何かに書いてありましたか?」

質問者「図鑑で見ました。」

成島先生「そこにはゴリラやチンパンジー、それ以外にどんな動物がベッドを作るとか書いてあった?」

質問者「オランウータンとか。」

成島先生「オランウータンだね。ゴリラとかチンパンジーとかオランウータン、それから僕たち人間もベッドを作るでしょ?」

質問者「はい。」

成島先生「ベッドを作る仲間というのは、霊長類の中でもヒト科というヒトに近い動物たちなんだよね。答えを先に言ってしまうと、それ以外のサルの仲間はベッドを作らないんです。」

質問者「へええええ。」

成島先生「ベッドを作るとどんな利点があるかというと、やっぱり…木の上に作るでしょ?」

質問者「はい。」

成島先生「木の上にいるから、まず自分たちの敵である肉食動物が上がってこれないじゃない? そうすると安心だよね?」

質問者「はい。」

成島先生「それから地面の方にはカとかブヨとか体の血を吸いに来る厄介な虫がいるでしょ? それが上に行けば行くほどいなくなるんですよ。高い所まで飛べないので。」

質問者「あああ~。」

成島先生「それも安眠の助けになるじゃない? ということで高い所に巣を作るということは、毎日作るのは大変だけど、それなりに利点があるんですね。」

質問者「はい。」

成島先生「ただ、ベッドを作るためには頭が良くないとだめだよね。そういうことで、僕たちヒトと同じ仲間であるオランウータン、チンパンジー、それからチンパンジーの仲間のボノボ、それとゴリラとヒト、この4種。オランウータンはいくつかの種類があるけど、大きく言って4つの仲間がベッドを作ってるんですね。」

質問者「はい。」

成島先生「でね、ベッドは毎日作るんです。○○君は毎日、お布団をちゃんときれいにしてますか?」

質問者「たまにします。」

成島先生「たまに(笑)。そういうのを何て言うか知ってる? 万年ベッド、万年床とか言ってアレなんだよ。おじさんのところもそうだけどね。

ただ、人間以外のベッドを作る動物たちは、毎日作り変えるんです。どうやって作るかというと、材料は何だと思う?」

質問者「枝とか、葉とか。」

成島先生「そうだよね。木の上の方に作るから、当然その周りにあるものが材料になるわけでしょ? 大きな枝で枠組を作って、その上に小枝とか葉っぱを乗せていって、フカフカしたベッドになるんだよね。」

質問者「はい。」

成島先生「チンパンジーだとそれを作るのに2~3分なんだって。短時間で作っちゃうらしいんだよ。それで毎日作るでしょう? チンパンジーの寿命が40年から50年ぐらいだとすると、40~50×365……小さい時はお母さんと一緒だけど、生きてる間に全部でいくつぐらいのベッドを作ることになると思う?」

質問者「ええっ(笑)………分かりません。」

成島先生「(笑)フフフッ。仮に40年としたって、12000とか13000という数字になるよね?」

質問者「はい。」

成島先生「まぁたまには1回使ったやつを使うこともあるらしいですけど、平均すると1万個以上はベッドを作ってるらしいよ。」

質問者「えっ!」

成島先生「すごいよね! おじさんはボルネオという島に行ったことがあるんですね。そこで野生のオランウータンがいる所に、研究者に連れて行ってもらったんですけど、オランウータンが前に使ったベッドが、木の上の方にあるんだよね。30メートルかな、40メートルぐらいの高い所に……周りの葉っぱがなくなるとそこだけ大きなこんもりした枝のかたまりとして見えるんですけれども、研究者が“あれはオランウータンが使ったベッドだよ”と教えてくれました。すごいよね。」

質問者「はい。」

成島先生「ベッドがあるとけっこう寝やすいんですよね。ベッドの利点はさっき言った、肉食獣に襲われないとか嫌な虫に邪魔されないこと以外に、睡眠の質が良くなるらしいんだ。」

質問者「ああ~、なるほど。」

成島先生「分かる? ○○君は座って寝たことありますか?」

質問者「車の中で寝ちゃった時はある。」

成島先生「その時はよく眠れた?」

質問者「いや、そんな。」

成島先生「そうなんだよね、座って寝るのと体を横にして寝るのとでは、疲れのとれ方が全然違うでしょう?」

質問者「はい。」

成島先生「だからベッドを作るということは、睡眠の質を上げることになるんだよね。例えばニホンザルはどうやって寝るかというと、木の枝にまたがって寝たりするんだね。その時は背骨が地面に対して立ってるでしょ?」

質問者「はい。」

成島先生「○○君が車で寝た時は、背もたれがあったのでけっこう楽だったと思うけど、サルの場合は幹に体を預けて寝ると思うんだ。そうすると立ったまま寝るような形になるので、十分な睡眠がとれないわけね。ニホンザルも含めて他のサルたちはみんなそういう寝方をしているので慣れっこなんだけど、ベッドを作るサルに比べれば睡眠の質はあまり良くないんだ。眠りが浅いと言うのかな。」

質問者「はい。」

成島先生「そんな感じでベッドを作るというのは、動物が進化して快適な生活ができるようになった、頭脳が良くなったおかげだと考えられますね。」

質問者「はい。」

外敵に襲われにくい環境で、まとまった睡眠時間を確保したら脳が発達しやすかったってこと? 睡眠やっぱり大事。

 

アナウンサー「先生、毎日作るということですけど、たまには疲れて同じ所に2回寝ちゃったことはないんですか?」

成島先生「そういうことはあるらしいですね。」

アナウンサー「あるんですか!」

成島先生「ええ、昔使った所に寄って行って使うことはあるらしいです。ただ、自分の体についた虫なんかもベッドに移っちゃうわけですから、同じ所に寝ることは衛生上あまり良くないこともあって、基本的にはベッドを変えてるんだろうと思いますね。」

アナウンサー「同じような所にとどまらないで、場所をいろいろ…」

成島先生「ええ、エサを求めて移動してますから、当然新しい場所で新しいベッドを作って寝ることになるんでしょうね。

それで面白い話があるんですけど、チンパンジーのベッドの寝心地が非常に良いというので、日本の霊長類学者がアフリカに行ってチンパンジーとかゴリラの研究をして帰って来て、“これは素晴らしい”ということで、ベッドを作ってる人にお願いして、そういうものを商品化してるんです。」

アナウンサー「へええええ。」

成島先生「けっこう高いですけどね。」

アナウンサー「そんな手がかりにもなってるんですね。」

成島先生「私はそれを見せてもらったことがありますが、やっぱり寝心地が良いですね。」

アナウンサー「○○君、ベッドを作るのは身を守るためだけではなく、睡眠の質を上げるためでもあるそうですね。」

質問者「はい。」

エサを求めて移動する生活だからベッドも日替わり、衛生的にもなって睡眠の質も上がる。けっこう手早く作ってるようだけど寝心地は毎日変わるんだろうか。たまに落ちたりとか。

 

Q3 バケツでメダカを飼っていて、卵を生ま

  せるために水草を一緒に入れてるんです

  が、水草が2~3週間で腐ってしまいま

  す。どうすれば水草を育てることができ

  ますか? (小5男子)

 

アナウンサー「水草が腐りやすい、どうしたら腐らないで育てられるかということですね。ではこれは……林先生に聞いてみましょう。今日は電話で答えてくださいます。林先生!」

林先生「はーい!」

電話越しでもお元気。メダカじゃなくて水草の相談だが、水の中の生き物ってことで林先生なのか?

 

アナウンサー「○○さんの質問、聞いて頂けましたか?」

林先生「はい、聞きましたよ。○○さん、北海道にお住まいなんですね。まだ外は寒いですか?」

質問者「はい。」

林先生「○○さんの質問を聞いてたけど、バケツに入れて飼ってるというお話でしたよね? じゃ、そのメダカは全部、そのバケツに入れて飼育してるわけね?」

質問者「はい。」

林先生「育ててるバケツの置いてある場所はどこなんでしょうか?」

質問者「えっと、今は外に出してます。」

林先生「ふだんは家の中ですか?」

質問者「冬の間とか寒い時は玄関に置いて、暖かい時は外に出すようにしてます。」

林先生「分かりました。それでバケツは最初から同じものなんですね?」

質問者「はい。」

林先生「バケツはプラスチック? それとも金属?」

質問者「プラスチックです。」

林先生「色は濃い色? 何色?」

質問者「水色です。」

林先生「そうすると一般的な、底の方がちょっと細くなってる、手で持つところがある、いわゆるふつうのバケツかな?」

質問者「はい。」

林先生「これは今まで全く変わってないわけね? それを季節によって外に出したり家に入れたりしてるわけね?」

質問者「はい。」

林先生「外に出してる時は日のよく当たる場所ですか? あまり日が当たらない場所ですか?」

質問者「よく日が当たる場所です。」

林先生「目安でいいけど、1日にどのくらいの時間、光が当たってますかね?」

質問者「……うーん、測ったことはないんですけど、お日様が出てる間はずっとだと思います。」

林先生「ということは、水温はお日様が出てる間、少しずつ暖かくなる状況なのかな?」

質問者「はい。」

林先生「分かりました。水草はいつも買ってくるということだよね? 水草の種類は金魚やメダカを飼う時によく使う、金魚藻(きんぎょも)と呼ばれてるあの水草かしら? モシャモシャしてる、細い葉っぱがたくさん出てるやつ?」

質問者「はい、カモンバ…だと思います。」

林先生「ん? ごめんなさい、もう1回。」

質問者「カモンバです。」

林先生「はい?」

質問者「カモンバ。」⇦カボンバかも。

アナウンサー「カモンバって言ってますね。カモンバってありますか?」

林先生「ほお………ちょっと僕が知らないやつだな(笑)フッフッ。葉っぱの形を説明して頂けますか?」

質問者「細くて、モシャモシャしてます。」

林先生「モシャモシャしてる。北海道の方の呼び方なのかな……金魚藻と呼ばれてるやつだとすれば、和名はマツモというやつかなと思うけど。似たような植物はいくつか種類がありますけれども、マツモと考えながら説明してみようかな。熱帯魚用のものではないですよね?」

質問者「はい。」

林先生「分かりました。」

マツモとカボンバは種類も見た目も違うけど、「モシャモシャ」はどちらにも当てはまるなあ。オノマトペ面白い。

 

林先生「水草は完全な植物なので、自然の状態ではサラサラした水の流れがある所とか池とか、わりと水が循環する場所に生えてるんですよね。もちろん水槽の中でも飼育できますが、細い根が茎の下の方から出て、それを泥の中に入れて育つタイプの水草ではないのね。フワッと上に浮いてるわけ。」

質問者「はい。」

林先生「○○さんはこの水草をある程度束ねてバケツの中に入れてるのか、それともバラバラにして入れてますか?」

質問者「バラバラにして入れてます。」

林先生「そうすると水面の上の方に浮く感じで、水面を覆いますか?」

質問者「はい。」

林先生「そうすると水草は、たぶん○○さんが知ってるように植物だから、お日様の光が十分に必要なのね。だからお日様の光が…ちょっと考えてみたけど、ふつう水槽の中でメダカとかドジョウとかを飼ってマツモという植物を入れてる場合は、両面が全部ガラスでしょ? 上から蛍光灯を使って人工的な光を当ててるわけね。このマツモを育てるための最低条件というのがあるんだけど、光の条件の中では、一般的に人工の光を使う場合は20ワットで最低でも8時間ぐらい光を当ててあげることが必要だそうです。

○○さんから聞くと、外に置いてあって光が十分に入る所だと言っても、バケツの場合は周りが不透明なので、そこを光が通ることはあまりないと思うんですね。バケツの直径というか円周の大きさから考えると、中に入れてる水草が十分な量の光をもらえてないんじゃないかなと思うの。」

質問者「はい。」

林先生「水草が溶けるいちばん大きな理由は、光量不足。光の不足で光合成ができなくなってることがいちばん大きな理由で、これはどんな水草でも葉緑素を持って、お日様の光を使って水中に酸素を出す光合成を行っている限り、お日様の光が……まぁたくさん当たらない方が良い植物もあるけど、こと水草に関しては光が当たった方が良いみたいなんですよ。

やってみないと分からないと思うけど、できれば光の入る工夫をした方が良いのかなと思いますけど、どうでしょう、バケツの上から蛍光灯で当てる方法も確かにあるけど、外だとなかなか難しいよね?」

質問者「はい。」

林先生「ガラスの水槽で、部屋の中の、例えば窓際……窓際そのものだと今度はコケが生えてきたりするけど、部屋の中でメダカを飼育できる場所は見つけられますか?」

質問者「はい。」

林先生「じゃあ、よかったらそこに……バケツでも大丈夫だろうと思いますけど、プラスチックだから蛍光灯の光がずっと入ってしまうと熱がこもってしまうこともあるかもしれない。できればガラスの水槽に変えて頂いて、そこに20ワットくらいの蛍光灯を6時間から8時間ぐらい点けてあげる。そういうことをすれば、たぶん水草は元気に生きていけるだろうと思います。」

質問者「はい。」

林先生「ちょっとそんな工夫というか、飼育環境を変えてあげることができますかね?」

質問者「はい。」

林先生「もう1つ考えられるのは、ちょうど卵を生む時期に水草を入れると言ってますよね? 北海道であってもバケツの大きさによっては逆にお日様が当たりすぎて、水温が高くなっちゃう可能性はないかな?」

質問者「……うーん………。それはよく分かんないです。」

林先生「じゃあ、もしできるのであれば部屋の中で人工的な光を使った方法で飼育してみるのも1つだけど、そのままバケツでやってみるとしたら、春から夏にかけて外に置いておく時に、光を当ててる時間で水温が上がってしまう。マツモのいちばん育ちやすい水温が15℃から25℃ぐらいなの。北海道の夏でもバケツで飼育していて光がいっぱい入りすぎる場所で25℃以上になっちゃうと、溶けちゃう可能性も実はゼロじゃないんだな。そういう2つの理由が考えられると思うのね。」

アナウンサー「○○さん、どうですか? 光の当たる時間、それから温度と、両方の改善のポイントがあるんですけど、」

林先生「温度が高くなっちゃう場合は適当に水替えをすれば良いですけれども、水を替える時に急激に温度を下げたり、半分以上の水を一気に替えてしまうと、メダカのコンディションにも水草のコンディションにもあまり良くないんです。だから、暑くなって水温が上がった場合には汲み置きして日陰に置いておいた水を、3分の1ぐらいずつ替えてあげれば良いかなと思うんですけどね。毎日じゃなくても大丈夫だけど。」

質問者「よく分かりました。」

アナウンサー「どうですか○○さん、できそうですか?」

質問者「はい、やってみます。」

林先生「今からだと、これから4月だから、5月頃にその準備をするとして、1ヶ月の余裕があるから、自分でいろいろ計画を立ててみて。」

アナウンサー「そうですね。器を変える時はお父さんとかお母さんと相談しながらやってみてくださいね。」

林先生「メダカは今どのくらいいるのかな?」

質問者「数は分からないですけど、30匹以上はいると思います。」⇦意外にいっぱいでビックリ。

林先生「おおーすごい。すると必ずオスとメスがいるはずだから、卵を水草に生みつけますよね。それで増やしていったら良いと思いますね。長い目で見ていくとメダカは卵が透明だから、卵の中で子どもが育っていく様子がよく分かるんですよ。観察すると面白いよ。」

アナウンサー「いろいろ試してみながらどんな変化があるか、よく観察して……」

林先生「もし子どもが生まれたら、水草が元気に育ったら、結果を報告してみてください。」

質問者「はい。」

時間の都合でアナウンサーが林先生のお話に食い込んでまとめようとするのに、林先生は待たずに更に食い込んで話す。アナウンサーの心中を察してハラハラしつつ林先生のパワーが楽しい。メダカのお話もしたかったのかな?

 

Q4 ティラノサウルスの歯は、どうして歯の

  上のところが黒いんですか?(小1男子)

 

田中先生「○○君、こんにちはー。スタジオの皆さんもこんにちは。」

質問者「こんにちは!」

スタジオの皆さん「こんにちはー。」

田中先生「(笑)ありがとうございます。」

慣れないリモート回答に違和感があるのか、スタジオともコミュニケーションを図る田中先生、お人柄が出る。

 

田中先生「○○君は今、小学2年生になるところなんだよね。」

質問者「はい。」

田中先生「ということは○○君の歯は乳歯が抜けたりした?」

質問者「はい。」

田中先生「じゃ、ちょうど歯が生え替わってるところかな?」

質問者「はい。」

田中先生「なるほど。ティラノサウルスの歯の質問だよね。ティラノサウルスの歯ってどういう形の歯か覚えてる?」

質問者「はい。」

田中先生「ちょっと説明できる?」

質問者「ナイフのような形。」

田中先生「うん、ナイフみたいに先が尖った形をしてるよね。大きさは?」

質問者「うーん、分かんない。」

田中先生「ティラノサウルスの化石は博物館とかで見たことある?」

質問者「……ないです。」

田中先生「じゃあ今度また博物館が開いたら見に行ってほしいけど、ティラノサウルスの歯ってバナナぐらいかな、けっこう太くて大きいんだよね。」

質問者「はあああ~。」

田中先生「ぜひ博物館に見に行ってみてね。その歯の色がちょっと違ってたんだよね? どういうふうに違ってた?」

質問者「黒い色になってた。」

田中先生「歯の半分ぐらい先の方が色がついてたんだね。黒っぽくなってた。根元はどういう色だったか分かる?」

質問者「分かりません。」

田中先生「分かんない? それってどこで知った? 何で調べた?」

質問者「図鑑やDVDで見ました。」

田中先生「図鑑に載ってたんだね。歯の付け根の方は茶色じゃなかった?」

質問者「へええええ!?」

田中先生「ティラノサウルスの化石は茶色いものが多いんだけど、歯の半分ぐらいが黒くなってる時があるんだよね。あれは元からああいう色だったと思う?」

質問者「うーん……。分かりません。」

田中先生「○○君の歯は何色?」

質問者「白色です。」

田中先生「そうだよね。人間もそうだけどふつうの動物の歯は白い色をしてるよね? ティラノサウルスも生きていた当時は同じように白かったと考えられています。」

質問者「はあああ~!」

田中先生「色がついちゃったのは、地面の中でずーっと長い間眠ってたから、化石になる時に地面の成分というのかな、そういうものを吸い込んじゃったんですね。それで歯の顎から飛び出してる部分、歯の先の方だけ黒くなっちゃったの。」

質問者「はあああ~!」

田中先生「で、本当はもっと刺さってた部分、顎の中に入ってた部分が化石になる時にズルッと抜け出ちゃって、そっち側がまだ茶色い、ちょっと色が薄くなってるんだと考えられます。」

質問者「へええええ!」

田中先生「だからティラノサウルスの歯は色が2種類あるように見えるんだよね。分かった?」

質問者「はい。」

田中先生「この歯の先っぽの黒ずんでる方はエナメル質という、骨の中でもいちばん硬い成分と言われるものでできています。ティラノサウルスは他の恐竜を襲って食べてたよね? だからすごく硬い歯になってて、その部分だけ地面の中で色が変わっちゃったんだね。」

質問者「ふうううん!」

田中先生「面白いよね? 今度また博物館がオープンした時に、いろんな恐竜の歯をぜひ興味を持って見に行ってほしいと思います。」

質問者「はい。」

アナウンサー「○○君、分かりましたか? 田中先生が言ってたように、最初は○○君と同じように白かったんですって。だけど長ーい年月を土の中に埋まって、化石になる過程で色がついてしまった、ということですけど、博物館に行ける時が来たら、実際に自分の目で化石を見てみてくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「どうもありがとう。」

質問者「ありがとうございました。よく分かりました。」

田中先生「(笑)ありがとう。」

恐竜の実物の化石標本を見てても色を気にしたことなかったなあ。骨も歯も本来は白いってこと忘れてた。1本の歯の中の色の違いに気づくお子さんがすごい。

 

Q5 何で冥王星は惑星から抜けたのですか?

  (小3女子)

 

永田先生「○○さんは冥王星が好きなんですか?」

質問者「はい。」

永田先生「そうなのね。だから惑星から外れちゃったのが、ちょっとさみしかったのかな?」

質問者「はい。」

永田先生「これは「子ども科学電話相談」でも本当に多く質問を受けるので、私も皆さんがずーっと冥王星のことを気にかけてるんだなぁといつも思うんですけれども。

実はいろいろ経緯がありまして、まず冥王星が惑星から外れちゃったのが2006年。国際天文学連合IAUというものがあって、世界の天文学者さんが集まって天文のいろいろな取り決めをするんですよ。その時に冥王星は惑星から外しましょうということが決められたんですね。」

質問者「はい。」

永田先生「何で惑星から外れるようになったのかというと、そもそもカロンという……冥王星が惑星から外れる前の2003年に、エリスという天体が見つかったんですね。これが冥王星と同じぐらいの大きさで、これは惑星なのかどうかという議論から始まったんですよ。

というのは、実はその後に同じような天体が続々と見つかってきたんですね。今言っちゃうと、冥王星と同じような大きさの天体が1000個以上見つかってるんですよ。」

質問者「へええええ!」

永田先生「だからこれがいちばん最初。このエリスを惑星にしようかどうかというところで、天文学者の人たちはいろいろ困ったんですね。冥王星があるんだからエリスも惑星でしょうという意見もあったけど、そうするとこれから新たな惑星がどんどん見つかってきそうだぞ、ということになって、天文学者さんが集まって、じゃあそもそもどういう星のことを惑星にしようかとルールを決めたんですよ。」

質問者「はい。」

永田先生「このルールが大きく3つあって、まず太陽の周りを回ってるかどうか。冥王星は回ってるよね? エリスも回ってます。

2番目が、丸い形をしてるかどうか。お星様ってまーるい形が当たり前と思われてるかもしれないけど、そうじゃないものもけっこうあるんですね。だから丸い形をしてるというのは、ある程度大きなお星様なんですよ。」

質問者「へええええ。」

永田先生「3番目、これが問題ですけれども、その星自体の重力で周りのガスを吹き飛ばして、近くに星がないかどうか。で、エリスも、そして冥王星も3番のルールに当てはまらなかったんですよ。エリスが惑星じゃないことになると冥王星も惑星に入らない。ということで、残念ながら冥王星から惑星から外れてしまったんですね。」

質問者「はい。」

永田先生「冥王星ってそもそも、お月様の3分の2ぐらいの大きさなんです。」

質問者「へええええ!」

永田先生「小っちゃいでしょ? 思ったよりも小っちゃいよね?」

質問者「はい。」

永田先生「そういう星が1000個ぐらい見つかってるんですね。冥王星もエリスも含めて準惑星という新しい括りを作って、準惑星の仲間に入れたんです。」

質問者「そうなんですか。」

永田先生「そうなんです。だからなくなっちゃったわけではなくて、冥王星はちゃんと準惑星代表の星になったんですよ。」

質問者「そうなんですね。」

永田先生「ちょっと前に冥王星ニューホライズンズという探査機が行ったんです。この探査機が撮ってくれた冥王星に私も“わあ~こんな星だったんだ!”と感動しましたけど、○○さんもぜひインターネットとかで見てほしいけど、冥王星って1000キロメートルぐらいの氷河があるんですよ。」

質問者「へええええ!」

永田先生「冥王星ぐらいまで行くと太陽から遠いので、ほとんどが氷で覆われているんですね。」

質問者「そうなんですか。」

永田先生「そうなんですよ。しかも、その氷河がハートの形をしてるの。」

アナウンサー「へええ!」

質問者「へええ(笑)。」

永田先生「(笑)これはぜひ見てほしいと思います。私も見た時に“わあ、冥王星ってこんな星だったんだ”、“面白いな、感動だな”と思ったんですね。冥王星も含めていろいろな星が、太陽の周りを回ってます。地球もそうだし冥王星もそうだし、他にもいろいろな星が回ってて、その1つ1つが太陽系の大切な仲間の星なんですね。そういうみんなの星があって太陽系という1つの大きなグループを作っているんですよ。」

質問者「はい。」

永田先生「○○さんは冥王星大好きと言ってくれたので、これからも冥王星に注目をしててください。」

質問者「分かりました。ありがとうございます。」

アナウンサー「冥王星は惑星からは外れたけど準惑星。その惑星と準惑星の違いはどういう……」

永田先生「最初に言った惑星の定義に当てはまらないもの。他に惑星の周りを回ってる衛星がありますよね? 惑星の定義にちゃんと入ってるものは惑星で、現在のところ惑星の定義に入ってるものは、太陽から近い順番に水星、金星、地球、火星、木星土星天王星海王星。これが惑星なんですね。だから太陽系でも惑星とか準惑星とか衛星とか、ほうき星の彗星とか、小惑星とか、実はいろいろなタイプの星があるんですよ。」

アナウンサー「ふうううん……○○さん、ということですって。星にもいろいろあることが分かったと思いますけれども、質問のお答えは納得できましたか?」

質問者「はい、ありがとうございました。」

2006年だと質問したお子さんは生まれてないのに、冥王星が昔は惑星だったと知る機会があるんだなあ。図鑑や本に載ってたり、周りの大人が豆知識的に語ったりするのかもしれない。

 

Q6 サファリパークのライオンやトラはいっ

  ぱい食べていたけど、糞のお掃除はどう

  しているんですか?(小2女子)

 

成島先生「サファリパークに行ったんだ。そしたら地面にいっぱいライオンのウンチが落ちてたんですか?」

質問者「うん。あと、いっぱいの動物の糞が落ちていました。」

成島先生「ライオン以外にいろんな動物のウンチが落ちてた、それをどうしてるのかということですね?」

質問者「うん。」

成島先生「サファリパークの動物は、基本的に一度は、特にライオンとかトラとかクマの肉食動物は夜はお家に入るんです。」

質問者「え、そうなの?」

成島先生「ちゃんと寝室があって、そこで夜は過ごすんです。ごはんを食べて、そこで寝て、朝になるとまたお出かけで、皆さんが行くゾーンに出てくるんだね。ライオンがいなくなった後は安全だから、飼育係のお兄さんとかお姉さんがその場所にほうきとちりとりを持って行って、お掃除をするんです。」

質問者「ふうううん。」

成島先生「ほったらかしだとウンチの山ができちゃうでしょ?」

質問者「うん。そこまでは考えてませんでした。」

成島先生「そうか。もちろん量が少なければ雨とか風でだんだん風化していって、中にいる小さな微生物が糞を食べて、土にしてくれますけれども、量が多いじゃない? ライオンだって10頭ぐらいいるんじゃないのかな?」

質問者「うん、数えきれませんでした。」

成島先生「数えきれないほどいた! そういう大きな肉食動物がいると、1日にそれなりの量のウンチを出すわけだよね。だから自然に任せたんではウンチがどんどんたまっていっちゃうので、夜に寝小屋に入ったら飼育係が出てきて、お掃除をしてきれいにしてるんですね。」

質問者「よかったああ(笑)。」

成島先生「(笑)心配しちゃった?」

質問者「うん。」

成島先生「そうなんだよ。ちゃんときれいにしてるんだ。それにウンチの中にいろんなばい菌が入ってることがあるんですね。掃除をしてきれいにしておかないと、動物も病気になっちゃいますから。」

質問者「それはちょっとかわいそうです。」

成島先生「そうでしょう? 病気になっちゃったらかわいそうだから、きれいにして、きれいな環境で動物を飼うようにしてるんだね。」

質問者「うん。」

動物を展示する施設の大事な仕事だね。

 

アナウンサー「それにしてもサファリパークは広いですよね? どうやって見つけてるんですか?」

成島先生「ジープが走ってますよね? あとライオンがいる場所はだいたい決まってますから、そういう所を中心に飼育係がジープでそばに行って見つけて…とやってると思いますね。」

アナウンサー「やっぱりライオンともなると、1回の量がけっこう多いんですか?」

成島先生「うーん…ちょっと調べてみましたけど、ライオンのウンチってだいたい15センチぐらいの塊で、1日に1頭あたり、それが2個から3個。10頭いれば10倍になるわけだから20個から30個になっちゃうわけですよね。」

質問者「うん……。」

成島先生「毎日掃除しないと、1年で365倍になっちゃうでしょう?」

質問者「うん。」

成島先生「全部は見つけきれてないと思いますけれども、目につく範囲ではきれいにしてると思うな。」

アナウンサー「○○さんは実際に見たの?」

質問者「うん、お父さんの車のタイヤが踏んじゃったから……。」

アナウンサー「そうだったんだ。」

成島先生「糞だけに踏んじゃうよね?」

質問者「うん……。」

林先生はこういう時にちゃんと声を出して笑ってくれるはずだけど、いない……。

 

成島先生「あとね、ライオンの糞はどんなにおいがするか知ってますか?」

質問者「ううん。」

成島先生「その時は嗅がなかった?」

質問者「うん、車の中に入ってたから。」

成島先生「そうだよね、危ないから窓を開けちゃいけないんだよね。肉食動物のウンチはけっこうくさいんですよ。」

質問者「えっ!」

成島先生「他の動物のウンチのにおいは嗅いだことありますか?」

質問者「んーとね、ゾウのウンチは見たことあるけど、においは嗅いだことありません。」

成島先生「ゾウは草をたくさん食べるでしょう? だから草のようなにおいがするんだ。」

質問者「へええええ。」

成島先生「だからライオンのウンチに比べると臭くないんだね。」

質問者「ふううん、それじゃ動物によってにおいは違うんです?」

成島先生「ぜんぜん違いますね。肉食動物はお肉を食べるでしょう? お肉を食べてお腹の中で消化して、栄養を摂った後のものが出てくるんだけど、それがけっこう臭いんです。反対にシカとかキリンとか、」

質問者「草食動物?」

成島先生「草食動物だね。ゾウとかウサギとか。ああいう動物のウンチは臭くないの。」

質問者「すごい。」

成島先生「すごいね。人間は両方食べるから中間ぐらいのにおいだと思うな。それでね、においが臭いから、それがけっこう役に立つことがあるんです。どういうことに役立つかというと、例えば日本だと鉄道が発達してるでしょう? 田舎に行くとシカが出てくるんです。」

質問者「えええ…。」

成島先生「シカが出てくると電車あるいは汽車とぶつかっちゃったりする事故が起きるんだよね。シカさんもかわいそうだし、衝突によって……ないだろうけど脱線が起きちゃうと大きな事故になるでしょう? それを避けるためにライオンのウンチを線路に撒くんだって。」

質問者「そうなの? ええっ!」

アナウンサー「ええええ!? ○○さん、そんなことしてるの、私も初めて知った!」

成島先生「(笑)日本に住んでるシカはライオンを見たことないわけだよね? でもそのにおいがやっぱり嫌みたいなんだ。肉食動物のにおいはやっぱり敏感に分かるらしくて、いつもと違うにおいがあって、もしかすると命を狙われるかもしれない、と気をつけるので、線路にシカが出てこなくなるそうです。」

質問者「ああ…、それなら安心する(笑)。」

成島先生「ただ慣れちゃうことがあって、ずっとは効かないらしいんだ。そのにおいがあってもぜんぜん襲われないと、“これは安全なんだ、ちょっと臭くて嫌だけど大丈夫だ”って、また線路に出てくることがあるらしいですよ。」

質問者「それなら毎回毎回ちゃんと……」

アナウンサー「慣れてきたらどうするんですか?」

成島先生「まぁいたちごっこ……ライオンなのでいたちごっこというか分かりませんけど(笑)、なかなか難しいんですね。他のにおいにするとかいろんなことを考えてるようですけど、当初は効果があると聞いています。僕が動物園で働いていた時も、研究者の方がわざわざお見えになって、ライオンのにおいを抽出して……糞を撒くと汚いので、においを線路に撒く研究をしていきましたね。」

質問者「ああ、そうなんだ。だったらばれない。」

成島先生「(笑)そう。抽出作業してるそばに行くとものすごく臭いんですよ。まいったね。」

アナウンサー「でも○○さんや私たちが“あ~良いにおい”と感じるお花のようなにおいだけじゃなくて、臭いと感じるにおいも世の中では役に立つ場合があるんだね。成島先生のお話を聞いて、どうですか?」

質問者「いやあ、ちょっとビックリしました。」

成島先生「糞の質問をもらったけど、けっこう奥行きが広いでしょう? いろいろ考えてみると、また新しい質問が出てくると思いますよ。」

質問者「うん。」

成島先生「サファリパークにはよく行くんですか?」

質問者「いや、1年に1回行くぐらい。」

成島先生「1年に1回行けばすごいね。また家族と一緒に行ってくださいね。」

質問者「はい。」

アナウンサー「成島先生のお話を思い出しながら見てみると、また新しい発見があるかもしれないね。においを嗅ぎに行くのは危ないので気をつけなくちゃいけないけれど、糞にもにおいがあって、それがいろんな役に立ってることを思い出してみてくださいね。」

成島先生「やっぱり決してきれいなものじゃないからね、手で触ったりはしない方が良いですよ。」

質問者「はい。」

肉食獣の糞だから有効活用したいと思う人もいるんだろうな。シカを食べる肉食動物というとオオカミが思い浮かぶけど、日本はオオカミが絶滅しちゃった。その理由を成島先生が回答したこともあった。

 

          ~0時台・1時台終わり